JP2008139240A - 生化学反応用カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】煩雑な操作を必要とせずに、サンプル溶液の蒸発を抑制し、均一な生化学反応を行うことができるカートリッジを提供すること。
【解決手段】常温で固体であり、生化学反応温度域で融解している蒸発を防止する物質をカートリッジ内部に保持させ、生化学反応時に融解した当該蒸発防止物質がサンプル溶液と気相との界面に存在してサンプル溶液の蒸発を防止することができるカートリッジ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抗原抗体反応や核酸のハイブリダイゼーション反応等の生化学反応を利用して、検体から得られるサンプル溶液中に標的物質が存在するか否かを判別する方法に関する。より詳しくは、該生化学反応を行うためのカートリッジに関する。
PCRに代表される核酸増幅方法や塩基配列解読装置の普及に伴い、遺伝子情報を利用した分析および診断方法の開発が盛んに行われている。その代表例として、DNAマイクロアレイがある。等の固相担体に塩基配列の異なる複数のDNAプローブを高密度に整列固定化したアレイであり、DNAマイクロアレイは、スライドガラス核酸の塩基配列決定、変異や多型の検出、遺伝子の発現プロファイルの解析等に有用な手段である。DNAマイクロアレイの作製法には、フォトリソグラフィー技術を応用し、基板上でDNAプローブを一塩基ずつ合成していく方法や、予め合成したDNAプローブをインクジェット法やピン法により、基板上にスポットしていく方法がある(特許文献1、2参照)。これらの方法によって作製されたDNAマイクロアレイは、数百〜十万種類ものDNAプローブが高密度に固定化されているため、一度の分析で極めて多くの情報を得ることが可能である。
上記DNAマイクロアレイの特長を活かすためには、高密度に固定化されたDNAプローブとサンプル溶液を均一に接触させることが重要である。サンプル溶液を均一に接触するためには、気泡などが含まれず、液層の厚みを一定にすることが必要である。この課題を解決する手段としては、表面処理を施したカバーガラスを使用する方法が開示されている(特許文献3、4参照)。これらの方法では、DNAプローブが固定化されたアレイ面にサンプル溶液を滴下後、表面を親水化処理したカバーガラスを被せることにより、サンプル溶液がアレイ面に均一に接触するように工夫されている。
また、ハイブリダイゼーション反応は、少量のサンプル溶液を比較的高温で長時間行うため、反応中の蒸発を防ぐことも重要な課題である。この課題を解決する方法としては、カートリッジの開口部を物理的な手段で閉塞する方法が開示されている(特許文献5参照)。この方法では、カートリッジの開口部からサンプル溶液を注入した後に、パラフィンワックスを融点以上の温度条件で開口部に滴下し、滴下後に融点未満の温度に冷却して固体化することにより、溶液の蒸発を抑制する工夫がなされている。
米国特許第5424186号明細書 米国特許第5807522号明細書 特開2002−262854号公報 特開2004−286702号公報 特開2005−300460号公報
DNAマイクロアレイ等の核酸プローブを固定化した担体にカバーガラスを使用した方法や、カートリッジの開口部を閉塞する方法は、蒸発を抑制できるため、少量のサンプル溶液でハイブリダイゼーション反応が可能となった。しかし、カバーガラスを使用した方法では、カバーガラスを所定の位置に固定する作業が難しく、最悪の場合、カバーガラスを破損して貴重なサンプルを無駄にしてしまう可能性がある。また、カートリッジの開口部を閉塞する方法では、サンプル溶液注入後に開口部を閉塞する物質を滴下する際に、煩雑な作業や特別な装置が必要である。さらに、開口部を固体状の物質で閉塞するため、カートリッジに充填されたサンプル溶液の攪拌ができず、サンプル溶液を均一に拡散することが不可能となり、再現性の低下や反応が長時間にわたるなどの悪影響を及ぼす可能性がある。
よって、本発明の目的は、外部から操作可能にサンプル溶液を保持しながら、蒸発を抑制し、担体上に高密度に固定化された核酸プローブとサンプル溶液を均一に接触させることができるカートリッジ、及びこのカートリッジの使用方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の生化学反応用カートリッジを提供するものである。
