JP2008131056A - 撮像装置および撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大容量のメモリを用いることなく、画像合成を行うことが可能な撮像装置の技術を提供する。
【解決手段】撮像装置は、撮像素子15を移動させて撮像素子15によって平面内の異なる位置で取得される複数の画像のそれぞれにおいて、複数の画像のうちの取得済みの他の画像と重複しない非重複領域AR1,AR2,AR3を特定し、複数の画像のそれぞれを撮影するごとに、撮像素子15によって取得された撮影画像に関する非重複領域の画像データを第1の記憶部29に転送することによって、複数の画像の合成画像CI4を生成する。
【選択図】図7
【解決手段】撮像装置は、撮像素子15を移動させて撮像素子15によって平面内の異なる位置で取得される複数の画像のそれぞれにおいて、複数の画像のうちの取得済みの他の画像と重複しない非重複領域AR1,AR2,AR3を特定し、複数の画像のそれぞれを撮影するごとに、撮像素子15によって取得された撮影画像に関する非重複領域の画像データを第1の記憶部29に転送することによって、複数の画像の合成画像CI4を生成する。
【選択図】図7
Description
本発明は、合成画像を生成する撮像装置および撮像方法に関する。
近年、デジタル一眼レフカメラ(DSLR)が急速に普及している。デジタル一眼レフカメラでは、撮像素子を用いて被写体像を取得しているが、当該撮像素子はそのサイズが大きくなると高価になる。このため、普及価格帯のデジタル一眼レフカメラでは、APS−Cサイズ(16.7mm×23.4mm)と呼ばれる比較的サイズの小さな撮像素子が用いられていることが多い。
しかし、従来の銀塩フィルムカメラ用に開発されたレンズを、APS−Cサイズの撮像素子を採用したデジタル一眼レフカメラに用いた場合には、光学像の中心部分しか利用することができず、例えば、魚眼レンズなどではその効果を発揮することができない。
このため、安価な小サイズの撮像素子を採用した撮像装置において、光軸をシフトさせながら、撮影する被写体の範囲を変えて複数枚の画像を撮影し、後からそれらを合成することによって、大きなサイズの撮像素子を使用した場合と同様な撮影画像を取得可能な撮像装置が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、上記特許文献1においては、画像の合成処理において、撮影された複数枚の画像それぞれを記憶するためのメモリと画像合成用のメモリとを用いているため、画像合成のために大容量のメモリを必要としている。
そこで、本発明は、大容量のメモリを用いることなく、画像の合成を実行することが可能な撮像装置および撮像方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その第1の側面は、撮像素子により取得される画像データを合成し合成画像を生成する撮像装置であって、前記合成画像の生成に用いられる第1の記憶部と、撮影光学系の光軸に垂直な平面内で前記撮像素子を移動させる移動手段と、前記画像データを前記第1の記憶部に転送する画像データ転送手段と、前記撮像素子によって前記平面内の異なる位置で取得される複数の画像のそれぞれにおいて、前記複数の画像のうちの取得済みの他の画像と重複しない非重複領域を特定する非重複領域特定手段と、前記複数の画像のそれぞれを撮影するごとに、前記撮像素子によって取得された撮影画像に関する非重複領域の画像データを前記第1の記憶部に転送することによって、前記複数の画像の合成画像を生成する画像データ転送手段とを備えることを特徴とする撮像装置である。
また、本発明の第2の側面は、撮像素子により取得される画像データを合成し、合成画像を生成する撮像方法であって、a)撮影光学系の光軸に垂直な平面内で前記撮像素子を移動させて、前記平面内の異なる位置で前記撮像素子による複数の画像を取得する工程と、b)前記複数の画像のそれぞれについて、取得済みの他の画像と重複しない非重複領域を特定する工程と、c)前記複数の画像のそれぞれを撮影するごとに、前記撮像素子によって取得された撮影画像に関する非重複領域の画像データを、前記合成画像の生成に用いられる第1の記憶部に転送することによって、前記複数の画像の合成画像を生成する工程とを備えることを特徴とする撮像方法である。
本発明によれば、撮像素子を移動させて撮像素子によって平面内の異なる位置で取得される複数の画像のそれぞれにおいて、複数の画像のうちの取得済みの他の画像と重複しない非重複領域を特定し、複数の画像のそれぞれを撮影するごとに、撮像素子によって取得された撮影画像に関する非重複領域の画像データを第1の記憶部に転送することによって、複数の画像の合成画像を生成するので、合成画像の生成に必要なメモリ量を削減することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.構成>
<1−1−1.外観構成>
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aの外観構成を示す図である。ここで、図1は、撮像装置1Aの正面外観図であり、図2は、撮像装置1Aの背面外観図である。この撮像装置1Aは、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルカメラとして構成されている。
<1−1.構成>
<1−1−1.外観構成>
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aの外観構成を示す図である。ここで、図1は、撮像装置1Aの正面外観図であり、図2は、撮像装置1Aの背面外観図である。この撮像装置1Aは、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルカメラとして構成されている。
図1に示すように、撮像装置1Aは、カメラ本体部(カメラボディ)2を備えている。このカメラ本体部2に対して、交換式の撮影レンズユニット(交換レンズ)3が着脱可能である。
撮影レンズユニット3は、主として、鏡胴36、ならびに、鏡胴36の内部に設けられるレンズ群37(図3参照)及び絞り等によって構成される。レンズ群37には、光軸方向に移動することによって焦点位置を変更するフォーカスレンズ等が含まれている。
カメラ本体部2は、撮影レンズユニット3が装着される円環状のマウント部Mtを正面略中央に備え、撮影レンズユニット3を着脱するための着脱ボタン89を円環状のマウント部Mt付近に備えている。
また、カメラ本体部2は、その正面左上部にモード設定ダイアル82を備え、その正面右上部に制御値設定ダイアル86を備えている。モード設定ダイアル82を操作することによって、カメラの各種モード(各種撮影モード(人物撮影モード、風景撮影モード、連続撮影モード、および撮影範囲拡大モード等)、撮影した画像を再生する再生モード、および外部機器との間でデータ交信を行う通信モード等を含む)の設定動作(切替動作)を行うことが可能である。また、制御値設定ダイアル86を操作することによれば、各種撮影モードにおける制御値を設定することが可能である。
