JP2008140615A - 光学パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性に優れた光学パネルの製造方法。
【解決手段】第1の基板101上に複数の光学素子110及びそこから延設されるリード端子108を形成する。一方、グリーンシート120上に、複数の第1、第2、第3の凹部111、113、117を形成する。第2の凹部113と第3の凹部117の内部に溝115a、bを形成した後、グリーンシート120を焼成して第2の基板106を形成する。第1の凹部111が光学素子110を、第2の凹部113がリード端子108を収容するように第1の基板101と第2の基板106とを貼り合わせ、第3の凹部117を境界とする複数の光学パネル形成領域を備えたマルチパネルを形成する。これを第3の凹部117内部の溝115bに沿って切断した後、第2の凹部113を溝115aに沿って押圧切断してリード端子108を露出させる。
【選択図】図3
【解決手段】第1の基板101上に複数の光学素子110及びそこから延設されるリード端子108を形成する。一方、グリーンシート120上に、複数の第1、第2、第3の凹部111、113、117を形成する。第2の凹部113と第3の凹部117の内部に溝115a、bを形成した後、グリーンシート120を焼成して第2の基板106を形成する。第1の凹部111が光学素子110を、第2の凹部113がリード端子108を収容するように第1の基板101と第2の基板106とを貼り合わせ、第3の凹部117を境界とする複数の光学パネル形成領域を備えたマルチパネルを形成する。これを第3の凹部117内部の溝115bに沿って切断した後、第2の凹部113を溝115aに沿って押圧切断してリード端子108を露出させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、光学パネルの製造方法に関し、特に封止基板としてセラミックス基板を用いた光学パネルの製造方法に関する。
近年、高度な映像・情報化社会の本格的な進展やマルチメディアシステムの急速な普及に伴い、フラットパネルディスプレイの重要性はますます増大している。有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイは、低消費電力・薄型・広視野角などの利点を有することから、携帯端末機器などの表示装置として注目されている。
有機ELパネルの製造方法としては、大判の基板を用いて、複数の有機ELパネルを一度に製造する方法が知られている(特許文献1参照)。具体的には、図7(a)に示すように、素子基板1上の複数個所に有機EL素子10を形成する。また、素子基板1上に、有機EL素子10の陽極及び陰極から延設されるリード線7と、リード線7の端部に設けられるリード端子8とを形成する。
一方、封止基板6上には、サンドブラスト法などにより、有機EL素子10に対応した位置に第1の凹部11を、リード端子8に対応した位置に第2の凹部13を形成する。素子基板1と封止基板6とを、有機EL素子10と第1の凹部11とが対向するように、また、第2の凹部13とリード端子8とが対向するように配置する。そして、素子基板1と封止基板6とを接着材9を用いて接着する(図7(b))。これにより、有機ELパネルが複数形成されたマルチパネルが得られる。そして、マルチパネルの所定の位置にスクライバによりスクライブライン16を入れ(図7(c))、ブレイカにより押圧して、個々の有機ELパネルに切断する。その後、リード端子8を露出させるよう、封止基板6の一部を切断、除去することによって有機ELパネルは得られる(図7(d))。
上記封止基板6としては、従来ガラスなどからなる透明絶縁基板が用いられてきたが、最近、これに代わり低温焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)を用いた有機ELパネルが検討されている。LTCCでは、上記第1の凹部11や第2の凹部13のような形状を焼成前の粘土状のLTCC素材(グリーンシート)をプレス成形することにより形成できる。そのため、上述のガラスなどからなる透明絶縁基板にサンドブラスト法などにより第1の凹部11や第2の凹部13を形成するよりも生産性に優れる。
特開2001−297878号公報
しかしながら、焼成後のLTCCなどのセラミックスはガラスに比べ硬いため、上記スクライバでは、スクライブライン16を形成できない。そのため、リード端子8を露出させるために封止基板6を切断することが困難であった。一方、焼成前の粘土状のLTCC素材では、封止基板6の平坦な面が底面側すなわち下側に位置し、スクライブライン16を形成できなかった。なお、焼成前の粘土状のLTCC素材は軟らかく、変形しやすいため、上記底面側を上面とすることはできない。また、焼成前に、凹部形成面側にスクライブライン16を形成しても、所望の位置で切断することは困難であった。
本発明はこのような事情を背景としてなされたものであり、生産性に優れた光学パネルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る光学パネルの製造方法は、第1の基板上に複数の光学素子及び当該光学素子から延設されるリード端子を形成する工程と、セラミックス構成材料からなる基板上に、複数の第1の凹部、第2の凹部及び第3の凹部を形成する工程と、前記第2の凹部及び第3の凹部の内部に溝を形成した後、前記セラミックス構成材料からなる基板を焼成して第2の基板を形成する工程と、前記第1の凹部が前記光学素子を収容し、前記第2の凹部が前記リード端子を収容するように前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせることにより、前記第3の凹部を境界とする複数の光学パネル形成領域を備えたマルチパネルを形成する工程と、前記マルチパネルを前記第3の凹部内部の溝に沿って切断した後、前記第2の凹部内部の溝に沿って当該第2の凹部を押圧切断して前記リード端子を露出させる工程とを備えるものである。これにより、セラミックス基板を用いた光学パネルの生産性を向上することができる。
