JP2008136960A - 活性汚泥処理装置及び活性汚泥処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】活性汚泥処理を行うための密閉性の活性汚泥処理槽10、活性汚泥処理槽10において曝気する曝気装置20、活性汚泥処理槽10の液相11上に形成される気相部12の曝気空気ARを活性汚泥処理槽10の外部へ排出するために気相部12に設けられた排出管30とを有し、曝気により液相11上に発生する泡FMが曝気空気ARの流れにより排出管30を通じて活性汚泥処理槽10の外部へ搬送される構成とした。
【選択図】図1
Description
また、特許文献1は、活性汚泥処理槽上層に溜まった泡を専用の泡排出管を通じて液相上に形成された泡を槽外へ排出し、脱水汚泥として処理する技術を開示している。
さらに、特許文献2は、処理槽内の汚泥にオゾンガスを吹き込み、汚泥中の固形物をオゾンの気泡に付着させて浮上させて汚泥の水面上に積極的に泡を成長させて、この成長する泡を導通管を通じて焼却炉に導き、焼却炉において焼却する技術を開示している。
このため、上記したように、活性汚泥処理槽の泡を消泡する技術では、活性汚泥処理槽から発泡原因物質自体が除去されるわけではないので、発泡抑制の根本的対策とはなり得ない。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、泡を専用の泡排出管により処理槽の外部へ排出するので、泡排出管が泡に含まれる固形物で閉塞しないように頻繁にメインテナンスする必要がある。
また、特許文献2に開示された技術では、オゾンガスにより積極的に泡を成長させて焼却炉へ搬送するので、オゾン発生装置が必要であり、装置コストが高くなるという問題があった。
この構成によれば、密閉性の活性汚泥処理槽に供給された曝気済ガスは外部との間に生じる気圧差により排出管を通じて排出されるので、曝気済ガスの流れが生じる。この曝気済ガスの流れにより液相上に生じた泡が排出管を通じて排出され、簡易な構成により活性汚泥処理槽内に生じた泡の確実な除去が可能となる。この結果、活性汚泥処理槽から泡に含まれる発泡原因物質が除去され、泡の発生を抑制できる。
この構成によれば、活性汚泥処理槽から排出した泡に含まれる汚泥を濃縮汚泥として取り出すことができる。
この構成によれば、泡から取り出した汚泥は、有機性高分子物質、油脂類等の発泡原因物質を含むため、この汚泥を可溶化することにより生物処理が可能となる。
この構成によれば、密閉性の活性汚泥槽の気相部に設けた排気管から曝気ガスの流れにより泡を搬送することにより、発泡原因物質を含む泡を活性汚泥処理槽外へ確実に排出することが可能になる。
この構成によれば、排出した泡に含まれる汚泥を濃縮汚泥として取り出すことができる。
この構成によれば、分離した汚泥成分を可溶化して再び生物処理するので、汚泥の発生量の増大を抑えることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る活性汚泥処理システムの要部の概略構成図である。
この活性汚泥処理システムは、活性汚泥処理槽10、活性汚泥処理槽10に設けられた曝気装置20、活性汚泥処理槽10に接続された排出管30、排出管30に接続された汚泥分離手段としての汚泥分離装置40、汚泥分離装置40の底部と配管により接続された可溶化手段としての可溶化槽50等から構成される。
この活性汚泥処理槽10は、原水ELの流入管、図示しない固液分離槽への流出管などの配管を除き、外部に液又は空気が洩れないように上部が閉塞した密閉構造の槽で構成されている。
この曝気装置20からの曝気空気ARにより、原水ELで構成される液相11を曝気することにより、好気性処理が行われる。尚、曝気空気ARの代わりに酸素ガスで曝気をすることも可能である。また、曝気装置20は図1に示した構造のものに限られるわけではなく、曝気が可能なものであればよい。
この排出管30は、液相11に吹き込まれてこれを通過した曝気空気ARと共に曝気により液相11上に形成された泡FMを活性汚泥処理槽10の外部に設けられた汚泥分離装置40へ導く。
尚、汚泥分離装置40内での消泡手段としては、シャワー式や機械式などの構造を採用できるが、周知の技術であるので詳細説明を省略する。
活性汚泥処理槽10に原水ELが供給された状態において、ポンプ21を駆動して曝気すると、曝気空気ARが液相11に吹き込まれると、液相11に吹き込まれた曝気空気ARは、液相に好気性処理のための酸素を供給しつつ上昇していき気相部12に達する。ポンプ21からは、曝気空気ARが継続的に供給されているので、気相部12の気圧は、活性汚泥処理槽10の外部よりも高くなり、気相部12に達した曝気空気ARは、排出管30から外部へ流出する。これにより、曝気空気ARの流れが形成される。
このように、密閉された状態にある活性汚泥処理槽10へ曝気装置20により曝気空気ARを送り込むことにより、曝気空気ARの流れを形成して泡FMを汚泥分離装置40搬送するので、泡FMが排出管30を閉塞することなく確実に汚泥分離装置40へ到達する。
この結果、泡FMに含まれる発泡原因物質が活性汚泥処理槽10外へ排出される。
嫌気性発酵槽を備えていない場合には、活性汚泥処理槽10へ返送する。この時、汚泥Dに含まれる発泡原因物質は可溶化しているため、活性汚泥処理槽10において容易に生物処理される。このため、この発泡原因物質が発泡を促進することはない。
また、排出された泡FMは、濃縮した汚泥Dとして回収し、これに可溶化処理を施し、さらに生物処理を施すことにより、システム内で汚泥の発生量を抑制できる。
また、本実施形態によれば、活性汚泥処理槽10の廃液を固液分離する固液分離装置において、有機性の膜による膜分離を行う場合、この膜に発泡原因物質が付着して処理能力の低下を抑制できる。
11…液相
12…気相部
20…曝気装置
21…ポンプ
22…散気管
30…排出管
40…汚泥分離槽(汚泥分離手段)
50…可溶化槽(可溶化手段)
EL…原水(発酵廃液又は汚水)
FM…泡
Claims (6)
- 活性汚泥処理を行うための密閉性の活性汚泥処理槽と、
前記活性汚泥処理槽において曝気する曝気装置と、
前記活性汚泥処理槽の液相上に形成される気相部の曝気ガスを前記活性汚泥処理槽の外部へ排出するための排出管と、を有し、
曝気により前記液相上に発生する泡が前記曝気ガスの流れにより前記排出管を通じて前記活性汚泥処理槽の外部へ搬送される、ことを特徴とする活性汚泥処理システム。 - 前記排出管から搬送されてくる泡を消泡すると共に気体成分と汚泥成分とに分離する汚泥分離手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の活性汚泥処理システム。
- 前記汚泥分離手段により分離された汚泥成分を可溶化する可溶化手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の活性汚泥処理システム。
- 密閉性の活性汚泥処理槽において活性汚泥処理を行う際に、前記活性汚泥処理槽において液相上に曝気により発生する泡を前記液相上に形成される気相部に設けられた排気管を通じて曝気ガスの流れにより前記活性汚泥処理槽の外部に搬送する、ことを特徴とする活性汚泥処理方法。
- 前記排出管から搬送されてくる泡を消泡すると共に気体成分と汚泥成分とに分離することを特徴とする請求項4に記載の活性汚泥処理方法。
- 分離された前記汚泥成分を可溶化して生物処理する、ことを特徴とする請求項5に記載の活性汚泥処理方法。
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