JP2008147071A - 放電灯点灯装置及び照明器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱陰極形の放電灯を点灯する放電灯点灯装置であって、回路効率に優れ、放電灯の放電電流が定格電流に近い動作領域から、調光時のように放電電流が小さい動作領域までの広い動作領域に亘り、放電灯の適切な予熱電流の制御が可能な放電灯点灯装置を提供する。
【解決手段】放電灯点灯装置100は、放電灯11を点灯させるインバータ回路300と、点灯中の放電灯11の陰極に予熱電流を供給する回路であって予熱用スイッチング素子24を備え、予熱用スイッチング素子24のオンデューティの制御を受けることにより予熱電流の値の制御が可能な予熱制御回路400と、予熱用スイッチング素子24のオンデューティの制御を介して、予熱制御回路400の供給する予熱電流の値を、放電灯11の陰極に流れる放電電流に対応して予め設定された予熱電流の許容範囲において下限値に近づける制御をするマイクロコンピュータ312とを備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、熱陰極形の放電灯の陰極(フィラメント)の予熱制御に関するものである。
以下の説明で、熱陰極形の放電灯の点灯前の陰極の予熱を先行予熱(preheating)と呼び、放電灯の点灯後の陰極の過熱を単に予熱(heating)と呼ぶことにする。
従来より、熱陰極形の放電灯の陰極に先行予熱・始動・点灯状態において一定の電流を流すことは知られている。このような従来の実施例として、特開平8−17585号公報(特許文献1)がある。
また、先行予熱・始動状態ではフィラメントに一定電流を流し、点灯後は、いわゆる省エネのために、フィラメントに流す電流を減ずる、または、遮断するなどして抑制することも知られている。このような従来の実施例として、特開2001−126896号公報(特許文献2)及び特開2001−351790号公報(特許文献3)がある。
また、放電灯の放電電流を低減して調光した点灯動作状態では、調光時の放電電流に加えて陰極に予熱電流を流し、陰極の温度を適切に保つ必要があることが知られている。このような従来の実施例として、特開2001−244096号公報(特許文献4)及び特開2003−168582号公報(特許文献5)がある。
特開平8−17585号公報 特開2001−126896号公報 特開2001−351790号公報 特開2001−244096号公報 特開2003−168582号公報
しかし、特許文献1の従来例の場合には、放電ランプFLが点灯した以降もフィラメント予熱トランスTr1により、フィラメントFL1及びFL2に電流が流れ続ける。このため、この電流による電力損失が発生し、放電灯点灯装置としての回路効率の低下を招き、省エネの効果が薄いという課題がある。
また、特許文献2の従来例の場合には、放電灯が点灯状態になると予熱電流を遮断するため点灯した以降は予熱電流による電力損失を削減できる効果がある。(特許文献2の図1の第3スイッチング手段、及び特許文献2の図4(d)参照)。しかし、放電灯を調光して点灯する場合には、特許文献4及び特許文献5に示すように、ランプ電流の大きさが定格電流値に近い動作領域では予熱電流を遮断できるが、ランプ電流の小さい動作領域では予熱電流を流してフィラメントの温度を適切に保つ必要があることが示されている。(特許文献4の請求項1、及び、特許文献5の段落[0002]:5行目〜9行目。特許文献2では、放電灯を調光する場合、特に、放電電流を小さい動作領域まで調光する場合に適切な動作条件を満たすことができないという課題がある。
また、特許文献3の従来例の場合には、放電灯が点灯状態になると予熱電流を遮断するため、点灯した以降は予熱電流による電力損失を削減できる効果がある。また、特許文献3の図6及び図8に示されているように、スイッチ素子SW3と並列にコンデンサC12を設けることで、スイッチ素子SW3をオフした以降もコンデンサC12を介して予熱トランスT2の1次側に電流を流し続けることができる。そして、コンデンサC12の容量値を適当に選定することにより、スイッチ素子SW3がオフした以降の予熱電流をスイッチ素子SW3がオン時の予熱電流に比べて抑制できるものである。しかし、特許文献3では前記図6及び図8で示された構成の予熱制御回路の場合は、ランプ電流が定格電流に近く予熱電流が不要な動作領域でも予熱電流が流れ続けるため、この電流による電力損失が発生し、放電灯点灯装置としての回路効率の低下を招き、省エネの効果が薄いという課題がある。
また、特許文献4の従来例の場合には、放電灯が定格出力で点灯状態になると予熱電流を遮断し調光状態では予熱電流を流すことができる。しかし、予熱電流の切り替え手段をハード的に行っているため、予熱電流値を最適値にきめ細かく制御する場合にはハード的な切り替え手段(特許文献4の図1のQ3、Q4のスイッチ及びコンデンサC3、C4等に相当する予熱トランスTrfaの限流素子)が複雑高価になるという課題がある。また、特許文献4の図6に示すようにQ5のインピーダンスを可変することで予熱電流はきめ細かく制御できるが、放電灯の予熱電流を減じる制御状態では抵抗R4の損失が増大してしまい、回路効率の低下を招くという課題がある(特許文献4の段落[0033])。
また、特許文献5の従来例の場合には、特許文献4の場合と同様に放電灯が点灯状態になった場合に予熱電流を遮断し調光状態では予熱電流を流すことができる。また、ランプ識別手段で点灯時には異なる2つ以上の適合放電灯に適切な予熱電流になるように制御できるとしている。しかし、適合ランプの種類(型式)が異なる場合には、点灯時に限らず、予熱、始動、点灯の全動作領域に亘り、適合ランプ別に適合した予熱電流を流すことが求められるが、特許文献5の従来例では点灯時のみの予熱電流制御に限定され、放電灯の寿命時間に大きな影響を与える先行予熱、始動時の予熱制御が欠けており予熱制御特性としては充分でないという課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑み為されたもので、その目的とするところは、回路効率に優れ、放電灯の放電電流が定格電流に近い動作領域から、調光時の電流が小さい動作領域までの広い動作領域に亘り、放電灯の適切な予熱電流の制御が可能な放電灯点灯装置を提供することにある。
さらに本発明は、先行予熱、始動の動作領域でも、かつ、異なる種類の適合放電灯に対しても、適合放電灯ごとにその放電灯に適合した先行予熱電流で制御できる放電灯点灯装置を提供することにある。
この発明の放電灯点灯装置は、
直流電源回路の出力の直流電圧を高周波電圧に変換し、変換した高周波電圧により熱陰極形の陰極を有する放電灯を点灯させるインバータ回路と、
点灯中の前記放電灯の前記陰極に予熱電流を供給する回路であって予熱用スイッチング素子を備えるととも前記予熱用スイッチング素子のオンデューティの制御を受けることにより予熱電流の値の制御が可能な予熱制御回路と、
前記予熱用スイッチング素子のオンデューティの制御を介して、前記予熱制御回路の供給する前記予熱電流の値を、前記放電灯の前記陰極に流れる放電電流に対応して予め設定された前記予熱電流の許容範囲において下限値に近づける制御をするマイクロコンピュータと
を備えたことを特徴とする。
この発明により、回路効率に優れ、放電灯の放電電流が定格電流に近い動作領域から、調光時のように放電電流が小さい動作領域までの広い動作領域に亘り、放電灯の適切な予熱電流の制御が可能な放電灯点灯装置を提供することができる。
実施の形態1.
