JP2008134084A - 劣化試験方法及び劣化試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー合焦点の位置管理を行い、より短時間に高精度の劣化試験を実施することができる劣化試験方法及び劣化試験装置を提供する。
【解決手段】レーザー光を照射して液晶パネル15の遮光膜にフォーカスを合わせる工程と、劣化促進用のレーザー光を液晶パネル15における試験対象領域に照射する工程と、液晶パネル15の遮光膜にフォーカスが合う位置を基準位置とし、レーザー光の光軸18上における基準位置からの液晶パネル15の光軸方向の移動量と、移動量に対する液晶パネル15の劣化情報との相関関係に基づいてレーザー光の焦点位置を特定し、焦点位置に液晶パネル15を配置する工程と、液晶パネル15にレーザー光を照射して耐光性評価を行う工程と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】レーザー光を照射して液晶パネル15の遮光膜にフォーカスを合わせる工程と、劣化促進用のレーザー光を液晶パネル15における試験対象領域に照射する工程と、液晶パネル15の遮光膜にフォーカスが合う位置を基準位置とし、レーザー光の光軸18上における基準位置からの液晶パネル15の光軸方向の移動量と、移動量に対する液晶パネル15の劣化情報との相関関係に基づいてレーザー光の焦点位置を特定し、焦点位置に液晶パネル15を配置する工程と、液晶パネル15にレーザー光を照射して耐光性評価を行う工程と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、劣化試験方法及び劣化試験装置に関するものである。
従来から、液晶パネルの信頼性評価の1つとして耐光性試験が行われている。例えば、液晶プロジェクタにおいてライトバルブとして用いられる液晶パネルは、強い光が長時間に亘って照射されて各構成要素(部品・部材)に劣化が生じ易いので、所要の品質を確保するために耐光性試験が必要である。特に、光の照射によって配向膜が劣化して表示に影響を及ぼすことが知られており、品質の観点からも耐光性寿命を予め把握しておく必要がある。
このような液晶パネルの耐光性においては、長い場合には数ヶ月といったオーダーでの試験期間を要する場合がある。しかし、製品開発期間の短縮化が求められる状況ではこのような長期間の試験は許容しがたい。これに対して評価期間を短縮する手法の1つとして、実際の使用状況よりも過酷な条件による負荷を掛けて試験を行い、その結果から長期間の使用における劣化を予測する、いわゆる劣化試験(加速試験)が知られている。例えば、レーザー光を集光するなどして実際に製品として使用するよりもエネルギー密度の高い光を照射して、短時間の寿命評価(加速評価)を行う。このような加速評価方法は、従来の評価方法に比べて約数千倍の時間短縮が可能であり、開発サイクルの大幅な短縮が期待される。対象となる被検物も液晶パネルに限らず、偏光板や位相差板など光により劣化する物質全般に対して応用することができる。
液晶パネルの加速評価に関する従来技術として、例えば、特許文献1に示す技術が開示されている。
特開2006−78946号公報
液晶パネルの加速評価に関する従来技術として、例えば、特許文献1に示す技術が開示されている。
また最近においては、被検物としての液晶パネルをxyzステージ上に固定し、液晶パネルの後方からバックライトを照射する。そして、CCDカメラを通して取り込んだCCD画像をモニタで確認しながら、xyzステージを動かして、遮光膜(ブラックマトリクス)にフォーカスを合わせることにより、劣化試験を行う際の液晶パネルの位置決めがなされている。このように、CCD画像において確認し易い遮光膜にフォーカスを合わせることが多い。
しかしながら、液晶パネルの種類(仕様)によっては、例えば遮光膜の位置等の構造が異なってくる。そのため、従来の方法では、液晶層の屈折率の関係からCCD画像(モニタ画面に映し出される画像)上で遮光膜にフォーカスが合う時の液晶パネルの位置(以下の説明において、この位置をCCDフォーカス位置と呼ぶことにする。)と、液晶パネルに照射されるレーザー光の合焦点との位置関係に違いが生じてしまっていた。光路上において最もエネルギー密度が高いのは、レーザー光が最も集光するレーザー合焦点であるが、上記したように、遮光膜にフォーカスを合わせた時の液晶パネルの位置が、必ずしもレーザー合焦点と一致するとは限らないため、劣化測定精度が低下してしまい正確な結果を得ることができないことがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザー合焦点の位置管理を行い、より短時間に高精度の劣化試験を実施することができる劣化試験方法及び劣化試験装置を提供することにある。
本発明の劣化試験方法は、上記課題を解決するために、被検物の耐光性評価のための劣化試験方法であって、観察光を照射して被検物の所定領域にフォーカスを合わせる工程と、劣化促進用のレーザー光を被検物における試験対象領域に照射する工程と、被検物の所定領域にフォーカスが合う位置を基準位置とし、レーザー光の光軸上における基準位置からの被検物の光軸方向の移動量と当該移動量に対する被検物の劣化情報との相関関係に基づいてレーザー光の焦点位置を特定し、当該焦点位置に被検物を配置する工程と、被検物にレーザー光を照射して耐光性評価を行う工程と、を備えることを特徴とする。
