JP2008147425A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Toshihiro Iwakuma
俊裕 岩隈
Masami Watanabe
正美 渡邉
Fumio Okuda
文雄 奥田
Kazuki Nishimura
和樹 西村
Chishio Hosokawa
地潮 細川
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Abstract

【課題】画素欠陥が無く、低電圧でありながら発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陰極と陽極間に、少なくとも発光層を有する有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発光層が、カルバゾール骨格を有する特定構造の化合物をホスト材料として含有し、前記発光層と接する層が、特定構造の金属錯体化合物を含有する。前記発光層と接する層が、正孔阻止層、電子阻止層及びエキシトンブロック層から選ばれる少なくとも一層であると好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、特に、画素欠陥が無く、低電圧でありながら発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、電界を印加することより、陽極より注入された正孔と陰極より注入された電子の再結合エネルギーにより蛍光性物質が発光する原理を利用した自発光素子である。
有機EL素子の発光材料としてはトリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体等のキレート錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体等の発光材料が知られており、それらからは青色から赤色までの可視領域の発光が得られることが報告されており、カラー表示素子の実現が期待されている(例えば、特許文献1〜3等参照)。
また、近年、有機EL素子の発光層に、発光材料の他に有機リン光材料を利用することも提案されている(例えば、非特許文献1〜2参照)。
このように有機EL素子の発光層において、有機燐光材料の励起状態の1重項状態と3重項状態とを利用することにより、高い発光効率が達成されている。有機EL素子内で電子と正孔が再結合する際にはスピン多重度の違いから1重項励起子と3重項励起子とが1:3の割合で生成すると考えられているので、燐光性の発光材料を用いれば蛍光のみを使った素子の3〜4倍の発光効率の達成が考えられる。
このような有機EL素子においては、3重項の励起状態又は3重項の励起子が消光しないように順次、陽極、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層(正孔阻止層)、電子注入層、陰極のように層を積層する構成が用いられ、有機発光層にホスト化合物と燐光発光性の化合物が用いられてきた(例えば、特許文献4〜5参照)。これらの特許文献では、ホスト化合物として、4,4−N,Nジカルバゾールビフェニルが用いられてきたが、この化合物はガラス転移温度が110℃以下であり、さらに対称性がよすぎるため、結晶化しやすく、また、素子の耐熱試験を行った場合、短絡や画素欠陥が生じるという問題があった。また、燐光発光性の錯体として、特許文献6〜8にアゾール系錯体が開示されている。さらに燐光発光性の錯体をエキシトンブロック層に用いた例が、特許文献9〜10に開示されている。
また、その蒸着した際、異物や電極の突起が存在する箇所などで結晶成長が生じ、耐熱試験前の初期の状態より欠陥が生じることも見出された。また、3回対称性を保有するカルバゾール誘導体もホストとして用いられている。しかしながら、対称性がよいため、蒸着した際、異物や電極の突起が存在する箇所などで結晶成長が生じ、耐熱試験前の初期の状態より欠陥が生じることは免れていない。
特開平8−239655号公報 特開平7−138561号公報 特開平3−200889号公報 米国特許第6,097,147号明細書 国際公開WO01/41512号公報 国際公開WO2004/085450 特表2006−523231 米国公開公報2006/232194 国際公開WO2003/032001 国際公開WO2003/022008 D.F.O'Brien and M.A.Baldo et al "Improved energy transferin electrophosphorescent devices" Applied Physics letters Vol. 74 No.3, pp442-444, January 18, 1999 M.A.Baldo et al "Very high-efficiencygreen organic light-emitting devices based on electrophosphorescence" Applied Physics letters Vol.75 No.1, pp4-6, July 5, 1999
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、画素欠陥が無く、低電圧でありながら発光効率が高い有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、有機EL素子の発光層と接する層に、以下に示す特定の金属錯体化合物を用いることにより、前記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、陰極と陽極間に、少なくとも発光層を有する有機薄膜層が挟持されている有機EL素子において、前記発光層が、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種をホスト材料として含有し、前記発光層と接する層が、下記一般式(a)で表される金属錯体化合物を含有する有機EL素子を提供するものである。
Figure 2008147425
(式中、Czは、カルバゾリル基、炭素数18〜60アリールカルバゾ−ルイル基、アザカルバゾリル基、炭素数18〜60のアリールアザカルバゾ−ルイル基、アクリジニル基、フェノキサジニル基又はジベンゾアゼピニル基であり置換されていてもよい。Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60の複素環基である。Ar3は、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60の複素環基である。Ar4は、置換もしくは無置換のベンゼン残基、置換もしくは無置換のチオフェン残基、置換もしくは無置換のトリアゾール残基、置換もしくは無置換のフルオレン残基又は置換もしくは無置換のスピロビフルオレン残基である。
aは0〜1の整数、bは0〜4の整数、cは1〜3の整数であり、Cz及びAr4が複数の時は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
