JP2008136089A - 基地局装置およびそのアンテナ切替方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】2以上のアンテナから構成される複数のアンテナ群ごとに通信を行う場合に、通信品質を向上させること。
【解決手段】複数の移動局装置のいずれかを選択し、選択された移動局装置から送信される無線信号を、各移動局装置との通信に使用されていないアンテナ群である不使用アンテナ群の一部または全部に受信させる受信制御部36と、選択された移動局装置との通信に使用中のアンテナ群で受信される信号の受信品質と不使用アンテナ群の一部または全部で受信される信号の受信品質をそれぞれ測定する受信品質測定部38と、受信品質測定部38により測定される各受信品質に応じて、選択された移動局装置との通信に使用するアンテナ群を決定するアンテナ群決定部40と、アンテナ群決定部40により決定されるアンテナ群を、選択された移動局装置との通信に割り当てるアンテナ割当部42と、を含む。
【選択図】図2
【解決手段】複数の移動局装置のいずれかを選択し、選択された移動局装置から送信される無線信号を、各移動局装置との通信に使用されていないアンテナ群である不使用アンテナ群の一部または全部に受信させる受信制御部36と、選択された移動局装置との通信に使用中のアンテナ群で受信される信号の受信品質と不使用アンテナ群の一部または全部で受信される信号の受信品質をそれぞれ測定する受信品質測定部38と、受信品質測定部38により測定される各受信品質に応じて、選択された移動局装置との通信に使用するアンテナ群を決定するアンテナ群決定部40と、アンテナ群決定部40により決定されるアンテナ群を、選択された移動局装置との通信に割り当てるアンテナ割当部42と、を含む。
【選択図】図2
Description
本発明は、基地局装置およびそのアンテナ切替方法に関し、特に、複数のアンテナを備え、それらのアンテナのうち2以上から構成される複数のアンテナ群の少なくとも一部それぞれに異なる周波数を用いて複数の移動局装置それぞれと通信を行う基地局装置およびそのアンテナ切替方法に関する。
昨今、移動体通信システムにおいて、通信カバーエリアの拡大や通信チャネル数の増加が要請されている。これに対応するため、複数のアンテナと送受信部とを備える基地局装置を論理的に2以上の基地局装置(多局)に分割し、通信のカバーエリアとチャネル数を柔軟に変更する方式が採用されつつある。
たとえば、図5に示す2n本のアンテナを等間隔サーキュラアレイアンテナ配置としたアダプティブアレイ基地局装置は、1の基地局装置としても動作し得るし、アンテナ2本を組み合わせて1の無線部を構成することにより最大nの基地局装置としても動作し得る。すなわち、図6a〜図6cのアダプティブアレイ基地局装置のブロック図に示すように、2n本のアンテナそれぞれに接続される送受信部すべてに同一の局部発振信号を供給すれば、アンテナ2n本で1の無線部を構成する「1−RFモード」(図6a)で動作する。基地局装置を本モードで運用すれば、広範な通信カバーエリアを確保することができる。一方、送受信部4つごとに異なる局部発振信号を供給すればアンテナ4本で1の無線部を構成する「n/2−RFモード」(図6b)で、また、送受信部2つごとに局部発振信号を供給すればアンテナ2本で1の無線部を構成する「n−RFモード」(図6c)で、それぞれ動作する。基地局装置をこれらのモードで運用すれば、1−RFモードに比べて、通信カバーエリアは縮小するものの、通信チャネル数がそれぞれ最大n/2倍、n倍に増加する。以下、基地局装置を論理的に複数の基地局装置として動作させるモードを「複数RFモード」と称する。
なお、下記特許文献1には、複数のアンテナを備える基地局装置において、すべてのアンテナを用いて通信を行う「全アンテナモード(1−RFモード)」で動作させる場合と、複数のアンテナを2以上のアンテナからなる複数のアンテナ群に分割しアンテナ群ごとに通信を行う「グループモード(複数RFモード)」で動作させる場合とで、ローカル発振部と無線部との接続経路を変えることにより、送受信特性の劣化を防ぐ技術が開示されている。
また、下記特許文献2には、3本以上のアンテナからなるアダプティブアレイアンテナ装置において、受信信号のアンテナ相関値が最低となる2本のアンテナの組合せを用いて通信を行うことにより、装置規模の拡大を最小にしつつアダプティブアレイ受信性能を向上させる技術が開示されている。
特開2005−124096号公報
特開2004−289407号公報
