JP2008148552A - 電気掃除機 - Google Patents
電気掃除機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008148552A JP2008148552A JP2007340230A JP2007340230A JP2008148552A JP 2008148552 A JP2008148552 A JP 2008148552A JP 2007340230 A JP2007340230 A JP 2007340230A JP 2007340230 A JP2007340230 A JP 2007340230A JP 2008148552 A JP2008148552 A JP 2008148552A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- value
- load current
- current
- instantaneous
- zero cross
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electric Vacuum Cleaner (AREA)
- Control Of Direct Current Motors (AREA)
Abstract
【課題】整流子モータの負荷電流に基づく電流送風機の入力制御の精度を確保することができる電気掃除機を提供する。
【解決手段】電流検出部26の出力を交流電圧に応じた周期的な波形として制御部18へ出力する整流部27を備え、制御部18は準備モードまたは掃除モードに設定する動作モード設定部と、整流部27の出力値をゼロクロス検出部28で検出したゼロクロスポイントを基点として所定の周期でサンプリングし負荷電流瞬時値として取り込む負荷電流瞬時値取込み部と、準備モードにおいて負荷電流瞬時値取込み部で取り込んだ負荷電流瞬時値と予め設定された各電流比較値とに基づく補正値を記憶する不揮発性メモリ32bと、掃除モードにおいて瞬時値取込み部で取り込んだ負荷電流瞬時値を補正値で補正した負荷電流瞬時補正値と各電流比較値とに基づいてスイッチング素子22に出力される制御信号の出力タイミングを決定するタイミング決定部とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】電流検出部26の出力を交流電圧に応じた周期的な波形として制御部18へ出力する整流部27を備え、制御部18は準備モードまたは掃除モードに設定する動作モード設定部と、整流部27の出力値をゼロクロス検出部28で検出したゼロクロスポイントを基点として所定の周期でサンプリングし負荷電流瞬時値として取り込む負荷電流瞬時値取込み部と、準備モードにおいて負荷電流瞬時値取込み部で取り込んだ負荷電流瞬時値と予め設定された各電流比較値とに基づく補正値を記憶する不揮発性メモリ32bと、掃除モードにおいて瞬時値取込み部で取り込んだ負荷電流瞬時値を補正値で補正した負荷電流瞬時補正値と各電流比較値とに基づいてスイッチング素子22に出力される制御信号の出力タイミングを決定するタイミング決定部とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、交流電源で駆動される整流子モータを有する電動送風機を備えた電気掃除機に関する。
電気掃除機では、電動送風機に流れる負荷電流を検出し、この電流検出値と予め設定された基準値とを比較して電動送風機の入力制御を行なうことにより、例えば、集塵部のゴミ詰まり状況にかかわらず、所望の吸込力を保てるようになっている。しかしながら、負荷電流を検出する回路等に用いる部品にばらつきがあるため、同じ制御回路を構成したものであっても、上記ばらつきによる検出誤差によって電動送風機の入力電力が異なるという現象が生じる。このため、個々の電気掃除機において製品出荷前に入力電力のばらつきを補正する必要があった。
このような検出誤差に基づく電動送風機の入力電力のばらつきを補正するものとして、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1のものは、所定の入力電力で電動送風機を駆動し、このときに電動送風機に流れる電流を検出回路で増幅、整流、平滑して負荷電流として検出する。そして、これら入力電力や負荷電流を用いて予め設定された基準値を自動で補正できるようにしたもので、人の手によって回路基板上のボリューム抵抗を調整して補正する必要がない点で優れているといえる。
特開平9−122052号公報
ところで、一般的にこの種の電気掃除機においては電動送風機のモータとして交流電源を駆動源とする整流子モータが用いられている。この整流子モータにおいては、整流子とブラシとの摺動によりモータに流れる負荷電流には整流リップル成分が多く含まれている。したがって、負荷電流検出回路等を構成する部品のばらつきによる誤差を補正する場合、整流リップル成分も考慮することが望ましい。
しかしながら、上記特許文献1記載のものでは、この点については何ら検討されておらず、平滑した電流検出値に基づいて誤差の補正を行っていることから、誤差補正の精度が充分でなく、結果として負荷電流に基づく電動送風機の入力制御という観点においても精度が充分でないという課題があった。
本発明は上記課題を解決するもので、整流子モータの負荷電流に基づく電動送風機の入力制御の精度を確保することができる電気掃除機を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、電流検出部の出力を交流電圧に応じた周期的な波形として制御部へ出力する電流検出回路を備え、前記制御部は、その動作モードを、制御信号の出力タイミングを一定とする準備モードまたは電動送風機の吸込性能を維持するように前記制御信号の出力タイミングを可変とする掃除モードに設定する動作モード設定手段と、前記電流検出回路の出力値を、ゼロクロス検出部で検出したゼロクロスポイントを基点として所定の周期でサンプリングし負荷電流瞬時値として取り込む負荷電流瞬時値取込み手段と、準備モードにおいて前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値に基づく補正値を記憶する記憶手段と、掃除モードにおいて負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値を補正値により補正し、この補正値により補正した負荷電流瞬時補正値と各電流比較値とに基づいてスイッチング素子に出力される制御信号の出力タイミングを決定するタイミング決定手段とを備えたものである。
