JP2008134773A - 端末装置、それに用いられるプログラム及び情報処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電子ペンの電子ペン用媒体に対する所定時間内のタップ回数に応じて所定の処理を実行する端末装置、それに用いられるプログラム及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】利用者は、電子ペン10Aにより、電子ペン用媒体における任意のユーザエリアをタップする。端末装置25Aは、電子ペン10Aから記入内容に対応する記入情報を取得し、当該記入情報に含まれる座標データに基づいて定義情報を参照することで、利用者がタップしたユーザエリアを認識する。また、端末装置25Aは、記入情報に基づいて、認識したユーザエリアへの所定時間内のタップ回数を特定する。さらに、端末装置25Aは、ユーザエリア及びタップ回数に基づいて、出力情報から対応する音声データを抽出し、音声出力部から音声を出力する。よって、同一のユーザエリアをタップした回数によって、異なる音声を利用者にフィードバックすることができる。
【選択図】図5
【解決手段】利用者は、電子ペン10Aにより、電子ペン用媒体における任意のユーザエリアをタップする。端末装置25Aは、電子ペン10Aから記入内容に対応する記入情報を取得し、当該記入情報に含まれる座標データに基づいて定義情報を参照することで、利用者がタップしたユーザエリアを認識する。また、端末装置25Aは、記入情報に基づいて、認識したユーザエリアへの所定時間内のタップ回数を特定する。さらに、端末装置25Aは、ユーザエリア及びタップ回数に基づいて、出力情報から対応する音声データを抽出し、音声出力部から音声を出力する。よって、同一のユーザエリアをタップした回数によって、異なる音声を利用者にフィードバックすることができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、電子ペンにより電子ペン用媒体等に記入された記入情報を処理する技術に関する。
近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている(特許文献1参照)。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」とも呼ぶ。)とペアで使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報が取得される。この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。そのため、現在、各種ビジネス上の書類、申込書、契約書等に記入されたデータをデジタル化する手法として、電子ペンを利用したシステムが普及しつつある(例えば、特許文献2)。
特表2003−511761号公報
特開2004−153612号公報
そこで本発明は、電子ペンの電子ペン用媒体に対する所定時間内のタップ回数に応じて、所定の処理を実行する端末装置、それに用いられるプログラム及び情報処理システムを提供することを目的とする。
本発明に係る端末装置は、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する端末装置であって、音声データに基づいて音声を出力する音声出力部と、前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、前記音声出力部から出力する音声データとを対応付けた出力情報を記憶する情報記憶手段と、前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記出力情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段と、前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段と、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記出力情報から対応する音声データを抽出するデータ抽出手段と、前記データ抽出手段が抽出した音声データに基づく音声を前記音声出力部から出力させる処理実行手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、利用者が電子ペンにより電子ペン用媒体のユーザエリアを軽く叩いてタップすると、電子ペンは電子ペン用媒体へのタップによる記入情報を端末装置に送信する。そして、端末装置では、記入情報取得手段によってその記入情報が取得され、ユーザエリア認識手段が、記入情報取得手段により取得された記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段に記憶された出力情報を参照し、ユーザエリアを認識する。さらに、タップ回数特定手段は、記入情報に基づいて、ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアにおいて、所定時間内にタップされたタップ回数を特定し、データ抽出手段は、情報記憶手段に記憶された出力情報から、特定されたタップ回数とユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアとに対応する音声データを抽出する。そして、処理実行手段は、データ抽出手段が抽出した音声データに基づく音声を音声出力部から出力させる。このように、端末装置は、利用者によって同一のユーザエリアが所定時間内にタップされたタップ回数に応じて、音声データに基づく音声を出力することができるとともに、音声データごとにユーザエリアを電子ペン用媒体に設定する必要もないため、電子ペン用媒体におけるユーザエリアを集約することができ、電子ペン用媒体の省スペース化を実現することができて、電子ペン用媒体のデザイン自由度を向上させることができる。
上記のような構成において、電子ペンは、取得した記入情報を即時的且つ逐次的に端末装置へ送信するとよい。これにより、利用者が電子ペンで電子ペン用媒体のユーザエリアにタップを行うと、端末装置によってリアルタイムで即座に音声データの出力による利用者への案内が行われるため、利用者の操作性が高まる。
さらに、上記端末装置において、前記記入情報に基づいて、データ開始点及びデータ終了点を特定する開始終了点特定手段をさらに備え、前記ユーザエリア認識手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点の座標データに基づいて前記出力情報を参照することで、当該データ開始点及び当該データ終了点の双方が含まれる前記ユーザエリアを認識するものであり、前記タップ回数特定手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点に基づく時間及び/又は距離により、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定すると好適である。
このように構成された端末装置によれば、開始終了点特定手段が記入情報に基づき、データ開始点及びデータ終了点を特定し、ユーザエリア認識手段は、開始終了点特定手段によって特定されたデータ開始点とデータ終了点の座標データに基づき出力情報を参照して、当該データ開始点及び当該データ終了点の双方が含まれるユーザエリアを認識する。そして、タップ回数特定手段は、データ開始点及びデータ終了点に基づく時間及び/又は距離により、ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアに対して所定時間内にタップされたタップ回数を特定する。このように、利用者が電子ペン用媒体に記入したストロークのうち、タップ回数としてカウントするのは、一つのユーザエリアにデータ開始点及びデータ終了点の双方が含まれるものが対象となる。これにより、利用者が電子ペン用媒体に記入したストロークのデータ開始点及びデータ終了点のいずれかがユーザエリアの範囲外にある場合には、利用者が特定のユーザエリアに関する音声データを端末装置から出力させようと意図したものではないと判定することができる。また、タップ回数特定手段によって、データ開始点及び前記データ終了点に基づく時間及び/又は距離に基づいて、利用者の記入したストロークが、タップであるか否か判定され、文字や図柄とは区別される。さらに、タップ回数は、所定時間内に行われたタップの回数で決定されるため、所定時間よりも間隔のあいたタップ同士は、タップ回数としては別々にカウントされるため、タップ回数を的確に特定することができる。
さらに、出力情報として記憶される音声データは、各ユーザエリアに対応して設定された文章がタップ回数によって異なる言語で発声される音声データであるとよい。これにより、各ユーザエリアに関する文章を、電子ペン用媒体へのタップ回数を変えることで、各種の異なる言語で音声出力させることができる。
あるいは、出力情報として記憶される音声データは、各ユーザエリアに対応して設定され、タップ回数により特定される異なる速度の音声データであるとよい。これにより、端末装置に音声データを再生させるにあたって、電子ペン用媒体へのタップ回数を変えることで、異なる再生速度の音声データを再生させることができる。
あるいは、上記端末装置において、処理実行手段は、データ抽出手段が抽出した音声データをタップ回数によって異なる速度で再生することで音声を音声出力部から出力させるよう構成させてもよい。この構成により、同じ音声データを電子ペン用媒体へのタップ回数を変えることで、再生速度を変えて再生させることができる。
また、本発明に係る端末装置は、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する端末装置であって、データを表示する表示部と、前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、前記表示部に表示するデータとを対応付けた出力情報を記憶する情報記憶手段と、前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記出力情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段と、前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段と、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記出力情報から対応するデータを抽出するデータ抽出手段と、前記データ抽出手段が抽出したデータを前記表示部に表示させる処理実行手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、利用者が電子ペンにより電子ペン用媒体のユーザエリアを軽く叩いてタップすると、電子ペンは電子ペン用媒体へのタップによる記入情報を端末装置に送信する。そして、端末装置では、記入情報取得手段によってその記入情報が取得され、ユーザエリア認識手段が、記入情報取得手段により取得された記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段に記憶された出力情報を参照し、ユーザエリアを認識する。さらに、タップ回数特定手段は、記入情報に基づいて、ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアにおいて、所定時間内にタップされたタップ回数を特定し、データ抽出手段は、情報記憶手段に記憶された出力情報から、特定されたタップ回数とユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアとに対応するデータを抽出する。そして、処理実行手段は、データ抽出手段が抽出したデータを表示部に表示させる。このように、端末装置は、利用者によって同一のユーザエリアが所定時間内にタップされたタップ回数に応じて、データを表示させることができるとともに、データごとにユーザエリアを電子ペン用媒体に設定する必要もないため、電子ペン用媒体におけるユーザエリアを集約することができ、電子ペン用媒体の省スペース化を実現することができて、電子ペン用媒体のデザイン自由度を向上させることができる。