本発明の第2の態様に係る光学パネルの製造方法は、上記の製造方法において、前記2の基板における前記第2の凹部と第3の凹部との間に形成された凸部を前記第1の基板と接着しないことを特徴とするものである。これにより、確実に光学パネルの生産性を向上することができる。
本発明の第3の態様に係る光学パネルの製造方法は、上記の製造方法において、第1の凹部、第2の凹部及び第3の凹部をプレス成形により形成することを特徴とするものである。これにより、より確実に光学パネルの生産性を向上することができる。
本発明の第4の態様に係る光学パネルの製造方法は、上記の製造方法において、光学素子が有機EL素子であることを特徴とするものである。本発明は、このような場合に特に有効である。
本発明により、生産性に優れた光学パネルの製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
本発明の実施の形態に係る光学パネルの一例である有機ELパネルについて、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る有機ELパネル100の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、有機ELパネル100は、素子基板101、陽極102、絶縁層103、有機層104、陰極105、封止基板106、リード線107、リード端子108、接着材109を有している。
素子基板101は、ガラスなどの透明絶縁材料からなる矩形状の平板部材である。陽極102は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明性導電材料からなり、素子基板101上に形成されている。また、素子基板101上には、陽極102から延設されたリード線107及びリード線107の端部に配置されるリード端子108が設けられている。リード端子108は、素子基板101の一辺に集中して設けられている。
絶縁層103は、ポリイミドなどの絶縁材料からなり、陽極102と後述する陰極105との絶縁を確保するために設けられている。絶縁層103には、陽極102と後述する陰極105との交差位置、すなわち画素となる位置に対応して開口部が設けられている。
有機層104は、一般的な正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層を順次積層した構成を有している。有機層104は、前述した絶縁層103の開口部に対応した位置に、所定の大きさで配置されている。
陰極105は、アルミニウムなどの導電性材料からなり、有機層104上に設けられている。なお、ここでは図示していないが、陰極105から引き出されるリード線の端部に形成されるリード端子もまた、陽極102側のリード端子108が設けられた素子基板101の一辺に設けられている。有機EL素子110は、陽極102、絶縁層103、有機層104、陰極105から構成されている。
封止基板106は、LTCCなど焼成前にプレス成形可能な絶縁材料からなり、陽極102、絶縁層103、有機層104、陰極105からなる有機EL素子110を収納するための、第1の凹部111を有している。封止基板106と素子基板101とは、紫外線硬化型の接着材109を介して固着されている。素子基板101、封止基板106、接着材109とで形成される気密空間に有機EL素子110は配置されている。また、リード線107の一部とリード端子108とからなる引き出し部112が素子基板101、封止基板106、接着材109とで形成される空間から露出しているため、封止基板106は素子基板101よりも大きさが小さくなっている。
以下に、図2〜図5を参照して、本実施の形態に係る有機ELパネル100の製造方法について説明する。図2は、本実施の形態に係る有機ELパネル100の製造方法を説明するフローチャートである。また、図3は、本実施の形態に係る有機ELパネル100の製造方法を説明する図である。図4は、本実施の形態に係る封止基板106の製造方法を説明する図である。また、図5は、本実施の形態に係る封止基板106の構成を説明する図である。なお、図3及び図4の封止基板106は、図5における封止基板106のA−A'断面図である。
まず、図3(a)に示すように素子基板101上に複数の有機EL素子110を形成する(図2ステップS101)。一方、図4(a)に示すセラミックス構成材料からなる基板(グリーンシート)120に、プレス成形により、図4(b)に示すように、素子基板101上に形成した有機EL素子110を収容するための第1の凹部111を形成する。また、引き出し部112に対応する位置に第2の凹部113を同時に設ける。さらに、隣接する有機ELパネル同士の境界となる位置に第3の凹部117を同時に設ける。(図2ステップS201)。この結果、第1の凹部111と隣接する第3の凹部との間には凸部114aが、第1の凹部111と隣接する第2の凹部との間には凸部114bが、第2の凹部111と隣接する第3の凹部との間には凸部114cが形成される。
第1の凹部111、第2の凹部113及び第3の凹部117をプレス成形することにより、複数の凹部を一度に形成できる。また、従来のサンドブラスト法、エッチング法等に比べ、生産性に優れ、安価な有機ELパネル100が得られる。
また、図5に示すように、隣接する有機EL素子110の引き出し部間で共用するように、第2の凹部113及び第3の凹部117を行方向に1つに繋げて形成するのが生産性の観点から好ましい。そのため、グリーンシートには、複数の第1の凹部111と、行方向に1つに繋がった第2の凹部113及び第3の凹部117とが列方向に交互に順番に形成される。