また、電流検出部の出力を交流電圧に応じた周期的な波形として制御部へ出力する電流検出回路を備え、前記制御部は、その動作モードを、制御信号の出力タイミングを一定とする準備モードまたは電動送風機の吸込性能を維持するように前記制御信号の出力タイミングを可変とする掃除モードに設定する動作モード設定手段と、前記電流検出回路の出力値を、ゼロクロス検出部で検出したゼロクロスポイントを基点として所定の周期でサンプリングし負荷電流瞬時値として取り込む負荷電流瞬時値取込み手段と、準備モードにおいて前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値に基づく補正値を記憶する記憶手段と、掃除モードにおいて各電流比較値を前記補正値により補正し、この補正値により補正した各電流比較補正値と負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値とに基づいてスイッチング素子に出力される制御信号の出力タイミングを決定するタイミング決定手段と、を備えたものである。
さらに、電流検出部の出力を前記交流電圧に応じた周期的な波形として前記制御部へ出力する電流検出回路を備え、制御部は、その動作モードを、制御信号の出力タイミングを一定とする準備モードまたは前記電動送風機の吸込性能を維持するように制御信号の出力タイミングを可変とする掃除モードに設定する動作モード設定手段と、電流検出回路の出力値を、ゼロクロス検出部で検出したゼロクロスポイントを基点として所定の周期でサンプリングし負荷電流瞬時値として取り込む負荷電流瞬時値取込み手段と、準備モードにおいて負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値に基づいて各電流比較値をそれぞれ補正する補正手段と、この補正手段で補正された各補正電流比較値を記憶する記憶手段と、掃除モードにおいて、負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値と各補正電流比較値とからスイッチング素子に出力される制御信号の出力タイミングを決定するタイミング決定手段とを備えたものである。
本願各発明の電気掃除機によれば、部品のばらつきによる検出誤差を整流子モータの整流リップル成分の影響も含めて補正することができる。しかも、この補正を行うにあたって、所望のタイミングでスイッチング素子へ制御信号を出力する構成、すなわち電動送風機を入力制御するための構成であるゼロクロス検出部を利用することができるから構成を簡略化できる。
本発明によれば、簡略化した構成で、整流子モータの負荷電流に基づく電動送風機の入力制御の精度を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1を用いて電気掃除機の構成を説明する。電気掃除機は、掃除機本体(以下、単に本体という)1と、この本体1に形成された吸込口2に一端が着脱可能に接続されるホース3と、このホース3の他端に一端が着脱可能に接続される延長管4と、この延長管4の他端に着脱可能に接続される吸込口体5とからなる。
本体1は、上面を開口した下部ケース6とこの下部ケース6の後部上面を閉塞する上部ケース7とで前面を含む周縁にバンパ8を狭持して接合している。そして、下部ケース6の前側上面部の開口を閉塞する蓋体9を開閉自在に設けている。さらに、この蓋体9には、使用者に電気掃除機のゴミ詰まり状態等を知らせるための報知部10が形成されている。この報知部10は、LED等の発光素子や発音素子などにより構成される。また、本体1は、内部に電動送風機11、吸込口2を介してホース3と連通する集塵部としての集塵袋12を設け、電動送風機11の吸気風を集塵袋12内を通過させることでこの集塵袋12で塵埃を分離し集塵するようになっている。さらに、本体1の前側下面には旋回自在な旋回輪(図示せず)を、本体1の後側側面には大径の一対の従動後輪13(一方のみ図示)をそれぞれ設けている。
ホース3は、伸縮自在で湾曲可能な略円筒状からなるもので、ハンドル15および電動送風機11の入力を設定する操作ボタン16が設けられた手元操作部17を備えている。延長管4は大径管4aとこの大径管4a内に挿入される小径管4bからなり、小径管4bを大径管4aに対してスライドさせることで延長管4全体を伸縮可能にしている。吸込口体5は、この延長管4の先端に着脱可能に取り付けられるもので、被掃除面上の塵埃を吸い込む吸込開口(図示せず)を設けている。なお、本体1内には、電動送風機を制御する制御部18を実装した回路基板19が組み込まれている。
次に、この制御部18を含む電気掃除機制御装置20を図2に基づいて説明する。21は商用交流電源で、制御信号で駆動されるスイッチング素子、例えば、双方向性3端子サイリスタ(以下、3端子サイリスタという)22、電流ヒューズ23、および電動送風機11の一部を構成し交流電源で駆動される整流子モータ(以下、単にモータという)24が直列に接続されている。
電動送風機11は、主にモータ24とこのモータ24で回転されるファン25とから構成されている。モータ24は、例えば、ブラシ(図示せず)と、このブラシに摺動する整流子を備えた電機子24aと界磁巻線24b,24cとから構成されるユニバーサルモータである。ファン25はモータ24の回転軸に接続された遠心型ファンであり、モータ24によりファン25が回転すると、塵埃を含んだ空気が吸込口体5から延長管4、ホース3を介して本体1に吸い込まれる。
26は電流検出部で、例えば、電流トランス、またはホール素子からなり、モータ24に流れる負荷電流を検出する。そして、電流検出部26が検出した負荷電流は、電流検出回路としての整流部27で整流された後、電圧値に変換され、制御部18の後述するI/Oポートに入力される。整流部27は、例えば、4つのダイオードをブリッジ接続した全波整流回路や、1つのダイオードを利用した半波整流回路である。I/Oポートに入力される電圧は、電解コンデンサなどにより平滑されていないので、交流電圧に応じた周期的な波形となる。28はゼロクロス検出部で、モータ24に印加する交流電源電圧のゼロクロスポイントを検出する。
また、制御部18のI/Oポートには、A/D基準電圧源29、手元操作部17、報知部10が接続され、A/D基準電圧源29からはA/D基準電圧が、手元操作部17からは指示信号等がI/Oポートにそれぞれ入力されるとともに、I/Oポートからは報知部10に指示信号が出力される。30は回路基板19に設けられた動作モード切替スイッチで、制御部18の動作モードを後述する準備モードと掃除モードとに切替えるものである。
そして、制御部18は、負荷電流の取込み、ゼロクロスタイミングの取込み、A/D基準電圧値の取込み、動作モード設定信号の取込みおよび指示信号等の取込みを行うとともに、3端子サイリスタ22のゲート端子にトリガとなる制御信号を出力するようになっている。
制御部18は、マイクロプロセッサ31、メモリ32、および前述したA/D変換の機能を有するI/Oポート33から構成される。メモリ32bは不揮発性メモリ領域であり、マイクロプロセッサ31が実行する制御プログラムならびに必要な定数などのデータが予め記憶されている。また、メモリ32aは、不揮発性メモリ領域32bのデータやマイクロプロセッサ31の演算データなどを一時記憶しておくデータ記憶領域ならびに作業領域である。
