JP2008145175A - ケーブルの素線の配列周期把握方法、及びケーブルの形状状態測定方法、これに用いるケーブルの形状状態測定システム、ケーブルの形状状態測定プログラム - Google Patents

ケーブルの素線の配列周期把握方法、及びケーブルの形状状態測定方法、これに用いるケーブルの形状状態測定システム、ケーブルの形状状態測定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ケーブルの軸方向の形状状態をより正確に測定することができる形状状態測定方法、及びこれに用いるケーブルの形状状態測定システム、ケーブルの形状状態測定プログラムを提供する。
【解決手段】ケーブルの形状状態測定方法は、直交3方向をX,Y,Zとするとき、軸方向がX−Y平面と交差するように配置された前記ケーブルに対して透過撮影を行うことによって、X−Y平面と平行かつZ方向に所定間隔で並ぶ複数のケーブル断面の断面画像を取得する断面画像取得工程と、前記複数の断面画像それぞれに対して、走査線上における前記断面画像の明度値の分布を取得しつつ、前記走査線を前記中心点を通過する所定の基準線から前記中心点回りに全周に亘って走査することで、前記断面画像全体の明度値の分布を周方向に沿って取得する明度値分布取得工程とを備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数の素線を撚り束ねたケーブル等の軸方向の形状状態を測定するための、素線の配列周期把握方法、及び、形状状態測定方法、これに用いるケーブルの形状状態測定システム、ケーブルの形状状態測定プログラムに関する。
自動車や産業機器等において、信号送信や電力供給のために用いられるケーブルには、複数の導電金属製の素線を所定のピッチで撚り束ねて構成されたものがある。
このようなケーブルは、通常、絶縁性の被覆体で覆われているので、その内部の素線の撚り束ねの不良や、断線等が生じた場合にも、それを外部から把握することが困難である。このため、例えば、ケーブルの軸方向に対して、直交する方向にX線を透過させてその内部を撮影し、ケーブル内部を非破壊で検査する装置等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−65975号公報(図1)
しかし、上記の方法では、単に、ケーブルの透過像を撮影しているだけなので、素線のねじり状態等の変形を正確に把握することは困難である。他方、ケーブルを構成する素線のねじり状態等、軸方向の形状状態が正確に把握できれば、素線の撚り束ねの不良は容易に把握できる。さらに、素線の軸方向の形状状態の連続性を把握することで、断線の有無等をも容易に把握することができる。
上記のように、ケーブルの軸方向の形状状態を正確に把握するには、例えば、CTスキャナ等による断層撮影装置を用いて、軸方向に並ぶ多数の断面画像を取得しこれら断面画像を数値化処理することで、当該ケーブルの軸方向の形状状態を数値データとして把握することが考えられる。この場合、ケーブルのねじり状態を把握しようとすると、以下に示す方法を採ることが考えられる。すなわち、図14に示すように、ケーブル断面画像100全体の中心点101と、この中心点101以外に一の素線の中心を特定点102を定め、軸方向に並ぶ多数の断面画像100における、中心点101に対する特定点102の周方向位置の変化を軸方向に沿って取得し、ケーブルがどの程度ねじり変形しているかを把握することができる。
他方、上記方法では、特定点102の周方向位置の変化を取得するために断面画像の画像処理を行う必要があるが、その画像処理に際して、以下のような問題を有している。すなわち、断面画像100における中心点101は比較的容易かつ高い精度で検出することができるが、ねじれによって周方向にずれが生じる特定点102は、一の素線の中心としているので、画像処理を行ったとしても、得られる素線の中心の値には誤差やばらつきが生じ易く、コンピュータによって自動検出することが困難な場合が多い。コンピュータによって自動検出が困難な場合、作業者が断面画像を確認しながら手動で特定点を入力することになるが、この場合にも、多数の断面画像100それぞれについて入力作業を行う必要があり、多くの工数がかかったり、作業者の人為的なミス等によって誤差が生じ易い。
このため、ケーブルの断面画像に基づいて、素線の周方向位置、すなわち周方向に配列された複数の素線の周方向に対する配列周期を容易かつ正確に把握でき、かつその配列周期に基づいて、ねじり状態といったようなケーブルの軸方向の形状状態をより正確に測定できる方策が嘱望されていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ケーブルの断面画像から素線の配列周期を容易かつ正確に把握することができる配列周期把握方法、及びケーブルの軸方向の形状状態をより正確に測定することができる形状状態測定方法、これに用いるケーブルの形状状態測定システム、ケーブルの形状状態測定プログラムの提供を目的とする。
本発明は、軸方向に所定周期で撚り束ねられた複数の素線を有するケーブルにおける前記複数の素線の周方向に対する配列周期を当該ケーブル断面の断面画像から把握する素線の配列周期把握方法であって、前記断面画像に対して、前記断面画像から特定される前記ケーブル断面における中心点から前記ケーブル断面の径外方向に延びる走査線上における前記断面画像の明度値の分布を取得しつつ、前記走査線を前記中心点を通過する所定の基準線から前記中心点回りに全周に亘って走査することで、前記断面画像全体の明度値の分布を周方向に沿って取得し、これにより得られる前記断面画像の周方向に対する明度値の分布に基づいて、前記ケーブルを構成する複数の素線の周方向に対する配列周期を把握することを特徴としている。
上記のように構成された素線の配列周期把握方法によれば、走査線を中心点回りに走査することで、断面画像全体の相対明度値の分布を周方向に沿って取得するので、この明度値の分布より複数の素線すべての配列を参照して周方向に対する配列周期を把握することができる。このため、例えば、上記従来例のように中心点以外に特定点を一箇所だけ定める場合と比較して、周方向全体の配列周期をより正確に把握することができる。また、特定点を定める必要がないので、配列周期の把握が容易となる。
また、本発明は、軸方向に所定周期で撚り束ねられた複数の素線を有するケーブルの形状状態測定方法であって、直交3方向をX,Y,Zとするとき、軸方向がX−Y平面と交差するように配置された前記ケーブルに対して透過撮影を行うことによって、X−Y平面と平行かつZ方向に所定間隔で並ぶ複数のケーブル断面の断面画像を、明度情報を含んだX−Y平面の2次元画像データとして取得する断面画像取得工程と、前記複数の断面画像それぞれに対して、前記断面画像から特定される前記ケーブル断面における中心点から前記ケーブル断面の径外方向に延びる走査線上における前記断面画像の明度値の分布を取得しつつ、前記走査線を前記中心点を通過する所定の基準線から前記中心点回りに全周に亘って走査することで、前記断面画像全体の明度値の分布を周方向に沿って取得する明度値分布取得工程と、前記明度値分布取得工程により得られる前記複数の断面画像の周方向に対する明度値の分布に基づいて、前記ケーブルを構成する複数の素線の周方向に対する配列周期を、前記複数の断面画像それぞれについて把握する配列周期把握工程と、前記配列周期把握工程により得られる前記配列周期と、所定の基準配列周期との位相差をねじり角として、前記複数の断面画像それぞれに算出し、さらにZ方向の距離寸法に対する前記ねじり角の差分であるねじり率を算出するねじり率算出工程と、前記ねじり率算出工程より得られる前記ねじり率を、前記ケーブルの形状状態の測定結果として出力する形状状態出力工程と、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成されたケーブルの形状状態測定方法によれば、走査線を中心点回りに走査することで、断面画像全体の相対明度値の分布を周方向に沿って取得し、この明度値の分布より複数の素線すべての配列を参照して周方向に対する配列周期を把握し、ねじり率を算出することができる。このため、例えば、上記従来例のように中心点以外に特定点を一箇所だけ定めてねじり率を算出する場合と比較して、周方向全体の配列周期をより正確に把握することができ、より正確にケーブルの形状状態としてのねじり率を測定することができる。
