JP2008144878A - 液化ガスの受入システム及び液化ガスの受入システムの運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンクローリー車に搭載されたLNGの一部の量をLNG貯槽に移送する場合においても、移送終了時にLNG移送ラインにLNGが残留しないLNGの受入システム及びLNGの受入システムの運転方法を提供する。
【解決手段】タンクローリー車のタンク61とLNG貯槽10とを着脱自在に接続するLNG移送ライン20と、LNGを気化する加圧蒸発器50と、加圧蒸発器50によりLNGを気化した気化ガスをタンク61に供給する加圧ライン40と、LNG移送ライン20のタンク61側と加圧ライン40のタンク61側とを連通する第1バイパス80とを具備し、加圧蒸発器50からの天然ガスを第1バイパス80を介してLNG移送ライン20に流入させ、天然ガスの圧力によりLNG移送ライン20内に残留したLNGをLNG貯槽10に移送させる。
【選択図】図1

Description

本発明は液化ガスの受入システム及び液化ガスの受入システムの運転方法に関し、特に、タンクローリー車と液化ガス貯槽との間の液化ガス移送ラインに液化ガスが残留しないよう液化ガスを当該液化ガス貯槽へ供給する場合に適用して有用なものである。
従来、LNG(液化天然ガス)サテライト基地では、LNGの受入システムを介して、タンクローリー車のタンクに搭載されたLNGをLNG貯槽に移送している(例えば、特許文献1参照)。
ここで、従来、タンクローリー車からLNG貯槽にLNGを移送する際に用いられるLNGの受入システムについて説明する。
図5は、従来技術に係るLNGの受入システムの構成を示す概略図である。なお、図中の斜線部分はLNGを示し、点部分は気化ガスである天然ガスを示している。同図に示すように、LNGの受入システムは、LNGを貯留するタンクであるLNG貯槽10と、タンクローリー車60のタンク61とLNG貯槽10とを接続する管路であるLNG移送ライン20と、LNGを気化する加圧蒸発器50と、タンク61と加圧蒸発器50との間に配設された加圧ライン40と、加圧蒸発器50に液化ガスを供給するLNG供給路30とを備えている。
また、LNG移送ライン20は第1接続部26とフレキシブルホース22とを含み構成されている。この第1接続部26とフレキシブルホース22とは着脱自在に構成されており、フレキシブルホース22と第1接続部26とが接続してタンク61からLNG貯槽10に至るLNGの供給路が構成されている。
ここで、LNGの移送作業は、次のように行われる。すなわち、LNG供給路30を介してタンク61から加圧蒸発器50にLNGを供給し、この加圧蒸発器50により気化された天然ガスが所定の圧力に調圧されて、タンク61内に流入される。タンク61内のLNGは昇圧された天然ガスの圧力により、LNG移送ライン20を介してLNG貯槽10に移送される。
通常、このようなLNGの移送作業の際には、タンク61内にあるLNGの全量がLNG貯槽10に移送されるため、タンク61のLNGが空になるときには、LNG移送ライン20内部、例えばその一部であるフレキシブルホース22内部には加圧された天然ガスが残留するのみであり、液体のLNGが残留することは稀である。
しかしながら、タンク61のLNGを全量ではなく一部の量をLNG貯槽10に移送する場合、タンク61からLNG貯槽10へのLNGの移送を途中で停止することから、フレキシブルホース22内部等には液体のLNGが残留することになる。この結果、フレキシブルホース22を第1接続部26から取外すときに、フレキシブルホース22内に残留したLNGが周囲に散乱して発火する虞がある。
最近では、タンクローリー車60は輸送コストを低減するために一度に搬送するLNGの量を増加させる傾向にあり、また、今後は小規模のLNGサテライト基地が増設されると予想されている。したがって、上述したように、タンク61の全量ではなく所定量のLNGをLNG貯槽10に移送する場合が増えると考えられており、このような場合においても安全にLNGを移送することができる対策が望まれている。