この電気掃除機制御装置20では、商用交流電源21から図3の(a)に示す波形をもった電源電圧が印加され、制御部18から3端子サイリスタ22のゲート端子に図3の(c)に示すタイミングで制御信号が供給されると、3端子サイリスタ2が制御信号によって電源電圧が反転するまで導通するので、電動送風機11の端子間には図3の(d)に示す電圧が発生する。
このとき、ゼロクロス検出部28からは、図3の(b)に示すゼロクロス検出信号が制御部18のI/Oポート33に入力される。交流電圧の周期をTv(sec)、この交流電圧のゼロクロスポイントから制御信号が出力するまでの時間をt(sec)とすると、3端子サイリスタ2の導通角φ(%)は、φ={(Tv/2)−t}/(Tv/2)×100の式から求められる。以下、電源電圧のゼロクロスポイントから制御信号が出力するまでの時間t(sec)を、遅延時間と呼ぶ。
また、整流部27が全波整流回路である場合、I/Oポート33に入力される電動送風機11の負荷電流値の波形は、例えば、図3の(e1)に示すようになる。整流部11が半波整流回路である場合、負荷電流値の波形は、例えば、図3の(e2)に示すようになる。このように、I/Oポート33に入力される負荷電流値の波形は、電解コンデンサなどにより平滑されていないので、モータ24の整流リップル成分の影響が反映される。
次に、制御部18が有する各機能について図4を用いて説明する。制御部18のマイクロプロセッサは、主に、動作モード設定部41、負荷電流瞬時値取込み部42、負荷電流最大値判別部43、負荷電流演算部44、タイミング決定部45、および負荷電流最大値誤差演算部46からなる。動作モード設定部41は、動作モード切替スイッチ30の切替えに伴う電圧を認識し、制御部18による制御を準備モードまたは掃除モードに設定する。掃除モードは、電流検出部26が検出する電流に基づいて電動送風機の入力を可変するモードで使用者が通常使用するときの制御部18の動作モードである。一方、準備モードは、電動送風機の入力を一定として回路部品のばらつき等による個々の掃除機の誤差を補正するためのモードで使用者が接することがない制御部18の動作モードである。以下、それぞれの動作モードについて説明する。
電気掃除機の製品出荷前に動作される準備モードについて説明する。まず、基準負荷として、例えば、予め電気的特性を把握してある基準電動送風機、抵抗負荷、または電子負荷などを用意し、これらを電気掃除機制御装置20に接続する。これは回路基板19を本体1に組み込む前に行う。そして、タイミング決定部45は予め設定した遅延時間で制御信号を出力して入力を一定として電動送風機を駆動する。すなわち、制御信号の出力タイミングを一定として電動送風機を駆動する。この状態で、負荷電流瞬時値取込み部42は、ゼロクロス検出部28が検出した交流電源電圧のゼロクロスポイントを基点として予め設定したサンプリング周期で電流検出部26から検出された負荷電流瞬時値Inを取得し、その負荷電流瞬時値Inを負荷電流最大値判別部43に出力する。負荷電流最大値判別部43は、所定回数サンプリングした負荷電流瞬時値(I1、I2、...、In)をそれぞれ比較し、その中から負荷電流最大値Izを得る。
そして、この負荷電流最大値Izを負荷電流最大値誤差演算部46へ出力する。負荷電流最大値誤差演算部46は、負荷電流最大値Izと予め設定された負荷電流最大基準値Ip(ばらつきがないときの理想的な値)とを比較し、その誤差に応じて補正値として負荷電流補正値Idを求め、その負荷電流補正値Idを不揮発性メモリ32bに記憶させる。負荷電流補正値Idはデータテーブルや数式から求める。負荷電流最大値Izの算出周期は、例えば、図3(e1)の場合は交流電源電圧の半周期、図3(e2)の場合は交流電源電圧の一周期である。
次に、使用者が実際に掃除を行うときに動作される掃除モードについて説明する。掃除モードでは、使用者が手元操作部17の操作ボタン16を操作して電動送風機が駆動されると、負荷電流瞬時値取込み部42は、所定のサンプリング周期で電流検出部26から検出された負荷電流瞬時値Inを取得し、その負荷電流瞬時値Inを負荷電流演算部44に出力する。負荷電流演算部44は、負荷電流瞬時値Inと準備モードで記憶された負荷電流補正値Idから負荷電流瞬時補正値を算出し、さらに、負荷電流瞬時補正値を所定サンプリング回数分加算して負荷電流演算補正値Isを算出し、この負荷電流演算補正値Isをタイミング決定部45へ出力する。負荷電流瞬時補正値は、例えば、負荷電流瞬時値Inから負荷電流補正値Idを加算または減算し算出する。
または、負荷電流演算部44は、負荷電流瞬時値Inを所定サンプリング回数分加算して負荷電流演算値Is0を算出し、この負荷電流演算値Is0と負荷電流補正値Idから負荷電流演算補正値Isを算出し、この負荷電流演算補正値Isをタイミング決定部45へ出力する。負荷電流演算補正値Isは、例えば、負荷電流演算値Is0から負荷電流補正値Idを加算または減算し算出する。
そして、タイミング決定部45は、負荷電流演算補正値Isと予め設定された電流比較値である負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2を比較して、その比較結果から遅延時間指令値tsを算出し、その指令値tsに応じて制御信号を出力する。このように、電流検出部26で検出された電流が補正され、この補正された電流値に応じて遅延時間が可変されて電動送風機11の入力が制御される。
なお、準備モードにおいて、負荷電流最大値判別部43は、負荷電流最大値Izを不揮発性メモリ32bに記憶させ、そして、掃除モードにおいて、負荷電流最大値誤差演算部46は、負荷電流最大値Izと予め設定された負荷電流最大基準値Ipとを比較し、その誤差に応じて負荷電流誤差Idを求め、その負荷電流誤差Idを負荷電流演算部44に出力することも可能である。そして、タイミング決定部45は、負荷電流誤差Idと予め設定された電流比較値である負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2を比較して、その比較結果から遅延時間指令値tsを算出し、その指令値tsに応じて制御信号を出力する。この場合、負荷電流最大値Iz自体が補正値を構成する。
次に、制御部18のメモリ32に設定されているデータテーブル47を説明する。図5に示すデータテーブル47は、遅延時間指令値tsと負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2との関係を示すデータテーブルの例である。
まず、データテーブル47の各値について説明する。データテーブル47には、制御信号の出力タイミングである遅延時間指令値tsとしてn+1個の設定値U0、U1、U2、...、Un(但し、Un<...<U2<U1<U0である。)が設定されているとともに、この遅延時間指令値tsに応じた電流比較値である負荷電流下限値Ig1として、n個の設定値X1、X2、X3、...、Xn(但し、Xn>...>X3>X2>X1である。)と、同様に電流比較値である負荷電流上限値Ig2として、n個の設定値Y1、Y2、Y3、...、Yn(但し、Yn>...>Y3>Y2>Y1である。)が設定されている。これら負荷電流下限値Ig1と負荷電流上限値Ig2との大小関係は、図6に示すように、X1<X2<Y1<X3<Y2<X4<Y3<X5<Y4<...Xn<Yn−1<Ynとなっている。