このような方法によれば、光路上における基準位置からの被検物の移動量と移動量に対する被検物の劣化速度とを測定することにより、被検物の劣化が最も速い位置が光軸上にあることが分かる。被検物の劣化が最も加速されるということは、レーザー光が最も集光していると言い換えることができるので、光軸上におけるレーザー光の焦点位置が判明することになる。しかしながら、被検物のフォーカス位置とレーザー光の焦点位置とは必ずしも一致しない。そのため、構成や大きさ等の異なる被検物ごとに、それぞれのフォーカス位置とレーザー光の焦点位置との関係を示すデータを予め取得しておく。このようにすれば、異なる種類の被検物であってもレーザー光の焦点位置に確実に配置することができる。
このようにして、レーザー光の光軸上における基準位置(フォーカス位置)からの被検物の光軸方向の移動量と、移動量に対する被検物の劣化情報との相関関係からレーザー光の焦点位置を特定することにより、被検物をレーザー光の焦点位置に確実に配置することができる。レーザー光の焦点位置に被検物を配置して耐光性評価を行うことによって、被検物の試験対象領域により高エネルギーのレーザー光を照射することができる。このように、レーザー合焦点の位置管理を行うことで、短時間に高精度の劣化試験を行うことができる。
また、被検物は表示パネルであって、被検物の所定領域は、表示パネルの遮光膜であることも好ましい。
このような方法によれば、表示パネルの遮光膜にフォーカスを合わせるようにすれば、試験者が目視において確認しやすいため、被検物の試験対象領域の特定が容易となる。これにより、被検物の試験対象領域に確実にレーザー光の照射位置を合わせることができる。
このような方法によれば、表示パネルの遮光膜にフォーカスを合わせるようにすれば、試験者が目視において確認しやすいため、被検物の試験対象領域の特定が容易となる。これにより、被検物の試験対象領域に確実にレーザー光の照射位置を合わせることができる。
本発明の劣化試験装置は、被検物の耐光性評価のための劣化試験装置であって、被検物にレーザー光を照射するレーザー光出力部と、被検物を観察する観察装置とを備え、観察装置は、被検物を撮像する撮像手段と、レーザー光の被検物の透過状態を検出する検出手段と、被検物を少なくとも光軸方向に移動させて、レーザー光との相対位置を設定する位置決め手段と、被検物の所定領域にフォーカスが合う位置を基準位置とし、レーザー光の光軸上における基準位置からの被検物の光軸方向の移動量と移動量に対する被検物の劣化情報との相関関係を記憶する記憶手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、被検物のフォーカス位置(基準位置)からの光軸方向の移動量と、この移動量に対する被検物の劣化上方との相関関係を記憶手段に記憶させておくことができるので、光軸上において被検物の劣化が最も速い位置を知ることができる。被検物の劣化が最も加速されるということは、レーザー光が最も集光していると言い換えることができるので、光軸上におけるレーザー光の焦点位置が判明することになる。しかしながら、被検物のフォーカス位置とレーザー光の焦点位置とは必ずしも一致しない。そのため、構成や大きさ等の異なる被検物ごとに、それぞれのフォーカス位置とレーザー光の焦点位置との関係を示すデータを予め取得して記憶部に記憶させておくことができる。このようにすれば、異なる種類の被検物であってもレーザー光の焦点位置に確実に配置することができる。
このようにして、レーザー光の光軸上における基準位置(フォーカス位置)からの被検物の光軸方向の移動量と移動量に対する被検物の劣化情報との相関関係からレーザー光の焦点位置を明らかにしておくことにより、被検物がレーザー光の焦点位置に確実に配置されることになる。レーザー光の焦点位置に被検物を配置して耐光性評価を行うことによって、被検物の試験対象領域により高エネルギーのレーザー光が照射されるようになる。このように、レーザー合焦点との関係から被検物の位置管理を行うことができるとともに短時間に高精度の劣化試験を行うことが可能となる。
また、検出手段は、レーザー光の光路に対して進退自在に設けられることも好ましい。
このような構成によれば、必要に応じて検出手段をレーザー光の光路上に配置することができる。たとえば、被検物を撮像手段で撮像する際には光路から後退させておくことで、被検物の撮像を良好に行うことができる。
このような構成によれば、必要に応じて検出手段をレーザー光の光路上に配置することができる。たとえば、被検物を撮像手段で撮像する際には光路から後退させておくことで、被検物の撮像を良好に行うことができる。
[劣化試験装置]
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施形態の劣化試験装置は、被検物に対しレーザー光を照射することで被検物に劣化を生じさせ、観察光を用いて被検物を光学的に観察し、被検物の劣化度合いを評価するものである。ここでは、被検物として一対の基板間に液晶層を挟持してなる液晶パネルを用いる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施形態の劣化試験装置は、被検物に対しレーザー光を照射することで被検物に劣化を生じさせ、観察光を用いて被検物を光学的に観察し、被検物の劣化度合いを評価するものである。ここでは、被検物として一対の基板間に液晶層を挟持してなる液晶パネルを用いる。
図1は、本実施形態の劣化試験装置の概略構成図である。
図1に示す劣化試験装置100は、レーザー光出力部11と、被検物である液晶パネル15を支持する被検物支持部19(位置決め部)と、液晶パネル15を観察するための観察装置20(検出部)と、制御装置30とを備えて構成されている。