特開2002−54796号公報
本発明は、かかる事情に鑑み、タンクローリー車と液化ガス貯槽との間の液化ガス移送ラインに液化ガスが残留しないよう液化ガスを当該液化ガス貯槽へ供給する液化ガスの受入システム及び液化ガスの受入システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、液化ガスを搬送するタンクローリー車のタンクと液化ガス貯槽とを着脱自在に接続する管路である液化ガス移送ラインと、液化ガスを気化する加圧蒸発器と、前記加圧蒸発器により液化ガスを気化した気化ガスを前記タンクに供給する管路である加圧ラインとを具備し、前記加圧蒸発器から前記タンクに供給される前記気化ガスの圧力により前記液化ガス移送ラインを介して前記タンクから前記液化ガス貯槽へ液化ガスを移送させる液化ガスの受入システムにおいて、前記液化ガス移送ラインの前記タンク側と前記加圧ラインの前記タンク側とを連通する管路である第1バイパスと、この第1バイパスに介装されて当該第1バイパスを開閉する第1バイパス弁とを具備することを特徴とする液化ガスの受入システムにある。
かかる第1の態様では、加圧蒸発器による天然ガスが第1バイパスを介して液化ガス移送ラインに流入するよう構成されているため、この天然ガスの圧力により液化ガス移送ライン内に残留した液化ガスは液化ガス貯槽へと移送される。この結果、液化ガス移送ライン内に液化ガスが残留することを回避することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する液化ガスの受入システムにおいて、前記液化ガス移送ラインの前記液化ガス貯槽側と前記加圧蒸発器へ前記液化ガスを供給する液化ガス供給路とを連通する管路である第2バイパスと、この第2バイパスに介装されて当該第2バイパスを開閉する第2バイパス弁とを具備することを特徴とする液化ガスの受入システムにある。
かかる第2の態様では、液化ガス移送ラインに残留した液化ガスは第2バイパスを介して液化ガスの液化ガス供給路に流入するよう構成されているため、液化ガス移送ラインから液化ガスを除去することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載する液化ガスの受入システムにおいて、前記液化ガス貯留タンクと前記気化ガスの供給を受ける気化ガス設備との間に配設されると共に前記気化ガスを貯留する気化ガス貯留タンクと、前記加圧ラインと前記気化ガス貯留タンクとを連通する管路である第3バイパスとを具備することを特徴とする液化ガスの受入システムにある。
かかる第3の態様では、液化ガス移送ラインに残留した液化ガスが除去されると共に、この除去した液化ガスは気化ガス貯留タンクを介して気化ガス設備に供給されるため、液化ガスを無駄なく利用することができる。
本発明の第4の態様は、第1乃至第3の何れか一つの態様に記載する液化ガスの受入システムにおいて、前記タンクには、前記液化ガス移送ラインを着脱自在に接続する第1接続部、及び前記加圧ラインを接続する第2接続部が設けられており、前記第1バイパスは、前記第1接続部と前記第2接続部とを連通するよう配設されていることを特徴とする液化ガスの受入システムにある。
かかる第4の態様では、液化ガス移送ラインの全体に亘って残留したLNGを押圧して、残留したLNGを除去することができる。
本発明の第5の態様は、液化ガスを搬送するタンクローリー車のタンクと液化ガス貯槽とを着脱自在に接続する管路である液化ガス移送ラインと、液化ガスを気化する加圧蒸発器と、前記加圧蒸発器により液化ガスを気化した気化ガスを前記タンクに供給する管路である加圧ラインとを具備する液化ガスの受入システムの運転方法であって、前記液化ガス移送ラインの前記タンク側と前記加圧ラインの前記タンク側とを連通する管路である第1バイパスを配設し、前記第1バイパスに介装されて前記第1バイパスを開閉する第1バイパス弁を開放して前記加圧蒸発器の前記気化ガスを前記液化ガス移送ラインに流入させることを特徴とする液化ガスの受入システムの運転方法にある。