この電気掃除機制御装置20は(図2参照)、制御部18から3端子サイリスタ22にトリガとなる制御信号を出力することで電動送風機11を駆動する。そして、集塵袋12に塵埃が捕捉されていない状態では、制御部18は、電動送風機11の吸気風量がQ0以上になるように、遅延時間指令値tsをU0に設定する。この時、例えば、電動送風機11の動作点は図6のA点になる。
掃除を開始することで塵埃の捕捉が進むにつれて、集塵袋12の風路抵抗が大きくなり、電動送風機11の吸気風量が低下する。これに伴い、負荷電流演算補正値IsがA点から負荷電流下限値Ig1の設定値X1に向かって徐々に低下する。
そして、負荷電流演算補正値Isが負荷電流下限値Ig1の設定値X1以下になると、制御信号を出力するタイミングを決める遅延時間指令値tsを、U0からU1へ短く変更し、3端子サイリスタ22の導通角を大きくし、電動送風機11の吸気風量を増大させる。このとき、負荷電流演算補正値IsはY1となり、電動送風機11の入力電力は増大する。
さらにその後、塵埃の捕捉が進むにつれて、集塵袋12の風路抵抗がさらに大きくなり吸込口体5からの吸気風量が低下する。これにより、負荷電流演算補正値Isが今度は負荷電流下限値Ig1の設定値X2に向かって徐々に低下する。
そして、負荷電流演算補正値Isが負荷電流下限値Ig1の設定値X2以下になると、制御信号を出力するタイミングを決める遅延時間指令値tsを、U1からU2に短く変更し、3端子サイリスタ22の導通角をさらに大きくし、電動送風機11の吸気風量を増大させる。このとき、負荷電流演算補正値IsはY2となり、電動送風機11の入力電力は増大する。
このように、集塵袋12の塵埃の捕捉が進むにつれて、負荷電流演算補正値Isが、それぞれ負荷電流下限値Ig1の設定値X1、X2、X3、X4、...以下になることで、遅延時間指令値tsをU0、U1、U2、U3、...へと変化させる。そして、その後、負荷電流演算補正値Isが負荷電流下限値Ig1の設定値Xn以下になって、遅延時間指令値tsをUnとした後は、負荷電流演算補正値Isが低下しても遅延時間指令値tsを変更しない。
この状態が所定時間継続すると、制御部18は集塵袋12に捕捉された塵埃が満杯に近いと判断し、報知部10へ信号を出力し、電気掃除機使用者へ集塵袋12の交換を促す。
次に、各制御ルーチンの説明をする。制御部18は、メモリ32に予め記憶された制御プログラムに従って図7に示すメイン処理を行う。制御部18は電源投入後または制御部18のリセット後に、先ず、ステップS1にて、電気掃除機の各種初期設定を行う。そして、ステップS2にて、動作モード切替スイッチ30の切替による電圧を判断し、その電圧がV1であると判断すると、ステップS3にて、動作モード設定部41が電気掃除機を掃除モードに設定する。そして、ステップS4に進み、少なくとも一回は準備モードで動作したことがあるかどうかを判定する。一度も準備モードで動作したことがない場合は、先の処理に進まない。準備モードで動作したことがある時は、電気掃除機の使用者による操作ボタン16からの指示信号の取込みを判断すると、予め設定したソフトスタート用初期遅延時間で制御信号を出力し電動送風機11が回転を始め、ステップS5で掃除モードメインループの処理が実行され、電源がオフになるまでこのループが繰り返される。
一方、制御部18はステップS2にて動作モード切替スイッチ30の切替による電圧がV1でないと判断すると、ステップS6にて、動作モード設定部41が電気掃除機を準備モードに設定する。そして、ステップS7にて、タイミング決定部45は、予め設定した一定の遅延時間、例えば電動送風機11の入力が最大になるように遅延時間0で制御信号を3端子サイリスタ22のゲート端子に出力し電流を流す。そして、ステップS8で準備モードメインループの処理が実行され、電源がオフになるまでこのループが繰り返される。
準備モードメインループ処理においては、制御部18は、タイマ(図示せず)等を用いて周期的に図8に示す負荷電流誤差算出処理を実行する。次に、この負荷電流誤差算出処理について説明する。
まず、ステップS10にて、タイマ(図示せず)等を用いて、電流が流れ始めてから、すなわち電動送風機11が駆動してから予め設定した時間が経過したことを確認し、経過した場合はステップS11に進む。ステップS11にて、負荷電流瞬時値取込み部42は、A/D変換機能付I/Oポート33から所定の周期で負荷電流瞬時値Inを取り込む。次に、ステップS12にて、この負荷電流瞬時値Inを取り込んだ回数をカウントする。この取込み回数のクリアは後述するように、ゼロクロス検出部28が検出する交流電源電圧のゼロクロスタイミングとする。この負荷電流誤差算出処理の周期は予め設定しておく。例えば、50Hzの交流電源のもとで電流サンプリング周期を0.2msecに設定すると、ゼロクロスポイントを基点とした電源電圧の半周期(10msec)の間に50回電流をサンプリングして負荷電流瞬時値を取り込むことになる。従って、負荷電流瞬時値Inの取込みを50回カウントすると交流電源電圧の半周期分が終了することになり、この周期が不揮発性メモリ32bに記憶させる補正値の算出周期となる。同じ条件で100回サンプリングをするように設定すると、交流電源電圧の一周期が不揮発性メモリ32bに記憶させる補正値の算出周期となる。
続いて、ステップS13にて、負荷電流最大値判別部43が、例えば、交流電源の半周期内における50個の負荷電流瞬時値Inの中から負荷電流最大値Izを判別する。すなわち、ゼロクロスポイントを基点として、サンプリング毎に、取り込んだ負荷電流瞬時値Inが最大かどうか判別し、最大の場合は、ステップS14において、負荷電流最大値Izとして保持する。そして、準備モードメインループにリターンし、S10〜S14の各ステップを所定周期で繰り返す。なお、ここでは、負荷電流最大値Izは、所定のサンプリング回数の中の負荷電流瞬時値Inの最大値としているが、例えば、負荷電流瞬時値Inの複数個の平均値を負荷電流最大値Izとしても、その機能を果たす。
また、制御部18は、準備モード処理において、図9に示す準備モードゼロクロス処理を実行する。この処理は、交流電源電圧のゼロクロスタイミングを検出する度に実行する。
この処理では、ゼロクロス検出部28がゼロクロスポイントを検出すると、まず、ステップS21において、図8の負荷電流誤差算出処理にてカウントした負荷電流瞬時値In取込み回数をクリアする。続いて、ステップS22において、ゼロクロス処理回数をカウントする。続いて、ステップS23において、負荷電流最大値Izと予め記憶されているメモリ32上の負荷電流最大基準値Ipとを比較し、その誤差Id0を算出する。この誤差Id0は、例えばIzとIpとの差である。次に、ステップS24において、ゼロクロス処理を予め設定した回数実行したかどうか判定する。予め設定した回数に達していなければ準備モードメインループにリターンし、所定回数に達するまでS21〜S23が繰り返される。ステップS24において、予め設定した回数に達している場合は、ステップS25において、これまでに算出した複数の誤差Id0に応じて、例えば、これら複数の誤差Id0の平均値を出すことにより補正値である負荷電流誤差Idを算出し、この負荷電流誤差Idを不揮発性メモリ32bに保存する。そして、ステップS26において、タイミング決定部45は、3端子サイリスタ22への制御信号出力を止める。最後に、ステップS27にて、制御部18は準備モードを実行したことを情報として不揮発性メモリ32bに記憶させる。
