JP2008143755A - 洗い出し調仕上げ塗り組成物および化粧仕上げ施工方法 - Google Patents

洗い出し調仕上げ塗り組成物および化粧仕上げ施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大量の水を使用することなく、余剰の擬凝結セメントペーストまたはモルタルをそのまま除去して、美麗骨材の露出を乾式的に行うことができる洗い出し調の化粧仕上げが可能な塗り組成物および化粧仕上げ方法を提供すること。
【解決手段】美麗骨材とセメントペーストまたはモルタルとからなり、上記美麗骨材と上記セメントペーストまたはモルタルとの関係が、下記式(1)で表されることを特徴とする洗い出し調仕上げ塗り組成物。
Vm=Vaφ(1+k)・・・・・(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、洗い出し調の化粧仕上げが可能な塗り組成物および化粧仕上げ施工方法に関し、さらに詳しくは、美麗骨材の表面の露出を水を用いる洗い出しではなく、乾式的に行なえるウォッシュレス洗い出し調塗り組成物および化粧仕上げ施工方法に関する。
母材としてのセメントペーストまたはモルタルに、美麗な玉砂利、大理石砕石およびガラスビーズなど(以下「美麗骨材」という場合がある)を埋め込んだ本来的な化粧仕上げは、上記母材に上記美麗骨材を混合した塗り組成物を、被塗装体としての床や壁に、10〜20mmの厚さで塗り、該組成物が擬凝結状態に達したところで美麗骨材の表面を覆っている余剰母材を大量の水で洗い落として仕上げられる。その後上記塗り組成物が完全に硬化すれば、美麗にして耐久性に優れた化粧仕上げ面が得られる。このような方法は、国の内外を問わず、舗道、内外床面および内外壁面に好評裡に利用されている(特許文献1)。
特開2006−36577公報
従来公知の洗い出し化粧仕上げは確かに素晴らしいが、その仕上げに際してセメントと砂を含む排水が大量に排出される。この排水が排水溝に流れ込むことは大きな問題であるが、上記排水を回収しようとしても有効な手段がない。環境汚染の監視が強化されている近年において、環境汚染が甚だしい従来の洗い出し仕上げは、施工が非常に難しくなってきている。上記問題の原因は、美麗骨材の表面を大量の水を用いて洗い出すため、大量のセメントと砂まじりの排水を排出するという湿式処理にある。
従って、本発明の目的は、大量の水を使用することなく、余剰の擬凝結セメントペーストまたはモルタルをそのまま除去して、美麗骨材の露出を乾式的に行うことができる洗い出し調の化粧仕上げが可能な塗り組成物および化粧仕上げ方法を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、美麗骨材とセメントペーストまたはモルタルとからなり、上記美麗骨材と上記セメントペーストまたはモルタルとの関係が、下記式(1)で表されることを特徴とする洗い出し調仕上げ塗り組成物(以下単に塗り組成物ということもある)を提供する。該組成物においては、上記美麗骨材のサイズが、7厘粒度(長径2.2mm)から8分粒度(26.4mm)の範囲であること;およびJIS A 1101で規定されるスランプが、8〜18cmであることが好ましい。
Vm=Vaφ(1+k)・・・・・(1)
(但し、Vmは、被塗装体表面に下塗りする量を含むセメントペーストまたはモルタルの容積を、Vaは美麗骨材の容積を、φはJIS A 1104で決定される美麗骨材の空隙率を、kは塗り作業因子であって0.00〜0.50の数値を表す。)
また、本発明は、
(1)被塗装体表面に、セメントペーストまたはモルタルを下塗りする工程と、
(2)上記下塗り面に、上記本発明の塗り組成物を塗布する工程と、
(3)上記塗布した組成物が擬凝結状態に達したところで、美麗骨材の表面を覆っているセメントペーストまたはモルタルを水洗することなく除去する工程と、からなることを特徴とする洗い出し調化粧仕上げ施工方法を提供する。