ただし、a=0かつc=1のときは、Ar3及びAr4がベンゼン残基であり、かつAr2がフェニルカルバゾリル基又はカルバゾリル基である場合を除く。また、a=1,b=0かつc=1のときは、Ar3がベンゼン残基であり、かつAr1及びAr2がフェニルカルバゾリル基である場合を除く。さらに、b=0かつc=1のときは、Ar3がベンゼン残基であり、かつAr1,Ar2及びCzがカルバゾリル基又はフェニルカルバゾリル基である場合を除く。)

(Cz−)nA (2)
Cz(−A)m (3)
〔式中、Czは、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基又はカルバゾリルアルキレン基、又は置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基であり、Aは、下記一般式(A)で表される基である。n及びmは、それぞれ1〜3の整数である。
(M)p−(L)q−(M’)r (A)
(M及びM'は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数2〜40の窒素含有ヘテロ芳香族環であり、同一でも異なっていてもよい。Lは、単結合、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリール基もしくはアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数5〜30のシクロアルキレン基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜30のヘテロ芳香族環である。pは0〜2、qは1〜2、rは0〜2の整数である。ただし、p+rは1以上である。)〕
Figure 2008147425
(式中、Mは40より大きな原子量を有する金属である。
8〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアルキルアリール基、CN、CF3、CO2R、C(O)R、NR2、NO2、OR(Rは置換基)又はハロゲン原子であり、任意選択された2つの隣接置換位置は一緒になって、独立して縮合4〜7員環式基を形成し、前記環式基はシクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、さらに前記4〜7員環式基は置換されていてもよい。
nは1以上の整数であり、nは前記金属に結合しうる配位子の最大数である。)
本発明の有機EL素子は、画素欠陥が無く、低電圧でありながら発光効率が高い。
本発明の有機EL素子は、陰極と陽極間に、少なくとも発光層を有する有機薄膜層が挟持されている有機EL素子において、前記発光層が、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種をホスト材料として含有し、前記発光層と接する層が、下記一般式(a)で表される金属錯体化合物を含有する。
以下、一般式(1)について説明する。
Figure 2008147425
一般式(1)において、Czは、カルバゾリル基、炭素数18〜60アリールカルバゾ−ルイル基、アザカルバゾリル基、炭素数18〜60のアリールアザカルバゾ−ルイル基、アクリジニル基、フェノキサジニル基又はジベンゾアゼピニル基であり置換されていてもよい。
前記アリールカルバゾ−ルイル基及びアリールアザカルバゾ−ルイル基におけるアリール部位としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基等が挙げられ、フェニル基、ビフェニル基、トリル基、イソプロピルフェニル基、tーブチルフェニル基等が好ましい。
一般式(1)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60の複素環基であり、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜20の複素環基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナンスリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基がさらに好ましい。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基等が挙げられ、フェニル基、ナフチル基、ピレニル基、ビフェニル基、ターフエニル基、トリル基、イソプロピルフェニル基等が好ましい。
前記複素環基としては、例えば、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基、アリールカルバゾ−ルイル基、アザカルバゾリル基、アリールアザカルバゾ−ルイル基、フェノキサジニル基、ジベンゾアゼピニル基等が挙げられ、カルバゾリル基、アリールカルバゾ−ルイル基、アザカルバゾリル基、アリールアザカルバゾ−ルイル基、アクリジニル基、フェノキサジニル基、ジベンゾアゼピニル基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ヘンゾ−N−アリルイミダゾール基等が好ましい。
一般式(1)において、Ar3は、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60の複素環基であり、置換もしくは無置換の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜20の複素環基が好ましく、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、フェナンスレン、ピリジン、ピリミジン、トリアジンの残基がさらに好ましく、ベンゼンの残基が最も好ましい。
芳香族炭化水素基の具体例としては、前記Ar1及びAr2のアリール基の具体例から水素を除き2価又は3価としたものが挙げられ、好ましい例も同様である。
複素環基の例としては、前記Ar1及びAr2の複素環基の具体例から水素を除き2価又は3価としたものが挙げられ、好ましい例も同様である。
一般式(1)において、Ar4は、置換もしくは無置換のベンゼン残基、置換もしくは無置換のチオフェン残基、置換もしくは無置換のトリアゾール残基、置換もしくは無置換のフルオレン残基又は置換もしくは無置換のスピロビフルオレン残基である。なお、フルオレン残基、チオフェン残基、スピロビフルオレン残基が複数の置換基を有する場合には、その置換基同士が結合し環構造を形成していてもよい。
また、−(Ar4)b−としては、下記の構造が挙げられる。
Figure 2008147425
(式中、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、Ar4と同じであり、dは0〜3の整数である。Ar5が複数の時は、互いに同一でも異なっていたもよい。)
一般式(1)において、aは0〜1の整数、bは0〜4の整数、cは1〜3の整数であり、Cz及びAr4が複数の時は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
