JP2008147124A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料収容部上に膜電極接合体等がカバー部材によって一体的に固定された燃料電池であって、発電時の内圧の上昇によるカバー部材の緩みが抑制され、信頼性に優れた燃料電池を提供すること。
【解決手段】燃料極と空気極とによって電解質膜が挟持されてなる膜電極接合体と、前記空気極側から前記膜電極接合体を覆うようにして固定されるカバー部材とを有する燃料電池であって、前記カバー部材に内圧吸収部が設けられているもの。
【選択図】図1

Description

本発明はパッシブ型やアクティブ型等の液体燃料を用いた燃料電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することができるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
直接メタノール型燃料電池(DMFC:direct methanol fuel cell)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯機器用の電源として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、また燃料タンク等の燃料収容部内の液体燃料を電池内部で気化させて燃料極に供給する内部気化型等のパッシブ方式が知られている。これらのうち、パッシブ方式はDMFCの小型化に対して特に有利である。
内部気化型等のパッシブ型DMFCとしては、例えば樹脂製の箱状容器からなる燃料収容部上に、燃料極、電解質膜および空気極からなる膜電極接合体等が配置された構造のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
上記したようなDMFCについては、燃料収容部上に配置された膜電極接合体等をカバー部材によって包み込むようにして一体的に固定することが検討されている。このようなカバー部材としては、例えば膜電極接合体等の上面を覆う板状のカバー本体と、このカバー本体の周縁部に略直角に設けられ、膜電極接合体等の側面を覆うカバー側面とからなり、外観が略箱状のものが検討されている。また、燃料収容部へのカバー部材の固定は、燃料収容部の外周部に設けられた段部もしくは溝部または底部等に、カバー側面の端部に設けられた爪部を折り返すようにして行う方法が検討されている(例えば特許文献2参照)。
国際公開第2005/112172号パンフレット(例えば、図1参照。) 国際公開第2006/120966号パンフレット
従来のDMFCについては、メタノールがDMFC外部に漏洩することを防止するために、燃料収容部からアノード触媒層に至る経路がほぼ気密に形成されている。そして、アノード触媒層ではメタノール等の燃料の分解反応によって炭酸ガス(CO)が生成し、その生成量は発電量の増加に伴って増加する。さらに、カソード触媒層では改質した燃料成分を空気によって酸化する発熱反応が進行するため、DMFC内部における液体燃料の気化が促進され、さらにはこの気化した燃料が発熱によって膨張する。
そのため、DMFC内のガス圧力(内圧)が上昇し、表面層であるカバー本体にガス圧力が集中する。その結果、カバー部材を燃料収容部に固定している爪部に過度な負担がかかり、この爪部が変形してカバー部材に緩みが発生することがある。カバー部材に緩みが発生すると、DMFC構成部品相互の密着度が低下し、電極部での集電機能が低下したり、電池内部における物質移動が阻害されたりする結果、出力が低下することになる。
本発明は上記したような課題を解決するためになされたものであって、燃料収容部上に膜電極接合体等がカバー部材によって一体的に固定された燃料電池であって、発電時の内圧の上昇によるカバー部材の緩みが抑制され、これにより出力低下が少なく、信頼性に優れた燃料電池を提供することを目的としている。
本発明の燃料電池は、燃料極と空気極とによって電解質膜が挟持されてなる膜電極接合体と、前記空気極側から前記膜電極接合体を覆うようにして固定されるカバー部材とを有する燃料電池であって、前記カバー部材には、内圧吸収部が設けられていることを特徴としている。
本発明の燃料電池では、前記カバー部材が、前記膜電極接合体の空気極側を覆うカバー本体と、少なくとも前記膜電極接合体の側面を覆うカバー側面とを有し、さらに前記カバー本体が、前記膜電極接合体の空気極側主面の周辺部に配置される枠部と、その枠内に配置される枠内押部と、前記枠部と前記枠内押部とを繋ぐ前記内圧吸収部とを有することが好ましい。
また、前記枠部、枠内押部および内圧吸収部は同一の材料から一体に形成されたものであることが好ましく、かつ、前記内圧吸収部の断面形状が略S字状であることが好ましい。
