JP2008143365A - ブレーキ制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄道車両用のブレーキシステムで、各車輪の滑走に対してブレーキ力をきめ細かく制御できるようにする。
【解決手段】車軸単位にブレーキ制御器2a〜2dを配置する。ブレーキ制御器2a〜2dは、各車軸単位に、応荷重信号、ブレーキ指令、電気ブレーキ信号を基に演算された必要空気ブレーキ力で、各車軸の空気ブレーキの制御を行う。各ブレーキ制御器2a〜2dの間で各車軸の軸速度を送受信し、各ブレーキ制御器2a〜2dに対応する車軸の軸速度と、各車軸の軸速度で送受信した他の車軸の軸速度とを用いて、対応する車軸の滑走を検知し、対応する車軸の滑走、再粘着の制御を行う。車軸単位にブレーキ制御器が配置されているので、各車輪に滑走が発生した場合、ブレーキ力をきめ細かく制御できる。また、台車単位の応荷重により、各々独立して空気ブレーキ力を作用できる。
【選択図】図1
【解決手段】車軸単位にブレーキ制御器2a〜2dを配置する。ブレーキ制御器2a〜2dは、各車軸単位に、応荷重信号、ブレーキ指令、電気ブレーキ信号を基に演算された必要空気ブレーキ力で、各車軸の空気ブレーキの制御を行う。各ブレーキ制御器2a〜2dの間で各車軸の軸速度を送受信し、各ブレーキ制御器2a〜2dに対応する車軸の軸速度と、各車軸の軸速度で送受信した他の車軸の軸速度とを用いて、対応する車軸の滑走を検知し、対応する車軸の滑走、再粘着の制御を行う。車軸単位にブレーキ制御器が配置されているので、各車輪に滑走が発生した場合、ブレーキ力をきめ細かく制御できる。また、台車単位の応荷重により、各々独立して空気ブレーキ力を作用できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉄道車両用の空気ブレーキの制御を行うブレーキ制御システムに関するもので、特に、車軸単位に、ブレーキ力をきめ細かく制御できるようにしたものに係わる。
鉄道車両用のブレーキでは、特許文献1に示されるように、電気ブレーキと、機械ブレーキ(空気ブレーキ)とが使われている。
図2は、従来の鉄道車両用の空気ブレーキシステムを示すものである。図2において、TIMS(Train Information Management System 列車情報管理装置端末)演算ユニット101は、車両の力行やブレーキ制御等を一括管理している。TIMS演算ユニット101とブレーキ制御器102とは、RS485等の通信インターフェースを介して接続されている。TIMS演算ユニット101には、応荷重信号、ブレーキ指令、実電気ブレーキ信号が入力される。応荷重信号は、乗車人員等に基づく応荷重に比例した空気圧力信号である。ブレーキ指令は、ブレーキノッチの操作や非常ブレーキにより発生する指令である。実電気ブレーキ信号は、実際に作用したブレーキの電気ブレーキ力を示す信号である。TIMS演算ユニット101は、これらの情報に基づいて、力行応荷重指令の演算、電気ブレーキ指令の演算、空気ブレーキ指令の演算を行っている。
車軸103a〜103dには、それぞれ、ブレーキシリンダ104a〜104dが配設される。これらのブレーキシリンダ104a〜104dは、ブレーキ制御弁106及び滑走防止弁107a〜107dにより圧力制御される。また、車軸103a〜103dには、速度発電機105a〜105dが配設される。これらの速度発電機105a〜105dの出力は、ブレーキ制御器102に送られる。
ブレーキ制御器102は、TIMS演算ユニット101から受信した空気ブレーキ指令に基づいて、ブレーキ制御弁106を操作して、ブレーキシリンダ104a〜104dの圧力を制御している。空気ブレーキの圧力はブレーキ制御器102にフィードバックされる。また、速度発電機104a〜104dから得られる速度信号がブレーキ制御器102に送られる。ブレーキ制御器102で、これらの速度発電機104a〜104dから得られる速度信号から、各車軸毎の滑走状態を検出し、滑走防止弁107a〜107dを制御して、再粘着させる処理を行っている。
