JP2008127725A - 耐火断熱シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 難燃性や断熱性、防炎性といった耐火性能に優れ、施工が容易で、取り扱いがしやすい耐火断熱シートを提供する。
【解決手段】 熱膨張性黒鉛と樹脂バインダーを含む熱膨張性組成物を、不燃性繊維と可燃性繊維を混紡した不織布に塗布一体化して耐火断熱シートを構成した。不織布が可燃性繊維を重量比で50%〜99%含むようにしても良く、樹脂バインダーを樹脂のエマルジョンまたはゴムのエマルジョンとしても良く、熱膨張性組成物によって、複数の不織布を積層一体化しても良い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐火断熱シートに関する。
従来から、建築分野において建物の耐火性能を高めるために、建築材料に断熱被覆を施すための耐火断熱シートが使用されてきた。耐火断熱シートは、外壁と内部構造体の間の隙間に貼られたり、建物構造物の表面に貼付されたり、建物外壁の目地部に使用されたりする。このような耐火断熱シートに求められる特性としては、難燃性や断熱性、防炎性だけでなく、施工容易性、取り扱いのしやすさなどが求められていた。
そのような耐火断熱シートとして、特に優れた特性を有するものとして、特許文献1や特許文献2に開示されるようなものがある。特許文献1には、熱膨張性黒鉛を含む組成物を、不燃性繊維から成る織布や不織布に担持させた耐火断熱シートが開示され、特許文献2には、熱膨張性黒鉛とイソブチレンゴムを含む耐火性塗料を不織布やロックウールなどに塗布した耐火部材が開示されている。
特許第3749605号公報 特許第3832703号公報
特許文献2にあるような耐火断熱シートに使用する織布や不織布としては、合成樹脂繊維などの可燃性繊維から構成したものや、鉱物繊維などの不燃性繊維から構成したものがあるが、そうしたものは、それぞれ以下のような課題を有していた。
すなわち、使用される織布や不織布を可燃性繊維のみから構成した場合には、得られる耐火断熱シートは比較的柔軟で施工性に優れるという利点が得られるものの、一方で、火炎や熱にさらされた際に、織布や不織布部分が消失してしまい、熱により膨張した黒鉛を確実に保持することができなくなって、耐火性能を発揮できる時間が短くなってしまうおそれがあった。
また一方で、織布や不織布を不燃性繊維のみから構成した場合には、得られる耐火断熱シートが比較的弾力や可撓性に乏しく施工性に劣ることがあった。また、得られた耐火断熱シートを細く裁断して使用するような場合に、不燃性繊維が脱落しやすくなってしまうため、別途目止め剤などで切断端末を処理する必要が生じ、加工が煩雑となることもあった。
また、織布や不織布を不燃性繊維のみから構成すると、耐火断熱シートを凹凸のある隙間に使用した場合に、火炎や熱にさらされた不燃性繊維からなる不織布などが比較的硬くなって板状となるために、不織布の剛性が膨張材の膨張圧や膨張力に打ち勝ってしまい、耐火断熱シート周辺の構造物の凹凸形状にうまくなじむことができなくなって隙間を生じ、耐火断熱性能を低下させてしまうおそれがある。
本発明は、上記を鑑みなされたものであり、耐火断熱性能に優れ、施工性や取り扱い性が良い耐火断熱シートを提供することを目的とする。
本発明は、熱膨張性黒鉛と樹脂バインダーを含む熱膨張性組成物を、不燃性繊維と可燃性繊維を混紡した不織布に塗布一体化した耐火断熱シートである。
さらに、不織布が可燃性繊維を重量比で50%〜99%含むようにしても良い。
さらに、樹脂バインダーを樹脂のエマルジョンまたはゴムのエマルジョンとしても良い。
さらに、熱膨張性組成物によって、複数の不織布を積層一体化しても良い。
本発明の構成によれば、不燃性繊維と可燃性繊維を混紡した不織布を使用して耐火断熱シートを構成したので、以下のような作用効果を発揮する。
すなわち、本発明においては、不織布が火炎や熱にさらされた場合に、不織布を構成する可燃性繊維が消失して、不燃性繊維が残される。その結果、不織布は主に不燃性繊維から成り、加熱前との対比で比較的疎で可撓性に富んだ不織布に変化する。
熱により膨張した熱膨張性黒鉛は、この比較的疎となった不織布の隙間に入り込んで膨張し、不織布内部を満たす。一方、不燃性繊維が不織布として残存しているので、膨張した黒鉛は飛散・脱落することなく、確実に保持される。したがって、もともと不織布があった空間にも膨張した黒鉛を充填して有効な耐火断熱層を形成することができる。
また、火炎や熱にさらされて比較的疎となった不織布は可撓性に富むようになるので、熱膨張性黒鉛と共に膨張し、耐火断熱シート周辺の構造物などの形状にもうまくなじむことができ、周囲との隙間を発生させずに耐火断熱層を形成できる。
また、施工時や取り扱い時においては以下のような効果がある。すなわち、不燃性繊維だけで不織布を構成したときには、不織布がばらばらになりやすかったが、不織布に可燃性繊維を含ませることにより、不織布をばらばらになりにくくできる。従って、本発明の耐火断熱シートは、施工時などに細い幅の条帯状にカットして使用した際にも、不織布部分が脱落してしまうことを防止でき、取り扱い性及び施工性が大いに向上する。
また、不織布に可燃性繊維を混紡しているので、不織布は柔軟であると共に弾力に富む。従って得られる耐火断熱シートも柔軟で弾力に富むものとなり、複雑な形状の構造物に沿わせて施工できるようになったり、弾力を利用して隙間へ押し込んで保持させるような施工が可能になったりするなど、施工性が大いに向上する。
従って、本発明の構成によれば、難燃性や断熱性、防炎性といった耐火性能に優れ、施工が容易で、取り扱いがしやすい耐火断熱シートが得られる。