図1〜図21を用いて実施の形態1を説明する。実施の形態1の放電灯点灯装置は、熱陰極形の放電灯を装着する。実施の形態1の放電灯点灯装置は、放電灯の種類(型式)を識別する放電灯種類識別回路340を具備し、放電灯の種類に対応した適切な電流を放電灯の陰極(以降の説明では、フィラメントと呼ぶ場合がある)に流して先行予熱(先行予熱モード)をした後に放電灯を始動、点灯させる。そして放電灯の点灯後は、調光状態を含む点灯状態で放電電流に対応して陰極を許容範囲の予熱状態に制御することにより、陰極での電力損失を最小にすることができる。
図1は、実施の形態1の放電灯点灯装置100の構成を示す回路図である。図1において、放電灯点灯装置100は、交流電源1から交流電源を与えられて整流するダイオードブリッジ2(整流回路)、昇圧チョッパ回路200(直流電源回路)、昇圧チョッパ制御回路210、インバータ回路300、インバータ制御回路310、放電灯状態検出回路320(抜去検出部、異常状態検出部)、放電灯負荷回路330、放電灯種類識別回路340、調光インターフェース回路350(以降、調光I/F回路350と呼ぶ)、及び、予熱制御回路400を備える。
インバータ制御回路310は、制御出力回路311、マイクロコンピュータ312(以下、マイコン312という)、不揮発性メモリ313を備える。
図1において、放電灯点灯装置100は、交流電源1から交流電力を与えられる。
(1)放電灯点灯装置100では、交流電源1からの交流電力が、ダイオードブリッジ2で整流される。ダイオードブリッジ2の出力は、脈流成分を含む直流電源である。この脈流成分を含む直流電源が昇圧チョッパ回路200に供給される。
(2)昇圧チョッパ回路200は、昇圧チョッパ制御回路210で制御される。昇圧チョッパ回路200はチョークコイル3、ダイオード4、スイッチング素子5、コンデンサ6から構成され、入力された脈流を含む直流電源を昇圧・平滑し、インバータ回路300に安定化された一定の直流電圧を供給する。
(3)インバータ回路300は、インバータ制御回路310で制御される。図1に示すように、インバータ回路300は、ハーフブリッジ回路構成である。インバータ回路300は、スイッチング素子7及びスイッチング素子8により、昇圧チョッパ回路200で昇圧された直流電圧を高周波電圧に変換する。また、抵抗13が、スイッチング素子7に並列に接続される。なお、スイッチング素子7及び8のドレイン・ソース間に逆並列に接続するように内蔵されているダイオードは、図示を省略する。
(4)放電灯負荷回路330は、カップリングコンデンサ9、チョークコイル10、放電灯11の直列回路及びカップリングコンデンサ9に並列に接続された抵抗14、及び、放電灯11に並列に接続されたコンデンサ12から構成される。
(5)インバータ制御回路310のマイコン312には、放電灯状態検出回路320、放電灯種類識別回路340、及び、調光I/F回路350の出力信号が入力される。
(6)放電灯状態検出回路320は、放電灯11の放電灯負荷回路330への装着または抜去状態の検出及び放電灯11の正常または不良状態を検出する。放電灯11の装着状態はコンデンサ6を電源として抵抗13、抵抗14、放電灯11の両フィラメントを介して電流が流れることを検出する。また、放電灯11の不良状態は放電灯11の両端電圧の上昇、陰極の電圧等で検出する。
(7)放電灯種類識別回路340は、放電灯11の陰極を流れる先行予熱電流による陰極両端の電圧を検出し、マイコン312に出力する。マイコン312では、先行予熱開始時と所定時間経過後の陰極の両端電圧比から放電灯の種類を識別する。
(8)調光I/F回路350は、放電灯11の放電電流を制御するために放電灯点灯装置100の外部から送出される調光信号を入力し、その信号をマイコン312に出力する。
(9)予熱制御回路400は、放電灯11の陰極に先行予熱、始動、点灯の動作状態のそれぞれにおいて許容される適切な陰極の予熱電流を供給する。予熱制御回路400は、コンデンサ21と、予熱トランス23の1次巻線と、予熱用スイッチング素子24との直列回路が、インバータ回路300の出力(スイッチング素子7とスイッチング素子8の接続点)と昇圧チョッパ回路200の負極側との間に接続される。予熱トランス23の2つの2次巻線は、それぞれ2つのカップリングコンデンサ22、25を介して放電灯11の2つの陰極に電流を流すように接続される。予熱用スイッチング素子24は、インバータ制御回路310のマイコン312が生成した制御信号により制御出力回路311を介してオンデューティ(on duty)が制御される。予熱用スイッチング素子24のドレイン・ソース間に逆並列に内蔵されているダイオードは、図示を省略する。
なお、昇圧チョッパ制御回路210、インバータ制御回路310、放電灯状態検出回路320、放電灯種類識別回路340、及び、調光I/F回路350の制御用駆動電源は図示を省略する。
(1.先行予熱モードにおける先行予熱制御の原理の説明)
次に、図2、図3により、フィラメントを先行予熱する状態(先行予熱の期間)である先行予熱モードにおいて、放電灯の種類によって適切な先行予熱を行うための先行予熱制御の原理を説明する。図2は、FHF32形放電灯(MITSUBISHI/OSRAM社製)の先行予熱特性を示したものである。図2において、横軸は時間軸(秒)である。さらに詳しく言えば、放電灯の陰極に一定の大きさの先行予熱を流し始めた時を時間ゼロ秒とした時間経過を示している。縦軸は、先行予熱電流を流し始めた時点(ゼロ秒時)の陰極抵抗値(Rc)と、時間経過後の陰極抵抗値(Rh)との比であるRh/Rcを示している。図2より明らかなように、陰極(材料:タングステン)のRh/Rcは、先行予熱電流による発熱による温度上昇のため、時間の経過に従って増大する。また、先行予熱電流値(図示のItotal)が大きい程、Rh/Rcの時間経過に対する増加率は大きくなる。例えば、先行予熱電流値が0.60Armsの場合では、Rh/Rcが4.5(約1000°K)に達するまでの時間は約0.9S(秒)であるのに対し、先行予熱電流が0.50Armsの場合は約1.5S(秒)である。
また、図3は、FL40S形放電灯(MITSUBISHI/OSRAM社製)の先行予熱特性を示したものである。図3より明らかなように、先行予熱電流が0.60ArmsのときにRh/Rcが4.5(約1000°K)に達するまでの時間は、約1.9S(秒)であり、FHF32形放電灯の同一条件の場合の時間0.9S(秒)の約2倍の長さである。