図3は、上述の従来の鉄道車両用の空気ブレーキシステムの動作に基づく機能ブロック図である。
図3において、乗車人員等に基づく応荷重に比例した応荷重信号は、圧力検出増幅回路111で電気信号に変換され、増幅回路112で増幅された後、力行応荷重指令として力行回路に出力され、力行時の電動機制御用に利用される。また、圧力検出増幅回路111の出力信号は、A/D変換回路113で二進コード化されて、乗算回路114に送られる。
ブレーキノッチの操作に基づくブレーキ指令や非常ブレーキ指令は、2進コード化されて入力され、絶縁増幅回路115で増幅された後、乗算回路に114に送られる。また、乗算回路114には、速度粘着パタン発生回路116から、係数Kが送られる。係数Kは、列車速度の上昇によって低下する粘着力を考慮した係数である。この係数Kを乗じることで、高速での滑走が多発することを防止している。
乗算回路114は、A/D変換回路113からの応荷重データAと、絶縁増幅回路115からのブレーキ指令Bと、係数Kとを乗算する。この(A×B×K)の値により、電気ブレーキの制御量が算出される。乗算回路114の出力信号は、D/A変換回路117でアナログ信号に変化され、増幅回路118で増幅され、電気ブレーキ指令として出力される。
実際に作用した電気ブレーキ力は、実電気ブレーキ信号としてフィードバックされ、絶縁増幅回路119で増幅され、A/D変換回路120で2進コード化される。A/D変換回路120の出力信号が減算回路121に送られる。また、減算回路121には、乗算回路114の出力(応荷重×ブレーキ指令×K)が送られる。
減算回路121で、次式の演算を行うことにより、必要な空気ブレーキ力が算出される。
空気ブレーキ力=応荷重×ブレーキ指令×K−実電気ブレーキ力
空気ブレーキ力=応荷重×ブレーキ指令×K−実電気ブレーキ力
減算回路121で求められた空気ブレーキ力に基づく値は、ヒステリシス回路122及び減算回路123に送られる。減算回路123で電空変化弁のヒステリシス特性を補正するヒステリシス補正回路122からの信号Dの値で修正される。この修正された空気ブレーキ力は、D/A変換回路124でアナログ値に変換され、電力増幅回路125で電力増幅され、空気ブレーキ指令として、空気ブレーキ制御装置内にあるブレーキ制御弁106(図2)に送られる。これに基づいて、ブレーキシリンダ104a〜104dの圧力が制御される。
以上のように、鉄道車両のブレーキシステムでは、最適なブレーキ力に対して可能な限り電気ブレーキを使用し、電気ブレーキでは不足する量を空気ブレーキで補足するように動作させることで、制輪子の摩耗を低減するように考慮されている。
図2における各車輪に設けられた速度発電機105a〜105dからの各車軸軸103a〜103dの速度信号は、絶縁増幅126a〜126dにそれぞれ送られて絶縁増幅された後、計数回路127a〜127dに送られる。また、時刻発生回路128からのクロック信号が計数回路127a〜127dに送られる。計数回路127a〜127dで、速度発電機105a〜105dからの速度信号を計数することで、各車軸の軸速度がそれぞれ求められる。
基準軸速度検出回路129は、計数回路127a〜127dからの4個の軸速度から列車速度を計算し、基準軸速度として出力する。なお、ブレーキ惰行中は滑走が発生することがあるので、通常4個の軸速度のうち最も大きい軸速度を基準軸速度とする。また、4軸同時滑走が発生した場合は、4個の最大軸速度を基にして列車速度を仮想して求めた値を基準軸速度とする。