また、カメラ本体部2は、正面左端部に撮影者が把持するためのグリップ部14を備えている。グリップ部14の上面には露光開始を指示するためのレリーズボタン11が設けられている。グリップ部14の内部には電池収納室とカード収納室とが設けられている。電池収納室にはカメラの電源として、例えば4本の単3形乾電池が収納されており、カード収納室には撮影画像の画像データを記録するためのメモリカード90(図4参照)が着脱可能に収納されるようになっている。
レリーズボタン11は、半押し状態(S1状態)と全押し状態(S2状態)の2つの状態を検出可能な2段階検出ボタンである。レリーズボタン11が半押しされS1状態になると、被写体に関する記録用静止画像(本撮影画像)を取得するための準備動作(例えば、AF制御動作およびAE制御動作等)が行われる。また、レリーズボタン11がさらに押し込まれてS2状態になると、当該本撮影画像の撮影動作(撮像素子15(後述)を用いて被写体像に関する露光動作を行い、その露光動作によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す一連の動作)が行われる。
図2において、カメラ本体部2の背面略中央上部には、光学ファインダ10が設けられている。光学ファインダ10には、撮影レンズユニット3からの被写体像が導かれる。撮影者は、光学ファインダ10を覗くことによって、被写体を視認することができる。より具体的には、撮影レンズユニット3を通過してきた被写体像を、ミラー機構103(図3参照)で上方に反射させ、ペンタプリズムを通した像を接眼レンズを介して見ることで、被写体像を視認することができる。このように、光学ファインダ10を用いて構図決めを行うことが可能である。なお、本撮影画像の撮影時においては、ミラー機構103は被写体像の光路から待避し、撮影レンズユニット3からの光がシャッタユニット40の開放タイミングに合わせて撮像素子15に到達し、被写体に係る撮影画像(画像データ)が得られる。
カメラ本体部2の背面の略中央には、背面モニタ12が設けられている。背面モニタ12は、例えばカラー液晶ディスプレイ(LCD)として構成される。背面モニタ12は、撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示したり、再生モードにおいてメモリカード90に記録された撮影画像を再生表示したりすることができる。
背面モニタ12の左上部にはメインスイッチ81が設けられている。メインスイッチ81は2点スライドスイッチからなり、接点を左方の「OFF」位置に設定すると、電源がオフになり、接点の右方の「ON」位置に設定すると、電源がオンになる。
背面モニタ12の右側には方向選択キー84が設けられている。この方向選択キー84は円形の操作ボタンを有し、この操作ボタンにおける上下左右の4方向の押圧操作と、右上、左上、右下及び左下の4方向の押圧操作とが、それぞれ検出されるようになっている。なお、方向選択キー84は、上記8方向の押圧操作とは別に、中央部のプッシュボタンの押圧操作も検出されるようになっている。
背面モニタ12の左側には、メニュー画面の設定、画像の削除などを行うための複数のボタンからなる設定ボタン群83が設けられている。
<1−1−2.内部構成>
次に、撮像装置1Aの内部構成について説明する。図3は、撮像装置1Aの縦断面図である。図3に示すように、撮像装置1Aの内部には、撮像素子15、ファインダ部102(ファインダ光学系)、ミラー機構103、焦点検出部107、ブレ補正ユニット200及びシャッタユニット40などが備えられている。
次に、撮像装置1Aの内部構成について説明する。図3は、撮像装置1Aの縦断面図である。図3に示すように、撮像装置1Aの内部には、撮像素子15、ファインダ部102(ファインダ光学系)、ミラー機構103、焦点検出部107、ブレ補正ユニット200及びシャッタユニット40などが備えられている。
撮像素子(撮像センサ)15(15a)は、撮像装置1Aに交換レンズ2が装着された場合の当該交換レンズ2が備えているレンズ群37の光軸L上において、光軸Lに対して垂直な平面内に配置されている。撮像素子15aとしては、例えばフォトダイオードを有して構成される複数の画素がマトリクス状に2次元配置され、各画素の受光面に、それぞれ分光特性の異なる例えばR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタが1:2:1の比率で配設されてなるベイヤー配列のCMOSカラーエリアセンサ(単に、「CMOS」とも称する)が用いられる。撮像素子15aは、レンズ群37により結像された被写体の光像をR(赤)、G(緑)、B(青)各色成分のアナログの電気信号(画像信号)に変換し、R、G、B各色の画像信号として出力する。
上記の光軸L上において、被写体光をファインダ部102へ向けて反射される位置には、ミラー機構103(反射板)が配置されている。交換レンズ2を通過した被写体光は、ミラー機構103(後述の主ミラー1031)によって上方へ反射され、焦点板104(ピントグラス)に結像される。交換レンズ2を通過した被写体光の一部はこのミラー機構103を透過する。
ファインダ部102は、ペンタプリズム105と接眼レンズ106と光学ファインダ10とを備えている。ペンタプリズム105は、断面5角形を呈し、その下面から入射された被写体像を内部での反射によって当該光像の天地左右を入れ替えて正立像にするためのプリズムである。接眼レンズ106は、ペンタプリズム105により正立像にされた被写体像を光学ファインダ10の外側に導く。このような構成により、ファインダ部102は、撮影待機時において被写界を確認するための光学ファインダとして機能する。
ミラー機構103は、主ミラー1031及びサブミラー1032から構成されており、主ミラー1031の背面側において、サブミラー1032が主ミラー1031の背面に向けて倒れるように回動可能に設けられている。主ミラー1031を透過した被写体光の一部はサブミラー1032によって反射され、この反射された被写体光は焦点検出部107に入射される。
上記のミラー機構103は、所謂クイックリターンミラーとして構成されており、露光時には回転軸1033を回動支点として矢印Aに示す上方に向けて跳ね上がり、焦点板104の下方位置で停止する。この際、サブミラー1032は、主ミラー1031の背面に対して矢印Bで示す方向に回転軸1034を支点として回動し、上記のミラー機構103が焦点板104の下方位置で停止したときには、主ミラー1031と略平行となるように折り畳まれた状態となる。これにより、交換レンズ2からの被写体光がミラー機構103によって遮られることなく撮像素子15a上に届き、当該撮像素子15aが露光される。露光が終了すると、ミラー機構103は元の位置(図3に示す位置)に復帰する。
焦点検出部107は、被写体のピント情報を検出する測距素子等からなる所謂AFセンサとして構成されている。この焦点検出部107は、ミラー機構103の底部に配設されており、例えば周知の位相差検出方式により合焦位置を検出する。