ただし、一般式(1)において、a=0かつc=1のときは、Ar3及びAr4がベンゼン残基であり、かつAr2がフェニルカルバゾリル基又はカルバゾリル基である場合を除く。また、a=1,b=0かつc=1のときは、Ar3がベンゼン残基であり、かつAr1及びAr2がフェニルカルバゾリル基である場合を除く。さらに、b=0かつc=1のときは、Ar3がベンゼン残基であり、かつAr1,Ar2及びCzがカルバゾリル基又はフェニルカルバゾリル基である場合を除く。
一般式(1)において、Ar1〜Ar4が、それぞれ芳香族炭化水素基であると好ましい。
また、一般式(1)において、a=b=1かつc=2でAr1及びAr2がそれぞれフェニル基、Ar3がフェニルトリイル基、Ar4がフェニレン基であると好ましい。
さらに、一般式(1)において、a=0であると好ましく、a=0かつb=0、又はa=0かつb=0であり、c=2〜3の整数であると好ましい。
前記Cz及びAr1〜Ar6の置換基としては、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アラルキル基、アリールオキシ基、アルコシキカルボニル基、フッ素化アルキル基、フッ素化アリール基又はカルボキシル基等が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される化合物の具体的構造としては、下記の様な構造が挙げられる。なお、Ar1、Ar2に相当する部位にCzがある構造があるが、Ar1及びAr2はCzを含むためである。また、下記構造において、フェニル部位及びチオフェン部位は、アルキル基又は炭素数6〜10のアリール基により置換されているものも挙げられる。
Figure 2008147425
次に、一般式(2)及び(3)について説明する。
(Cz−)nA (2)
Cz(−A)m (3)
Czは、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリルアルキレン基又は置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基である。n及びmは、それぞれ1〜3の整数である。
アリールカルバゾリル基におけるアリール基は、炭素数6〜30であると好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、ピレニル基、フルオレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられ、これらのうち、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基が好ましい。
カルバゾリルアルキレン基におけるアルキレン基は、炭素数1〜10であると好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、s−ブチレン基、イソブチレン基、t−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、ヒドロキシメチレン基、クロロメチレン基、アミノメチレン基等が挙げられ、これらのうち、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、t−ブチレン基、n−ペンチレン基が好ましい。
一般式(2)及び(3)における、Aは、下記一般式(A)で表される基である。
(M)p−(L)q−(M’)r (A)
M及びM'は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数2〜40の窒素含有ヘテロ芳香族環であり、同一でも異なっていてもよい。
窒素含有ヘテロ芳香族環としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、アジリジン、アザインドリジン、インドリジン、イミダゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、プテリジン、β―カルボリン、ナフチリジン、キノキサリン、ターピリジン、ビピリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、イミダゾピリジン等が挙げられ、特に、ピリジン、ターピリジン、ピリミジン、イミダゾピリジン、トリアジンが好ましい。
Lは、単結合、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリール基もしくはアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数5〜30のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のヘテロ芳香族環である。
pは0〜2、qは1〜2、rは0〜2の整数である。ただし、p+rは1以上である。
炭素数6〜30のアリール基としては、例えば、フェニル基、ピフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、ビレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、パーフルオロアリール基等が挙げられ、これらのうちフェニル基、ピフェニル基、ターフェニル基、パーフルオロアリール基が好ましい。
炭素数6〜30のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ピフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基、フェナンスリレン基、ビレニレン基、クリセニレン基、フルオランテニレン基、パーフルオロアリーレン基等が挙げられ、これらのうちフェニレン基、ピフェニレン基、ターフェニレン基、パーフルオロアリーレン基が好ましい。
炭素数5〜30のシクロアルキレン基としては、例えばシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基などが挙げられ、これらのうちシクロヘキシレン基が好ましい。
炭素数2〜30のヘテロ芳香族環としては、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル−1−インドリル基、4−t−ブチル−1−インドリル基、2−t−ブチル−3−インドリル基、4−t−ブチル−3−インドリル基等が挙げられ、これらのうち、ピリジニル基、キノリル基が好ましい。