さらに、前記枠部の内側形状が矩形状であり、前記枠内押部の外側形状が矩形状であり、前記内圧吸収部は前記枠部の内側角部とそれに対向する前記枠内押部の外側角部とを繋ぐように設けられていることが好ましい。
本発明によれば、カバー部材に内圧吸収部を設けることで、発電時の内圧の上昇によるカバー部材の緩みが抑制され、これにより出力低下が少なく、信頼性に優れた燃料電池を提供することが可能となる。
以下、本発明の燃料電池について、パッシブ型DMFCを例に挙げて説明する。以下、まずパッシブ型DMFCの全体構造について説明する。図1は、パッシブ型DMFC1の外観を示す外観図である。また、図2は、図1に示すパッシブ型DMFC1のA−A線断面図である。
図2に示すように、このパッシブ型DMFC1は内部気化方式を適用したものであり、起電部を構成する燃料電池セルとも呼ばれる膜電極接合体2と、この膜電極接合体2に液体燃料(メタノール燃料等)Fを供給する燃料収容部3と、これら膜電極接合体2と燃料収容部3との間に介在された気液分離膜(気液分離層)4とを有している。
膜電極接合体2は、アノード触媒層5とアノードガス拡散層6とを有するアノード(燃料極)と、カソード触媒層7とカソードガス拡散層8とを有するカソード(空気極/酸化剤極)と、アノード触媒層5とカソード触媒層7とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜9とを有している。
アノード触媒層5およびカソード触媒層7に含有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層5にはメタノールや一酸化炭素に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層7には白金やPt−Ni等を用いることが好ましい。触媒は炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜9を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜9はこれらに限られるものではない。
アノード触媒層5に積層されるアノードガス拡散層6は、アノード触媒層5に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層5の集電体も兼ねている。一方、カソード触媒層7に積層されるカソードガス拡散層8は、カソード触媒層7に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層7の集電体も兼ねている。
アノードガス拡散層6にはアノード導電層10が積層され、カソードガス拡散層8にはカソード導電層11が積層されている。これら導電層10、11は、例えば金のような導電性金属材料からなるメッシュ、多孔質膜、薄膜等で構成される。なお、電解質膜9とアノード導電層10およびカソード導電層11との間には、それぞれゴム製のOリング12、13が介在されており、これらによって膜電極接合体2からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止している。
上述した膜電極接合体2のアノード(燃料極)側には、燃料収容部3が配置されている。膜電極接合体2は例えば矩形の平面形状を有し、燃料収容部3も同一矩形の平面形状を有している。燃料収容部3は膜電極接合体2のアノードと対向する面に開口部3aが設けられている。すなわち、燃料収容部3は上面全面が開口された箱状容器となっている。このような燃料収容部3の内部には、液体燃料Fとしてメタノール燃料等が収容されている。
メタノール燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等が用いられる。なお、液体燃料Fは必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部3には膜電極接合体2に対応した液体燃料Fが収容される。
燃料収容部3には、例えば樹脂製容器が用いられる。燃料収容部3は液体燃料Fの残量を外部から目視することが可能なように、透明樹脂で構成することが好ましい。また、このような透明樹脂は、耐メタノール性等を有していることが好ましい。なお、燃料収容部3は全体を透明樹脂で形成してもよいし、その一部を透明樹脂で形成してもよい。
上記した透明樹脂としては、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルペンテン、ポリフェニルサルホン等が挙げられる。ただし、一般的なポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂等で構成した燃料収容部3を除外するものではない。