本発明によれば、大量の水を使用することなく、余剰の擬凝結セメントペーストまたはモルタルをそのまま除去して、美麗骨材の露出を乾式的に行うことができる洗い出し調の化粧仕上げが可能な塗り組成物および化粧仕上げ施工方法を提供することができる。
つまり、母材としてのセメントペーストまたはモルタルに、美麗骨材を混合した塗り組成物をコテで被塗装体表面に塗り、まだ、未硬化状態にある母材を左官バケのような腰の強いハケで物理的に除去して美麗骨材を露出させて化粧仕上げを完成させるというものである。化粧仕上げ面から除去された、いわば余剰母材は擬乾燥状態であり、塵芥のように掃き集めたり、電気掃除機で除去したりすることが可能である。また、本発明によれば、擬乾燥母材の除去量を可及的に少なくすることができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明で使用する美麗骨材としては、天然玉砂利、大理石の破砕粒子、その角を落として丸めた人工玉石およびガラスビーズなど、美麗と感じられる粒子の全てが利用に供し得る。美麗骨材の形状は可及的に球状であることが望ましい。その方が高レベルのコテ塗り作業性が得られるからである。これによりVm(被塗装体表面に下塗りする量を含むセメントペーストまたはモルタルの容積)の縮減が可能になる。
化粧仕上げの出来映え、すなわち、意匠性の決め手になるのは、美麗骨材の美麗さ、サイズおよびその充填加減である。同じ美麗骨材であっても、そのサイズが大きければ大きいほど出来映えは良くなるが、それとは裏腹に塗り作業性が低下することに注意を要する。出来映えの良さに惹かれて美麗骨材のサイズを無理に大きくすることは、化粧仕上げの施工上問題である。
本発明において、使用に適した美麗骨材のサイズは、慣例的表示に従えば、7厘粒度(長径2.2mm)から8分粒度(26.4mm)の範囲であることが好ましい。ここでいう「分」とは尺貫法でいうところの「分」であり、「1分」ほぼ3.3mmである。この粒度は篩目のサイズである。この篩で篩分けられ、呼称粒度の1分下のサイズが除去されたものである。従って多少の粒度分布をもつ。例えば、3分粒度の玉砂利は2分粒度下のサイズが除去されたもので、長径が7〜9mmの範囲の粒度である。また、5分粒度と云えば、4分粒度下のサイズが除去されたもので、長径が12〜17mmの範囲の粒度を含む。
美麗骨材は単一粒度のものでも、好みに応じて複合粒度の混合物でも使用に供し得る。また、異なる粒度の美麗骨材の複合に際しては、異種美麗骨材の混合も、意匠の幅を広げる上で好ましい。異種粒度の美麗骨材の混合物は、混合により空隙率(φ)が低下する。2種の粒度の混合物よりも3種の粒度の混合の方がφの低下は一段と大きくなる。このφの低下は2つの効果をもたらす。その1は母材量Vmの縮減である。φが小さくなればなるほど、母材量Vmは縮減され、美麗骨材を露出させるために必要とする余剰母材のかき落とし量も縮減される。その2は、化粧仕上がり面における美麗骨材の詰まり加減のアップである。
本発明で使用する母材としてのセメントペーストまたはモルタルは、セメント、砂および水から構成される。セメントは普通ポルトランドセメントで特に問題はないが、何か特別な注文があれば、それに応じて適当なタイプを選択すればよい。例えば、母材を着色して、意匠性にバラエティを持たせたい場合、グレーのポルトランドセメントよりも白色セメントの方が、着色の鮮明さにおいて遥かに勝っている。また、水硬化速度を速めたければ、早強ポルトランドセメントを、さらには超早強ポルトランドセメントを使用すればよい。
さらに母材の性能を改変するためには、さまざまなセメント添加剤を使用することができる。例えば、母材の凝結速度の遅延にはグルコン酸塩、クエン酸塩およびリグニンスルホン酸塩などが、流動性改善にはリグニンスルホン酸塩やアルキルナフタレンスルホン酸塩およびポリカルボン酸塩などが有効に働く。
砂は、川砂であれ、硅砂であれ、いずれも使用に供し得るが、化粧性が最も要求される化粧仕上げにあっては、純度の高い硅砂の方が好ましい。砂の適当なサイズは4から8号であり、これよりも大きいと、化粧表面がざらざらした感じに硬化し、これよりも小さいと母材の粘りが強すぎて、コテ塗り作業性を低下させる。