図1に示す劣化試験装置100は、レーザー光出力部11と、被検物である液晶パネル15を支持する被検物支持部19(位置決め部)と、液晶パネル15を観察するための観察装置20(検出部)と、制御装置30とを備えて構成されている。
レーザー光出力部11は、レーザー装置10と、NDフィルタ12と、ミラー13とを有して構成されている。レーザー装置10は、所定発振波長の青紫レーザー光を出力するレーザー装置であり、レーザー光をその波長、照射エネルギー、及び照射時間のうち、少なくとも1つを可変パラメータとして出力可能なものとされる。本実施形態の劣化試験装置100は、レーザー光照射により液晶パネル15の配向膜等を劣化させ、液晶の配向性低下の程度を観察して液晶パネル15の耐光性を評価するものであるから、レーザー装置10には、液晶パネル15に対し短時間で所望の劣化を生じさせることができるものが用いられる。
レーザー装置10から出力されたレーザー光は、NDフィルタ12により測定に必要な光量に絞られた後、ミラー13により反射されて集光レンズ14に入射し、集光レンズ14により所定のスポット径に調整された後、被検物である液晶パネル15の試験対象領域に入射する。なお、図1に示すレーザー光出力部11は、その主要部のみを簡略化して表示したものであり、試験装置の設計に応じた構成部材の変更/追加を妨げるものではない。したがって例えば、レーザー光出力部11の光学系に、レーザー光を均一化するためのホモジナイザやインテグレータを設けることもでき、レーザー光のスポット形状を設定するためのマスクを設けることもできる。
被検物支持部19は、液晶パネル15が搭載されるステージ16と、ステージ16を駆動するモーターを含む駆動装置17とを有して構成されている。ステージ16は、レーザー光の光軸18に沿う方向、あるいはレーザー光の光軸18に直交する平面内を移動自在であり、後述する制御装置30からの指示に基づいて所定距離を3軸方向(図中に示すxyz方向)に移動するようになっている。駆動装置17に用いられるモーターとしては、高精度の分解能を有するものが好ましく用いられ、例えば、ステッピングモーターやサーボモーターが採用される。本実施形態においてはステッピングモーターを用いるものとする。
観察装置20は、液晶パネル15の前段側(レーザー光出力部11側)に配される偏光板21と、液晶パネル15の後段側(レーザー光出力部11と反対側)に配される偏光板22と、偏光板22の後段側に配されるパワーメータ24(検出手段)と、パワーメータ24の後段に配されるバックライト28と、液晶パネル15を間に挟んでバックライト28の反対側(レーザー光出力部11側))に配される撮像手段としてのCCDカメラ27(撮像手段)とを有して構成されている。
パワーメータ24は、偏光板22を含む液晶パネル15を透過したレーザー光の光量を検出するパワーメーターヘッド25と、パワーメーターヘッド25に接続された表示部26とを備えている。パワーメーターヘッド25は、レーザー光の光軸18に対して進退自在となっており、バックライト28を使用する場合には光軸18上から後退させておくことができる。これにより、バックライト28からの照射光を遮断することがない。このようなパワーメータ24を用いて、劣化試験前のレーザー光量と劣化試験中のレーザー光量とを比較することで、液晶パネル15の透過率を測定することができる。パワーメータ24で測定されたレーザー光量の測定値は表示部26に表示される。
もともと直線偏光をなすレーザー光は、液晶パネル15の劣化が進行すると液晶パネル15を透過する偏光が乱れて円偏光等に変化してくる。そのため、偏光板22を通過するレーザー光の直線偏光成分の低下具合を測定することによって、劣化の進行状態を観察することができる。
バックライト28は、例えば蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルはライドランプ、発光ダイオード等を用いた光源である。このバックライト28としては、液晶パネル15が搭載される実機(液晶表示装置、プロジェクタ)が備える光源と同種のものを用いることができる。液晶パネル15の劣化状態を目視観察するには、バックライト28に白色光を出力する光源を用いると、実機での表示状態を再現しやすくなり、また目視観察も容易になる。
CCDカメラ27は、液晶パネル15の少なくとも表面の一部を撮像する。その撮像用光源として、必要に応じてバックライト28が使用される。CCDカメラ27で撮像された画像情報は、必要に応じて画像処理された後、後述する制御装置30のモニタ33に表示される。CCDカメラ27及びモニタ33は、例えば、液晶パネル15の劣化度合いの画像観察、液晶パネル15上の試験対象領域とレーザー光の光軸18との位置合わせ、液晶パネル15の表面に描画された情報の観察、などに用いられる。また、本実施形態においては、液晶パネル15を位置決めする際に用いられる。
制御装置30は、情報処理や演算処理を行う演算部31、ROMやRAMなどの記憶部32(記憶手段)、及びモニタ33等を有して構成されるコンピュータからなり、被検物支持部19における駆動装置17を制御するとともに、CCDカメラ27から送られる情報を表示及び管理するようになっている。例えば、記憶部32は、CCDカメラ27からの撮像情報や、試験条件に関する情報等を記憶する。演算部31は、記憶部32に記憶された情報に基づいて試験情報の管理を行う。モニタ33は、その試験情報を表示するとともに、CCDカメラ27によって撮像された画像を表示するようになっている。