従って、放電灯の陰極に一定の先行予熱電流を流し、その電流値と時間を制御することで陰極の温度上昇を適切な値にすることができる。
また、図2、図3からわかるように、例えば、0.60Armsの先行予熱電流を放電灯の陰極に流して、所定時間経過後(例えば、0.5S(秒)後)のRh/Rcをマイコン312で算出すれば、その時間におけるRh/Rcの時間に対する増加率から放電灯の形名(型式)が識別できる。
また、一定の先行予熱電流値の制御は、予熱制御回路400の予熱用スイッチング素子24のオンデューティ(on duty)を変化させることで行う。
なお、Rh/Rcの増加は、陰極のエンドグロー放電(同一陰極内の両端で熱電子による放電が発生する現象)が発生するまで、概略直線的に増加するので、この直線性の範囲内では放電灯の種類が識別されれば、Rh/Rcは経過時間に比例した値として求めることができる。つまり、Rh/Rcは、経過時間の都度測定する必要はなく、放電灯の種類を所定時間経過後に識別すれば、それ以降の時間経過後のRh/Rcは比例計算で求めることができる。そして、陰極の温度が始動電圧の印加に適した温度(以降の説明ではRh/Rcが概略4.5になる1000°Kの場合として説明する)になったタイミングで始動電圧を印加する。すなわち、放電灯を識別できればRh/Rcが4.5((約1000°K)になる時間は計算することができる。
(2.点灯時の放電電流の制御の原理の説明)
図4及び図5とにより、放電灯の点灯時の放電電流を制御する原理について説明する。以下の説明では、放電灯の調光率を定格点灯時の放電電流を100%とし、それに対する調光時の放電電流の比率として説明する。なお、調光率は、通常、放電灯の定格点灯時の光出力と調光時の放電灯の光出力の比で定義され、または、放電灯の定格点灯時の放電灯電力と調光時の放電灯電力の比で定義されるが、以下では制御原理の説明を簡単化するために、「放電灯の調光率を定格点灯時の放電電流を100%とし、それに対する調光時の放電電流の比率」の前記定義として説明する。放電電流の比率で算出した調光率を、例えば、放電電力比の調光率に換算するには、それぞれの放電電流と、その放電電流に対応する放電灯電圧との積から放電電力を求め、定格出力時の放電電力に対する比を求めれば算出できる。これについての詳細は後述する。
また、以下の説明で放電灯負荷回路330を構成する各部品の定数値は中心値(typ)であり、無負荷時(放電灯11が未放電時)の共振周波数fのばらつき(部品公差)が中心値である場合の各諸特性にはtypの添え字(サフィックス :suffix)を付してある。同様に、無負荷時の共振周波数fが最大値である場合の各諸特性にはmaxの添え字を付し、無負荷時の共振周波数fが最小値である場合の各諸特性にはminの添え字を付して説明する。なお、放電灯負荷回路330の無負荷時共振周波数fは、各部品のばらつき(公差)が最大のときに最小(f0min)となり、最小のときに最大(f0max)となる。
図4を説明する。図4の横軸はインバータ回路300の駆動周波数である。IL11−typで示す直線状のグラフは、放電灯11の放電電流であり、その値は左縦軸に示す。また、Vc12−AtypとVc12−Btypとして示すグラフは、放電灯11が未放電時のコンデンサ12の電圧Vc12であり、その値は右縦軸に示す。
インバータ回路300の駆動周波数は、調光I/F回路350から入力される調光信号に対応してマイコン312で生成され、制御出力回路311から出力される。マイコン312で生成される周波数は、マイコン312のクロック周波数を基に生成される。図5で100%出力時の周波数は、マイコン312のクロック周波数を行番5の駆動周波数基準指令値n1で除することで求められる。
例えば、
マイコン312のクロック周波数=8.0MHz、n1=125の場合、
駆動周波数ftyp−100=64.0kHz
となる。同様に、放電電流が75%の駆動周波数を与える駆動周波数基準指令値はn2であり、そのときの駆動周波数はftyp−75、放電電流が50%の駆動周波数を与える駆動周波数基準指令値はn3であり、そのときの駆動周波数はftyp−50である。
前述の先行予熱の制御原理に従い、マイコン312は、インバータ回路300を駆動周波数ftyp−PH(動作点は図4のtyp1)で駆動する。動作点typ1に対応するコンデンサ12の電圧Vc12−PHは、放電灯11が点灯に至らない充分低い電圧にする。マイコン312は、放電灯11の陰極温度が適正な温度に達したタイミングで駆動周波数ftyp−ig(動作点はtyp2)で駆動する。動作点typ2に対応するコンデンサ12の電圧Vc12−igは、放電灯11が点灯に可能な充分高い電圧にする。
放電灯11の点灯後に、インバータ回路300の駆動周波数をftyp−100とすることで、調光率100%で点灯制御できる(動作点はtyp11)。同様にマイコン312の制御により、ftyp−75では調光率75%(動作点はtyp12)に点灯制御し、ftyp−50では調光率50%(動作点はtyp13)に点灯制御する。なお、図5の行番4の駆動周波数基準指令値の補正値ncは、放電灯負荷回路330を構成する各部品の定数値が中心値(typ.)でない場合に、駆動周波数基準指令値に加える正または負の補正値であり詳細は後述する。
(3.点灯時の予熱制御の原理の説明)
次に、点灯時の予熱制御の原理を説明する。放電灯の陰極の許容電流は、放電灯メーカから、通常、図6のような特性図で示される。IL11は放電灯11の放電電流、Iは予熱電流、Itotalは放電電流IL11と予熱電流Iのベクトル合成電流である。なお、Itotal=<IL11>+<I>の「<>」で囲んだ部分はベクトル的に加算したことを示している。(以降、「<>」の標記はベクトル数であることを示す)そして、許容電流の上限値は陰極のリード線の許容最大値である。