基準軸速度検出回路129で求められた基準軸速度は、速度比較回路130a〜130dに送られると共に、速度粘着パタン発生回路116に送られる。速度比較回路130a〜130dは、各車軸単位に、基準軸速度と各車軸の軸速度との速度差を設定値と比較する。また、加減速度検出回路131a〜131dは、各車軸の加減速度と設定値とを比較する。これにより、各車軸の滑走が検出される。例えば、各車軸の軸速度と、基準軸速度との差が一定値以上の場合には、滑走していると判断される。また、軸速度の速度変化率が一定以上の場合には、滑走していると判断される。
速度比較回路130a〜130dの出力及び加減速度検出回路131a〜131dの出力が電力増幅回路132a〜132dに送られ、電力増幅回路132a〜132dで電力増幅される。この信号は、ユルメ指令、再ブレーキ指令として、滑走防止弁107a〜107d(図2)に送られる。これに基づいて、各ブレーキシリンダ104a〜104dの圧力が減少させられる制御が行われ、再粘着される。
特開2002−220044号公報
従来の空気ブレーキ制御システムでは、上述のように、1台のブレーキ制御器102が1車両又は複数の車両の空気ブレーキを制御する構成となっている。ところが、このような従来の空気ブレーキ制御システムでは、ブレーキ制御が車両単位であるため、車輪に滑走が発生した場合、滑走輪のブレーキ力をきめ細かく制御できない。また、乗車人員の乗車位置に応じてブレーキ制御ができない。
また、従来のブレーキ制御システムでは、ブレーキ制御器が車両単位であるため、故障時、車両単位でブレーキ制御が不能となる可能性がある他、ブレーキ制御器が故障した場合に、車両単位での交換が必要である。
なお、特許文献1には、各車軸単位に機械ブレーキ力を設定することが記載されている。しかしながら、特許文献1では、ブレーキ制御は独立しているが、1つのブレーキ制御器で各車軸単位に機械ブレーキ力を設定している。このような構成では、車輪に滑走が発生した場合の滑走輪のブレーキ力をきめ細かい制御はできない。
本発明は、上述の課題を鑑み、車輪に滑走が発生した場合にブレーキ力をきめ細かく制御でき、また、乗車人員の乗車位置に応じてブレーキを制御できるようにしたブレーキ制御システムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明は、応荷重に応じた信号である応荷重信号と、ブレーキを行う指示となるブレーキ指令と、実際に作用したブレーキの電気ブレーキ力を示す実電気ブレーキ信号を基に必要な空気ブレーキ力を演算し、車軸単位に空気ブレーキを制御するようにしたブレーキ制御システムであって、車軸単位に設けられたブレーキ制御器と、前記車軸単位のブレーキ制御器の間で各車軸の軸速度を送受信する通信手段とを有し、前記各車軸単位のブレーキ制御器は、それぞれ、対応する車軸の空気ブレーキの制御を行うと共に、対応する車軸の軸速度と、前記通信手段により送受信した他の車軸の軸速度とを用いて、対応する車軸の滑走を検知し、これに基づいて、対応する車軸の再粘着の制御を行うようにしたことを特徴とする。
本発明は、通信手段は、有線または無線の通信インターフェースであることを特徴とする。このブレーキ制御システムでは、各通信手段は、有線の通信インターフェースにより他の車軸の軸速度を送受信することが可能である。
本発明によれば、車軸単位にブレーキ制御器を配置して、各ブレーキ制御器は、各車軸単位に、応荷重信号、ブレーキ指令、実電気ブレーキ信号を基に演算された必要空気ブレーキ力で、各車軸の空気ブレーキの制御を行っている。また、各ブレーキ制御器の間で各車軸の軸速度を送受信し、各ブレーキ制御器に対応する車軸の軸速度と、各車軸の軸速度で送受信した他の車軸の軸速度とを用いて、対応する車軸の滑走を検知し、これに基づいて、対応する車軸の滑走、再粘着の制御を行うようにしている。これにより、各車輪に滑走が発生した場合、滑走輪のブレーキ力をきめ細かく制御することができる。また、車軸単位にブレーキ制御器が配置されているので、台車単位(前台車、後台車)の応荷重により、各々独立して空気ブレーキ力を作用させることができる。