燃料収容部3の開口部3aと膜電極接合体2との間には、気液分離膜4が設置されている。気液分離膜4は、液体燃料(メタノール燃料等)Fの気化成分のみを透過し、液体成分は透過させないものである。燃料収容部3内で気化した液体燃料Fの気化成分は、燃料収容部3の開口部3aおよび気液分離膜4を介して膜電極接合体2のアノード(燃料極)に供給される。
気液分離膜4の構成材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂が挙げられる。ここで、液体燃料Fの気化成分とは、例えば液体燃料Fとしてメタノール水溶液を使用した場合にはメタノールの気化成分と水の気化成分からなる混合気、純メタノールを使用した場合にはメタノールの気化成分を意味する。
膜電極接合体2のカソード導電層11上には保湿層15が積層されており、さらにその上には表面層16が積層されている。表面層16は酸化剤である空気の取入れ量を調整する機能を有し、複数の空気導入口17が設けられている。表面層16による空気の取入れ量は空気導入口17の個数や大きさ等で調整される。
保湿層15はカソード触媒層7で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制する役割を果たすと共に、カソードガス拡散層8に酸化剤を均一に導入することで、カソード触媒層7への酸化剤の均一拡散を促進する機能を有している。保湿層15は例えば多孔質構造の部材で構成され、具体的な構成材料としてはポリエチレンやポリプロピレンの多孔質体等が挙げられる。
カバー部材20は、これら気液分離膜4、膜電極接合体2、保湿層15および表面層16を覆うようにして燃料収容部3に固定されている。カバー部材20は、具体的には、膜電極接合体2のカソード側に配置されるカバー本体21と、その周縁部に略直角に設けられ、膜電極接合体2等の側面を覆う4つのカバー側面22とから主としてなるものであり、外観が略箱状のものである。
カバー本体21には、複数の空気導入孔23が略等間隔で設けられている。また、各カバー側面22の燃料収容部3側(図中、下方向)の端部には、燃料収容部3への固定に用いられる複数の爪部24が設けられている。一方、燃料収容部3には、その側面3sに底面3b側に開口する凹部(溝部)3mが設けられている。そして、カバー側面22の爪部24はこの凹部3m内に折り返されており、これによりカバー部材20は燃料収容部3に固定されている。
次に、本発明の主要部であるカバー部材20、特にカバー本体21についてさらに詳細に説明する。図3は、図1、2に示すカバー部材20のカバー本体21を示した平面図である。カバー本体21は、例えば膜電極接合体2等のカソード側の主面の周辺部上に配置される枠部25と、この枠部25の枠内に配置される枠内押部26と、これら枠部25と枠内押部26とを繋ぐように設けられた内圧吸収部27とからなるものである。
枠部25は、例えば内側形状が矩形状とされており、一方、枠内押部26は、例えば枠部25の内側形状よりも一回り小さい矩形状とされている。これら枠部25および枠内押部26にはいずれも空気導入孔23が形成されている。そして、内圧吸収部27は、例えば枠部25の内側角部25aとそれに対向する枠内押部26の外側角部26aとを繋ぐように計4箇所に設けられている。
このような枠部25および枠内押部26は、通常は平板状とされている。これに対して、内圧吸収部27は、例えば図3のB−B線断面図として図4に示すように、断面が略S字状のものである。なお、図4において、左側が枠部25であり、右側が枠内押部26である。枠部25、枠内押部26および内圧吸収部27は、後述するように例えば1枚のステンレス板から形成されるものであり、断面が略S字状の内圧吸収部27は弾性変形が可能なように形成されている。
このようなカバー本体21は、以下のようにして機能するものである。まず、非発電時や発電直後のように、燃料の分解反応による炭酸ガス(CO)の発生が少なく、また発熱反応に伴う液体燃料の気化やその熱膨張も少なく、内圧が低くなっている場合、例えば図5に模式的に示すように、カバー本体21、すなわち枠部25および枠内押部26は略同一平面に位置し、この略同一平面に位置する枠部25および枠内押部26によって膜電極接合体2等の全面がほぼ均等に押しつけられている。このように膜電極接合体2等の全面を均等に押しつけることで、それらの密着性を確保し、集電機能の低下や物質移動の阻害による出力低下を抑制することができる。
一方、発電時のように、燃料の分解反応により炭酸ガス(CO)が発生し、また発熱反応に伴い液体燃料が気化、熱膨張し、内圧が過度に上昇した場合、カバー本体21、すなわち枠部25や枠内押部26には過度な応力が加わる。しかし、枠内押部26は内圧吸収部27を介して枠部25に繋がっているため、内圧が過度に上昇した場合、図6に模式的に示すように、断面が略S字状の内圧吸収部27が伸びるように変形し、枠内押部26が内圧を緩和する方向(図中、上方向)へと移動するため、枠部25に加わる過度な応力を低減することができる。このため、枠部25と繋がり、カバー部材20を燃料収容部3へと固定している爪部24(図1、2参照)に加わる負荷も低減でき、その変形を抑制できるため、カバー部材20の緩みを抑制することができる。
