JP2008145004A - 垂直焼成炉及びそれを使用した焼成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】垂直に設置された炉チューブ36及び該炉チューブの周囲に配置された加熱源52からなる第1加熱炉12と、前記炉チューブの上方に配置されて粉末状の被焼成材料を前記チューブ内に落下させる被焼成材料投入装置14と、前記炉チューブの上端部38から雰囲気ガスを投入する雰囲気ガス投入装置と、前記炉チューブの下端部から雰囲気ガスを含む排気ガスを引出し、冷却して排気する排気装置104と、前記炉チューブの下端部に少なくとも一部焼成され落下した被焼成物を一定時間加熱保持する第2加熱炉16とを有することを特徴とする垂直焼成炉10。
【選択図】図1
Description
た。
この問題を解決するために、粉末状の被処理品の落下するチューブ内を空気等の雰囲気ガスによって充満し、気体の抵抗により粉末を終末速度で落下させ落下時間を数秒〜十数秒に調整してやることが考えられる。
本発明は、従来の焼成炉の上述した問題点に鑑みてなされたものであって、被焼成材料を焼成容器等に入れることなく被焼成材料の汚染の恐れが極めて低くい垂直焼成炉及びそれを使用した焼成方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、装置の構成が簡易であり、消費電力が少なく、均一な焼成が可能な垂直焼成炉及びそれを使用した焼成方法を提供することを目的とする。
本発明はさらに、焼成時間が短く、かつ焼成温度、焼成時間の管理が容易である垂直焼成炉及びそれを使用した焼成方法を提供することを目的とする。
本発明はさらに、垂直焼成炉の炉の高さが低くても被焼成材料が均一的に焼成され、かつ炉内の滞留時間が長くなって、熱効率よく焼成がなされる垂直焼成炉及びそれを使用した焼成方法を提供することを目的とする。
前記炉チューブの上方に配置されて粉末状の被焼成材料を前記チューブ内に落下させる被焼成材料投入装置と、
前記炉チューブの上端部から雰囲気ガスを投入する雰囲気ガス投入装置と、
前記炉チューブの下端部から雰囲気ガスを含む排気ガスを引出し、冷却して排気する排気装置と、
前記炉チューブの下端部に少なくとも一部焼成され落下した被焼成物を一定時間加熱保持する第2加熱炉と
を有することを特徴とする垂直焼成炉である。
前記雰囲気ガスが、空気、酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、水素、ハロゲンガスのいずれか又はこれらの混合ガスであることを特徴とする。このような雰囲気ガスを使用することによって、焼成物に必要なガス雰囲気を提供するとともに、焼成物を安定した流速で落下させることができる。
前記チューブが、複数の単体チューブを接続して構成されていることを特徴とする。このように構成することにより、高さすなわち垂直焼成炉の長さの異なるものを安いコストで迅速に製造できる利点を得ることができる。
前記電気ヒータが、複数の単体電気ヒータを接続して構成されていることを特徴とす
る。このように構成することにより、高さすなわち垂直焼成炉の長さの異なるものを安いコストで迅速に製造できる利点を得ることができる。
本発明の垂直焼成炉及び焼成方法によればまた、装置の構成が簡易であり、消費電力が少なく、均一な焼成が可能である効果を得ることができる。
本発明垂直焼成炉及び焼成方法によれば、垂直炉の高さを低くすることが可能でありかつ焼成時間が短く、さらに焼成温度、焼成時間の管理が容易である効果を得ることができる。
本発明の焼成方法によればまた、垂直焼成による効果に加え、焼成された被処理物を一旦、温度を下げることなく加熱し続けることが可能で、焼成物の焼成具合を調整することが可能であり、一般的な低い建物内でも設置が可能となる。
本発明の形態の垂直焼成炉10は、図1に示すように、垂直に設置された第1加熱炉部12、被焼成材料を投入するために第1加熱炉部12の上方に配置された被焼成材料投入部14、第1加熱炉部12の下方に配置された第2加熱炉部16、第2加熱炉部16の下方に配置された回収部18、及び第2加熱炉部16の側方に配置された排気部20を有する。
下方加熱体52は、第1ないし第5加熱ブロック52HAないし52HEからなっている。加熱ブロック52HAないし52HEの電気ヒータ54は、各加熱ブロック毎に独立して加熱温度を制御することが可能である。
上述した実施形態の複合式の垂直焼成炉10において、粒径1ミクロン以下のシュウ酸バリウムチタニルを焼成し、チタン酸バリウムを合成した。
各加熱ブロック50HAないし50HE及び52HAないし52HEのよる第1加熱炉部12内の対応する部分の焼成温度は次表のように制御した。
加熱ブロック50HA OFF
加熱ブロック50HB OFF
加熱ブロック50HC 1100℃
加熱ブロック50HD 1100℃
加熱ブロック50HE 1100℃
加熱ブロック52HA 1100℃
加熱ブロック52HB 1100℃
加熱ブロック52HC 1100℃
加熱ブロック52HD 1100℃
加熱ブロック52HE 1100℃
回転テーブル表面温度 1200℃