水は、可及的に少ない方が、硬化後のクラックの発生が少なくなるが、それとは裏腹に塗り組成物のコテ塗り作業性を低下させる。従って、混練水は少なからず多からず、使用に供する状態での塗り組成物、つまり美麗骨材、セメントおよび砂を水で練った組成物で、JIS A 1101で規定されるスランプが8〜18cmに納まる程度、好ましくは10〜15cmに納まる程度に練り上げる水量が好ましい。
本発明の塗り組成物は、前記の美麗骨材と前記の母材とを混練することによって得られるが、その混練比率が本発明の特徴である。塗り組成物は、好ましい塗り作業性を確保した上で、最終的に除去されるべき母材量が可及的に少ないものであることが要求される。本発明では、塗り組成物の組成が、次式(1)を満足するときに本発明の目的が良好に達成されることを見いだした。
Vm=Vaφ(1+k)・・・・(1)
ここで、Vmは、被塗装体表面に下塗りする量を含むセメントペーストまたはモルタルの容積を、Vaは美麗骨材の容積を、φはJIS A 1104で決定される美麗骨材の空隙率を、kは塗り作業因子であり、0.00〜0.50の数値を表す。本発明においては、上記の塗り作業因子kが0.00〜0.50の範囲にあればよく、最も好ましくは0.15〜0.45である。kの値、すなわち、Vmが大きければ大きいほど、塗り作業性は向上するが、それとは裏腹に最終的に除去すべき母材の量が増える。
なお、洗い出し調化粧仕上げ塗りを実施する場合には、被塗装体表面に予め、前記母材単独を薄く、例えば、1〜6mm程度の厚さに下塗りしておき、該下塗りが擬凝結状態になる前に、好ましくは直ちに前記塗り組成物を塗布することが好ましい。すなわち、下塗りをすることにより、その上に塗布する前記塗り組成物中の美麗骨材の被塗装体表面に対する引っ掛かりが良くなり、塗り作業性が向上する。また、下塗りを行うことで塗り組成物中の母材量も減少し、最終的に除去する不要母材の量が減少する。これに対して下塗りを行わないと、塗り組成物を鏝などで塗布する際に、塗り組成物中の美麗骨材がゴロゴロとした感触を作業者に与え、塗り組成物が塗りにくく、塗り作業性が低下する。なお、本発明におけるVmは上記下塗りに用いる母材も含むものとしている。
本発明の洗い出し調化粧仕上げ施工方法は、下記の工程(1)〜(3)を含むことが特徴である。
(1)被塗装体表面に、セメントペーストまたはモルタルを下塗りする工程、
(2)上記下塗り面に、前記本発明の塗り組成物を塗布する工程、および
(3)上記塗布した組成物が擬凝結状態に達したところで、美麗骨材の表面を覆っているセメントペーストまたはモルタルを水洗することなく除去する工程
上記被塗装体としては、特に限定されないが、例えば、一般遊歩道、公園、庭、料亭の玄関、玄関先の道、美術館、体育館、資料館などの建物の内外壁や敷地内の広場などが挙げられる。
本発明では、まず、第一の工程として、上記の如き被塗装体表面に、前記母材として説明したセメントペーストまたはモルタルを下塗りする。この下塗り量は特に限定されないが、厚みで云えば、約1〜6mm程度であることが好ましい。下塗りが多過ぎる(厚過ぎる)と、その上に塗り組成物を塗る場合、下塗りが塗り組成物中に盛り上がり、塗り組成物中の美麗骨材同士が離れることになる。結果として粗い仕上がりになる。一方、下塗りが少な過ぎる(薄過ぎる)と前記のように塗り作業性が低下する。
次いで、第二の工程として、上記下塗り面が擬凝結状態に達する前に、好ましくは直ちに前記本発明の塗り組成物を塗布する。塗り量は塗布面積に従うが、塗り厚みは8〜30mmであることが好ましい。塗り厚みが薄過ぎると、美麗骨材の固定性が低下する。一方、塗り厚みが厚過ぎると、なぜか塗り組成物中の母材が下塗り側に沈み込み、上塗りの美麗骨材間に隙間ができ、出来映えが低下する。