しかし、上記従来の基地局装置を複数RFモードで動作させると、各移動局装置との通信に用いるアンテナの本数が減少するだけでなく、これによりアンテナの指向性制御も制限されるため、送受信利得が大きく低下し、良好な通信品質を維持することが難しくなるという問題があった。このため、通信品質が所定レベル以上悪化すると、移動局装置はハンドオーバを行ってその劣化を防ぐ必要があった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、2以上のアンテナから構成される複数のアンテナ群ごとに通信を行う場合に、通信品質を向上させることができる基地局装置およびそのアンテナ切替方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る基地局装置は、複数のアンテナを備え、該複数のアンテナのうち2以上から構成される複数のアンテナ群の少なくとも一部それぞれに異なる周波数を用いて複数の移動局装置それぞれと通信を行う基地局装置であって、前記複数の移動局装置のいずれかを選択し、該選択された移動局装置から送信される無線信号を、前記各移動局装置との通信に使用されていないアンテナ群である不使用アンテナ群の一部または全部に受信させる受信制御手段と、前記選択された移動局装置との通信に使用中のアンテナ群で受信される信号の受信品質と前記不使用アンテナ群の一部または全部で受信される信号の受信品質をそれぞれ測定する受信品質測定手段と、前記受信品質測定手段により測定される前記各受信品質に応じて、前記選択された移動局装置との通信に使用するアンテナ群を決定するアンテナ群決定手段と、前記アンテナ群決定手段により決定されるアンテナ群を、前記選択された移動局装置との通信に割り当てるアンテナ割当手段と、を含むことを特徴としている。
本発明によれば、各移動局装置との通信中に、それら各通信に使用されていないアンテナ群を用いて受信品質を測定するので、良好な受信品質が得られるアンテナ群を適宜特定することができる。このため、その測定結果に応じて随時アンテナ群に切り替えることにより、通信品質を向上させることができる。
また、本発明に係る基地局装置のアンテナ切替方法は、複数のアンテナを備え、該複数のアンテナのうち2以上から構成される複数のアンテナ群の少なくとも一部それぞれに異なる周波数を用いて複数の移動局装置それぞれと通信を行う基地局装置のアンテナ切替方法であって、前記複数の移動局装置のいずれかを選択し、該選択された移動局装置から送信される無線信号を、前記各移動局装置との通信に使用されていないアンテナ群である不使用アンテナ群の一部または全部に受信させるステップと、前記選択された移動局装置との通信に使用中のアンテナ群で受信される信号の受信品質と前記不使用アンテナ群の一部または全部で受信される信号の受信品質をそれぞれ測定する受信品質測定ステップと、前記受信品質測定ステップで測定される前記各受信品質に応じて、前記選択された移動局装置との通信に使用するアンテナ群を決定するアンテナ群決定ステップと、前記アンテナ群決定ステップで決定されるアンテナ群を、前記選択された移動局装置との通信に割り当てるステップと、を含むことを特徴としている。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る移動体通信システムの全体構成図である。同図に示すように、移動体通信システム10は、基地局装置12と複数の移動局装置14(ここでは2つとする。)を含んで構成されている。
各移動局装置14は、基地局装置12と無線通信を行うものであり、たとえば可搬型の携帯電話機、携帯情報端末および通信カードである。ここでは、基地局装置12とTDD(Time Division Duplex:時分割複信)方式によりデータの送受信を行い、またTDMA(Time Division Multiple Access:時分割多重)方式により多重通信を行う。基地局装置12は、後述するように、複数のアンテナとそれらアンテナにそれぞれ接続される同数の送受信部を備えている。そして、複数のアンテナのうち2以上から構成される複数のアンテナ群の少なくとも一部それぞれに異なるキャリア周波数を用いて各移動局装置14と通信する。すなわち、2以上の送受信部ごとに異なるキャリア周波数を持つ局部発振信号を供給することにより、複数の無線部を構成する複数RFモードで動作する。
基地局装置12は、各移動局装置14からの接続要求に応じて、複数のアンテナ群のうち通信に使用されていないアンテナ群のいずれかを当該各移動局装置14との通信に割り当て、当該各移動局装置14との通信を開始する。しかし、一旦通信が開始されても、各移動局装置14と基地局装置12との位置関係や電波環境などが大きく変化すると、通信品質が低下し通信が切断してしまう場合がある。