上記のような構成において、電子ペンは、取得した記入情報を即時的且つ逐次的に端末装置へ送信するとよい。これにより、利用者が電子ペンで電子ペン用媒体のユーザエリアにタップを行うと、端末装置によってリアルタイムで即座にデータの表示による利用者への案内が行われるため、利用者の操作性が高まる。
上記端末装置において、前記記入情報に基づいて、データ開始点及びデータ終了点を特定する開始終了点特定手段をさらに備え、前記ユーザエリア認識手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点の座標データに基づいて前記出力情報を参照することで、当該データ開始点及び当該データ終了点の双方が含まれる前記ユーザエリアを認識するものであり、前記タップ回数特定手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点に基づく時間及び/又は距離により、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するよう構成するとよい。
このように構成された端末装置によれば、開始終了点特定手段が記入情報に基づき、データ開始点及びデータ終了点を特定し、ユーザエリア認識手段は、開始終了点特定手段によって特定されたデータ開始点とデータ終了点の座標データに基づき出力情報を参照して、当該データ開始点及び当該データ終了点の双方が含まれるユーザエリアを認識する。そして、タップ回数特定手段は、データ開始点及びデータ終了点に基づく時間及び/又は距離により、ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアに対して所定時間内にタップされたタップ回数を特定する。このように、利用者が電子ペン用媒体に記入したストロークのうち、タップ回数としてカウントするのは、一つのユーザエリアにデータ開始点及びデータ終了点の双方が含まれるものが対象となる。これにより、利用者が電子ペン用媒体に記入したストロークのデータ開始点及びデータ終了点のいずれかがユーザエリアの範囲外にある場合には、利用者が特定のユーザエリアに関するデータを端末装置から出力させようと意図したものではないと判定することができる。また、タップ回数特定手段によって、データ開始点及び前記データ終了点に基づく時間及び/又は距離に基づいて、利用者の記入したストロークが、タップであるか否か判定され、文字や図柄とは区別される。さらに、タップ回数は、所定時間内に行われたタップの回数で決定されるため、所定時間よりも間隔のあいたタップ同士は、タップ回数としては別々にカウントされるため、タップ回数を的確に特定することができる。
このような構成において、ユーザエリアに対応して設定された複数のデータは、相互に関連するとよい。これにより、利用者が同一のユーザエリアに対してタップ回数を変えてタップを行うことにより、関連するデータを表示部に表示させることができ、ユーザエリアに関する内容についての理解がしやすい。
また、本発明に係るプログラムは、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記コンピュータは、音声データに基づいて音声を出力する音声出力部を備え、前記プログラムは、前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、前記音声出力部から出力する音声データとを対応付けた出力情報を記憶する情報記憶手段、前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記出力情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段、前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記出力情報から対応する音声データを抽出するデータ抽出手段、前記データ抽出手段が抽出した音声データに基づく音声を前記音声出力部から出力させる処理実行力手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
あるいは、別の本発明に係るプログラムは、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記コンピュータは、データを表示する表示部を備え、前記プログラムは、前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、前記表示部に表示するデータとを対応付けた出力情報を記憶する情報記憶手段、前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記出力情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段、前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記出力情報から対応するデータを抽出するデータ抽出手段、前記データ抽出手段が抽出したデータを前記表示部に表示させる処理実行手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
また、本発明に係る端末装置は、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する端末装置であって、前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、所定の処理を実行する処理データとを対応付けた実行情報を記憶する情報記憶手段と、前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記実行情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段と、前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段と、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記実行情報から対応する処理データを抽出する処理データ抽出手段と、前記処理データ抽出手段が抽出した処理データに基づいて所定の処理を実行する処理実行手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、利用者が電子ペンにより電子ペン用媒体のユーザエリアを軽く叩いてタップすると、電子ペンは電子ペン用媒体へのタップによる記入情報を端末装置に送信する。そして、端末装置では、記入情報取得手段によってその記入情報が取得され、ユーザエリア認識手段が、記入情報取得手段により取得された記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段に記憶された実行情報を参照し、ユーザエリアを認識する。さらに、タップ回数特定手段は、記入情報に基づいて、ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアにおいて、所定時間内にタップされたタップ回数を特定し、処理データ抽出手段は、情報記憶手段に記憶された実行情報から、特定されたタップ回数とユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアとに対応する処理データを抽出する。そして、処理実行手段は、処理データ抽出手段が抽出した処理データに基づく処理を実行する。このように、端末装置は、利用者によって同一のユーザエリアが所定時間内にタップされたタップ回数に応じて、処理データに基づく処理を実行することができるとともに、処理データごとにユーザエリアを電子ペン用媒体に設定する必要もないため、電子ペン用媒体におけるユーザエリアを集約することができ、電子ペン用媒体の省スペース化を実現することができて、電子ペン用媒体のデザイン自由度を向上させることができる。
また、本発明に係るプログラムは、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記プログラムは、前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、所定の処理を実行する処理データとを対応付けた実行情報を記憶する情報記憶手段、前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記実行情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段、前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記実行情報から対応する処理データを抽出する処理データ抽出手段、前記処理データ抽出手段が抽出した処理データに基づいて所定の処理を実行する処理実行手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
上記プログラムをコンピュータにより実行することにより、上述の端末装置を実現することができる。
また、本発明に係る情報処理システムによれば、利用者が電子ペンにより電子ペン用媒体のユーザエリアを軽く叩いてタップすると、電子ペンは電子ペン用媒体へのタップによる記入情報を端末装置に送信する。そして、端末装置では、記入情報取得手段によってその記入情報が取得され、ユーザエリア認識手段が、記入情報取得手段により取得された記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段に記憶された実行情報を参照し、ユーザエリアを認識する。さらに、タップ回数特定手段は、記入情報に基づいて、ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアにおいて、所定時間内にタップされたタップ回数を特定し、処理データ抽出手段は、情報記憶手段に記憶された実行情報から、特定されたタップ回数とユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアとに対応する処理データを抽出する。そして、処理実行手段は、処理データ抽出手段が抽出した処理データに基づく処理を実行する。このように、端末装置は、利用者によって同一のユーザエリアが所定時間内にタップされたタップ回数に応じて、処理データに基づく処理を実行することができるとともに、処理データごとにユーザエリアを電子ペン用媒体に設定する必要もないため、電子ペン用媒体におけるユーザエリアを集約することができ、電子ペン用媒体の省スペース化を実現することができて、電子ペン用媒体のデザイン自由度を向上させることができる。
本発明に係る端末装置、それに用いられるプログラム及び情報処理システムによれば、電子ペンの電子ペン用媒体に対する所定時間内のタップ回数に応じて、所定の処理を実行することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
