JP2008138230A - 高炉出銑樋における溶銑滓の分離方法 - Google Patents
高炉出銑樋における溶銑滓の分離方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】出銑流速など条件の変化によって構造を変更する必要がなく、従来技術よりも簡単で、安価な施工費用で溶銑滓の分離性を向上させることのできる方法を提供する。
【解決手段】高炉の出銑口から排出された溶銑滓を、出銑樋1の下流に設けられたスキンマー3を介して比重差によって溶銑とスラグとに分離し、スラグは滓樋4に排出する一方、溶銑は溶銑樋5に排出して溶銑とスラグの分離を図る方法において、出銑樋1のスキンマー3の上流側における上記滓樋分岐部の上流側入口に、流速低下用ダンパー6を配置した。
【選択図】図1
【解決手段】高炉の出銑口から排出された溶銑滓を、出銑樋1の下流に設けられたスキンマー3を介して比重差によって溶銑とスラグとに分離し、スラグは滓樋4に排出する一方、溶銑は溶銑樋5に排出して溶銑とスラグの分離を図る方法において、出銑樋1のスキンマー3の上流側における上記滓樋分岐部の上流側入口に、流速低下用ダンパー6を配置した。
【選択図】図1
Description
この発明は、高炉から高炉出銑樋に出銑された溶銑滓を、出銑流速に関係なく、効率的に溶銑とスラグとに分離させる方法に関する。
高炉は、原料である鉄鉱石や焼結鉱等を、コークスにより還元して溶銑を製造する設備である。この高炉による溶銑の製造の際、原料中に含まれる脈石成分(アルミナ、シリカ、マグネシアなど)も溶滓として同時に生成するため、高炉下部にある出銑口からは、溶銑と溶滓とが混在した状態の溶銑滓が高炉出銑樋(以下、単に「出銑樋」という)に排出されることになる。
この溶銑滓は、出銑樋中で比重差を利用して溶滓(以下、「スラグ」という、上層)と溶銑(下層)とに分離し乍ら、この出銑樋の下流側に配設されているスキンマーによって、スラグは、該スキンマーよりも炉体側に設けられた滓はね、滓樋を通って水砕スラグ製造設備もしくはドライピットで徐冷滓として回収され、一方、溶銑は、スキンマーの下をくぐり、溶銑樋を通ってトピードカーに排出される。
このようにして回収されたスラグは、路盤材やセメント、コンクリート用骨材等として使用されるが、そのスラグ中にもし、溶銑(銑鉄)が混ざっていると、錆が発生したり、粉砕に要する時間が長くなる等の品質の低下を招いたり、水砕スラグの製造時に、水蒸気爆発を引き起こす可能性がある。そのため、溶銑滓からスラグと溶銑とに完全に分離する技術を開発することが重要と考えられている。
そこで、従来、高炉出銑樋を長くするなどして、出銑流に対して溶銑とスラグとが分離するのに十分な時間を付与する工夫をしていたが、この方法は、近年の高炉内圧の高圧化に伴い、溶滓銑の出銑流速が増加しつつある状況では、溶滓銑を完全に分離させるために、膨大な鋳床面積を要することや、高炉からの出銑流速が変わる毎に、出銑樋の幅や長さを変更する必要があるなどの問題点があった。
この問題点を解決するため、例えば、特許文献1は、高炉出銑大樋上流の溶銑滓流中に、適当な隙間が形成されるようにダンパーを設け、流速の速い幅方向中央部の勢いを止めて沈静化し、スラグ中に混在した溶銑を沈降し易くする方法を開示している。
また、特許文献2は、流速の速い大樋幅方向中央部の溶融スラグ表層流を上堰で堰き止め、大樋幅方向の流速分布を均一にして、溶融スラグ中に分散する溶銑を沈降させる方法を開示している。
特開平10−273706号公報
特開平8−176628号公報
また、特許文献2は、流速の速い大樋幅方向中央部の溶融スラグ表層流を上堰で堰き止め、大樋幅方向の流速分布を均一にして、溶融スラグ中に分散する溶銑を沈降させる方法を開示している。
しかしながら、流速の速い大樋の幅方向中央部の流速を均一にすることを目的としている特許文献1および特許文献2の方法では、とくに近年の高炉内圧の高圧化に伴い、高炉出銑口からの溶銑滓出銑の流速が増大し、高炉の開孔時や出銑初期などの溶銑滓が出銑樋に突沸しやすく、出銑滓流の乱れが大きい環境下では、十分な対策を提供するものとはなっておらず、依然として溶銑滓流の湯面の波打ち現象や層流化阻害が起るため、溶銑滓を滓樋に到達するまでに十分に溶銑とスラグとに分離することができないおそれがある。
そこで、本発明の目的は、出銑流速など条件の変化によって高炉出銑樋の幅や長さなどの構造を変更する必要がなく、従来技術よりも簡単で、安価な施工費用で溶銑滓の分離性を向上させることのできる方法を提案することにある。