偏光板21は、CCDカメラ27の前方に配置され、バックライト28からの光のうちで偏光軸と同方向の振動成分のみを通過させる。
一方、偏光板22は、液晶パネル15の光射出側に配置され、液晶パネル15を透過したレーザー光のうちで偏光軸と同方向の振動成分のみを通過させる。偏光板22及び液晶パネル15との相対的配置については任意に設定可能であり、本実施形態では図1に示すような配置とする。
一方、偏光板22は、液晶パネル15の光射出側に配置され、液晶パネル15を透過したレーザー光のうちで偏光軸と同方向の振動成分のみを通過させる。偏光板22及び液晶パネル15との相対的配置については任意に設定可能であり、本実施形態では図1に示すような配置とする。
偏光板21を用いることで、バックライト28を照射することによる液晶パネル15のフォーカス合わせを、CCDカメラ27にて行うことができる。
また、偏光板22を用いることで、レーザー光を照射することによる液晶パネル15の劣化状態を、液晶層のΔn(屈折率;光学異方性)の変化として検出することができる。すなわち、液晶パネル15の配向膜等が劣化されると、液晶の配向状態も変化するので、偏光板22を透過したレーザー光の光量を劣化処理の前後で比較すれば、液晶パネル15の劣化量を液晶パネル15のΔnの変化量として容易に調べることができる。この場合、CCDカメラ27による撮像情報をコンピュータ等で解析すれば、劣化部位の光学的特性等を正確に評価することが可能になる。
また、偏光板22を用いることで、レーザー光を照射することによる液晶パネル15の劣化状態を、液晶層のΔn(屈折率;光学異方性)の変化として検出することができる。すなわち、液晶パネル15の配向膜等が劣化されると、液晶の配向状態も変化するので、偏光板22を透過したレーザー光の光量を劣化処理の前後で比較すれば、液晶パネル15の劣化量を液晶パネル15のΔnの変化量として容易に調べることができる。この場合、CCDカメラ27による撮像情報をコンピュータ等で解析すれば、劣化部位の光学的特性等を正確に評価することが可能になる。
なお、液晶パネル15に対して偏光板を取り付けた状態のもの(最終製品状態となったもの)を試験対象とする場合には、各偏光板21,22はともに不要となる。
また、液晶パネル15には、その大きさ等の違いから様々な種類のものがある。このような各種の液晶パネル15に対応すべく、集光レンズ14の直径、集光レンズ14とステージ16との配置間隔等はパネルの種類に応じて適宜設定されるとともに、適宜調整可能とされたものとする。また、上記したように、本実施形態では液晶パネル15の耐光性を調べるための光としてレーザー光を用いている。レーザー光は、ハロゲンランプ等を光源として用いる場合に比して、局所的に高いエネルギー密度で光照射を行うことができるため好適である。
[劣化試験方法]
次に、上記の劣化試験装置100を用いた劣化試験方法について説明する。
本実施形態では、劣化試験装置100を用いて液晶パネル15の耐光性評価を行うものであって、まずレーザー光が最も集光する焦点を検出し、この焦点位置に液晶パネル15を配置することによって劣化試験の効率化を図ったものである。
次に、上記の劣化試験装置100を用いた劣化試験方法について説明する。
本実施形態では、劣化試験装置100を用いて液晶パネル15の耐光性評価を行うものであって、まずレーザー光が最も集光する焦点を検出し、この焦点位置に液晶パネル15を配置することによって劣化試験の効率化を図ったものである。
(液晶パネル)
まず、被検物である液晶パネル15について説明する。
図2(a)は液晶パネル15の一例を示す説明図である。この液晶パネル15は、TNモードの液晶層を具備したTFTアクティブマトリクス型である。なお、図2(a)では、3つの画素Pのみを示しているが、実際には画素Pと同様の構成の画素が平面視マトリクス状に配列形成されている。また、各画素Pに対応して設けられるスイッチング素子であるTFT(薄膜トランジスタ)についての図示は省略している。
まず、被検物である液晶パネル15について説明する。
図2(a)は液晶パネル15の一例を示す説明図である。この液晶パネル15は、TNモードの液晶層を具備したTFTアクティブマトリクス型である。なお、図2(a)では、3つの画素Pのみを示しているが、実際には画素Pと同様の構成の画素が平面視マトリクス状に配列形成されている。また、各画素Pに対応して設けられるスイッチング素子であるTFT(薄膜トランジスタ)についての図示は省略している。
同図に示す液晶パネル15は、液晶層155を挟持して対向する一対の基板151,152を備えている。基板151,152は、石英、ガラス、プラスチック等の透明基板であり、両基板151,152の対向面に介在させた図示略のスペーサにより所定の間隔に離間されている。基板151の内面側(液晶層155側)に、複数の画素電極156と、画素電極156を覆う配向膜153とが形成されている。基板152の内面側に、遮光膜(ブラックマトリクス)158と、対向電極157と、配向膜154とが積層形成されている。
液晶層155は、ネマチック液晶を主体としてなり、配向膜153,154の配向規制力によって、基板151,152間でツイスト配向している。配向膜153,154としては、有機配向膜、及び無機配向膜のいずれも適用可能である。有機配向膜は、例えば、ポリイミドなどの高分子膜の表面にラビング等の配向処理を施すことにより形成することができる。無機配向膜は、SiO2のような無機膜を蒸着法あるいはスパッタ法を用いて形成した後にイオンビームや粒子ビームを無機膜表面に照射して配向処理を施すことにより形成することができる。あるいは、無機配向膜は、基板に対して斜めに無機材料を入射させて斜方柱状構造を有する膜を形成する、いわゆる斜方蒸着法によっても形成することができる。