また、上記一般式(2)、(3)及び(A)におけるCz、M、M’の置換基としては、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、カルバゾール基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、トリフルオロメチル基、カルボニル基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリールアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換のヘテロ芳香族複素環基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、フッ素原子、メチル基、パーフルオロフェニレン基、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、アダマンチル基、ベンジル基、シアノ基、シリル基が好ましい。
前記一般式(2)又は(3)で表される化合物の結合様式としては、n,mの値に応じ、下記表1に示すようになる。
Figure 2008147425
前記一般式(A)で表される基の結合様式としては、p,q,rの値に応じ、下記表2に示すようになる。
Figure 2008147425
Aと結合しているCzは、Aを表す一般式(A)のM、L、M’のいずれに結合していてもよい。
例えば、一般式(2)もしくは(3)において、m=n=1であるCz−Aで、(A)が表2[6](p=q=r=1)の場合には、Cz−M−L−M’、M−L(Cz)−M’及びM−L−M’−Czの3つの結合様式が挙げられる。
また、例えば、一般式(2)において、n=2であるCz−A−Czで、(A)が表2[7](p=q=1,r=2)の場合には、
Figure 2008147425
のような結合様式が挙げられる。
以上のような、一般式(2)、(3)及び(A)の結合様式、並びに各基の例示の組み合わせにおいて、下記(1)〜(4)で表される化合物が好ましい。
(1)前記一般式(2)においてn=1、かつ前記一般式(A)においてp=1,r=0であり、
一般式(2)式中、Czは、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリルアルキレン基又は置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基であり、
一般式(A)式中、Mは、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数4〜5の窒素含有ヘテロ6員環又は7員環、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数2〜4の窒素含有ヘテロ5員環、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数8〜11の窒素含有ヘテロ環、置換もしくは無置換のイミダゾビリジニル環であり、Lは、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリール基もしくはアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のヘテロ芳香族環である。
(2)前記一般式(2)においてn=2、かつ前記一般式(A)においてp=1,r=0であり、
一般式(2)式中、Czは、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリルアルキレン基又は置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基であり、
一般式(A)式中、Mは、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数4〜5の窒素含有ヘテロ6員環又は7員環、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数2〜4の窒素含有ヘテロ5員環、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数8〜11の窒素含有ヘテロ環、置換もしくは無置換のイミダゾビリジニル環であり、Lは、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリール基もしくはアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のヘテロ芳香族環である。
(3)前記一般式(2)においてn=1、かつ前記一般式(A)においてp=2,r=0であり、
一般式(2)式中、Czは、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリルアルキレン基又は置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基であり、
一般式(A)式中、Mは、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数2〜40の窒素含有ヘテロ芳香族環であり、Lは、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリール基もしくはアリーレン基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜30のヘテロ芳香族環である。
(4)前記一般式(3)においてm=2、かつ前記一般式(A)においてp=q=1であり、
一般式(3)式中、Czは、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリルアルキレン基又は置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基であり、
一般式(A)式中、M及びM’は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数2〜40の窒素含有ヘテロ芳香族環であり、同一でも異なっていてもよい。Lは、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリール基もしくはアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数5〜30のシクロアルキレン基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜30のヘテロ芳香族環である。
前記一般式(2)及び(3)において、Czは、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基又は置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基であると好ましく、フェニルカルバゾリル基又はビフェニルカルバゾリル基であるとさらに好ましい。また、アリールカルバゾリル基又はアリールアザカルバゾリル基のアリール部位が、カルバゾリル基又はアザカルバゾリル基で置換されていると好ましい。
また、一般式(2)又は(3)において、Aがピリミジン環を含む基であると好ましく、一般式(2)又は(3)においてLがピリミジン環を含む基であると好ましく、炭素数2〜40の置換基を有するピリミジン環であるとさらに好ましい。
さらに、一般式(2)又は(3)において、以下のような態様が好ましい。
