JP2008136428A - 茶木摘採機 - Google Patents
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Abstract
【課題】摘採物を排出するとき、摘採物を吹き散らしたり、地面の埃を立てたりすることがない茶木摘採機を提供する。
【解決手段】摘採装置4にて摘採された茶木42の摘採物を、送風部32からの送風によって、輸送路31から排出ダクト45を介して、この排出ダクト45から排出する。上記排出ダクト45は、上記輸送路31に連結される一端45aよりも他端45bが低い位置にある。上記排出ダクト45は、この周面に、複数の孔部46が設けられている。したがって、上記送風部32からの風を、上記排出ダクト45の上記孔部46から逃がすことができて、上記排出ダクト45内の風圧を減衰できる。
【選択図】図1
【解決手段】摘採装置4にて摘採された茶木42の摘採物を、送風部32からの送風によって、輸送路31から排出ダクト45を介して、この排出ダクト45から排出する。上記排出ダクト45は、上記輸送路31に連結される一端45aよりも他端45bが低い位置にある。上記排出ダクト45は、この周面に、複数の孔部46が設けられている。したがって、上記送風部32からの風を、上記排出ダクト45の上記孔部46から逃がすことができて、上記排出ダクト45内の風圧を減衰できる。
【選択図】図1
Description
この発明は、茶畝を跨いで走行する自走式の茶木摘採機に関する。
従来、茶木摘採機としては、茶木の刈りならし作業において、摘採装置により摘採された摘採物としての枝葉を、送風機からの搬送風により、水平方向に延在した搬送ダクトを介して、茶畝の間に、排出していた(特開2004−215601号公報:特許文献1参照)。
特開2004−215601号公報
しかしながら、上記従来の茶木摘採機では、上記送風機からの搬送風により、上記搬送ダクト内の風圧が高くなるため、上記搬送ダクトの出口の風速が強くなって、上記搬送ダクトの出口から上記枝葉を排出するとき、上記枝葉を吹き散らしたり、地面の砂埃を立てたりする問題があった。
そこで、この発明の課題は、摘採物を排出するとき、摘採物を吹き散らしたり、地面の埃を立てたりすることがない茶木摘採機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の茶木摘採機は、
茶畝を跨いで走行可能な車体と、
上記車体の下側に設けられていると共に茶木の摘採物を摘採する摘採装置と、
上記摘採装置に連結されている輸送路と、
上記輸送路に一端が連結されていると共にこの一端よりも他端が低い位置にある排出ダクトと、
上記摘採装置にて摘採された上記摘採物を、送風によって、上記輸送路から上記排出ダクトを介して、上記排出ダクトの他端から排出する送風部と
を備え、
上記排出ダクトは、この周面に、孔部が設けられていることを特徴としている。
茶畝を跨いで走行可能な車体と、
上記車体の下側に設けられていると共に茶木の摘採物を摘採する摘採装置と、
上記摘採装置に連結されている輸送路と、
上記輸送路に一端が連結されていると共にこの一端よりも他端が低い位置にある排出ダクトと、
上記摘採装置にて摘採された上記摘採物を、送風によって、上記輸送路から上記排出ダクトを介して、上記排出ダクトの他端から排出する送風部と
を備え、
上記排出ダクトは、この周面に、孔部が設けられていることを特徴としている。
ここで、上記摘採物とは、例えば、茶木の刈りならし作業において刈り捨てられる茶枝や茶葉をいう。
この発明の茶木摘採機によれば、上記排出ダクトは、上記輸送路に連結される一端よりも他端が低い位置にあり、上記排出ダクトは、この周面に、孔部が設けられているので、上記送風部からの風を、上記排出ダクトの上記孔部から逃がすことができて、上記排出ダクト内の風圧を減衰できる。
したがって、上記摘採装置にて摘採された上記摘採物を、上記送風部によって、上記排出ダクトの他端から排出するとき、上記排出ダクトの他端の風速を弱めることができて、上記摘採物を吹き散らしたり、地面の砂埃を立てたりすることがない。
つまり、上記摘採物は、上記排出ダクト内では、上記排出ダクトの上側から下側へ落下するので、上記排出ダクト内の風圧を減衰しても、上記摘採物を上記排出ダクトから排出できる。
また、一実施形態の茶木摘採機では、上記排出ダクトは、網状に形成され、上記孔部は、網目である。
