JP2015007648A - 異種材料を含む複合体のx線ctによる検査方法 - Google Patents

異種材料を含む複合体のx線ctによる検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】X線吸収率の相違が大きい材料について、断面における各材料の形状を識別可能にX線CTによって検査する方法を提供する。【解決手段】樹脂と、原子番号26以上79以下のなかの少なくとも一つの元素を主成分に含む材料と、を含む複合体の試料10aを準備する工程と、試料配置部に配置された試料とX線源との間に、少なくとも1つの、原子番号26以上の元素を主成分に含む材料からなる遮蔽材を配置した状態で、遮蔽材を通して試料にX線を照射する工程と、該試料を通ったX線を検出部で検出して、データ処理部において、複合体の形状を示す断層像を出力する工程とを備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、X線吸収係数の大きい材料と小さい材料とが含まれ、所定の場合には空隙も含まれる複合体について、断面における各材料の形状を識別可能に、X線CT(Computed Tomography)によって測定する方法に関するものである。
X線CTは、生体の部分ごとの微妙なX線吸収係数の違いを敏感に検出して、コンピュータによってデータ処理してその生体の断層写真を提供することができる。このため、医療機関において広範に利用されている。ここまで利用が拡がった理由の一つは、回転する測定対象または回転する(線源/検出装置)で、時々刻々得られたX線強度データを、コンピュータが、数学的な理論に基づいて総合的に計算して、高画質の断層像を再構成できる点にある。X線CTは、医学の分野で大きな貢献をした。
X線CTを、生体の断層写真以外にも利用することは、当然、これまでにも試みられてきた。たとえば歯科用X線CT装置を用いて、患者の歯列模型を精度よく再構成するための歯列模型撮像用のテーブルの提案がなされている(特許文献1)。この歯列模型は、印象材と石膏とで形成されている。印象材は、寒天印象材、アルギン酸塩を主成分として硫酸カリウムをゲル化反応材とするアルジネート印象材などである。また石膏は、硫酸カルシウム半水和物である三方晶系の半水石膏などである。これらの材料は、セラミックスなどであるが、X線の吸収係数としては、大きく相違する材料は含まれていないので、X線CTによる断層の画像再生は、本質的に困難ではない。
X線CT装置におけるコンピュータ・検出装置システムは、生体の病巣の発見などに利用が始まったことから、微妙なX線吸収係数の相違を大きく拡大して、断面における形状を高精度で再構成すること、に特化しているといえる。X線吸収係数が大きい材料は白く、また小さい材料は黒く、像が表れる。あまり白黒のコントラストが強いと、空間分解能(形状の精度)が低下する。このため、含まれる材料の吸収係数などを補正する機能が備えられている。その補正機能も、その材料の厚みを変えた積層型空間分解能評価用器具、いわゆるファントム、を通常の測定対象と同じように測定することで、自動的にその補正がなされる。個々の材料のX線吸収係数を用いて補正することなく、ファントムさえ測定すれば、コンピュータに搭載されたソフトが補正を自動的に補正する仕組みが備えられている。
X線吸収係数が相違する複数の材料を含む複合体の撮像は、本質的に困難であり、そのような複合体のX線CT装置の空間分解能(形状の精度)を評価するためのファントムの提案もなされている(特許文献2)。ここで提案されているファントムは、X線吸収係数が大きい材料として、アルミニウムなどの金属、テフロン(登録商標)が挙げられている。またX線吸収係数が小さい材料として、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルムなどの樹脂が挙げられている。X線吸収係数は、材料を構成する元素の原子番号が大きいほど大きくなる傾向がある。アルミニウムは金属といっても原子番号13番であり、原子番号6番の炭素(樹脂を構成する主要原子)などと比べて、大きく相違するといえない。
実用新案登録第3171655号公報 特開平05−0056954号公報
上記のファントム等の測定対象の材料から、X線CTは、本質的に生体各部の微妙なX線吸収係数の相違を検出することに特化しており、X線吸収係数が大きく相違する材料が混在する可能性が高い産業用には、利用は十分進んでいないことがうかがえる。
本発明は、X線吸収率の相違が大きい材料が含まれ、所定の場合には空隙も含まれる複合体について、断面における各材料の形状を識別可能に、すなわち高い空間分解能で、X線CTによって検査する方法を提供することを目的とする。