かかる第5の態様では、加圧蒸発器による天然ガスを第1バイパスを介して液化ガス移送ラインに流入させるため、この天然ガスの圧力により液化ガス移送ライン内に残留した液化ガスは液化ガス貯槽へと移送される。この結果、液化ガス移送ライン内に液化ガスが残留することを回避することができる。
本発明の第6の態様は、第5の態様に記載する液化ガスの受入システムの運転方法において、前記液化ガス移送ラインの前記液化ガス貯槽側と前記加圧蒸発器への前記液化ガスの供給路とを連通する管路である第2バイパスを配設し、前記第2バイパスに介装されて前記第2バイパスを開閉する第2バイパス弁を開放して前記液化ガス移送ライン内に残留した液化ガスを前記供給路へ流入させることを特徴とする液化ガスの受入システムの運転方法にある。
かかる第6の態様では、液化ガス移送ラインに残留した液化ガスを第2バイパスを介して液化ガス供給路に流入させるため、液化ガス移送ラインから液化ガスを除去することができる。
本発明によれば、加圧蒸発器による天然ガスが第1バイパスを介して液化ガス移送ラインに流入するよう構成されているため、この天然ガスの圧力により液化ガス移送ライン内に残留した液化ガスは液化ガス貯槽へと移送される。この結果、液化ガス移送ライン内に液化ガスが残留することを回避することができる。また、液化ガス移送ラインに残留した液化ガスは第2バイパスを介して液化ガス供給路に流入するよう構成されているため、液化ガス移送ラインから液化ガスを除去することができる。
したがって、特にタンクローリー車のタンクに搭載された液化ガスの一部の量しか液化ガス貯槽に供給しないような場合において、液化ガス移送ライン内に液化ガスが残留することにより周囲に液化ガスを散乱させることや、液化ガスを発火させることなどを懸念することもなく、液化ガス移送ラインを安全にタンクから切り離すことができる。
また、本発明によれば、液化ガス移送ラインに残留した液化ガスが除去されると共に、この除去した液化ガスは気化されて需要者の気化ガス設備に供給されるため、液化ガスを無駄なく利用することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
<実施形態1>
本実施形態は、タンクローリー車から液化ガスの一例である液化天然ガス(LNG)を受け入れて貯蔵し、LNGを気化したものである天然ガスを需要者に供給するLNGサテライト基地において、LNG貯蔵基地に配設されたLNG貯槽とタンクローリー車との間に配設される管路内にLNGを残留させずにLNG貯槽へLNGを移送することが可能なLNG受入システムを実現するものである。
図1は、実施形態1に係るLNGの受入システムの構成を示す概略図である。図1に示すように、実施形態1に係るLNGガスの受入システムは、LNGを貯留するタンクであるLNG貯槽10と、タンクローリー車60のタンク61とLNG貯槽10とを接続する管路であるLNG移送ライン20と、LNGを気化する加圧蒸発器50と、タンク61と加圧蒸発器50との間に配設された加圧ライン40と、加圧蒸発器50に液化ガスを供給するLNG供給路30とを備え、更に、LNG移送ライン20の第1接続部26と第3接続部46とを連通する第1バイパス80と、LNG移送ライン20とLNG供給路30との間に配設された第2バイパス90とを更に具備している。
詳言すると、LNG移送ライン20は、タンク61とLNG貯槽10との間に配設されて、タンク61に搭載されたLNGをLNG貯槽10に供給する管路である。具体的には、このLNG移送ライン20は、蛇腹状に形成された管路であるフレキシブルホース22とタンク61側に設けられたLNGの排出口となる第1接続部26とを含み構成されている。この第1接続部26は管状部材である第1接続管25と、その先端部に設けられたフレキシブルホース22の取付部23と、第1接続管25に介装されて第1接続管25を開閉する第1移送ライン弁21とから構成されている。この取付部23にフレキシブルホース22を取り付けることにより、LNG移送ライン20がタンク61とLNG貯槽10とを連通し、LNGの供給が可能になる。