この実施形態の茶木摘採機によれば、上記排出ダクトは、網状に形成され、上記孔部は、網目であるので、上記排出ダクト内の風圧を確実に減衰でき、上記排出ダクトの他端の風速を確実に弱めることができて、上記摘採物の吹き散らしや砂埃の舞い上がりを確実に防止する。
また、一実施形態の茶木摘採機では、上記網目の大きさは、20〜60メッシュである。
この実施形態の茶木摘採機によれば、上記網目の大きさは、20〜60メッシュであるので、上記摘採物の吹き散らしや砂埃の舞い上がりを確実に防止しつつ、上記摘採物を上記排出ダクトの他端から確実に排出できる。
また、一実施形態の茶木摘採機では、上記排出ダクトは、柔軟性を有する樹脂からなる。
この実施形態の茶木摘採機によれば、上記排出ダクトは、柔軟性を有する樹脂からなるので、上記排出ダクト内を上記摘採物が通過するとき、上記摘採物の形状に伴い上記排出ダクトが変形して、上記排出ダクトに上記摘採物が詰まることがない。また、上記排出ダクトを茶畝の間を走行させるとき、茶畝の間の間隔に伴い上記排出ダクトが変形して、上記排出ダクトにより茶木を傷めることがない。また、上記摘採物が上記排出ダクト内を滑りやすくなって、上記摘採物を円滑に排出できる。また、上記排出ダクトは、柔軟であるので、上記排出ダクトを折り畳むことができて、上記排出ダクトを持ち運びやすく、上記排出ダクトの収納スペースをとらない。また、上記排出ダクトを軽量にできて、高年齢の作業者や女性の作業者でも、上記排出ダクトを容易に持ち運ぶことができる。
また、一実施形態の茶木摘採機では、上記排出ダクトは、この周面に、リングが取り付けられている。
この実施形態の茶木摘採機によれば、上記排出ダクトは、この周面に、リングが取り付けられているので、上記排出ダクトが柔軟性を有していても、上記排出ダクトの周囲の形状は乱れることがなく、また、上記リングの自重で、上記排出ダクトに張力を与えることができる。
この発明の茶木摘採機によれば、上記排出ダクトは、上記輸送路に連結される一端よりも他端が低い位置にあり、上記排出ダクトは、この周面に、孔部が設けられているので、上記摘採物を排出するとき、上記摘採物を吹き散らしたり、地面の埃を立てたりすることがない。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の茶木摘採機の第1実施形態である側面図を示し、図2は、上記茶木摘採機の正面図を示し、図3は、上記茶木摘採機の背面図を示している。図1では、フレームの一部を切断して示している。
図1は、この発明の茶木摘採機の第1実施形態である側面図を示し、図2は、上記茶木摘採機の正面図を示し、図3は、上記茶木摘採機の背面図を示している。図1では、フレームの一部を切断して示している。
この茶木摘採機は、茶畝を跨いで走行可能な車体30と、上記車体30の下側に設けられていると共に茶木42の摘採物を摘採する摘採装置4と、上記摘採装置4に連結されている輸送路31と、上記輸送路31に連結されている排出ダクト45と、上記摘採装置4にて摘採された上記摘採物を、送風によって、上記輸送路31から上記排出ダクト45を介して、上記排出ダクト45から排出する送風部32とを備えている。
この茶木摘採機は、上記茶木42の刈りならし作業において、上記茶木42の上記摘採物としての茶枝や茶葉を、刈り捨てる。
この茶木摘採機は、正面から見て門型のフレーム1を備え、このフレーム1の脚部1aの下端に、油圧モータで駆動されるクローラ装置2を取り付けている。上記門型のフレーム1で茶畝を跨いだ状態で、この茶畝の両側の畝間を上記クローラ装置2で走行するようになっている。上記フレーム1および上記クローラ装置2で、上記車体30を形成している。
上記フレームの床部1b上には、操作者が着座する運転席21と、上記操作者によって茶木摘採機の進行方向が操作される操作ハンドル22と、操作者による操作ハンドル22の操作や他の指令に応じて茶木摘採機の動作を制御する制御装置23と、油圧ポンプや発電機を駆動するエンジン24とを搭載している。上記運転席21、制御装置23及びエンジン24等の上方には、天蓋25が設けられている。この天蓋25は、上記フレーム1の床部1b上に立設された柱の上端に架けられている。