また、内圧が低下した場合、図5に示すように、それまで伸びていた内圧吸収部27が弾性変形により元の状態に戻り、それに伴い枠内押部26も枠部25と略同一平面となる位置に戻るため、この略同一平面に位置する枠部25および枠内押部26によって膜電極接合体2等の全面を再び均等に押しつけることができる。このように内圧が低下した場合であっても膜電極接合体2等の全面を均等に押しつけることができるため、それらの密着性を確保でき、集電機能の低下や物質移動の阻害による出力低下を抑制することができる。
次に、上記パッシブ型DMFC1の発電動作について説明する。まず、図2に示されるものにおいて、燃料収容部3内のメタノール燃料等の液体燃料Fが気化し、この気化成分が気液分離膜4を透過して膜電極接合体2に供給される。膜電極接合体2内において、メタノール燃料Fの気化成分はアノードガス拡散層6で拡散されてアノード触媒層5に供給される。アノード触媒層5に供給された気化成分は、下記の(1)式に示したメタノールの内部改質反応を生じさせる。
CHOH+HO → CO+6H+6e …(1)
なお、メタノール燃料Fとして純メタノールを使用した場合には、燃料収容部3から水蒸気が供給されないため、カソード触媒層7で生成した水や電解質膜9中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起するか、あるいは上記した(1)式の内部改質反応によらず、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。内部改質反応で生成されたプロトン(H)は電解質膜9を伝導し、カソード触媒層7に到達する。
一方、カバー本体21に設けられた空気導入孔23や、枠部25と枠内押部26との間隙から導入された空気(酸化剤)は、表面層16の空気導入口17を通過し、さらに保湿層15、カソード導電層11およびカソードガス拡散層8を通過し、カソード触媒層7へと供給される。
カソード触媒層7に供給された空気は、次の(2)式に示した反応を生じさせる。この反応によって、水の生成を伴う発電反応が生じる。
(3/2)O+6H+6e → 3HO …(2)
なお、液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料電池に応じた液体燃料が収容される。
次に、パッシブ型DMFC1の製造について説明する。まず、カバー部材20の製造について説明する。カバー部材20の製造には、例えば平面形状が矩形状のステンレス板が用いられる。そして、このステンレス板に打ち抜き加工を施すことにより、図7に示すように、枠部25、枠内押部26および内圧吸収部27となる部分を形成すると共に、それらの部分に複数の空気導入孔23を形成する。また、この打ち抜き加工の際には、爪部24等も形成しておく。
また、通常の打ち抜き加工の場合、内圧吸収部27となる部分は枠部25や枠内押部26と同様に平面状となっているため、この内圧吸収部27となる部分を断面が略S字状となるように加工する。このような加工は、例えば図8に示すように、凹凸部を有する上金型30と、この上金型31の凹凸部と対向してはめ合わせが可能な凹凸部を有する下金型31とからなる一組の金型を用い、内圧吸収部27となる部分をプレス加工することにより行うことができる。このようにして形成される断面が略S字状の内圧吸収部27は、例えば図4に示されるようなものである。
その後、図7に示されるカバー本体21と4つのカバー側面22との境界部分(図中、点線部)において、カバー本体21に対してそれぞれのカバー側面22を略直角に折り曲げることによって、略箱状のカバー部材20とする。
一方、カバー部材20を除く他の部材、すなわち膜電極接合体2、燃料収容部3、気液分離膜4、保湿層15、表面層16は、この種のパッシブ型DMFCに一般に用いられるものを特に制限なく用いることができる。
そして、図2に示されるように、燃料収容部3上に、気液分離膜4、膜電極接合体2、保湿層15、表面層16を順に配置する。また、表面層16側からそれらを覆うようにしてカバー部材20を被せ、その爪部24を燃料収容部3の側面3sに設けられた凹部3mに折り返して固定する。このようにすることで、燃料収容部3上に、気液分離膜4、膜電極接合体2、保湿層15および表面層16がカバー部材20により一体的に固定されたパッシブ型DMFC1を製造することができる。
以上、本発明の燃料電池についてパッシブ型DMFC1を例に挙げて説明したが、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、その構造を変更することができる。