上記ケーブルの形状状態測定方法において、前記配列周期把握工程は、前記明度値分布取得工程において取得される、前記走査線上における前記断面画像の明度値の分布を、対応する走査線方向に積分することで、当該走査線上における明度値の積算値を算出する積算値算出工程と、この積算値と、当該積算値に対応する前記基準線を基準とした周方向位置と、の関係により得られる前記積算値の前記周方向位置に対する周期性に基づいて、前記配列周期を把握する積算値周期把握工程と、を備えていることが好ましい。
この場合、断面画像に表れる素線を示す部分の明度値全てを積算値として取得し、これによって複数の素線の配列周期を把握するので、より正確に配列周期を把握することができる。また、上記方法では、数値として得られる明度値を、演算処理することによって素線の周期構造を把握できるので、上記従来例のように人為的な処理を必要としない。このため、作業者等の工数を減少できるとともに、誤差要因を減らすことができる。
また、前記配列周期把握工程は、前記ケーブルにおいて同一周上に配置されている前記複数の素線の素線数を予め取得する素線数取得工程と、前記走査線が走査する周方向範囲の全周を前記素線数によって等分し、前記積算値算出工程による走査線上の積算値のうち、周方向に等分されたそれぞれの分割領域内に位置しかつ互いに対応する同位相の積算値を積算して、平均し、平均積算値を得る平均積算値算出工程と、をさらに備え、前記積算値周期把握工程が、前記平均積算値と、当該平均積算値の周方向位置との関係により得られる前記平均積算値の周期性に基づいて、前記配列周期を把握するものであってもよい。
この場合、それぞれの分割領域内において対応する同位相の平均積算値を算出することによって、取得された明度値のばらつき等の誤差要因の影響をさらに抑え、より正確に配列周期を把握することができる。
また、上記ケーブルの形状状態測定方法において、前記配列周期把握工程は、前記明度値分布取得工程において取得される、前記走査線上における前記断面画像の明度値の分布を、対応する走査線方向に微分し、この微分値に基づいて前記走査線方向における前記複数の素線断面の断面縁の位置を特定する断面縁特定工程と、この断面縁の位置と、当該断面縁の位置に対応する前記基準線を基準とした周方向位置との関係に基づいて、前記配列周期を把握する微分値周期把握工程と、を備えているものであってもよい。
この場合、数値として得られる明度値を、演算処理することによって素線断面縁に対応する境界を特定し、素線の周期構造を把握できるので、上記従来例のように人為的な処理を必要としない。このため、作業者等の工数を減少できるとともに、誤差要因を減らすことができる。
また、本発明は、軸方向に所定周期で撚り束ねられた複数の素線を有するケーブルの形状状態を測定するケーブルの形状状態測定システムであって、直交3方向をX,Y,Zとするとき、軸方向がX−Y平面と交差するように配置された前記ケーブルに対して透過撮影を行うことによって、X−Y平面と平行かつZ方向に所定間隔で並ぶ複数のケーブル断面の断面画像を、明度情報を含んだX−Y平面の2次元画像データとして取得する断面画像取得手段と、前記複数の断面画像それぞれに対して、前記断面画像から特定される前記ケーブル断面における中心点から前記ケーブル断面の径外方向に延びる走査線上における前記断面画像の明度値の分布を取得しつつ、前記走査線を前記中心点を通過する所定の基準線から前記中心点回りに全周に亘って走査することで、前記断面画像全体の明度値の分布を周方向に沿って取得する明度値分布取得手段と、前記明度値分布取得手段により得られる前記複数の断面画像の周方向に対する明度値の分布に基づいて、前記ケーブルを構成する複数の素線それぞれの周方向に対する配列周期を、前記複数の断面画像それぞれについて把握する配列周期把握手段と、前記配列周期把握手段により得られる前記配列周期と、所定の基準配列周期との位相差をねじり角として、前記複数の断面画像それぞれに算出し、さらにZ方向の距離寸法に対する前記ねじり角の差分であるねじり率を算出するねじり率算出手段と、前記ねじり率算出手段より得られる前記ねじり率を、前記ケーブルの形状状態の測定結果として出力する形状状態出力手段と、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成されたケーブルの形状状態測定システムによれば、上述したように、複数の素線すべての配列を参照することで、周方向に対する配列周期をより正確に把握することができる。このため、より正確にケーブルの形状状態としてのねじり率を算出することができる。
また、本発明は、軸方向に所定周期で撚り束ねられた複数の素線を有するケーブルの形状状態測定方法をコンピュータに実行させるためのケーブルの形状状態測定プログラムであって、前記形状状態測定プログラムは、直交3方向をX,Y,Zとするとき、X−Y平面と平行かつZ方向に所定間隔で並ぶ複数のケーブル断面の断面画像を前記コンピュータの記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記複数の断面画像それぞれに対して、前記断面画像から特定される前記ケーブル断面における中心点から前記ケーブル断面の径外方向に延びる走査線上における前記断面画像の明度値の分布を取得しつつ、前記走査線を前記中心点を通過する所定の基準線から前記中心点回りに全周に亘って走査することで、前記断面画像全体の明度値の分布を周方向に沿って取得する明度値分布取得ステップと、前記明度値分布取得ステップにより得られる前記複数の断面画像の周方向に対する明度値の分布に基づいて、前記ケーブルを構成する複数の素線それぞれの周方向に対する配列周期を、前記複数の断面画像それぞれについて把握する配列周期把握ステップと、前記配列周期把握ステップにより得られる前記配列周期と、所定の基準配列周期との位相差をねじり角として、前記複数の断面画像それぞれに算出し、さらにZ方向の距離寸法に対する前記ねじり角の差分であるねじり率を算出するねじり率算出ステップと、前記ねじり率算出ステップより得られる前記ねじり率を、前記ケーブルの形状状態の測定結果として出力する形状状態出力ステップと、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成されたケーブルの形状状態測定プログラムによれば、上述したように、複数の素線すべての配列を参照することで、周方向に対する配列周期をより正確に把握することができる。このため、より正確にケーブルの形状状態としてのねじり率を算出することができる。
以上のように、本発明に係るケーブルの素線の配列周期把握方法によれば、素線の配列周期を容易かつ正確に把握することができる。また、本発明に係るケーブルの形状状態測定方法、及びこれに用いるケーブルの形状状態測定システム、ケーブルの形状状態測定プログラムによれば、素線の配列周期をより正確に把握することができるので、ケーブルの軸方向の形状状態としてのねじり率をより正確に測定することができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。本発明はケーブルの軸方向の形状状態の一つであるねじり率の測定を行うための方法であり、図1は本発明の第一の実施形態に係るケーブルの形状状態測定方法を実現するための形状状態測定システムを示すブロック図である。