上記フレーム1の床部1bから下方に向けて、上記摘採物を刈り取る摘採装置4が突出して設けられている。この摘採装置4は、フレーム1の前後の脚部10aの間の略中央に位置すると共に、フレーム1の幅方向に延在している。詳しくは、上記摘採装置4は、正面から見て中央から左右両側に向かうにつれて下方に傾斜した形状を有する。この摘採装置4の幅方向の両端に、一端がフレーム1に固定された図示しない油圧シリンダの他端が接続されており、この油圧シリンダによって摘採装置4の地面に対する高さが調整可能になっている。なお、この油圧シリンダは、地面からの高さを検知するセンサからの信号に基づいて、摘採装置4の地面に対する高さが予め設定された値になるように駆動するのが好ましい。
上記摘採装置4の上端面の後側には、この摘採装置4が摘採した上記摘採物を排出する輸送フード5が一体に形成されており、この輸送フード5の上端に、上記摘採物を輸送する輸送ダクト6が連結されている。上記輸送フード5および上記輸送ダクト6で、上記輸送路31を形成している。
一方、上記輸送フード5の後側に、この輸送フード5内に風を送る空気吹出部としての送風フード8が一体に形成されている。この送風フード8の上端に、送風ダクト9の一端が連結され、この送風ダクト9の他端に送風ファン10が連結されている。上記送風ファン10、上記送風ダクト9および上記送風フード8で、上記送風部32を形成している。
一体に形成された上記摘採装置4、上記輸送フード5及び上記送風フード8は、上記輸送ダクト6及び上記送風ダクト9に対して、留め具11によって着脱可能になっている。
この着脱可能な摘採装置4、輸送フード5及び送風フード8は、パイプ材で形成された支持枠12に支持されるようになっている。この支持枠12に、上記油圧シリンダの他端が連結されており、この油圧シリンダの伸張に伴って上記支持枠12がガイドに沿って上下方向に移動するようになっている。
上記摘採装置4、輸送フード5、輸送ダクト6、送風フード8、送風ダクト9及び送風ファン10で、摘採収集ユニットを構成している。この摘採収集ユニットのうち、輸送フード5、輸送ダクト6、送風フード8、送風ダクト9及び送風ファン10が、茶木摘採機の幅方向の左側と右側とで合計2つ設けられている。
上記輸送ダクト6及び送風ダクト9は、高さ方向の略中央で2つに分離しており、下側部分が上側部分に対してテレスコピック状に摺動可能になっている。上記摘採装置4、輸送フード5及び送風フード8を支持する支持枠12に接続された油圧シリンダによって、上記摘採装置4、輸送フード5及び送風フード8と、上記輸送ダクト6及び送風ダクト9の下側部分とが、上下方向に移動可能になっている。上記摘採装置4は、茶畝の茶木の高さに応じて、地面から例えば450mm〜1000mm程度の間の高さに調節可能にするのが好ましい。
図4は、茶木摘採機の正面図に、上記摘採収集ユニットを重ねて示した図である。図4では、分かり易さのため、右側の摘採収集ユニットは輸送フード5及び輸送ダクト6を省略して示している。
図5は、上記摘採装置4、輸送フード5及び送風フード8を、茶木摘採機の進行方向に平行な鉛直面で切断した様子を示す断面図である。図4に示すように、上記摘採装置4は、前側に開口を有し、この開口以外の部分が気密に形成された密閉室としてのケーシング4aと、このケーシング4a内に収容された回転刃4bと、上記ケーシング4aの開口の下端縁に設けられた固定刃4cとを有する。
上記ケーシング4aは、角が丸みを帯びた矩形の断面形状を有すると共に、正面から見て中央から左右両側に向かうにつれて下方に傾斜した形状を有し、この左右両側の部分は一体に形成されている。
上記回転刃4bは、上記ケーシング4aの軸と略平行に配置された回転軸と、この回転軸に固定された螺旋状の刃とを含んでいる。この回転刃4bは、上記ケーシング4aの左右両側部分に2組ずつ設けられ、この2組の回転刃4bの軸はユニバーサルジョイントによって互いに連結されている。
上記ケーシング4aの左側部分の2組の回転刃4bは、このケーシング4aの左側部分の左側端部に設けられた図示しない油圧モータによって駆動されるようになっている。また、上記ケーシング4aの右側部分の2組の回転刃4bは、このケーシング4aの右側部分の右側端部に設けられた図示しない油圧モータによって駆動されるようになっている。
上記回転刃4bは、摘採装置4による上記摘採物の摘採動作時に、上記回転刃4bの刃が上記開口の上端縁から下端縁に向かうように、図5において矢印で示すように右回りに回転する。