しかし、図6の特性は放電灯を調光した場合の寿命や放電灯管の黒化を適正に制御する上では充分でなく、調光点灯を含む場合は図7で示す制御が必要である。図7は、放電電流IL11と予熱電流の位相差を90°にした場合の特性を示したものである。放電電流IL11と予熱電流Ihの位相差が異なれば、これらをベクトル的に加算したItotalの値も異なる。図7において、許容領域(Possible region)は縦線で示した領域であり、調光時にItotal(=<IL11>+<I>)をこの領域に制御することが必要である。蒸発領域(Evaporation region)は、放電灯の陰極のリード線の許容最大値内であっても、Itotalが図示の許容領域を超えると、陰極温度が過昇になり放電物質が蒸発する現象が起こり、放電灯が短寿命になる領域である。飛散領域(Sputterring region)は、Itotalが許容領域より小さく陰極の温度が低過ぎるために、放電物質が放電により飛散してしまう現象が起こり、放電灯が短寿命になる領域である。図7のIは放電電流に対応した予熱電流を示したもので、Itotalから放電電流IL11をベクトル的に減算したものである。Iの許容領域、蒸発領域、飛散領域はそれぞれItotalのそれらに対応する。
図8は図7と同一の図である。図8において、放電電流IL11を減じて調光率を小さくする場合に、マイコン312の制御により予熱制御回路400は、予熱電流を許容領域の下限に沿って(1)a→(1)b→(1)cのように制御する。つまり、マイコン312によりItotalを(2)a→(2)b→(2)cのように許容領域の下限に沿って制御すれば、調光時の陰極温度を適正に保つとともに、陰極での電力損失を最小にすることができる。
次に、同一の放電灯点灯装置100に2種の異なる放電灯を装着する場合に、装着した放電灯の種類を識別し、識別した放電灯に対して、先行予熱、始動、調光点灯を含む点灯動作状態において、図7で示す許容された動作状態で制御する具体的実施の形態について説明する。2種の放電灯は,FHF32とFL40Sであり、MITSUBISHI/OSRAM社製である。
(1)図9は、放電灯形名がFHF32のときの図4に対応する特性図である。ただし、無負荷時共振周波数fより大きい周波数領域を示している。図10及び図11は、図9に対応する動作特性説明図である。
(2)図12は、図9において放電灯の放電電流IL11のみを示した図である。図13は、図12に対応する動作特性説明図である。
(3)図14は、FL40S放電灯のときの図12に対応する特性図である。図15は、図14に対応する動作特性説明図である。
(4)図16は,図7に対応するFHF32放電灯の場合の調光点灯時の放電電流IL11と予熱電流Iの許容領域示したもので、放電電流IL11と予熱電流Iとの位相差が90°の場合である。図16において、縦軸の予熱電流Iが括弧付で示されているのは、同一縦軸のItotalと位相が異なっていることを示している。これは、Itotalが放電電流IL11と予熱電流Iのベクトル合成値であることによる。図16で「limit」の添え字が付された特性は、陰極の放電物質塗布部の輝点部(hot−spot)以外の温度上昇の上限で制約される電流の特性を示す。また、「max」の添え字が付された特性は、放電物質の蒸発領域との境界を示す。また、「min」の添え字が付された特性は、放電物質の飛散領域との境界で制限される電流を示す。添え字の定義は、他の図でも同一である。なお、limit,max,minの添え字が付された特性は、いずれも陰極の放電物質非塗布部温度上昇の上限で制約される最大電流以下の電流である。
(5)図17は、FL40S場合の図16に対応する図である。
(4.2種の異なる放電灯の識別の説明)
前述の「1.先行予熱の制御原理の説明」において放電灯の種類の識別の概要を説明したが、ここで改めて説明する。図1の回路において、予熱制御回路400を構成する各部品の回路定数を適当に選定して、予熱用スイッチング素子24が連続してオンしているときに放電灯11の陰極に0.60Armsの電流が流れるようにして、交流電源1を投入する。このときの駆動周波数は図9のtyp1を動作点とする。図9の説明ではFHF32の装着時としてあるが、放電灯が未放電の場合はFL40Sの場合でも、この動作点は同一である。このときの放電灯11の駆動周波数は76.9kHz(n=104)、両端電圧Vc12は175Vrmsであり、放電灯がFHF32及びFL40Sのいずれであっても放電開始(点灯)しない。
そして、先行予熱電流の印加直後の陰極電圧(開始時電圧)と0.5S(秒)経過後の放電灯11の陰極電圧(経過後電圧)とを放電灯種類識別回路340を介してマイコン312に取り込み、マイコン312が、その比であるRh/Rcを算出する。図2、図3より、マイコン312は、もし算出値Rh/Rcが概略2.9なら装着した放電灯の種類(形名)をFHF32と識別し、Rh/Rcが概略1.9であれば放電灯の種類(形名)をFL40Sと識別する。
そして、マイコン312は、放電灯の種類がFHF32の場合は、Rh/Rcが4.5(約1000°K相当)になる先行予熱電流を印加開始後の約0.9S(秒)で動作点をtyp1からtyp2に移行させる。このときの放電灯11の駆動周波数は65.0kHz(n=123)、両端電圧Vc12は550Vrmsであり、放電灯11(FHF32)は点灯する。また、もしマイコン312が、装着した放電灯がFL40Sと識別した場合は、マイコン312は、先行予熱期間を約1.9S(秒)の時点で動作点をtyp1からtyp2に移行する。動作点typ2のVc12はFHF32形放電灯と同一の550Vrmsなので放電灯11は点灯する。
(5.調光点灯制御の説明)
以下、放電灯11がFHF32と識別されて始動動作を経て点灯状態になった場合の制御について主に図1、図12及び図16を用いて具体的に説明する。調光I/F回路350からの調光指令が調光率100%の場合、マイコン312は、図13に示すようにプログラムでインバータ回路300の駆動周波数の基準指令値n1として125を選択する。このときのインバータ回路300の駆動周波数はftyp−100=64kHz、IL11=0.36Arms(図12(a)の動作点typ11)である。また、図16の特性図よりIL11が0.36Armsで点灯する場合は、予熱電流がゼロでも許容値を満足するので、マイコン312は予熱制御回路400の予熱用スイッチング素子24をオフにするようにインバータ制御回路310の制御出力回路311を制御する。予熱用スイッチング素子24をオフして予熱電流をゼロにすれば、放電灯11の陰極温度を適正に保ちつつ陰極での電力損失を削減できる効果がある。
なお、放電電流IL11に対する予熱電流Iの許容範囲は、インバータ制御回路310の不揮発性メモリ313に論理式またはデータテーブル(data table)として、適合する全ての放電灯の種類に対して格納しておく。即ち、不揮発性メモリ313は、放電灯11の陰極の放電物質非塗布部の温度上昇で制約される最大電流以下の電流であって放電灯11の調光点灯時を含む点灯状態における陰極の放電電流及び予熱電流の作用による陰極の放電物質の蒸発領域と飛散領域に囲まれた放電電流に対応した予熱電流の許容範囲のデータテーブル(例えば図16、図17に対応したテーブル)を備える。