本実施形態の情報処理システムは、図1及び図2に示すように、電子ペン10A(10)と、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20A(20)と、端末装置25A(25)とから構成される。ここで、図1は電子ペン10Aの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペン10Aの構造を示す機能ブロック図である。専用ペーパ20Aには、ドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。電子ペン10Aは、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者が通常のインクペンと同様にペン先部17によって専用ペーパー20A上に文字などを書くと、電子ペン10Aは、ペン先部17の移動軌跡に沿って、専用ペーパー20Aに印刷されたドットパターンを局所的、連続的に読み取り、専用ペーパー20Aにおけるその局所位置の座標を算出し、その座標データ等を端末装置25Aに送信する。電子ペン10Aは、端末装置25Aへ確実にデータを送信できるよう、端末装置25Aの近傍で使用される。端末装置25Aは、受信した座標データ等に基づいて、入力文字を記憶したり、タップに応じた処理を行ったりする等、所定の処理を実行する。以下、各構成について詳細に説明する。
本実施形態の情報処理システムは、図1及び図2に示すように、電子ペン10A(10)と、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20A(20)と、端末装置25A(25)とから構成される。ここで、図1は電子ペン10Aの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペン10Aの構造を示す機能ブロック図である。専用ペーパ20Aには、ドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。電子ペン10Aは、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者が通常のインクペンと同様にペン先部17によって専用ペーパー20A上に文字などを書くと、電子ペン10Aは、ペン先部17の移動軌跡に沿って、専用ペーパー20Aに印刷されたドットパターンを局所的、連続的に読み取り、専用ペーパー20Aにおけるその局所位置の座標を算出し、その座標データ等を端末装置25Aに送信する。電子ペン10Aは、端末装置25Aへ確実にデータを送信できるよう、端末装置25Aの近傍で使用される。端末装置25Aは、受信した座標データ等に基づいて、入力文字を記憶したり、タップに応じた処理を行ったりする等、所定の処理を実行する。以下、各構成について詳細に説明する。
[ 専用ペーパー ]
まず、専用ペーパー20Aについて説明する。専用ペーパー20Aは、用紙上にドットパターンが印刷され、さらにその上に罫線や記入枠などの図案や項目、文言、イラスト等が印刷されたものである。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。また、図案等は、カーボンを含まない通常のインキにより印刷される。ドットパターンと図案等とは用紙に対して同時に印刷してもよいし、どちらを先に印刷してもよい。
まず、専用ペーパー20Aについて説明する。専用ペーパー20Aは、用紙上にドットパターンが印刷され、さらにその上に罫線や記入枠などの図案や項目、文言、イラスト等が印刷されたものである。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。また、図案等は、カーボンを含まない通常のインキにより印刷される。ドットパターンと図案等とは用紙に対して同時に印刷してもよいし、どちらを先に印刷してもよい。
図5(a)に、図案等が印刷された専用ペーパー20Aの例を示す。図5(a)に示す例は、申込書等の帳票の例であり、名前記入エリア60や住所記入エリア61等のユーザエリアが印刷されている。ドットパターンは、専用ペーパー20Aのほぼ全面に印刷されており、その上に名前記入エリア60等のユーザエリアの枠線が、カーボンを含まない通常のインキにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、電子ペン10Aを使用して必要事項を名前記入エリア60や住所記入エリア61に記入する。
[ ドットパターン ]
続いて、ドットパターンについて説明する。図3は、専用ペーパー20Aに印刷されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトされているかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、専用ペーパー20A上の位置座標が決定されるよう構成されている。
続いて、ドットパターンについて説明する。図3は、専用ペーパー20Aに印刷されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトされているかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、専用ペーパー20A上の位置座標が決定されるよう構成されている。
図4(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、専用ペーパー上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)を保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン10Aによって行われる。
[ 電子ペン ]
次に電子ペン10Aについて説明する。図2に示すように、電子ペン10Aは、その内部にプロセッサ11、クロック22、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16、圧力センサ18を備える。また、電子ペン10Aは通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
次に電子ペン10Aについて説明する。図2に示すように、電子ペン10Aは、その内部にプロセッサ11、クロック22、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16、圧力センサ18を備える。また、電子ペン10Aは通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
LED15は、電子ペン10Aのペン先付近に取り付けられており、専用ペーパー20A上のペン先部17近傍(領域15a)に向けて、赤外線を照明する(図1参照)。領域15aは、ペン先部17が専用ペーパー20Aに接触する位置とはわずかにずれている。カメラ16は、LED15によって照明された領域15a内におけるドットパターンを読み取り、そのドットパターンの画像データをプロセッサ11に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED15によって照射された赤外線は、ドットの部分でドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。したがって、カメラ16の撮影により、赤外線の反射量の違いから、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。これは、撮影領域に罫線や枠などが印刷されてあったとしても、罫線や枠などのインクには、カーボンが含まれていないため、ドットパターンを認識することができる。なお、カメラ16による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、カメラ16の撮影は、毎秒50〜100回程度行われる。
バッテリー14は電子ペン10A内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン10A自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。クロック22は、現在時刻(タイムスタンプ)を発信し、プロセッサ11に供給する。圧力センサ18は、利用者が電子ペン10Aにより専用ペーパー20A上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。
プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10Aで専用ペーパー20A上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、圧力センサ18によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ11は、利用者が記入を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動させる。
プロセッサ11は、利用者の記入が行われる間、カメラ16によって供給される画像データのドットパターンから、利用者が記入するストロークの専用ペーパー20A上でのX,Y座標(単に「座標データ」とも呼ぶ)を連続的に算出していく。すなわち、プロセッサ11は、カメラ16によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データを算出する。そしてプロセッサ11は、現在時刻(タイムスタンプ)を発信するクロック22から時間情報を取得し、その時間情報と、筆圧データ及びX,Y座標データとを関連付け、これらの情報を記入情報として、データ通信ユニット13に対して、端末装置25Aへ送信させる。ここで、一枚の専用ペーパー(電子ペン用媒体)20A内のドットパターンは、その専用ペーパー20A内で重複することはないため、利用者が電子ペン10Aでユーザエリアに必要事項を記入すると、その記入が専用ペーパー20Aのどのユーザエリアに対応するものであるかを、座標データから特定することができる。
データ通信ユニット13は、プロセッサ11から時間情報、筆圧データ、X,Y座標データを記入情報として受けると、端末装置25Aへ無線送信する。データ通信ユニット13による送信は、Bluetooth(登録商標)の無線送信によると好適である。なお、USBケーブルを使用した有線送信、端子などの接触によるデータ送信など、他の方法によって、データ通信ユニット13から端末装置25Aへデータ送信を行ってもよい。データ通信ユニット13による端末装置25Aへの記入情報の送信は、即時的且つ逐次的に行われる。
[ 端末装置 ]
次に、端末装置25Aについて図6を参照して説明する。図6は、端末装置25Aの機能ブロック図である。端末装置25Aは、電子ペン10Aから取得したX,Y座標データ等の記入情報に基づいて、専用アプリケーションを実行することで所定の処理を行う。
次に、端末装置25Aについて図6を参照して説明する。図6は、端末装置25Aの機能ブロック図である。端末装置25Aは、電子ペン10Aから取得したX,Y座標データ等の記入情報に基づいて、専用アプリケーションを実行することで所定の処理を行う。
図6に示すように、端末装置25Aは、情報記憶手段40、記入情報取得手段41、開始終了点特定手段42、ユーザエリア認識手段43、タップ回数特定手段44、処理データ抽出手段(データ抽出手段)45、処理実行手段46、音声出力部47及び表示部48を備える。
情報記憶手段40は、ユーザエリアと、ドットパターン上におけるユーザエリアの位置座標を示す座標データと、利用者により行われるタップ回数と、タップ回数に応じた所定の処理を実行する処理データとを対応付けて、実行情報として記憶するメモリである。
すなわち、図8に示すように、情報記憶手段40には、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Aのユーザエリアを識別するエリアIDと、ユーザエリアの項目を表すエリア名と、ユーザエリアの座標領域を表す座標データとが、関連付けられて記憶されている。エリアID「A01」に関連してユーザ名として「名前記入エリア」が記憶され、エリアID「A02」に関連してユーザ名として「住所記入エリア」が記憶されている。各ユーザエリアの座標データを構成するデータ(xn,yn)、Hn、Wnは、図9に示すように、それぞれ、ドットパターン上におけるユーザエリアの頂点V(xn,yn)の座標、Y軸方向の高さ(Height)、X軸方向の幅(Width)を意味する。
