JP2008138794A - 締結具 - Google Patents

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【課題】二条ねじボルトと二条ねじナットとでなり、二条ねじナットの戻り回転を止めて、ねじのゆるみ止めを施す締結具を実現する。
【解決手段】一条のおねじ部11と、他の一条のタッピンねじ部15とを設ける二条ねじボルト10と、この二条ねじボルト10のおねじ部11が螺合する一条のめねじ部21と、タッピンねじ部15がねじ込みして他の一条のめねじ部26を成形する被ねじ込み材壁部25とを設ける二条ねじナット20とでなる締結具であって、前記二条ねじボルト10の軸部に嵌まる被締結部材を前記二条ねじナット20が締結した状態において、前記二条ねじナット20の戻り回転を止めて、ねじのゆるみ止めを施す。
【選択図】図1

Description

本発明は、二条ねじボルトと二条ねじナットとでなる締結具に関し、特に、二条ねじナットの戻り回転を止めて、ねじのゆるみ止めを施す締結具に関するものである。
ボルトとナットとでなり、被締結部材を締結する締結具におけるねじのゆるみは、基本的には、その締結具に与えた初期締付け力(予張力)が外力の影響を受けて低下することにより生じるものであり、それには、ナットが戻り回転しない場合と、ナットが戻り回転する場合とがある。そして、ナットが戻り回転しない場合のゆるみには、初期ゆるみ、陥没ゆるみ、微動摩擦によるゆるみ等があり、ナットが戻り回転する場合のゆるみには、軸方向や軸直角方向あるいは軸回り方向に、振動や衝撃等による外力を繰返し受けることによるゆるみがある。
こうしたねじのゆるみを止める技術は、従来多く発明され、実用化されているが、この中で、本発明の締結具の背景となる従来の技術は、ナットの戻り回転を止めて、ねじのゆるみを止めるものである。
このナットの戻り回転を止めて、ねじのゆるみを止める従来の技術には、以下のものがあるが、この説明に先立ち、従来の標準的な戻り回転止めのないナットとボルトとでなる締結具においてナットが戻り回転する場合について、図4を参照して説明する。図4は、本締結具が被締結部材を締結した状態を示す(軸線を含む)正面断面図である。
図4に示すように、本締結具2においては、ボルト40の軸部に嵌めた被締結部材50a、50bをナット45で締付けると、おねじ部41とめねじ部46のねじ山が互いにくさびのように食い込むので、おねじ部41には引張力(軸力)が、被締結部材50a、50bには圧縮力が掛かり、それぞれが反発する力となる。そして、この力がボルト40とナット45の締付座面や、おねじ部41とめねじ部46のフランク同士の圧接面48の摩擦抵抗となり、ねじが締付け後に容易にゆるまない状態が保たれる。
だが、この状態における圧接面48は、めねじ部46の進み側のフランクとそれに対向するおねじ部41のフランク同士でのみ形成され、めねじ部46の追い側のフランクとそれに対向するおねじ部41のフランク同士では形成されず、そこには隙間47が残る。
そこで、本締結具2においては、振動や衝撃等の外力を繰返し受けると、めねじ部46の追い側のフランクとそれに対向するおねじ部41のフランク同士の隙間47には摩擦抵抗が生ぜず、めねじ部46の進み側のフランクとそれに対向するおねじ部41のフランク同士の圧接面48の摩擦抵抗だけでは、ナット45が戻り回転するのを止めきれない場合がある。この場合、ナット45は一旦少しでもゆるむと、一気にフリースピニング状態に入ってしまい、被締結部材50a、50bの締結が不可能になってしまう問題点がある。
そこで、従来この問題点を解決する手段として発明されたのが、プリベリングトルクタイプのナットである。このプリベリングトルクタイプのナットは、ナットの戻り止め要素としてプリベリングトルク発生部をもち、それによる摩擦抵抗によって相手側のボルトのおねじ部に対するナットの相対的回転が生じにくいように作られたナットであり、この手段を利用した従来の締結具としては、以下のものがある。