このX線CTによる検査方法は、X線源と、試料配置部と、検出部と、検出部で検出されたデータを処理して断層像を出力するデータ処理部と、を有するX線CT(Computed Tomography)装置を用いて検査する方法である。この検査方法は、樹脂と、原子番号26以上79以下のなかの少なくとも一つの元素を主成分に含む材料とを、含む複合体の試料を準備する工程と、試料配置部に配置された試料とX線源との間に、少なくとも1つの、原子番号26以上の元素を主成分に含む材料からなる遮蔽材を配置した状態で、遮蔽材を通して試料にX線を照射する工程と、該試料を通ったX線を検出部で検出して、データ処理部において、複合体の、樹脂、および原子番号26以上79以下のなかの少なくとも一つの元素を主成分に含む材料の、形状を示す断層像を出力する工程と、を備えることを特徴とする。
上記のように、樹脂と、原子番号26以上79以下のなかの少なくとも一つの元素を主成分に含む材料(以後、「重元素材料」と記す。)と、を含む試料については、何の対策もとらなければ、高分解の鮮明な断層像を得ることが難しい。欠陥が生じる場合、欠陥の種類によっては、さらに空隙が混在する。空隙のX線吸収率はゼロと考えられる。
樹脂は、炭素(C)および水素(H)を主成分とし、X線吸収率は重元素材料よりも非常に小さい。さらに、空隙は、上記のようにX線吸収率はゼロとみなせる。このため、何の対策もとらなければ、真っ白の重元素材料の部分と、真っ黒の空隙の部分と、灰色の樹脂部分との断層像が、一応は得られる。しかし、(1)樹脂と重元素材料とのコントラスト差が大きいこと、かつ、(2)重元素材料からのアーティファクト(ノイズ)があること、によって、樹脂の形状がほとんど表示されない断層像が出力される。この場合、たとえば2種類の樹脂がある場合、その2種類の樹脂ともに形状が表示されない。
上記の方法のように、複合体の試料を、少なくとも1つの、原子番号26以上の元素を主成分に含む材料からなる遮蔽材の後ろに配置することで、複合体の試料に入る前に、遮蔽材によってX線は吸収を受ける。重元素材料に照射されるX線も、樹脂に照射されるX線も、同じ比率で遮蔽材に吸収されるため、両者のX線強度比には遮蔽材の影響は生じない。しかし、遮蔽材は同じ比率で、両方の部分とも検出部が受けるX線量を、減少させる。これによって、少なくとも上記の(2)重元素材料からのアーティファクト(ノイズ)を低減することができる。さらにデータ処理部での処理においても、良い方向に影響を受けると考えられるが、明確に理由を述べることはできない。結果的に、試料の前に少なくとも1つの遮蔽材を配置することで、複合体の試料において、樹脂部と、重元素材料部と、所定の場合に空隙とが、識別可能なレベルにまで鮮明性が向上した断層像を得ることができる。
上記の少なくとも1つの遮蔽材として原子番号26以上の元素を主成分に含む材料からなる筒体を用い、該筒体に複合体の試料を収納して、該試料を含む筒体を試料配置部に配置してもよい。
上記の方法のように、複合体の試料を、原子番号26以上の元素を主成分に含む材料からなる筒体(以下、単に「筒体」と記す。)に収納することで、複合体の試料に入る前に(また後でも)、筒体によってX線は吸収を受ける。重元素材料に照射されるX線も、樹脂に照射されるX線も、同じ比率で筒体に吸収されるため、両者のX線強度比には筒体の影響は生じない。しかし、筒体は同じ比率で、両方の部分とも検出部が受けるX線量を、減少させる。これによって、試料の前に少なくとも1つの遮蔽材を配置した場合と、同様の鮮明性が向上した断層像を得ることができる。筒体の場合、試料の後ろにも遮蔽材が存在することになるが、それについてはこの後に説明する。
試料配置部と検出部との間に、さらに、原子番号26以上の元素を主成分に含む材料からなる後方遮蔽材を配置して、該後方遮蔽材を通ったX線を検出部で検出することができる。
X線CT装置には、上記のようなアルミニウム(原子番号13)製の遮蔽板が試料配置部と検出部との間に備えられているのが普通である。しかし、アルミニウムのような軽元素の遮蔽板では、重元素材料と、樹脂と、空隙とが混在する複合体の試料に対しては、よい効果を発揮することができない。しかし、原子番号26番(Fe)以上の重元素材料の遮蔽板を用いることで、断層像の鮮明性をさらに向上させることができる。
試料にX線を照射して検出部で検出する前に、複合体内の最も原子番号の大きい元素を主成分に含む材料、と同じ材料または同等の材料からなる補正用部材であるファントムを準備する工程と、X線CT装置を補正モードに切り換えて、試料の代わりにファントムを試料配置部に配置して、該ファントムに試料への照射と同じX線光源条件下でX線を照射して該ファントムを通ったX線を検出部で検出して、データ処理部に該ファントムのデータを記憶させる工程と、を備えることができる。
X線源で発生したX線は、物体を透過する際に吸収され減衰する。このときエネルギの低いX線はその物体を透過しにくく、透過後では、エネルギの高い、周波数の高い成分が、入射前よりも高い比率となる。このとき十分な透過エネルギが無い場合、カッピング現象と呼ばれる擬像が現れて正当な評価をすることができない。カッピング現象による擬像は、画像中央部から外周に向かって漸次明るくなる同心円状の像である。透過後のX線は、高い周波数の成分の比率が入射前よりも高くなるが、この現象をX線が硬くなるといい、X線ビームハードニング現象と呼ぶ。カッピング現象で表れる擬像は、X線ビームハードニング現象に伴って生じる。