次に、調光I/F回路350からの調光指令が調光率が75%の動作について説明する。図13に示すように、マイコン312はプログラムで駆動周波数基準指令値n2として112を選択する。このときの駆動周波数はftyp−75=71kHz、IL11=0.27Arms(図12(a)の動作点typ12)である。IL11=0.27Armsの場合の予熱電流Iの許容値は図16よりI=0.10〜0.37Armsの範囲である。このとき、マイコン312のプログラムで上記のIの許容範囲内でI=0.10Armsに近づけるように、制御出力回路311を介して予熱用スイッチング素子24のオンデューティ(on duty)を制御する。このように制御すれば、放電灯11の陰極温度を許容範囲内に保ちつつ陰極での電力損失を必要最小限度に削減できる効果がある。
次に、調光I/F回路350からの調光指令が調光率が50%の動作について説明する。マイコン312はプログラムで駆動周波数基準指令値n3として105を選択する。このときの駆動周波数はftyp−50=76kHz、IL11=0.18Arms(図12の動作点typ13)である。IL11=0.18Armsの場合の予熱電流Iの許容値は図よりI=0.21〜0.38Armsの範囲である。このとき、マイコン312のプログラムで上記のIhの許容範囲内における下限値のIh=0.21Armsに近づけるように、制御出力回路311を介して予熱用スイッチング素子24のオンデューティ(on duty)を制御する。このように制御すれば、放電灯11の陰極温度を許容範囲内に保ちつつ陰極での電力損失を必要最小限度に削減できる効果がある。調光I/F回路350から上記で説明した以外の調光率の調光指令が入力された場合も、上記と同様の制御を行う。
なお、上記の説明では許容範囲の予熱電流Iを求める場合に、放電電流IL11が100%から調光して50%に減少する全領域に亘り図16の特性図により説明した。つまり、放電電流IL11と予熱電流Iの位相差が常に90°であるとして説明した。しかし、実際は、インバータ回路の出力電圧を基準にした場合に、放電電流が減少するに従い放電灯負荷回路330の電流の出力電圧との位相差は大きくなる。さらに、予熱制御回路400の2次側にはカップリングコンデンサ22、25が接続されているため、インバータ回路300の駆動周波数が変化すれば、このリアクタンス(reactance)が変化する。このため、インバータ回路300の駆動周波数が変化すれば、インバータ回路300の出力電圧を基準にした場合に、陰極を流れる予熱電流の位相の差が変化する。従って、より正確な予熱電流の許容範囲の制御に対しては、不揮発性メモリ313に格納する予熱電流の許容範囲のデータテーブルまたは論理式は、上記で説明した放電電流と予熱電流のインバータ回路300の駆動周波数の変化に対するこれら2つの電流の位相差の変化を織り込んで作成される。
また、予熱用スイッチング素子24で予熱電流のオンデューティ(on duty)の制御を行う場合に、予熱用スイッチング素子24のオン状態からオフ状態に転ずるタイミングを、図18に示すようにスイッチング素子8のオン期間に行うようにする。(図18は図1から必要部のみ抜粋した図示)これにより予熱トランス23に予熱用スイッチング素子24のオン期間に蓄えられた磁気エネルギによる電流が、コンデンサ21、スイッチング素子8(オン状態)、予熱用スイッチング素子24の内蔵ダイオードの閉ループ回路(closed loop circuit)で継続的に流れてエネルギが消費される。このため、予熱用スイッチング素子24にオン状態からオフ状態に転ずる際の高サージ電圧が印加されるのを防止できる。即ち、予熱用スイッチング素子24のオン状態からオフ状態に転ずるタイミングを、スイッチング素子8のオン期間に行うことにより、予熱トランス23から発生するサージ電圧の吸収回路が不要になり、予熱用スイッチング素子24の電圧定格を小さくできる効果がある。
放電灯点灯装置100に装着された放電灯がFL40Sと識別された場合は、放電灯がFHF32の場合と同様に不揮発性メモリ313に格納されたデータに基づきマイコン312によって図14と図17に示す特性になるように制御される。また、上記以外の放電灯についても、上記と同様の制御原理で制御される。
上記の説明では、調光率を定格放電電流に対する調光時の放電電流比として説明した。通常、調光率は、定格放電電力時の光出力に対する調光時の放電灯光出力比、または、定格放電灯電力に対する調光時の放電灯電力比として表される。図19に、放電灯の放電電流比で算出した調光率と、放電電力比で算出した調光率との関係を示す。これより、2つの方法で求めた調光率は絶対値は異なるが、それぞれの調光率は相関をもって対応していることが分かる。従って、調光時の予熱電流の制御は放電灯の放電電流比で行っても問題がない。
また、マイコン312でインバータ回路300の駆動周波数を決定する場合、図4、図9、及び図12で説明したように、放電灯負荷回路330を構成する各部品の定数値が中心値(typ.)の場合について説明した。放電灯負荷回路330の部品定数が実用的な範囲でばらついた場合(標準市販品の各部品の定数公差で約±10%以下)の特性を図20及び図21に示す。例えば、調光率が100%の場合、放電灯負荷回路330の部品ばらつきにより無負荷時共振周波数がf0typからf0minに変化した場合に、駆動周波数をf0typ−100からf0min−100に変化させる必要がある。そのために、駆動周波数基準指令値をn1からn1+nc1に変化させる。「+nc1」は、駆動周波数基準指令値の補正値である。また、調光率が100%の場合、放電灯負荷回路330の部品ばらつきにより無負荷時共振周波数がf0typからf0maxに変化した場合に、駆動周波数をf0typ−100からf0max−100に変化させる必要がある。この場合の駆動周波数基準指令値の補正値は「−nc1」である。これは、放電灯負荷回路330の部品のばらつきが実用的な範囲内ばらついた場合には図20より明らかなように、各特性線はバラツキの大きさに対応して平行移動するためである。調光率が100%以外の場合も、同一の補正値で良い。また、無負荷共振周波数のftypからの変化が小さい場合は補正値を小さく、大きい場合は大きくする。