撮像素子15aは、ブレ補正ユニット200にて光軸Lと直交する平面において二次元的に移動可能に保持されている。また、撮像素子15aの光軸方向直前には、赤外線の入射を防止するための(IRカット用の)及び疑似カラーや色モアレの発生を防止するためのローパスフィルタ108が配置されており、さらにローパスフィルタ108の直前には、シャッタユニット40が配置されている。このシャッタユニット40は、上下方向に移動する幕体を備え、光軸Lに沿って撮像素子15aに導かれる被写体光の光路開口動作及び光路遮断動作を行うメカニカルフォーカルプレーンシャッタである。
撮像装置1Aの上記各部は、例えば鉄などの金属材料からなるシャーシによって互いに連結(固定)されている。本実施形態では上記のシャーシが、前面シャーシ(図示省略)、側面シャーシ183及び底面シャーシ184から構成されてなる例を示している。これらのシャーシは、上述した撮像装置1A内の各部品を支持する支持材としての役目を果たす。そして、シャーシ同士がビスにより固定され、さらにはシャーシの連結構造体と枠体120とがビスにより固定されることで、これらの部材が一体構造物化されているものである。なお、底面シャーシ184には、上述した三脚取付部185が設けられている。
<1−1−3.電気的構成>
次に、撮像装置1Aの電気的構成について説明する。図4は、撮像装置1Aの機能ブロック図である。
次に、撮像装置1Aの電気的構成について説明する。図4は、撮像装置1Aの機能ブロック図である。
図4に示されるように、撮像素子15a、ブレ補正ユニット200、撮像素子位置センサ58、ブレ検出センサ60、レリーズボタン11、操作部80、背面モニタ12、およびフラッシュ回路441等の撮像装置1Aの各処理部は全体制御部500に電気的に接続され、全体制御部500によって動作制御される。
交換レンズ2は、ズーム・フォーカス駆動部371および絞り駆動部331を備えている。ズーム・フォーカス駆動部371は、ユーザにより設定される焦点距離となるように、また、焦点が合うように(フォーカシング)レンズ群37に含まれるレンズを適宜光軸方向に駆動するものである。また、絞り駆動部331は、全体制御部500により設定される絞り値となるように絞り33の開口径を調整するものである。ズーム・フォーカス駆動部371および絞り駆動部331も電気的に全体制御部500に接続され、全体制御部500の制御下にて動作する。
シャッタユニット40は、上述したように上下方向に移動する幕体を備えたフォーカルプレーンシャッタである。撮影動作時には、幕体が駆動して、シャッタユニット40が開放状態となる。このとき、幕体が機械的に駆動するスイッチ(メカスイッチ)MSに作用することで、全体制御部500に対して信号を発する。フラッシュ撮影時には、メカスイッチMSからの信号に応答して、全体制御部500がフラッシュ回路441を介して内蔵フラッシュ8を発光させる。
また、図4において、A/D変換部26、画像処理部27、画像データ転送部28および画像メモリ29は、撮像素子15aにて取得された画像を扱う処理部を示している。すなわち、撮像素子15aにて取得されたアナログの画像信号は、A/D変換部26にてデジタル信号に変換され、画像処理部27にて所定の画像処理がなされた後、画像データ転送部28を介して画像メモリ29に格納される。画像メモリ29に格納された画像は、記録用画像としてメモリカード90へ記録されることとなる。
このような撮像素子15aにより取得された画像に対する各種の処理も全体制御部500の制御に基づいて行われる。なお、画像メモリ29は、撮像素子15aにより取得された画像1枚分の画像データを格納可能な容量(記憶容量)を有するだけでなく、撮像素子15aにより取得される複数枚の画像に基づいて生成される合成画像の画像データを格納可能な容量を有している。
フラッシュ回路441は、内蔵フラッシュ8の発光を制御するための回路であり、全体制御部500からの信号に基づいて、フラッシュ回路441により、内蔵フラッシュ8の発光タイミングおよび発光時間(発光量)が調整される。
測光部410は、例えば、撮像素子15aの近傍に設置され、交換レンズ2を介して撮像素子15aに向けて入射される光を受光することで、被写体の輝度を検出するものである。この測光部410で検出された被写体の輝度を示す信号(輝度情報)は、全体制御部500に送信される。
操作部80は、メインスイッチ81、モード設定ダイアル82等を含むものである。
全体制御部500は、マイクロコンピュータを備えて構成される。具体的には、全体制御部500は、各種演算処理を行うCPU70と、演算を行うための作業領域となるRAM75と、制御プログラム等が記憶されるROM76とを備え、上述したような撮像装置1Aの各処理部の動作を統括的に制御する。ROM76としては、例えば、データの追記が可能なEEPROMが採用される。これにより、ROM76は、データの追記が可能で、かつ、電源を落とした場合でもそのデータの内容を保持する。
全体制御部500の各種の機能は、予めROM76内に記憶される制御プログラムに従ってCPU70が演算処理を行うことにより実現される。図4において、AF/AE制御部71、撮像素子制御部72、ブレ補正制御部73、および非重複領域演算部74は、制御プログラムに従ってCPU70が演算処理を行うことにより実現される機能の一部を模式的に示している。
AF/AE制御部71は、自動焦点制御(AF)及び自動露出制御(AE)のために必要な動作制御を行う。すなわち、AFのために、上述した焦点検出部(位相差AFモジュール)107の出力信号を用いて位相差検出方式による合焦制御を行う。また、AEのために、図示省略の測光部410で検出された被写体の輝度情報等に基づいて、当該被写体における適正な露出量(シャッタ速度等を含む)を求める演算を行う。
撮像素子制御部72は、撮像素子15aによる画像信号の読み出し処理を制御する。具体的には、撮像素子制御部72に備えられたタイミングジェネレータによって撮像素子15aへ駆動制御信号を出力し、被写体像を所定時間だけ露光させて画像信号に変換させ、当該画像信号をA/D変換部26に出力させる。また、撮像素子制御部72は、撮像素子15a内の一部領域のみから画像信号の読み出しを行う部分読み出し処理をも制御する。
ブレ補正制御部73は、手ブレ補正機能のための制御を行う。具体的には、ブレ補正制御部73は、ブレ検出センサ60から入力される2つの角速度に基づいて、振動による被写体像のブレ量およびその向きに対応する撮像素子15aの移動すべき位置(以下、「移動先位置」という。)を導出する。
さらにブレ補正制御部73は、撮像素子位置センサ58から得られる撮像素子15aの現状位置と、導出した移動先位置とを比較して撮像素子15aの移動すべき移動量および向きを導出する。さらに、導出した移動量および向きに応じた駆動パルスを生成し、この駆動パルスをブレ補正ユニット200のピッチ方向アクチュエータ204とヨー方向アクチュエータ205とに送信することにより、撮像素子15aを移動先位置に移動させる。このように、撮像装置1Aの振動に応じた移動先位置を導出し、撮像素子15aの現状位置と移動先位置とを比較して撮像素子15aの位置を移動先位置に順次移動させるクローズドループ制御が行われることにより、画像中の被写体像のブレが補正される。