そこで、本実施形態に係る基地局装置12は、各移動局装置14と通信中に、それら各通信に使用されていないアンテナ群を用いて受信品質の測定を行い、良好な受信品質が得られるアンテナ群を適宜特定する。このため、通信に使用するアンテナ群を良好な受信品質が得られるアンテナ群に随時切り替えることにより、通信品質を向上させることができる。
以下では、上記処理を実現するために基地局装置12が備える構成および動作についてより詳細に説明する。簡単のために、基地局装置12は、8本のアンテナを備えており、アンテナ2本で構成される最大4つのアンテナ群それぞれに異なるキャリア周波数を用いて通信を行う「4−RFモード」で動作する場合を例に挙げて説明する。
図2は、基地局装置12のブロック図である。同図に示すように、基地局装置12は、複数のアンテナ20(ここでは8本とする。)、アンテナ・送受信部組合せ選択部22、アンテナ20と同数の送信部26および受信部28、複数の局部発振信号部30(ここでは4つとする。)、ディジタル信号処理部32、制御部34、記憶部44を含んで構成されている。なお、同図において、送受信部25は1対の送信部26と受信部28および送受信切替スイッチを含む部分を示す。また、基地局装置12が4−RFモードで動作する場合、1つの局部発振信号部30とそれに接続された2つの送受信部25とを含む部分が1つの無線部24に対応する。
アンテナ20−1〜8は、その中で複数のアンテナ群を構成した場合に、各アンテナ群がなるべく異なる方向に指向性パターンを形成するように配置されている。たとえば、図5に示すように円周上に等間隔に並ぶように配置することができる。アンテナ8本のうち2本ずつを組み合せて各アンテナ群を構成する場合、28の組合せの中から4つ以下のアンテナ群を随時構成するようにしてもよいし、予め4つのアンテナ群に分割しておいてもよい。これら各アンテナ群を構成するアンテナ20の組合せは、後述する記憶部44に予め記憶させておいてもよい。なお、本実施形態ではアンテナ本数を8本としたが、できるだけ多くの方向に指向性パターンを形成するためには、アンテナ本数を8本より多くする方が望ましい。
送信部26は、ミキサ、フィルタ、パワーアンプを含んで構成されており、ディジタル信号処理部32から入力されるベースバンド送信信号を局部発振信号部30から供給される搬送波信号と乗算することにより無線信号に変換する。そして、無線信号を送信出力レベルにまで増幅して、当該送信部26に接続されたアンテナ20から放射する。
受信部28は、ローノイズアンプ、ミキサ、フィルタを含んで構成されており、当該受信部28に接続されたアンテナ20で受信される無線信号を増幅し、増幅された信号を局部発振信号部30から供給される搬送波信号と乗算することによりベースバンド受信信号に変換する。そして、ベースバンド受信信号をディジタル信号処理部32に出力する。
なお、各送受信部25において、送信部26および受信部28は、送受信切替スイッチを介してアンテナ20と接続されており、送信および受信は時分割で(たとえばTDMA/TDDフレーム周期の半分の周期で)切り替えられる。
局部発振信号部30は、周波数シンセサイザを有しており、制御部34からの制御信号に従って、周波数シンセサイザにより無線周波数帯の搬送波信号を生成し、送信部26および受信部28にそれぞれ供給する。本実施形態に係る基地局装置12は、4つの局部発振信号部30を備えているため、最大4つの無線部を構成して通信を行うことができる。すなわち、4つの局部発振信号部30それぞれに異なる周波数の搬送波信号を生成させることにより、基地局装置12は2つの送受信部25で1つの無線部24(アンテナ2本で1つのアンテナ群)を構成する4−RFモードで動作する。なお、本実施形態では説明を省略するが、基地局装置12を2−RFモードや1−RFモードで動作させることは可能である。たとえば、4つの局部発振信号部30すべてに同一周波数の搬送波信号を生成させれば、基地局装置12を8つの送受信部25で1つの無線部を構成する1−RFモードで動作させることができる。
アンテナ・送受信部組合せ選択部22は、制御部34(受信制御部36、アンテナ割当部42)からの制御信号に従って、8本のアンテナ20と8つの送受信部25の中からアンテナ20と送受信部25との組合せを選択し、それらを相互に接続するものである。基地局装置12が4−RFモードで動作する場合、4つの無線部24それぞれに2本のアンテナで構成される4つのアンテナ群のいずれを接続させるかを選択し、選択したアンテナ群を構成する2本のアンテナを選択した無線部24に含まれる2つの送受信切替スイッチにそれぞれ接続する。前述のとおり、8本のアンテナは2本のアンテナを組わ合せて構成される4つのアンテナ群が互いに異なる指向性パターンを形成するように配置されているので、アンテナ・送受信部組合せ選択部22に選択させる組合せを変えるだけで、各移動局装置14との通信に適用する指向性パターンを変更することができる。