図中、形状状態測定システムは、被測定物であるケーブルの断面画像を取得するためのX線CTスキャナ装置1と、パーソナルコンピュータ2とを備えている。
パーソナルコンピュータ2は、図に示すように、各部の制御を行うCPU21、キーボードやマウス等の入力部22、ディスプレイやプリンタ等の出力部23、外部機器とのデータの入出力を行うためのLAN等の通信部24、及びメモリやハードディスク等から構成される記憶部25を備えている。
記憶部25には、オペレーティングシステムの他、後述する本実施形態に係るケーブルの形状状態測定プログラムとしてのねじり率測定プログラム26が格納されている。また、通信部24には、X線CTスキャナ装置1が接続されており、X線CTスキャナ装置1から出力されるデータを受信する。前記ねじり率測定プログラム26は、X線CTスキャナ装置1から出力されるデータに基づいてパーソナルコンピュータ2にケーブルのねじり率測定に係る処理を実行させる。
図2(a)は、X線CTスキャナ装置1の構成を模式的に示した上面図である。X線CTスキャナ装置1は、上面11aに被測定物である後述するケーブル4が固定された試料テーブル11と、この試料テーブル11の両側に配置されたX線管12及び検出器13とを備えている。
試料テーブル11は図中矢印の方向に数値制御されて任意の位置に移動可能とされている。ここで図2において、試料テーブル11が移動可能な方向をZ方向、このZ方向に直交しかつ試料テーブル11に対して平行な方向をX方向、試料テーブル11の上面11aに直交する方向をY方向とする。
図2(b)は、試料テーブル11の上面11aに固定されたケーブル4を側方視したときの模式図である。ケーブル4は、図2(b)のように、上面11aに固定された治具Gによって固定される。なお、ケーブル4は、図2(b)のように治具Gによる固定の他、ケーブル4を樹脂等に埋包することで固定することもできる。
X線管12は、試料テーブル11上に固定されたケーブル4にX線を放射する。検出器13は試料テーブル11上の被測定物であるケーブル4を挟んで対向配置されており、X線管12から放射され被測定物を透過したX線を検出する。検出器13には図示しない演算部が接続されており、この演算部は検出器13によって検出されたX線の検出量から被測定物によるX線吸収率を求めるとともに種々の処理を行い、被測定物において、X−Y面に平行な撮影面(測定面W)が交差している部分を透過撮影し、その断面画像データを生成する。
X線管12及び検出器13は、Z方向に対して固定されており、試料テーブル11をZ方向に移動させることで、X線管12から放射されるX線を被測定物に対してZ方向に走査することができる。上記構成によって、X線CTスキャナ装置1は、Z方向に連続する被測定物3のX−Y面に平行な測定面Wの断面画像データを取得することができる。
図1に戻って、X線CTスキャナ装置1は、取得した被測定物のX−Y面の断面画像データをパーソナルコンピュータ2に対して出力する。そして、パーソナルコンピュータ2は、前記断面画像データを通信部24により受信し、記憶部25に保存する。記憶部25に格納されたねじり率測定プログラム26は、上述したように、X線CTスキャナ装置1から出力されるデータに基づいてパーソナルコンピュータ2にケーブルのねじり率測定に係る処理を実行させる。
次に、上記構成を有する形状状態測定システムによって実現される、ケーブルのねじり率測定方法について説明する。図3(a)は、前記ねじり率測定方法の測定対象となるケーブルの構成を示した概略図であり、図4及び図5は、前記ねじり率測定方法を示すフローチャートである。なお、図4及び図5は、図中、Aで接続された一のフローチャートを示している。
図3(a)において、本実施形態にて測定対象としたケーブル4は、その内部に螺旋状に撚り束ねられた6本の素線41aからなる導体線41と、その外周側を覆う絶縁体層42と、この絶縁体層42の外周に撚り束ねられた21本の素線43aからなるシールド線43と、このシールド線43の外周を覆う外被44とを有している。素線41a、43aは、銅線等の導電金属線材からなり、導体線41は、信号情報伝達や電力供給のための電気信号を伝達する。シールド線43は、導体線41の外方を囲うことで、導体線41を伝達する電気信号等を保護したり、導体線41から発する電磁波等が外部に漏洩しないように遮蔽する機能を有している。
以下、上記構成のケーブル4のねじり率測定方法について、図4及び図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、上記構成のケーブル4を、上述したように、治具等によって固定し、それをX線CTスキャナ装置1(図2)の試料テーブル11に固定する(ステップS1)。この際、ケーブル4の軸方向をできるだけZ方向に一致するように固定することが好ましい。その理由は、X線CTスキャナ装置1により撮影する断面画像はX−Y面に平行な面であるため、軸方向に交差する断面画像を確実に撮影することができるからである。
次に、X線CTスキャナ装置1を動作させることで、ケーブル4の断面画像を透過撮影することによって取得する(ステップS2)。図3(b)にケーブル4の断面画像の一例を示す。図3(b)中の断面画像gは、図3(a)のように、X線CTスキャナ装置1の測定面Wをケーブル4に交差させ、断面内部を透過撮影したものであり、コンピュータに読み込み可能な画像データとして取得される。また、図3(b)の断面画像gは、明度情報を含んだピクセルの集合体からなる、いわゆるグレースケールで示される画像データであり、ケーブル4の素線41a,43aが存在する部分は、それぞれ、図中破線で示した暗部g1,g2として現れ、他の部分は、暗部よりも明るく現れる明部g3として現れる。このように、断面画像gにおいて、素線41a,43aが存在する部分と、それ以外の部分とでは、その明度値が異なるよう現れる。すなわち、断面画像gは、導電金属線材からなる素線41a,43aと、絶縁体層42、外被44を含むその他の部分との間のX線の吸収率の差によって、コントラストが生じるものであり、素線41a,43aが存在する部分を暗部として表した場合、その他の部分は明部として現れ、図3(b)のように素線41a,43aの存在位置をそれぞれ暗部g1,g2として認識することができる。
なお、一般にX線画像は、X線吸収率の高い部分が明るく、高い明度値で現れ、吸収率の低い部分が暗く、低い明度値で現れるため、ケーブル4の撮影像は、金属である素線41a,43aが存在する部分が明部、他の部分が暗部となって得られるのであるが、図3及び後述の図6の断面画像gでは、明部と暗部とを反転させることで、素線41a,43aの断面像が暗部、他の部分が明部となるように示し、素線41a,43aの断面像をより明瞭に把握できるよう表している。
そして、X線CTスキャナ装置1は、Z方向において所定の幅寸法に設定された測定範囲を所定間隔としての一定のピッチ間隔Lでケーブル4に対して測定面Wを走査することで、ケーブル4の断面画像をZ方向に沿って連続的に撮影する。図3(b)は、Z方向に連続して撮影された複数の断面画像gを模式的に示しており、図中各矢印は、X,Y,Z方向を示している。断面画像gは、X−Y平面に対して平行であるとともに、Z方向に沿って一定のピッチ間隔Lで連続的に複数枚撮影される。
このように、X線CTスキャナ装置1によって、Z方向に沿ってピッチ間隔Lで並ぶ複数の断面画像gを取得することができる。すなわち、前記ステップS2は、X−Y平面に対して平行かつZ方向にピッチ間隔Lで並ぶ複数のケーブル4断面の断面画像gを、断面透過撮影を行うことによって、明度情報を含んだX−Y平面の2次元画像データとして取得する断面画像取得工程を構成している。また、上記ステップS2により構成される断面画像取得工程を実現するためのX線CTスキャナ装置1は、断面画像取得手段を構成している。
