JP2008133250A - マイクロ波によるアルキルエーテルの製造方法 - Google Patents

マイクロ波によるアルキルエーテルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】余分なエネルギーを必要とせず、短時間に、簡易かつ低コストで、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)等を合成できるアルキルエーテルの製造方法を提供する。
【解決手段】炭素数1〜6の脂肪族アルコールと炭素数2〜6のオレフィンとを反応させてアルキルエーテルを製造する方法において、炭素数1〜6の脂肪族アルコールと、炭素数2〜6のオレフィンとを接触させ、触媒の存在下、マイクロ波により加熱し、40〜120℃で反応させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料もしくは燃料用添加剤として有用な、エチルターシャリーブチルエーテル(以下「ETBE」と略す。)等のアルキルエーテルの製造方法に関する。
ガソリンのアンチノッキング特性を向上させ、かつ排気ガス中の有害成分濃度を低下させるために、第三アルキルエーテルを添加することで、これら化合物の酸素含有エーテル基によって自動車エンジンの燃焼プロセスが改良されることが知られている。好適な第三アルキルエーテルとして、例えば、メチルターシャリーブチルエーテル(以下、「MTBE」と略す。)、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)、ターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)、ターシャリーアミルエチルエーテル(TAEE)等を挙げることができる。これらのアルキルエーテルは、一価の脂肪族アルコールとオレフィンを反応させることによって製造される。
とりわけ、ETBEはガソリン代替燃料として欧米(特に欧州)で使用されている物質であり、特にバイオマス原料を用いて合成したものは地球温暖化対策のバイオマス燃料として注目され、国内でも導入が検討されている。ETBEは、(1)メチルターシャリーブチルエーテルと同様、オクタン価向上効果があり、(2)MTBEに比較すると毒性が低い(MTBEはハイオクガソリンに添加されていたが、毒性の問題から2004年以降、添加中止となっている。)、(3)エタノールに比べてガソリンへの影響(蒸気圧の上昇や水分混入によるエンジン腐食、NOx増加)が少ない、(4)エタノール添加ガソリンと同等の発熱量で比較した場合、若干のコスト高となる、などの特徴がある。フランスやスペインでは、ETBEをガソリンに15%程度添加して使用している。
従来ETBEは、t−ブチルアルコールとエタノールを、触媒とする強酸性イオン交換樹脂を充填した反応蒸留塔で反応させることにより、製造している。
Figure 2008133250
また、同時にt−ブチルアルコールの分解反応によりイソブチレンが生成するため、イソブチレンリッチガスを使用して、下記のエーテル化反応によりETBEを製造できる。
Figure 2008133250
特許文献1、2には、固体触媒の反応ステージを備えた反応装置を用いて、イソブチレンをエタノール及び水と化学量論的に加圧下で液相反応させて、ETBEとともにt−ブチルアルコールを合成する方法が提案されている。
特開2005−162669号公報 WO2005/044767号公報
しかし、ETBEの合成方法においては、反応容器を外部加熱するため余分なエネルギーを必要とし、また、加熱にむらがあるため副反応が起こりやすく、ETBEの収率を下げていた。このため、製造コストが高くなるという問題があった。一方、反応時間の短縮化には、マイクロ波照射が有効であることは知られているが、ETBEの合成にマイクロ波を使用した例はない。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、余分なエネルギーを必要とせず、短時間に、簡易かつ低コストで、ETBE等を合成できるアルキルエーテルの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、t−ブチルアルコールより安価で反応性の高いイソブチレンを反応原料として用いることで、マイクロ波照射により外部加熱よりも短時間でETBEを合成でき、また副反応生成物を低く抑えられることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)炭素数1〜6の脂肪族アルコールと、炭素数2〜6のオレフィンとを反応させてアルキルエーテルを製造する方法において、前記アルコールとオレフィンを接触させ、触媒の存在下、マイクロ波により加熱することを特徴とするアルキルエーテルの製造方法。