ディジタル信号処理部32は、接続される送受信部25と同数のD/Aコンバータ、A/Dコンバータ、およびDSP(Digital Signal Processor)を含んで構成されており、図示しない上位装置との間で送受信データを送受信するとともに、送受信部25との間でベースバンド信号を送受信する。具体的には、各DSPにおいて、上位装置から入力される複数の送信データを時分割してTDMA/TDDフレームにおける各タイムスロットに割り当て、各タイムスロットに割り当てた送信データに所定の変調処理を施してディジタル変調信号を生成する。そして、D/Aコンバータによりディジタル変調信号をベースバンド送信信号に変換し、対応する送信部26に出力する。また、対応する受信部28から入力されるベースバンド受信信号をA/D変換後、タイムスロットごとに所定の復調処理を施し、復調された受信信号を上位装置に出力する。
なお、アンテナ群ごとに(無線部24ごとに)アダプティブアレイアンテナを構成する場合には、ディジタル信号処理部32は、各DSPは対応するアンテナ20のウェイトを算出し、ベースバンド信号に対して算出したウェイトを乗算する処理をさらに施すものとする。また、アンテナ群ごとにダイバーシティ受信を行う場合には、各アンテナ群を構成するアンテナ20による受信信号の中から最良の受信特性を有する受信信号を選択する処理、あるいは、各アンテナ群を構成するアンテナ20による受信信号を最大比合成する処理をさらに施すものとする。
制御部34は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)およびメモリを含んで構成されており、基地局装置12全体の制御を行う。機能的には、受信制御部36、受信品質測定部38、アンテナ群決定部40、アンテナ割当部42を含んでおり、複数RFモードの動作制御、各移動局装置14との通信に使用するアンテナの割り当て、各アンテナ群で受信される信号の受信品質の測定などを行う。なお、上記の機能は、CPUがメモリに記憶される各種制御プログラムを実行することによって実現される。
受信制御部36は、通信中の移動局装置14のうちいずれかを選択し、選択された移動局装置14(以下「測定対象移動局装置」という。)から送信される無線信号を、各移動局装置14との通信に使用されていないアンテナ群(以下「不使用アンテナ群」という。)の一部または全部に受信させるものである。具体的には、通信開始直後の移動局装置14や受信データのBER(Bit Error Rate:ビット誤り率)が所定閾値を超えた移動局装置14などを測定対象移動局装置として選択する。また、記憶部44に記憶されるアンテナ20の割り当て状況を参照して不使用アンテナ群を特定し、その一部または全部を受信品質の測定用として選出する。たとえば、2つのアンテナ群(アンテナ4本)が通信に使用されている場合、残るアンテナ4本のうち2本を組み合わせて構成される最大6つの不使用アンテナ群の中から測定用の不使用アンテナ群を選出する。そして、選出された各不使用アンテナ群を使用されていない受信部28にそれぞれ接続するようアンテナ・送受信部組合せ選択部22に指示を出すとともに、それら各不使用アンテナ群が接続された受信部28に測定対象移動局装置との通信に使用しているキャリア周波数と同一の周波数を持つ搬送波信号を供給するよう対応する局部発振信号部30を制御する。こうして、測定対象移動局装置から送信される無線信号を、当該測定対象移動局装置に割り当てられたタイムスロットにおいて、一部または全部の不使用アンテナ群に順次または同時に受信させる。それら各不使用アンテナ群により受信された信号は、ディジタル信号処理部32を介して受信品質測定部38に出力される。
受信品質測定部38は、ディジタル信号処理部32から入力される各アンテナ群による受信信号に基づいて、測定対象移動局装置との通信に使用中のアンテナ群で受信される信号の受信品質と不使用アンテナ群の一部または全部で受信される信号の受信品質をそれぞれ測定するものである。たとえば、受信品質の指標値として、各アンテナ群による受信信号強度(RSSI:Receive Signal Strength Indication)の1タイムスロット分の平均値P_ave、または当該タイムスロットにおけるRSSIの最大値をP_peakとしたときに次式で示されるRSSIピーク係数P_pを用いることができる。