X線CT装置は、データ処理部またはその他の部分に、BHC(Beam Hardening Correction)をする機能をブラックボックスの形態で備えており、ビームハードニング補正をするための補正用部材であるファントムを測定(検出)することで、自動的に補正を実行することができる。
ファントムは、重元素材料(できれば複合体に含まれる最大の原子番号を含む材料)からなる一定の厚みの遮蔽板を、端をずらしながら、たとえば10枚重ねて束ねる。遮蔽板の一方の端を他のどの板に対しても同じ方向にずらすことで、遮蔽板全体で、X線が10種類の厚みの重元素材料を透過するようにする。そのときのX線の発生条件は、問題とする試料を測定するときのX線源と同じ発生条件にする。データ処理部は、X線源の発生条件(管電圧、電流)およびファントムを透過するX線のステップ状の線量(たとえば上記10段階のステップ)から、当該複合体に含まれる最大の原子番号の透過量に対して、ビームハードニング補正をすることができる。カッピング現象は除去され、より一層、鮮明性の高い撮像画像を得ることができる。
試料が、銅線と樹脂とを含み、銅よりも大きい原子番号の元素を含む材料を含まないものとすることができる。
これによって、これまで検査が困難であった、ワイヤーハーネス、とくにそのワイヤーハーネスの防水樹脂で締結した部分、電気・光複合ケーブルなどの検査を実行することができる。なお、樹脂は、ケーブルの被覆樹脂、防水用の樹脂など複数の種類の樹脂があってもよい。
試料は、複数の銅線が樹脂によって被覆されたケーブルが、複数本撚られて形成されたワイヤーハーネスにおいて、該ワイヤーハーネスの所定部分をスプライスして束ねて銅線に沿って水通路が形成されないように防水樹脂処理した部分であり、銅よりも大きい原子番号の元素を含む材料がないものとすることができる。
これによって、自動車用防水ハーネスの防水部に対して、防水樹脂処理が問題なく行われたか、非破壊検査をすることができる。防水樹脂処理は、結束された撚り銅線を結束した部分の外周だけでなく撚り銅線間にも防水樹脂が導入されるようにする。
試料が、シリコン(Si)酸化物を主成分とするセラミックスと銅線と樹脂とを含み、銅よりも大きい原子番号の元素を含む材料を含まないものとすることができる。
この方法によって、フッ素樹脂チューブに形成された多芯の光ファイバが銅線などで囲まれた状態で、銅線の編組内に収納された、電気・光複合ケーブルの折り曲げ箇所などの検査を実行することができる。
上記のX線CTによる検査方法によれば、X線吸収率の相違が大きい材料が含まれ、所定の場合には空隙も含まれる複合体について、断面における各材料の形状を識別可能に、すなわち高い空間分解能で、X線CTによって検査する方法を提供することができる。
実施の形態1におけるX線CTによる検査方法を示す図である。 検査対象の試料を例示する図である。 実施の形態2におけるX線CTによる検査方法を示す図である。 実施の形態3におけるX線CTによる検査方法を示す図である。 BHC補正の手順を示すフローチャートである。 BHC補正で用いるファントムを示し、(a)は全体斜視図、(b)は部分拡大図である。 実施の形態4におけるX線CTによる検査方法を示す図である。 X線源と試料配置部との間に配置する遮蔽材を例示する図であり、(a)は遮蔽材付き円板、(b)はX線源との位置関係、を示す図である。 実施の形態5におけるX線CTによる検査方法を示す図である。 実施例1での、試験体A1における、(a)断層像、(b)模式図である。 試験体A2における、(a)断層像、(b)模式図である。 比較例B1における、(a)断層像、(b)模式図である。 参考例C1における、(a)断層像、(b)模式図である。 実施例2における各試験体の断層像である。 図14の各試験体の断層像の模式図である。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1におけるX線CTによる検査方法を示す図である。X線源21から出射された白色のX線20は、回転駆動される試料配置部23に配置された試料10を透過して、検出部22で検出される。試料10を透過する際に、X線は、試料10の各部分で吸収される。検出データは、マイクロコンピュータまたはPCを主要部とするデータ処理部によって、数百枚の断層像に再構成される。その断層像を基にして3次元像を構成することができる。X線CT装置の心臓部であるデータ処理部は、試料10の各部のX線吸収の差を鋭敏に拡大して断層像を再構成する。X線吸収率が大きい部分は白く、またX線吸収が生じない部分は真っ黒く、X線吸収率が小さい部分は灰色に、表示される。