また、ブレ補正制御部73は、モード設定ダイアル82によって撮影範囲拡大モードが選択された場合には、撮像素子15aを移動させて撮影範囲の変更を行うことによって、撮像素子15aよりも大きな面積を有する被写体像に関する画像データの取得を可能にさせる。詳細は、後述する。
非重複領域演算部74は、撮像素子15aを移動させて撮影範囲の変更を行い、新たに撮影可能となった領域において、未だに画像データが取得されていない領域(非重複領域)の特定を撮像素子15aの移動量に基づいて行う。
<1−1−4.ブレ補正ユニット>
次に、ブレ補正ユニット200について説明する。図5は、ブレ補正制御部73の機能ブロック図を含むブレ補正機構の概略図である。
次に、ブレ補正ユニット200について説明する。図5は、ブレ補正制御部73の機能ブロック図を含むブレ補正機構の概略図である。
図5に示されるように、ブレ補正ユニット200は、撮像素子ホルダ201とスライダ202と振れ台板203と、ピッチ方向アクチュエータ204と、ヨー方向アクチュエータ205とを備えて構成されている。
撮像素子ホルダ201は、撮像素子15aとローパスフィルタ108とを保持する移動基板である。
振れ台板203は、撮像素子ホルダ201が保持された状態のスライダ202を保持するためのブレ補正ユニット200における所謂基台をなすものである。
そして、撮像素子ホルダ201の上下方向における一端辺部に設けられたヨー方向アクチュエータ205の駆動に応じて、振れ台板203に対して左右方向にスライダ202と撮像素子ホルダ201とが一体的にスライド移動することで撮像素子15aのヨー(Y)方向の振れが補正される。また、撮像素子ホルダ201の左右方向における一端辺部に設けられたピッチ方向アクチュエータ204の駆動に応じて、スライダ202に対して撮像素子ホルダ201が上下方向にスライド移動することで撮像素子15aのピッチ(P)方向の振れが補正される。
また、撮像素子位置センサ58は、磁石58aと4つのホール素子58bとによって構成され、ヨー方向およびピッチ方向に移動された撮像素子15aの位置を検出する。
ブレ補正制御部73は、ブレ検出部731と係数変換部732と位置検出処理部733と駆動制御部734とシーケンスコントロール部735と駆動パルス発生部736とを有している。
ブレ検出部731は、ピッチ方向ジャイロ60aとヨー方向ジャイロ60bとから入力される角速度信号に基づいて、撮像装置1Aのヨー方向およびピッチ方向のブレ量をそれぞれ算出する。
係数変換部732は、ブレ検出部731によって算出された各方向のブレ量を、撮像素子15aの各方向の移動量に変換する。
位置検出処理部733は、撮像素子位置センサ58を構成するホール素子58bの出力電圧を検出し、撮像素子15aの位置を算出する。
駆動制御部734は、撮像素子15aの位置情報と撮像素子15aの各方向の移動量とに基づいて、駆動信号を出力する。当該駆動信号は、ピッチ方向アクチュエータ204とヨー方向アクチュエータ205とを実際に駆動する駆動パルスを発生させる駆動パルス発生部736に入力される。
シーケンスコントロール部735は、レリーズボタン11の押下を検出すると、係数変換部732と位置検出処理部733と駆動制御部734とによる上記各動作を制御し、ブレ補正ユニット200によるブレ補正動作を実行させる。
<1−2.動作>
次に、モード設定ダイアル82によって撮影範囲拡大モードが選択された場合の撮像装置1Aの動作について説明する。図6は、撮像装置1Aの背面から見た場合の撮像面における被写体像GIと、合成画像CIとを示す図である。図7は、撮像素子15aの移動と画像メモリ29に転送される領域とを示す図である。
次に、モード設定ダイアル82によって撮影範囲拡大モードが選択された場合の撮像装置1Aの動作について説明する。図6は、撮像装置1Aの背面から見た場合の撮像面における被写体像GIと、合成画像CIとを示す図である。図7は、撮像素子15aの移動と画像メモリ29に転送される領域とを示す図である。
撮影範囲拡大モードでは、図6に示されるような撮像素子15aよりも大きな面積を有する領域RGに結像する被写体像GIを当該撮像素子15aを用いて撮影し、所望の画像(合成画像)CIを取得することが可能となる。
具体的には、撮像装置1Aは、撮影範囲拡大モードにおいてレリーズボタン11のS2状態が検出されたときに、ブレ補正ユニット200を制御して撮像素子15aをレンズ37の光軸に対して垂直な平面内の異なる位置(ここでは、4つの位置)に順次に移動させて撮影範囲を変更し、撮影可能領域を拡大する。そして、撮像装置1Aは、各位置における画像データをそれぞれ取得し、各画像データを用いて画像合成を行う。
より詳細には、図7に示されるように、1回目の露光の際には、撮像素子15aが撮像装置1A背面から見て右下に移動され、台形の物体が存在する領域の撮影が行われる。そして、当該撮影によって取得された画像データが画像メモリ29に転送される。これにより、画像CI1が生成される。
2回目の露光の際には、撮像素子15aは撮像装置1A背面から見て右上に移動され、画像データの取得が行われる。当該画像データの取得は、2回目の露光による撮影画像全体のうち1回目の露光によって取得された画像CI1と重複しない非重複領域AR1(ここでは、円弧形の物体が存在する横線領域)について実行され、当該非重複領域AR1の画像データが画像メモリ29に転送される。これにより、合成画像CI2が生成される。
3回目の露光の際には、撮像素子15aは撮像装置1A背面から見て左上に移動され、画像データの取得が行われる。当該画像データの取得は、3回目の露光による撮影画像全体のうち1回目の露光と2回目の露光とによって取得された合成画像CI2と重複しない非重複領域AR2(ここでは、三角形の物体が存在する横線領域)について実行され、当該非重複領域AR2の画像データが画像メモリ29に転送される。これにより、合成画像CI3が生成される。
4回目の露光の際には、撮像素子15aは撮像装置1A背面から見て左下に移動され、4回目の露光による撮影画像全体のうち1回目の露光と2回目の露光と3回目の露光とによって取得された合成画像CI3と重複しない非重複領域AR3(ここでは、ハート形の物体が存在する横線領域)について画像データの取得が行われる。そして、当該非重複領域AR3の画像データが画像メモリ29に転送される。これにより、画像メモリ29に格納された合成画像CI4は、所望の画像として取得される。
このように、撮像装置1Aにおいては、撮像素子15aを移動させて撮影範囲を変更し、取得された画像データを合成することによって、撮像素子15aよりも大きな面積を有する領域RGに結像する被写体像GIについての画像を取得することができる。
ここで、非重複領域の画像データの取得と当該画像データの転送について説明する。