Lがピリミジン環であり,M及び/又はM’が炭素数6〜40のアリール基、又は、M及び/又はM’が炭素数3〜40のヘテロアリール基である。
一般式(2)又は(3)において、Lがピリミジン環であり、M及び/又はM’が炭素数6〜40のアリール基、又は、M及び/又はM’が炭素数3〜40のヘテロアリール基であり、Czのアリール部位がカルバゾリル基又はアザカルバゾリル基で置換されている。
一般式(2)又は(3)において、Lがピリミジン環であり、M及び/又はM’が炭素数6〜40のアリール基、又は、M及び/又はM’が炭素数3〜40のヘテロアリール基である。
一般式(2)又は(3)において、Lがピリミジン環であり、M及び/又はM’が炭素数6〜40のアリール基、又は、M及び/又はM’が炭素数3〜40のヘテロアリール基であり、Czのアリール部位がカルバゾリル基又はアザカルバゾリル基で置換されている。
本発明の発光層に用いる前記一般式(1)〜(3)で表されるホスト材料の好ましい体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2008147425
次に、一般式(a)について説明する。
Figure 2008147425
一般式(a)において、Mは40より大きな原子量を有する金属であり、Ir、Pt、Pd、Rh、Re、Ru、Os、Tl、Pb、Bi、In、Sn、Sb、Te、Au及びAg等が挙げられ、Ir及びPtが好ましく、Irがさらに好ましい。
一般式(a)において、R8〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアルキルアリール基、CN、CF3、CO2R、C(O)R、NR2、NO2、OR(Rは置換基)又はハロゲン原子であり、任意選択された2つの隣接置換位置は一緒になって、独立して縮合4〜7員環式基を形成し、前記環式基はシクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、さらに前記4〜7員環式基は置換されていてもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。
前記アルキル基は直鎖状及び分岐状アルキル基を含む。好ましいアルキル基は1〜15の炭素原子を含むものであり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基及びその他同様のものを含む。加えて、アルキル基は、ハロゲン原子、CN、CO2R、C(O)R、NR2、環式アミノ、NO2、及びOR(Rは置換基)から選択される1以上の置換基で置換されていても良い。
前記シクロアルキル基は環式アルキル基を含む。好ましいシクロアルキル基は3〜7の炭素原子を含むものであり、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、及びその他同様のものが含まれる。加えて、シクロアルキル基は、ハロゲン原子、CN、CO2R、C(O)R、NR2、環式アミノ、NO2、及びOR(Rは置換基)から選択される1以上の置換基で置換されていても良い。
前記アルケニル基は直鎖状及び分岐状アルケニル基の両者を含む。好ましいアルケニル基は2〜15の炭素原子を含むものである。加えて、アルケニル基は、ハロゲン原子、CN、CO2R、C(O)R、NR2、環式アミノ、NO2、及びOR(Rは置換基)から選択される1以上の置換基で置換されていても良い。
前記アルキニル基は直鎖状及び分岐状アルキニル基の両者を含む。好ましいアルキニル基は2〜15の炭素原子を含むものである。加えて、アルキニル基は、ハロゲン原子、CN、CO2R、C(O)R、NR2、環式アミノ、NO2、及びORから選択される1以上の置換基で置換されていても良い。
前記アルキルアリール基は芳香族基を置換基として有するアルキル基を含む。加えて、アルキルアリール基は、ハロゲン原子、CN、CO2R、C(O)R、NR2、環式アミノ、NO2、及びORから選択される1以上の置換基でアリールが置換されていても良い。
前記シクロヘテロアルキル基は非芳香族環式基を含む。好ましいシクロヘテロアルキル基は少なくとも1つのヘテロ原子を含む3〜7の環原子を含むものであり、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、及びその他同様のものなどの環式アミン類、並びにテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、及びその他同様のものなどの環式エーテル類を含む。
前記アリール基は単環式基及び多環式基を含む。多環式環は2つの炭素が2つの隣接している環(これらの環は縮合している)によって共有されており、少なくとも1つの環が芳香族であって、例えば、他方の環はシクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環、及びヘテロ芳香族である。
前記ヘテロアリール基は、1〜3のヘテロ原子を含みうる単環ヘテロ芳香族基、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、及びピリミジン等の基が挙げられる。ヘテロアリール基は、2つの隣接する環(これらの環は縮合している)に2つの原子が共有されている2以上の環を有する多環式ヘテロ芳香族基を含み、ここで少なくとも1つの環はヘテロアリールであり、例えば、その他の環はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環、及び/又はヘテロ芳香族であることができる。
8〜R14の置換基としては、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アラルキル基、アリールオキシ基、アルコシキカルボニル基、フッ素化アルキル基、フッ素化アリール基又はカルボキシル基等が挙げられる。
一般式(a)において、nは1以上の整数であり2であると好ましい。nは前記金属に結合しうる配位子の最大数である。
Mに対する各配位子は有機金属(性)である。
一般式(a)の具体的構造としては、以下のような構造が挙げられる。
Figure 2008147425
Figure 2008147425
Figure 2008147425
前記Xは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアルキルアリール基、CN、CF3、CO2R、C(O)R、NR2、NO2、OR(Rは置換基)又はハロゲン原子であり、任意選択された2つの隣接置換位置は一緒になって、独立して縮合4〜7員環式基を形成し、前記環式基はシクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、さらに前記4〜7員環式基は置換されていてもよい。これら各基の具体例及び置換基は、前記R8〜R14と同様である。
本発明における一般式(a)で表される化合物の具体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2008147425
以下、本発明の有機EL素子の素子構成について説明する。