上記ステップS2にて取得された複数の断面画像gは、X線CTスキャナ装置1からコンピュータ2(図1)に送信される。そして、コンピュータ2は、送信された複数の断面画像gを通信部24により受信する。
以下、コンピュータ2のCPU21は、ケーブルの形状状態測定プログラムとしてのねじり率測定プログラム26に基づいて、以下の処理(ステップS3〜S17)を実行する。
まず、CPU21は、X線CTスキャナ装置1から受信した複数の断面画像gを、コンピュータ2の記憶部25に格納する(ステップS3)。
次に、CPU21は、コンピュータ2の記憶部25に格納した複数の断面画像gそれぞれについて、画像処理等によって明度情報を含んだ画像から2値化画像に変換する。そして、この2値化画像から、素線41a,43aの断面形状として現れる暗部g1,g2の輪郭形状を抽出する。そして、この抽出された暗部g1,g2の輪郭形状をそれぞれ2次元データとして取得する(ステップS4)。図3(c)は、2値化画像g´を示した図である。断面画像gは明度情報を含んだ画像データであるため、暗部g1,g2と明部g3との境界が明瞭に現れないので、上記のように2値化画像に変換し、図3(c)のように、2値化後の暗部g´1,g´2と、2値化後の明部g´3との境界線g´10,g´11,g´12を明確なものにする。そしてこの境界線g´10〜g´12を2次元データとして取得する。なお、断面画像gは、図2中のX−Y平面に平行であり、上記2次元データは、X−Y座標データとして取得される。
なお、上記濃淡画像を2値化画像に変換する際における閾値の設定においては、撮影条件や撮影対象物等の要因によって、明瞭に境界線g´10〜g´12が取得できる設定が事例ごとに異なる。このため、画像処理等によって最適な値をCPU21に求めさせて自動的に処理させても良いし、パーソナルコンピュータ2のオペレータが適宜最適な数値を判断し入力することができる閾値入力手段を備えたものとしてもよい。このようにすることで、様々な事例に柔軟に対応でき、明瞭な境界線g´10〜g´12を得ることができる。
次に、CPU21は、ステップS4で得られた素線41a,43a断面の断面形状である境界線g´10〜g´12の2次元データから、ケーブル4の断面中心点T(図3(c))を2次元のX−Y座標値として算出し、その位置を特定する。
また、ケーブル4が軸方向に屈曲変形している場合、その軸方向と、Z方向とはかならずしも一致しないので、断面画像gはケーブル4の軸方向に対して必ずしも直交しているとは限らない。このため、素線41a,43aの切片である上記境界線g´10〜g´12は、真円ではなく楕円状となるが、このような場合にも、境界線g´10〜g´12の2次元データから、当該境界線g´10〜g´12により囲まれる面積中心等を求めることで、断面中心点Tを特定することができる。
ここで、複数の断面画像gは、X−Y平面に平行かつZ方向に沿ってピッチ間隔Lで連続的に撮影されているため、各断面画像gに対してはそれぞれZ方向における座標値を割り当てることができる。従って、CPU21は、上記各断面画像g上の点である断面中心点TのX−Y座標値に、それぞれ対応するZ座標値を割り当て、断面中心点TにおけるX−Y−Zの3方向の3次元座標値を取得できる(ステップS5)。すなわち、ステップS4、及びステップS5は、断面画像gから、素線41a,43a断面の断面形状である境界線g´10〜g´12の2次元データを得ることで、この2次元データからケーブル4の断面中心点Tを特定する中心点特定工程を構成している。また、ステップS4、及びステップS5により構成される中心点特定工程を実現するパーソナルコンピュータ2は、中心点特定手段を構成している。
なお、上記2値化画像g´は、断面中心点Tを特定するのみに用いるものであり、後述する工程においては使用しない。
次に、CPU21は、ステップS3にて記憶部25に格納した明度情報を含んだ断面画像gの処理を行い、断面画像gの明度値の分布を取得する。以下に、CPU21が行う、明度値の分布の取得方法について詳述する。
まずCPU21は、オペレータに対して、ケーブル4の仕様についての入力を要求する。この仕様とは、具体的には、当該ケーブル4の導体線41の素線41aの素線数、ケーブル4断面において導体線41の存在する範囲H1(図6)を画定する円h1の半径、シールド線43の素線43aの素線数、及び、シールド線43の存在する範囲H2(図6)を画定する円h2、h3のそれぞれの半径である。オペレータがこれら値を入力すると、CPU21は、上記各値を取得し、記憶部25に格納する(ステップS6)。
次に、CPU21は、複数の断面画像gの内、以下の処理の処理対象となる一の断面画像gを決定し、処理に必要なパラメータの設定を行う(ステップS7)。
図6は、断面画像gの一例を示す拡大図である。図6において、この断面画像gには、上述のように、暗部g1,g2及び明部g3によって素線41a,43aが表されている。
CPU21は、必要なパラメータとして、まず、ステップS5にて得られた対応する断面中心点Tを、断面画像gに外装する。次に、断面画像g中に断面中心点Tを通過する所定の基準線Lを定める。また、図中には、円h1〜h3によって、ステップS6にて取得したケーブル4の仕様である導体線41の存在する範囲H1、及びシールド線43の存在する範囲H2を示している。
次に、CPU21は、断面画像gの明度値を取得する位置を定めるための線である走査線Mの基準線Lに対する周方向位置を決定する(ステップS8)。この走査線Mは、図6に示すように、断面中心点Tを中心として径外方向に延びる線分であり、後述のように、この走査線Mを断面中心点T回りに全周に亘って走査することで、一の断面画像g全体の明度値の分布を周方向に沿って取得する。
次に、CPU21は、断面中心点Tを中心として径外方向に延びる走査線M上の明度値を所定の距離間隔としての所定のピクセル数おきに取得するすることで、走査線M上の明度値の分布を取得する(ステップS9)。
図7は、図6中の走査線M上の明度値を取得し、その分布を示したグラフの一例である。図7において、横軸は、断面中心点Tを原点として、走査線Mに沿って径外方向に向かう距離としてのピクセル数を示しており、縦軸は、明度値を示している。なお、本実施形態では、取得した明度値の絶対値と所定の閾値との差から得られる相対明度値として示している。また、図3及び図6では、明部と暗部とを反転させることで、素線が存在する部分が暗部となるように示したが、図7では、明部と暗部とを反転しない状態で取得し、素線が存在する暗部g1,g2における明度値が高く、明部g3の明度値が低くなるように表している。
また、破線53は、図6中の円h1と、走査線Mとが交差する位置を示しており、横軸の原点から破線53までの範囲が図6の範囲H1である。破線54,55は、それぞれ図6中の円h2,h3と交差する位置であり、破線54から破線55までの範囲が図6の範囲H2である。
本実施形態において、CPU21は、上記ステップS6にて取得したケーブル4の仕様(円h1〜h3の半径)に基づいて、範囲H1及び範囲H2を把握し、この範囲H1及び範囲H2に位置するドットの明度値のみを取得する。すなわち、範囲H1,H2以外の領域については、その明度値を取得しない。このようにすることで、必要な範囲の明度値のみを取得することができ、後述の処理工程の負担を減らし、作業効率を高めることができる。
図7中、線図51は、範囲H1に存在する導体線41の素線41aの存在によって現れる暗部g1の明度値をプロットし、それらを繋いで分布を示す線図としたものである。素線41aは、断面中心点Tを中心として6本撚り束ねて配置されているので、図のように、横軸が原点(断面中心点T)の位置から明度値が大きく現れている。そして、横軸の数値が素線41aの存在する位置の端面に達すると明度値は急激に低下して0に達している。このように、線図51は、走査線M上において、素線41aが存在する位置情報を表示している。