すなわち、本発明の第一の態様は、標的物質を検出するための生化学反応を生ぜしめる反応室を有する生化学反応用カートリッジにおいて、前記標的物質を含むサンプル溶液の蒸発を防止する物質を前記反応室または前記反応室に連通する空間を形成する壁面に保持していることを特徴とする生化学反応用カートリッジである。
本発明の第二の態様は、第一の態様の生化学反応用カートリッジを前記蒸発を防止する物質の融点以上に加熱した後に、生化学反応を行うことを特徴とする生化学反応用カートリッジの使用方法である。
本発明によれば、簡便な操作で、核酸プローブが高密度に固定化された場合でも、核酸プローブとサンプル溶液を均一に接触させるため、各DNAプローブ間で均一なハイブリダイゼーション反応を行うことが可能であり、信頼性の高いデータを得ることができる。
以下、本発明に係る生化学反応用カートリッジ、及び該カートリッジを使用したハイブリダイゼーション方法の具体的な実施形態を説明する。
本発明に係る生化学反応用カートリッジの好ましい態様は、カートリッジ内部にサンプル溶液を保持し得る保持空間からなる反応室、少なくとも二つの開口部、検出用プローブが固定化された検出部位、該開口部と該反応室とを連通する流路から構成される。
該保持空間とは、サンプル溶液を保持して、生化学反応の反応場を提供するカートリッジ内部の空間のことである。
該開口部とは、サンプル溶液の注入、(必要であれば)廃棄を行うために使用可能な、外部と反応室を連通させるための空孔のことである。サンプルの注入を行う際には、注入を行う開口部と、溶液注入時に空気を排出するための開口部とが必要であり、少なくとも二つの開口部を有する。また、該開口部は、ピペットチップあるいはシリンジポンプ等の液体制御手段を使用して、サンプル溶液の注入、廃棄が可能な径であれば良く、コンタミネーションを防止する観点から、なるべく小さいことが好ましい。
検出用プローブが固定化された検出部位とは、サンプル溶液中の標的物質と特異的な相互作用が可能なプローブが整列固定化された部位である。このような検出部位として、プローブ固定担体を好適に用いることができる。検出部位は、検出用プローブがサンプル溶液と接触することが可能であれば、該保持空間に露出する所望の位置に設置することができる。好ましくはカートリッジの面の少なくとも一部、さらに好ましくはカートリッジの底面の少なくとも一部を形成するように該検出部位を当該所望の位置に設置することができる。例えば、検出部位としてのプローブ固定担体をカートリッジの底面として使用することもできる。
該プローブを固定化する担体は、プローブと標的物質の相互作用を阻害する材料でない限り、特に限定されないが、多くの場合、ガラスあるいはプラスチック製の平板が使用される。また、ハイブリダイゼーション反応に代表される、サンプル溶液中の標的物質とプローブとの生化学反応は、高イオン濃度、高温、長時間で行われることが多いため、プローブと担体との固定は強固であることが望ましい。具体的には、共有結合であることが好ましく、特に、固定化による立体障害を避けるために、リンカーを介してプローブと担体が固定化されることが好ましい。
開口部と保持空間を連通する流路とは、開口部から注入したサンプル溶液を保持空間まで充填する、あるいは反応終了後の溶液を開口部から吸引して廃棄するのに必要な空間のことである。該流路中に存在するサンプル溶液はデッドボリュームとなるため、流路の体積はできるだけ小さいことが好ましい。
上記の構成を有する生化学反応用カートリッジを使用すれば、開口部から注入されたサンプル溶液は、開口部と保持空間を連通する流路を通り、一定の容積を有する保持空間に充填される。そのため、プローブが固定化されたアレイ面に均一にサンプル溶液を接触することが可能となる。このアレイ面に均一にサンプル溶液が接触した状態で生化学反応を行うためには、反応中のサンプル溶液の蒸発を防止する必要がある。
本発明にかかるカートリッジの材料としては、カートリッジを成型部品により作成する場合は成型性の良い高分子材料を用いることが望ましく、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などのプラスチックが挙げられる。