X線吸収率が過度に相違する材料が混在する試料の場合、データ処理部は、適正な断層像を出力することができなくなる。一応の断層像を得ることはできるが、たとえば、樹脂と、原子番号26以上の元素を主に含む材料(重元素材料)、たとえば銅(Cu)と、が混在する場合、非破壊検査等の目的にかなう断層像を得ることができない。その原因は、(1)上述のように、樹脂と重元素材料とのコントラスト差が大きいこと、かつ、(2)重元素材料からのアーティファクト(ノイズ)があること、によって、樹脂、ボイド等は表示されず、重元素材料の部分のみが真っ白に表示される。いわば、重元素材料の明るすぎる白色のために、眩惑されてその他の部分の形状が表示できない。
図1(a)に示す試料10は、図1(b)に示すように、円柱状の試料本体10aと、それを収納する円筒状の筒体11とで構成されている。試料本体10aは、図2に示すように、銅(Cu)線31と、その被覆樹脂(ポリエチレンなど)32と、防水樹脂35とを主材料に含んでいる。この試料は、自動車用ワイヤーハーネスにおいて、ワイヤーハーネスが筐体を通過する箇所40に、その箇所40を伝って水が筐体内に移動しないようにした防水ワイヤーハーネスである。複数の銅線ケーブル33(31,32)をスプライスして裸の撚り銅線31aを締結して防水樹脂35で被覆し、かつ撚り線31a間に防水樹脂35を導入して水の遮断部を形成したものである。最外層をPVC(塩化ビニル)シート37で被覆してある。
試料中、樹脂は炭素と水素との結合の仕方で各種のものがあるが、元素的には炭素(C:6)と、水素(H:1)とを基本とする。窒素(N:7)を含む場合もある。一方、銅線31aにおける銅(Cu:29)は、原子番号が炭素等に比べてかけ離れていて、X線吸収率は樹脂に比べて格段に大きい。質量吸収係数で比較すると、次のとおりである(改訂4版 金属データブック(平成16年2月29日発行、社団法人日本金属学会 丸善株式会社発行))。あとの参考にするためにアルミニウムの質量吸収係数も挙げておく。
<波長0.771×10−10m(MoKα)>(単位0.1m/kg)
炭素(C):0.576
銅(Cu):49.1
アルミニウム(Al):5.11
<波長1.790×10−10m(CoKα)>
炭素(C):7.07
銅(Cu):78.0
アルミニウム(Al):76.4
銅は、炭素より約10倍、質量吸収係数が大きい。また、X線のエネルギが高い短波長側で、銅とアルミニウムの差が大きく、やはり10倍程度の相違があることが分かる。X線吸収能は測定方法に応じて各種の名称があるが、以後の説明では、X線吸収能は、問題を生じない限りX線吸収率の語を用いる。
データ処理部による処理の結果、X線吸収率が大きい材料は白く出力され、X線吸収率が小さい材料は灰色もしくは黒で表示される。図2に示すように、X線吸収率の相違が大きい材料が混在する試料の場合、コントラスト差に加えて、X線吸収率が大きい材料によるアーティファクト(ノイズ)が生じる。この結果、X線吸収率が小さい材料に対して、形状が判別可能な断層像を出力することができない。
実施例において詳しく説明するが、上記の説明を例示する実証データとして、次の試料の断層像の例を示す。
<樹脂被覆した銅線>:図12に示す断層像
<樹脂被覆したアルミニウム線>:図13に示す断層像
試料は、いずれも、各樹脂被覆線を所定範囲で締結して、防水樹脂で被覆した試料(図2のマークSの位置のみを延在させた円柱状試料)である。
樹脂被覆アルミニウム線では、鮮明な、3種類の樹脂32,35,37の形状、ボイドV等が出力されている。これに対して、樹脂被覆した銅線では銅線31のみが各銅線を鮮明に表示しているが、樹脂については識別不能である。このようなX線CTによる断層像の違いは、単に、銅線かアルミニウム線かによる。
本実施の形態における検査方法のポイントは次の試料形態にある。図1(b)に示すように、本実施の形態では、試料10において、試料本体10aはステンレス鋼管11に収納されている。ステンレス鋼管の管厚みは、たとえば0.5mmとするのがよい。ステンレス鋼は、上記のように、鉄、ニッケル等を主成分とする材料であり、重元素材料に該当する。図2に示す複合体の試料を、重元素材料のステンレス鋼管に収納することで、複合体の試料に入る前と後で、X線はステンレス鋼管による吸収を受ける。重元素材料に照射されるX線も、樹脂に照射されるX線も、同じ比率で吸収される。非常に単純化して考えると、ステンレス鋼管を通り試料に当たる前、X線は、たとえば100exp(−a)(aはステンレス鋼管の厚み込みのX線吸収率(波長について平均化:以下、省略する))である。試料中の銅線を通ったX線は100exp(−(a+h))(hは銅線の試料中の平均占有率込みのX線吸収率)であり、樹脂を通ったX線は100exp(−(a+j))(jは樹脂の平均厚み込みのX線吸収率)となる。樹脂と銅線の平均厚み(平均占有率)はほぼ同じとする。