次いで、第三の工程として、上記塗布した組成物が擬凝結状態に達したところで、美麗骨材の表面を覆っているセメントペーストまたはモルタルを水洗することなく除去する。塗布された組成物は母材の種類によってその凝結時間が異なるので、母材の種類に応じて時間を設定し、擬凝結状態に達したところで、美麗骨材の表面に付着している母材を腰の強い左官バケなどで掻き取り、美麗骨材の表面を露出させる。美麗骨材の露出は目的にあわせた露出度でよいが、最大でも美麗骨材の厚さの1/2程度であることが好ましい。さらに必要に応じて濡れたスポンジや布などで表面を奇麗にすることで本発明の施工方法は完了する。
上記掻き取られた母材は、幾分塗れた状態の粉末であり、吸引機などで容易に集塵可能であるから、従来の水での洗い出しによるセメントや砂を含む大量の排水は殆ど生じない。また、従来の水による洗出しでは、固形分として1平方メートル当たり約3,500〜5,500gの母材が失われるが、本発明の施工方法では、失われる母材量は、固形分として1平方メートル当たり約300〜2,000gと激減し、環境汚染が顕著に抑制されるとともに、極めて経済的である。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
美麗な大磯砂利を美麗骨材として使用した。該美麗骨材は、単一粒度ではなく、3分粒度の大磯砂利(長径が7〜9mmの玉砂利)100質量部に2分粒度の大磯砂利(長径が5〜7mmの玉砂利)50質量部を均一に混合したものである(この混合美麗骨材を以下「混骨−I」と呼ぶ)。該混骨−IのJIS A 1104に従って測定した空隙率(φ)は0.33であった。
上記空隙率の混骨−Iの2.44kg(見掛け容積(Va)1,350ml)に対して、母材モルタル446ml(Vm、k=0.00)を用意した。この母材モルタルは、普通ポルトランドセメント100質量部に7号硅砂100質量部とメチルセルロース0.2質量部を混じ、水53質量部で練り混ぜて調製した。
市販のコンクリート板(大きさは30×30×6cm)に、上記母材モルタルを約1mmの厚さにコテ塗りし(塗り量は約90ml)、残りの母材モルタル(約356ml)を前記混骨−Iに練り混ぜて本発明の塗り組成物とした。このときの塗り組成物のJIS A 1101で規定されるスランプは9.0cmであった。この塗り組成物を、上記コンクリート板の下塗り面に15mmの厚さにコテ塗りした。コテ塗り作業性は、後述比較例4で明らかにする従来的な洗い出し仕上げの塗り組成物を「並」(以下この評価基準を使用する)にランク付けすれば「下」であり、塗り延ばしは極めて困難であった。
塗り終えたら、約5時間放置して母材が擬凝結状態になってから、腰の強い左官バケでおおまかに美麗骨材を覆う母材モルタルを取り除き、次いで水に浸したスポンジで、美麗骨材表面を拭きあげて、ウォッシュレス洗い出し調仕上げを完成させた。この表面処理で除去された不要モルタルは箒で掃き集めが可能であった。つまり、乾式的取り扱いができた。かくして排出された母材モルタル量は、僅かに326g/m2であった。
上記仕上げの出来映えは、コテ塗り作業性と同じく、従来的な洗い出し仕上げの出来映えを「並」(以下この評価基準を使用する)にランク付けすれば、とてもそのレベルに達しない「極下」程度であった。2週間空中養生してからJIS A 6916に従って、コンクリート板に対する仕上げ面の付着強さを測定したところ、1.3N/mm2の値が得られた。総合的な結果は下記表1に一覧的に示す。
[実施例2]
実施例1と同じ見かけ容積の混骨−Iを使用した。一方、実施例1におけると同じ比率で調合した母材モルタル503ml(Vm、k=0.13)を用意した。この母材を市販のコンクリート板(大きさは30×30×6cm)表面に1mmの厚さにコテ塗りし、残りの母材モルタルを上記混骨−Iに練り混ぜて本発明の塗り組成物を完成させた。このときの塗り組成物のスランプは9.5cmであった。