上記固定刃4cは、正面において、半径約3mの曲率を有して下方が凹の円弧状に形成されている。上記回転刃4bが取り込み部に相当し、上記回転刃4bの刃と固定刃4cが刈刃部に相当する。
上記摘採装置4と一体に形成された輸送フード5は、下端から上端に向かうにつれて進行方向前側に傾斜した前側面と、上記摘採装置のケーシング4aの後側面と略一直線上に形成されて略鉛直方向に延びる後側面とを有する。
また、上記輸送フード5は、下端から上端に向かうにつれて幅方向の内側に傾斜した左側面と右側面とを有する。このような側面の形態により、上記輸送フード5は、下端から上端に向かうにつれて断面積が増大するディフューザを構成している。
上記輸送フード5の前側面と、上記摘採装置4のケーシング4aの天板との接続部分には、先端がケーシング4a内の前方かつ下方に向かって傾斜する傾斜板4dが突出して設けられている。
上記輸送フード5の後側に一体に形成された送風フード8は、上記送風ダクト9の下端に連結される上側部分と、上記輸送フード5に接続される下側部分とを有する。上記送風フード8の上側部分は、略鉛直方向に延びる前側面及び後側面と、下端から上端に向かうにつれて幅方向の内側に傾斜した左側面と右側面とを有する。
一方、上記送風フード8の下側部分は、上記輸送フード5の後側面と略平行に延びる後側面と、この後側面の幅方向の両端縁から前方に向かって連なると共に、上記輸送フード5の後側面に接続された左側面及び右側面とを有する。上記送風フード8の下側部分の底は、前後方向断面において湾曲した曲面になっている。
上記輸送フード5の後側面であって、上記送風フード8の下側部分で覆われた部分の下端近傍に、貫通穴13が設けられており、この貫通穴13を介して、上記送風フード8と輸送フード5とが連通している。
上記貫通穴13の送風フード8側の開口の上端縁には、先端が送風フード8内の後方かつ下方に向かって傾斜する送風フード側傾斜板14が設けられている。また、上記貫通穴13の輸送フード5側の開口の下端縁には、先端が輸送フード5内の前方かつ上方に向かって傾斜する輸送フード側傾斜板15が設けられている。上記貫通穴13は、正面から見て、上記輸送フード5の幅方向に延在する細長の矩形状を有している。
図1と図4に示すように、上記送風フード8に連結された送風ダクト9は、上記送風フード8に連結された下端から、鉛直上向きにコンテナ27の上端近傍の高さまで延在する鉛直部9aと、この鉛直部9aに連なると共に、先端部分が幅方向の左右両側に2股に分かれた分岐部9bと、この分岐部9bの2股に分かれた先端部分に各々連なるホース部9cとを有する。
上記送風ダクトの鉛直部9aが、高さ方向において略中央で2つに分離しており、この鉛直部9aの上側部分の上端部は、下側部分の下端部よりも多少小さい断面寸法を有する。これにより、上記送風ダクト9がテレスコピック状に駆動されたときに、鉛直部9aの上側部分の上端部が、下側部分の下端部の内側に没入するように形成されている。上記送風ダクトのホース部9cの先端が、送風ファン10の2つの吹出口10cに各々連結されている。
上記送風ダクトの鉛直部9aは、幅が前後方向の奥行きに対して大きい扁平の矩形断面を有する。上記送風ダクトの分岐部9bは、下端が上記鉛直部9aと同じ断面を有する一方、分岐した2つの先端部分が各々円形断面を有する。上記送風ダクトのホース部9cは、円形断面を有する。この2つのホース部9cの間に、上記輸送ダクトの水平部6bが延びている。
上記送風ファン10は、正面側から見て2つの渦巻き形状部分を有するケーシング10aと、このケーシング10a内に設けられて前後方向に延びる軸の回りに回転する羽根車とを有する遠心ファンである。
この送風ファン10は、上記ケーシング10aの前面の中央部に設けられた円形の吸入口10bから空気を吸入し、上記ケーシング10aの前面に上記吸入口10bの径方向の両側に設けられた2つの吹出口10cから風を吹き出すようになっている。なお、送風ファンの吹出口10cは、1つであってもよい。この場合、送風ダクトの分岐部9bは不用であり、送風ダクトの鉛直部9aに1つのホース部9cを接続し、この1つのホース部9cを上記1つの吹出口10cに接続すればよい。
上記輸送フード5に連結された輸送ダクト6は、上記輸送フード5に連結された下端から、鉛直上向きに上記天蓋25よりも多少低い高さまで延在する鉛直部6aと、この鉛直部6aに対して略直角に屈曲して後方に延びる水平部6bと、この水平部6bに対して略直角に下向きに屈曲して先端が開口した開口端部6cとを有する。