こうすれば、測定対象移動局装置との通信に適したアンテナ群を少ない処理時間で特定することができる。また、受信品質の指標値として、受信信号のCINR(Carrier to Interference and Noise Ratio:搬送波対干渉および雑音電力比)、CIR(Carrier to Interference Ratio:搬送波対干渉電力比)、CNR(Carrier to Noise Ratio:搬送波対雑音電力比)、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio:信号対干渉波および雑音電力比)、SIR(Signal to Interference Ratio:信号対干渉波電力比)、SNR(Signal to Noise Ratio:信号対雑音電力比)などを用いてもよい。なお、受信品質測定部38は、これらの受信品質の指標値を、当該測定に用いたアンテナ群の識別情報に関連づけて記憶部44に記憶させてもよい。
アンテナ群決定部40は、受信品質測定部38により測定される各受信品質に応じて、測定対象移動局装置との通信に使用するアンテナ群を決定するものである。たとえば、受信品質測定部38がRSSI平均値を測定する場合、アンテナ決定部40は、RSSI平均値の最大値を与えるアンテナ群を測定対象移動局装置との通信に使用するアンテナ群とする。こうすれば、より大きな受信電力が得られるアンテナ群を用いて通信を継続することが可能となり、通信品質を向上させることができる。一方、受信品質測定部38がRSSIピーク係数を測定する場合、アンテナ決定部40は、RSSIピーク係数の最小値を与えるアンテナ群を測定対象移動局装置との通信に使用するアンテナ群とする。こうすれば、受信電力の変動がより少ない、すなわちフェージングの影響をより受けにくいアンテナ群を用いて通信を継続することが可能となり、通信品質を向上させることができる。
アンテナ割当部42は、各移動局装置14からの接続要求に応じて、不使用アンテナ群のいずれかを当該各移動局装置14との通信に割り当てる。具体的には、不使用アンテナ群のいずれかを当該各移動局装置14との通信に割り当てるよう、アンテナ・送受信組合せ選択部22およびディジタル信号処理部32その他に指示を出す。
通信開始後は、所定のタイミングで受信品質測定部38により上記測定が実施される。この場合に、アンテナ割当部42は、アンテナ群決定部40により決定されるアンテナ群を測定対象移動局装置との通信に割り当てる。具体的には、アンテナ群決定部40により決定されるアンテナ群がすでに測定対象移動局装置との通信に使用されているものと同じであれば、アンテナの割り当ては変更しない。一方異なるものであれば、測定対象移動局装置との通信に使用するアンテナ群をアンテナ群決定部40により決定されるアンテナ群に切り替えるよう、アンテナ・送受信部組合せ選択部22に指示する。なお、アンテナ群を切り替える場合に、アンテナ群だけでなく、上記測定において当該アンテナ群に接続されていた送受信部25から上位装置の手前までの一連の回路ごと切り替えるようにしてもよい。こうして、通信に使用するアンテナ群をより良好な受信品質が得られるアンテナ群に随時切り替えることにより、測定対象移動局装置との通信品質を向上させることができる。
記憶部44は、たとえばメモリを含んで構成されており、複数RFモードの種別に応じて適用されるアンテナ20の組合せ(アンテナ群の構成パターン)、アンテナ20の割り当て状況、受信品質測定部38による受信品質の測定結果などを記憶するものである。図3は、記憶部44の一例を示す図である。同図に示すように、記憶部44は、アンテナ群の識別番号に関連づけて、当該アンテナ群を構成するアンテナ20の組合せパターン、アンテナ群の割り当て状況、および当該アンテナ群による受信品質を示すRSSI平均値やピーク係数などを記憶する。
ここで、基地局装置12の動作について説明する。図4は、基地局装置12における通信中のアンテナ切替処理の一例を示すフロー図である。本処理は、通信開始直後もしくは所定周期ごとに、または受信データのBERが所定閾値を超えた場合などに実行される。また、測定対象移動局装置が選択された状態で開始される。なお、本実施形態では、基地局装置12は4−RFモードで動作しており、通信途中で動作モードを変更することはないものとする。
本処理が開始されると、受信制御部36は、記憶部44に記憶されるアンテナ20の割り当て状況を参照して不使用アンテナ群を特定し(S100)、その一部または全部を受信品質の測定用として選出する(S102)。S102で選出された不使用アンテナ群の組合せに応じて、以下S108までの処理は順次または同時に実行される。
受信制御部36は、S102で選出された各不使用アンテナ群を、使用されていない受信部28にそれぞれ接続するようアンテナ・送受信部組合せ選択部22に指示を出すとともに、それら各不使用アンテナ群が接続された受信部28に測定対象移動局装置との通信に使用しているキャリア周波数と同一の周波数を持つ搬送波信号を供給するよう対応する局部発振信号部30を制御する。