そして、そのあとステンレス鋼管を通ったX線は、銅線の部分では100exp(−(2a+h))であり、樹脂の部分では100exp(−(2a+j))である。両者を比較すると、X線量の比率は、exp(h/j)であり、ステンレス鋼管の影響はまったくない。しかし、ステンレス鋼管は因子exp(−2a)倍だけ、検出部が受けるX線量をどの部分も減少させる。これによって、少なくとも上記の(2)重元素材料からのアーティファクト(ノイズ)を低減することができる。データ処理部での処理においても、良い方向に影響を受けると考えられるが、データ処理部はブラックボックス内にあり、明確なことはいえない。結果的に、試料本体10aを筒体11に収納することで、複合体の試料において、樹脂部と、重元素材料部と、空隙部とが、識別可能なレベルにまで鮮明性が向上した断層像を得ることができる。
なお、X線源の線量を、電気的条件を変えることで調整することは可能であるが、限られた範囲でしか調整することができない。さらに、上記の断層像の鮮明性の向上には、上記したように単なるX線の線量だけで説明しにくい作用もある。
上記の現象は、「強烈な光の下で弱い発光体を認識することは非常に難しいが、同じ比率で光量を減らされたあとで、穏やかな光のなかで微かな発光点を認識することは、それほど困難ではない。」ことに、比喩的に通じる。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2におけるX線CTによる検査方法を示す図である。本実施の形態では、実施の形態1における検査方法に対して、試料10と検出部22との間に後方遮蔽板13を配置した点がポイントである。後方遮蔽板13は、たとえば厚み3mmの銅板とするのがよい。後方遮蔽板13は重元素材料に該当する材料で構成しなければならない。
この後方遮蔽板13は、実施の形態1におけるステンレス鋼管11と同様に、X線の総量を減らして、断層像におけるX線吸収率の小さい材料の形状を正確にするためのものである。実施の形態1のステンレス鋼管11は、検査の際に、X線は2回、通過したが、後方遮蔽板13の場合は、試料10を通過したあと1回、通過される相違がある。その他の点では、現状、これ以上のことは言えない。
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3におけるX線CTによる検査方法を示す図である。本実施の形態では、図3に示す実施の形態2の検査方法に加えて、BHC補正を行った点に特徴を有する。X線源で発生したX線は、物体を透過する際に吸収され減衰する。このときエネルギの低いX線はその物体を透過しにくく、透過後では、エネルギの高い、波長の短い成分が、入射前よりも高い比率となる。このとき十分な透過エネルギが無い場合、カッピング現象と呼ばれる擬像が現れて正当な評価をすることができない。カッピング現象による擬像は、画像中央部から外周に向かって漸次明るくなる同心円状の像である。透過後のX線は、高い周波数の成分の比率が入射前よりも高くなるが、この現象をX線が硬くなるといい、X線ビームハードニング現象と呼ぶ。X線ビームハードニング現象の結果、X線吸収率の相違は、上記のように、より一層、際だつようになる。BHC補正とは、この点を、データ処理部に補正するように委ねるものである。BHC補正の機能は、X線CT装置には、本来、備わっているが、産業用途の場合、使用者が、そのBHC補正のためのファントム(Phantom)と呼ばれる較正用サンプルを自作しなければならない。
図5は、BHC補正の手順を示すフローチャートである。まず、ステップSで、試料中の材料で、原子番号が最も高い元素を主成分とする材料、今の場合は銅、に対する補正用部材であるファントムを作製する。ファントムPは、図6(b)に示すように、同じ厚みの銅板15が10枚、各銅板15が、他のすべての銅板の端に対してその端15eをずらして結束されている。各銅板15の端15eの位置は、表層板にマークmを付して、分かるようにしてある。ファントムPの正面からX線が通過する場合、全体で、すべての板厚、すなわち1枚〜10枚の各板厚を通過するように配置する。X線がすべての板厚を通過することができれば、各銅板15の端15eの位置を示すマークmは、とくに無くてもよい。
このようなファントムPを作製したあと、ステップSで、ファントムPを試料配置部23に配置して、実際の試料を検査するときと同じ条件(管電圧、電流)でX線源21を稼働させる。今の場合、管電流100μA、管電圧200kVである。測定されたデータは、データ処理部のデータファイル部に保存される。このデータの内容は二次元データであり、外部から読み出すことはできない。次いでステップSで、データ処理部で、BHC補正の項目を選択し、先に保存したファントムのデータを読み込む。これによって、BHC補正の準備が完了する。このあと、実際に試料を検査すると、データ処理部は実際の試料を検査したデータに対してBHC補正を実施する。