さらに情報記憶手段40には、図10に示すように、ユーザエリアを識別するエリアIDと、利用者が行うタップ回数と、音声データとが関連付けられて記憶されている。例えば、エリアID「A01」のタップ回数「1」に対しては、日本語の音声データAが関連付けられ、同じエリアID「A01」のタップ回数「2」に対しては、英語の音声データBが関連付けられて記憶されている。また、エリアID「A02」のタップ回数「1」に対しては、日本語の音声データCが関連付けられ、同じエリアID「A02」のタップ回数「2」に対しては、英語の音声データDが関連付けられて記憶されている。これらの音声データA〜Dは、音声出力部47によって音声出力可能な音声データである。
ここで、図8に示すように、ユーザエリアのエリアIDと、ユーザエリアのエリア名と、ユーザエリアの領域を示すドットパターン上の位置座標(座標データ)とを対応付けた情報を定義情報と称することとする。また、図10に示すように、ユーザエリアのエリアIDと、タップ回数と、音声データ(処理データ、画像データ等の場合もある)とを対応付けた情報を出力情報と称することとする。また、これらの情報記憶手段40に記憶されている情報を実行情報と称することとする。
記入情報取得手段41は、電子ペン10Aのデータ通信ユニット13によって送信される専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Aへの記入情報を即時的且つ逐次的に取得する手段であり、Bluetooth(登録商標)による通信方式の電波を受信するアンテナ等により構成される。記入情報には、タップ(電子ペン10Aのペン先部17の専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Aへの軽叩)、文字、記号、絵柄等を記入する際に取得する情報が含まれる。特に、タップにより取得される記入情報をタップ情報と呼ぶ。
開始終了点特定手段42は、記入情報取得手段41が取得した記入情報に含まれるストロークのデータ開始点及びデータ終了点を特定する。具体的には、開始終了点特定手段42は、データ開始点及びデータ終了点それぞれの位置座標を示す座標データと記入時刻とを特定する。
ユーザエリア認識手段43は、記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段40が記憶した定義情報(図8参照)を参照することにより、対応するユーザエリアを認識する。このとき、ユーザエリア認識手段43は、1つのストロークのデータ開始点及びデータ終了点の双方が含まれるユーザエリアのみを認識するようにするとよい。そのような設定にすれば、利用者が専用ペーパー20Aに記入したストロークのデータ開始点及びデータ終了点のいずれかがユーザエリアの範囲外にある場合には、利用者が特定のユーザエリアに関する音声データを端末装置25Aから出力させようと意図したものではないと判定することができる。
タップ回数特定手段44は、開始終了点特定手段42によって特定されたデータ開始点及びデータ終了点における時間及び/又は距離に基づいて、利用者により専用ペーパー20Aに記入されたストロークがタップであるか否かを判定し、ユーザエリア認識手段43が認識したユーザエリアにおいて所定時間内にタップされた回数(タップ回数)を特定する。これにより、利用者の記入したストロークが、タップであるか否か判定され、文字や図柄とは区別されるとともに、タップ回数は、所定時間内に行われたタップの回数で決定されるため、所定時間よりも間隔のあいたタップ同士は、タップ回数としては別々にカウントされ、タップ回数を的確に特定することができる。
具体的には、利用者により専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Aに記入されたストロークがタップであるか否かを判定するにあたっては、第1の方法として、タップ回数特定手段44は、データ終了点の記入時刻とデータ開始点の記入時刻の差分を算出し、当該差分が予め設定された所定時間未満である場合にストロークがタップであると判定する。別の第2の方法として、タップ回数特定手段44は、座標データに基づいてデータ開始点とデータ終了点の距離を算出し、当該距離が予め設定された所定距離未満である場合にストロークがタップであると判定するようにしてもよい。あるいは第3の方法として、データ開始点とデータ終了点における時間及び距離の両方に条件を付けて、ストロークがタップであるか否かを判定するようにしてもよい。
タップ回数特定手段44は、タップ回数を求めるため、記入情報に含まれる時間情報に基づいて、電子ペン10Aが認識したユーザエリアに最初に触れた時刻をタップ開始時刻と特定し、さらに、タップ開始時刻に予め設定された所定時間(例えば、0.5秒)を加算することでタップ終了時刻を特定する。そして、タップ回数特定手段44は、タップ開始時刻からタップ終了時刻の間におけるユーザエリアへのタップ回数を特定する。
処理データ抽出手段45は、ユーザエリア認識手段43が認識したユーザエリアと、タップ回数特定手段44が特定したタップ回数とに基づいて、情報記憶手段40が記憶した出力情報(図10参照)から対応する音声データ(処理データ)を抽出する。
処理実行手段46は、処理データ抽出手段45によって抽出された音声データを用いて所定の処理を実行する。すなわち、処理実行手段46は、処理データ抽出手段45によって抽出された音声データを音声出力部(スピーカ)47に再生出力させる。
なお、端末装置25Aは、ハードウェアとして、電子ペン10Aとのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、スピーカ、ディスプレイ等で構成される、PCや携帯電話、或いは携帯端末である。端末装置25Aは、専用アプリケーションがインストールされることにより、上述の各手段が構成される。
[ 専用アプリケーション ]
次に、専用アプリケーション50について図7を参照して説明する。図7は、専用アプリケーション50のモジュール構成を示す。専用アプリケーション50は、電子ペン10Aが専用ペーパー20Aに記入した内容に対応するデジタルデータである記入情報に基づいて所定の処理を実行するものであって、ダウンロード等により予め端末装置25Aにインストールされている。専用アプリケーションは、原則として専用ペーパー20Aに対応付けられている。つまり、専用ペーパー20Aの種類が異なれば、その種類に応じて各専用ペーパー20Aに記入されたデータを処理する専用アプリケーションは異なる。しかし、専用ペーパー20Aと専用アプリケーションの対応は必ずしも1対1である必要はなく、複数種類の専用ペーパー20Aに1つの専用アプリケーションを対応付けてデータを処理させてもよい。また、1種類の専用ペーパー20Aに複数の専用アプリケーションを対応付けてデータを処理させてもよい。
次に、専用アプリケーション50について図7を参照して説明する。図7は、専用アプリケーション50のモジュール構成を示す。専用アプリケーション50は、電子ペン10Aが専用ペーパー20Aに記入した内容に対応するデジタルデータである記入情報に基づいて所定の処理を実行するものであって、ダウンロード等により予め端末装置25Aにインストールされている。専用アプリケーションは、原則として専用ペーパー20Aに対応付けられている。つまり、専用ペーパー20Aの種類が異なれば、その種類に応じて各専用ペーパー20Aに記入されたデータを処理する専用アプリケーションは異なる。しかし、専用ペーパー20Aと専用アプリケーションの対応は必ずしも1対1である必要はなく、複数種類の専用ペーパー20Aに1つの専用アプリケーションを対応付けてデータを処理させてもよい。また、1種類の専用ペーパー20Aに複数の専用アプリケーションを対応付けてデータを処理させてもよい。
図7に示すように、専用アプリケーション50は、記入情報取得モジュール101、情報登録モジュール102、開始終了点特定モジュール103、ユーザエリア認識モジュール104、タップ回数特定モジュール105、処理データ抽出モジュール106及び音声出力モジュール107を有する。
記入情報取得モジュール101は、記入情報取得手段41を用いて、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Aへの電子ペン10Aによる記入に対応する記入情報(タップ情報を含む)を取得する機能を有するモジュールである。
情報登録モジュール102は、情報記憶手段40に対して、図8及び図10に示すように、ユーザエリアのエリアID、ユーザエリアの座標データ、タップ回数、及び音声データを関連付けて記憶させるモジュールである。
開始終了点特定モジュール103は、記入情報取得モジュール101の実行によって取得された記入情報に含まれるストロークのデータ開始点及びデータ終了点につき、それぞれの座標データ及び記入時刻を特定する機能を有する。
ユーザエリア認識モジュール104は、記入情報に含まれる座標データと、情報登録モジュール102によって登録される各ユーザエリアの座標データとを参照して、記入情報に対応するユーザエリアを認識する機能を有する。なお、ユーザエリア認識モジュール104は、1つのストロークデータのデータ開始点及びデータ終了点の双方が含まれるユーザエリアのみを認識するようにするとよい。
タップ回数特定モジュール105は、ユーザエリア認識モジュール104によって認識された記入情報がタップ情報であるか否か判定し、ユーザエリアへの所定時間内におけるタップ回数をカウントする機能を有する。記入情報がタップ情報であるか否かの判定方法としては、上述のように、データ開始点の記入時刻からデータ終了点の記入時刻までの時間が予め設定された所定時間未満である場合にストロークがタップであると判定する方法(第1の方法)と、データ開始点とデータ終了点との間の距離が予め設定された所定距離未満である場合にストロークがタップであると判定する方法(第2の方法)とのいずれを採用してもよく、また、データ開始点とデータ終了点の時間及び距離の両方に条件を設定してもよい(第3の方法)。そして、タップ回数特定モジュール105は、最初に認識されたタップ情報から所定時間(例えば、0.5秒)以内に認識されたタップ情報の回数をカウントする。
処理データ抽出モジュール106は、情報登録モジュール102により情報記憶手段40に登録されるユーザエリア、タップ回数、及び音声データを参照し、ユーザエリア認識モジュール104によって認識されたユーザエリアとタップ回数特定モジュール105によって特定されたタップ回数とに関連付けられた音声データを抽出する機能を有する。
音声出力モジュール107は、処理データ抽出モジュール106によって抽出された音声データを、音声出力部(スピーカ)47に対して、音声として出力させる機能を有する。
[ 本情報処理システムによる音声出力処理フロー ]
次に、本第1実施形態の情報処理システムにより行われる処理フローについて図5及び図11を参照して説明する。図11は、端末装置25Aにおける音声出力処理のフローチャートである。
次に、本第1実施形態の情報処理システムにより行われる処理フローについて図5及び図11を参照して説明する。図11は、端末装置25Aにおける音声出力処理のフローチャートである。
利用者は、電子ペン10Aのペン先部17により、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Aのユーザエリアのうち解説を聞きたいユーザエリア、例えば、名前を記入する名前記入エリア60をタップする(図5(b)参照)。すると、電子ペン10Aは、ユーザエリアへのタップに対応する座標データ、時間情報、及び筆圧データを記入情報(タップ情報)として端末装置25Aへ送信する。すると、端末装置25Aの記入情報取得手段41は、電子ペン10Aから即時的且つ逐次的に記入情報(タップ情報)を取得する(ステップS1)。ここで、即時的とは、電子ペン10AがX,Y座標データ等の記入情報を取得すると、その記入情報は即座に端末装置25Aへ送信され、端末装置25Aによって取得されることを意味し、また、逐次的とは、電子ペン10AがX,Y座標データ等の記入情報を連続的に取得している間、その記入情報は、次々に端末装置25Aへ送信され、端末装置25Aによって取得されることを意味している。