焼成速度は、1g/sec であり、被焼成物の加熱炉部12内の通過に要する時間は、5秒、第2加熱炉部内の回転テーブルの回転数は0.5回/分であった。この条件で合成したチタン酸バリウムの粉末X線回折装置による測定の結果を、図7に示す。図7において、横軸は計数管の傾斜角度すなわち回折角度を示し、縦軸はX線強度を示す。
特許文献1〜4等に開示されたトンネル型仮焼成炉においては、一般的に、消費電力は50キロワット、加熱炉部の高さは300mm、幅は400mm、長さは12m、加熱炉内容積は1.5m3で程度であった。本装置の設置に、約80m2を要した。設備費用は、上述した本発明の実施形態の約5倍であった。
本発明の垂直焼成炉の効率を更に確認するために以下の焼成を行った。炭酸バリウムと酸化チタンをモル比1:1になるように配合し、加熱炉部12の上から落下させ、チタン酸バリウムを合成した。
上述した垂直焼成炉10を使用した。実施例1で設定した焼成温度を、加熱ブロック60Bないし60Eによる炉内加熱温度を1200℃に変更し、焼成材料を一回炉内を通過させた。第2加熱炉の温度は1200℃テーブルの回転数は0.5回/分、空気である雰囲気ガスの加熱炉部12の下部からの排出速度は、10リットル/分、加熱部12を通過する時間は4秒であった。この条件で合成したチタン酸バリウムの粉末X線回折装置による測定の結果を、図7に対応する図8に示す。
以上の焼成実験により、本発明の垂直焼成炉が効率よく焼成処理できることがわかる。
なお、本発明で使用する垂直焼成炉は、被焼成材料の粒子の大きさや重量によって、雰囲気ガスを流すことなく仮焼成を行うことができる。また、雰囲気ガスの流速を変えることや、雰囲気ガスを下から上に流すことによって、被焼成材料の炉内の滞留時間を調整して所望の仮焼成を行うことも可能である。
一方、同一の仮焼焼成を行う場合、一本のチューブの垂直焼成炉を複数使用するより、同一径のチューブを複数束ねた垂直焼成炉の方が、温度管理が容易であり、均一な仮焼成を行う点からも好ましい。
12 第1加熱炉部
14 被焼成材料投入部
16 第2加熱炉部
18 回収部
20 排気部
30 ホッパー
32 落下量調整バルブ
34 内側攪拌チューブ
36 第1加熱炉チューブ
38 攪拌ガス投入チューブ
40 雰囲気ガス投入パイプ
50 上方加熱体
50A、・・・、50E 断熱ブロック部材
52A、・・・、52D 断熱ブロック部材
50RA 凹部
50HAないし50HE 第1ないし第5加熱ブロック
52HAないし52HE 第1ないし第5加熱ブロック
54 電気ヒータ
70 回転円盤
71 第2加熱ハウジング
72 駆動モータ
76 スクレーパー
80 電気ヒータ
82 排出孔
86 ホッパー
84 排出バルブ
88 回収タンク
100 排気ガス冷却器
102 排気制御バルブ
104 排気装置
Claims (10)
- 垂直に設置された炉チューブ及び該炉チューブの周囲に配置された加熱源からなる第1加熱炉と、
前記炉チューブの上方に配置されて粉末状の被焼成材料を前記チューブ内に落下させる被焼成材料投入装置と、
前記炉チューブの上端部から雰囲気ガスを投入する雰囲気ガス投入装置と、
前記炉チューブの下端部から雰囲気ガスを含む排気ガスを引出し、冷却して排気する排気装置と、
前記炉チューブの下端部に少なくとも一部焼成され落下した被焼成物を一定時間加熱保持する第2加熱炉と
を有することを特徴とする垂直焼成炉。 - 前記加熱源が、電気ヒータ、ガス燃焼ヒータのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の垂直焼成炉。
- 前記雰囲気ガスが、空気、酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、水素、ハロゲンガスのいずれか又はこれらの混合ガスであることを特徴とする請求項1に記載の垂直焼成炉。
- 前記被焼成材料投入装置が、前記炉チューブに挿入可能な外径を有していて、前記炉チューブに着脱自在に連通され、前記炉チューブの上部より投入された被焼成材料を前記炉チューブ内で攪拌するための攪拌チューブを備えたことを特徴とする請求項1に記載の垂直焼成炉。
- 前記炉チューブが、複数の単体チューブを接続して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の垂直焼成炉。
- 前記加熱源が、複数の電気ヒータユニット又はガス燃焼ヒータユニットを接続して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の垂直焼成炉。
- 前記第2加熱炉が、被焼成材料を回転円盤で受け取り、所定時間後に被焼成材料を回転円盤から落下させて排出することを特徴とする請求項1に記載の垂直焼成炉。
- 請求項1に記載の垂直焼成炉を使用し、雰囲気ガスとして空気を使用し、垂直焼成炉のチューブ温度を1100℃〜1300℃、第2加熱炉の温度を1100℃〜1300℃で2分間以上加熱保持し焼成することを特徴とする焼成方法。
- 前記雰囲気ガスの流量調整によって焼成時間を調整することを特徴とする請求項8に記載の焼成方法。
- 前記焼成方法によってチタン酸バリュウムを仮焼成することを特徴とする請求項8又は9に記載の焼成方法。
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