JP2008133360A - 粉体塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、1回の塗装で厚塗りが可能な粉体塗料組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、粉体塗料100質量部に対し、アミノ基及びイミノ基の一方又は両方を有する帯電制御剤を0.1〜5質量部ドライブレンドすることを特徴とする粉体塗料組成物、並びに、前記アミノ基及びイミノ基の一方又は両方を有する帯電制御剤が平均粒径30〜500μmの繊維状物質であることを特徴とする前記粉体塗料組成物、並びに、前記繊維状物質がアラミド繊維であることを特徴とする前記粉体塗料組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、粉体塗料100質量部に対し、アミノ基及びイミノ基の一方又は両方を有する帯電制御剤を0.1〜5質量部ドライブレンドすることを特徴とする粉体塗料組成物、並びに、前記アミノ基及びイミノ基の一方又は両方を有する帯電制御剤が平均粒径30〜500μmの繊維状物質であることを特徴とする前記粉体塗料組成物、並びに、前記繊維状物質がアラミド繊維であることを特徴とする前記粉体塗料組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、粉体塗料組成物に関し、特に1回の塗装で厚塗りが可能な粉体塗料組成物に関する。
溶剤型塗料は塗布及び乾燥の際に溶剤が気化し環境を汚染するため、近年その使用が問題となっている。一方、粉体塗料は溶剤を使用しないので、環境を汚染するという問題はない。しかし、粉体塗料は静電塗装により被膜を形成する場合、1回の塗装では厚塗りは困難であり、従来の粉体塗料で形成可能な膜厚は30μm程度が限界であった。
従って、本発明の目的は、1回の塗装で厚塗りが可能な粉体塗料組成物を提供することである。
本発明者らが研究を行った結果、粉体塗料に所定の割合でアミノ基及び/又はイミノ基を有する帯電制御剤をドライブレンドすることにより、1回の塗装で膜厚30〜100μmの被膜形成が可能な粉体塗料組成物が得られるという知見を得た。
即ち、本発明は、粉体塗料100質量部に対し、アミノ基及びイミノ基の一方又は両方を有する帯電制御剤を0.1〜5質量部ドライブレンドすることを特徴とする粉体塗料組成物である。
本発明によれば、1回の塗装で膜厚30〜100μm程度の被膜形成が可能な粉体塗料組成物が可能となった。
以下、本発明について、詳細に説明する。本発明で用いる粉体塗料は、特に限定する必要はなく、通常の熱硬化系又は熱可塑系樹脂をバインダーとし、着色顔料、体質顔料、その他の添加剤を加え、メルトブレンドし、得られた塊を粉末化した後、分級して製造したものである。この粉体塗料で用いる熱硬化系樹脂の具体例を挙げると、ポリエステル−ウレタン硬化系樹脂、ポリエステル−エポキシ硬化系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−ポリエステル系樹脂などがあり、熱可塑系樹脂の具体例を挙げるとポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体があり、通常に市販されているものを使用できる。また、該粉体塗料に用いる顔料には、二酸化チタン、ベンガラ、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、アゾ系顔料、イソインドリノン系顔料などの着色顔料、シリカ、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの体質顔料が代表的なものである。また、添加剤としてはレベリング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、垂れ防止剤、表面調整剤、架橋促進触媒等が使用でき、さらにポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の各種改質樹脂を配合することができる。
本発明で、前記粉体塗料にドライブレンドするアミノ基及び/又はイミノ基を有する帯電制御剤は、特に制限されないが、平均粒径30〜500μmの繊維状物質であることが好ましい。平均粒径が30〜500μmであると、帯電コントロールの点で好ましい。平均粒径30〜500μmの繊維状物質としては、具体的にはコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド(テクノーラ、帝人社製商品名)、ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA)[(ケプラー、デュポン社製商品名)、(トワロン、エンカ社製商品名)]、ポリメタフェニレンイソフタラミド(MPIA)(コーネックス、帝人社製商品名)等のアラミド繊維が挙げられる。