本発明では、サンプル溶液と外部気相との気液界面を遮断することにより、サンプル溶液の蒸発を防止する。具体的には、生化学反応を行う40℃以上100℃以下の温度範囲に融点を有し、サンプル溶液よりも比重が小さい疎水性の物質を使用する。さらに当該疎水性物質の融点は生化学反応温度の最も低い温度以下であることが好ましい。
該疎水性物質は、サンプル溶液よりも比重が小さく、疎水性であるため、融点以上の温度では、核酸溶液等の親水性のサンプル溶液とは混合せず、サンプル溶液と気相の界面に位置して膜を形成することになる。そのため、気液界面を遮断する蓋として機能することができる。開口部をシールや固体物質などで遮断する方法と異なり、サンプル溶液と気相との気液界面を直接遮断することができるため、蒸発をより効果的に抑制することが可能である。また、気液界面を遮断する疎水性物質が融点以上で液体状態であるため、生化学反応中にサンプル溶液の攪拌を行うことが可能である。そのため、溶液中の物質を均一に拡散することが可能となり、再現性が高く、効率的な生化学反応を行うことができる。
上記疎水性物質は、生化学反応を行う際にサンプル溶液と気相との気液界面を遮断できれば良いが、本発明では作業を簡便化するため、予め生化学反応用カートリッジ内に該疎水性物質を固定化しておくことを特徴としている。該カートリッジ内壁面に固定する上記疎水性物質としては、ワックスやグリースなどが挙げられるが、固体状態でピペットなどで容易に貫通でき、生化学反応およびその後の検出等を考慮すると、グリースよりも固体表面への付着が少ないワックスが好ましい。ワックスは一般的に常温で固体あるいは半固体のアルキル基を持つ有機物であり、融解して水より密度の小さい液体となる。ワックスには天然ワックス(木ろう、ホホバ油、みつろう、モンタンワックス、パラフィンワックス)、合成ワックス(ポリエチレンワックス、モンタンワックス誘導体、硬化ひまし油)、配合ワックスなど様々な種類があり、これらの混合した組成物も含まれる。本発明にかかる生化学反応の温度範囲のより低い温度に融点を有する点からパラフィンワックスが好適に利用できる。パラフィンワックスは、約50℃前後に融点を有するワックス状の物質である。パラフィンワックスを融点以上の温度に加熱し、液体状態にして滴下した後、融点以下の温度に冷却することで、所望の位置にパラフィンワックスを固定化することが可能である。パラフィンワックスを固定化する位置は、融解した後にサンプル溶液と接触可能な位置であればよく、開口部、保持空間または開口部と検出部位を連通する流路のいずれか、もしくはカートリッジ内部に形成されている全ての内壁面であれば良い。特に、液体状態となった際に、サンプル溶液と外部気相の界面に位置しやすくするため、開口部もしくはその周辺に固定化することが好ましい。開口部に固定化したパラフィンワックスは、サンプル溶液注入時にピペットチップなどの先端で容易に貫通することができる。
上述の通り、内壁面にパラフィンワックスを保持した生化学反応用カートリッジは、サンプル溶液を注入する前、あるいは、サンプル溶液を注入した後に、パラフィンワックスの融点以上の温度に加熱することで、再融解が可能である。生化学反応前に、パラフィンワックスを液体状態にすることで、サンプル溶液と気相との気液界面を遮断する蓋として機能することが可能となる。
サンプル溶液は、取扱い性などの点から水溶液として検体を用いて調製される。検体そのものが水溶液であれば、それを直接、あるいは水や各種緩衝液などで希釈してサンプル溶液とする。検体が細胞や生体組織であれば、標的生体高分子が含まれると予測される成分をそこから抽出して、水や各種緩衝液などを用いたサンプル溶液中に溶解させて用いることができる。
本発明にかかる生化学反応カートリッジの使用方法でのカートリッジの加熱は、熱効率の点でカートリッジを直接熱源に接触し、加熱することで実施することができる。熱源としてはヒーターやペルチェ素子などを挙げることができる。また、恒温槽やインキュベータなどを用いてカートリッジの温度を制御してもよい。
以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(生化学反応用カートリッジの作製)
(1)プローブ固定化アレイの作製
アミノシランカップリング剤(商品名:KBM−903;信越化学工業(株)社製)を0.1wt
