JP2008137649A - 螺旋溝を備えた空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたウェットタイヤ性能と良好なトラクション特性とを備えたタイヤを実現する。
【解決手段】空気入りタイヤは、半径方向最外面がタイヤ周長を定めるトレッドを有し、トレッドは、一対の終端部30,32を有し周方向に延びる少なくとも1つの溝28を有している。少なくとも1つの周方向に延びる溝28はトレッドの表面を横切る螺旋形状を有する螺旋溝28であり、螺旋溝28の一方の終端部30と他方の終端部32との間の長さはタイヤ周長の50%よりも長い。
【選択図】図1A

Description

本発明は空気入りタイヤに関する。本発明は特に、少なくとも1つの周方向に延びる溝をトレッドが備える空気入りタイヤ及びトレッドに関する。
従来の空気入りタイヤ、特に高性能タイヤでは、トレッドパターンは一般に、タイヤの周方向に沿って延びる複数の周方向溝を周方向に対して傾斜した複数の溝と組み合わせることによって構成されている。このような溝を組み合わることによって、タイヤの半径方向外側面に沿って複数のトレッドブロックが形成される。傾斜している溝がタイヤの赤道面を完全に横切って延びていない場合、トレッドに中央リブが形成されることもある。
溝とそれによって構成されるトレッド要素は、タイヤの性能特性を部分的に決定する。本発明の目的は、優れたウェットタイヤ性能と良好なトラクション特性とを備えたタイヤを実現することである。
本発明は、改善されたウェット走行特性を有する空気入りタイヤに関し、トレッドはタイヤトレッド中央部からの水の排出を促進するように構成された複数の溝を備えている。空気入りタイヤのトレッドは、タイヤ周長を定める半径方向最外面を有し、トレッドは少なくとも1つの周方向に延びる溝を有している。溝はトレッド表面を横切る螺旋形状であり、横方向に離れた一対の終端部を有している。溝の2つの終端部間で測った螺旋溝の周長はタイヤ周長の50%よりも長い。螺旋溝は、螺旋状リブ、つまりトレッド幅を横切って進む、突出たトレッド要素の列を形成している。
タイヤは少なくとも1つの螺旋溝を有し、非対称なまたは方向性のあるタイヤトレッドの一部であることができる。タイヤは、10以下のこのような螺旋溝を有していることが好ましく、ただ1つの溝だけを有していてもよい。螺旋溝は、一方のトレッド半部だけに位置していてもよく、赤道面を横切っていてもよい。
本発明の一実施態様では、螺旋溝はタイヤ赤道面に対して30°以下の角度で傾斜している。
本発明の他の実施態様では、少なくとも1つの螺旋溝の幅は溝長に沿って変化している。
本発明のさらに他の実施態様では、少なくとも1つの螺旋溝の一方の終端部と他方の終端部との間の長さはタイヤ周長の75%よりも長い。あるいは、螺旋溝の一方の終端部と他方の終端部との間の長さはタイヤ周長よりも長い。
本発明を、図面を参照しながら例示によって説明する。以下の説明は、本発明の現在考えられる最良の1つまたは2つ以上の実施形態である。本説明は、本発明の一般原理を説明する目的でなされ、限定的な意味に解すべきではない。
図1Aは空気入りタイヤを示しており、図1Bは図1Aのタイヤトレッドの平面図である。タイヤは対向する一対のトレッド縁部12,14の間で画定されたトレッドを有している。トレッドを互いに隣接する一対のトレッド半部に分割するタイヤ赤道面EPは、両方のトレッド縁部12,14の中央部にあり、タイヤの中点に沿って位置している。
第1のトレッド半部には、周方向に延びる2つの無端溝16,18がある。無端リブ20が、一対の周方向溝16,18の間に位置している。無端リブ20の軸線方向外側には、ショルダ領域が、周方向溝の一方とトレッド縁部との間に位置している。ショルダ領域には、互いに隣接する周方向溝18とトレッド縁部14との間を延びる複数の横方向溝24によって構成された複数のトレッドブロック22がある。図示のショルダ領域では、ショルダトレッドブロック22は短い周方向溝26によってさらに分割されている。
第2のトレッド半部には、トレッド表面の周りを廻る螺旋形状を有する少なくとも1つの周方向溝28がある。螺旋溝28は、赤道面EPに対して30°以下の角度βで傾斜している。螺旋溝28は、図1Bに示すように一対の終端部30,32を有している。螺旋溝28の2つの終端部30,32は、トレッド幅を横切って横方向に互いに離れた位置にある。螺旋溝28の2つの終端部30,32は、行き止まりの端部(つまり溝がトレッドゴムの中で終端しており、他の溝に接続されていない。)となるように定められているか、あるいは他の溝に接続しまたは他の溝に一致している。他の溝に接続しまたは他の溝に一致している場合、他の溝は最初の溝とは実質的に方向が異なっている。つまり他の溝は実質的に30°よりも大きい傾斜角度を有している(このような種類の終端部を図2A〜3Bに示している。)。