非重複領域の特定は、撮像素子15aの移動量MVj(図7参照)に基づいて、全体制御部500の非重複領域演算部74において実行される。非重複領域演算部74は、撮像素子15aの移動によって撮影可能となった全領域(図中において黒枠で囲まれた領域)のうち、未だに画像データが取得されていない領域(取得済みの他の画像データと重複しない領域)を非重複領域として特定する。
具体的には、撮像装置1Aのブレが存在しないものと仮定すると、撮像素子15aの移動によって撮影可能となった全領域の画像と、移動前に撮影可能な領域の画像とのズレ量は、撮像素子15aの移動量MVjに等しいことから、既に取得された撮影領域から当該移動によって拡大された撮影領域は、撮像素子15aの移動量MVjに基づいて特定される。
例えば、図7(b)に示されるように、撮像素子15aをY方向に移動量MVa分移動させた場合には、当該移動によって撮像素子15aの上辺UHが移動した領域(横線ハッチング)を非重複領域として特定する。そして、撮像素子15aにおいて当該非重複領域に対応する各画素を決定する。
次に、撮像素子制御部72によって、非重複領域に対応する各画素に対して、画像信号の読み出し処理が実行される。なお、本実施形態において撮像素子15aとして採用するCMOSは、画像信号の読み出しを画素ごとに実行可能であるため、撮像素子15a内の特定領域についての画像信号のみを読み出す処理(部分読み出し処理)は、容易に実行することが可能である。
このように、2回目以降の露光においては、撮像素子15aにより取得される画像全体のうちの一部領域である非重複領域についてのみ読み出し処理を実行するので、撮像素子15aからの画像信号の取得を高速化することが可能となる。
次に、非重複領域の画像データの転送手法について説明する。図8は、画像メモリ29における画像データの格納状態を示す図である。なお、図8においては、1回目の露光により取得される画像データTR1およびこれに関連する情報を砂地ハッチングで表し、2回目の露光により取得される画像データTR2およびこれに関連する情報を縦線ハッチングで表し、3回目の露光により取得される画像データTR3およびこれに関連する情報を斜線ハッチングで表している。また、図中の画像メモリ29は、画像データが格納されている様子を概念的に表すものであり、画像CIは、画像メモリ29に格納された画像データに基づいて表現される合成画像を表している。また、画像(合成画像)CIにおけるラインLN1,LN2,LN3,LNa,LNbは、画像を構成する水平方向の画素列を表し、ここでは、簡単化して記載している。
上述のように、撮像素子15aにて取得されたアナログの画像信号は、A/D変換部26にてデジタル信号に変換され、画像処理部27にて所定の画像処理がなされた後、画像データ転送部28に入力される。
画像データ転送部28は、全体制御部500において決定された画像データの格納先に基づいて、入力された画像データの画像メモリ29における格納先を設定し、画像メモリ29に転送する。
また、全体制御部において決定される画像データの格納先は、画像メモリ29において合成画像が生成されるように設定される。具体的には、画像データの格納先は、画像メモリ29に格納された画像データを画像として現した場合に、合成画像を構成するような格納先に設定される。
より詳細には、画像メモリ29において合成画像の1ライン毎に、画像データの格納先が規定されている場合には、画像データ転送部に入力された画像データは、対応する格納先に1ライン毎に分けて転送される。
例えば、合成画像CIのラインLN1,LN2,LN3に対応する格納先は、それぞれ格納領域KM1,KM2,KM3として規定されていた場合は、1回目の露光により取得された領域(砂地ハッチング)の画像データTR1においてラインLN1,LN2,LN3,LNaに対応する画像データは、それぞれ格納領域KM1,KM2,KM3,KMaの上段部分(砂地ハッチング)に転送され格納される。
また、2回目の露光により取得された非重複領域(縦線ハッチング)の画像データTR2においてラインLNbに対応する画像データは、画像メモリ29においてラインLNbに対応する格納領域KMbの上段部分(縦線ハッチング)に転送され格納される。
そして、3回目の露光により取得された非重複領域(斜線ハッチング)の画像データTR3においてラインLN3,LNa,LNbに対応する画像データは、それぞれ格納領域KM3,KMa,KMbの下段部分に転送され格納される。
このように、撮像素子15aを同一平面内で移動させて異なる位置で4枚の画像のそれぞれを撮影するごとに、撮像素子によって取得された撮影画像に関する非重複領域の画像データを撮像素子15aから画像メモリ29へと他の記憶部を介することなく転送(直接転送)することによれば、合成画像の生成に必要なメモリ量を削減することができる。より詳細には、例えば、4回の撮影によって取得された4枚分の画像データをそれぞれ一旦画像合成用のメモリ以外の別個のメモリに格納し、さらに画像合成用のメモリを用いて合成画像を生成する場合に比べて、4枚分の画像データに相当する記憶容量のメモリを削減することが可能となる。
以上のように、撮像装置1Aは、撮像素子15を移動させて撮影範囲を変更し、当該撮像素子15によって平面内の異なる位置で取得される複数の画像のそれぞれにおいて、複数の画像のうちの取得済みの他の画像と重複しない非重複領域を特定し、複数の画像のそれぞれを撮影するごとに、撮像素子15によって取得された撮影画像に関する非重複領域の画像データを画像メモリ29に転送することによって、複数の画像の合成画像を生成するので、合成画像の生成に必要なメモリ量を削減することが可能になる。
また、撮影範囲を変更させる手法としては、本実施形態のように撮像素子15を移動させる手法の他に、レンズを移動させることによってレンズの光軸をシフトさせる手法が存在する。しかしながら、撮影範囲を変更させる手法としてレンズの光軸をシフトさせる手法を採用した場合には、生成される合成画像が不自然になるという問題がある。
具体的には、糸巻き型の歪曲収差があるレンズを用いて、2枚の画像を撮影して、合成画像を生成する場合を想定して説明する。図9は、レンズの光軸をシフトさせる手法を採用した場合に生成される合成画像を示す図であり、図10は、撮像素子15を移動させる手法を採用した場合に生成される合成画像を示す図である。
図9に示されるように、長方形の被写体HTをレンズLNを移動させて光軸Lをシフトさせることにより、撮像素子15を用いて2回に分けて撮影すると、画像GP1,GP2が取得される。
ここで、糸巻き型の歪曲収差があるレンズLNを用いて撮影を行うと、レンズの光軸中心において最も凹んだ画像が取得される。このため、画像GP1,GP2における被写体HT1,HT2は、それぞれ矢印PQ1,PQ2において最も凹んだ状態になる。
したがって、これらの画像GP1,GP2を合成させると、矢印PQ3,PQ4において被写体が凹み、接合部分(つなぎ目)SGにおいて不自然で異常な画像CIaが合成画像として取得される。