次に、電気掃除機の制御部18が掃除モードに設定された場合を説明する。掃除モード処理において、制御部18は、タイマ(図示せず)等を用いて周期的に、図10に示す負荷電流演算補正値Isを算出する処理を実行する。
まず、ステップS31にて、負荷電流瞬時値取込み部42は、A/D変換機能付I/Oポート33から負荷電流瞬時値Inを取り込む。次に、ステップS32にて、この負荷電流瞬時値Inを取り込んだ回数をカウントする。この負荷電流演算補正値算出周期は予め設定しておく。例えば、準備モードの時と同様に、50Hzの交流電源のもとで電流サンプリング周期を0.2msecに設定すると、交流電源電圧の半周期(10msec)の間に50回、電流をサンプリングすることになる。従って、負荷電流瞬時値Inの取込みを50回カウントすると交流電源電圧の半周期分が終了することになる。
続いて、ステップS33にて、負荷電流演算部44は、例えば、負荷電流瞬時値Inから準備モードで記憶された負荷電流誤差Idを減算し負荷電流瞬時補正値を算出する。続いて、ステップS34にて、この負荷電流瞬時補正値を交流電源の一周期内において、例えば100回加算して負荷電流演算補正値Isを算出する。交流電源電圧の周期は、ゼロクロス検出部28からのゼロクロス検出信号によって認識できる。その後、掃除モードメインループにリターンし、S31〜S34が所定の周期で繰り返される。
また、制御部18は、掃除モードメインループ処理において、図11に示す掃除モードゼロクロスタイミング処理を実行する。この処理は、交流電源電圧のゼロクロスタイミングで実行する。
まず、ステップS40において、制御信号の出力タイミングを決定する遅延タイマをクリアする。続いて、ステップS41において、負荷電流演算補正値算出処理にてカウントした負荷電流瞬時値In取込み回数をクリアする。続いて、ステップS42にて、タイミング決定部45は、その時の遅延時間指令値tsに応じた負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2を取得する。そして、ステップS43にて、負荷電流下限値Ig1と負荷電流演算値Isを比較し、Is−Ig1>0であれば、ひき続き、ステップS45にて、負荷電流上限値Ig2と負荷電流演算値Isを比較しIs−Ig2<0であれば、制御部18は、その時の遅延時間指令値tsにおいて、電動送風機11が設定した入力電力の範囲で動作していると判断する。
一方、ステップS43において、Is−Ig1≦0であれば、制御部18は、電動送風機11の入力電力が予め設定した入力電力の範囲よりも小さくなっていると判断し、ステップS44にて、図5のテーブルを用いて遅延時間指令値tsを1段階短くして、電動送風機11への入力電力を増加させる。例えば、指令値がU0であればU1にする。
または、ステップS45にて、Is−Ig2≧0であれば、制御部18は、電動送風機11の入力電力が予め設定した入力電力の範囲よりも大きくなっていると判断し、ステップS46にて、遅延時間指令値tsを1段階長くする。例えば、指令値がU3であればU2にする。その後、掃除モードメインループにリターンし、ゼロクロス検出部28がゼロクロスを検出する毎にS40〜S46が繰り返される。
また、制御部18のタイミング決定手段45は、遅延タイマ(図示せず)によって、ゼロクロスタイミングからの遅延時間の測定を始め、周期的に図12に示す制御信号出力処理を実行する。
すなわち、ステップS50にて、遅延タイマのカウント時間がゼロクロスタイミングからの時間が遅延時間指令値tsに達したかを確認する。そして、遅延タイマのカウント時間が遅延時間指令値tsに達した時に、ステップS51にて、I/Oポート33から3端子サイリスタ22への制御信号を出力する。
このように、遅延時間指令値tsは、負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2と負荷電流演算補正値Isとの比較結果によって決まる。そして、負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2は予め設定された電流比較値であり、負荷電流演算補正値Isは負荷電流瞬時値Inと補正値である負荷電流誤差Idとから算出されるものであるので、掃除モードにおいて遅延時間指令値tsは、負荷電流瞬時値と電流比較値と補正値とから決定されるものである。すなわち、制御部18は、予め設定された負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2と算出した負荷電流演算補正値Isとを比較し、その比較結果に基づいて遅延時間指令値tsを変化させ、電動送風機11の入力電力を予め設定した範囲になるように制御する。このように、電動送風機11の吸込風量に応じて検出電流が変化し、これに伴って負荷電流演算補正値Isも変化することから、集塵袋12内に捕捉された塵埃量に応じて、遅延時間指令値tsを変化させ、電動送風機11の入力電力を予め設定した適切な範囲に制御しているので、電気掃除機としての吸込性能を持続させることができる。
これまで説明してきたように、本実施の形態の電気掃除機によれば、交流電源電圧に応じた周期性を持つ負荷電流の検出波形を用いて、電流検出部26等の部品ばらつきに基づく検出誤差を補正するものであるから、整流子モータ24による整流リップル成分も含めて補正することができる。したがって、個々の電動送風機の入力電力のばらつきが抑制され、電気掃除機としての入力制御の精度が向上し、塵埃の捕捉性能も安定する。しかも、交流電源電圧に応じた周期性を持つ負荷電流に基づいて補正を行うのに必要な構成であるゼロクロス検出回路は、3端子サイリスタ22への制御信号を供給するための制御、いわゆる位相制御に本来必要な構成であり、新たに追加する構成ではないため、構成を複雑にすることがなく、結果として部品コストの上昇を抑制することができる。また、検出される負荷電流瞬時値のうち電流検出部26等の部品ばらつきが大きく反映される負荷電流最大値に基づいて補正するものであるから、補正精度を向上させることができる。
次に、本発明の第二の実施形態について図13を用いて説明する。上記第一の実施形態の電気掃除機では、準備モードにおいて負荷電流瞬時値のうち最大電流値である負荷電流最大値に基づいた補正値を記憶させたのに対し、第二に実施形態のものでは、準備モードにおいて負荷電流瞬時値の複数個を加算した加算値に基づいた補正値を記憶するようにしたものである。