また、LNG移送ライン20のフレキシブルホース22の基端部側には、LNG移送ライン20を開閉する第2移送ライン弁24が介装されており、液化ガスの流れを制御することが可能となっている。
なお、LNG移送ライン20は、上述のようにフレキシブルホース22や第1接続部26を介して接続される場合に限定されず、一本の管状部材がタンク61に直接的に着脱自在に接続された構成であってもよい。
タンク61の近傍にはLNGを気化して天然ガスを発生させる加圧蒸発器50が配設されている。この加圧蒸発器50には、加圧蒸発器50にLNGを供給する管路であるLNG供給路30、及び天然ガスをタンク61に供給する管路である加圧ライン40が接続されている。すなわちタンク61内のLNGがLNG供給路30を介して加圧蒸発器50に供給され、加圧蒸発器50によりLNGを気化した天然ガスが加圧ライン40を介してタンク61内に供給されるよう構成されている。
詳言すると、LNG供給路30は、タンク61と加圧蒸発器50との間に配設されてタンク61内のLNGを加圧蒸発器50に供給する管路である。このLNG供給路30は、タンク61に対して着脱自在に接続可能になっている。具体的には、このLNG供給路30は、蛇腹状に形成された管路であるフレキシブルホース32と、タンク61側に設けられたLNGの排出口となる第2接続部36とを含み構成されている。この第2接続部36は管状部材である第2接続管35と、その先端部に設けられたフレキシブルホース32の取付部33と、第2接続管35に介装されて第2接続管35を開閉する第1供給路弁31とから構成されている。なお、LNG供給路30のフレキシブルホース32の基端部側には、LNG供給路30を開閉する第2供給路弁34が介装されており、液化ガスの流れを制御することが可能となっている。
なお、タンク61以外に、加圧蒸発器50にLNGを供給する他のLNG供給手段があるならば、このLNG供給路30は必ず設けなければならないものではない。
加圧ライン40は、タンク61と加圧蒸発器50との間に配設されて加圧蒸発器50による天然ガスをタンク61に供給する管路である。この加圧ライン40は、タンク61に対して着脱自在に接続可能になっている。具体的には、この加圧ライン40は、蛇腹状に形成された管路であるフレキシブルホース42と、タンク61側に設けられた天然ガスの受入口となる第3接続部46とを含み構成されている。この第3接続部46は管状部材である第3接続管45と、その先端部に設けられたフレキシブルホース42の取付部43と、第3接続管45に介装されて第3接続管45を開閉する第1加圧ライン弁41とから構成されている。この取付部43にフレキシブルホース42を取り付けることにより、加圧蒸発器50がタンク61と接続され、加圧蒸発器50からタンク61への天然ガスの供給が可能になる。なお、加圧ライン40のフレキシブルホース42の基端部側には、加圧ライン40を開閉する第2加圧ライン弁44と、気化ガスの圧力を調整する圧力調整弁47とが介装されている。
第1バイパス80は、第1接続管25と第3接続管45とを連通する管路であり、この第1バイパス80には第1バイパス80を開閉する第1バイパス弁81が介装されている。なお、第1バイパス80の取り付け位置は上述した箇所に限定されず、LNG移送ライン20のタンク61側と加圧ライン40のタンク61側との間を連通するならばどこでもよい。
第2バイパス90は、LNG移送ライン20とLNG供給路30との間に上下方向に延設された管路である。ここでLNG供給路30は、LNG移送ライン20よりも下方に設けられている。つまり、LNG移送ライン20内に流れるLNGは第2バイパスを介してLNG供給路30へ流入するよう構成されている。