続いて、開始終了点特定手段42は、記入情報取得手段41によって取得された記入情報(タップ情報)に含まれるストロークのデータ開始点及びデータ終了点における座標データ及び記入時刻を特定する(ステップS2)。
そして、ユーザエリア認識手段43は、記入情報(タップ情報)に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段40が記憶した定義情報を参照することで、対応するユーザエリアに当たる名前記入エリア(エリアID「A01」)を認識する(ステップS3)。タップ回数特定手段44は、データ開始点及びデータ終了点の記入時刻の差分に基づいて記入情報がタップ情報であることを判定すると共に、そのタップ情報に含まれる時間情報に基づいて、ユーザエリア認識手段43が認識したユーザエリアへの所定時間内のタップ回数を特定する(ステップS4)。なお、タップ回数特定手段44は、データ開始点及びデータ終了点の座標データから算出される距離に基づいて、電子ペン用媒体に記入されたストロークがタップであるか否かを判定してもよい。
さらに、処理データ抽出手段45は、ユーザエリア認識手段43によって認識されたユーザエリア及びタップ回数特定手段44によって特定されたタップ回数に基づいて、情報記憶手段40が記憶する出力情報を参照し、対応する音声データを抽出する(ステップS5)。そして、処理実行手段46は、処理データ抽出手段45によって抽出された音声データを音声出力部(スピーカ)47に音声出力させる(ステップS6)。例えば、タップ回数特定手段44によって特定されたタップ回数が1回であった場合、処理データ抽出手段45は、図10に示すユーザエリアのエリアID「A01」のタップ回数1回に対応する「音声データA(日本語)」を抽出し、処理実行手段46は、日本語解説による音声データA「この欄は名前を記入する欄です」を音声出力部(スピーカ)47に音声出力させる。また、タップ回数特定手段44によって特定されたタップ回数が2回であった場合、処理データ抽出手段45は、ユーザエリアのエリアID「A01」のタップ回数2回に対応する「音声データB(英語)」を抽出し、処理実行手段46は、英語解説による音声データB「Column which fills in a name.」を音声出力部(スピーカ)47に音声出力させる。
利用者は、音声出力部(スピーカ)47によって再生出力される音声によりユーザエリアの解説を聞いて、ユーザエリアに必要事項を記入することができる。その記入内容は、電子ペン10Aによって記入情報として端末装置25Aに送信され、メモリに記憶される。
[ 本情報処理システムによる作用効果 ]
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー20A上に所定の図案等を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種電子ペン用帳票が生成できる。利用者が電子ペン10Aを使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、電子ペン10Aは記入内容に対応するX,Y座標データ等の記入情報を取得し、その記入情報は、即時的且つ逐次的に近傍の端末装置25Aへ送信され、端末装置25Aによって取得される。そして、端末装置25Aは、取得した記入情報に基づいて専用アプリケーションを実行することにより、所定の処理を行うこととなる。したがって、利用者の電子ペン10Aによる専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Aへの記入に対応して、端末装置25Aの処理が即座に行われ、記入内容がリアルタイムに電子化されるため、利用者にとって操作性がよく作業効率が高くなるという効果がある。
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー20A上に所定の図案等を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種電子ペン用帳票が生成できる。利用者が電子ペン10Aを使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、電子ペン10Aは記入内容に対応するX,Y座標データ等の記入情報を取得し、その記入情報は、即時的且つ逐次的に近傍の端末装置25Aへ送信され、端末装置25Aによって取得される。そして、端末装置25Aは、取得した記入情報に基づいて専用アプリケーションを実行することにより、所定の処理を行うこととなる。したがって、利用者の電子ペン10Aによる専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Aへの記入に対応して、端末装置25Aの処理が即座に行われ、記入内容がリアルタイムに電子化されるため、利用者にとって操作性がよく作業効率が高くなるという効果がある。
また、この情報処理システムによれば、各種記入エリアを所定時間内にタップした回数によって端末装置25Aにより日本語解説又は英語解説が音声で出力されるため、タップ回数を変えることで、各種異なる言語で音声出力させることができ、ヘルプ機能のためのユーザエリアを記入エリアとは別に設ける必要もなくなる。また、端末装置25Aは、利用者によって同一のユーザエリアを所定時間内にタップされたタップ回数に応じて、音声データに基づく音声を出力することができ、音声データごとにユーザエリアを電子ペン用媒体に設定する必要もないため、図5に示すように集約した分の専用ペーパーの面積を詰めることで電子ペン用媒体の省スペース化を実現することができる。これにより、デザインの自由度が増し、専用ペーパー20Aに印刷する文字や記入エリアを大きくすることが可能となり、専用ペーパー20Aをより見やすいデザインに設計することができる。
また、電子ペン10Aは利用者が専用ペーパー20A上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25Aへ送信する機能を有するが、電子ペン10Aのペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20A上に記述した内容はオリジナルの原本として残すことができる。
なお、上記第1実施形態は次のように構成させることもできる。
例えば、情報記憶手段40は、定義情報(図8参照)と出力情報(図10参照)とを分けて記憶しているが、ユーザエリアのエリアIDに対して、エリア名、ユーザエリアの座標データ、タップ回数、音声データをまとめて関連付けて記憶させるようにしてもよく、これらの情報のデータ構造は任意に設定することができる。
また、上記第1実施形態では、電子ペン10Aのクロック22は現在時刻を発信することとしているが(図2参照)、クロック22は、端末装置25Aとの通信接続が確立した時点から通信接続状態が終了するまでの間、0から始まりストロークの記入中に経過していく記入時間を発信することとしてもよい。この場合、プロセッサ11は、ストロークの記入中に、クロック22が発信する経過時間(記入時間)を時間情報として取得し、その時間情報と、筆圧データと、X,Y座標データとを関連付け、データ通信ユニット13に対して記入情報として端末装置25Aへ送信させる。
また、第1実施形態では、情報記憶手段40に予め記憶されている音声データを音声出力部(スピーカ)47に再生出力させたが、処理データ抽出手段45によって再生出力すべきコンテンツを抽出し、処理実行手段46によりそのコンテンツを音声合成して、音声出力部47に再生出力させるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態における音声データは、各ユーザエリアを解説する文章を日本語又は英語に翻訳した音声データとしたが、他の言語による音声データを用いてもよい。また、図5に示すような名前記入エリア60や住所記入エリア61を有するデザインでなくともよく、例えば、他の記入項目を設けたり、記入欄のデザインや配置等も適宜変更してよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態と第1実施形態とが同様の部分については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。第2実施形態と第1実施形態とが異なる点は、第1実施形態の電子ペン10Aは、図2に示すようにクロック22を備えていたが、第2実施形態の電子ペン10B(10)は、図12に示すようにクロック22を備えていない。この場合、プロセッサ11は、利用者によって電子ペン10Bを用いて記入が行われる間に、筆圧データ及びX,Y座標データを取得し、それらのデータを記入情報としてデータ通信ユニット13により端末装置25B(25)へ送信する。その代わり、端末装置25Bは、現在時刻を発信するクロックを備えており、電子ペン10Bから記入情報を取得した取得時刻を関連付けて記憶しておく。つまり、端末装置25Bは、記入情報と、記入情報の取得時刻とを関連付けて記憶しておく。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態と第1実施形態とが同様の部分については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。第2実施形態と第1実施形態とが異なる点は、第1実施形態の電子ペン10Aは、図2に示すようにクロック22を備えていたが、第2実施形態の電子ペン10B(10)は、図12に示すようにクロック22を備えていない。この場合、プロセッサ11は、利用者によって電子ペン10Bを用いて記入が行われる間に、筆圧データ及びX,Y座標データを取得し、それらのデータを記入情報としてデータ通信ユニット13により端末装置25B(25)へ送信する。その代わり、端末装置25Bは、現在時刻を発信するクロックを備えており、電子ペン10Bから記入情報を取得した取得時刻を関連付けて記憶しておく。つまり、端末装置25Bは、記入情報と、記入情報の取得時刻とを関連付けて記憶しておく。
続いて、第2実施形態における処理フローについて説明する。図13は、端末装置25Bにおける音声出力処理のフローチャートである。
利用者は、電子ペン10Bのペン先部17により、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Aを構成するユーザエリアのうち解説を聞きたいユーザエリアをタップする。すると、電子ペン10Bは、ユーザエリアへのタップに対応する座標データ及び筆圧データを記入情報(タップ情報)として端末装置25Bへ送信する。端末装置25Bの記入情報取得手段41は、電子ペン10Bによって送信された記入情報(タップ情報)を即時的且つ逐次的に取得し、記入情報と、記入情報が取得された時にクロックにより発信された現在時刻の情報とを関連付ける(ステップS11)。さらに、開始終了点特定手段42は、タップ情報に含まれるストロークのデータ開始点及びデータ終了点における座標データ及び取得時刻情報(記入情報)を特定する(ステップS12)。
そして、ユーザエリア認識手段43は、記入情報(タップ情報)に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段40が記憶した定義情報を参照することで、対応するユーザエリアを認識する(ステップS13)。タップ回数特定手段44は、データ開始点及びデータ終了点の取得時刻の差分に基づいて記入情報がタップ情報であると判定すると共に、タップ情報の取得時刻情報に基づいて、ユーザエリア認識手段43が認識したユーザエリアへの所定時間内のタップ回数を特定する(ステップS14)。なお、タップ回数特定手段44は、データ開始点及びデータ終了点の座標データから算出される距離に基づいて、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Aに記入されたストロークがタップであるか否かを判定してもよい。