上記輸送ダクトの鉛直部6aが、高さ方向において略中央で2つに分離しており、この鉛直部6aの下側部分の下端部は、上側部分の上端部よりも多少小さい断面寸法を有する。これにより、上記輸送ダクト6がテレスコピック状に駆動されたときに、鉛直部6aの下側部分の下端部が、上側部分の上端部の内側に没入するように形成されている。
上記輸送ダクトの鉛直部6aは、幅が前後方向の奥行きに対して大きい扁平の矩形断面を有する。上記輸送ダクトの水平部6bは、後方に向かうにつれて断面の幅が徐々に減じる矩形断面になっている。上記開口端部6cは、矩形断面を有する。
図1と図3に示すように、上記輸送ダクト6の開口端部6cの開口には、上記排出ダクト45の一端45aが連結されている。上記排出ダクト45の他端45bは、上記排出ダクト45の一端45aよりも、低い位置にある。
つまり、上記排出ダクト45は、上下方向に延在し、上記排出ダクト45の他端45bは、上記クローラ装置2の後方で、隣り合う茶木42の間(畝間)で、地面を向くように、位置している。
上記排出ダクト45は、この周面に、複数の孔部46が設けられている。具体的に述べると、上記排出ダクト45は、網状に形成され、上記孔部46は、網目である。この網目の大きさは、20〜60メッシュである。上記排出ダクト45は、例えばポリエチレン等の柔軟性を有する樹脂からなる。
上記排出ダクト45は、筒状で、この直径は、例えば、20cm〜22.5cmである。上記排出ダクト45の一端45aには、この外周に、金属製の輪が取り付けられ、円筒形状を保持するように、構成されている。また、この輪により、上記輸送ダクト6の開口端部6cに、上記排出ダクト45を着脱自在に取り付けることができる。
上記構成の茶木摘採機は、以下のように動作する。
茶木摘採機は、運転席21に着座した操作者によって操作ハンドル22が操作されて、畝間をクローラ装置2が走行するように茶園に進入する。上記フレーム1が茶畝を跨いだ状態で、この茶畝に植わった茶木42の上記摘採物の高さや、上記摘採物の刈り取り長さに応じて、摘採装置4の上下方向位置が調節されて適切な位置に保持される。そして、上記摘採装置4と送風ファン10の動作を開始すると共に、クローラ装置2による畝間の走行を開始する。
上記茶木摘採機が前進するに伴って摘採装置4の開口に近づいた上記摘採物が、この開口の上端縁から下端縁に向かって回動する回転刃4bの刃によってケーシング4a内に取り込まれる。このケーシング4aに取り込まれた上記摘採物は、上記回転刃4bの刃と固定刃4cとの間に挟まれて切断されて刈り取られる。
一方、上記送風ファン10の動作により、この送風ファンの吹出口10cから吹き出された風は、送風ダクトのホース部9c、分岐部9b及び鉛直部9aを通って送風フード8に送られる。この送風フード8に送られた風は、湾曲した曲面を有する底部によって流れの向きが上向きになり、かつ、送風フード側傾斜板14と輸送フード側傾斜板15とで整流されて、貫通穴13を介して輸送フード5内に高速で流入する。
上記輸送フード5は、ケーシング4aとの接続部から遠ざかるにつれて断面積が増大するディフューザに形成され、かつ、上記ケーシング4aと輸送フード5との接続部に設けられた傾斜板4dでケーシング4aから輸送フード5に向かう空気流が絞られることにより、上記ケーシング4a内の圧力が、上記輸送フード5よりも効果的に低圧になる。
これにより、上記ケーシング4a内で刈られた上記摘採物が輸送フード5に効果的に吸引される。この吸引された上記摘採物は、上記貫通穴13から吹き出された風によって、輸送フード5から輸送ダクト6に送られて、この輸送ダクト6内を圧送される。
このように、輸送フード5の内側面よりも外側に設けられた送風フード8から1つの貫通穴13を介して輸送フード5内に供給された空気流のみによって、上記ケーシング4aからの上記摘採物の吸引と、上記輸送フード5及び輸送ダクト6における上記上記摘採物の輸送とを行う。
上記輸送ダクト6内を圧送される上記摘採物は、この輸送ダクト6の垂直部6aと水平部6bを通って開口端部6cから、上記排出ダクト45に送られ、上記排出ダクト45の他端45bから、畝間の地面に向けて排出される。