まず、制御装置20の構成を図13を用いて説明するが、図4に示す実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。本実施の形態においては、負荷電流瞬時値加算部48と負荷電流加算値誤差演算部49とが設けられている点で図4に示すものとは相違するものである。この実施の形態のものは、準備モードにおいて、負荷電流瞬時値取込み部42は、予め設定したサンプリング周期で電流検出部26から検出された負荷電流瞬時値Inを取得し、その負荷電流瞬時値Inを負荷電流瞬時値加算部48に出力する。負荷電流瞬時値加算部48は、ゼロクロスタイミングを基点として所定回数サンプリングした負荷電流瞬時値(I1、I2、...、In)を加算し、その中から負荷電流加算値Iwを得る。そして、この負荷電流加算値Iwを負荷電流加算値誤差演算部49へ出力する。負荷電流加算値誤差演算部49は、負荷電流加算値Iwと予め設定された負荷電流加算基準値Iyとを比較し、その誤差に応じて負荷電流加算補正値Ixを求め、その負荷電流加算補正値Ixを不揮発性メモリ32bに記憶させる。負荷電流加算補正値Ixは、負荷電流加算値Iwと負荷電流加算基準値Iyとの誤差自体か、またはデータテーブルや数式から求める。
次に、掃除モードにおいて、負荷電流演算部44は、負荷電流瞬時値Inを所定サンプリング回数分加算して負荷電流演算値Is0を算出し、この負荷電流演算値Is0と負荷電流加算補正値Ixから負荷電流演算補正値Isを算出し、この負荷電流演算補正値Isをタイミング決定部45へ出力する。負荷電流演算補正値Isは、例えば、負荷電流演算値Is0から負荷電流補正値Idを加算または減算し算出する。そして、タイミング決定部45は、負荷電流演算補正値Isと予め設定された負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2とを比較して、その比較結果から遅延時間指令値tsを算出し、その指令値tsに応じて制御信号を出力する。
このように、準備モードにおいて、所定回数サンプリングした負荷電流瞬時値Inを加算し、その加算値から不揮発性メモリ32bに記憶させる補正値を算出することも可能であり、このようにした場合は、負荷電流瞬時値Inを積分的に取り扱い補正値を算出することになるので、ノイズが発生したとしてもその影響が軽減されるため補正の信頼性が向上するという効果を奏する。
次に、本発明の第三の実施形態について図14を用いて説明する。制御部18の構成は第一の実施形態を示す図4と同様であるが、制御部18の処理が異なる。すなわち、第一の実施形態では掃除モードで検出した検出電流を補正し、これを予め記憶されている電流比較値と比較して入力制御するようにしたものであるのに対し、以下に説明する第三の実施形態のものでは、検出電流でなく予め記憶されている電流比較値を補正する点で相違するものである。
準備モード処理では第一の実施形態と同様に図8に示す処理を行うとともに、図9に示す準備モードゼロクロス処理に替えて図14に示す準備モードゼロクロス処理を実行する。この処理は、交流電源電圧のゼロクロスタイミングを検出する度に実行する。
まず、ステップS61において、図8の負荷電流誤差算出処理にてカウントした負荷電流瞬時値In取込み回数をクリアする。続いて、ステップS62において、ゼロクロス処理回数をカウントする。続いて、ステップS63において、負荷電流最大値Izとメモリ32上の負荷電流最大基準値Ipとを比較し、その誤差Id0を算出する。次に、ステップS64において、ゼロクロス処理を予め設定した回数実行したかどうか判定する。予め設定した回数に達していなければ準備モードメインループにリターンし、所定回数に達するまでS61〜S63が繰り返される。ステップS64において、予め設定した回数に達している場合は、ステップS65において、これまでに算出した複数の誤差Id0に応じて図5に示す電流比較値である負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2を補正し、これら補正した負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2を不揮発性メモリ32bに保存する。そして、ステップS66において、タイミング決定部45は、3端子サイリスタ22への制御信号出力を止める。最後に、ステップS67にて、制御部18は準備モードを実行したことを情報として不揮発性メモリ32bに記憶させる。
そして、掃除モードにおいては何ら補正を行わず、タイミング決定部45は、検出電流と準備モードで補正された電流比較値とを比較して遅延時間を決定して電動送風機11が制御される。
ところで、掃除モードでは、電動送風機11の入力制御以外にも、ゴミ詰まり報知のための制御等電気掃除機に関わる様々な制御をしており、マイクロプロセッサ31の処理負荷が重い。一方、本実施形態のものは、準備モードで補正を実行し、掃除モードでは補正処理は実行しないことから、補正処理を行っても掃除モードにおけるマイクロプロセッサ31の処理負荷をより重くすることを抑制でき、掃除モードにおける処理スピードを損なうことがないという利点がある。なお、この第三の実施形態においては準備モードにおける負荷電流最大値に基づいて負荷電流下限値Ig1および負荷電流上限値Ig2を補正したが、第二の実施形態のように負荷電流瞬時値を加算した加算値に基づいて補正してもよい。
また、第一、第三の実施形態において、制御部18は複数の負荷電流瞬時値Inの中から負荷電流最大値Izを得て、この負荷電流最大値Izから補正している。このように、負荷電流最大値Izを用いる場合、図3(e2)に負荷電流瞬時値Inの非使用範囲として示すような範囲、すなわち、ゼロクロスタイミングを基点として設定した範囲または制御信号の出力タイミングを基点として設定した範囲の負荷電流瞬時値Inを補正のために使用しないようにすることで、補正の信頼性を向上させることができる。なぜならば、検出電流の波形を図3(e1)や(e2)に示すような周期的な波形にすると、ゼロクロスタイミングの近傍、および制御信号の出力タイミング近傍に負荷電流最大値Izが現れることはなく、現れた場合はノイズであると判断できるからである。なお、ゼロクロスタイミングを基点として設定した範囲または制御信号の出力タイミングを基点として設定した範囲の負荷電流瞬時値Inを補正のために使用しないということは、設定の範囲内の負荷電流瞬時値Inを取り込んだうえで補正に使用しない場合だけでなく、設定の範囲内では負荷電流瞬時値Inの取込み自体を行わないものも包含するものである。
また、第二の実施の形態において、制御部18は複数の負荷電流瞬時値Inを加算し、この加算値から補正値を算出している。このように、負荷電流瞬時値Inの加算値を用いる場合、負荷電流の検出波形を図3に示すような周期的な波形にすると、回路部品にばらつきがあっても、ゼロクロスタイミングの近傍、および制御信号の出力タイミング近傍の負荷電流瞬時値Inの差はとても小さく、算出する補正値への影響も少ない。従って、あらかじめ、ゼロクロスタイミングを基点として設定した範囲、または、制御信号の出力タイミングを基点として設定した範囲の負荷電流瞬時値Inを演算に使用しないようにすることで、マイクロプロセッサ31の実行負荷を軽減でき、その分マイクロプロセッサ31の能力を他の電気掃除機の制御にあてることができる。