上記塗り組成物を、上記コンクリート板の下塗り面に15mmの厚さにコテ塗りした。コテ塗り作業性のランクは「下」であり、実施例1に比べて塗り延ばし性の改良が認められる。その他は実施例1と同様にしてウォッシュレス洗い出し調仕上げを完成させた。美麗骨材を露出させるために除去された不要モルタルの量は502g/m2であった。出来映えランクは「下」であり、実施例1に比べてかなり向上している。2週間空中養生してからJIS A 6916に従って、コンクリート板に対する仕上げ面の付着強さを測定したところ、1.6N/mm2の値が得られた。総合的な結果は、他の実施例および比較例のそれらと対比して表1に一覧的に示す。
[実施例3]
実施例1と同じ見かけ容積の混骨−Iを使用した。一方、実施例1におけると同じ比率で調合した母材モルタル588ml(Vm、k=0.32)を用意した。この母材を市販のコンクリート板(大きさは30×30×6cm)表面に1mmの厚さにコテ塗りし、残りの母材モルタルを上記混骨−Iに練り混ぜて本発明の塗り組成物を完成させた。このときの塗り組成物のスランプは10.5cmであった。
上記塗り組成物を、上記コンクリート板の下塗り面に15mmの厚さにコテ塗りした。コテ塗り作業性のランクは「並」であり、実施例1に比べて大幅に改良されている。その他は実施例1と同様にしてウォッシュレス洗い出し調仕上げを完成させた。美麗骨材を露出させるために除去された不要モルタルの量は820g/m2であり、塗り作業性は大幅に改良されたものの、その代わり、除去を要するモルタル量は実施例1の326g/m2から上記の量へ大幅に増えた。仕上げの出来映えのランクは「並」であり、実施例1に比べて大幅に向上している。2週間空中養生してからJIS A 6916に従って、コンクリート板に対する仕上げ面の付着強さを測定したところ、1.7N/mm2の値が得られた。総合的な結果は、他の実施例および比較例のそれらと対比して表1に一覧的に示す。
[実施例4]
美麗骨材として大磯砂利を使用した。これは単一粒度ではなく、5分粒度の大磯砂利(長径が12〜17mmの玉砂利)100質量部に3分粒度の大磯砂利(長径が7〜9mmの玉砂利)50質量部を均一に混合したものである(この混合骨材は以下「混骨−II」と呼ぶ)。JIS A 1104に従って測定したこの混骨−IIの空隙率(φ)は0.32であった。
上記空隙率の混骨−IIの2.47kg(見掛け容積1,350ml)に対して、実施例1におけると同じ比率で調合した母材モルタル583ml(Vm、k=0.35)を用意した。この母材モルタルを市販のコンクリート板(大きさは30×30×6cm)へ1mmの厚さにコテ塗りし、残りの母材モルタルを上記混骨−IIに練り混ぜて本発明の塗り組成物とした。このときのスランプは11.0cmであった。
上記塗り組成物を上記コンクリート板の下塗り面に15mmの厚さにコテ塗りした。コテ塗り作業性のランクは「並」であった。その他は実施例1と同様にしてウォッシュレス洗い出し調仕上げを完成させた。美麗骨材を露出させるために除去された不要モルタルの量は1,264g/m2であった。この実施例では塗り作業性は大幅に改良されたものの、その代わりに除去が必要なモルタル量は、実施例1の326g/m2から上記量へと大幅に増えた。仕上げの出来映えのランクは「上」であり、実施例1に比べて大幅な向上であるのは勿論のこと、従来的な洗い出し仕上げの出来映えをも凌ぐ。これは大粒度の美麗骨材を用いた効果である。2週間空中養生してからJIS A 6916に従って、コンクリート板に対する仕上げ面の付着強さを測定したところ、1.6N/mm2の値が得られた。総合的な結果は、他の実施例および比較例のそれらと対比して表1に一覧的に示す。
[実施例5]
美麗骨材として大磯砂利を使用した。これは単一粒度ではなく、3分粒度の大磯砂利(長径が7〜9mmの玉砂利)100質量部に2分粒度の大磯砂利(長径が5〜7mmの玉砂利)50質量部と7厘粒度の大磯砂利(長径が2〜3mmの玉砂利)50質量部とを均一に混合したものである(この混合骨材は以下「混骨−III」と呼ぶ)。JIS A 1104に従って測定したこの混骨−IIIの空隙率(φ)は0.29であった。