以上のように、本実施の形態によれば、同一の放電灯点灯装置に異なる種類の放電灯が装着された場合でも、装着した放電灯の種類を識別して、識別したそれぞれの放電灯に適した先行予熱動作を行うことができる放電灯点灯装置を提供できる効果がある。また、調光点灯を含む点灯状態において、放電灯電流に対応した許容範囲の予熱電流に制御することができる放電灯点灯装置を提供できる効果がある。また、許容された予熱電流を許容範囲の下限に近づける制御を行うことで、陰極の温度を適切に保ちつつ陰極での電力損失を必要な最小限に削減できる放電灯点灯装置を提供できる効果がある。以上の制御を行うことで、放電灯の寿命劣化と放電灯管の黒化を最小に抑えることができる放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
また、複数の適合放電灯の許容予熱電流の制御データテーブルまたは制御特性式を不揮発性メモリ313に格納してマイコン312のプログラム制御をするようにしているので複数の種類の適合放電灯に対するデータ変更だけで簡単に対応でき、製品在庫の種類を削減きる効果がある。また、マイコン312のプログラムで予熱制御回路400を制御しているので、適合機種毎に、あるいは、放電灯の調光率の変化に対して予熱制御回路のハード構成を変える必要がない。このため、予熱制御回路を簡単で少ない部品点数で構成でき、即ち、安価で小型な放電灯点灯装置を提供できる効果がある。なお、上記実施例で具体例として説明したFHF32とFK40Sの不揮発性メモリ313に記録されるデータ類の設定(所定値)は一例である。これらの所定値は放電灯負荷回路330の回路定数、昇圧チョッパ回路200の出力電圧などにより異なる。
また、予熱用スイッチング素子24がオン状態からオフ状態に転ずるタイミングを、スイッチング素子8がオン状態の期間に行うようにしているので、予熱トランス23のサージ吸収回路が不要になるとともに、予熱用スイッチング素子24の耐圧定格を小さくできる。このため、安価で小型な放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
なお、適合放電灯が1種類の場合は、放電灯種類認識回路が不要である。また、適合放電灯は実施例で説明した2種に限らず、それ以上でも良い。
また、放電灯の調光率をインバータ制御回路310に内蔵した放電灯の累積点灯メモリ時間(図示省略)などに対応して制御する場合は、外部からの調光信号及び調光I/F回路は不要である。
放電灯の種類の識別は、上記の実施例で示した放電灯の陰極のRh/Rc比を算出する方式に限らず、例えば、放電灯の長さや形状の違いを識別してマイコン312に入力しても良い。
なお、インバータ回路300、放電灯負荷回路330、予熱制御回路400は図示の回路構成のものに限らず、調光制御が可能な他の構成のものでも良いことは明らかである。
(照明器具)
また、上記で説明した放電灯点灯装置100を、放電灯11が装着された照明器具本体に搭載すれば、複数の種類の放電灯に適合するとともに、先行予熱、始動、調光点灯を含む点灯状態に亘り予熱電流が許容範囲で、寿命や放電灯管の黒化に対し適切な制御がされた照明装置を提供できる効果がある。
また、許容された予熱電流を許容範囲の下限に近づける制御を行うことで、陰極の温度を適切に保ちつつ陰極での電力損失を必要な最小限に削減できる放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
以上実施の形態で説明した放電灯点灯装置は、以下に示すような効果を奏する。すなわち、商用電源を整流する整流回路と、前記整流回路の出力を昇圧し一定の直流電圧を得る昇圧チョッパ回路と、前記昇圧チョッパ回路の出力を高周波電圧に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路に接続される熱陰極形の放電灯を適合負荷とする放電灯負荷回路を有する放電灯点灯装置において、前記インバータ回路の出力と前記チョッパ回路の正負の出力の内の一端との間にコンデンサと前記放電灯の陰極を予熱するための予熱トランスの1次巻線及び予熱制御スイッチング素子の直列回路を配置し、前記予熱トランスの2次巻線は直流カットコンデンサを介して前記放電灯の陰極に電流を流すようにする予熱制御回路と、前記インバータ回路の駆動周波数の生成を行うマイクロコンピュータと、前記放電灯の陰極のリード線最大電流の範囲の電流であって前記放電灯の調光点灯時を含む点灯状態における陰極の放電電流及び予熱電流の作用による陰極の蒸発領域と飛散領域に囲まれた前記放電電流に対応した予熱電流の許容範囲のデータテーブルを備えた不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリのデータテーブルに基づき前記放電電流に対応した許容範囲の予熱電流になるように前記マイクロコンピュータで前記予熱制御回路のオンデューティを制御するようにしているので、調光点灯を含む点灯状態において、放電灯電流に対応した許容範囲の予熱電流に制御することができる放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
また、放電灯の寿命劣化と放電灯管の黒化を最小に抑え、かつ、安価で小型の放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
また、商用電源を整流する整流回路と、前記整流回路の出力を昇圧し一定の直流電圧を得る昇圧チョッパ回路と、前記昇圧チョッパ回路の出力を高周波電圧に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路に接続される熱陰極形の放電灯を適合負荷とする放電灯負荷回路を有する放電灯点灯装置において、前記インバータ回路の出力と前記チョッパ回路の正負の出力の内の一端との間にコンデンサと前記放電灯の陰極を予熱するための予熱トランスの1次巻線及び予熱制御スイッチング素子の直列回路を配置し、前記予熱トランスの2次巻線は直流カットコンデンサを介して前記放電灯の陰極に電流を流すようにする予熱制御回路と、前記放電灯負荷回路の少なくても2種類以上の適合放電灯の種類の識別と前記インバータ回路の駆動周波数の生成を行う前期マイクロコンピュータと、前記識別された放電灯の陰極のリード線最大電流の範囲の電流であって前記識別された放電灯の調光点灯時を含む点灯状態における陰極の放電電流及び予熱電流の作用による陰極の蒸発領域と飛散領域に囲まれた前記放電電流に対応した予熱電流の許容範囲のデータテーブルを備えた不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリのデータテーブルに基づき前記放電電流に対応した許容範囲の予熱電流になるように前記マイクロコンピュータで前記予熱制御回路のオンデューティを制御するようにしているので、同一の放電灯点灯装置に異なる種類の放電灯が装着された場合でも、装着した放電灯の種類を識別して、識別したそれぞれの放電灯の形名に適した先行予熱動作を行うことができる放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