ドライブレンドする際の、アミノ基及び/又はイミノ基を有する帯電制御剤の配合量は粉体塗料100質量部に対し、0.1〜5質量部、好ましくは1〜2質量部である。0.1質量部よりも少ないと厚塗り効果が得られにくくなり易く、逆に5質量部を超えると成膜が困難になり易い。本発明の粉体塗料は、樹脂、硬化剤、必要に応じて各種顔料、添加剤等を混合した後、前記樹脂と硬化剤が架橋反応を起こさない程度の温度で、前記混合物をエクストルーダー、熱ロール、ニーダー等にて溶融練合し、冷却後粉砕して製造し、この粉体塗料に所定量のアミノ基及び/又はイミノ基を有する帯電制御剤をドライブレンドする。本発明の粉体塗料組成物は、静電スプレー法など周知の方法で被塗物に塗装し、熱風炉、赤外炉、誘導加熱炉などで焼付けることにより硬化塗膜を形成することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、実施例中「部」、「%」は質量を基準として示す。まず、本発明で使用する粉体塗料A〜Gを、製造例1〜7のとおりに製造した。
(製造例1)
水酸基価46mgKOH/gの熱硬化性ポリエステル樹脂〔「ユピカコートGV150」(日本ユピカ社製、商品名)〕50部に、IPDI(イソホロンジイソシアネート)ε−カプロラクタムブロックのポリイソシアネート樹脂〔「ベスタゴンB−1530」(HULS社製、商品名)〕10部、レベリング剤としてアクリルオリゴマー〔モダフローパウダーIII(モンサント社製、商品名)〕1部、脱泡剤としてベンゾイン0.2部、着色顔料として酸化チタン36部、フタロシアニンブルー3部を混練、粉砕し、150メッシュで分級を行い、平均粒径40μmの粉体塗料Aを製造した。
水酸基価46mgKOH/gの熱硬化性ポリエステル樹脂〔「ユピカコートGV150」(日本ユピカ社製、商品名)〕50部に、IPDI(イソホロンジイソシアネート)ε−カプロラクタムブロックのポリイソシアネート樹脂〔「ベスタゴンB−1530」(HULS社製、商品名)〕10部、レベリング剤としてアクリルオリゴマー〔モダフローパウダーIII(モンサント社製、商品名)〕1部、脱泡剤としてベンゾイン0.2部、着色顔料として酸化チタン36部、フタロシアニンブルー3部を混練、粉砕し、150メッシュで分級を行い、平均粒径40μmの粉体塗料Aを製造した。
(製造例2)
酸価53mgKOH/gの熱硬化性ポリエステル樹脂〔ユピカコートGV230(日本ユピカ社製、商品名)〕25部に、エポキシ当量920g/eqのビスフェノールAエポキシ樹脂〔エピコート1004(油化シェルエポキシ社製、商品名)〕35部、添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、ベンゾイン0.4部、増量剤として硫酸バリウム30部、着色顔料として酸化チタン5部、カーボンブラック1部、酸化鉄赤2部を混練、粉砕し150メッシュで分級を行い、平均粒径40μmの粉体塗料Bを製造した。
酸価53mgKOH/gの熱硬化性ポリエステル樹脂〔ユピカコートGV230(日本ユピカ社製、商品名)〕25部に、エポキシ当量920g/eqのビスフェノールAエポキシ樹脂〔エピコート1004(油化シェルエポキシ社製、商品名)〕35部、添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、ベンゾイン0.4部、増量剤として硫酸バリウム30部、着色顔料として酸化チタン5部、カーボンブラック1部、酸化鉄赤2部を混練、粉砕し150メッシュで分級を行い、平均粒径40μmの粉体塗料Bを製造した。
(製造例3)
GMA変性熱硬化性アクリル樹脂〔アルマテックスPD−7210(三井化学社製、商品名)〕55部、DDA(デカン2酸)10部、添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、ベンゾイン0.2部、着色顔料として酸化チタン30部、酸化鉄黄2部、酸化鉄赤0.5部、カーボンブラック0.01部を混練、粉砕し、150メッシュで分級を行い平均粒径40μmの粉体塗料Cを製造した。
GMA変性熱硬化性アクリル樹脂〔アルマテックスPD−7210(三井化学社製、商品名)〕55部、DDA(デカン2酸)10部、添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、ベンゾイン0.2部、着色顔料として酸化チタン30部、酸化鉄黄2部、酸化鉄赤0.5部、カーボンブラック0.01部を混練、粉砕し、150メッシュで分級を行い平均粒径40μmの粉体塗料Cを製造した。
(製造例4)
エポキシ当量915g/eqの熱硬化性エポキシ樹脂〔エピコート1004(油化シェルエポキシ社製、商品名)55部、ADH(アジピン酸ジヒドラジド)5部、添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、増量剤としてシリカ20部、着色顔料として酸化チタン15部、カーボンブラック0.15部を混練、粉砕、80メッシュで分級し平均粒径80μmの粉体塗料Dを製造した。