一方、撮像素子15を移動させて長方形の被写体HTを撮影した場合に取得される2枚の画像GP3,GP4は、レンズの光軸Lが移動しないため図10のようになる。
したがって、これらの画像GP3,GP4を合成させると、接合部分SGにおいて自然な画像CIbが合成画像として取得され、当該合成画像は、大きなサイズの撮像素子を用いて撮影した場合と同じ画像となる。
また、周辺減光が大きいレンズまたは周辺解像力が悪いレンズなどにおいても、同様の現象が生じる。
このように、撮影範囲を変更させる手法として、レンズの光軸をシフトさせる手法を採用した場合には、生成される合成画像が不自然な画像となる。一方、上述のように、撮像素子15を移動させる手法を採用した場合には、自然な画像を取得することが可能となる。つまり、撮影範囲を変更させる手法としては、レンズの光軸をシフトさせる手法よりも撮像素子15を移動させる手法の方が有効であると言える。
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、撮像素子15(15b)として、CCD(Charge Coupled Device)を採用する場合について説明する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、撮像素子15(15b)として、CCD(Charge Coupled Device)を採用する場合について説明する。
<構成>
第2実施形態に係る撮像装置1Bは、撮像素子15bとしてCCDが用いられる点以外は、撮像装置1Aと同様の構成を有しており、以下では相違する部分を中心に説明する。
第2実施形態に係る撮像装置1Bは、撮像素子15bとしてCCDが用いられる点以外は、撮像装置1Aと同様の構成を有しており、以下では相違する部分を中心に説明する。
<読み出し処理>
以下では、撮像装置1Bにおける撮像素子(CCD)15bからの画像信号の読み出し処理について説明する。図11は、CCD15bの内部構成を示す図である。なお、図11では、撮像装置1Bの正面から見た場合のCCD15bの内部構成が簡単化されて表現されている。
以下では、撮像装置1Bにおける撮像素子(CCD)15bからの画像信号の読み出し処理について説明する。図11は、CCD15bの内部構成を示す図である。なお、図11では、撮像装置1Bの正面から見た場合のCCD15bの内部構成が簡単化されて表現されている。
図11に示されるように、本実施形態で用いられるCCD15bは、フォトダイオードを有して構成される画素RHと、画像信号を水平方向に転送する水平転送路HCiと、取得された画像信号を増幅させる信号増幅器EMとを有している。CCD15bでは、一定時間の受光により各画素RHに蓄積された画像信号が、水平方向の1ラインごとに水平転送路HCiを用いて信号増幅器EMにそれぞれ転送される。
撮像装置1Bにおいては、撮像装置1Aと同様に、撮像素子15b内の一部領域のみから、画像信号の読み出しを行う部分読み出し処理が実行される。
例えば、図7(b)の非重複領域AR1に対応する領域(図11において点線により囲まれる領域)の画像信号を取得する場合には、撮像素子制御部72から領域AR1の画像信号を取得する旨の制御信号が出力され、領域AR1に含まれる水平ラインの各画素の画像信号が、当該領域AR1の水平転送路HC1,HC2を用いて取得される。一方、領域AR1以外の他の領域に対しては、画像信号を廃棄する旨の制御信号(高速読出指令信号)が出力され、他の領域における水平転送路HCiを用いて画像信号の廃棄処理が高速に行われる。
また、図7(d)の非重複領域AR3に対応する領域(図11において一点鎖線により囲まれる領域)の画像信号を取得する場合には、撮像素子制御部72から領域AR3の画像信号を取得する旨の制御信号が出力され、領域AR3における水平転送路HC51,HC52,HC53により画像信号の転送が開始される。そして、当該領域AR3の画像信号の転送が終了すると、転送の打ち切り処理が行われ、水平転送路HC51,52,53に残っている画像信号の廃棄処理が高速に行われる。一方、領域AR3以外の他の領域に対しては、高速読出指令信号が出力され、他の領域における水平転送路HCiを用いて画像信号の廃棄処理が高速に行われる。
このように、撮像素子としてCCDを用いた場合にも、画像信号の部分読み出し処理を実行することが可能である。
これによれば、撮影範囲拡大モードにおける2回目以降の露光においては、撮像素子15bにより取得される画像全体のうちの一部領域である非重複領域についてのみ読み出し処理を実行することが可能になるので、撮像素子15bからの画像信号の読み出し処理を高速化することが可能となる。
また、撮像素子15としてCCD15bを用いる場合には、画像信号の読み出し側(画像信号の出力側)に非重複領域が生じるように、撮像素子15bを移動させて撮影範囲を変更させることが好ましい。これによれば、転送路を用いた画像信号の転送開始と同時に非重複領域からの画像信号の読み出しが可能となり、非重複領域の画像信号の読み出しが速くなる。
<3.第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態における撮像装置1Cは、テンポラリメモリTM1を新たに備え、当該テンポラリメモリTM1に撮像素子15によって取得される画像データを一旦格納する。そして、撮像装置1Cは、既に画像メモリ29に転送されている画像とテンポラリメモリTM1に格納されている画像とを比較して、両画像が最も一致する位置を求めることによって、テンポラリメモリTM1における画像全体において、画像メモリ29における画像と重複しない領域の画像を特定する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態における撮像装置1Cは、テンポラリメモリTM1を新たに備え、当該テンポラリメモリTM1に撮像素子15によって取得される画像データを一旦格納する。そして、撮像装置1Cは、既に画像メモリ29に転送されている画像とテンポラリメモリTM1に格納されている画像とを比較して、両画像が最も一致する位置を求めることによって、テンポラリメモリTM1における画像全体において、画像メモリ29における画像と重複しない領域の画像を特定する。
<構成>
第3実施形態に係る撮像装置1Cは、テンポラリメモリTM1を新たに備える点以外は、撮像装置1Aと同様の構成を有しており、以下では相違する部分を中心に説明する。
第3実施形態に係る撮像装置1Cは、テンポラリメモリTM1を新たに備える点以外は、撮像装置1Aと同様の構成を有しており、以下では相違する部分を中心に説明する。
撮像装置1Cに備えられるテンポラリメモリTM1は、撮像素子15により取得される画像1枚分以下の記憶容量を有し、撮像素子15により取得された画像データを画像データ転送部28を介して格納する(図4参照)。
<動作>
以下では、撮影範囲拡大モードにおける撮像装置1Cの動作について説明する。図12は、テンポラリメモリTM1を用いた場合の画像データの転送の様子を示す概念図である。
以下では、撮影範囲拡大モードにおける撮像装置1Cの動作について説明する。図12は、テンポラリメモリTM1を用いた場合の画像データの転送の様子を示す概念図である。