また、複数の適合放電灯の許容予熱電流の制御データテーブルまたは制御特性式を不揮発性メモリ313に格納してマイコン312のプログラム制御でをするようにしているので複数の種類の適合放電灯に対するデータ変更だけで簡単に対応でき、製品在庫の種類を削減できる効果がある。
また、マイコン312のプログラムで予熱制御回路400を制御しているので、適合機種毎に、あるいは、放電灯の調光率の変化に対して予熱制御回路のハード構成を変える必要がないので、予熱制御回路を簡単で少ない部品点数で構成できる。このため、安価で小型な放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
また、予熱用スイッチング素子24がオン状態からオフ状態に転ずるタイミングを、スイッチング素子8がオン状態の期間に行うようにしているので、予熱トランス23のサージ吸収回路が不要になるとともに、予熱用スイッチング素子24の耐圧定格を小さくできる。このため、安価で小型な放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
また、上記で説明した放電灯点灯装置100を、放電灯11が装着された照明器具本体に搭載すれば、複数の種類の放電灯に適合するとともに、先行予熱、始動、調光点灯を含む点灯状態に亘り予熱電流が許容範囲で、寿命や放電灯管の黒化に対し適切な制御がされた照明装置を提供できる効果がある。
実施の形態1の放電灯点灯装置100により、同一の放電灯点灯装置に異なる種類の放電灯が装着された場合でも、装着した放電灯の種類を識別して、識別したそれぞれの放電灯の形名に適した先行予熱動作を行うことができる放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
また、調光点灯を含む点灯状態において、放電灯電流に対応した許容範囲の予熱電流に制御することができる放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
また、許容された予熱電流を許容範囲の下限に近づける制御を行うことで、陰極の温度を適切に保ちつつ陰極での電力損失を必要な最小限に削減できる放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
また、放電灯の寿命劣化と放電灯管の黒化を最小に抑え、かつ、安価で小型の放電灯点灯装置を提供できる効果がある。
また、上記で説明した放電灯点灯装置100を、放電灯11が装着された照明器具本体に搭載すれば、複数の種類の放電灯に適合するとともに、先行予熱、始動、調光点灯を含む点灯状態に亘り予熱電流が許容範囲で、寿命や放電灯管の黒化に対し適切な制御がされた照明装置を提供できる効果がある。
実施の形態1における放電灯点灯装置の回路図。 実施の形態1におけるFHF32形放電灯の陰極の先行予熱特性を説明する図。 実施の形態1におけるFL40S形放電灯の陰極の先行予熱特性を説明する図。 実施の形態1における放電灯負荷回路の制御特性を説明する図。 図4に対応する駆動周波数生成法の原理を説明する図。 実施の形態1における放電灯の電極の許容電流を説明する図。 実施の形態1における放電灯の電極の許容電流を説明する別の図。 実施の形態1における放電灯の電極の許容電流の制御を説明する図。 実施の形態1におけるFHF32形放電灯の特性を説明する図。 図9の動作特性を説明する図。 図9の動作特性を説明する別の図。 実施の形態1におけるFHF32形放電灯の特性を説明する図。 図12の動作特性を説明する図。 実施の形態1におけるFL40S形放電灯の特性を説明する図。 図14の動作特性を説明する図。 実施の形態1におけるFHF32形放電灯の陰極電流の適正範囲を説明する図。 実施の形態1におけるFL40S形放電灯の陰極電流の適正範囲を説明する図。 実施の形態1における予熱制御回路の動作を説明する図。 実施の形態1におけるFHF32形放電灯の調光率を説明する図。 実施の形態1における放電灯負荷回路の部品ばらつきを説明する図。 図19に対応する駆動周波数生成法の原理を説明する図。
符号の説明
1 交流電源、2 ダイオードブリッジ、3 チョークコイル、4 ダイオード、5 スイッチング素子、6 コンデンサ、7,8 スイッチング素子、9 カップリングコンデンサ、10 チョークコイル、11 放電灯、12 コンデンサ、13,14 抵抗、21,22,25 コンデンサ、23 予熱トランス、24 予熱用スイッチング素子、100 放電灯点灯装置、200 昇圧チョッパ回路、210 昇圧チョッパ制御回路、300 インバータ回路、310 インバータ制御回路、311 制御出力回路、312 マイコン、313 不揮発性メモリ、320 放電灯状態検出回路、330 放電灯負荷回路、340 放電灯種類識別回路、350 調光I/F回路、400 予熱制御回路。

Claims (9)

  1. 直流電源回路の出力の直流電圧を高周波電圧に変換し、変換した高周波電圧により熱陰極形の陰極を有する放電灯を点灯させるインバータ回路と、
    点灯中の前記放電灯の前記陰極に予熱電流を供給する回路であって予熱用スイッチング素子を備えるととも前記予熱用スイッチング素子のオンデューティの制御を受けることにより予熱電流の値の制御が可能な予熱制御回路と、
    前記予熱用スイッチング素子のオンデューティの制御を介して、前記予熱制御回路の供給する前記予熱電流の値を、前記放電灯の前記陰極に流れる放電電流に対応して予め設定された前記予熱電流の許容範囲において下限値に近づける制御をするマイクロコンピュータと