%になるように溶解し、30分間攪拌してメトキシ基を加水分解した。該水溶液をアルカリ洗浄した合成石英ガラス基板にスピンコーターにて塗布した後、オーブンにて120℃で1時間ベーク処理を行った。次に、N−マレイミドカプロイロキシスクシンイミド(Dojin社製;以後、EMCSと略す)を2.7mg秤量し、ジメチルスルホキシド(DMSO)/エタノールの1:1溶液に最終濃度が0.3mg/mLとなるように溶解したEMCS溶液を調製した。前記ベーク処理したアミノ基導入基板に、該EMCS溶液をスピンコーターにて塗布し、表面にマレイミド基を導入した。
グリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、アセチレンアルコール(商品名;アセチレノールE100;川研ファインケミカル(株)社製)1.0wt%を含む水溶液に、メルカプト(SH)
基を導入した合成一本鎖DNAプローブ(配列番号1、表1参照)を0.6ODになるよう溶解した。
Figure 2008139240
該プローブ含有溶液をインクジェット法により、前記マレイミド基導入した基板にスポッティングした。スポッティング後、基板を恒温恒湿チャンバー内に静置して、基板表面のマレイミド基とDNAプローブ末端のメルカプト基との反応を行った。30分後、1M−NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄し、純水で軽く洗浄した後、窒素ブロー乾燥した。該基板を接着シートに貼り付け、ダイヤモンド・カッターにて18mm角に破断して、18mm角のプローブ固定化アレイ11を得た。
(2)カートリッジ組み立て
図1に示すカートリッジ・本体部材12とカートリッジ・フタ部材13は金型を使用し、ポリカーボネート樹脂を用いて射出成型により作製した。カートリッジ・フタ部材13は、サンプル溶液の注入、廃棄、空気の排出に使用する開口部17および18を有する。カートリッジ・フタ部材13の開口部17および18とその周囲に対し、70℃に加熱して液体状態となったパラフィンワックスを滴下した。パラフィンワックスにはAmpliWax PCR Gem50(Applied Biosystems)を用いた。その後、25℃に冷却し、パラフィンワックスを固体とし、開口部17および18を閉塞した。ここで、開口部を閉塞したパラフィンワックスは、ピペットチップなど鋭利な先端を有する物体で貫通できるため、サンプル溶液の注入時には、容易に溶液の注入を行うことが可能である。カートリッジ・本体部材12は、プローブ固定化アレイ11およびカートリッジ・フタ部材13を接着することにより、サンプル溶液を保持する空間14と流路15および16を形成する。カートリッジ・本体部材12とカートリッジ・フタ部材13との間は、超音波溶着法、レーザー溶着法もしくは接着剤による接着などの方法で気密性を確保した状態で接着した。カートリッジ・本体部材12とプローブ固定化アレイ11との間は紫外線硬化樹脂や可視光硬化樹脂などの接着剤を用いて気密性を確保した状態で接着した。以上の操作により、蒸発防止物質を固定化した生化学反応用カートリッジ21を得た。本実施例では、パラフィンワックスの固定化をカートリッジの組み立て前に行ったが、カートリッジの組み立て後に行っても良い。
図2に、カートリッジ・本体12とカートリッジ・フタ部材13とプローブ固定化アレイ11とからなり、これらを組み立てた状態の生化学反応用カートリッジ21を示す。図2(a)はカートリッジ上面から見た外観図、図2(b)はカートリッジ下部から見た外観図を示している。また、図3は、生化学反応用カートリッジ21の断面図を示している。なお、反応室、流路及び開口を有するユニットは、図示した個数に限定されず、2以上のユニットを同一カセット中に設けても良く、反応室に対する流路などの配置についても変更可能である。
(ハイブリダイゼーション反応)
上述の工程により作製した生化学反応用カートリッジ21の開口部17、18に固定化されたパラフィンワックスをピペットチップで貫通し、サンプル溶液(0.25nM 標的核酸、6×SSPE、10%ホルムアミド、0.05%SDS)100μLを注入した。サンプル溶液注入後、該生化学反応用カートリッジの重量測定を行った。ここで、サンプル溶液中に含まれる標的核酸とは、表2に記載の塩基配列からなる核酸であり、プローブ固定化アレイ11に固定化された核酸と相補的となっている。また、アレイ上に固定化されたプローブとのハイブリダイゼーションを検出するため、蛍光色素であるCy3を標的核酸の5'末端に結合している。