次に、受信品質測定部38は、測定対象移動局装置に割り当てられたタイムスロットにおいてディジタル信号処理部32から入力される各アンテナ群による受信信号に基づいて、測定対象移動局装置との通信に使用中のアンテナ群で受信される信号の受信品質とS102で選出された各不使用アンテナ群で受信される信号の受信品質をそれぞれ測定し記録する。すなわち、上記各アンテナ群で受信される信号のRSSIを測定し(S104)、当該タイムスロットにおけるRSSIの平均値を算出する(S106)。そして、算出されたRSSI平均値を対応するアンテナ群の識別情報に関連づけて、記憶部44に保存する(S108)。
S102で選出されたすべての不使用アンテナ群についてS104〜108の測定処理が完了すると、アンテナ決定部40は、S108で記録されたRSSI平均値の中で最大値を与えるアンテナ群を測定対象移動局装置との通信に使用するアンテナ群として決定する。そして、アンテナ割当部42は、アンテナ群決定部40により決定されるアンテナ群を測定対象移動局装置との通信に割り当てる(S110)。
以上説明した基地局装置12によれば、複数RFモードにて各移動局装置14と通信中に、それら各通信に使用されていないアンテナ群を用いて受信品質の測定を行い、その受信結果に応じて随時アンテナ群を切り替えるので、通信品質を向上させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。たとえば、以上の説明では、TDMA/TDD方式を移動体通信システムに本発明を適用したが、本発明は、その他の通信方式を採用する移動体通信システムにも適用可能である。
また、上記実施形態では、局部発振信号部30と送受信部25との接続を固定し、アンテナ20と送受信部25との接続を可変としたが、逆に、局部発振信号部30と送受信部25との接続を可変とし、アンテナ20と送受信部25との接続を固定してもよいし、両接続をいずれも可変としてもよい。
10 移動体通信システム、12 基地局装置、14 移動局装置、20 アンテナ、22 アンテナ・送受信部組合せ選択部、24 無線部、25 送受信部、26 送信部、28 受信部、30 局部発振信号部、32 ディジタル信号処理部、34 制御部、36 受信制御部、38 受信品質測定部、40 アンテナ群決定部、42 アンテナ割当部、44 記憶部。
Claims (2)
- 複数のアンテナを備え、該複数のアンテナのうち2以上から構成される複数のアンテナ群の少なくとも一部それぞれに異なる周波数を用いて複数の移動局装置それぞれと通信を行う基地局装置であって、
前記複数の移動局装置のいずれかを選択し、該選択された移動局装置から送信される無線信号を、前記各移動局装置との通信に使用されていないアンテナ群である不使用アンテナ群の一部または全部に受信させる受信制御手段と、
前記選択された移動局装置との通信に使用中のアンテナ群で受信される信号の受信品質と前記不使用アンテナ群の一部または全部で受信される信号の受信品質をそれぞれ測定する受信品質測定手段と、
前記受信品質測定手段により測定される前記各受信品質に応じて、前記選択された移動局装置との通信に使用するアンテナ群を決定するアンテナ群決定手段と、
前記アンテナ群決定手段により決定されるアンテナ群を、前記選択された移動局装置との通信に割り当てるアンテナ割当手段と、
を含むことを特徴とする基地局装置。 - 複数のアンテナを備え、該複数のアンテナのうち2以上から構成される複数のアンテナ群の少なくとも一部それぞれに異なる周波数を用いて複数の移動局装置それぞれと通信を行う基地局装置のアンテナ切替方法であって、
前記複数の移動局装置のいずれかを選択し、該選択された移動局装置から送信される無線信号を、前記各移動局装置との通信に使用されていないアンテナ群である不使用アンテナ群の一部または全部に受信させるステップと、
前記選択された移動局装置との通信に使用中のアンテナ群で受信される信号の受信品質と前記不使用アンテナ群の一部または全部で受信される信号の受信品質をそれぞれ測定する受信品質測定ステップと、
前記受信品質測定ステップで測定される前記各受信品質に応じて、前記選択された移動局装置との通信に使用するアンテナ群を決定するアンテナ群決定ステップと、
前記アンテナ群決定ステップで決定されるアンテナ群を、前記選択された移動局装置との通信に割り当てるステップと、
を含むことを特徴とするアンテナ切替方法。
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