X線CT装置またはデータ処理部は、ファントムの材質が何かは認識していない。使用者が、検査する試料の中身に対応して適切な材質を選択する必要がある。ファントムPを検査することで、データ処理部は、その試料中の最もX線吸収率が大きい材料について、10水準の補正用データを得たものと認識する。このとき、実際の試料の検査と同じX線源の管電圧、電流でないと、適正なBHC補正はかからない。これまで、銅と樹脂と空隙(ボイド)とが組み合わさった試料は、検査されたことはなく、図6に示す銅板15から形成されるファントムPは自作しなければならない。
本実施の形態における、ステンレス鋼管11内への試料10a本体の収納、銅板の後方遮蔽板13の配置、およびBHC補正、をすべて行うことで、図2に示すワイヤーハーネスの防水部の検査を確実に行うことができる。すなわち、ワイヤーハーネスの防水部をX線CTによって検査することにより、銅線、樹脂、所定の場合には空隙(ボイド)、の形状を鮮明に得て、非破壊的に検査することが可能になった。
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4におけるX線CTによる検査方法を示す図である。本実施の形態では、実施の形態1における検査方法に対して、試料とX線源21との間に配置する少なくとも1つの遮蔽材として、ステンレス鋼管を用いないで遮蔽板18を用いた点に特徴を有する。試料配置部23に配置するのは試料本体10aである。本実施の形態における、最大の利点は、試料本体10aがステンレス鋼管のような筒体のサイズ以内という制約を受けない点にある。ワイヤーハーネス防水部を切り出して筒体に収納することは簡単ではない。本実施の形態では、ワイヤーハーネスを切断することなく、ワイヤーハーネス全体を試験体に用いて、防水部を試料配置部23に接着テープ等を用いて固定してもよい。この結果、簡単に試料を準備でき、製造現場等での検査に効果を発揮する。さらに遮蔽板18は、X線源21の直近に配置してよいので、遮蔽板18のサイズを小さく、たとえば10mm直径の円板や、10mm×10mm正方形、などとすることができる。遮蔽材18は、例えば厚み0.5mm〜5.0mmの銅板などを用いるのがよい。
遮蔽材18の作用は、実施の形態1におけるステンレス鋼管11の作用とほぼ同じと考えられる。少なくとも結果的に、重金属と樹脂とが混在する試料のX線断層像を鮮明にする作用に関しては同様であり、ステンレス鋼管と遮蔽材18とがはっきり異なる効果を及ぼすという知見は得られていない。
ステンレス鋼管11は、試料の後ろ側の後方遮蔽材が自動的に配置されることになるが、本実施の形態の場合の遮蔽板18は、後方遮蔽材は備えることにならない。しかし、後方遮蔽材の作用はそれほど顕著ではない。
図8は、本実施の形態に用いることができる遮蔽材18の形態を例示する図であり、(a)は10mm直径の、銅板18aその他の重金属板18b、を厚みを変えて、大円板の縁に沿って配置した遮蔽材18を示し、(b)はX線源21との位置関係を示す、図である。このような遮蔽材18を用いて、遮蔽材として適切な重金属材料およびその厚みを得ることができる。
(実施の形態5)
図9は、実施の形態5におけるX線CTによる検査方法を示す図である。本実施の形態では、図7に示す実施の形態4の検査方法に加えて、BHC補正を行った点に特徴を有する。実施の形態1に対する実施の形態3の関係は、実施の形態4に対する実施の形態5の関係と同じである。すなわち、本実施の形態では、実施の形態4に対して、後方遮蔽板13を配置し、かつBHC補正を行っている。このため、実施の形態3で説明したのと同じように、本実施の形態においても補正モードにして銅のファントムの測定を行う。これによって、実施の形態3で説明した作用と同様の作用を得ることができる。
実施の形態4および5の検出方法については、実施例2において実測断層図を用いて説明する。
図2に示すワイヤーハーネスのマークSの部分に相当する試料を作製して、試験体とした。スプライス部を含めないで、マークSの部分に限ったのは、マークSの部分が試験体のうち最も止水樹脂の充填状態の確認が困難であったためである。試験体は、試験体A1、A2、および、比較例B1は、複数本の銅線ケーブルを結束して、その結束部に防水樹脂処理をしたものである。また、参考例C1の試験体は、銅線をアルミニウム線で置き換えたものである。検査条件は、次のとおりである。これら試験体および検査条件を表1にまとめて示す。
(試験体A1):実施の形態1と同様。すなわち、ステンレス鋼管内に試験体を収納。ステンレス鋼管の外径は10mmであり、肉厚は0.5mmである。
(試験体A2):実施の形態3と同様。すなわち、ステンレス鋼管内に試験体を収納し、厚み3mmの銅板を遮蔽板として配置し、BHC補正を実施。
(比較例B1):試験体は、試験体A1、A2と同じ。対策は何も実施しない。従来の方法のとおり。
(参考例C1):試験体は、試験体A1,A2,比較例B1における樹脂等は同じままで、銅線のみをアルミニウム線に置き換えたもの。対策は何も実施しない。従来の方法のとおり。