従来技術が抱えている上述した課題を解決し、本発明の上記目的を実現するため鋭意研究した結果、本発明は、以下に述べる方法をその解決手段として開発した。即ち、本発明は、高炉の出銑口から排出された溶銑滓を、出銑樋の下流に設けられたスキンマーを介して比重差によって溶銑とスラグとに分離し、スラグは滓樋に排出する一方、溶銑は溶銑樋に排出して溶銑とスラグの分離を図る方法において、上記出銑樋のスキンマーの上流側における上記滓樋分岐部の上流側入口に、流速低下用ダンパーを配置したことを特徴とする高炉出銑樋における溶銑滓の分離方法を提案する。
なお、本発明においては、前記流速低下用ダンパーは、前記滓樋かつ分岐形成されている側の出銑樋内側壁から対向する内側壁に向かって延在し、その内側壁との間に溶銑滓流路となる迂回通路をもうけてなるものであること、前記流速低下用ダンパーは、その高さが、溶銑滓流上面より高いレベルから出銑樋底までとしたこと、および溶銑滓流路となる前記迂回通路は、出銑樋幅の1/5〜4/5程度としたことにより好ましい解決手段を提供することができる。
上述した要旨構成の採用による本発明によれば、高炉の開口時や出銑初期の乱流状態の溶銑滓を、滓樋上流側入口に設けた流速低下用ダンパーによって、流れの激しい出銑滓竜を整流化させることができると共に、その流速の沈静化により、スラグと溶銑の分離を確実に果すことができる。
また、本発明によれば、この流速低下用ダンパーを、高炉出銑樋中の溶銑滓よりも高いレベルから高炉出銑樋底まで設けることにより、溶銑の混在した状態のスラグが多量に流速低下用ダンパーの上部や下部を通り抜けるおそれがなくなり、溶銑滓の分離性を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、溶銑滓流路となる隙間の幅を、出銑樋幅の1/5〜4/5の範囲内にすることにより、溶銑とスラグとが混濁状態のまま大量に該ダンパー下流に流れ込むおそれを防止することができる。
さらにまた、本発明によれば、流速低下用ダンパーを設けることだけで溶銑滓の流速を低下させることができるため、鋳床面積を小さくすることが可能となる他、出銑流速が増加するような場合でも、出銑樋を作り変える必要がなく、安価に施工できる。
また、本発明によれば、この流速低下用ダンパーを、高炉出銑樋中の溶銑滓よりも高いレベルから高炉出銑樋底まで設けることにより、溶銑の混在した状態のスラグが多量に流速低下用ダンパーの上部や下部を通り抜けるおそれがなくなり、溶銑滓の分離性を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、溶銑滓流路となる隙間の幅を、出銑樋幅の1/5〜4/5の範囲内にすることにより、溶銑とスラグとが混濁状態のまま大量に該ダンパー下流に流れ込むおそれを防止することができる。
さらにまた、本発明によれば、流速低下用ダンパーを設けることだけで溶銑滓の流速を低下させることができるため、鋳床面積を小さくすることが可能となる他、出銑流速が増加するような場合でも、出銑樋を作り変える必要がなく、安価に施工できる。
以下に、この発明の好適な実施形態の一例を図面を用いて説明する。図1は、本発明の方法を実施するための出銑樋1の一例を示す断面図であり、図2はその平面図である。
一般に、高炉出銑樋1による溶銑滓の分離方法は、高炉出銑口から排出された溶銑滓を、出銑樋1を流れる間に層流化させ乍ら、スキンマー3部で比重差によってスラグと溶銑とに分離し、スラグについては、滓はね部4aに導いて滓樋4に流出させ、一方、溶銑については、ダンパー形のスキンマー3の下方を潜らせて溶銑樋5に導くことで分離排出させることによる。
本発明は、上記溶銑滓の分離方法に当たり、出銑時に吐出した溶銑滓が出銑樋中に排出されたような場合に、その溶銑滓の流速を速やかに整流化し、沈静化させるための流速低下用ダンパー6を、上記出銑樋のスキンマーの上流側における上記滓樋4分岐点の上流側入口に設けたところに特徴がある。この流速低下用ダンパー6は、図2に示したように、滓樋4を有する側の高炉出銑樋側内側壁7から、出銑樋1の幅方向に対向する側の内側壁8に向かって延在させるように設けられるものであり、この流速低下用ダンパー6側端と高炉出銑樋内側壁8との間は、溶銑滓流路となる隙間、即ち迂回通路9を形成してなるものである。
この流速低下用ダンパー6は、図1に示したように、溶銑滓流の上面レベルよりも高い高さを有し、その底部は、高炉出銑樋7底部である。このような流速低下用ダンパー6の採用により、溶銑滓の流れは、部分的に堰き止められることになり、ひいてはその流れが沈静化して、スラグと溶銑の分離が促進される。しかも、このような構成の採用により、溶銑が混濁した状態のスラグが流速低下用ダンパー6上部および下部から下流側に流出することを防ぐことができるようになる。