次に、グリーンシート120に形成された第2の凹部113内に、溝115aを形成する。同様に、グリーンシート120に形成された第3の凹部117内に、溝115bを形成する(図2ステップS202)。具体的には、図4(c)に示すように、グリーンシート120に形成された第2の凹部113の2つの角部のうち、隣接する第1の凹部111側の角部に、溝115aを形成するのが好ましい。同様に、グリーンシート120に形成された第3の凹部113の2つの角部のうち、隣接する第1の凹部111側の角部に、溝115bを形成するのが好ましい。この工程は、第1の凹部111、第2の凹部113及び第3の凹部117のプレス成形と同時に行ってもよい。また、溝115bは、後述するように、複数の有機ELパネル100が形成されたマルチパネルを個々の有機ELパネル100に切断する位置に設けられる。
次に、図4(d)に示すように、グリーンシート120を焼成して封止基板106を形成する。(図2ステップS203)。
次に、図3(b)に示すように、凸部114a及び凸部114bの端面に接着材109を塗布する(図2ステップS205)。ここで、凸部114cは最終的に除去する部分であるため、その端面に接着材は塗布しない。
次に、図3(c)に示すように、第1の凹部111が有機EL素子110を収容するように、また、第2の凹部113が引き出し部112を収容するように、素子基板101と封止基板106の位置合わせをして貼り合せ、封止を行う(図2ステップS102)。これにより、第3の凹部117を境界とする複数の有機ELパネル100が形成されたマルチパネルが得られる。
次に、マルチパネルを個々の有機ELパネル100に切断する(図2ステップS103)。図3(d)に示すように、スクライバを用いて、素子基板101表面であって、封止基板106の第3の凹部117内に形成された溝115aに対応する位置に、スクライブライン116を形成する。そして、ブレイカを用いて押圧することにより溝115a及びスクライブライン116に対応する位置に沿って、素子基板101及び封止基板106を切断し、マルチパネルを個々の有機ELパネル100に分割する。次に、封止基板106の第2の凹部113を外側から押圧することにより、封止基板106の余分な部分を第2の凹部113内に形成された溝115aに沿って切断し、引き出し部112を露出させる。これによって、図3(e)に示す有機ELパネル100が得られる(図2ステップS104)。
図6を用いて、封止基板106の余分な部分を第2の凹部113内に形成された溝115aに沿って切断する原理について説明する。本発明の特徴的な点は、図6(a)に示すように、第3の凹部117を設けることにより、第2の凹部113と当該第3の凹部117の間に凸部114cを形成する点である。従来は、図6(b)に示すように、凸部114cが形成されていなかった。そのため、第2の凹部113の外側から押圧した場合、矢印の向きの力が働き、溝115bに沿って切断することができなかった。一方、本発明では、凸部114cが形成されているため、13の外側から押圧した場合、矢印の向きの力が働き、溝115aに沿って切断することができる。さらに、凸部114cの端面は素子基板101と接着されていないため、容易に切断することができる。したがって、プレス成形可能で、生産性に優れるLTCCなどのセラミックスを封止基板106に用いた有機ELパネルを安価に製造することができる。
上述の実施形態においては、単一の発光体からなる有機EL素子を例として説明したが、複数の画素からなる表示素子としての有機EL素子にも適用できる。また、本発明は、有機ELパネルに限らず、液晶表示パネルなどの様々な形態の光学パネルにも適用できる。
1、101 素子基板
6、106 封止基板
7、107 リード線
8、108 リード端子
9、109 接着材
10、110 有機EL層
11、111 第1の凹部
12、112 引き出し部
13、113 第2の凹部
16、116 スクライブライン
100 有機ELパネル
102 陽極
103 絶縁層
104 有機層
105 陰極
114a、114b、114c 凸部
115a、115b 溝
117 第3の凹部
120 グリーンシート
6、106 封止基板
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12、112 引き出し部
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114a、114b、114c 凸部
115a、115b 溝
117 第3の凹部
120 グリーンシート
Claims (4)
- 第1の基板上に複数の光学素子及び当該光学素子から延設されるリード端子を形成する工程と、
セラミックス構成材料からなる基板上に、複数の第1の凹部、第2の凹部及び第3の凹部を形成する工程と、
前記第2の凹部及び第3の凹部の内部に溝を形成した後、前記セラミックス構成材料からなる基板を焼成して第2の基板を形成する工程と、
前記第1の凹部が前記光学素子を収容し、前記第2の凹部が前記リード端子を収容するように前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせることにより、前記第3の凹部を境界とする複数の光学パネル形成領域を備えたマルチパネルを形成する工程と、
前記マルチパネルを前記第3の凹部内部の溝に沿って切断した後、前記第2の凹部内部の溝に沿って当該第2の凹部を押圧切断して前記リード端子を露出させる工程とを備える光学パネルの製造方法。 - 前記2の基板における前記第2の凹部と第3の凹部との間に形成された凸部を前記第1の基板と接着しないことを特徴とする請求項1に記載の光学パネルの製造方法。
- 前記第1の凹部、第2の凹部及び第3の凹部をプレス成形により形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学パネルの製造方法。
- 前記光学素子は有機EL素子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学パネルの製造方法。
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