なお、上記排出ダクト45を上記輸送ダクト6から取り外して、上記輸送ダクト6の開口端部6cの下方に、(仮想線にて示す)コンテナ27を設けてもよい。このコンテナ27では、上記摘採装置4にて刈り取られた上記茶木42の(上記摘採物としての)茶葉を収容する。
上記構成の茶木摘採機によれば、上記排出ダクト45は、上記輸送路31に連結される一端45aよりも他端45bが低い位置にあり、上記排出ダクト45は、この周面に、孔部46が設けられているので、上記送風部32からの風を、上記排出ダクト45の上記孔部46から逃がすことができて、上記排出ダクト45内の風圧を減衰できる。
したがって、上記摘採装置4にて摘採された上記摘採物を、上記送風部32によって、上記排出ダクト45の他端45bから排出するとき、上記排出ダクト45の他端45bの風速を弱めることができて、上記摘採物を吹き散らしたり、地面の砂埃を立てたりすることがない。
つまり、上記摘採物は、上記排出ダクト45内では、上記排出ダクト45の上側から下側へ落下するので、上記排出ダクト45内の風圧を減衰しても、上記摘採物を上記排出ダクト45から排出できる。
要するに、本発明では、上記輸送路31が上下に延在され、上記摘採装置4に連結される上記輸送路31の一端よりも、上記輸送路31の他端が、高い位置にあり、上記輸送路31の他端に、上記排出ダクト45の一端45aが連結されている状態において、上記排出ダクト45に上記孔部46を設けることで、上記摘採物の吹き散らしや砂埃の立ち上がりを、効果的に、防止できる。
つまり、上記輸送路31内では、上記摘採物を、下から上へ搬送する必要があり、上記送風部32の風圧を大きくする必要がある一方、上記排出ダクト45内では、上記摘採物を、上から下へ搬送するため、上記送風部32の風圧は必要ない。したがって、上記排出ダクト45に上記孔部46を設けることで、上記送風部32の風圧を大きくしても、上記排出ダクト45内では風圧を小さくできて、上記摘採物の吹き散らしや砂埃の立ち上がりを防止できる。
また、上記排出ダクト45は、網状に形成され、上記孔部46は、網目であるので、上記排出ダクト45内の風圧を確実に減衰でき、上記排出ダクト45の他端45bの風速を確実に弱めることができて、上記摘採物の吹き散らしや砂埃の舞い上がりを確実に防止する。
また、上記網目の大きさは、20〜60メッシュであるので、上記摘採物の吹き散らしや砂埃の舞い上がりを確実に防止しつつ、上記摘採物を上記排出ダクト45の他端45bから確実に排出できる。
これに対して、上記網目の大きさが60メッシュよりも大きいと、上記排出ダクト45内の風圧を十分に減衰できずに、上記摘採物の吹き散らしや砂埃の舞い上がりを確実に防止できない一方、上記網目の大きさが20メッシュよりも小さいと、上記摘採物が上記網目から外部へ排出される欠点がある。
また、上記排出ダクト45は、柔軟性を有する樹脂からなるので、上記排出ダクト45内を上記摘採物が通過するとき、上記摘採物の形状に伴い上記排出ダクト45が変形して、上記排出ダクト45に上記摘採物(例えば、20cm〜30cmの枝葉)が詰まることがない。また、上記排出ダクト45を茶畝の間を走行させるとき、茶畝の間の間隔(例えば、10cmの間隔)に伴い上記排出ダクト45が変形して、上記排出ダクト45により茶木42を傷めることがない。また、上記摘採物が上記排出ダクト45内を滑りやすくなって、上記摘採物を円滑に排出できる。
また、上記排出ダクト45は、柔軟であるので、上記排出ダクト45を折り畳むことができて、上記排出ダクト45を持ち運びやすく、上記排出ダクト45の収納スペースをとらない。また、上記排出ダクト45を軽量にできて、高年齢の作業者や女性の作業者でも、上記排出ダクト45を容易に持ち運ぶことができ、上記排出ダクト45の着脱作業が容易になる。
比較例として、排出ダクトに、従来から使用されている蛇腹ホースを用いた場合、蛇腹ホースは、長さが2m程度で、重量が5kg程度となり、未使用時の格納に場所をとり、持ち運びが困難であった。これに対して、本発明では、上記排出ダクト45を1kg程度にできて、特に、上記排出ダクト45を、上記輸送ダクト6に着脱するとき、つまり、高い位置での作業に、有利となる。
(第2の実施形態)
図6は、この発明の茶木摘採機の第2の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、排出ダクト45は、この周面に、リング50が取り付けられている。