また、線図52は、範囲H2に存在するシールド線43の素線43aの存在によって現れる暗部g2の明度値をプロットし、それらを繋いで分布を示す線図としたものであり、線図51と同様、走査線M上において、素線43aが存在する位置情報を表示している。素線43aは、導体線41との間に絶縁体層42を介在して、外周側に21本撚り束ねられて配置されているので、図のように、線図51に対して径方向に所定の間隔を空けた位置で明度値が上昇している。
なお、図7において、明度値を、明度値の絶対値と前記所定の閾値との差である相対明度値としたのは、以下の理由による。すなわち、図6中の断面画像gは、その部分に応じた階調の明度値を有しているので、暗部g1,g2と、明部g3との境界部は、図7のようにある一定の幅をもっている。このため、前記境界部は、明瞭に現れなかったり、外乱による影響を受けやすいので、誤差を含みやすい。このため、上記のように所定の閾値を定めることで前記境界部を明確にし、明度値の絶対値が閾値以上であるピクセルについてのみ以下の処理を行うことで、上記の誤差要因が排除できる。
以上のように、CPU21は、走査線M上の明度値の分布を取得する。
次に、CPU21は、ステップS9にて得られた、走査線M上における明度値の分布を示す各線図51,52を、当該走査線M方向に積分して、それぞれの明度値の積算値を算出する(ステップS10)。
前記明度値の積算値は、図7中、線図51,52を、走査線M方向に積分して得られる値であり、線図51,52を構成するデータが有する明度値をそれぞれ積算した値である。CPU21は、この走査線M上の明度値の積算値を算出する。このように、ステップS10は、走査線M上の明度値の積算値を算出する積算値算出工程を構成している。
また、線図51,52は、上述のように、走査線M上の素線41a,43aの存在する位置情報を表示しており、走査線Mが、暗部g1,g2(図6)において素線41a,43aの中心に相当する位置を通過する場合と、他の部分を通過する場合とでは、走査線Mが暗部g1,g2上を通過する距離幅が異なる。このため、各線図51,52の積算値は、走査線Mが素線41aの中心に相当する位置を通過する際に最大となり、素線41aの中心に相当する位置からずれるのに従って減少するように変化する。このため、走査線Mを断面中心点T回りに走査すると、素線41a,43aは、周方向に沿って複数本配列されているので、明度値の積算値は、走査線Mの周方向位置に応じて周期的に変化し、走査線Mの周方向位置に対して周期性を有する。
以上のように、CPU21は、ステップS9,S10において、走査線M上の明度値の分布、及び明度値の積算値を取得した後、ステップS11において、走査線Mが一周し、基準線Lから断面中心点T回りに全周に亘って走査したかどうかを判断する(ステップS11)。
走査線Mが一周していないと判断した場合には、CPU21は、ステップS8に戻る。ステップS8では、走査線Mの位置を、処理の最初には、例えば基準線Lと一致する周方向位置に決定し、その後、ステップS11から戻ってくる場合には、前回決定した周方向位置から所定の角度間隔だけ回転させた位置に決定し、走査線Mを前記所定の角度間隔おきに回転させ、その都度ごとに、ステップS9による明度値の分布の取得を行う。
なお、走査線Mが一周したか否かの判断は、例えば、上記処理に際して、何回ルーチンを繰り返したかといった情報を変数として与え、これに基づいて判断することができる。
このようにして、CPU21は、走査線Mを、基準線Lから、断面中心点Tを中心として径外方向に延びる走査線Mを矢印方向に断面中心点T回りに全周に亘って所定の角度間隔で走査する。
以上のように、CPU21は、上記のように走査線M上の明度値の分布を、基準線Lから全周に亘って走査することで、一の断面画像g全体の明度値の分布、及び、前記明度値の積算値を周方向に沿って取得する。
また、上記ステップS8、ステップS9、ステップS11は、走査線M上における断面画像gの明度値の分布を取得しつつ、走査線Mを断面中心点Tを通過する基準線Lから断面中心点T回りに全周に亘って走査することで、断面画像g全体の明度値の分布を周方向に沿って取得する。さらに後述するステップS16によって、複数の断面画像gそれぞれに対して、明度値の分布を取得する。すなわち、ステップS8、ステップS9、ステップS11、及びステップS16は、複数の断面画像gそれぞれに対して、断面画像g全体の明度値の分布を周方向に沿って取得する明度値分布取得工程を構成している。また、上記ステップS8、ステップS9、ステップS11、及びステップS16により構成される明度値分布取得工程を実現するためのパーソナルコンピュータ2は、明度値分布取得手段を構成している。
ステップS11において、CPU21は、走査線Mが一周したと判断すると、周方向に沿って取得された明度値の積算値と、当該積算値に対応する走査線Mの周方向位置との関係を把握し、この関係により得られる前記明度値の積算値の周方向位置に対する周期性に基づいて、一の断面画像gにおけるケーブル4を構成する素線41a,43aの周方向に対する配列周期を把握する(ステップS12)。
図8は、前記明度値の積算値と、積算値に対応する走査線Mの周方向位置との関係を示したグラフの一例である。図8において、横軸は、周方向位置としての、基準線L(図6)を原点とした走査線Mの角度(ラジアン)を示しており、縦軸は、走査線M上の明度値の分布を当該走査線M方向に積分したときの積算値を示している。
図8中、線図61は、図7の線図51に係る明度値の積算値をプロットし、それらを繋いで線図としたものである。図7の線図51に基づいた明度値の積算値は、上述のように、走査線Mが素線41aの中心に相当する位置を通過する際に極大値となり、素線41aの中心に相当する位置からずれるのに従って減少する。また、走査線Mが、隣り合う素線の境界に相当する位置を通過する際に極小値となる。
従って、素線41aの位置情報を表示する線図51の積算値と、走査線Mの角度との関係を示す図8中の線図61は、導体線41を構成する6本の素線41aの周方向の配列が反映され、6箇所の極大値と、6箇所の極小値が交互にほぼ等間隔に現れる周期性を有する波形となる。このような6本の素線41aの配列が反映された周期性を有する線図61に基づいて、一の断面画像gにおける、6本の素線41aの周方向に対する、基準線Lを基準とした配列周期を把握することができる。
線図62は、図7の線図52に係る明度値の積算値をプロットし線図としたものである。線図62においても、線図61と同様、導体線43を構成する21本の素線43aの周方向の配列が反映され、21箇所の極大値と、21箇所の極小値が交互にほぼ等間隔に現れる周期性を有する波形となる。そして、この21本の素線43aの配列が反映された周期性を有する線図62に基づいて、一の断面画像gにおける、21本の素線43aの周方向に対する、基準線Lを基準とした配列周期を把握することができる。
以上によって、CPU21は、素線41a,43aのそれぞれについて、その周方向全域に係る配列周期を把握する。
ここで、ステップS8〜S12は、一の断面画像gに対して、走査線Mを基準線Lから断面中心点T回りに全周に亘って走査することで、当該断面画像g全体の明度値の分布を周方向に沿って取得し、これにより得られる断面画像gの周方向に対する明度値の分布に基づいて、ケーブル4を構成する複数の素線41a,43aの周方向に対する配列周期を把握するケーブル4の素線の配列周期把握方法を示している。この方法によれば、走査線Mを断面中心点T回りに走査することで、断面画像g全体の相対明度値の分布を周方向に沿って取得するので、この明度値の分布より複数の素線すべての配列を参照して周方向に対する配列周期を把握することができる。このため、例えば、上記従来例のように中心点以外に特定点を一箇所だけ定める場合と比較して、周方向全体の配列周期をより正確に把握することができる。また、特定点を定める必要がないので、配列周期の把握が容易となる。