本発明の有機EL素子は、前記したように陰極と陽極間に、少なくとも発光層を有する多層型の有機薄膜層が挟持されている素子であり、前記発光層と接する層が、前記一般式(a)で表される金属錯体化合物を含有する。
前記発光層と接する層としては、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層、電子阻止層、エキシトンブロック層等が挙げられ、正孔阻止層、電子阻止層、エキシトンブロック層が好ましい。
ここで、エキシトンブロック層とは、発光層で生成したエキシトンを隣接する正孔輸送層や電子輸送層への拡散を防ぐための層のことである。
発光層には、必要に応じて、本発明の一般式(1)〜(3)から選ばれるホスト材料又は発光材料に加えて陽極から注入した正孔、もしくは陰極から注入した電子を発光材料まで輸送させるために、正孔注入材料もしくは電子注入材料を含有してもよい。また、発光材料は、極めて高い蛍光量子効率、高い正孔輸送能力及び電子輸送能力を併せ持ち、均一な薄膜を形成することが好ましい。多層型の有機EL素子としては、(陽極/正孔注入層(及び正孔輸送層)/発光層/陰極)、(陽極/正孔注入層(及び正孔輸送層)/発光層/電子注入層/陰極)等の多層構成で積層したものがある。
有機薄膜層には、公知のホスト材料、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を使用し、組み合わせて使用することもできる。有機EL素子は、多層構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命の低下を防ぐことができ、発光輝度や発光効率を向上させたり、燐光発光に寄与する他のドーピング材料と組み合わせて用いることにより、従来の発光輝度や発光効率を向上させることができる。
また、本発明の有機EL素子における正孔注入層、発光層、電子注入層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されてもよい。その際、正孔注入層の場合、電極から正孔を注入する層を正孔注入層、正孔注入層から正孔を受け取り発光層まで正孔を輸送する層を正孔輸送層と呼ぶ。同様に、電子注入層の場合、電極から電子を注入する層を電子注入層、電子注入層から電子を受け取り発光層まで電子を輸送する層を電子輸送層と呼ぶ。これらの各層は、材料のエネルギー準位、耐熱性、有機薄膜層もしくは金属電極との密着性等の各要因により選択されて使用される。
本発明で用いる一般式(1)〜(3)から選ばれる金属錯体化合物と共に有機薄膜層に使用できる発光材料又はホスト材料としては、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、メタフェニレン化合物、ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、アリールシラン化合物、ピリジン環含有化合物、ピリミジン環含有化合物、トリアジン環含有化合物、トリフェニレン化合物、キノキサリン化合物、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレン、スチルベン系誘導体及び蛍光色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、発光材料としては、素子の外部量子効率をより向上させることができる点で燐光性の有機金属錯体が好ましく、有機金属錯体の金属原子として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金及び銅等を含有するものが挙げられる。
正孔注入材料としては、正孔を輸送する能力を持ち、陽極からの正孔注入効果、発光層又は発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成した励起子の電子注入層又は電子注入材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。
正孔注入材料としては、具体的には、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン,スターバースト型アミン、トリアリールアミン、ヘキサアザトリフェニレン化合物、ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型トリフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン等と、それらの誘導体、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、導電性高分子等の高分子材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの正孔注入材料の中で、さらに効果的な正孔注入材料は、芳香族三級アミン誘導体又はフタロシアニン誘導体である。芳香族三級アミン誘導体の具体例としては、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、4,4’,4''−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン等、又はこれらの芳香族三級アミン骨格を有したオリゴマーもしくはポリマーであるが、これらに限定されるものではない。フタロシアニン(Pc)誘導体の具体例は、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等のフタロシアニン誘導体及びナフタロシアニン誘導体であるが、これらに限定されるものではない。
電子注入材料としては、電子を輸送する能力を持ち、陰極からの電子注入効果、発光層又は発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成した励起子の正孔注入層への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。具体的には、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、トリフェニレン、ポリフェニレン、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、キノキサリン、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等とそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの電子注入材料の中で、さらに効果的な電子注入材料は、金属錯体化合物又は含窒素五員環誘導体である。