また、本実施形態では、第2バイパス90の一端は、LNG移送ライン20のフレキシブルホース22よりもLNG貯槽10側に接続されると共に、他端は加圧ライン40のフレキシブルホース42よりもLNG貯槽10側に接続されている。また、第2バイパス90には第2バイパス90を開閉する第2バイパス弁91が介装されている。
なお、上述したように、加圧蒸発器50に対してタンク61からのLNG供給路30を設けない場合は、この第2バイパス90を設ける必要はない。
なお、本実施形態では、需要者の有する天然ガス設備に対して天然ガスを供給する供給系は次のように構成されている。LNG貯槽10のLNGが加圧蒸発器70により気化されて天然ガスとなり、この天然ガスが圧力調整弁71、104により所定圧力値に調圧されて需要者の天然ガス設備に供給される。なお、LNG貯槽10には払い出し用の加圧蒸発器11が設けられている。すなわち、LNG貯槽10内のLNGが加圧蒸発器11により気化されて天然ガスとなり、圧力調整弁12により昇圧された天然ガスの圧力により、LNG貯槽10のLNGが加圧蒸発器70に供給される。
一方、加圧蒸発器70と需要者との間には内部に充填された天然ガスの発熱量を調整する気化ガス貯留タンクであるミキシングタンク103が介装されている。このミキシングタンク103は管路である第3バイパス100を介して加圧蒸発器50と接続されている。すなわち、LNG貯槽10に貯留されたLNGがLNG加圧蒸発器70により気化された天然ガスと、後述するように加圧蒸発器50により気化された天然ガスとがミキシングタンク103内で混合して、需要者に供給されるように構成されている。
かかる構成のLNGの受入システムにおいて、通常、タンク61からLNG貯槽10へのLNGの移送は次のように行われる。まず、タンク61に対してLNG移送ライン20、LNG供給路30、及び加圧ライン40をそれぞれ第1接続部26、第2接続部36、第3接続部46に接続する。そして第1乃至第2供給路弁31、34を開放して加圧蒸発器50にLNGを供給し、第1乃至第2加圧ライン弁41、44を開放して加圧蒸発器50による天然ガスを圧力調整弁47により所定の圧力値に調圧してタンク61内に供給する。
例えば、この天然ガスの圧力値を0.45MPaとし、LNG貯槽10の内部圧である0.3MPaよりも高く設定することで、タンク61とLNG貯槽10との内部圧の差圧により、タンク61内のLNGをLNG移送ライン20を経由してLNG貯槽10に移送させることができる。
このとき、第1バイパス弁81、及び第2バイパス弁91は閉止している。したがって、LNG供給路30からLNG移送ライン20へはLNGが流入しないようになっている。すなわち、上述したように第1バイパス弁81、及び第2バイパス弁91を閉止した状態の受入システムにおけるLNGの移送や天然ガスの流れは従来の受入システムと同様である。
一方、タンク61のLNGの全量ではなく一部の量をLNG貯槽10に移送するに、LNG移送ライン20内でLNGが残留することを回避する受入システムの構成について説明する。
図2及び図3は、実施形態1に係るLNGの受入システムの運転状況を示す概略図である。図2に示すように、第1移送ライン弁21、及び第1供給路弁31が閉止されている。これによりタンク61からタンク貯槽10、及び加圧蒸発器50へのLNGの移送が停止し、フレキシブルホース22からLNG貯槽10へ至るLNG移送ライン20内部にLNGが残留している。したがって、第1加圧ライン弁41を閉止すると共に第1バイパス弁81を開放することで、LNG供給路30に残留したLNGが加圧蒸発器50で気化され、その天然ガスが第1バイパス80を介してLNG移送ライン20に流入する。この天然ガスの圧力により、LNG移送ライン20内に残留したLNGはLNG貯槽10へと移送され、この結果、LNG移送ライン20内にLNGが残留することを回避することができる。
なお、上述したように第1バイパス80の一端は、第1接続部26の第1接続管25に接続されているため、天然ガスはフレキシブルホース22の先端部側から基端部側へ向かってフレキシブルホース22内部の全体に亘って残留したLNGを押圧して、残留したLNGを除去することができる。