また、本発明によれば、ブレーキ制御器が各車軸単位に独立しているため、車両単位でブレーキ制御が不能となる可能性が殆どなく、安全性に優れている。また、車軸単位でのブレーキ制御器の保守、交換が可能であり、メインテナンス性が向上される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態の鉄道車両用の空気ブレーキシステムを示すものである。図1において、TIMS演算ユニット1は、車両の力行やブレーキ制御等を一括管理している。TIMS演算ユニット1には、応荷重信号、ブレーキ指令、実電気ブレーキ信号が入力される。応荷重信号は、乗車人員等に基づく応荷重に比例した空気圧力信号である。ブレーキ指令は、ブレーキノッチの操作や非常ブレーキにより発生する指令である。実電気ブレーキ信号は、実際の電気ブレーキをフィードバックした信号である。なお、応荷重信号は、台車単位(前台車、後台車)に入力することができる。TIMS演算ユニット1は、これらの情報に基づいて、力行応荷重指令の演算、電気ブレーキ指令の演算、空気ブレーキ指令の演算を行っている。
ブレーキ制御器2a〜2dは、各車軸単位に設けられる。TIMS演算ユニット1と、各ブレーキ制御器2a〜2dとは、RS485等の通信インターフェースで接続されている。また、各ブレーキ制御器2a〜2dは互いにRS485等の通信インターフェースを介して接続されており、各ブレーキ制御器2a〜2d間で、各車軸の軸速度を送受信している。
車軸3a〜3dには、それぞれ、ブレーキシリンダ4a〜4dが配設される。各車軸3a〜3dのブレーキシリンダ4a〜4dは、それぞれ、ブレーキ制御弁6a〜6dにより圧力制御される。各軸の空気ブレーキの圧力は、ブレーキ制御器2a〜2dにそれぞれフィードバックされる。また、各車軸3a〜3dには、速度発電機5a〜5dがそれぞれ配設される。各速度発電機5a〜5dの出力は、それぞれ、ブレーキ制御器2a〜2dに送られる。
各車軸毎のブレーキ制御器2a〜2dは、TIMS演算ユニット1から受信した空気ブレーキ指令に基づいて、各ブレーキ制御弁6a〜6dをそれぞれ操作して、ブレーキシリンダ4a〜4dの圧力を制御している。また、各ブレーキ制御器2a〜2dはRS485等の通信インターフェースで接続されており、各車軸3a〜3d毎のブレーキ制御器2a〜2dは、それぞれ、対応する車軸3a〜3dの軸速度と、通信インターフェースにより送受信した他の車軸の軸速度とを用いて、対応する車軸3a〜3dの滑走を検知し、これに基づいて、そのブレーキ制御器2a〜2dに対応する車軸の再粘着制御を行っている。
このように、本発明の実施形態では、ブレーキ制御器2a〜2dが各車軸単位に設けられており、各ブレーキ制御器2a〜2dは、各車軸単位に、応荷重信号、ブレーキノッチ及び実電気ブレーキ信号を基に、TIMS演算ユニット1で演算された必要空気ブレーキ力で、ブレーキ制御弁6a〜6dの制御を行っている。車軸3a〜3d毎の空気ブレーキ力は、台車単位(前台車、後台車)の応荷重により、各々独立して空気ブレーキ力を作用させることができる。また、車軸単位にブレーキ制御器2a〜2dを設けて空気ブレーキを制御しているため、各車軸3a〜3dに滑走が発生した場合、滑走輪のブレーキ力をきめ細かく制御することができる。
ブレーキシステムの基本的な制御については、車両単位にブレーキ制御器を設けた場合と同様である。すなわち、ブレーキノッチの操作に基づく或いは非常ブレーキに基づくブレーキ指令と、乗車人員に基づく応荷重信号と、粘着力を考慮した係数Kとを乗算して、電気ブレーキ指令が求められる。応荷重と、ブレーキ指令と、粘着力を考慮した係数Kとの乗算値から求められた電気ブレーキ指令と、フィードバックされた実際の電気ブレーキ力とを減算して、空気ブレーキ力が求められる。この空気ブレーキ力に対して、電空変化弁のヒステリシス特性の補正が行われ、空気ブレーキ指令として出力される。