そして、処理データ抽出手段45は、ユーザエリア認識手段43によって認識されたユーザエリア及びタップ回数特定手段44によって特定されたタップ回数に基づいて、情報記憶手段40が記憶する出力情報を参照し、対応する音声データを抽出する(ステップS15)。さらに、処理実行手段46は、処理データデータ抽出手段45によって抽出された音声データを音声出力部(スピーカ)47に音声出力させる(ステップS16)。
このように、第2実施形態によれば、電子ペン10Bがクロックを備えていなくても、端末装置25Bが備えるクロックを利用して、記入情報(タップ情報)を電子ペン10Bから取得した取得時刻を関連付けて記憶しておくことで、タップ情報を認識し、音声出力処理を実行することができる。
なお、上記第2実施形態において、端末装置25Bのクロックを、電子ペン10Bとの通信接続が確立した時点から通信接続状態が終了するまでの間、0から始まりストロークの記入中に経過していく記入時間(経過時間)を発信するようにしてもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。上記第1及び第2実施形態では、図5に示すように、日本語又は英語によりユーザエリアの解説を音声で行うシステムに関するものであったが、第3実施形態は、図14に示すように、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20C(20)に記載された事象や地図の解説を、端末装置25C(25)が「概要」、「より詳しく」、「とても詳しく」といった複数段階に分けて音声出力する地図ガイドに適用したものである。第3実施形態と第1実施形態とが同様の部分については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
次に、第3実施形態について説明する。上記第1及び第2実施形態では、図5に示すように、日本語又は英語によりユーザエリアの解説を音声で行うシステムに関するものであったが、第3実施形態は、図14に示すように、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20C(20)に記載された事象や地図の解説を、端末装置25C(25)が「概要」、「より詳しく」、「とても詳しく」といった複数段階に分けて音声出力する地図ガイドに適用したものである。第3実施形態と第1実施形態とが同様の部分については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
図14に示すように、専用ペーパー20Cには図案等として地図が印刷されており、専用ペーパー20Cの全体が1つのユーザエリアとなっている。第1実施形態では、端末装置25Aの情報記憶手段40には、ユーザエリアに対してタップ回数「1」・「2」が設定され、それぞれのタップ回数に音声データが関連付けられて記憶されていたが、本第3実施形態では、情報記憶手段40には、「概要」・「より詳しく」・「もっと詳しく」に対応して、ユーザエリアに対してタップ回数「1」・「2」・「3」が設定されている。そして、タップ回数「1」には、専用ペーパー20Cの地図に掲載されている、ある寺の概要的な説明「この寺は××年に建てられました。」という音声データが関連付けられて記憶されている。タップ回数「2」には、その寺のより詳しい説明「この寺は××年に建てられ、室町時代の主な建築手法が用いられた代表的な建築物です。」という音声データが関連付けられて記憶されている。タップ回数「3」には、その寺のもっと詳しい説明「この寺はA氏の命によって××年に建てられ、室町時代の主な建築手法が用いられています。△△年の戦争で半分焼けましたが、その後修復され、現在に至ります。」という音声データが関連付けられて記憶されている。
そして、処理データ抽出手段45は、3つの音声データのうち、タップ回数特定手段44によって特定された所定時間内のタップ回数に対応する音声データを情報記憶手段40から抽出する。そして、処理実行手段46は、抽出された音声データを音声出力部(スピーカ)47に再生出力させる。
この第3実施形態によれば、電子ペン10Aにより専用ペーパ20Cが所定時間内にタップされた回数によって、端末装置25Cが、タップ回数に応じて段階的な解説を音声出力するため、複数段階の解説の音声出力の選択を1つのユーザエリアに集約することができ、解説の段階と同じ数のユーザエリアは必要ない。そのため、専用ペーパー20Cの省スペース化を実現するとともに、デザイン自由度を向上させることが可能となる。
なお、第3実施形態において、1つのユーザエリアに対応付けされたタップ回数は、1〜3回であったが、タップ回数は任意に設定することができる。また、専用ペーパー20C全体を1つのユーザエリアとし、電子ペン10Aによって専用ペーパー20Cのどこをタップしても音声出力されるように構成されているが、例えば、印刷された地図の建物部分をユーザエリアとし、電子ペン10でその建物部分をタップすることで音声を出力する構成としてもよい。つまり、専用ペーパー20Cにおけるユーザエリアの範囲や個数は任意に設定することができる。また、第2実施形態に示した現在時刻の取得方法を、第3実施形態に適用してもよい。
<第4実施形態>
次に第4実施形態について図15を参照して説明する。第4実施形態では、所定時間内のタップ回数によって、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Dに記載された楽譜(図示しない)を、端末装置25D(25)が「一倍速」、「ニ倍速」、「三倍速」といった3段階の速度で再生して音声出力する。以下、第4実施形態と上記実施形態とが同様の部分については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
次に第4実施形態について図15を参照して説明する。第4実施形態では、所定時間内のタップ回数によって、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20Dに記載された楽譜(図示しない)を、端末装置25D(25)が「一倍速」、「ニ倍速」、「三倍速」といった3段階の速度で再生して音声出力する。以下、第4実施形態と上記実施形態とが同様の部分については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
第3実施形態では、情報記憶手段40には、タップ回数「1」・「2」・「3」それぞれに、建築物を説明する異なる音声データが記憶されていたが、本第4実施形態では、再生速度ユーザエリア62に対してタップ回数「1」・「2」・「3」に関連して、専用ペーパー20Dに印刷された楽譜(図示しない)の一倍速の音声データ、ニ倍速の音声データ、三倍速の音声データが記憶されている。そして、処理データ抽出手段45は、3つの異なる倍速の音声データのうち、タップ回数特定手段44によって特定された所定時間内のタップ回数に対応する音声データを抽出する。そして、処理実行手段46は、抽出された音声データを音声出力部(スピーカ)47に再生出力させる。
このように、第4実施形態では、図15に示すように、電子ペン10Aにより、所定時間内にタップした回数によって、端末装置25Dが「一倍速」から「三倍速」までの各段階の速度で再生した音声を出力させるため、専用ペーパー20Dへのタップ回数を変えることで、異なる再生速度の音声データを再生させることができ、しかも、複数段階の速度で再生した音声出力の選択を1つのユーザエリアに集約することができる。したがって、速度の段階と同じ数のユーザエリアは必要ない。そのため、専用ペーパー20Dの省スペース化を実現するとともに、デザイン自由度を向上させることが可能となる。
なお、第4実施形態では、音声データを、楽譜に対応する各段階の速度の音声データとしたが、楽譜の音楽に代えて、ディクテーション問題や音声読み上げツール等、様々な音声データを適用することができる。また、第4実施形態では、異なる速度の音声データを情報記憶手段40に記憶させたが、1つのユーザエリアに対して情報記憶手段40に記憶させる音声データを一つとし、処理実行手段46がタップ回数に応じてその音声データの再生速度を変えて再生させるようにしてもよい。この場合、端末装置25Dは、上記音声出力処理により認識したユーザエリア及び特定したタップ回数に基づいて出力情報から抽出した再生プログラムを実行し、予め有する楽譜に対応する音声データを任意の段階の速度で再生することで、所定時間内のタップ回数に応じ、各段階の速度で再生した音声を出力することができる。そのため、同じ音声データを専用ペーパー20Dへのタップ回数を変えることで、再生速度を変えて音声データを再生させることができる。また、第2実施形態に示した現在時刻の取得方法を、第4実施形態に適用してもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について図16〜図19を参照して説明する。第5実施形態は、電子ペン10Aによる所定時間内のタップ回数に応じて画像を出力する教育ドリル、図鑑等にも適用できるものである。以下、本第5実施形態と上記の実施形態とが同様の部分については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
次に、第5実施形態について図16〜図19を参照して説明する。第5実施形態は、電子ペン10Aによる所定時間内のタップ回数に応じて画像を出力する教育ドリル、図鑑等にも適用できるものである。以下、本第5実施形態と上記の実施形態とが同様の部分については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
図16は、第5実施形態の使用形態を示す図である。図17は、第5実施形態における専用アプリケーション51の内部構成を示す。図18は、第5実施形態における出力情報のデータ構造を模式的に示す図である。図19は、画像出力処理のフローチャートである。
図16に示すように、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20E(20)には、蛙の親子関係と記載された1つの画像出力ユーザエリア63が設定されている。端末装置25E(25)は、表示部(ディスプレイ)48を有している。図18に示すように、情報記憶手段40には、画像出力ユーザエリア63に対応してタップ回数「1」・「2」が設定されており、タップ回数「1」には、蛙の画像データ(処理データ)Aが関連付けられて記憶されており、タップ回数「2」には、おたまじゃくしの画像データ(処理データ)Bが関連付けられて記憶されている。そして、処理データ抽出手段45は、2つの画像データのうち、タップ回数特定手段44によって特定された所定時間内のタップ回数に対応する画像データを抽出する。そして、処理実行手段46は、抽出された画像データを表示部(ディスプレイ)48に表示させる。
このような第5実施形態における画像出力処理を実行する専用アプリケーションについて図17を参照して説明する。図17は、専用アプリケーション51のモジュール構成を示す。専用アプリケーション51は、電子ペン10Aが専用ペーパー20Eに記入した内容に対応するデジタルデータである記入情報に基づいて所定の処理を実行するものであって、ダウンロード等により予め端末装置25Eにインストールされている。
図17に示すように、専用アプリケーション51は、記入情報取得モジュール201、情報登録モジュール202、開始終了点特定モジュール203、ユーザエリア認識モジュール204、タップ回数特定モジュール205、処理データ抽出モジュール206及び画像出力モジュール207を有する。
記入情報取得モジュール201は、記入情報取得手段41を用いて、専用ペーパー20Eへの電子ペン10Aによる記入に対応する記入情報(タップ情報を含む)を取得する機能を有するモジュールである。