(2)炭素数1〜6の脂肪族アルコールと、炭素数2〜6のオレフィンと、触媒とを混合し、該混合物をマイクロ波により加熱する前記(1)に記載のアルキルエーテルの製造方法。
(3)前記アルコールとオレフィンのモル比が、0.1:1〜20:1である前記(1)又は(2)に記載のアルキルエーテルの製造方法。
(4)前記オレフィンが液化オレフィンである前記(1)〜(3)のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
(5)前記触媒として、固体酸触媒又は酸触媒を使用する前記(1)〜(4)のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
(6)前記アルコール1モルに対して、前記触媒を0.5〜90g使用する前記(1)〜(5)のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
(7)前記アルコールがメタノール又はエタノールで、前記オレフィンがイソブチレンである前記(1)〜(6)のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
(8)前記触媒として、強酸性イオン交換樹脂を使用する前記(1)〜(7)のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
(9)前記触媒として、炭化物又は多環式芳香族炭化水素類を、濃硫酸あるいは発煙硫酸中で加熱処理することによって得られる固体酸触媒を使用する前記(1)〜(7)のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
(10)反応温度が40〜120℃である前記(1)〜(9)のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
本発明によれば、余分なエネルギーを必要としないため所要エネルギーが少なく、簡易にしかも短時間に、低コストでアルキルエーテルを製造することができ、また、副反応生成物を低く抑えることができる。よって、低価格のETBE等の提供が可能になる。
本発明に係るアルキルエーテルの製造方法は、炭素数1〜6の脂肪族アルコールと、炭素数2〜6のオレフィンとを反応させてアルキルエーテルを製造する方法において、前記アルコールとオレフィンとを接触させ、触媒の存在下、マイクロ波により加熱することを特徴とする。
原料となる炭素数1〜6の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、i−ブタノール等の一価アルコール、又はこれらの混合物を挙げることができる。これらのアルコールの中では、メタノールとエタノールが好ましく、エタノールが最も好ましい。エタノールは、純粋なエタノールのほか、エタノール混合物も使用することができる。エタノール混合物とは、エタノールを主成分とし、これに、水、酸、塩等を含む混合物をいう。エタノール混合物中のエタノール濃度は、70モル%以上、特に95モル%以上であることが好ましい。エタノールは、発酵法、直接水和法、硫酸法などのプロセスにおいて製造されたものを使用することができ、その製造方法に限定されない。
もう一方の原料となる炭素数2〜6のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレン(イソブテン)、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン、2−エチル−1−ブテン、又はこれらの混合物を挙げることができる。これらのオレフィンの中では、炭素数4〜6のイソオレフィンが好ましく、イソブチレンが最も好ましい。イソブチレンは、純粋なイソブチレンに限らず、イソブチレンを主成分とする限り、これに例えばプロパン、エタン、エチレン、イソブタン、n−ブタン、1−ブテン、ペンタン等の炭化水素を含むイソブチレン混合物も使用することができる。ただし、イソブチレン混合物のイソブチレン濃度が、15モル%以上であることが好ましい。イソブチレン及びイソブチレン混合物は、エチレンプラント、接触改質装置、接触分解装置等において生成したものを使用することができ、その製造方法に限定されない。上記のオレフィン類は、気体状態で反応に供することもできるが、液化したものを使用することによって、アルコールと均質に混合されるため、反応を迅速に進行させることができる。
触媒としては、固体酸触媒又は酸触媒が好ましい。固体酸触媒としては、活性白土、固体リン酸、ゼオライト、イオン交換樹脂(カチオン交換樹脂)等を挙げることができ、酸触媒としては、硫酸等の強酸を挙げることができる。これらの触媒の中でも、強酸性イオン交換樹脂は触媒回収が容易である点より好ましく、強酸性触媒として使用可能である触媒用の強酸性イオン交換樹脂を使用することができ、異種のものを複数組み合わせて使用することもできる。好ましい強酸性イオン交換樹脂の具体例としては、例えば、イオン交換基がスルフォン酸基(SOH)等の強酸基が導入された多孔質タイプ(MR形)のスチレン系樹脂で、触媒・非水溶液陽イオン交換樹脂として「アンバーリスト(Amberlyst)15JWET」、「アンバーリスト(Amberlyst)35WET」(登録商標)の商品名で、ローム・アンド・ハース(Roam and Hass)社から製造・販売されているものなどを挙げることができる。