次に、CPU21は、ステップS6にて取得したケーブル4の仕様の内、導体線41及びシールド線43の素線数によって、走査線Mが走査する周方向範囲の全周を等分し、周方向に等分されたそれぞれの分割領域内に位置しかつ互いに対応する同位相の積算値を積算して平均し、同位相の積算値の平均値である平均積算値を算出する(ステップS13)。
以下に、上記平均積算値の算出方法について説明する。図9は、前記明度値の積算値と、走査線Mの周方向位置との関係を示したグラフであり、上記ステップS13の処理の方法を説明するための図である。図9には、図8にて示した素線41aの配列周期を示す線図61のみを示している。図中、5本の破線Pは、走査線Mが走査する周方向範囲の全周を6等分している。線図61は、6本の素線41aの配列によって6周期分を含んだ配列周期となっており、破線Pによって等分された6つの分割領域は、素線41aの1本分の周方向幅で区画される。これにより、各分割領域内に位置する、線図61の各切片611〜616は、それぞれ、1周期ごとに、互いに同位相の関係で分けられる。CPU21は、これら各切片611〜616に含まれる各積算値を互いに対応する同位相同士で積算し、それらを平均することで、平均積算値を算出する。
また、素線43aの配列周期を示す線図62においても上記同様、走査線Mが走査する周方向範囲の全周を、シールド線43の素線数に基づいて21等分し、平均積算値を算出する。
上記のようにステップS13は、走査線Mが走査する周方向範囲の全周を素線数によって等分し、周方向に等分されたそれぞれの分割領域内に位置しかつ互いに対応する同位相の明度値の積算値を積算して、その平均値を算出し、平均積算値を得る平均積算値算出工程を構成している。
また、ステップS6は、ステップS13にて用いられる、ケーブル4において同一周上に配置されている素線41a,43aの素線数を、ケーブル4の仕様として予め取得する素線数取得手段を構成している。
次に、CPU21は、前記平均積算値と、当該平均積算値に対応する周方向位置との関係を把握し、この関係により得られる周期性に基づいて、素線41aの周方向に対する配列周期を把握する(ステップS14)。
図10は、上記のようにして得られた明度値の平均積算値と、それに対応する周方向位置との関係を示したグラフの一例である。図10において、横軸は、周方向位置としての角度(ラジアン)を示しており、縦軸は、明度値の平均積算値を示している。図10において、線図71は、図9中、線図61の1周期当たりの配列周期を示している。このように、CPU21は、素線41aの周方向に対する配列周期を図10の線図71のような周期性を有する波形として把握する。
また、図10中、線図72は、図9中の線図62の1周期当たりの配列周期を示しており、CPU21は、上記素線41aの配列周期と同様、素線43aの周方向に対する配列周期を図のような周期性を有する線図72として把握する。なお、線図71,72は、左端を角度0としたときの1周期当たりの配列周期として示している。
上記のように、本実施形態では、断面画像gの明度値を積算値として取得し、これによって複数の素線の配列周期を把握するので、より正確に配列周期を把握することができる。また、数値として得られる明度値を、演算処理することによって素線の周期構造を把握できるので、人為的な処理を必要としない。このため、作業者等の工数を減少できるとともに、誤差要因を減らすことができる。
また、本実施形態では、ステップS6にて、素線41a,43aの配列された素線数を予め取得し、分割領域内において対応する同位相の積算値の平均値である平均積算値を算出したので、取得された明度値のばらつき等の誤差要因の影響をさらに抑えることができる。この結果、これに基づいて把握される素線41a,43aの配列周期をより正確なものにできる。
以上のように、ステップS14は、前記平均積算値と、当該平均積算値の周方向位置との関係により得られる前記平均積算値の周期性に基づいて、導体線41及びシールド線43を構成する素線41a,43aの配列周期を把握する積算値周期把握工程を構成している。
また、ステップS12〜S14、及び、これらステップを複数の断面画像gそれぞれに適用するためのステップS16(後述)は、ステップS8〜S11にて得られる断面画像gの周方向に対する明度値の分布に基づいて、素線41a,43aの周方向に対する配列周期を、複数の断面画像gそれぞれについて把握する配列周期把握工程を構成している。また、上記ステップS12〜S14、及び、ステップS16により構成される配列周期把握工程を実現するためのパーソナルコンピュータ2は、配列周期把握手段を構成している。
次に、CPU21は、ステップS14にて得られた配列周期と、所定の基準配列周期との位相差を各素線のねじり角として算出する(ステップS15)。
図10中、破線73は、線図71に対する基準配列周期を示しており、破線74は、線図72に対する基準配列周期を示している。これら破線73,74は、例えば、横軸の角度が0のとき、平均積算値が極小値を取るように設定されている。CPU21は、線図71において平均積算値が極小値となる点711の角度と、破線73において平均積算値が極小値となる角度(0)との差を、素線41aの配列周期の位相差R1として取得する。
また、線図72においても同様に、平均積算値が極小値となる点721の角度と、破線74において平均積算値が極小値となる角度(0)との差を、素線43aの配列周期の位相差R2として取得する。
上記位相差R1,R2は、基準配列周期である破線73,74に対して、素線41a,43aの配列周期が断面中心点T回りにねじれている角度量であり、素線41a及び素線43aのねじり角を示している。以上のようにして、CPU21は、一の断面画像gにおける、各素線のねじり角を取得する。
次に、CPU21は、複数の断面画像gの内、すべての断面画像gについて処理を行ったかどうかを判断する(ステップS16)。断面画像gの全てを処理していないと判断した場合には、CPU21は、ステップS7に戻り、上述の処理を繰り返す。なお、ステップS7において、ステップS16から戻ってくる場合には、前回決定した一の断面画像gに対してZ方向にピッチ間隔Lで並ぶ次の断面画像gを処理対象として決定する。
このようにして、CPU21は、すべての断面画像gについて、上記ステップS8からステップS15による処理を行うことで、複数の断面画像gそれぞれについて各素線のねじり角を算出する。
図11は、上記によって算出した、素線41a,43aのねじり角と、複数の断面画像gに割り当てられるZ方向の座標値との関係を示したグラフである。図11において、横軸は、Z方向の座標値としての距離、縦軸は、ねじり角(ラジアン)の値を示している。また、実線で示す線図81は、素線41aのねじり角(位相差R1)を示しており、破線で示す線図82は、素線43aのねじり角(位相差R2)を示している。
図中、線図81に示されるように、素線41aのねじり角は、Z方向の距離に対して線形の関係にある。なお図11においては、線図81は、ねじり角が約1ラジアンに達すると0となり、再度ほぼ同様の傾きで、ねじり角が上昇する。これは、素線41aは周方向に6本配列されているため、2π/6ラジアンで一周期を構成しているためである。
また、線図82に示されるように、素線43aのねじり角も、上記同様、Z方向の距離に対して線形の関係にある。なお、素線43aは周方向に21本配列されているため、2π/21ラジアンで一周期を構成しており、線図82において、ねじり角は、約0.3ラジアンに達すると0となり、0から再度同様の傾きで上昇する。
上記のように各素線のねじり角を算出した後、CPU21は、Z方向の距離に対する各素線41a,43aのねじり率を算出し、出力する(ステップS17)。
ここで、ねじり率とは、Z方向の距離に対する各素線41a,43aのねじり角の差分値であり、図11中の線図81、及び線図82の傾きが、それぞれ素線41a,43aのねじり率となる。