先ず、めねじ部にナイロン等の樹脂を溶着させるプリベリングトルクタイプのナットとボルトとでなる締結具があり、図5を参照して、これを説明する。図5は、本締結具が被締結部材を締結した状態を示す(軸線を含む)正面断面図である。(このプリベリングトルクタイプのナットには、例えば、日本ナイロック株式会社のナイロック(登録商標)がある(特許文献1参照))。
図5に示すように、本締結具3は、いずれも硬度の高い金属(例えば、鋼)で作られるボルト60とナット65とでなり、ナット65のめねじ部66のねじ山の表面には、ねじ山の全長に亘って、前記金属より硬度の低いナイロン等の樹脂を溶着させた溶着樹脂部67を形成している。そして、この溶着樹脂部67は、めねじ部66がボルト60のおねじ部61に螺合したとき、めねじ部66のねじ山の両側のフランクと、それに対向するおねじ部61のねじ山の両側のフランクとの間に隙間が生じないだけの厚みを形成している。これにより、本締結具3においては、被締結部材70a、70bを締結すべくナット65を締付けると、ボルト60のおねじ部61のねじ山の両フランクが、それぞれ溶着樹脂部67を通して、ナット65のめねじ部66のねじ山の進み側と追い側の両フランクを押圧し、この際、溶着樹脂部67のボルト60のおねじ部61に対する弾性反発力による摩擦抵抗が生じ、振動や衝撃等による外力を繰返し受けても、前記の従来の標準的な戻り回転止めのないナットとボルトとでなる締結具よりも、ナット65の戻り回転を止めて、初期締付け力(予張力)の低下の速度を遅らせることができるようになっている。そして、さらに振動や衝撃等による外力を繰返し受け、溶着樹脂部67の摩擦抵抗が及ばず、ナット65の戻り回転を止めきれなくなったとしても、ナット65が一気にフリースピニング状態に入るのを防ぐことができるようになっている。また、溶着樹脂部67をナット65のめねじ部66の全周に溶着させることで、シーリング効果も得ることができるようになっている。そして、本締結具3においては、溶着樹脂部67は、効果的な弾性反発力による摩擦抵抗を生むように、適度の硬度、弾性、摩擦力、耐久性、耐摩耗性を備えた材料(例えば、日本ナイロック株式会社のナイロック(登録商標)の特殊ナイロン)で作られている。
また、上部にナイロン等の樹脂で作られる樹脂リング部を取付けるプリベリングトルクタイプのナットとボルトとでなる締結具もあり、図6と図7面を参照して、これを説明する。図6は、本締結具が被締結部材を締結した状態を示す(軸線を含む)正面断面図、図7は、本ナットの斜視図である。(このプリベリングトルクタイプのナットには、例えば、ロックファスナー株式会社のナイロンナットがある(特許文献2参照))。
図6と図7に示すように、本締結具4は、いずれも硬度の高い金属(例えば、鋼)で作られるボルト80とナット84とでなり、ナット84の上部には、金属の支持枠87に支えられ、前記の金属より硬度の低いナイロン等の樹脂で作られる樹脂リング部86を取付けている。そして、この樹脂リング部86は、その内径がナット84のめねじ部85の有効径と同じ寸法をなしている。これにより、本締結具4が被締結部材90a、90bを締結すべくナット84を締付けると、ボルト80のおねじ部81のねじ山が、ナット84の上部に取付けた樹脂リング部86を押圧し、この際、樹脂リング部86のボルト80のおねじ部81に対する弾性反発力による摩擦抵抗が生じ、振動や衝撃等による外力を繰返し受けても、前記の従来の標準的な戻り回転止めのないナットとボルトとでなる締結具よりも、ナット84の戻り回転を止めて、初期締付け力(予張力)の低下の速度を遅らせることができるようになっている。そして、さらに振動や衝撃等による外力を繰返し受け、樹脂リング部86の摩擦抵抗が及ばず、ナット84の戻り回転を止めきれなくなったとしても、ナット84が一気にフリースピニング状態に入るのを防ぐことができるようになっている。そして、本締結具4においては、樹脂リング部86は、効果的な弾性反発力による摩擦嵌合を生むように、適度の硬度、弾性、摩擦力、耐久性、耐摩耗性を備える材料(例えば、ロックファスナー株式会社のナイロンナットの66ナイロン)で作られている。