また、固体酸触媒として、炭化物又は多環式芳香族炭化水素類を、濃硫酸あるいは発煙硫酸中で加熱処理することによって得られるカーボン系固体酸触媒を使用することもできる(バイオニクス3,2(2006)p34-38、特開2004−238311号公報参照)。加熱処理温度は、一般的に100〜450℃であり、好ましくは200〜350℃である。炭化物の原料としては、スクロース、グルコース等の糖類の1種又は2種以上の混合物を挙げることができ、これらの糖類を300〜500℃で熱分解し、濃硫酸あるいは発煙硫酸中で加熱処理する。多環式芳香族炭化水素類としては、ナフタレン、アントラセン、ペリレン、コロネン等の1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。
触媒使用量は、脂肪族アルコール1モルに対して、0.5〜90gの範囲で用いることができるが、通常1〜20g、好ましくは3〜9g、さらに好ましくは4〜9gである。触媒量が0.5g未満であると、反応が完結しなくなる。一方、90gを超えても触媒効果は頭打ちとなり、コスト高となる。
本発明の方法に従って、触媒存在下に、脂肪族アルコールとオレフィンとを反応させ、アルキルエーテルを製造するには、前記脂肪族アルコールのオレフィン1モルに対するモル比を、0.1〜20モルの範囲にすることが好ましく、特に0.5〜10モルの範囲が好ましく、最も好ましくは0.5〜1モルである。脂肪族アルコールが0.1モル未満であると、ジアルキルエーテルの副生が多くなる。一方、20モルを超えると、脂肪族アルコールが原料コストに占める割合が高くなり、アルキルエーテルの製造コストが高くなる。
反応温度は、40〜120℃である。反応は前記の温度範囲内であれば逐次進行するが、脂肪族アルコールの沸点近傍で実施するのが、アルキルエーテルへの転化率を高められる点より好ましい。
反応圧力は、常圧〜10MPaで行うことができるが、好ましくは常圧〜5MPa、特に好ましくは常圧〜1MPaである。反応圧力が低いと、気液混相反応となるためエーテル生成反応への活性が低下し、一方、高い反応圧力を実現するのは装置的な問題がある。
本発明の方法でアルキルエーテルを製造する場合、反応の形式には別段の制限はなく、固定床流通式、流動床式、バッチ式、その他任意の手段を採用することができる。
バッチ式の場合、マイクロ波照射装置内に設置された耐圧容器に、前記の量比で、脂肪族アルコールと気体もしくは液化したオレフィンと触媒とを入れて混合し、適宜攪拌しながら、これに必要に応じてベンゼン、シクロヘキサン等の溶媒を配合して混合物を調製した後、この耐圧容器にマイクロ波を照射して加熱し、脂肪族アルコールとオレフィンを反応させることが好ましい。なお、反応系には、脂肪族アルコールとオレフィンの他に、モレキュラーシーブ、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸カルシウム、酸無水物などの脱水剤が添加されていてもよい。
照射するマイクロ波の出力や周波数、照射方法は、特に限定されるものではなく、反応温度が所定の範囲に保持できるよう電気的に制御すればよい。出力が低すぎる場合はアルキルエーテルの転化率が低くなり、一方、出力が高すぎる場合はマイクロ波の利用率が悪くなったり、生成物や反応物の蒸発が起こり、効率が悪くなる。マイクロ波の周波数は、通常、1GHz〜300GHzである。1GHz未満又は300GHzを超える周波数範囲では、反応促進効果が不十分となる。
マイクロ波の照射は連続照射、間欠照射のいずれの方法であってもよい。照射時間及び照射停止時間は、アルキルエーテルの生成状況に応じて適宜に決定することができる。
マイクロ波発振器としては、マグネトロン等のマイクロ波発振器や、固体素子を用いたマイクロ波発振器等を適宜用いることができる
反応時間は特に限定されないが、通常、0.5〜10時間程度、好ましくは0.5〜4時間程度反応させるのが良い。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
マイクロ波照射装置内に設置された、74mL容のガラス製耐圧容器に、エタノール0.20モル(=2.7モル/L)、イソブチレン0.19モル(=2.5モル/L)、強酸性触媒として、「アンバーリスト(Amberlyst)15JWET」1.6g(=22g/L)を入れた。上記の混合液を、スターラーで攪拌しながら、2.45GHzのマイクロ波を照射して混合液の温度を60℃まで昇温させたあと、制御装置により反応温度を60℃以上に保持しながらマイクロ波を連続照射し、ETBEの合成反応を行った。反応時間は0.17時間とした。試験装置はCEM社製マイクロ波フォーカスドDiscover BenchMate合成システムを用いた。なお、耐圧容器は密閉して実験を行った。圧力は経時変化するが、最大で0.8MPa程度であった。