情報登録モジュール202は、情報記憶手段40に対して、図18に示すように、ユーザエリアのエリアID、ユーザエリアの座標データ、タップ回数、及び画像データを関連付けて記憶させるモジュールである。なお、エリアID「B01」のタップ回数「1」に対しては、蛙の画像データAが関連付けられて記憶されており、同じエリアID「B01」のタップ回数「2」に対しては、おたまじゃくしの画像データBが関連付けられて記憶されている。なお、定義情報については、第1実施形態の図8と同様に、エリアID「B01」…に対して座標データ等が記憶されている。
開始終了点特定モジュール203は、記入情報取得モジュール201の実行によって取得された記入情報に含まれるストロークのデータ開始点及びデータ終了点につき、それぞれの座標データ及び記入時刻を特定する機能を有する。
ユーザエリア認識モジュール204は、記入情報に含まれる座標データと、情報登録モジュール202によって登録される各ユーザエリアの座標データとを参照して、記入情報に対応するユーザエリアを認識する機能を有する。なお、ユーザエリア認識モジュール204は、1つのストロークデータのデータ開始点及びデータ終了点の双方が含まれるユーザエリアのみを認識するようにするとよい。
タップ回数特定モジュール205は、ユーザエリア認識モジュール204によって認識された記入情報がタップ情報であるか否か判定し、ユーザエリアへの所定時間内におけるタップ回数をカウントする機能を有する。記入情報がタップ情報であるか否かの判定方法としては、第1実施形態と同様に、データ開始点の記入時刻からデータ終了点の記入時刻までの時間が予め設定された所定時間未満である場合にストロークがタップであると判定する方法(第1の方法)と、データ開始点とデータ終了点との間の距離が予め設定された所定距離未満である場合にストロークがタップであると判定する方法(第2の方法)とのいずれを採用してもよく、また、データ開始点とデータ終了点の時間及び距離の両方に条件を設定してもよい(第3の方法)。そして、タップ回数特定モジュール206は、最初に認識されたタップ情報から所定時間(例えば、0.5秒)以内に認識されたタップ情報の回数をカウントする。
処理データ抽出モジュール206は、情報登録モジュール202により情報記憶手段40に登録されるユーザエリア、タップ回数、及び画像データを参照し、ユーザエリア認識モジュール204によって認識されたユーザエリアとタップ回数特定モジュール205によって特定されたタップ回数とに関連付けられた画像データを抽出する機能を有する。
画像出力モジュール207は、処理データ抽出モジュール206によって抽出された画像データを端末装置25Eの表示部48に表示させる機能を有する。
[ 画像出力処理フロー ]
次に、第5実施形態における画像出力処理について、図16及び図19を参照して説明する。図19は、端末装置25Eにおける画像出力処理のフローチャートである。
次に、第5実施形態における画像出力処理について、図16及び図19を参照して説明する。図19は、端末装置25Eにおける画像出力処理のフローチャートである。
利用者は、電子ペン10Aのペン先部17により、専用ペーパー20Eを構成するユーザエリアのうち画像を出力させたいユーザエリア、例えば、画像出力ユーザエリア63をタップする。すると、電子ペン10Aは、ユーザエリアへのタップに対応する座標データ、時間情報、及び筆圧データを記入情報(タップ情報)として端末装置25Eへ送信する。端末装置25Eの記入情報取得手段41は、電子ペン10Aから即時的且つ逐次的にタップ情報を取得する(ステップS21)。さらに、開始終了点特定手段42は、記入情報取得手段41によって取得された記入情報(タップ情報)に含まれるストロークのデータ開始点及びデータ終了点における座標データ及び記入時刻を特定する(ステップS22)。
そして、ユーザエリア認識手段43は、記入情報(タップ情報)に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段40が記憶した定義情報を参照することで、対応するユーザエリアを認識する(ステップS23)。タップ回数特定手段44は、データ開始点及びデータ終了点の記入時刻の差分に基づいて、記入情報がタップ情報であることを判定すると共に、そのタップ情報に含まれる時間情報に基づいて、ユーザエリア認識手段43が認識したユーザエリアへの所定時間内のタップ回数を特定する(ステップS24)。なお、タップ回数特定手段44は、データ開始点及びデータ終了点の座標データから算出される距離に基づいて、電子ペン用媒体に記入されたストロークがタップであるか否かを判定してもよい。
さらに、処理データ抽出手段45は、ユーザエリア認識手段43によって認識されたユーザエリア及びタップ回数特定手段44によって特定されたタップ回数に基づいて、情報記憶手段40が記憶した出力情報から対応する画像データを抽出する(ステップS25)。そして、処理実行手段46は、処理データ抽出手段45によって抽出された画像データを表示部(ディスプレイ)48に表示させる(ステップS26)。例えば、図18に示すような出力情報であって、認識したユーザエリアのエリアIDが「B01」、特定したタップ回数が「1」の場合、処理データ抽出手段45は、蛙の画像データAを抽出し、処理実行手段46は、抽出した蛙の画像データAを表示部48に表示させる。また、特定したタップ回数が「2」であった場合、処理データ抽出手段45は、おたまじゃくしの画像データBを抽出し、処理実行手段46は、抽出したおたまじゃくしの画像データBを表示部48に表示させる。
第5実施形態によれば、電子ペン10Aによりユーザエリアを所定時間内にタップした回数によって、複数の画像を端末装置25Eの表示部48に表示することができるため、利用者が同一のユーザエリアに対してタップ回数を変えてタップを行うことにより、関連する画像データを表示部48に表示させることができ、ユーザエリアに関する内容についての理解がしやすくなる。また、複数の画像から出力させる画像の選択を1つのユーザエリアに集約することができ、出力する画像と同じ数のユーザエリアは必要なくなる。よって、専用ペーパー20Eの省スペース化を実現するとともに、デザイン自由度を向上させることが可能となる。
なお、第5実施形態では、画像出力ユーザエリア63に対して関連する画像データは、親子関係にあるおたまじゃくしの画像データと蛙の画像データであったが、これに限られず、例えば、物質の化学構造式の画像データと表面の画像データと顕微鏡観察による画像データとの組合せ、地図上のある地点またはランドマークを複数の方向から見た場合の画像データの組合せ、あるいは建築物の外観の画像データと内装の画像データと設計図の画像データとの組合せ等が挙げられる。また、画像データではなく、テキストデータであってもよい。このように、第5実施形態は、学習教材、各種ガイドブック、商品案内等に適用することができる。
上述したように、上記第1〜第5実施形態によれば、同一の専用ペーパー(電子ペン用媒体)20又は同一のユーザエリアを所定時間内にタップした回数によって、音声、画像といった異なる情報を利用者にフィードバックすることが可能となる。つまり、所定時間内のタップ回数に応じて出力する音声データ又は画像データを決定することで、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20上におけるユーザエリアを集約することができる。
なお、本発明は、上記第1〜第5実施形態に限られない。
上記実施形態では、音声や画像を利用者にフィードバックするよう構成したが、所定の処理を実行する例として、タップ回数に応じて異なる動画再生、プログラム又はソフトウェアを実行するようにしてもよい。例えば、ショッピングカタログとして、1つの商品欄(ユーザエリア)に対して、タップ回数「1」では、色やサイズのバリエーションをディスプレイ表示し、タップ回数「2」では、使用例の動画を再生するといった実施形態が可能である。また、問題集として、1つの出題解答欄(ユーザエリア)に対して、タップ回数「1」では、問題をスピーカ出力又はディスプレイ表示し、タップ回数「2」では、答え合わせ(解答欄への記入情報を文字認識して解答と照合し、○、×等の判定結果をスピーカ出力又はディスプレイ表示)を行い、タップ回数「3」では、解説をスピーカ出力又はディスプレイ表示する、といった実施形態も可能である。
また、電子ペン10内に、ペン自体又はその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報又はペン所有者情報)を保持しておき、端末装置25から参照することができるようにしてもよいし、プロパティ情報の全部又は一部を記入情報と共に端末装置25に送信するようにしてもよい。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどが挙げられる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などが挙げられる。
また、上記実施形態では、ドットは赤外線を吸収するカーボンを含むインクとし、電子ペン10のLED15を、赤外線を照射するLEDとし、カメラ16によって赤外線の反射量の差によって、電子ペン10でドットパターンを読み取っていたが、これに限らない。例えば、ドットは所定波長の光によって所定波長を発光するインクとし、電子ペン10のLED15を、ドットのインクを発光させる光を照射するものとし、カメラ16によってドットのインクが発光する波長の領域を検知することによって、電子ペン10でドットパターンを読み取るようにしてもよく、カメラ16によってドットパターンが読み取れれば、ドットのインクの種別やLED15の照射光等は上記実施形態で示したものに限られない。また、専用ペーパー20における位置座標が特定できるものであれば、ドットパターンの代わりに、別のコード化されたパターン、例えば、2次元コードパターンなどであってもよい。
また、ドットパターンの割り当ては、通常、用紙の用途毎に行われるが、専用ペーパー20を商業印刷機により大量印刷するような場合には、同一種類の電子ペン用媒体には同じドットパターンが印刷されることになる。この場合、同一種類の電子ペン用媒体を1枚1枚区別するため、電子ペン用媒体には、各媒体を識別する識別情報を記入するための識別情報記入欄を設けるとよい。端末装置25において、電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、文字認識により識別情報記入欄に記入された識別情報を特定し、当該記入情報と対応付けて記憶しておけば、同種の電子ペン用媒体を1枚1枚区別することができる。この他、ペンIDを当該識別情報と共に当該記入情報と対応付けて記憶することとしてもよい。これにより、端末装置25は、記憶した識別情報もしくは識別情報とペンIDに基づいて、各電子ペン用媒体を識別することができる。他方、プリンタにより印刷する場合には、用紙1枚1枚に異なるドットパターンを割り当てて、専用ペーパー20を印刷することも可能である。この場合、各専用ペーパー20に印刷されたドットパターンは、専用ペーパー20毎に異なるため、ドットパターンによって専用ペーパー20を1枚1枚識別し区別することができる。
本発明は、電子ペン用媒体から構成される辞書類、ヘルプ機能を有する各種申込書、学習教材、演奏コントローラ、ガイド付き地図等、様々な分野で利用することができる。
10,10A,10B…電子ペン、11…プロセッサ、13…データ通信ユニット、14…バッテリー、15…LED、16…カメラ、18…圧力センサ、20,20A,20C〜20E…専用ペーパー(電子ペン用媒体)、22…クロック、25,25A〜25E…端末装置、40…情報記憶手段、41…記入情報取得手段、42…開始終了点特定手段、43…ユーザエリア認識手段、44…タップ回数特定手段、45…処理データ抽出手段、46…処理実行手段、47…音声出力部、48…表示部、50…専用アプリケーション、60…名前記入エリア(ユーザエリア)、61…住所記入エリア(ユーザエリア)、62…再生速度ユーザエリア、63…画像出力ユーザエリア