画素電極156は、各画素ごとに形成されて、この領域内の液晶層155に駆動電圧を印加する。画素電極156は、例えばITO(インジウム錫酸化物)などの透明導電膜を基板151上に成膜し、パターニングすることによって形成できる。そして、各画素電極156には、図示しないTFT(スイッチング素子)が電気的に接続され、かかるTFTのスイッチング動作に基づき画像信号に応じた電圧が書き込まれるようになっている。対向電極157は、上記の各画素電極156と共に液晶層155に電圧を印加するものであり、基板152上の略全面に形成されている。この対向電極157は、各画素に共用される共通電極となっており、接地電位等の所定電位に接続される。対向電極157についても、ITO等の透明導電膜により形成することができる。
遮光膜158は、各画素P1,P2,P3の境界を覆ってこれらの領域における漏れ光を遮断するためのものであり、基板152上に形成されている。この遮光膜158には、低反射の金属材料(例えばクロム)が用いられ、各画素P1〜P3に対応する領域に開口部を有する平面視略格子状に形成されている。
このような液晶パネル15における試験対象領域は任意に設定可能であり、本実施形態においては液晶パネル15の1画素に対応する領域(例えば、図2に示す画素P2)を試験対象領域として設定している。
以下に、レーザー光の光量密度に対する液晶パネル15の寿命について説明する。
ここでは、観察光としてレーザー光を用いて、被検物である液晶パネル15の透過光をパワーメータ24で測定することにより、液晶パネル15の寿命とレーザー光の光量密度との関係を明らかにする。なお、構成の異なる複数種類の液晶パネル15(本実施形態においては図3におけるパネルA,B,Cの3種類)を用いて種類ごとの評価も行う。劣化試験装置100における各種液晶パネル15の配置位置は統一する。
ここでは、観察光としてレーザー光を用いて、被検物である液晶パネル15の透過光をパワーメータ24で測定することにより、液晶パネル15の寿命とレーザー光の光量密度との関係を明らかにする。なお、構成の異なる複数種類の液晶パネル15(本実施形態においては図3におけるパネルA,B,Cの3種類)を用いて種類ごとの評価も行う。劣化試験装置100における各種液晶パネル15の配置位置は統一する。
そして、パワーメータ24の測定結果に基づいて、レーザー光の光量密度を横軸にとり、このレーザー光の光量密度に対する液晶パネル15の寿命を縦軸にとったグラフをプロットすることにより、各種液晶パネル15の耐光性評価が可能である。図3を参照すると、液晶パネル15の種類に関わらず、照射されるレーザー光の光量密度が高いほど液晶パネル15の寿命が短くなることが分かる。レーザー光の光量密度が最も高まるのはレーザー光の合焦点であることから、劣化試験に用いる液晶パネル15の位置をレーザー光の合焦点に設置することによって、より効果的に劣化試験を行うことができる。これにより、試験時間の短縮が図れることになる。
従来、図9に示すように、ステージ51に液晶パネル50を固定し、液晶パネル50の後方からバックライト52を照射して、CCDカメラ53から取り込んだ画像(モニタ画面54に映し出される画像)から液晶パネル50の遮光膜にフォーカスを合わせることによって、液晶パネル50の位置決めを行ってきた。しかしながら、液晶パネルの種類によって構造が異なるために、液晶層の屈折率Δn(光学異方性)の影響や遮光膜の配置位置の違い等から、液晶パネルのCCDフォーカス位置とレーザー合焦点との位置関係に違いが生じ、測定精度が低下することがあった。
そのため、本実施形態においては、液晶パネル15の種類ごとにそれぞれのCCDフォーカス位置とレーザー合焦点との位置関係を予め明らかにして、レーザー合焦点に液晶パネル15が確実に配置されるよう、液晶パネル15の位置決めを種類ごとに行う必要がある。
(レーザー光の焦点位置検出方法)
本実施形態においては、劣化試験を行うにあたり、上述した理由から各種液晶パネル15に対するレーザー合焦点の位置を検出しておく。
以下に、レーザー合焦点を検出する手法について図1及び図4を参照しつつ説明する。図4は、レーザー合焦点を検出する方法を説明するためのフローチャート図である。なお、以下の説明において、図2を用いることもあるが、図中の符号は同じでも、上述したレーザー光の光量密度とパネル寿命との関係を調べるときに用いた液晶パネルとは異なる液晶パネルである。
本実施形態においては、劣化試験を行うにあたり、上述した理由から各種液晶パネル15に対するレーザー合焦点の位置を検出しておく。
以下に、レーザー合焦点を検出する手法について図1及び図4を参照しつつ説明する。図4は、レーザー合焦点を検出する方法を説明するためのフローチャート図である。なお、以下の説明において、図2を用いることもあるが、図中の符号は同じでも、上述したレーザー光の光量密度とパネル寿命との関係を調べるときに用いた液晶パネルとは異なる液晶パネルである。
図4に示すように、このレーザー合焦点を検出する方法は、液晶パネル15をCCDフォーカス位置に配置する工程(ステップ1)と、CCDフォーカス位置を基準点としてレーザー光の光軸18に対して液晶パネル15を所定量相対移動させる工程(ステップ2)と、液晶パネル15における試験対象領域にレーザー光を照射して劣化処理を施す工程(ステップ3)と、液晶パネル15の劣化情報を取得する工程(ステップ4)と、ステップ4において取得した劣化情報からレーザー合焦点を特定する工程(ステップ5)と、各種液晶パネル15の基準点からレーザー合焦点までのズレ量を記憶部32に記憶させておく工程(ステップ6)と、を含む。このような工程を劣化試験に用いる液晶パネル15の種類毎に行うようにする。