Figure 2015007648
検査した断層像を、図10〜13に示す。いずれの図も、(a)はX線CTから出力された断層像であり、(b)はその模式図である。以後の説明では、とくに断らない限り、(a)および(b)の両方を参照しながら説明することとする。
<試験体A1(図1の実施の形態1の検査方法)>:
図10に示す本試験体A1では、防水樹脂35の輪郭は識別することができる。また防水樹脂35中のボイドVも判別できる。各ケーブル中の銅線31は6角形に束ねられているのが分かる。しかし、6角形の中の個々の銅線は、識別できない(防水機能の判定には必要ないが。)。ケーブルの被覆樹脂と、防水樹脂との境界は判別することはできない。
<試験体A2(図4の実施の形態3の検査方法)>:
図11に示す試験体A2では、アーティファクトがなくなり、防水樹脂35の輪郭、ボイドVの形状、ともに明瞭に判別することができる。また、防水樹脂35と、ケーブルの被覆樹脂32との境界Bについても、判別ができ、すべての境界で識別可能である。試験体A2に基づき、本検査方法によって、防水機能付きワイヤーハーネスの検査を確実に実施できることが判明した。
<比較例B1>:
図12(a),(b)に示すように、ケーブル内の銅線31は非常に鮮明に見え、個々の銅線まで明瞭に識別できる。しかし、アーティファクトが銅線集合の6角形の間に生じており、防水樹脂、被覆樹脂などについては、まったく判別できない。
<参考例C1>:
比較例B1と同様に、何も対策はとっていないが、図13(a),(b)に示すように、防水樹脂35、被覆樹脂32、6角形の銅線31の集合、ボイドV、最外層のPVCシート37、すべてが識別可能に明瞭に観察される。このような断層像の大きな相違が、アルミニウムと銅との相違に起因しているのは、直ぐには信じがたいことである。
Figure 2015007648
表2の上記の検査の結果を示す。試験体A1によれば、何も対策をとらない比較例B1に比べて、防水樹脂の輪郭、およびボイドを判別することができるようになる。しかし、アーティファクトはかなり生じており、防水樹脂と被覆樹脂との境界などは判別できない。これに対して、試験体A2では、アーティファクトは消失して、防水樹脂、被覆樹脂、およびボイドを明瞭に判別することができる。
試料に応じて、上記の検査方法を用いることで、非破壊的に、重元素材料と軽元素材料とが混在する試料に対して、明瞭な断層像を得ることができる。
本実施例では、ワイヤーハーネスの防水部などの検査を説明したが、検査対象はワイヤーハーネスに限定されない。たとえば、断面において、酸化ケイ素(SiO2)などを主成分とする光ファイバが4芯含まれるETFEチューブを、複数の銅線が取り囲み、さらに銅線の編み組で包んだ、電気・光複合ケーブルなどを折り曲げるピンチ箇所の信頼性の検査に用いることができる。ピンチ箇所では光ファイバ内のセラミックスの破損等が懸念される。上記の検査方法を適用することで、信頼性の高い電気・光複合ケーブルを得ることができる。
後方遮蔽板13を用いた上で、実施の形態4および5に対応した検出方法を実施した。試験体は、実施例1で用いた複合体試料1種類を用いた。すなわち、樹脂被覆銅線21を防水樹脂35で結束した試料を用いた。試験の条件は次のとおりとした。なお、いずれの場合も、厚み3.0mmの銅製後方遮蔽板13を配置した。
(1):遮蔽板:あり、なし。遮蔽板がある場合の、遮蔽板18の厚み:1.0mm、3.0mm(いずれも銅製)
(2):BHC補正:あり、なし。ファントムは実施例1と同じ。
上記の6試験条件のうち、遮蔽板なし(BHC補正あり、BHC補正なし)の2つの試験条件が比較例であり、遮蔽板ありは、BHC補正の有無によらず、また遮蔽板の厚みによらず、本発明例に該当する。
6つの検出結果(断層像)を図14に、また、その模式図を図15に示す。これらの断層像の判定結果を、要約して表3に示す。
Figure 2015007648
検出結果は、要約すると、次のとおりである。
(1):(最下段、左欄)に示すように、遮蔽板18に厚み3.0mm程度の銅板を用い、BHC補正を行うことで、防水樹脂35中のボイドVは、位置によらず形状の識別が可能である。また、ケーブル被覆樹脂32、防水樹脂35の区別ができる。
(2):(遮蔽材18およびBHC補正の効果(中段および下段、左欄)):遮蔽板18の厚み増大にともない線束31の間に位置するボイドVの形状が識別できるようになる。また、防水樹脂35とケーブル被覆樹脂32の区別も、明確とは言い難いが、識別可能になる傾向がある。
(3)(上、中、下段、右欄)に示すように、BHC補正のない検出は、線束31の間にわたって暗部Dが生成し、この位置の防水樹脂35中のボイドVを隠す。実施例1においては、白線を含む複雑な幾何文様の形態で生成していた(明示していない)。本実施例ではBHC補正がない場合、線束31間にわたってバンド状に明白に生成する。暗部Dの大きさ(バンドの幅)は、遮蔽材18である銅板を配置してその厚みが増すと小さくなる傾向がある。