Claims (15)
- 電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する端末装置であって、
音声データに基づいて音声を出力する音声出力部と、
前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、前記音声出力部から出力する音声データとを対応付けた出力情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記出力情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段と、
前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段と、
前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記出力情報から対応する音声データを抽出するデータ抽出手段と、
前記データ抽出手段が抽出した音声データに基づく音声を前記音声出力部から出力させる処理実行手段と、を備えることを特徴とする端末装置。 - 前記電子ペンは、取得した記入情報を即時的且つ逐次的に前記端末装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
- 前記記入情報に基づいて、データ開始点及びデータ終了点を特定する開始終了点特定手段をさらに備え、
前記ユーザエリア認識手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点の座標データに基づいて前記出力情報を参照することで、当該データ開始点及び当該データ終了点の双方が含まれる前記ユーザエリアを認識するものであり、
前記タップ回数特定手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点に基づく時間及び/又は距離により、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。 - 前記出力情報として記憶される音声データは、各ユーザエリアに対応して設定された文章がタップ回数によって異なる言語で発声される音声データであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の端末装置。
- 前記出力情報として記憶される音声データは、各ユーザエリアに対応して設定され、タップ回数により特定される異なる速度の音声データであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の端末装置。
- 前記処理実行手段は、前記データ抽出手段が抽出した音声データをタップ回数によって異なる速度で再生することで音声を前記音声出力部から出力させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の端末装置。
- 電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する端末装置であって、
データを表示する表示部と、
前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、前記表示部に表示するデータとを対応付けた出力情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記出力情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段と、
前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段と、
前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記出力情報から対応するデータを抽出するデータ抽出手段と、
前記データ抽出手段が抽出したデータを前記表示部に表示させる処理実行手段と、を備えることを特徴とする端末装置。 - 前記電子ペンは、取得した記入情報を即時的且つ逐次的に前記端末装置へ送信することを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
- 前記記入情報に基づいて、データ開始点及びデータ終了点を特定する開始終了点特定手段をさらに備え、
前記ユーザエリア認識手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点の座標データに基づいて前記出力情報を参照することで、当該データ開始点及び当該データ終了点の双方が含まれる前記ユーザエリアを認識するものであり、
前記タップ回数特定手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点に基づく時間及び/又は距離により、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定することを特徴とする請求項7又は8に記載の端末装置。 - 前記ユーザエリアに対応して設定された複数のデータは、相互に関連することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の端末装置。
- 電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記コンピュータは、音声データに基づいて音声を出力する音声出力部を備え、
前記プログラムは、
前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、前記音声出力部から出力する音声データとを対応付けた出力情報を記憶する情報記憶手段、
前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記出力情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段、
前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段、
前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記出力情報から対応する音声データを抽出するデータ抽出手段、
前記データ抽出手段が抽出した音声データに基づく音声を前記音声出力部から出力させる処理実行手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - 電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記コンピュータは、データを表示する表示部を備え、
前記プログラムは、
前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、前記表示部に表示するデータとを対応付けた出力情報を記憶する情報記憶手段、
前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記出力情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段、
前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段、
前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記出力情報から対応するデータを抽出するデータ抽出手段、
前記データ抽出手段が抽出したデータを前記表示部に表示させる処理実行手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - 電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する端末装置であって、
前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、所定の処理を実行する処理データとを対応付けた実行情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記実行情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段と、
前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段と、
前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記実行情報から対応する処理データを抽出する処理データ抽出手段と、
前記処理データ抽出手段が抽出した処理データに基づいて所定の処理を実行する処理実行手段と、を備えることを特徴とする端末装置。 - 電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが設定された電子ペン用媒体に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、
前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、所定の処理を実行する処理データとを対応付けた実行情報を記憶する情報記憶手段、
前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記実行情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段、
前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段、
前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記実行情報から対応する処理データを抽出する処理データ抽出手段、
前記処理データ抽出手段が抽出した処理データに基づいて所定の処理を実行する処理実行手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - コード化パターンが印刷され、1つ以上のユーザエリアが形成された電子ペン用媒体と、
前記電子ペン用媒体に印刷されたコード化パターンを記入情報として読み取り、外部に送信する電子ペンと、
前記電子ペンにより送信された前記記入情報を取得し、所定の処理を実行する端末装置とを備える情報処理システムであって、
前記端末装置は、
前記ユーザエリアと、前記コード化パターン上における前記ユーザエリアの位置座標を示す座標データと、前記電子ペンによるタップ回数と、所定の処理を実行する処理データとを対応付けた実行情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電子ペンから、前記記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記実行情報を参照することで前記ユーザエリアを認識するユーザエリア認識手段と、
前記記入情報に基づいて、前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアが、所定時間内にタップされた回数であるタップ回数を特定するタップ回数特定手段と、
前記ユーザエリア認識手段が認識したユーザエリアと、前記タップ回数特定手段が特定したタップ回数とに基づいて、前記実行情報から対応する処理データを抽出する処理データ抽出手段と、
前記処理データ抽出手段が抽出した処理データに基づいて所定の処理を実行する処理実行手段と、を備えることを特徴とする情報処理システム。
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A02 | Decision of refusal |
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