まず、試験条件を特定するための液晶パネル15(図6におけるパネルA,B,Cの3種類)を新たに用意し、図1に示す劣化試験装置100の所定位置に配置する。初期条件としてレンズの開口率を所定値に設定したCCDカメラ27を用いて、光路上における液晶パネル15のフォーカス位置を探る。具体的には、液晶パネル15の後方からバックライト28を照射し、CCDカメラ27で撮像した液晶パネル15の画像をモニタ33にて観察しながら、ステージ16を光路方向に移動させる。そして、遮光膜158にピントが合った位置(CCDフォーカス位置)でステージ16の移動を停止し、液晶パネル15を配置する(ステップ1)。
遮光膜158にフォーカスを合わせることにしたのは、単にモニタ33において視認者が確認し易いためであり、その他、画像で確認し易い箇所があれば遮光膜158以外の箇所にフォーカスを合わせるようにしてもよい。また、ステージ16を駆動するモーターとしてステッピングモーターを用いれば、ステージ16の移動を微調整することができるため、液晶パネル15の位置決め精度が向上する。
なお、CCDカメラ27により液晶パネル15のフォーカス合わせをする場合、バックライト28の光が遮光されないようにパワーメータ24のパワーメーターヘッド25を光路上から後退させておく。
本実施形態においては、CCDカメラ27を用いて特定した液晶パネル15のCCDフォーカス位置を光路上における液晶パネル15の基準位置とする。CCDフォーカス位置は液晶パネル15の種類によって異なる。これは、上述したように、液晶パネル15の種類によって液晶層155の屈折率Δn(光学異方性)や遮光膜158の配置位置が異なることによるものである。
次に、CCDフォーカス位置(基準点)にある液晶パネル15をレーザー光の光軸方向に対して所定量だけ相対移動させる(ステップ2)。液晶パネル15の移動量(基準点からのズレ量)は任意に設定可能であって、光路上におけるCCDカメラ27側あるいはバックライト28側のいずれか一方向(試験対象領域に照射されるレーザースポット径が小さくなる方向)に移動させる。
液晶パネル15を移動させた後、試験対象領域(例えば、図2の画素P2)にレーザー光を照射する(ステップ3)。ここで、レーザー光をその波長、照射エネルギーを一定にし照射時間を可変パラメータとして設定して照射する。レーザー光を照射すると、図2(b)に示すように、画素P2内の配向膜153,154を変質させ、液晶の配向性を局所的に低下させるという態様の劣化が生じることになる。レーザー光を照射する際には、パワーメータ24のパワーメーターヘッド25を光軸18上へ配置する。
また、ステップ3の劣化処理と並行して、液晶パネル15の劣化情報(液晶パネル15の寿命)を取得する(ステップ4)。レーザー劣化情報は、偏光板22を含む液晶パネル15を透過したレーザー光の光量変化(透過率変化)をパワーメータ24で測定することで得られる。例えば、偏光板22を含む液晶パネル15を透過したレーザー光の光量をパワーメータ24で測定することにより、液晶パネル15の劣化情報を取得することができる。これは液晶パネル15の実質的な機能(偏光変換作用)に関わることであり、劣化に至る液晶層の屈折率Δnの変化として捉える。
上述したように、パワーメータ24で検出されるレーザー光の透過光量がどの程度まで低下したら液晶パネル15の劣化(パネル寿命)と見なすかは、液晶パネル15の仕様によって適宜条件が設定される。また、液晶パネル15の劣化度合は、レーザー光の設定条件によっても異なってくる。本実施形態においては、検出対象とするレーザー光の状態(光学的特性)として光量(光強度)を想定しているが、これに限定されず、偏光状態、分光特性など、種々のものが考えられる。
ここで、上記工程で液晶パネル15を透過するレーザー光の光量を検出対象として測定を行なう場合について図5を用いて説明する。図5(a)は、レーザー光LBを照射する前(劣化しない状態)の液晶パネル15について上記工程を実施する場合について示す図であり、図5(b)は、レーザー光LBを照射した後(液晶パネル15を劣化させた後)の液晶パネル15について上記工程を実施する場合について示す図である。
図5(a)に示すように、液晶パネル15の光射出側には、偏光板22が配置されている。偏光板22の透過軸は液晶の偏光方向に略直交するように配置されている。レーザー光の透過軸は、液晶パネル15の基板151側における液晶分子の平均的配向方向(ダイレクタ)と略平行となっている。また、偏光板22の透過軸は、液晶パネル15の基板152側におけるダイレクタと略平行となるように配置されている。
レーザー光出力部11から出力されるレーザー光LBは直線偏光で出力される。この直線偏光をなすレーザー光LBは、液晶層155を透過する際に、液晶層155の旋光作用によりその偏光方向が90度回転されて液晶層155から射出される。その後、レーザー光LBの偏光方向と平行な透過軸を有する偏光板22を透過し、パワーメータ24にて光量検出される。