螺旋溝28の第1の終端部30はトレッド縁部12の近傍に位置している。終端部30はトレッド縁部12に位置していてもよいし、タイヤショルダ内に位置していてもよい。終端部30は、横方向溝34に接続されており、横方向溝34の終端部に一致している。横方向溝34は特定のトレッド半部のショルダ領域に位置する複数の横方向溝の1つである。横方向溝34に接続されることによって、螺旋溝28内の水はタイヤの側部から横方向溝34を通して排出される。螺旋溝28の終端部30は、それがトレッドのショルダ領域に位置しているときには、互いに対向する2つのトレッド縁部12,14間の距離をトレッド幅として定めたときに、トレッド縁部12からトレッド幅の20%以内の範囲に位置していることが好ましく、トレッド縁部12からトレッド幅の15%以内の範囲に位置していることが最も好ましい。
図示のタイヤでは、図示の螺旋溝28の第2の終端部32はタイヤの赤道面EPの近傍に位置している。螺旋溝28の終端部32がタイヤの中央部分、つまりトレッド中央部におけるトレッド幅の50%の範囲内に位置している場合、終端部はダイヤの赤道面EPにあるのが最も好ましく、またはダイヤの赤道面EPからトレッド幅の10%以内、最も好ましくは5%以内の幅だけ離隔しているのが好ましい。10%の離隔はタイヤの赤道面EPの「近傍」であると考えられる。
さらに、螺旋溝28の幅は、溝28の長さに沿って変化していてもよい。図1A,1Bに示す螺旋溝28では、螺旋溝28の幅は、タイヤの赤道面EPの近傍の終端部32を起点として、非常に狭い幅から徐々に増加し、トレッド縁部の終端部30で最大幅に達している。溝28の幅は、通常サイプ幅と呼ばれる幅、つまりトレッド幅の約0.2%から0.8%の範囲の幅から、これより大きい任意の幅へと変化することができる。従って、図1A,1Bに示すトレッドの場合、螺旋溝28はトレッドを横切って進むにつれて、サイプから広い溝へと拡張していく。
螺旋溝28の終端部30から終端部32までの周長は、タイヤ周長の少なくとも50%である。ここで、これらの周長はタイヤのトレッド外周面上で赤道面EPと平行に測定された値である。螺旋溝28の長さはタイヤ周長の少なくとも75%であることが好ましい。図示のタイヤでは、螺旋溝28の長さはタイヤ周長の約95%であり、1回転にわずかに満たない周長でタイヤトレッドの周りを廻っている。他の望ましい構成では、螺旋溝28の長さはタイヤ周長の少なくとも100%であり、螺旋溝28はトレッドの周りを少なくとも1回廻っている。タイヤが幅広になり、螺旋溝28が進むべきトレッド幅が大きくなるにつれ、螺旋溝28はタイヤの外周の周りをより多く廻る。
無端周方向溝16,18は、各々がタイヤの外周の周りにリングを形成し、終点や始点を有していないため、螺旋溝28と区別される。螺旋溝28は、トレッド半部を横切って「進む」螺旋状リブ36を構成する、横方向にずれた2つの終端部30,32によって画定されている。図1A,1Bに示す螺旋溝28はトレッドの円周の周りを完全には廻っていないが、螺旋溝28はトレッドの周りを完全に廻る螺旋状リブ36を形成しており、生成された螺旋状リブ36は赤道面EPと平行に計測したときに、タイヤ周長よりも長いことが好ましい。
図2A,2Bに示すトレッドでは、トレッドは6つの螺旋溝40を備えている。各螺旋溝40は、トレッドの赤道面EPの近傍に内側終端部44を有している。外側終端部46は2つのトレッド縁部の近傍に位置し、横方向溝48と合流している。各トレッド半部の螺旋溝40の外側終端部46は周方向に互いにずれており、各トレッド半部は他方のトレッド半部の周方向にずれた鏡像となっている。これらの螺旋溝40では、溝の幅は内側終端部44から外側終端部46まで徐々に広がっている。螺旋溝40は一方のトレッド縁部からタイヤの赤道面EPまで延びる連続的な螺旋状リブ50を形成しており、螺旋状リブ50は赤道面EPで1つに合流し、トレッド全体を横切る連続的なリブを効果的に形成している。
図3A,3Bに示すトレッドでは、螺旋溝60は、一方のトレッド半部のトレッドショルダ近傍に位置する一方の終端部62から、他方のトレッド半部の対向するトレッドショルダの近傍に位置する第2の終端部64へ、タイヤの赤道面EPを横切って延びている。2つの終端部62,64はトレッドショルダ内の横方向溝66の終端部に一致している。トレッド幅を横切って「進む」多数の連続的な螺旋状リブ68が、螺旋溝60によって形成されている。本実施形態では、螺旋溝60の幅が変化しており、トレッドの中央領域では幅が減少し、赤道面EPまたはその近傍で最小幅となり、溝終端部62,64またはその近傍で最大幅となっている。
図4は螺旋溝を備えたトレッドの他の実施形態を示している。トレッドは、トレッドの赤道面EP上に位置する中央リブ70を有している。各トレッド半部には、中央リブ70の互いに対向する両側に螺旋溝72が設けられている。螺旋溝72は、トレッドショルダ近傍に位置する第1の終端部74と、トレッド半部内に位置し赤道面EPから離れた第2の終端部76と、を有している。他の実施態様と同様に、螺旋溝72はトレッドを横切って進む多数の連続的な螺旋状リブ78を形成している。