フレキシブルホース22には特にLNGが残留しやすいこと、及びフレキシブルホース22を第1接続部26から取外す際にその内部に残留したLNGが周囲に散乱しやすいことから、第1バイパス80の一端を上述したように第1接続部26に取り付けて確実に残留したLNGを除去することは特に有用である。
更に、次のようにして、LNG移送ライン20内に残留したLNGを取り除くことができる。図3に示すように、図2の状態から第2移送ライン弁24、及び第2加圧ライン弁44は閉止されており、第2バイパス弁91、及び第3バイパス弁101が開放されている。このとき、上述したようにLNG供給路30はLNG移送ライン20よりも下方に設置されており、且つ第2バイパス90も上下方向に亘って延設されているため、LNG移送ライン20に残ったLNGはその自重で第2バイパス90を経由してLNG供給路30に流入することになる。
この結果、LNG移送ライン20内部にはLNGが残留せず、フレキシブルホース22を第1接続部26から取外してもLNGが周囲に散乱する虞もない。また自重によりLNG供給路30に流入させているため、特別な動力を要する場合等と比較して低コストで実現することができる。
なお、LNG供給路30に流入したLNGは、加圧蒸発器50により気化されて天然ガスになると共に、第3バイパス100を介してミキシングタンク103に流入する。ミキシングタンク103に流入した天然ガスはLNG貯槽10のLNGが気化したものと混合し、所定の発熱量調整が行われた後、圧力調整弁104により調圧されて需要者へ供給される。
このようにLNG移送ライン20内などに残留したLNGも最終的には需要者へ供給されるため、LNGを無駄なく利用することができる。従来、LNGが気化したものである天然ガスはベントスタック用弁110を介してベントスタックへ送られ、大気中へ排出されていたことを鑑みると、本実施形態に係る受入システムは、このように大気中へ放出されるはずだった天然ガスを需要者に供給するため、経済的であるだけでなく、大気中に放出する温室効果ガスの量を削減できるという環境面での効果を奏する。
<実施形態2>
図4は、実施形態2に係るLNGの受入システムの運転状況を示す概略図である。なお、実施形態2に係るLNGの受入システムを有するLNGサテライト基地のうち、実施形態1に係るLNGの受入システムを有するLNGサテライト基地と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4に示すように、第1供給路弁31、第1移送ライン弁21、第2移送ライン弁24、及び第2加圧ライン弁44が閉止されており、且つ第2供給路弁34、第1加圧ライン弁41、第1バイパス弁81、及び第2バイパス弁91が開放されている。すなわち、タンク61内部の天然ガスやボイルオフガスが、加圧ライン40、第1バイパス80、LNG移送ライン20、第2バイパス90、LNG供給路30、第3バイパス100を順次経由して、ミキシングタンク103に流入するよう構成されている。
このとき、タンク61内部の天然ガス等がLNG移送ライン20に残留したLNGに触れて、これを気化するため、LNG移送ライン20内部にLNGが残留することを防止することができる。
一方、タンクローリー車60は、LNGサテライト基地から離れて公道を走行する際には、タンク61の内部圧を所定値(例えば0.40MPa)以下に減圧する必要がある。したがって、上述したようにタンク61内部の天然ガスやボイルオフガスをミキシングタンク103に流入させることで、かかる減圧とLNG移送ライン20内に残留したLNGを除去することを同時に行うことができる。
本発明は、LNGサテライト基地を運用する産業で利用することができる。
実施形態1に係るLNGの受入システムの構成を示す概略図である。 実施形態1に係るLNGの受入システムの運転状況を示す概略図である。 実施形態1に係るLNGの受入システムの運転状況を示す概略図である。 実施形態2に係るLNGの受入システムの運転状況を示す概略図である。 従来技術に係るLNGの受入システムの構成を示す概略図である。