流速低下用ダンパー6によって沈静化、層流化した溶銑滓流は、スラグと溶銑とに分離した状態で、前記迂回通路9を経てさらに下流側へ流れ、スキンマー3の作用により、スラグは滓樋4へ、溶銑はスキンマー3下の隙間を潜って溶銑樋5へと流出する。
なお、溶銑滓流の迂回通路となる迂回通路9の幅は、出銑樋幅の1/5〜4/5程度の範囲とすることが好ましい。これは、この迂回通路9が出銑樋幅の1/5未満では、溶銑滓の流れが悪くなって溶滓銑が高炉出銑樋から溢れ出すおそれがあり、一方、4/5より大きい場合は、多くの溶銑滓が、流速の速いまま迂回通路9を通って下流に流れ込んでしまい、溶銑とスラグとの分離性が悪くなるためである。
高炉の出銑口から出銑した溶銑滓(流速:60〜80m3/h)を、本発明の方法を用い、出銑樋幅1200mmに対し、600mmの流速低下用ダンパーを設置して分離させたところ、回収したスラグ中の溶銑混入量は、30g/l以下であった。これは、流速低下用ダンパーを設置しない場合に溶銑混入量が50g/lであったのに比べ、著しく少ない混入量であった。
この発明に係る高炉出銑樋における溶銑滓の分離方法は、鋳床面積が狭い場合や、高炉からの出銑速度が速い場合に好適に利用することができる他、他の同様の施設を有する溶融金属処理施設への適用が可能である。
1 高炉出銑樋
2 高炉出銑口
3 スキンマー
4 滓樋
4a 滓はね部
5 溶銑樋
6 流速低下用ダンパー
7、8 高炉側壁
9 迂回通路
2 高炉出銑口
3 スキンマー
4 滓樋
4a 滓はね部
5 溶銑樋
6 流速低下用ダンパー
7、8 高炉側壁
9 迂回通路
Claims (4)
- 高炉の出銑口から排出された溶銑滓を、出銑樋の下流に設けられたスキンマーを介して比重差によって溶銑とスラグとに分離し、スラグは滓樋に排出する一方、溶銑は溶銑樋に排出して溶銑とスラグの分離を図る方法において、
上記出銑樋のスキンマーの上流側における上記滓樋分岐部の上流側入口に、流速低下用ダンパーを配置したことを特徴とする高炉出銑樋における溶銑滓の分離方法。 - 前記流速低下用ダンパーは、前記滓樋かつ分岐形成されている側の出銑樋内側壁から対向する内側壁に向かって延在し、その内側壁との間に溶銑滓流路となる迂回通路をもうけてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の高炉出銑樋における溶銑滓の分離方法。
- 前記流速低下用ダンパーは、その高さが、溶銑滓流上面より高いレベルから出銑樋底までとしたことを特徴とする請求項1または2に記載の高炉出銑樋における溶銑滓の分離方法。
- 溶銑滓流路となる前記迂回通路は、出銑樋幅の1/5〜4/5程度としたことを特徴とする請求項2または3に記載の高炉出銑樋における溶銑滓の分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006323177A JP2008138230A (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 高炉出銑樋における溶銑滓の分離方法 |
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JP2006323177A Pending JP2008138230A (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 高炉出銑樋における溶銑滓の分離方法 |
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JP (1) | JP2008138230A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103223474A (zh) * | 2013-05-24 | 2013-07-31 | 黄石新兴管业有限公司 | 一种铸铁机浇铸强化撇渣工艺方法 |
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2006
- 2006-11-30 JP JP2006323177A patent/JP2008138230A/ja active Pending
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