エポキシ当量915g/eqの熱硬化性エポキシ樹脂〔エピコート1004(油化シェルエポキシ社製、商品名)55部、ADH(アジピン酸ジヒドラジド)5部、添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、増量剤としてシリカ20部、着色顔料として酸化チタン15部、カーボンブラック0.15部を混練、粉砕、80メッシュで分級し平均粒径80μmの粉体塗料Dを製造した。
(製造例5)
エピコート1004 55部、ADH5部、添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、増量剤としてシリカ20部、着色顔料として酸化チタン15部、カーボンブラック0.15部、更にアラミド繊維〔KEVLER(東レデュポン社製、商品名)〕1部を混練、粉砕し、80メッシュで分級し平均粒径80μmの粉体塗料Eを製造した。
エピコート1004 55部、ADH5部、添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、増量剤としてシリカ20部、着色顔料として酸化チタン15部、カーボンブラック0.15部、更にアラミド繊維〔KEVLER(東レデュポン社製、商品名)〕1部を混練、粉砕し、80メッシュで分級し平均粒径80μmの粉体塗料Eを製造した。
(製造例6)
熱可塑性ポリエステル樹脂〔バイロン200(東洋紡社製、商品名)〕60部に添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、着色顔料として酸化チタン40部を混練、粉砕し、120メッシュで分級を行い、平均粒径60μmの粉体塗料Fを製造した。
熱可塑性ポリエステル樹脂〔バイロン200(東洋紡社製、商品名)〕60部に添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、着色顔料として酸化チタン40部を混練、粉砕し、120メッシュで分級を行い、平均粒径60μmの粉体塗料Fを製造した。
(製造例7)
熱可塑性ポリエステル樹脂〔バイロン200(東洋紡社製、商品名)〕60部に、添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、着色顔料として酸化チタン40部、更にアラミド繊維1部を混練、粉砕し、120メッシュで分級を行い、平均粒径60μmの粉体塗料Gを作成した。このように製造した粉体塗料A〜Gの組成を表1に示した。
熱可塑性ポリエステル樹脂〔バイロン200(東洋紡社製、商品名)〕60部に、添加剤としてモダフローパウダーIII 1部、着色顔料として酸化チタン40部、更にアラミド繊維1部を混練、粉砕し、120メッシュで分級を行い、平均粒径60μmの粉体塗料Gを作成した。このように製造した粉体塗料A〜Gの組成を表1に示した。
〔実施例1〜3、比較例1〜2〕
粉体塗料A〜Cに、表2に示す配合でアラミド繊維をドライブレンドし粉体塗料組成物を作成し、0.8mm厚の磨軟鋼板に静電粉体塗装ガン(ゲマ社製721型)にて−60KVの電圧で塗装し熱風乾燥炉で焼き付けた。得られた塗膜につき、膜厚を測定し、各種試験を行い、その結果を表2に示した。
粉体塗料A〜Cに、表2に示す配合でアラミド繊維をドライブレンドし粉体塗料組成物を作成し、0.8mm厚の磨軟鋼板に静電粉体塗装ガン(ゲマ社製721型)にて−60KVの電圧で塗装し熱風乾燥炉で焼き付けた。得られた塗膜につき、膜厚を測定し、各種試験を行い、その結果を表2に示した。
〔実施例4〜7、比較例3〜5〕
粉体塗料D〜Gに、表2に示す配合でアラミド繊維をドライブレンドし、粉体塗料組成物を作成し、次いで粉体塗料E及びGと共に1.2mm厚の磨軟鋼板を200℃に予熱し、静電粉体塗装ガン(ゲマ社製721型)にて−60KVの電圧で塗装し塗膜を形成した。得られた塗膜につき、膜厚を測定し、各種試験を行いその結果を表2に示した。
粉体塗料D〜Gに、表2に示す配合でアラミド繊維をドライブレンドし、粉体塗料組成物を作成し、次いで粉体塗料E及びGと共に1.2mm厚の磨軟鋼板を200℃に予熱し、静電粉体塗装ガン(ゲマ社製721型)にて−60KVの電圧で塗装し塗膜を形成した。得られた塗膜につき、膜厚を測定し、各種試験を行いその結果を表2に示した。
Claims (3)
- 粉体塗料100質量部に対し、アミノ基及びイミノ基の一方又は両方を有する帯電制御剤を0.1〜5質量部ドライブレンドすることを特徴とする粉体塗料組成物。
- 前記アミノ基及びイミノ基の一方又は両方を有する帯電制御剤が平均粒径30〜500μmの繊維状物質であることを特徴とする請求項1に記載の粉体塗料組成物。
- 前記繊維状物質がアラミド繊維であることを特徴とする請求項2に記載の粉体塗料組成物。
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JP2006320134A JP2008133360A (ja) | 2006-11-28 | 2006-11-28 | 粉体塗料組成物 |
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