符号の説明
10 LNG貯槽
20 LNG移送ライン
22 フレキシブルホース
26 第1接続部
30 LNG供給路
32 フレキシブルホース
40 加圧ライン
42 フレキシブルホース
46 第3接続部
50 加圧蒸発器
60 タンクローリー車
61 タンク
70 加圧蒸発器
80 第1バイパス
90 第2バイパス
100 第3バイパス
103 ミキシングタンク

Claims (6)

  1. 液化ガスを搬送するタンクローリー車のタンクと液化ガス貯槽とを着脱自在に接続する管路である液化ガス移送ラインと、液化ガスを気化する加圧蒸発器と、前記加圧蒸発器により液化ガスを気化した気化ガスを前記タンクに供給する管路である加圧ラインとを具備し、
    前記加圧蒸発器から前記タンクに供給される前記気化ガスの圧力により前記液化ガス移送ラインを介して前記タンクから前記液化ガス貯槽へ液化ガスを移送させる液化ガスの受入システムにおいて、
    前記液化ガス移送ラインの前記タンク側と前記加圧ラインの前記タンク側とを連通する管路である第1バイパスと、
    この第1バイパスに介装されて当該第1バイパスを開閉する第1バイパス弁とを具備することを特徴とする液化ガスの受入システム。
  2. 請求項1に記載する液化ガスの受入システムにおいて、
    前記液化ガス移送ラインの前記液化ガス貯槽側と前記加圧蒸発器へ前記液化ガスを供給する液化ガス供給路とを連通する管路である第2バイパスと、
    この第2バイパスに介装されて当該第2バイパスを開閉する第2バイパス弁とを具備することを特徴とする液化ガスの受入システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する液化ガスの受入システムにおいて、
    前記液化ガス貯留タンクと前記気化ガスの供給を受ける気化ガス設備との間に配設されると共に前記気化ガスを貯留する気化ガス貯留タンクと、
    前記加圧ラインと前記気化ガス貯留タンクとを連通する管路である第3バイパスとを具備することを特徴とする液化ガスの受入システム。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載する液化ガスの受入システムにおいて、
    前記タンクには、前記液化ガス移送ラインを着脱自在に接続する第1接続部、及び前記加圧ラインを接続する第2接続部が設けられており、
    前記第1バイパスは、前記第1接続部と前記第2接続部とを連通するよう配設されていることを特徴とする液化ガスの受入システム。
  5. 液化ガスを搬送するタンクローリー車のタンクと液化ガス貯槽とを着脱自在に接続する管路である液化ガス移送ラインと、液化ガスを気化する加圧蒸発器と、前記加圧蒸発器により液化ガスを気化した気化ガスを前記タンクに供給する管路である加圧ラインとを具備する液化ガスの受入システムの運転方法であって、
    前記液化ガス移送ラインの前記タンク側と前記加圧ラインの前記タンク側とを連通する管路である第1バイパスを配設し、前記第1バイパスに介装されて前記第1バイパスを開閉する第1バイパス弁を開放して前記加圧蒸発器の前記気化ガスを前記液化ガス移送ラインに流入させることを特徴とする液化ガスの受入システムの運転方法。
  6. 請求項5に記載する液化ガスの受入システムの運転方法において、
    前記液化ガス移送ラインの前記液化ガス貯槽側と前記加圧蒸発器への前記液化ガスの供給路とを連通する管路である第2バイパスを配設し、前記第2バイパスに介装されて前記第2バイパスを開閉する第2バイパス弁を開放して前記液化ガス移送ライン内に残留した液化ガスを前記供給路へ流入させることを特徴とする液化ガスの受入システムの運転方法。
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