CPU21は、Z方向の座標値に対応するねじり率を、ケーブル4の軸方向の分布として算出する。その結果をプロットし、線図として示した結果を図12に示す。図において、横軸は、Z方向の座標値としての距離、縦軸は、ねじり率を示している。線図85,86は、それぞれ、素線41a,43aのねじり率の算出結果を示している。
図のように、線図85,86は、共にZ方向の座標値に対してほぼ平行である。これは上述したように、素線41a,43aのねじり角はZ方向の座標値に対して線形の関係にあるためである。すなわち、導体線41、及びシールド線43は、素線41a,43aを所定の仕様に基づいて撚り束ねられているため、各素線のねじり率は、外的な要因による変形がなくとも、ケーブル4の仕様等によって所定の定数として現れる。つまり、素線41のねじり率が一定となる場合には、変形が生じていないことを示している。
逆に、この線図85,86が水平な直線ではなく、乱れて現れる場合には、素線41a,43aに断線が生じていたり、ねじり変形が生じていたりといったことが把握できる。
なお、屈曲変形していないケーブル4におけるねじり角、及びねじり率は、予め基準データとして記憶部25等に格納しておき、屈曲変形した状態のケーブル4の測定時に参照できるようにし、この基準データと、ねじり率の測定結果とを対比して、ケーブル4の変形等の評価を行うこともできる。
以上のように、ステップS15〜S17は、ステップS12〜S14によって得られた素線41a,43aの配列周期と、所定の基準配列周期との位相差をねじり角として算出し、さらにこのねじり角に基づいてねじり率を算出するねじり率算出工程を構成している。また、上記ステップS15〜S17により構成されるねじり率算出工程を実現するためのパーソナルコンピュータ2は、ねじり率算出手段を構成している。
CPU21は、上記のように算出した素線41a,43aのねじり率をケーブル4の形状状態の測定結果として、パーソナルコンピュータ2の表示部23等に出力する。
上記のように構成されたケーブルの形状状態測定方法によれば、走査線Mを断面中心点T回りに走査することで、断面画像g全体の相対明度値の分布を周方向に沿って取得し、この明度値の分布より素線41a,43aの配列を参照して周方向に対する配列周期を把握し、ねじり率を算出することができる。このため、例えば、上記従来例のように中心点以外に特定点を一箇所だけ定めてねじり率を算出する場合と比較して、周方向全体の配列周期を把握するため誤差が生じにくく、より正確にケーブル4の形状状態としてのねじり率を算出することができる。
また、上記のように構成された本実施形態のケーブルの形状状態測定システム及び形状測定プログラムによれば、より正確に形状状態としてのねじり率を測定することができる。
なお、上記実施形態では、透過撮影するためにX線CTスキャナ装置1を用いたが、これに限られるものではなく、MRIスキャナ装置を用いることもできるし、それに準じた透過撮影装置を用いることができる。
また、上記実施形態では、ステップS10〜S14によって、走査線M上の明度値の積算値を求め、この積算値に基づいて素線41a,43aの配列周期を把握したが、例えば、ステップS9により取得される走査線M上の明度値の分布を、対応する走査線M方向に微分し、この微分値に基づいて走査線M方向における素線41a,43a断面の断面縁の位置を特定し(断面縁特定工程)、この断面縁の位置と、当該断面縁の位置に対応する周方向位置との関係に基づいて、素線41a,43aの配列周期を把握(微分値周期把握工程)してもよい。
すなわち、図7に示す明度値の分布について微分すると、その微分値の極小値は、走査線Mが通過する素線41a,43aの外側の断面縁を示すこととなり、この極小値を取る径方向位置を特定することで、素線41a,43a断面の断面縁の位置を特定することができる。
図13は、上記のように明度値の微分値により特定される断面縁の径方向位置と、走査線の周方向位置との関係を示したグラフの一例である。図13において、横軸は、周方向位置としての、基準線L(図6)を原点とした走査線Mの角度(ラジアン)を示しており、縦軸は、上記微分値が極小値となる径方向位置をピクセル数で示している。
図において、線図91は、素線41aに係るグラフであり、線図92は素線43aに係るグラフである。図のように、線図91は、6本の素線41aの周方向の配列が反映され、6箇所の極大値と、6箇所の極小値が交互にほぼ等間隔に現れる周期性を有する波形となる。このような6本の素線41aの配列が反映された周期性を有する線図61に基づいて、一の断面画像gにおける、6本の素線41aの周方向に対する、基準線Lを基準とした配列周期を把握することができる。線図92においても、線図91と同様、21本の素線43aの配列が反映された周期性を有する線図62に基づいて、一の断面画像gにおける、21本の素線43aの周方向に対する、基準線Lを基準とした配列周期を把握することができる。
この場合においても、数値として得られる明度値を、上記のような演算処理することによって素線の周期構造を把握できるので、人為的な処理を必要としない。このため、作業者等の工数を減少できるとともに、誤差要因を減らすことができる。
なお、本発明のケーブルの形状状態測定方法は上記実施形態のみに限定されるものではない。例えば、上記各実施形態により得られる、ケーブル4の形状状態としての素線41a,43aのねじり率の軸方向の分布を示すグラフ(図12)から、当該ケーブル4に生じた断線等の異常を把握することもできる。ケーブル4の内部に断線等がなければ、ねじり率の軸方向分布は、一定の値で推移する。一方、例えば、ケーブル4の内部で芯線41が断線すれば、前記グラフ上に断線部分で不連続な異常点が生じる。また、上述したように、素線41a,43aの撚り束ねの不良等が生じている場合においても、前記グラフ上に不連続な異常点が生じる。すなわち、ケーブルの形状状態測定方法に、この数値的に不連続となる異常点を把握するといった工程(評価工程)を加えることで、ケーブル4内部で生じた断線や、撚り束ね不良等の異常を把握することができる。これによってケーブル4における異常の有無等といったケーブル状態を評価することができる。
また、上記各実施形態においては、6本の素線41aからなる導体線41と、21本の素線43aからなるシールド線43とを有するケーブル4を用い、ケーブル4の形状状態としての素線41a,43aのねじり率の測定を行った場合を例示したが、測定対象となるケーブルは、前記構成に限定されるものではない。例えば、より多数の芯線もしくは素線を撚り束ねたケーブル等であっても、上記実施形態にて示した方法を適用することで、軸方向の形状状態を測定することができる。
本発明の一実施形態に係るケーブルの形状状態測定方法を実現するためのシステムを示すブロック図である。 (a)はX線CTスキャナ装置の構成を模式的に示した上面図、(b)は試料テーブルの上面に固定されたケーブルを側方視したときの模式図である。 (a)はねじり率を測定するケーブルの構成を示した概略図、(b)はケーブルの断面画像の一例を示した模式図、(c)は断面画像の二値化した画像を示した図である。 ねじり率の測定方法を示すフローチャートである。 図4から連続する、ねじり率の測定方法を示すフローチャートである。 断面画像の一例を示す拡大図である。 図6中の走査線上の明度値を取得し、その分布を示したグラフの一例である。 明度値の積算値と、積算値に対応する走査線の周方向位置との関係を示したグラフの一例である。 明度値の積算値と、走査線の周方向位置との関係を示したグラフであり、ステップS13の処理の方法を説明するための図である。 明度値の平均積算値と、それに対応する周方向位置との関係を示したグラフの一例である。 素線のねじり角と、複数の断面画像に割り当てられるZ方向の座標値との関係を示したグラフである。 ねじり率とZ方向の座標値との関係を示したグラフの一例である。 明度値の微分値により特定される断面縁の径方向位置と、走査線の周方向位置との関係を示したグラフの一例である。 従来の、ケーブルのねじり状態の測定方法を説明するための図である。