一方、図5(b)に示す場合では、図2(c)に示したように、レーザー光LBの照射によって配向膜153,154に劣化を生じているので、試験対象領域においては配向膜153,154の配向規制力低下に起因する液晶の配向乱れが生じている。そしてこれに伴って入射光に対する偏光変換作用が低下するため、液晶層155を透過した後のレーザー光LBの偏光状態は、例えば図示のように楕円偏光となり、図5(a)に示したものと異なった状態となる(リタデーションの変化)。そのため、レーザー光LBのうち偏光板22を透過できる偏光成分が減少し、パワーメータ24で検出される光量も低下する。
以上のようにして、偏光板22を含む液晶パネル15を透過したレーザー光の光量をパワーメータ24で測定することにより、試験対象領域の劣化情報を観察することができる。このようにして、まず光路上の所定位置にある液晶パネル15の寿命を知ることができる。
光路上の所定位置にある液晶パネル15の劣化情報を検出した後、液晶パネル15を同じように光軸方向に対して所定量移動させて(ステップ2)再びレーザー光を照射する(ステップ3)。このとき、前のレーザー光照射の影響を排除するために、光軸方向に直交する方向にも液晶パネル15を所定量だけ相対移動させ、例えば、図2(c)に示すような劣化していない画素P1,P3に照射する。光軸18上における液晶パネル15の位置に対する劣化情報を取得する(ステップ4)。このような動作を繰り返し行い、液晶パネル15の位置(基準点からのズレ量)と、パネル寿命(光強度の経時的な変化)との関係を、各液晶パネル15の種類ごとに明らかにする。
図6においては、各種液晶パネル15の基準点からのズレ量を横軸にとり、液晶パネル15のパネル寿命(劣化度合)を縦軸にとったグラフをプロットすることにより、各種液晶パネル15に対するレーザー光の焦点位置を特定する(ステップ5)。
図6から分かるように、光軸18上には液晶パネル15の種類ごとに寿命が最も短くなる配置位置がある(図6中、二点鎖線の丸印で示す)。パネル寿命が最も短いということは、レーザー光のエネルギー密度が最も高いと言い換えることができ、これはつまりレーザー光が最も集光されていると考えられる。すなわち、試験対象領域がレーザー光の照射によって最も速く劣化したときの液晶パネル15の配置位置がレーザー合焦点である。このようにして、光軸18上における各種液晶パネル15の試験位置が特定される。
液晶パネル15の種類ごとに、各々の基準点から試験位置までのズレ量とパネル寿命との関係を検出し、その試験位置を記憶部32に記憶する(ステップ6)。このようにして、液晶パネル15の種類ごとに基準点から試験位置までのズレ量を特定しておくことによって、劣化試験を行う液晶パネル15の種類が変わったとしても、容易に液晶パネル15をレーザー合焦点に配置することができる。
液晶パネル15のCCDフォーカス位置とレーザー合焦点位置とが必ずしも一致しないのは、上述した構造上の理由の他、例えばレーザー光の焦点深度によるとも考えられる。集光レンズ14によって集光されたレーザー光の光路上には、CCDフォーカス位置からその前後所定領域内において液晶パネル15を移動させても画像がボケない(許容できる)領域がある。すなわち、焦点深度内(焦点範囲内)においては、モニタ画像のピンボケが発生しても観察者には分からない。そのため、モニタ画面上から人間の目視により真のレーザー合焦点位置を的確に見つけ出すことは困難であり、これによりレーザー合焦点位置とCCDフォーカス位置とにズレが生じることになってしまう。しかしながら、本実施形態のように、光軸18上で液晶パネル15の配置位置を変更させながら劣化速度を測定することによって、レーザー合焦点位置を確実に見つけ出すことができる。
(劣化試験方法)
本実施形態の劣化試験方法においては、劣化試験を行う液晶パネルの位置決めを、予め取得しておいた各種液晶パネルの基準位置からレーザー光の焦点位置までのズレ量のデータに基づいて行う。
以下に、本実施形態の劣化試験方法について図を参照しつつ説明する。図7は、劣化試験方法を説明するためのフローチャート図である。
本実施形態の劣化試験方法においては、劣化試験を行う液晶パネルの位置決めを、予め取得しておいた各種液晶パネルの基準位置からレーザー光の焦点位置までのズレ量のデータに基づいて行う。
以下に、本実施形態の劣化試験方法について図を参照しつつ説明する。図7は、劣化試験方法を説明するためのフローチャート図である。
図7に示すように、液晶パネル15をCCDフォーカス位置に配置する工程(ステップ10)と、CCDフォーカス位置を基準点として、各液晶パネル15毎に特定された基準点からのズレ量分だけレーザー光の光軸18に対して液晶パネル15を相対移動させる工程(ステップ11)と、液晶パネル15における試験対象領域にレーザー光を照射する工程(ステップ12)と、液晶パネル15の劣化度合を観察する工程(ステップ13)と、を含む。
まず、試験用の液晶パネル15を新たに用意し、レーザー光の光軸18上に配置する。CCDカメラ27で撮像される画像をモニタにおいて確認しながら液晶パネル15の位置を光軸18上で移動させ、液晶パネル15の遮光膜158にフォーカスを合わせる(ステップ10)。そして、図8の二点鎖線で示す試験対象領域(画素P)を特定し、この試験対象領域内にレーザー光の光軸18を位置合わせする。
次に、記憶部32に記憶されている各液晶パネル15のCCDフォーカス位置からレーザー合焦点位置までのズレ量との関係に基づいて、試験に用いる液晶パネル15を光軸18に対して相対移動させる(ステップ11)。このようにして、液晶パネル15をレーザー合焦点に配置する。液晶パネル15の移動は、駆動装置17を介して行われる。上述したように、駆動装置17に用いられるモーターがステッピングモーターやサーボモーターであることにより、液晶パネル15の位置決めが正確に行われる。