Figure 2008139240
重量測定後、該生化学反応用カートリッジを92℃で5分間加熱し、50℃で4時間ハイブリダイゼーション反応を行った。92℃で加熱した際、開口部に固定化したパラフィンワックスが融解し、サンプル溶液の上層に溶け出すことを確認した。カートリッジを加熱する装置には、DIGITAL HOT PLATE HP−2S(AS ONE)を用いた。ハイブリダイゼーション反応後、生化学反応用カートリッジの重量を再度測定した。その後、シリンジポンプでサンプル溶液を除去した後、洗浄液(6×SSPE、10%ホルムアミド、0.05%SDS)100μLで2回洗浄を行った。シリンジポンプで洗浄液を除去した後、エアブローにて生化学反応用カートリッジを乾燥した。乾燥した生化学反応用カートリッジは裏面から共焦点蛍光スキャナーでスキャンを行った(励起波長532nm、PMT400V)。
(結果)
反応前後の重量測定の結果、蒸発物質を固定化した生化学反応用カートリッジでは、重量に殆ど変化はなかった(表3参照)。また蛍光スキャンの結果、アレイから均一なシグナルが得られた(表4参照)。
Figure 2008139240
Figure 2008139240
以上より、本発明の蒸発防止物質を固定化した生化学反応用カートリッジを使用することにより、生化学反応中のサンプル溶液の蒸発を防止することができ、安定したシグナルを得られることが示された。
本発明に係る生化学反応用カートリッジを構成する部材を示した図である。 本発明に係る生化学反応用カートリッジの一実施例を示す外観図である。(a)カートリッジの上面から見た外観図。(b)カートリッジの下部から見た外観図。 本実施例に係る生化学反応用カートリッジの断面図である。
符号の説明
11 プローブ固定化アレイ
12 カートリッジ・本体部材
13 カートリッジ・フタ部材
14 サンプル溶液の保持空間
15 流路
16 流路
17 開口部
18 開口部
21 生化学反応用カートリッジ
22 蒸発防止物質

Claims (9)

  1. 標的物質を検出するための生化学反応を生ぜしめる反応室を有する生化学反応用カートリッジにおいて、
    該標的物質を含むサンプル溶液の蒸発を防止する物質を前記反応室または前記反応室に連通する空間を形成する壁面に保持していることを特徴とする生化学反応用カートリッジ。
  2. 前記標的物質が、核酸である請求項1に記載の生化学反応用カートリッジ。
  3. 前記生化学反応用カートリッジが、
    前記反応室と流路を介して連通する少なくとも二つの開口部と、
    前記反応室内に設けられた検出部位と、
    を有し、
    前記検出部位には、前記標的物質を検出する検出用プローブが固定化されており、前記検出用プローブが前記サンプル溶液と接触するように前記検出部位が設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の生化学反応用カートリッジ。
  4. 前記検出用プローブが、核酸である請求項3に記載の生化学反応用カートリッジ。
  5. 前記生化学反応が、ハイブリダイゼーション反応である請求項4に記載の生化学反応用カートリッジ。
  6. 前記蒸発を防止する物質が、前記開口部、前記反応室及び前記流路のいずれか、もしくは全ての内壁面に保持されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の生化学反応用カートリッジ。
  7. 前記蒸発を防止する物質が、生化学反応を行う40℃以上100℃以下の温度範囲に融点を有し、サンプル溶液よりも比重が小さい疎水性物質であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の生化学反応用カートリッジ。
  8. 前記疎水性物質が、パラフィンワックスである請求項7に記載の生化学反応用カートリッジ。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の生化学反応用カートリッジを前記蒸発を防止する物質の融点以上に加熱した後に、生化学反応を行うことを特徴とする生化学反応用カートリッジの使用方法。
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