図12に示されるように、2回目の露光により撮像素子15によって取得された画像データは、一旦テンポラリメモリTM1に格納される。
そして、テンポラリメモリTM1に格納された画像と、1回目の露光により既に画像メモリ29に格納されている画像(格納画像)との比較処理が実行され、両画像の最も一致する位置(一致位置)が検出(決定)される。比較処理としては、例えば、画素単位で比較するパターンマッチング処理を採用することができる。
例えば、テンポラリメモリTM1に格納された画像において、格納画像に含まれている可能性の高い領域RF(破線囲まれた領域)の画像と格納画像CI1との比較処理が行われる(図12参照)。具体的には、領域RFの画像を格納画像CI1上で微少幅(例えば1画素)ずつシフトさせて、領域RFの画像と格納画像CI1とのマッチング処理を行い、マッチング処理による評価値(例えば、相関値等)を最小とする位置を求める。そして、格納画像CI1において、評価値を最小とする位置を領域RFの画像が最も一致する位置(一致位置)MPとして検出する。
上記のような比較処理により一致位置MPが検出されると、非重複領域演算部74において、テンポラリメモリTM1に格納された画像と既に画像メモリ29に格納された格納画像とを合成させた場合に、格納画像とテンポラリメモリTM1に格納された画像の一部とがずれなく隣接する境界画素が一致位置MPに基づいて決定され、非重複領域が特定される。簡単に言えば、非重複領域演算部74では、当該一致位置MPにテンポラリメモリTM1に格納された画像を配置したときに、格納画像CI1と重複しない領域AR5の画像が非重複領域の画像として特定される。
そして、テンポラリメモリTM1から非重複領域AR5の画像データが、画像メモリ29に転送される。
これによれば、撮影中に(詳細には、1回目の露光時点から2回目の露光時点までの期間に)撮像装置1Cのブレが存在する場合であっても、撮像素子15の移動量MVjに応じた画像のズレ量のみならず、撮像装置1Cのブレに応じた画像のズレ量をも考慮して、1回目の撮影画像と2回目の撮影画像との対応位置関係(換言すれば両画像のズレ量およびズレ方向)をより正確に求めることが可能になる。すなわち、撮像装置1Cのブレに起因する画像ズレをも補正することが可能になる。
上述のようなテンポラリメモリTM1を用いた画像データの転送は、3回目および4回目の露光によって取得された画像データを画像メモリ29に転送する場合にも適用される。
このように、既に画像メモリ29に格納されている画像(格納画像)と新たに取得された画像とを比較して非重複領域を特定することによれば、撮像素子15aの移動および撮像素子15の移動間に生じる手ブレ等による画像ズレを解消し、自然な合成画像を取得することが可能となる。
また、上記のように、比較処理のために1回の露光で取得される画像1枚分の記憶容量を有するテンポラリメモリTM1を新たに用いる場合においても、合成画像の生成に必要なメモリ量を削減することができる。
<4.第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態における撮像装置1Dは、撮影範囲拡大モードにおいてレリーズボタン11のS2状態が検出された場合に、ブレ補正制御部73を用いて撮像素子15のブレ量の検出を開始する。そして、撮像素子15の移動間のブレ量と撮像素子15の移動量MVjとに基づいて、非重複領域を特定する。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態における撮像装置1Dは、撮影範囲拡大モードにおいてレリーズボタン11のS2状態が検出された場合に、ブレ補正制御部73を用いて撮像素子15のブレ量の検出を開始する。そして、撮像素子15の移動間のブレ量と撮像素子15の移動量MVjとに基づいて、非重複領域を特定する。
<構成>
第4実施形態に係る撮像装置1Dは、撮像装置1Aと同様の構成を有している。
第4実施形態に係る撮像装置1Dは、撮像装置1Aと同様の構成を有している。
<動作>
以下では、撮影範囲拡大モードにおける撮像装置1Dの動作について説明する。図13は、撮像装置1Dのブレの様子と撮像素子15の移動の様子とを示す概念図である。
以下では、撮影範囲拡大モードにおける撮像装置1Dの動作について説明する。図13は、撮像装置1Dのブレの様子と撮像素子15の移動の様子とを示す概念図である。
図13に示されるように、撮像装置1Dにおいては、撮影範囲拡大モードにおいて1回目の露光時点から2回目の露光時点までの間に発生する撮像装置1Dのブレ量KIが算出される。具体的には、ブレ補正制御部73内のシーケンスコントロール部735は、撮影範囲拡大モードにおいてレリーズボタン11のS2状態を検出すると、ブレ検出部731を制御して撮像装置1Dのヨー方向およびピッチ方向のブレ量KIをそれぞれ算出する。これにより、1回目の露光時点から2回目の露光時点までの間に発生する撮像装置1Dのブレ量KIを取得することが可能となる。
そして、1回目の露光により既に画像メモリ29に格納されている画像(格納画像)と2回目の露光により取得された画像とのズレ(画像ズレ)は、撮像素子15の移動と撮像装置1Dのブレにより生じるものであることから、非重複領域演算部74では、撮像素子15の移動量MVaと撮像装置1Dのブレ量KIとに基づいて2つの画像における同一被写体のズレ量(画像ズレ量)が演算され、非重複領域が特定される。
具体的には、撮像装置1Dのブレ量KIをX方向成分とY方向成分とに分解し、Y方向成分のブレ量と撮像素子15の移動量MVaとを加算もしくは減算することによって、Y方向の画像ズレ量を取得する。そして、撮像素子15をX方向の画像ズレ量(ここでは、ブレ量KIのX方向成分)分およびY方向の画像ズレ量分移動させた場合を想定し、画像ズレ量分移動させた撮像素子15によって撮影可能となる画像のうち、格納画像に含まれない領域の画像を非重複領域の画像として特定する。
そして、撮像素子15によって取得された非重複領域の画像データが、画像メモリ29に転送される。
上述のような撮像素子15の移動量MVjと撮像装置1Dのブレ量KIとに基づく非重複領域の特定は、3回目および4回目の露光によって取得される画像データに対しても同様に実行される。
このように、撮像素子15を平面内で移動させて異なる位置で取得される複数の画像を用いて合成画像を生成する場合に、複数の画像の露光時点相互間において発生する撮像素子15の移動量MVjと撮像装置1Dのブレ量KIとに基づいて非重複領域を特定することによれば、撮像素子15の移動間に発生する手ブレ等によるズレを解消し、自然な合成画像を取得することが可能となる。
<5.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は、上記に説明した内容に限定されるものではない。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は、上記に説明した内容に限定されるものではない。