また、上述したように、各車軸3a〜3d毎のブレーキ制御器2a〜2dで、車軸3aとブレーキ制御器2aの組、車軸3bとブレーキ制御器2bの組、車軸3cとブレーキ制御器2cの組、車軸3dとブレーキ制御器2dの組について、それぞれの組において独立して滑走検知、再粘着制御が行われ、滑走が発生した場合には、再粘着するように、ブレーキシリンダ4a〜4dのうち、滑走が発生した車軸に対応するブレーキシリンダついて、圧力が制御される。
このような滑走検知、再粘着制御を行うためには、各車軸3a〜3dの速度情報を得て、基準の軸速度を求め、この基準軸速度と、各軸の軸速度とを比較して、滑走を検知する必要がある。
そこで、本発明の実施形態では、各ブレーキ制御器2a〜2dをRS485等の通信インターフェースで接続し、各ブレーキ制御器2a〜2d間で、各車軸の軸速度を送受信するようにしている。
各ブレーキ制御器2a〜2dは、各ブレーキ制御器2a〜2d間で送受信される各車軸3a〜3dの軸速度を用いて基準の軸速度を求め、この基準軸速度と、基準軸速度となった車軸以外の車軸の軸速度とを比較し、例えば、その比較結果において、基準軸速度と他の車軸の軸速度との差が予め決められた値以上である場合、または、軸速度の減速度(速度変化率)が予め決められた値以上である場合に、滑走を検知する。
基準軸速度については、1軸から4軸の各軸速度を各ブレーキ制御器2a〜2dが検出し、検出結果を各ブレーキ制御器2a〜2dが送受信して、その各軸速度のうち、最大となる軸速度を基準軸速度として決定する。ただし、4軸とも滑走状態にあるときには、予め記憶された模擬速度を基準軸速度とする。
滑走検知は、各軸毎に行われる。
この滑走状態にあるか否かの検知は、
(1) 速度差検知
基準軸速度−軸速度≧所定値
(ただし、この所定値としては、例えば、ΔV>10km/hかつβ>3km/h/s (βは、軸速度の速度変化率))
(2) 減速度検知
軸速度の速度変化率β≧所定値
(ただし、この所定値としては、β>15km/h/sかつΔV>3km/h)
が成立する場合に、滑走したと判断して、各車軸毎に滑走を検知する。そして、各車軸毎に滑走検知が行われて、滑走状態が検出されると、各ブレーキ制御器2a〜2dにおいて、これに基づいて、滑走状態が検知された車軸について、ユルメ指令、再ブレーキ指令が生成され、このユルメ指令、再ブレーキ指令により滑走状態にある車軸に対応するブレーキ制御弁6a〜6dの少なくともいずれか1つを制御することで、滑走状態にある車軸のブレーキシリンダ(4a〜4dのいずれか)の圧力が減ずるように制御され、滑走状態にある車軸のブレーキ力がゆるめられ、再粘着される。
再粘着については、
基準軸速度−軸速度<所定値
(ただし、この所定値としては、ΔV<4km/h)
なる式が成立する場合に、再粘着したと判断する。
かかる本発明の実施形態では、各車軸毎にそれぞれブレーキ制御が行われるため、滑走した場合は、滑走レベルの大きさに応じて、各車軸毎に空気ブレーキ力をアナログ的にきめ細かく制御させることができる。
基準軸速度については、1軸から4軸の各軸速度を各ブレーキ制御器2a〜2dが検出し、検出結果を各ブレーキ制御器2a〜2dが送受信して、その各軸速度のうち、最大となる軸速度を基準軸速度として決定する。ただし、4軸とも滑走状態にあるときには、予め記憶された模擬速度を基準軸速度とする。
滑走検知は、各軸毎に行われる。
この滑走状態にあるか否かの検知は、
(1) 速度差検知
基準軸速度−軸速度≧所定値
(ただし、この所定値としては、例えば、ΔV>10km/hかつβ>3km/h/s (βは、軸速度の速度変化率))
(2) 減速度検知
軸速度の速度変化率β≧所定値
(ただし、この所定値としては、β>15km/h/sかつΔV>3km/h)