上記空隙率の混骨−IIIの2.59kg(見掛け容積1,350ml)に対して、実施例1におけると同じ比率で調合した母材モルタル482ml(Vm、k=0.23)を用意した。この母材モルタルを市販のコンクリート板(大きさは30×30×6cm)へ1mmの厚さにコテ塗りし、残りの母材モルタルを上記混骨−IIIに練り混ぜて本発明の塗り組成物とした。このときのスランプは10.5cmであった。
上記塗り組成物を上記コンクリート板の下塗り面に15mmの厚さにコテ塗りした。コテ塗り作業性のランクは「上」であった。その他は実施例1と同様にしてウォッシュレス洗い出し調仕上げを完成させた。美麗骨材を露出させるために除去された不要モルタルの量は668g/m2であった。塗り作業性は大幅に改良され、除去が必要なモルタル量は、実施例1の326g/m2からそれ程増えていない。しかし、仕上げの出来映えのランクは「下」である。これは骨材として微細骨材を使用したことに起因している。2週間空中養生してからJIS A 6916に従って、コンクリート板に対する仕上げ面の付着強さを測定したところ、1.5N/mm2の値が得られた。総合的な結果は、他の実施例および比較例のそれらと対比して表1に一覧的に示す。
[比較例1]
実施例1と同じ見かけ容積の混骨−Iを容易した。一方、実施例1におけると同じ比率で調合した母材モルタル682ml(Vm、k=0.53)を用意した。この母材を市販のコンクリート板(大きさは30×30×6cm)表面に1mmの厚さにコテ塗りし、残りの母材モルタルを上記混骨−Iに練り混ぜて比較例の塗り組成物を完成させた。このときの塗り組成物のスランプは12.0cmであった。
上記塗り組成物を、上記コンクリート板の下塗り面に15mmの厚さにコテ塗りした。コテ塗り作業性のランクは「上」であり、実施例1に比べて塗り延ばし性が遥かに改良されている。その他は実施例1と同様にしてウォッシュレス洗い出し調仕上げを完成させた。美麗骨材を露出させるために除去された不要モルタルの量は実に2,146g/m2であった。塗り作業性は大幅に改良されているものの、その代わりに除去を要するモルタルの量は、実施例1の326g/m2から上記の量へと大幅に増えている。出来映えのランクは「並」であり、実施例1に比べて大幅に向上している。2週間空中養生してからJIS A 6916に従って、コンクリート板に対する仕上げ面の付着強さを測定したところ、1.7N/mm2の値が得られた。総合的な結果は、他の実施例および比較例のそれらと対比して表1に一覧的に示す。
[比較例2]
実施例4と同じ見かけ容積の混骨−IIを使用した。一方、実施例1におけると同じ比率で調合した母材モルタル670ml(Vm、k=0.55)を用意した。この母材を市販のコンクリート板(大きさは30×30×6cm)表面に1mmの厚さにコテ塗りし、残りの母材モルタルを上記混骨−IIに練り混ぜて比較例の塗り組成物を完成させた。このときの塗り組成物のスランプは12.5cmであった。
上記塗り組成物を、上記コンクリート板の下塗り面に15mmの厚さにコテ塗りした。コテ塗り作業性のランクは「上」である。その他は実施例1と同様にしてウォッシュレス洗い出し調仕上げを完成させた。美麗骨材を露出させるために除去された不要モルタルの量は実に2,377g/m2であった。塗り作業性は大幅に改良されているものの、その代わりに除去を要するモルタルの量は、実施例1の326g/m2から上記の量へと大幅に増えている。出来映えのランクは「上」であり、実施例1に比べて大幅に向上している。2週間空中養生してからJIS A 6916に従って、コンクリート板に対する仕上げ面の付着強さを測定したところ、1.8N/mm2の値が得られた。総合的な結果は、他の実施例および比較例のそれらと対比して表1に一覧的に示す。
[比較例3]
実施例5と同じ見かけ容積の混骨−IIIを使用した。一方、368ml(Vm、k=−0.06)の母材モルタル(実施例1におけると同じ比率で調製した母材モルタル)を用意した。この母材モルタルを市販のコンクリート板(大きさは30×30×6cm)表面に1mmの厚さにコテ塗りし、残りの母材モルタルを上記混骨−IIIに練り混ぜて比較例の塗り組成物を完成させた。このときの塗り組成物のスランプは8.5cmであった。