    を備えたことを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 前記放電灯点灯装置は、さらに、
    前記予熱電流を前記放電灯の陰極の放電物質非塗布部の温度上昇で制約される最大電流以下の予熱電流であって、
    前記放電灯の調光点灯時を含む点灯状態における
    陰極の放電電流及び予熱電流の作用による放電物質の蒸発領域と、
    陰極の放電電流及び予熱電流の作用による放電物質の飛散領域と
    に囲まれた前記放電電流に対応した予熱電流の許容範囲のデータテーブルを格納した不揮発性メモリを備え、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記不揮発性メモリが格納する前記予熱電流の許容範囲のデータテーブルに基づいて、前記予熱電流の値を前記予熱電流の許容範囲において下限値に近づける制御をすることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 前記マイクロコンピュータは、
    前記放電灯の先行予熱モードにおいて前記予熱用スイッチング素子のオンデューティを制御し、
    前記予熱制御回路は、
    前記マイクロコンピュータによる前記オンデューティの制御を受けることにより先行予熱モードの前記放電灯の前記陰極に予熱電流を流し、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記予熱制御回路が前記陰極に前記予熱電流を流し始めた時の前記陰極の電圧である開始時電圧と前記予熱制御回路が前記陰極に前記予熱電流を流し始めた時から所定時間経過後の前記陰極の電圧である経過後電圧とを取得し、取得した前記経過後電圧と前記開始時電圧との比率に基づいて前記インバータ回路を始動状態へ移行させるタイミングを計算し、計算したタイミングに従って前記インバータ回路に始動状態への移行を指示する制御信号を出力し、
    前記インバータ回路は、
    前記マイクロコンピュータが出力した前記制御信号に従って先行予熱モードの前記放電灯の点灯を始動させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  4. 前記マイクロコンピュータは、
    装着されている前記放電灯を識別する識別機能を有し、前記放電灯の識別結果に応じて前記予熱用スイッチング素子のオンデューティを制御することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  5. 前記マイクロコンピュータは、
    前記放電灯の先行予熱モードにおいて前記予熱用スイッチング素子の前記オンデューティを制御し、
    前記予熱制御回路は、
    前記マイクロコンピュータによる前記オンデューティの制御を受けることにより先行予熱モードの前記放電灯の前記陰極に予熱電流を流し、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記予熱制御回路が前記陰極に前記予熱電流を流し始めた時の前記陰極の電圧である開始時電圧と前記予熱制御回路が前記陰極に前記予熱電流を流し始めた時から所定時間経過後の前記陰極の電圧である経過後電圧とを取得し、取得した前記経過後電圧と前記開始時電圧との比率に基づいて先行予熱モードの前記放電灯を識別することを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
  6. 前記マイクロコンピュータは、
    先行予熱モードの前記放電灯を識別した場合には識別した先行予熱モードの前記放電灯に対応した期間だけ前記オンデューティの制御を継続し、前記期間の終了に対応して始動状態への移行を前記インバータ回路に指示する制御信号を出力し、
    前記インバータ回路は、
    前記マイクロコンピュータが出力した始動状態への移行を指示する前記制御信号に応じて先行予熱モードの前記放電灯の点灯を始動させることを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
  7. 前記インバータ回路は、
    直列に接続された2つのスイッチング素子から構成され、
    前記予熱制御回路は、
    前記インバータ回路の出力と前記直流電源回路の正負の出力のうちの一端との間にコンデンサと、前記放電灯の前記陰極を予熱する予熱トランスの1次巻線と、前記予熱用スイッチング素子との直列接続が配置されるとともに、前記予熱トランスの2次巻線は直流カットコンデンサを介して前記放電灯の前記陰極に前記予熱電流を流すように接続され、
    前記予熱制御回路の備える前記予熱用スイッチング素子は、
    逆並列に等価ダイオードを内蔵したMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記MOSFETをオン状態からオフ状態に転ずるタイミングを、前記予熱トランスの前記1次巻線を流れる前記予熱電流が、前記インバータ回路の前記スイッチング素子の一方と前記MOSFETに内蔵される前記等価ダイオードとから構成される閉ループを経由して連続的に流れる期間に行うことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  8. 前記放電灯点灯装置は、さらに、
    前記放電灯の調光率を指示する調光信号を受信する調光信号受信部を備え、
    前記インバータ回路は、
    前記調光信号受信部が受信した調光信号に従って前記放電灯を点灯させ、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記調光信号受信部が受信した調光信号に従って、前記予熱用スイッチング素子のオンデューティを制御することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の放電灯点灯装置を備えた照明器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012028039A (ja) * 2010-07-20 2012-02-09 Panasonic Electric Works Co Ltd 放電灯点灯装置および放電灯点灯装置を備える照明器具

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