また、電気掃除機制御装置20は、図9のS27や図14のS67に示すようなステップを設けることで、過去に少なくとも一回は準備モードで動作していないと、通常の掃除モードで動作しないようにすることでき、大量生産時の製造工程における補正工程忘れといったミスをなくすことができる。
また、上記各実施の形態では、タイミング決定部45が、図5のデータテーブルに示す負荷電流下限値Ig1のn個の各設定値X1、X2、X3、...、Xnから、その時点の遅延時間指令値tsに応じて、負荷電流下限値Ig1を取得したが、このデータテーブル方式に限定されるものではなく、タイミング決定部45が、負荷電流下限値Ig1の1段目の設定値をX1とすると、n段目の設定値Xnを、Xn=X1+A・(n−1)・ts等の演算式によって、トリガ信号を出力するものであってもよい。
また、遅延時間指令値tsの間隔Un−Un−1=ΔUn、負荷電流下限値Ig1の間隔Xn−Xn−1=ΔXn、および負荷電流上限値Ig2の間隔Yn−Yn−1=ΔYnは、一定間隔である必要はなく、電気掃除機の用途または電動送風機11の特性に応じて設定してかまわない。
また、制御部18の、動作モード設定部41、負荷電流瞬時値取込み部42、負荷電流最大値判別部43、負荷電流演算部44、タイミング決定部45、および負荷電流最大値誤差演算部46が行う処理は、メモリ32に実装されたソフトウエアにより実行される場合に限定するものではなく、そのソフトウエアのなす機能をハードウェアとして備え、実行してもよい。
また、回路素子を使用せずに、整流部27で全波整流した負荷電流検出波形からプログラム処理によって、交流電源電圧の半周期内で負荷電流演算補正値Isを算出してもよい。
このように、交流電源電圧の半周期内で負荷電流演算補正値Isを算出することで、マイクロプロセッサ31の実行負荷を軽減でき、その分マイクロプロセッサ31の能力を他の電気掃除機の制御にあてることができる。
1…電気掃除機本体
11…電動送風機
18…制御部
22…双方向性3端子サイリスタ(スイッチング素子)
24…整流子モータ
26…電流検出部
27…整流部(電流検出回路)
28…ゼロクロス検出部
32…メモリ
41…動作モード設定部
42…負荷電流瞬時値取込み部
45…タイミング決定部
11…電動送風機
18…制御部
22…双方向性3端子サイリスタ(スイッチング素子)
24…整流子モータ
26…電流検出部
27…整流部(電流検出回路)
28…ゼロクロス検出部
32…メモリ
41…動作モード設定部
42…負荷電流瞬時値取込み部
45…タイミング決定部
Claims (13)
- 制御信号で駆動されるスイッチング素子を介して交流電源に接続される整流子モータとこの整流子モータで回転されるファンとを有する電動送風機と、前記整流子モータに印加する交流電圧のゼロクロスポイントを検出するゼロクロス検出部と、前記整流子モータに流れる負荷電流を検出する電流検出部と、この電流検出部で検出された電流値と予め設定された複数の電流比較値とに応じて前記ゼロクロス検出部で検出されたゼロクロスポイントに対する制御信号の出力タイミングを制御する制御部と、を有する電気掃除機において、
前記電流検出部の出力を前記交流電圧に応じた周期的な波形として前記制御部へ出力する電流検出回路を備え、
前記制御部は、
その動作モードを、前記制御信号の出力タイミングを一定とする準備モードまたは前記電動送風機の吸込性能を維持するように前記制御信号の出力タイミングを可変とする掃除モードに設定する動作モード設定手段と、
前記電流検出回路の出力値を、前記ゼロクロス検出部で検出したゼロクロスポイントを基点として所定の周期でサンプリングし負荷電流瞬時値として取り込む負荷電流瞬時値取込み手段と、
前記準備モードにおいて前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値に基づく補正値を記憶する記憶手段と、
前記掃除モードにおいて前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値を前記補正値により補正し、この補正値により補正した負荷電流瞬時補正値と前記各電流比較値とに基づいて前記スイッチング素子に出力される制御信号の出力タイミングを決定するタイミング決定手段と、
を備えることを特徴とする電気掃除機。 - 制御信号で駆動されるスイッチング素子を介して交流電源に接続される整流子モータとこの整流子モータで回転されるファンとを有する電動送風機と、前記整流子モータに印加する交流電圧のゼロクロスポイントを検出するゼロクロス検出部と、前記整流子モータに流れる負荷電流を検出する電流検出部と、この電流検出部で検出された電流値と予め設定された複数の電流比較値とに応じて前記ゼロクロス検出部で検出されたゼロクロスポイントに対する制御信号の出力タイミングを制御する制御部と、を有する電気掃除機において、
前記電流検出部の出力を前記交流電圧に応じた周期的な波形として前記制御部へ出力する電流検出回路を備え、
前記制御部は、
その動作モードを、前記制御信号の出力タイミングを一定とする準備モードまたは前記電動送風機の吸込性能を維持するように前記制御信号の出力タイミングを可変とする掃除モードに設定する動作モード設定手段と、
前記電流検出回路の出力値を、前記ゼロクロス検出部で検出したゼロクロスポイントを基点として所定の周期でサンプリングし負荷電流瞬時値として取り込む負荷電流瞬時値取込み手段と、
前記準備モードにおいて前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値に基づく補正値を記憶する記憶手段と、
前記掃除モードにおいて前記各電流比較値を前記補正値により補正し、この補正値により補正した各電流比較補正値と前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値とに基づいて前記スイッチング素子に出力される制御信号の出力タイミングを決定するタイミング決定手段と、
を備えることを特徴とする電気掃除機。 - 前記記憶手段は、前記準備モードにおいて、前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値の中の最大値に基づいた補正値を記憶することを特徴とする請求項1または2記載の電気掃除機。
- 前記記憶手段は、前記準備モードにおいて、前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値の複数を加算し、この加算値に基づいた補正値を記憶することを特徴とする請求項1または2記載の電気掃除機。