例えば、上記第3実施形態においては、撮像素子15によって取得された画像全てを用いて、当該画像と画像メモリ29における画像との一致位置を検出していたが、これに限定されない。図14は、取得された画像の一部と画像メモリ29における画像との比較を行う様子を示す概念図である。
例えば、図14に示されるように、テンポラリメモリTM1とは別に比較用のテンポラリメモリTM2を新たに設けて、当該比較用のテンポラリメモリTM2に2回目の露光により取得された画像の一部領域(所定の領域)RS1を転送し、比較用のテンポラリメモリTM2に格納された所定領域RS1の画像と1回目の露光により取得され既に画像メモリ29に格納されている画像との比較処理を行ってもよい。
これによれば、2つの画像の一致位置の特定を高速に行うことが可能となり、より高速な合成画像の生成が可能となる。
また、比較用のテンポラリメモリTM2に転送される画像は、画像の一部に限定されず、例えば、数画素ごとに画素信号を間引いた画像等の比較のために必要な最小限の情報を有する画像(間引き画像)としてもよい。また、比較用のテンポラリメモリTM2に転送される画像として、色信号を除いて輝度信号のみとした画像を用てもよい。
また、上記第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせてもよい。具体的には、既に画像メモリ29に格納されている画像(格納画像)と新たに取得された画像とを比較して一致位置を検出し、当該一致位置と撮像素子15の移動量MVjと撮像装置1Dのブレ量KIとに基づいて、非重複領域を特定するようにしてもよい。これによれば、より正確な画像位置ズレ補正を行うことが可能となり、自然な合成画像を取得することが可能となる。
また、上記第2実施形態では、垂直転送路を有しない構成の撮像素子(CCD)15bを例示したが、これに限定されない。図15は、CCD15bの内部構成を示す図である。
具体的には、図15に示されるように、水平転送路HCjに加えて垂直転送路VCを有する構成にしてもよい。この場合、垂直転送路VCにおいて、非重複領域に対応する領域以外の画像信号は、高速読出指令を受けて高速に転送され廃棄される。
例えば、領域AR1における画像信号を取得する場合には、水平転送路HCjによって各画素RHの画像信号が垂直転送路VCに順次に転送される。そして、垂直転送路VCでは、領域AR1以外の他の領域の画像信号は、高速に転送され廃棄される。
また、領域AR3における画像信号を取得する場合には、領域AR3の画像信号が取得されるまで、水平転送路HCjによって画像信号が順次に転送され、垂直転送路VCにおいて、領域AR3以外の他の領域の画像信号は、高速に転送され廃棄される。領域AR3の画像信号が取得されると、高速読出指令信号が出力され転送路上の画像信号の廃棄処理が高速に実行される。
1A,1B,1C,1D 撮像装置
2 カメラ本体部
3 撮影レンズユニット
15,15a,15b 撮像素子
11 レリーズボタン
29 画像メモリ
TM1,TM2 テンポラリメモリ
82 モード設定ダイアル
GI 被写体像
CI 合成画像
MVj 撮像素子の移動量
KI 撮像装置のブレ量
2 カメラ本体部
3 撮影レンズユニット
15,15a,15b 撮像素子
11 レリーズボタン
29 画像メモリ
TM1,TM2 テンポラリメモリ
82 モード設定ダイアル
GI 被写体像
CI 合成画像
MVj 撮像素子の移動量
KI 撮像装置のブレ量
Claims (8)
- 撮像素子により取得される画像データを合成し、合成画像を生成する撮像装置であって、
前記合成画像の生成に用いられる第1の記憶部と、
撮影光学系の光軸に垂直な平面内で前記撮像素子を移動させる移動手段と、
前記撮像素子によって前記平面内の異なる位置で取得される複数の画像のそれぞれにおいて、前記複数の画像のうちの取得済みの他の画像と重複しない非重複領域を特定する非重複領域特定手段と、
前記複数の画像のそれぞれを撮影するごとに、前記撮像素子によって取得された撮影画像に関する非重複領域の画像データを前記第1の記憶部に転送することによって、前記複数の画像の合成画像を生成する画像データ転送手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記非重複領域は、前記移動手段による前記撮像素子の移動量に基づいて特定されることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記撮像素子からの前記画像データの読み出しを制御する読み出し制御手段、
をさらに備え、
前記読み出し制御手段は、前記撮像素子により取得される画像全体のうちの一部領域である前記非重複領域の画像データを前記撮像素子から読み出すことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記撮像素子により取得される画像データを記憶する第2の記憶部、
をさらに備え、
前記画像伝送手段は、前記撮像素子によって取得された撮影画像に関する画像データを前記第2の記憶部に一旦転送し、
前記非重複領域特定手段は、前記第1の記憶部に記憶されている画像と、前記第2の記憶部に記憶されている画像とを比較し、両画像の一致位置を求めることによって、前記非重複領域を特定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
手ブレによる前記撮像装置のブレ量を検出するブレ検出手段、
をさらに備え、
前記非重複領域は、前記複数の画像の露光時点相互間において発生する前記ブレ量と前記移動手段による前記撮像素子の移動量とに基づいて特定されることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記画像データ転送手段は、前記非重複領域の画像データを前記撮像素子から前記第1の記憶部へと他の記憶部を介することなく転送することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記撮像素子により取得される画像1枚分以下の記憶容量を有する第2の記憶部、
をさらに備え、
前記画像データ転送手段は、前記非重複領域の画像データを前記第2の記憶部を介して前記第1の記憶部へと転送することを特徴とする撮像装置。 - 撮像素子により取得される画像データを合成し、合成画像を生成する撮像方法であって、
a)撮影光学系の光軸に垂直な平面内で前記撮像素子を移動させて、前記平面内の異なる位置で前記撮像素子による複数の画像を取得する工程と、
b)前記複数の画像のそれぞれについて、取得済みの他の画像と重複しない非重複領域を特定する工程と、
c)前記複数の画像のそれぞれを撮影するごとに、前記撮像素子によって取得された撮影画像に関する非重複領域の画像データを、前記合成画像の生成に用いられる第1の記憶部に転送することによって、前記複数の画像の合成画像を生成する工程と、
を備えることを特徴とする撮像方法。
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