反応終了後、耐圧容器を開放し、サンプルガスおよびサンプル液を採取し、島津製作所製ガスクロマトグラフィー(GC)GC−2010AF/AOCで分析し、同定・定量した。
その結果、ETBEが0.051モル生成した。転化率は下記式により求めた。
転化率(%)=ETBE合成量(モル)/初期エタノール量(モル)×100
(実施例2)
反応時間を1時間、イソブチレン量2.3モル/Lとした以外は、実施例1と同様な方法によりETBEの合成反応を行った。
(実施例3)
反応時間を2時間、エタノール量6.8モル/L、イソブチレン量6.7モル/L、触媒54g/Lとした以外は、実施例1と同様な方法によりETBEの合成反応を行った。
(比較例1)
加熱手段をマイクロ波ではなく60℃の温浴を用い、イソブチレン量2.8モル/L、触媒21g/Lとした以外は、実施例1と同様な方法によりETBEの合成反応を行った。
(比較例2)
加熱手段をマイクロ波ではなく60℃の温浴を用い、反応時間1時間、イソブチレン量2.1モル/Lとした以外は、実施例1と同様な方法によりETBEの合成反応を行った。
(比較例3)
加熱手段をマイクロ波ではなく60℃の温浴を用い、反応時間1時間、イソブチレン量2.8モル/Lとした以外は、実施例1と同様な方法によりETBEの合成反応を行った。
(比較例4)
加熱手段をマイクロ波ではなく60℃の温浴を用い、反応時間3時間、エタノール量6.7モル/L、イソブチレン量4.8モル/L、触媒54g/Lとした以外は、実施例1と同様な方法によりETBEの合成反応を行った。
実施例および比較例の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2008133250
表1の結果から、マイクロ波照射した方が、温浴加熱に比べて短時間でETBEを合成できることがわかった。
また、図1は、マイクロ波加熱した場合と、温浴加熱した場合における、混合物の温度・圧力曲線を示している。図1から、マイクロ波の方が温浴に比べて温度上昇が速く、反応が速く進むことにより、圧力が下降すると思われた。
(実施例4)
実施例1の装置を使用し、実施例1の手順に従って、マイクロ波による加熱試験を行った。エタノール量、イソブチレン量、触媒量、反応時間、反応温度(全て3水準)等の因子を実験計画法によるL18直交表に割りつけ、18回の実験を行った。また、これと同条件で、比較例1と同様な手順で、温浴による加熱試験を行った。表2に各方式による必要電力量の平均値を示す。今回行った100mL規模の試験において、マイクロ波方式で必要電力量は温浴方式に比べて1/20と少なく、マイクロ波方式による省エネルギー効果があることが明らかになった。
Figure 2008133250
(実施例5)
実施例4の手順に従って、以下の要因をそれぞれ表3記載の範囲で変更し、マイクロ波による加熱試験を行った。
Figure 2008133250
(比較例4)
比較例1と同様な手順で、以下の要因をそれぞれ表3記載の範囲で変更し、温浴による加熱試験を行った。
実施例5および比較例4の結果を図2にまとめて示す。実線が実施例5(マイクロ波)、点線が比較例4(温浴)によるETBE生成量である。
図2の結果から、ETBEをより多く合成できる条件の傾向が分かった。エタノールは適量、触媒は適量で合成が進みやすい。反応時間は120分程度で飽和する。イソブチレン(IB)、反応温度は試験範囲内では大きい方が合成は進む。
(実施例6)
強酸性触媒として「アンバーリスト(Amberlyst)35WET」を用い、実施例1の手順に従って、要因をそれぞれ表4記載の範囲で変更し、マイクロ波による加熱試験を行った。試験は実験計画法L直交表に沿って行った。
「アンバーリスト(Amberlyst)35WET」は「アンバーリスト(Amberlyst)15JWET」に比べ操作温度と総交換容量を上げたものである。
操作温度 総交換容量
アンバーリスト35WET 130℃ ≧1.9eq/L湿潤樹脂(R−H)
≧5.2eq/kg
アンバーリスト15JWET 120℃ ≧1.7eq/L湿潤樹脂(R−H)
≧4.7eq/kg乾燥樹脂(R−H)
Figure 2008133250
(比較例5)
比較例1と同様な手順で、強酸性触媒として、「アンバーリスト(Amberlyst)35WET」を用い、以下の要因をそれぞれ表4記載の範囲で変更し、温浴による加熱試験を行った。
実施例6および比較例5の結果を図3にまとめて示す。図3の結果から、強酸性触媒は「アンバーリスト(Amberlyst)35WET」でも「アンバーリスト(Amberlyst)15JWET」とほぼ同様にETBEを合成できることがわかった。