- 前記記憶手段は、前記準備モードにおいて、前記ゼロクロス検出部で検出したゼロクロスポイントから予め設定した範囲の外の負荷電流瞬時値に基づいた補正値を記憶することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記記憶手段は、前記準備モードにおいて、制御信号の出力タイミングを基点として予め設定した範囲の外の負荷電流瞬時値に基づいた補正値を記憶することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気掃除機。
- 制御信号で駆動されるスイッチング素子を介して交流電源に接続される整流子モータとこの整流子モータで回転されるファンとを有する電動送風機と、前記整流子モータに印加する交流電圧のゼロクロスポイントを検出するゼロクロス検出部と、前記整流子モータに流れる負荷電流を検出する電流検出部と、この電流検出部で検出された電流値と予め設定された複数の電流比較値とに応じて前記ゼロクロス検出部で検出されたゼロクロスポイントに対する制御信号の出力タイミングを制御する制御部と、を有する電気掃除機において、
前記電流検出部の出力を前記交流電圧に応じた周期的な波形として前記制御部へ出力する電流検出回路を備え、
前記制御部は、
その動作モードを、前記制御信号の出力タイミングを一定とする準備モードまたは前記電動送風機の吸込性能を維持するように前記制御信号の出力タイミングを可変とする掃除モードに設定する動作モード設定手段と、
前記電流検出回路の出力値を、前記ゼロクロス検出部で検出したゼロクロスポイントを基点として所定の周期でサンプリングし負荷電流瞬時値として取り込む負荷電流瞬時値取込み手段と、
前記準備モードにおいて前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値に基づいて前記各電流比較値をそれぞれ補正する補正手段と、
この補正手段で補正された各補正電流比較値を記憶する記憶手段と、
前記掃除モードにおいて、前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値と前記各補正電流比較値とに基づいて前記スイッチング素子に出力される制御信号の出力タイミングを決定するタイミング決定手段と、
を備えることを特徴とする電気掃除機。 - 前記補正手段は、前記準備モードにおいて、前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値の中の最大値に基づいて前記各電流比較値を補正することを特徴とする請求項7記載の電気掃除機。
- 前記補正手段は、前記準備モードにおいて、前記負荷電流瞬時値取込み手段で取り込んだ負荷電流瞬時値の複数を加算し、この加算値に基づいて前記各電流比較値を補正することを特徴とする請求項7記載の電気掃除機。
- 前記補正手段は、前記準備モードにおいて、前記ゼロクロス検出部で検出したゼロクロスポイントから予め設定した範囲の外の負荷電流瞬時値に基づいて前記各電流比較値を補正することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記補正手段は、前記準備モードにおいて、制御信号の出力タイミングを基点として予め設定した範囲の外の負荷電流瞬時値に基づいて前記各電流比較値を補正することを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記制御部は、少なくとも一回は前記準備モードで動作しないと、前記掃除モードでは動作しないことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記制御部は、前記準備モードにおいては、前記電動送風機を最大入力で一定に制御することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の電気掃除機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007340230A JP2008148552A (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | 電気掃除機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007340230A JP2008148552A (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | 電気掃除機 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005250390A Division JP4079962B2 (ja) | 2005-08-30 | 2005-08-30 | 電気掃除機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008148552A true JP2008148552A (ja) | 2008-06-26 |
Family
ID=39608093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007340230A Pending JP2008148552A (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | 電気掃除機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008148552A (ja) |
-
2007
- 2007-12-28 JP JP2007340230A patent/JP2008148552A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4079962B2 (ja) | 電気掃除機 | |
KR101108322B1 (ko) | 모터 제어 장치와 그 장치를 이용한 전기 기기 | |
US9763551B2 (en) | Air moving appliance with on-board diagnostics | |
KR101284492B1 (ko) | 전기 진공 청소기 | |
JP4621580B2 (ja) | 電気掃除機 | |
JP2008148552A (ja) | 電気掃除機 | |
JP2006122172A (ja) | 電気掃除機 | |
JP4039675B2 (ja) | 電気掃除機 | |
JP4083766B2 (ja) | 電気掃除機 | |
JP4703257B2 (ja) | 電動送風機駆動装置 | |
JP2005168977A (ja) | 電気掃除機 | |
JP4946681B2 (ja) | 電気掃除機 | |
JP6382523B2 (ja) | 電気掃除機 | |
JP4128205B2 (ja) | 電気掃除機 | |
JP6246511B2 (ja) | 電気掃除機 | |
JPS63309232A (ja) | 電気掃除機 | |
JP6628528B2 (ja) | 電気掃除機 | |
JP5075453B2 (ja) | 電気掃除機 | |
JP2005168823A (ja) | 電気掃除機 | |
JP2008289803A (ja) | 電気掃除機 |