インターネットサイト 泰洋産工株式会社 日本ナイロック株式会社 製品情報 ナイロック http://www.taiyo−nylock.co.jp/index.html インターネットサイト ロックファスナー株式会社 製品紹介 ナイロンナット http://www.lockfastener.com/
以上に述べた、従来のめねじ部にナイロン等の樹脂を溶着させるプリベリングトルクタイプのナットとボルトとでなる締結具3では、硬度の高いボルト60のおねじ部61が、硬度の低い溶着樹脂部67を通して、硬度の高いナット65のめねじ部66を上から押圧して嵌めるので、振動や衝撃等による外力を繰返し受けると、硬度の低い溶着樹脂部67はその外力に摩擦抵抗できなくなり、僅かなりとも弾性変形してしまい、その分ナット65の戻り回転止めを施すことができなくなる問題点がある。
また、従来の上部にナイロン等で作られる樹脂リング部を取付けるプリベリングタイプのナットとボルトとでなる締結具4でも、硬度の高いボルト80のおねじ部81が、硬度の低い樹脂リング部86を上から押圧するので、振動や衝撃等による外力を繰返し受けると、硬度の低い樹脂リング部86はその外力に摩擦抵抗できなくなり、僅かなりとも弾性変形してしまい、その分ナット84の戻り回転止めを施すことができなくなる問題点がある。
本発明は、このような従来の締結具の構成が有している問題点を解決しようとするものであり、軸方向や軸直角方向あるいは軸回り方向に、振動や衝撃等による外力を繰返し受けても、ナットが戻り回転するのを止めて、ねじのゆるみ止めを施すことができる締結具を実現することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明の締結具は、一条のおねじ部11と、他の一条のタッピンねじ部15とを設ける二条ねじボルト10と、この二条ねじボルト10のおねじ部11が螺合する一条のめねじ部21と、タッピンねじ部15がねじ込みして他の一条のめねじ部26を成形する被ねじ込み材壁部25とを設ける二条ねじナット20とでなる締結具であって、前記二条ねじボルト10の軸部に嵌まる被締結部材を前記二条ねじナット20が締結した状態において、前記二条ねじナット20の戻り回転を止めて、ねじのゆるみ止めを施すことを特徴とするものである。
ところで、二条ねじボルトとは、一般に、二条のおねじ部を設けるボルト、あるいは二条のタッピンねじ部を設けるボルトを定義する用語であるが、本発明における二条ねじボルトとは、一条のおねじ部と他の一条のタッピンねじ部とを設けるボルトを定義する用語である。また、二条ねじナットとは、一般に、あらかじめ加工された二条のめねじ部を設けるナットを定義する用語であるが、本発明における二条ねじナット20とは、あらかじめ加工された一条のめねじ部21と、ナットが二条ボルト10に嵌った状態において、タッピンねじ部15のねじ込みにより他の一条のめねじ部26が成形(thread forming)される被ねじ込み材壁部25とを設けるナットを定義する用語である。
上記のように構成された本発明の締結具によれば、以下の効果を発揮することができる。