BHC補正がない場合でも、ボイドVは、線束31から離れた縁の部分で、不完全であるが形状識別が可能になる。ただし、遮蔽板18がなくBHCがない場合(上段、右欄)、縁のボイドVの形状は信頼性が小さくなる傾向がある。
本実施例では、ステンレス鋼管の内容積以内など試験体のサイズに制約を受けにくい、遮蔽板18を用いた実施例を説明した。この結果、ステンレス鋼管を用いないで遮蔽材18を用い、かつBHC補正および後方遮蔽板13と合わせることで、図14および図15の下段左欄に示すように、樹脂中のボイドVの形状を鮮明に捕捉できることが判明した。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明のX線CTによる検査方法によれば、銅等の重元素材料と、樹脂等の軽元素材料とが混在し、ある場合には空隙も含まれる試料を対象に、断面における各材料の形状を識別可能に、すなわち高い空間分解能で出力することができる。このため、多くの工業用途に適用が可能であり、X線CTの利用拡大をはかることができる。
10 試料、10a 試料本体、11 ステンレス鋼管、13 銅板の後方遮蔽板、15 ファントムの銅板、15e 銅板の端、18 遮蔽板、20 X線、21 X線源、22 検出部、23 試料配置部、31 銅線、32 ケーブル被覆樹脂、35 防水樹脂、37 PVCシート、40 防水部、P ファントム、V ボイド。

Claims (7)

  1. X線源と、試料配置部と、検出部と、前記検出部で検出されたデータを処理して断層像を出力するデータ処理部と、を有するX線CT(Computed Tomography)装置を用いて検査する方法であって、
    樹脂と、原子番号26以上79以下のなかの少なくとも一つの元素を主成分に含む材料とを、含む複合体の試料を準備する工程と、
    前記試料配置部に配置された前記試料と前記X線源との間に、少なくとも1つの、原子番号26以上の元素を主成分に含む材料からなる遮蔽材を配置した状態で、前記遮蔽材を通して前記試料にX線を照射する工程と、
    該試料を通ったX線を前記検出部で検出して、前記データ処理部において、前記複合体の、前記樹脂、および原子番号26以上79以下のなかの少なくとも一つの元素を主成分に含む材料の、形状を示す断層像を出力する工程と、を備えることを特徴とする、X線CTによる検査方法。
  2. 前記少なくとも1つの遮蔽材として原子番号26以上の元素を主成分に含む材料からなる筒体を用い、該筒体に前記複合体の試料を収納して、該試料を含む筒体を前記試料配置部に配置することを特徴とする、請求項1に記載のX線CTによる検査方法。
  3. 前記試料配置部と前記検出部との間に、さらに、原子番号26以上の元素を主成分に含む材料からなる後方遮蔽材を配置して、該後方遮蔽材を通ったX線を前記検出部で検出することを特徴とする、請求項1または2に記載のX線CTによる検査方法。
  4. 前記試料にX線を照射して前記検出部で検出する前に、前記複合体内の最も原子番号の大きい元素を主成分に含む材料、と同じ材料または同等の材料からなる補正用部材であるファントムを準備する工程と、前記X線CT装置を補正モードに切り換えて、前記試料の代わりに前記ファントムを前記試料配置部に配置して、該ファントムに前記試料への照射と同じX線光源条件下でX線を照射して該ファントムを通ったX線を前記検出部で検出して、前記データ処理部に該ファントムのデータを記憶させる工程と、を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のX線CTによる検査方法。
  5. 前記試料が、銅線と樹脂とを含み、銅よりも大きい原子番号の元素を含む材料を含まないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のX線CTによる検査方法。
  6. 前記試料は、複数の銅線が樹脂によって被覆されたケーブルが、複数本撚られて形成されたワイヤーハーネスにおいて、該ワイヤーハーネスの所定部分をスプライスして束ねて前記銅線に沿って水通路が形成されないように防水樹脂処理した部分であり、銅よりも大きい原子番号の元素を含む材料がないことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のX線CTによる検査方法。
  7. 前記試料が、シリコン(Si)酸化物を主成分とするセラミックスと銅線と樹脂とを含み、銅よりも大きい原子番号の元素を含む材料を含まないことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のX線CTによる検査方法。
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