金属錯体化合物の具体例は、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、含窒素五員誘導体は、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールもしくはトリアゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、ジメチルPOPOP、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−( 4”−ビフェニル) 1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−( 5−フェニルオキサジアゾリル) ]ベンゼン、1,4−ビス[2−( 5−フェニルオキサジアゾリル) −4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−( 4”−ビフェニル) −1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−( 5−フェニルチアジアゾリル) ]ベンゼン、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−( 4”−ビフェニル) −1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−( 5−フェニルトリアゾリル) ]ベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、正孔注入材料に電子受容物質を、電子注入材料に電子供与性物質を添加することにより電荷注入性を向上させることもできる。
本発明の有機EL素子の陽極に使用される導電性材料としては、4eVより大きな仕事関数を持つものが適しており、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等及びそれらの合金、ITO基板、NESA基板に使用される酸化スズ、酸化インジウム等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。陰極に使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数を持つものが適しており、マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン、アルミニウム等及びそれらの合金が用いられるが、これらに限定されるものではない。合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。合金の比率は、蒸着源の温度、雰囲気、真空度等により制御され、適切な比率に選択される。陽極及び陰極は、必要があれば二層以上の層構成により形成されていてもよい。
本発明の有機EL素子は、少なくとも一方の電極と前記有機薄膜層との間に無機化合物層を有していてもよい。無機化合物層に使用される好ましい無機化合物としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、SiOX、AlOX、SiNX、SiON、AlON、GeOX、LiOX、LiON、TiOX、TiON、TaOX、TaON、TaNX、Cなど各種酸化物、窒化物、酸化窒化物である。特に陽極に接する層の成分としては、SiOX、AlOX、SiNX、SiON、AlON、GeOX、Cが安定な注入界面層を形成して好ましい。また、特に陰極に接する層の成分としては、LiF、MgF2、CaF2、MgF2、NaFが好ましい。
本発明の有機EL素子は、効率良く発光させるために、少なくとも一方の面は素子の発光波長領域において充分透明にすることが望ましい。また、基板も透明であることが望ましい。
透明電極は、上記の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性が確保するように設定する。発光面の電極は、光透過率を10%以上にすることが望ましい。基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものであれば限定されるものではないが、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムが挙げられる。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
本発明の有機EL素子は、温度、湿度、雰囲気等に対する安定性の向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、シリコンオイル、樹脂等により素子全体を保護することも可能である。
本発明の有機EL素子の各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれの方法を適用することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、適切な膜厚に設定する必要がある。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要になり発光効率が悪くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生して、電界を印加しても充分な発光輝度が得られない。通常の膜厚は5nm〜10μmの範囲が適しているが、10nm〜0.2μmの範囲がさらに好ましい。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の適切な溶媒に溶解又は分散させて薄膜を形成するが、その溶媒はいずれであってもよい。また、いずれの層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂及びそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂が挙げられる。また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
実施例1(有機EL素子作製)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして膜厚85nmのHTM(下記構造式参照)を成膜した。この膜は正孔注入輸送層として機能する。さらに該正孔注入輸送層の成膜に続けて,10nmの錯体(C19)を成膜した。該(C19)膜は電子阻止層またはエキシトンブロック層として機能する。さらに、電子阻止層またはエキシトンブロック層の成膜に続けて、この膜上に膜厚30nmで、ホスト化合物として上記化合物(9)とドーパントとして錯体F(フェイシャル体)を抵抗加熱により共蒸着成膜した。錯体Fの濃度は7.5wt%であった。このホスト化合物:(9)膜は、発光層として機能する。 そして、該発光層成膜に続けて、下記材料ETM1を膜厚25nm、さらに該ETM1の上に下記材料ETM2を5nm積層成膜した。該ETM1層及びETM2層は電子輸送層、電子注入層として機能する。そして、この後LiFを電子注入性電極(陰極)として成膜速度1Å/minで膜厚0.1nm形成した。このLiF層上に金属Alを蒸着させ、金属陰極を膜厚150nm形成し有機EL素子を形成した。
(有機EL素子の発光性能評価)