図6は、この発明の茶木摘採機の第2の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、排出ダクト45は、この周面に、リング50が取り付けられている。
つまり、上記排出ダクト45の長手方向の所定間隔に、3つの金属製のリング50が取り付けられている。上記3つのリング50は、それぞれ、上記排出ダクト45の他端45b、上記排出ダクト45の中央部、および、上記排出ダクト45の一端45aと中央部との間に、取り付けられている。
したがって、上記排出ダクト45が柔軟性を有していても、上記排出ダクト45の周囲の形状は乱れることがなく、また、上記リング50の自重で、上記排出ダクト45に張力を与えることができる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記排出ダクト45の孔部46は、網目以外に、例えば、スリット状の孔や円形孔であってもよい。上記孔部46の大きさや数量は、変更自由である。また、上記送風部32は、上記摘採物を上記排出ダクト45の他端45bから排出するものであれば、どのような構成であってもよい。
1 フレーム
2 クローラ装置
4 摘採装置
5 輸送フード
6 輸送ダクト
8 送風フード
9 送風ダクト
10 送風ファン
27 コンテナ
30 車体
31 輸送路
32 送風部
42 茶木
45 排出ダクト
45a 一端
45b 他端
46 孔部
50 リング
2 クローラ装置
4 摘採装置
5 輸送フード
6 輸送ダクト
8 送風フード
9 送風ダクト
10 送風ファン
27 コンテナ
30 車体
31 輸送路
32 送風部
42 茶木
45 排出ダクト
45a 一端
45b 他端
46 孔部
50 リング
Claims (5)
- 茶畝を跨いで走行可能な車体と、
上記車体の下側に設けられていると共に茶木の摘採物を摘採する摘採装置と、
上記摘採装置に連結されている輸送路と、
上記輸送路に一端が連結されていると共にこの一端よりも他端が低い位置にある排出ダクトと、
上記摘採装置にて摘採された上記摘採物を、送風によって、上記輸送路から上記排出ダクトを介して、上記排出ダクトの他端から排出する送風部と
を備え、
上記排出ダクトは、この周面に、孔部が設けられていることを特徴とする茶木摘採機。 - 請求項1に記載の茶木摘採機において、
上記排出ダクトは、網状に形成され、上記孔部は、網目であることを特徴とする茶木摘採機。 - 請求項2に記載の茶木摘採機において、
上記網目の大きさは、20〜60メッシュであることを特徴とする茶木摘採機。 - 請求項1乃至3の何れか一つに記載の茶木摘採機において、
上記排出ダクトは、柔軟性を有する樹脂からなることを特徴とする茶木摘採機。 - 請求項1乃至4の何れか一つに記載の茶木摘採機において、
上記排出ダクトは、この周面に、リングが取り付けられていることを特徴とする茶木摘採機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006326821A JP2008136428A (ja) | 2006-12-04 | 2006-12-04 | 茶木摘採機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006326821A JP2008136428A (ja) | 2006-12-04 | 2006-12-04 | 茶木摘採機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008136428A true JP2008136428A (ja) | 2008-06-19 |
Family
ID=39598531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006326821A Pending JP2008136428A (ja) | 2006-12-04 | 2006-12-04 | 茶木摘採機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008136428A (ja) |
-
2006
- 2006-12-04 JP JP2006326821A patent/JP2008136428A/ja active Pending
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