が成立する場合に、滑走したと判断して、各車軸毎に滑走を検知する。そして、各車軸毎に滑走検知が行われて、滑走状態が検出されると、各ブレーキ制御器2a〜2dにおいて、これに基づいて、滑走状態が検知された車軸について、ユルメ指令、再ブレーキ指令が生成され、このユルメ指令、再ブレーキ指令により滑走状態にある車軸に対応するブレーキ制御弁6a〜6dの少なくともいずれか1つを制御することで、滑走状態にある車軸のブレーキシリンダ(4a〜4dのいずれか)の圧力が減ずるように制御され、滑走状態にある車軸のブレーキ力がゆるめられ、再粘着される。
再粘着については、
基準軸速度−軸速度<所定値
(ただし、この所定値としては、ΔV<4km/h)
なる式が成立する場合に、再粘着したと判断する。
かかる本発明の実施形態では、各車軸毎にそれぞれブレーキ制御が行われるため、滑走した場合は、滑走レベルの大きさに応じて、各車軸毎に空気ブレーキ力をアナログ的にきめ細かく制御させることができる。
なお、上述の例では、各ブレーキ制御器2a〜2d間の情報伝送や、ブレーキ制御器2a〜2dとTIMS演算ユニット1との情報伝送に、RS485等の有線の通信インターフェースを用いているが、これらの間の情報伝送は、無線の通信インターフェースで行うこともできる。
また、上述の例では、TIMS演算ユニット1にブレーキノッチ、応荷重信号、実電気ブレーキ信号を入力し、TIMS演算ユニット1で、各車軸単位に必要な空気ブレーキ力を求めているが、ブレーキノッチ、応荷重信号、実電気ブレーキ信号を、TIMS演算ユニット1からではなく、台車毎(前台車、後台車)の制御器から受信して、その信号を各ブレーキ制御器2a〜2d毎に送受信して、各ブレーキ制御器2a〜2d単位に空気ブレーキ力を演算して制御することもできる。また、ブレーキノッチ、乗車人員等から、電気ブレーキ指令を演算し、力行装置に出力することもできる。
また、上述した実施形態においては、4つの車軸に対し、ブレーキ制御弁、ブレーキ制御器をそれぞれ1つずつ設けるようにしたが、1両毎に、ブレーキ制御弁とブレーキ制御器とを少なくとも2つ以上設けるようにすればよい。すなわち、例えば、1両に4つの車軸がある場合には、2つの車軸に1つのブレーキ制御弁と1つのブレーキ制御器とを設け、これが1両に2組設けられるようにしてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
本発明は、鉄道車両用の空気ブレーキの制御システムとして用いることができる。
1:TIMS演算ユニット
2a〜2d:ブレーキ制御器
3a〜3d:車軸
4a〜4d:ブレーキシリンダ
5a〜5d:速度発電機
6a〜6b:ブレーキ制御弁
2a〜2d:ブレーキ制御器
3a〜3d:車軸
4a〜4d:ブレーキシリンダ
5a〜5d:速度発電機
6a〜6b:ブレーキ制御弁
Claims (2)
- 応荷重に応じた信号である応荷重信号と、ブレーキを行う指示となるブレーキ指令と、実際に作用したブレーキの電気ブレーキ力を示す実電気ブレーキ信号を基に必要な空気ブレーキ力を演算し、車軸単位に空気ブレーキを制御するようにしたブレーキ制御システムであって、
車軸単位に設けられたブレーキ制御器と、
前記車軸単位のブレーキ制御器の間で各車軸の軸速度を送受信する通信手段とを有し、
前記各車軸単位のブレーキ制御器は、それぞれ、対応する車軸の空気ブレーキの制御を行うと共に、対応する車軸の軸速度と、前記通信手段により送受信した他の車軸の軸速度とを用いて、対応する車軸の滑走を検知し、これに基づいて、対応する車軸の再粘着の制御を行う
ようにしたことを特徴とするブレーキ制御システム。 - 前記通信手段は、有線または無線の通信インターフェースであることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御システム。
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