例えば、枠部25の内側形状や枠内押部26の外側形状は、図3に示されるような矩形状に限定されるものではなく、枠部25内に枠内押部26が収まる範囲であれば適宜変更することができる。内圧吸収部27の位置についても、必ずしも枠部25の内側角部25aとそれに対向する枠内押部26の外側角部26aとの間に限られず、枠部25と枠内押部26とを繋ぐことができる位置であれば限定されるものではない。また、内圧吸収部27の個数についても、必ずしも4個に限られず、枠部25の内側形状や枠内押部26の外側形状に合わせて適宜変更することができる。
内圧吸収部27の断面形状は、弾性変形による内圧の吸収や強度の確保といった観点から、図4に示されるような断面が略S字状のものが好ましいものとして挙げられるが、弾性変形により枠内押部26を枠部25に対して移動可能に支持し、応力を吸収することが可能であれば、必ずしもその断面形状は略S字状のものに限られるものではない。また、カバー部材20の固定は、燃料収容部3に限らず、その目的を達成できるのであれば、その固定方法および位置は限定されるものではない。
また、本発明が適用される燃料電池はパッシブ型に限られるものではなく、膜電極接合体等を覆うカバー部材が燃料収容部等に固定されるもの、すなわち膜電極接合体の空気極側にカバー本体が設けられ、膜電極接合体の側面にカバー側面が設けられ、このカバー側面の端部が固定されるような構造のものであれば、何らその燃料電池の方式について限定されるものではない。
さらには、本発明は上記実施形態そのものに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上記した説明では、燃料電池の構成として膜電極接合体(MEA)の下部に燃料収容部を有する構造で説明したが、燃料収容部からMEAへの燃料の供給は流路を配して接続された構造であってもよい。また、燃料電池本体の構成としてパッシブ型の燃料電池を例に挙げて説明したが、アクティブ型の燃料電池、さらには燃料供給など一部にポンプ等を用いたセミパッシブ型の燃料電池に対しても本発明を適用することができる。これら構成であっても、上記した説明と同様の作用効果が得られる。
本発明の燃料電池の一例を示す外観図。 図1に示す燃料電池のA−A線断面図。 カバー本体の一例を示す平面図。 図3に示すカバー本体のB−B線断面図(内圧吸収部断面図)。 カバー本体の変形前の状態を示す模式的断面図。 カバー本体の変形後の状態を示す模式的断面図。 カバー部材の製造例を示す平面図。 内圧吸収部の加工方法を説明するための断面図。
符号の説明
1…燃料電池(パッシブ型DMFC)、2…膜電極接合体、3…燃料収容部(3a…開口部、3b…底面、3m…凹部、3s…側面)、4…気液分離膜、5…アノード触媒層、6…アノードガス拡散層、7…カソード触媒層、8…カソードガス拡散層、9…電解質膜、10…アノード導電層、11…カソード導電層、12、13…リング、15…保湿層、16…表面層、17…空気導入口、20…カバー部材、21…カバー本体、22…カバー側面、23…空気導入孔、24…爪部、25…枠部(25a…内側角部)、26…枠内押部(26a…外側角部)、27…内圧吸収部

Claims (5)

  1. 燃料極と空気極とによって電解質膜が挟持されてなる膜電極接合体と、前記空気極側から前記膜電極接合体を覆うようにして固定されるカバー部材とを有する燃料電池であって、
    前記カバー部材には、内圧吸収部が設けられていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記カバー部材は、前記膜電極接合体の空気極側を覆うカバー本体と、少なくとも前記膜電極接合体の側面を覆うカバー側面とを有し、さらに前記カバー本体が、前記膜電極接合体の空気極側主面の周辺部に配置される枠部と、その枠内に配置される枠内押部と、前記枠部と前記枠内押部とを繋ぐ前記内圧吸収部とを有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記枠部、枠内押部および内圧吸収部が同一の材料から一体に形成されたものであり、かつ、前記内圧吸収部の断面形状が略S字状であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
  4. 前記枠部の内側形状が矩形状であり、前記枠内押部の外側形状が矩形状であり、前記内圧吸収部は前記枠部の内側角部とそれに対向する前記枠内押部の外側角部とを繋ぐように設けられていることを特徴とする請求項2または3記載の燃料電池。
  5. 前記膜電極接合体の燃料極側には燃料収容部が配置されており、前記カバー部材は前記膜電極接合体を覆うようにして前記燃料収容部に固定されることを特徴とする請求項2乃至請求項4いずれか1項に記載の燃料電池。
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