二条ねじボルト10のおねじ部11と二条ねじナット20のめねじ部21との螺合と、二条ねじボルト10のタッピンねじ部15の二条ねじナット20の被ねじ込み材壁部25へのねじ込みによるめねじ部26の成形とを共に施すことにより、二条ねじボルト10の軸部に嵌まる被締結部材を二条ねじナット20が締結した状態において、二条ねじナット20の戻り回転を止めて、ねじのゆるみ止めを施すことができる。
この場合、タッピンねじ部15の被ねじ込み材壁部25へのねじ込みによるめねじ部26の成形は、被ねじ込み材壁部25を内表面から内部にかけて切開いてなされるので、このめねじ部26とタッピンねじ部15のねじ山とは完全に密着した状態になって、そこには強い摩擦抵抗が生まれ、二条ねじナット20の戻り回転止めを施すことができる。
また、タッピンねじ部15の被ねじ込み材壁部25へのねじ込みは、おねじ部11に螺合するめねじ部21にガイドされて進むので、そのねじ込みトルクは、めねじ部21のおねじ部11への締付けトルクに影響され、ばらつきがなく、被ねじ込み材壁部25のめねじ部26の成形が堅固になる。
以下、本発明の実施の形態を、図1と図2と図3を共に参照しながら説明する。ここで、図1は、本発明の締結具が被締結部材を締結した状態を示す(軸線を含む)正面断面図、図2は、二条ねじナットを示す(軸線を含む)正面断面図、図3は、おねじ部とめねじ部の螺合とタッピンねじ部の被ねじ込み材壁部へのねじ込みの状態を示す部分断面説明図、である。
図1に示すように、本締結具1は、二条ねじボルト10と二条ねじナット20とでなるものである。二条ねじボルト10は、一条のおねじ部11と、他方の一条のタッピンねじ部15とを設けている。おねじ部11とタッピンねじ部15は、各々独立したつる巻き線を形成しているが、それぞれのリード角とピッチは等しくなっている。そして、おねじ部11とタッピンねじ部15のねじ山の開始位置は、図1では隠れて見えないが、180度ずらしている。また、二条ねじボルト10の軸部の先端は平先にして、そこにはおねじ部11とタッピンねじ部15のねじ山のテーパを形成し、二条ねじナット20を二条ねじボルト10に嵌めるにあたり、めねじ部21のおねじ部11への螺合と、タッピンねじ部15の被ねじ込み材壁部25へのねじ込みが、共に円滑に施せるようにしている。二条ねじナット20は、図2に示すように、二条ねじボルト10のおねじ部11が螺合する一条のめねじ部21と、タッピンねじ部15がねじ込みして他の一条のめねじ部26を成形(thread forming)する被ねじ込み材壁部25とを設けている。この場合、図2に示すように、被ねじ込み材壁部25の内径は、めねじ部21の内径より少し大きくして、タッピンねじ部15がねじ込みしたとき、切粉を受ける切欠き隙間28が形成されるようにしている。そして、被ねじ込み材壁部25の内表面には、垂直断面略V字形の小さなねじ込み溝27を設け、ここにタッチピンねじ部15のねじ刃の先端がかかり、ねじ込みし易いようにしている。尚、図1では、二条ねじボルト10であることを明瞭に表示するため、二条ねじボルト10の軸部の反対側に周るおねじとめねじのねじ山を1本ずつ点線表示してある。
本締結具1は、上記の構成により、二条ねじボルト10の軸部に嵌まる被締結部材30a、30bを二条ねじナット20が締結している。この場合、二条ねじナット20のめねじ部21が二条ねじボルト10のおねじ部11に螺合するのと、二条ねじボルト10のタッピンねじ部15が二条ねじナット20の被ねじ込み材壁部25にねじ込みしてめねじ部26を成形するのとを共に施している。そして、おねじ部11とめねじ部21のねじ山が互いにくさびのように食い込み、強い初期締付力(予張力)がかかるようになっている。