(実施例7)
触媒として砂糖触媒を用いた以外は、実施例1の手順に従って、マイクロ波による加熱試験を行った。
砂糖触媒は以下のように作製した。糖類をスクロース:D−グルコース=1:9および9:1の割合で混合した。次に無酸素雰囲気で、3℃/分で300℃および400℃に昇温した後、15時間加熱し、黒色の炭化物を得た。この炭化物30gに発煙硫酸450mLを加え、150℃×15時間加熱したあと、過剰の硫酸をろ過によって除去し、黒色の固体粉末を得た。この固体粉末を初期はエタノール、その後純水で十分洗浄し、乾燥機で100℃×半日程度乾燥させ、砂糖触媒を得た。
実施例1の手順に従って、エタノール量2.7モル/L、イソブチレン量4モル/Lにおいて、砂糖触媒量を2.8〜54.1g/Lの範囲で変更し、マイクロ波による加熱試験を行った。実験結果を表5に示す。表5の結果から、砂糖触媒によってETBEを合成できることがわかった。
Figure 2008133250
(実施例8)
実施例1と同様の手順で、エタノール量2.7モル/L、イソブチレン量4モル/Lに水を2.7モル/L加えて試験を行った。触媒は「アンバーリスト(Amberlyst)15JWET」を21.7g/L用い、反応時間120min、設定温度75℃で行った。
(比較例6)
比較例1と同様の手順で、エタノール量2.7モル/L、イソブチレン量4モル/Lに水を1.4〜2.7モル/L加えて試験を行った。触媒は「アンバーリスト(Amberlyst)15JWET」を21.7g/L用い、反応時間120min、設定温度75℃で行った。
図4に実施例8の結果を示す。水はETBE生成を阻害し、初期に入れた水が多いほどETBE生成量が減るが、マイクロ波によってETBEは生成されることがわかった。
図5に実施例8、比較例6のターシャルブチルアルコール(TBA)生成量を示す。TBAは水が多いほど生成量が増えるが、マイクロ波のほうが温浴よりもTBA生成量が少ないことがわかる。これらの結果から、マイクロ波の方がTBAのような副生成物の生成が少ない可能性が示唆された。
本発明の製造方法で得られるアルキルエーテルは、低価格の含酸素燃料として単独で、または自動車ガソリンの添加剤として使用することができる。
マイクロ波と温浴の温度・圧力曲線を示す図である。 各因子によるETBE生成量を示す図である。 触媒「アンバーリスト(Amberlyst)35WET」を用いたときの、各因子によるETBE生成量を示す図である。 水を入れた場合のETBE生成量を示す図である。 水を入れた場合のTBA生成量を示す図である。

Claims (10)

  1. 炭素数1〜6の脂肪族アルコールと、炭素数2〜6のオレフィンとを反応させてアルキルエーテルを製造する方法において、前記アルコールとオレフィンを接触させ、触媒の存在下、マイクロ波により加熱することを特徴とするアルキルエーテルの製造方法。
  2. 炭素数1〜6の脂肪族アルコールと、炭素数2〜6のオレフィンと、触媒とを混合し、該混合物をマイクロ波により加熱する請求項1に記載のアルキルエーテルの製造方法。
  3. 前記アルコールとオレフィンのモル比が、0.1:1〜20:1である請求項1又は2に記載のアルキルエーテルの製造方法。
  4. 前記オレフィンが液化オレフィンである請求項1〜3のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
  5. 前記触媒として、固体酸触媒又は酸触媒を使用する請求項1〜4のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
  6. 前記アルコール1モルに対して、前記触媒を0.5〜90g使用する請求項1〜5のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
  7. 前記アルコールがメタノール又はエタノールで、前記オレフィンがイソブチレンである請求項1〜6のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
  8. 前記触媒として、強酸性イオン交換樹脂を使用する請求項1〜7のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
  9. 前記触媒として、炭化物又は多環式芳香族炭化水素類を、濃硫酸あるいは発煙硫酸中で加熱処理することによって得られる固体酸触媒を使用する請求項1〜7のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
  10. 反応温度が40〜120℃である請求項1〜9のいずれかに記載のアルキルエーテルの製造方法。
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