符号の説明
1 X線CTスキャナ装置
2 パーソナルコンピュータ
4 ケーブル
41a,43a 素線
L 基準線
M 走査線
T 断面中心点

Claims (7)

  1. 軸方向に所定周期で撚り束ねられた複数の素線を有するケーブルにおける前記複数の素線の周方向に対する配列周期を当該ケーブル断面の断面画像から把握する素線の配列周期把握方法であって、
    前記断面画像に対して、前記断面画像から特定される前記ケーブル断面における中心点から前記ケーブル断面の径外方向に延びる走査線上における前記断面画像の明度値の分布を取得しつつ、前記走査線を前記中心点を通過する所定の基準線から前記中心点回りに全周に亘って走査することで、前記断面画像全体の明度値の分布を周方向に沿って取得し、
    これにより得られる前記断面画像の周方向に対する明度値の分布に基づいて、前記ケーブルを構成する複数の素線の周方向に対する配列周期を把握することを特徴とする素線の配列周期把握方法。
  2. 軸方向に所定周期で撚り束ねられた複数の素線を有するケーブルの形状状態測定方法であって、
    直交3方向をX,Y,Zとするとき、軸方向がX−Y平面と交差するように配置された前記ケーブルに対して透過撮影を行うことによって、X−Y平面と平行かつZ方向に所定間隔で並ぶ複数のケーブル断面の断面画像を、明度情報を含んだX−Y平面の2次元画像データとして取得する断面画像取得工程と、
    前記複数の断面画像それぞれに対して、前記断面画像から特定される前記ケーブル断面における中心点から前記ケーブル断面の径外方向に延びる走査線上における前記断面画像の明度値の分布を取得しつつ、前記走査線を前記中心点を通過する所定の基準線から前記中心点回りに全周に亘って走査することで、前記断面画像全体の明度値の分布を周方向に沿って取得する明度値分布取得工程と、
    前記明度値分布取得工程により得られる前記複数の断面画像の周方向に対する明度値の分布に基づいて、前記ケーブルを構成する複数の素線の周方向に対する配列周期を、前記複数の断面画像それぞれについて把握する配列周期把握工程と、
    前記配列周期把握工程により得られる前記配列周期と、所定の基準配列周期との位相差をねじり角として、前記複数の断面画像それぞれに算出し、さらにZ方向の距離寸法に対する前記ねじり角の差分であるねじり率を算出するねじり率算出工程と、
    前記ねじり率算出工程より得られる前記ねじり率を、前記ケーブルの形状状態の測定結果として出力する形状状態出力工程と、を備えていることを特徴とするケーブルの形状状態測定方法。
  3. 前記配列周期把握工程は、前記明度値分布取得工程において取得される、前記走査線上における前記断面画像の明度値の分布を、対応する走査線方向に積分することで、当該走査線上における明度値の積算値を算出する積算値算出工程と、
    この積算値と、当該積算値に対応する前記基準線を基準とした周方向位置と、の関係により得られる前記積算値の前記周方向位置に対する周期性に基づいて、前記配列周期を把握する積算値周期把握工程と、を備えている請求項2に記載のケーブルの形状状態測定方法。
  4. 前記配列周期把握工程は、
    前記ケーブルにおいて同一周上に配置されている前記複数の素線の素線数を予め取得する素線数取得工程と、
    前記走査線が走査する周方向範囲の全周を前記素線数によって等分し、前記積算値算出工程による走査線上の積算値のうち、周方向に等分されたそれぞれの分割領域内に位置しかつ互いに対応する同位相の積算値を積算して、平均し、平均積算値を得る平均積算値算出工程と、をさらに備え、
    前記積算値周期把握工程が、前記平均積算値と、当該平均積算値の周方向位置との関係により得られる前記平均積算値の周期性に基づいて、前記配列周期を把握する請求項3に記載のケーブルの形状状態測定方法。
  5. 前記配列周期把握工程は、前記明度値分布取得工程において取得される、前記走査線上における前記断面画像の明度値の分布を、対応する走査線方向に微分し、この微分値に基づいて前記走査線方向における前記複数の素線断面の断面縁の位置を特定する断面縁特定工程と、
    この断面縁の位置と、当該断面縁の位置に対応する前記基準線を基準とした周方向位置との関係に基づいて、前記配列周期を把握する微分値周期把握工程と、を備えている請求項2に記載のケーブルの形状状態測定方法。
  6. 軸方向に所定周期で撚り束ねられた複数の素線を有するケーブルの形状状態を測定するケーブルの形状状態測定システムであって、
    直交3方向をX,Y,Zとするとき、軸方向がX−Y平面と交差するように配置された前記ケーブルに対して透過撮影を行うことによって、X−Y平面と平行かつZ方向に所定間隔で並ぶ複数のケーブル断面の断面画像を、明度情報を含んだX−Y平面の2次元画像データとして取得する断面画像取得手段と、
    前記複数の断面画像それぞれに対して、前記断面画像から特定される前記ケーブル断面における中心点から前記ケーブル断面の径外方向に延びる走査線上における前記断面画像の明度値の分布を取得しつつ、前記走査線を前記中心点を通過する所定の基準線から前記中心点回りに全周に亘って走査することで、前記断面画像全体の明度値の分布を周方向に沿って取得する明度値分布取得手段と、
    前記明度値分布取得手段により得られる前記複数の断面画像の周方向に対する明度値の分布に基づいて、前記ケーブルを構成する複数の素線それぞれの周方向に対する配列周期を、前記複数の断面画像それぞれについて把握する配列周期把握手段と、
    前記配列周期把握手段により得られる前記配列周期と、所定の基準配列周期との位相差をねじり角として、前記複数の断面画像それぞれに算出し、さらにZ方向の距離寸法に対する前記ねじり角の差分であるねじり率を算出するねじり率算出手段と、
    前記ねじり率算出手段より得られる前記ねじり率を、前記ケーブルの形状状態の測定結果として出力する形状状態出力手段と、を備えていることを特徴とするケーブルの形状状態測定システム。
  7. 軸方向に所定周期で撚り束ねられた複数の素線を有するケーブルの形状状態測定方法をコンピュータに実行させるためのケーブルの形状状態測定プログラムであって、
    前記形状状態測定プログラムは、直交3方向をX,Y,Zとするとき、X−Y平面と平行かつZ方向に所定間隔で並ぶ複数のケーブル断面の断面画像を前記コンピュータの記憶手段に記憶する記憶ステップと、
    前記複数の断面画像それぞれに対して、前記断面画像から特定される前記ケーブル断面における中心点から前記ケーブル断面の径外方向に延びる走査線上における前記断面画像の明度値の分布を取得しつつ、前記走査線を前記中心点を通過する所定の基準線から前記中心点回りに全周に亘って走査することで、前記断面画像全体の明度値の分布を周方向に沿って取得する明度値分布取得ステップと、
    前記明度値分布取得ステップにより得られる前記複数の断面画像の周方向に対する明度値の分布に基づいて、前記ケーブルを構成する複数の素線それぞれの周方向に対する配列周期を、前記複数の断面画像それぞれについて把握する配列周期把握ステップと、
    前記配列周期把握ステップにより得られる前記配列周期と、所定の基準配列周期との位相差をねじり角として、前記複数の断面画像それぞれに算出し、さらにZ方向の距離寸法に対する前記ねじり角の差分であるねじり率を算出するねじり率算出ステップと、
    前記ねじり率算出ステップより得られる前記ねじり率を、前記ケーブルの形状状態の測定結果として出力する形状状態出力ステップと、を備えていることを特徴とするケーブルの形状状態測定プログラム。
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