図3は、被締結部材30a、30bを締結した場合のおねじ部11とめねじ部21の螺合とタッピンねじ部15の被ねじ込み材壁部25へのねじ込み状態を示している。(図3では、二条ねじナット20が右から左方向に螺合を進めた状態を示している。)この場合、おねじ部11とめねじ部21の螺合状態においては、二条ねじナット20の締付けトルクにより、二条ねじナット20のめねじ部21の進み側のフランク22が、それに対向する二条ねじボルト10の一方側のフランク12を圧接している。但し、二条ねじナット20のめねじ部21の追い側のフランク23とそれに対向する二条ねじボルト10の反対側のフランク13との間には隙間24が残っている。一方、タッピンねじ部15の被ねじ込み材壁部25へのねじ込み状態においては、タッピンねじ部15のねじ込みトルクにより、タッピンねじ部15の一方側のフランク16と反対側のフランク17の双方が、被ねじ込み材壁部25に隙間無くねじ込み、めねじ部26を成形している。このめねじ部26の成形は、おねじ部11とめねじ部21の螺合進行に沿って、タッピンねじ部15が相手の被ねじ込み材壁部25を、内表面から内部にかけて徐々に切開いてなされているので、タッピンねじ部15のねじ山と被ねじ込み材壁部25のめねじ部26とは完全に密着した状態になり、嵌め合いが極めて堅固になるようになっている。
かくして、おねじ部11のめねじ部21の螺合と、タッピンねじ部15の被ねじこみ材壁部25へのねじ込みとが相俟って、二条ねじナット20のめねじ部21の戻り回転止めが施されている。この場合、被ねじ込み材壁部25がタッピンねじ部15によりねじ込めされるねじ込みトルクには、二条ナット20のめねじ部21が二条ねじボルト10のおねじ部11に螺合する締付けトルクがそのまま伝わるので、そのねじ込みは力強いものになっている。
以上により、本締結具1においては、二条ねじボルト10の軸部に嵌まる被締結部材30a、30bを二条ねじナット20が締結した状態において、二条ねじナット20の戻り回転を止めて、ねじのゆるみ止めが施されている。
本発明の締結具を作る材料については、二条ねじナット20の締結と解除を複数回繰返し施す条件下では、二条ねじボルト10の全部と、二条ねじナット20の被ねじ込み材壁部25を除く全部とは鋼で作り、二条ねじナット20の被ねじ込み材壁部25は、二条ねじボルト10のタッピンねじ部15によりねじ込み可能な固形の汎用合成ゴムで作るのが好ましい一例である。この場合、二条ねじボルト10を作る鋼としては、例えば工具鋼を採択すると、タッピンねじ部15のねじ刃を、切れ味鋭く、丈夫に作ることができる。そして、被ねじ込み材壁部25を作る汎用合成ゴムとしては、例えばイソブレンゴム(IR)を採択すると、反発弾性、耐引裂性、機械的強度に優れ、硬度を高くすることによりタッピンねじ部15によりねじ込みされた場合、堅固なめねじ部26を成形することができる。これにより、タッピンねじ部15で被ねじ込み材壁部25をねじ込みすると、被ねじ込み材壁部25が弾性変形してめねじ部26を成形するので、このめねじ部26の弾性反発力により、強い摩擦抵抗が生まれ、効果的な戻り回転止めを施すことができる。そして、タッピンねじ部15のねじ込みを解除すると、被ねじ込み材壁部25が弾性復元し、めねじ部26がほぼ消失するので、ここに再びねじ込みによりめねじ部26を成形すると、最初ほどではないにせよ、相当な摩擦抵抗を生むので、二条ねじナット20の締結と解除を複数回繰返し施すことができ、二条ねじナット20の有効な利用(使い捨ての防止)を図ることができる。
そして、二条ねじナット20を締結したら解除することなく、永続的に締結しておく条件下では、二条ねじボルト10の全部と、二条ねじナット20の被ねじ込み材壁部25を除く全部とを鋼で作り、二条ねじナット20の被ねじ込み材壁部25を硬質のプラスチックで作るのが好ましい一例である。この場合、二条ねじボルト10を作る鋼としては、例えば工具鋼を採択すると、タッピンねじ部15のねじ刃を、硬質のプラスチックに対しても、切れ味鋭く、丈夫に作ることができる。