そして、レーザー合焦点位置に配置した液晶パネル15の試験対象領域に、劣化促進用のレーザー光を照射する(ステップ11)。ここで、レーザー光の波長、照射エネルギー強度、照射時間のうち少なくとも1つが可変パラメータとして適宜設定される。液晶パネル15の1画素に対応する領域内において劣化試験を行うことにより、液晶パネル15の耐光性を正確に評価することができる。また、画素毎に劣化試験を行うようにすれば、より正確な劣化評価をすることができる。
レーザー光の焦点に位置する液晶パネル15にレーザー光を照射して、高いエネルギーをその試験対象領域に与えることによって、液晶パネル15の各画素Pに含まれる部材(例えば、配向膜や液晶分子等)に比較的短時間で劣化が生じる。試験対象領域の劣化状態をパワーメータ24で測定することにより被検物である液晶パネル15の耐光性を評価する(ステップ12)。
液晶パネル15に劣化が生じていない場合には、偏光板22を含む液晶パネル15を透過するレーザー光の透過量が多く、パワーメータ24では十分な強度の光が検出されることになる。
照射時間に応じて液晶パネル15、特に配向膜の劣化が進行してくると、上述したようにレーザー光の配向規制が衰えてくるため、直線偏光が除々に乱れて円偏光(楕円偏光)に近づいてくる。偏光板22を含む液晶パネル15は、レーザー光の直線偏光成分しか透過させないため、パワーメータ24で検出される透過光量が低下していくようになる。
このようにして、偏光板22を含む液晶パネル15を透過したレーザー光の光量をパワーメータ24で経時的に測定することにより、試験対象領域の劣化情報を経時的に取得することができる。パワーメータ24を用いた耐光性の測定は、レーザー光の照射による劣化促進と同時に行ってもよく、劣化後に行ってもよい。
以後同様に、各種液晶パネル15の劣化試験を行う。異なる種類の液晶パネル15を試験する場合には、予め求めておいた各種液晶パネル15のCCDフォーカス位置から試験位置までのズレ量分だけ、レーザー光の光軸18に対して液晶パネル15を相対的に移動させ、試験を行う液晶パネル15をレーザー光の合焦点に配置する。このように、液晶パネル15の種類を変えて劣化試験を行う際にも、それぞれの液晶パネル15をレーザー合焦点に確実に配置した上で行うようにする。
このように、液晶パネル15の種類ごとにCCDフォーカス位置とレーザー合焦点との位置関係について明らかにし、劣化試験において各液晶パネル15の位置制御を的確に行うことによって、より短時間に高精度の劣化試験を実施することができる。
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
15…液晶パネル(被検物)、158…遮光膜、11…レーザー光出力部、27…CCDカメラ(撮像手段)、24…パワーメータ(検出手段)、19…被検物支持部(位置決め手段)、32…記憶部(記憶手段)
Claims (4)
- 被検物の耐光性評価のための劣化試験方法であって、
観察光を照射して前記被検物の所定領域にフォーカスを合わせる工程と、
劣化促進用のレーザー光を前記被検物における試験対象領域に照射する工程と、
前記被検物の前記所定領域にフォーカスが合う位置を基準位置とし、前記レーザー光の光軸上における前記基準位置からの前記被検物の光軸方向の移動量と当該移動量に対する前記被検物の劣化情報との相関関係に基づいて前記レーザー光の焦点位置を特定し、当該焦点位置に前記被検物を配置する工程と、
前記被検物にレーザー光を照射して耐光性評価を行う工程と、を備えることを特徴とする劣化試験方法。 - 前記被検物は表示パネルであって、
前記被検物の前記所定領域は、前記表示パネルの遮光膜であることを特徴とする請求項1記載の劣化試験方法。 - 被検物の耐光性評価のための劣化試験装置であって、
前記被検物にレーザー光を照射するレーザー光出力部と、
前記被検物を観察する観察装置とを備え、
前記観察装置は、前記被検物を撮像する撮像手段と、
前記レーザー光の前記被検物の透過状態を検出する検出手段と、
前記被検物を少なくとも光軸方向に移動させて、前記レーザー光との相対位置を設定する位置決め手段と、
前記被検物の前記所定領域にフォーカスが合う位置を基準位置とし、前記レーザー光の光軸上における前記基準位置からの前記被検物の光軸方向の移動量と当該移動量に対する前記被検物の劣化情報との相関関係を記憶する記憶手段と、を有することを特徴とする劣化試験装置。 - 前記検出手段は、前記レーザー光の光路に対して進退自在に設けられることを特徴とする請求項3記載の劣化試験装置。
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JP2006318705A JP2008134084A (ja) | 2006-11-27 | 2006-11-27 | 劣化試験方法及び劣化試験装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101908024B1 (ko) * | 2017-12-04 | 2018-10-15 | 재단법인 한국조명연구원 | 가속 노화 시험 장치 및 이를 이용한 가속 노화 시험 방법 |
-
2006
- 2006-11-27 JP JP2006318705A patent/JP2008134084A/ja not_active Withdrawn
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