以上のように作製した有機EL素子を直流電流駆動(電流密度J=1mA/cm2)により発光させ、輝度(L)を測定し、電流効率[発光効率](cd/A)を求め、その結果を下記第1表に示す。また、初期輝度1500cd/cm2で半減寿命を測定した結果を示す。
Figure 2008147425
実施例2〜4
実施例1において、錯体(C19)の代わりに錯体(C1),(C4),complexNを用いた以外は同様にして有機EL素子を作製した。得られたそれぞれの有機EL素子について、実施例1と同様にして電流効率及び半減寿命を測定し、結果を第1表に示す。
Figure 2008147425
実施例5〜8
実施例1においてホスト化合物として用いた化合物(9)の代わりに化合物(11)を用いた以外は同様にして有機EL素子を作製した。得られたそれぞれの有機EL素子について、実施例1と同様にして電流効率及び半減寿命を測定し、結果を第1表に示す。
比較例1
実施例1において、錯体(C19)の代わりにcomplexN,ホスト化合物(9)の代わりに下記CBPを用いた以外は同様にして有機EL素子を作製した。得られたそれぞれの有機EL素子について、実施例1と同様にして電流効率及び半減寿命を測定し、結果を第1表に示す。
Figure 2008147425
比較例2
実施例1において、錯体(C19)の代わりにcomplexM,ホスト化合物(9)の代わりにCBPを用いた以外は同様にして有機EL素子を作製した。得られたそれぞれの有機EL素子について、実施例1と同様にして電流効率及び半減寿命を測定し、結果を第1表に示す。
比較例3
実施例2において、ホスト化合物(9)の代わりにCBPを用いた以外は同様にして有機EL素子を作製した。得られたそれぞれの有機EL素子について、実施例1と同様にして電流効率及び半減寿命を測定し、結果を第1表に示す。
Figure 2008147425
以上詳細に説明したように、本発明の有機EL素子は、画素欠陥が無く、低電圧でありながら発光効率が高い。この有機EL素子は、例えば電子写真感光体、壁掛けテレビ用フラットパネルディスプレイ等の平面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト又は計器類等の光源、表示板、標識灯、アクセサリー等に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 陰極と陽極間に、少なくとも発光層を有する有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発光層が、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種をホスト材料として含有し、前記発光層と接する層が、下記一般式(a)で表される金属錯体化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2008147425
    (式中、Czは、カルバゾリル基、炭素数18〜60アリールカルバゾ−ルイル基、アザカルバゾリル基、炭素数18〜60のアリールアザカルバゾ−ルイル基、アクリジニル基、フェノキサジニル基又はジベンゾアゼピニル基であり置換されていてもよい。Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60の複素環基である。Ar3は、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60の複素環基である。Ar4は、置換もしくは無置換のベンゼン残基、置換もしくは無置換のチオフェン残基、置換もしくは無置換のトリアゾール残基、置換もしくは無置換のフルオレン残基又は置換もしくは無置換のスピロビフルオレン残基である。
    aは0〜1の整数、bは0〜4の整数、cは1〜3の整数であり、Cz及びAr4が複数の時は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
    ただし、a=0かつc=1のときは、Ar3及びAr4がベンゼン残基であり、かつAr2がフェニルカルバゾリル基又はカルバゾリル基である場合を除く。また、a=1,b=0かつc=1のときは、Ar3がベンゼン残基であり、かつAr1及びAr2がフェニルカルバゾリル基である場合を除く。さらに、b=0かつc=1のときは、Ar3がベンゼン残基であり、かつAr1,Ar2及びCzがカルバゾリル基又はフェニルカルバゾリル基である場合を除く。)

    (Cz−)nA (2)
    Cz(−A)m (3)
    〔式中、Czは、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基又はカルバゾリルアルキレン基、又は置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基であり、Aは、下記一般式(A)で表される基である。n及びmは、それぞれ1〜3の整数である。
    (M)p−(L)q−(M’)r (A)
    (M及びM'は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環を形成する炭素数2〜40の窒素含有ヘテロ芳香族環であり、同一でも異なっていてもよい。Lは、単結合、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリール基もしくはアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数5〜30のシクロアルキレン基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜30のヘテロ芳香族環である。pは0〜2、qは1〜2、rは0〜2の整数である。ただし、p+rは1以上である。)〕
    Figure 2008147425
    (式中、Mは40より大きな原子量を有する金属である。
    8〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアルキルアリール基、CN、CF3、CO2R、C(O)R、NR2、NO2、OR(Rは置換基)又はハロゲン原子であり、任意選択された2つの隣接置換位置は一緒になって、独立して縮合4〜7員環式基を形成し、前記環式基はシクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、さらに前記4〜7員環式基は置換されていてもよい。
    nは1以上の整数であり、nは前記金属に結合しうる配位子の最大数である。)
  2. 一般式(a)において、Mがイリジウム(Ir)である請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記発光層と接する層が、正孔阻止層、電子阻止層及びエキシトンブロック層から選ばれる少なくとも一層である請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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