そして、被ねじ込み材壁部25を作るプラスチックとしては、例えば熱可塑性樹脂のABS樹脂を採択すると、高剛性でかつ切削加工が容易なので、堅固なめねじ部26を成形することができる。これにより、タッピンねじ部15で被ねじ込み材壁部25をねじ込みすると、被ねじ込み材壁部25が塑性変形してめねじ部26を成形する。この塑性変形は、弾性変形よりも、めねじ部26とタッピンねじ部15との間に、極めて強い摩擦抵抗を生じさせるので、格段に効果的な二条ねじナット20の戻り回転止めを施すことができる。この場合、タッピンねじ部15のねじ込みトルクは、めねじ部21のおねじ部11への締付けトルクにガイドされるので、ねじ込み作業が円滑になる。尚、本件のように被ねじ込み材壁部25を硬質のプラスチックで作るのは、タッピンねじ部15のねじ込みを解除しても、被ねじ込み材壁部25に一旦成形されためねじ部26はそのまま残るので、二条ねじナット20の繰返しの利用には不適であり、締結したら解除しない、永続的な締結に適するものである。
尚、上記の本発明の実施形態においては、二条ねじボルト10に六角ボルトを用いているが、本発明の締結具には、二条ねじボルトには、植込みボルトや基礎ボルトを含むものである。
本発明の締結具が被締結部材を締結した状態を示す正面断面図 本発明の二条ねじナットを示す正面断面図 本発明の締結具において、おねじ部とめねじ部の螺合と、タッピンねじ部の被ねじ込み材壁部へのねじ込みの状態を示す部分断面説明図 標準的な戻り回転止めのないナットとボルトとでなる締結具が被締結部材を締結した状態を示す正面断面図 樹脂溶着によるプリベリングトルクタイプのナットとボルトとでなる締結具が被締結部材を締結した状態を示す正面断面図 樹脂リングによるプリベリングトルクタイプのナットとボルトとでなる締結具が被締結部材を締結した状態を示す正面断面図 樹脂リングによるプリベリングトルクタイプのナットの斜視図
符号の説明
1 締結具
10 二条ねじボルト
11 おねじ部
12 一方側のフランク
13 反対側のフランク
15 タッピンねじ部
16 一方側のフランク
17 反対側のフランク
20 二条ねじナット
21 めねじ部
22 進み側のフランク
23 追い側のフランク
24 隙間
25 被ねじ込み材壁部
26 めねじ部
27 ねじ込み溝
28 切欠き隙間
30a 被締結部材
30b 被締結部材
2 締結具
40 ボルト
41 おねじ部
45 ナット
46 めねじ部
47 隙間
48 圧接面
50a 被締結部材
50b 被締結部材
3 締結具
60 ボルト
61 おねじ部
65 ナット
66 めねじ部
67 溶着樹脂部
70a 被締結部材
70b 被締結部材
4 締結具
80 ボルト
81 おねじ部
84 ナット
85 めねじ部
86 樹脂リング部
87 支持枠
90a 被締結部材
90b 被締結部材

Claims (1)

  1. 一条のおねじ部(11)と、他の一条のタッピンねじ部(15)とを設ける二条ねじボルト(10)と、この二条ねじボルト(10)のおねじ部(11)が螺合する一条のめねじ部(21)と、タッピンねじ部(15)がねじ込みして他の一条のめねじ部(26)を成形する被ねじ込み材壁部(25)とを設ける二条ねじナット(20)とでなる締結具であって、
    前記二条ねじボルト(10)の軸部に嵌まる被締結部材を前記二条ねじナット(20)が締結した状態において、前記二条ねじナット(20)の戻り回転を止めて、ねじのゆるみ止めを施すことを特徴とする締結具
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011081928A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Denyo Co Ltd 投光機

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