図示した螺旋溝はすべて滑らかに横移動する螺旋溝であるが、必要に応じて、螺旋溝はトレッド表面を横切りながら廻るときに、別のジグザグ形状を有していてもよい。また、図示の各トレッドは2つ以上の螺旋溝を有しているが、トレッドはタイヤ外周を複数回廻って一方のトレッド縁部から他方のトレッド縁部まで延びる1つの螺旋溝だけを有していてもよい。トレッド内の螺旋溝の数は所望のタイヤトレッド構成に依存し、図示の実施形態では、螺旋溝の総数は3つから6つまで変化する。螺旋溝の数は10未満であることが好ましい。
図示の各トレッドは、トレッド内に複数のサイプ80を有している。任意の所望のサイプ形状を採用することができ、選択される特定の形状は所望のタイヤ特性を実現するようにタイヤ技術者によって決定される。図示の各実施形態では、サイプは螺旋溝28,40,60,72の互いに隣接する周回部分をつないでいる。
また、図示していないが、トレッド内の水や雑音をさらに排除することが必要な場合、トレッドは螺旋溝28,40,60,72の互いに隣接する周回部分の間を延びる任意の構成の横方向溝を有していてもよい。そのようなトレッドは、図示の実施形態で複数のサイプ80のいずれかを横方向溝に置き換えることによって容易に実現することができる。
空気入りタイヤを示す図である。 図1Aのトレッドの平面展開図である。 螺旋溝を用いた第2の実施形態のタイヤを示す図である。 図2Aのトレッドの平面展開図である。 螺旋溝を用いた第3の実施形態のタイヤを示す図である。 図3Aのトレッドの平面展開図である。 第4の実施形態のタイヤトレッドを示す図である。
符号の説明
12,14 トレッド縁部
16,18,24,26 溝
20 リブ
22 トレッドブロック
28,40,60,72 螺旋溝
30,32,44,46,62,64,74,76 螺旋溝の終端部
34,48,66 横方向溝
36,50,68,78 螺旋状リブ
70 中央リブ
80 サイプ
EP 赤道面

Claims (12)

  1. 半径方向最外面がタイヤ周長を定めるトレッドを有し、該トレッドは、一対の終端部を有し周方向に延びる少なくとも1つの溝を有する空気入りタイヤにおいて、
    前記少なくとも1つの周方向に延びる溝は前記トレッドの表面を横切る螺旋形状を有する螺旋溝であり、該螺旋溝の一方の前記終端部と他方の前記終端部との間の長さはタイヤ周長の50%よりも長いことを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記少なくとも1つの螺旋溝はタイヤ赤道面に対して30°以下の角度で傾斜している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記少なくとも1つの螺旋溝の両方の前記終端部は前記トレッドの同一半部内に位置している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 一対の対向するトレッド縁部を有し、前記トレッドは該トレッド縁部間の距離として定められたトレッド幅を有し、前記少なくとも1つの螺旋溝の一方の前記終端部は前記トレッド縁部から前記トレッド幅の20%以内の範囲に位置している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記少なくとも1つの螺旋溝の一方の前記終端部はタイヤ赤道面上または該赤道面の近傍に位置している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記トレッドには10個以下の前記螺旋溝が設けられている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記少なくとも1つの螺旋溝はタイヤ赤道面を横切っている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記トレッドは複数の横方向溝を有し、前記少なくとも1つの螺旋溝の一方の前記終端部は前記横方向溝の一つに一致している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記少なくとも1つの螺旋溝の幅は溝長に沿って変化している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記少なくとも1つの螺旋溝の一方の前記終端部は前記トレッドの行き止まりの端部である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記少なくとも1つの螺旋溝の一方の前記終端部と他方の前記終端部との間の長さはタイヤ周長の75%よりも長い、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記少なくとも1つの螺旋溝の一方の前記終端部と他方の前記終端部との間の長さはタイヤ周長よりも長い、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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