上記塗り組成物を、上記コンクリート板の下塗り面に15mmの厚さにコテ塗りした。コテ塗り作業性のランクは「極下」である。その他は実施例1と同様にしてウォッシュレス洗い出し調仕上げを完成させた。美麗骨材を露出させるために除去された不要モルタルの量は378g/m2であった。出来映えのランクは「極下」である。これはkの値が低いことによる。2週間空中養生してからJIS A 6916に従って、コンクリート板に対する仕上げ面の付着強さを測定したところ、1.0N/mm2の値が得られた。総合的な結果は、他の実施例および比較例のそれらと対比して表1に一覧的に示す。
[比較例4]
この比較例では、従来の洗い出し仕上げ工法であり、洗い出し仕上げ施工技術をもつ職人の手で実施した。使用した美麗骨材は2分粒度の大磯砂利である。JIS A 1104に従って測定したこの美麗骨材の空隙率(φ)は0.35であった。その美麗骨材1,350mlに水を加えて、塗りごろの固さに練ったポルトランドセメントペースト900mlを母材として混合して、塗り組成物に使用した。このときのスランプは10.5cmであった。
市販のコンクリート板(大きさは30×30×6cm)面に、水比0.34の固練りセメントペーストを1mmの厚さに下塗りしてから、その面に上記塗り組成物を15mmの厚さにコテ塗りした。下塗りを含めた母材セメントペーストの容積Vmは990mlとなり、前記式(1)におけるkは1.10とかなり大きい値であった。塗布後、水がかなり引いたところで、水を含ませた左官バケで塗り表面を擦ってから金ゴテで美麗骨材の伏せ込みを行なった。この操作を3回繰り返してから、擬凝結するのを待ち、スプレーガンからの水で美麗骨材を覆うセメントペーストを洗い流した。
洗い流したセメントペーストの量は実に4,693g/m2であった。これだけのセメントペーストをそのまま下水に流せば、環境汚染のトラブルが起きて当然である。出来映えは評価の基準となる「並」であり、2週間空中養生してからJIS A 6916に従って、コンクリート板に対する仕上げ面の付着強さを測定したところ、1.5N/mm2の値が得られた。総合的な結果は、他の実施例および比較例のそれらと対比して表1に一覧的に示す。
Figure 2008143755
Figure 2008143755
本発明によれば、大量の水を使用することなく、余剰の擬凝結セメントペーストまたはモルタルをそのまま除去して、美麗骨材の露出を乾式的に行うことができる洗い出し調の化粧仕上げが可能な塗り組成物および化粧仕上げ施工方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 美麗骨材とセメントペーストまたはモルタルとからなり、上記美麗骨材と上記セメントペーストまたはモルタルとの関係が、下記式(1)で表されることを特徴とする洗い出し調仕上げ塗り組成物。
    Vm=Vaφ(1+k)・・・・・(1)
    (但し、Vmは、被塗装体表面に下塗りする量を含むセメントペーストまたはモルタルの容積を、Vaは美麗骨材の容積を、φはJIS A 1104で決定される美麗骨材の空隙率を、kは塗り作業因子であって0.00〜0.50の数値を表す。)
  2. 美麗骨材のサイズが、7厘粒度(長径2.2mm)から8分粒度(26.4mm)の範囲である請求項1に記載の塗り組成物。
  3. JIS A 1101で規定されるスランプが、8〜18cmである請求項1に記載の塗り組成物。
  4. (1)被塗装体表面に、セメントペーストまたはモルタルを下塗りする工程と、
    (2)上記下塗り面に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗り組成物を塗布する工程と、
    (3)上記塗布した組成物が擬凝結状態に達したところで、美麗骨材の表面を覆っているセメントペーストまたはモルタルを水洗することなく除去する工程と、からなることを特徴とする洗い出し調化粧仕上げ施工方法。
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