以下図面に基づいて、本発明の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す断面図である。本発明の耐火断熱シート1は、熱膨張性組成物2を不織布3で挟持し、互いに一体化してなるものである。不織布3は不燃性繊維と可燃性繊維が混紡された不織布である。
不燃性繊維としては、鉱物繊維であるバサルト繊維・ロックウール・スラグウール・グラスウール・アルミナ繊維・シリカ繊維・シリカアルミナ繊維や、ステンレス繊維・スチールウールなどの金属繊維や、炭素繊維などが使用できる。特にバサルト繊維やステンレス繊維が好ましい。バサルト繊維とは、天然に存在する玄武岩を原料とし、これを加熱溶融して繊維状に紡糸したものであって、その融点は高く、耐火性に優れる。
可燃性繊維としては、モダクリル繊維やビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリクラール繊維などの難燃性繊維や、毛や絹、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ベンゾエート繊維などの可燃性繊維や、綿や麻、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、プロミックス繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの易燃性繊維が例示され、特にポリエステル繊維が好ましい。
不織布3は上記したような不燃性繊維と可燃性繊維を混紡して製造されるものであり、施工しやすい一方で、火炎や熱にさらされたときに、残存する不燃性繊維が好ましい特性を発揮するように、不燃性繊維と可燃性繊維の混合比率を調整する。可燃性繊維の割合が少ないと、不織布3が火炎にさらされた際に消失する繊維が少ないので、不織布3の空隙度などの変化が乏しくなり、不燃性繊維のみで不織布を構成したものに近いものとなる。一方、可燃性繊維の割合が多すぎれば、火炎や熱にさらされた際に不織布3がほとんど消失してしまい、もはや膨張した黒鉛を有効に保持し得なくなってしまう。
従って、不織布3は、重量%で可燃性繊維を50%〜99%含むようになっていることが望ましく、重量%で可燃性繊維を70%〜95%含むようになっていることがさらに望ましい。
不織布3は、所定の長さに切断した不燃性繊維や可燃性繊維を混紡し、シート状のウェブとしたものをニードルパンチなどの周知の方法により交絡して不織布とすることで製造できる。不織布化にあたっては、必要に応じてバインダー等を添加しても良く、また、ウォータージェットなどのニードルパンチ以外の周知の不織布製造方法によって製造しても良い。
また、上記不織布3の厚みは、薄いと耐火断熱効果が不十分となり、厚過ぎると使用する空間が大きくなってしまうため、0.5mm〜15mm程度のものを使用するのが望ましい。
本発明における熱膨張性組成物2は、熱膨張性黒鉛や発泡性窒素化合物などの加熱により膨張する膨張材料を、樹脂バインダーに混練し、液状またはペースト状にしたものである。中でも、従来公知の熱膨張性黒鉛を膨張材料として含有させるのが、組成物の膨張倍率を高くできるので望ましい。熱膨張性黒鉛は、不燃性繊維を腐食させたり、後述するリン化合物と反応したりすることがないように、中和処理されたものを使用するのが望ましい。
本発明における樹脂バインダーとして、樹脂のエマルジョンやゴムのエマルジョンが使用できる。前記エマルジョンにはラテックスも含む。エマルジョン化して使用できる樹脂やゴムの材料は特に限定されるものではないが、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−エチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニリデンアクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
また、本発明における樹脂バインダーとして、一般の熱可塑性樹脂も使用できる。また、樹脂バインダーとして、樹脂やゴムを有機溶剤によって液状にしたいわゆる有機溶剤系接着剤も使用できる。
従って、本発明における樹脂バインダーとは、上記した樹脂・ゴムのエマルジョン、熱可塑性樹脂、樹脂・ゴムを有機溶剤で液状化したものを含む。
樹脂バインダーとしては、特にアクリルウレタン複合エマルジョンの使用が望ましい。粘着力のある樹脂エマルジョンを使用することで、混練・調製された液状またはペースト状の熱膨張性組成物を容易に不織布に塗布することができるとともに、アクリルウレタン複合エマルジョンは脱水反応により硬化するので、熱膨張性黒鉛などを混合してから不織布に塗布するまでの間に硬化してしまうことがなく良好な作業性を有する上に、塗布後には特別な装置や設備を設けることなく熱膨張性組成物を乾燥・固化して不織布と一体化することができる。
本発明における熱膨張性組成物2には、その他、必要に応じて以下のものを適宜加えることができる。
赤リンやリン酸エステル、リン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム類などのリン化合物を加えると、難燃性を高め、耐火断熱効果を向上させることができる。特にポリリン酸アンモニウムの添加が好適である。
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの含水無機物を加えると、加熱時に脱水反応が起こり、生成した水の吸熱作用によって耐火断熱性能を向上させることができる。
本発明の耐火断熱シート1は、上記不織布3に、調製した熱膨張性組成物2をロールコータなどの公知の塗布手段により塗布し、さらに別の不織布3をサンドイッチ状に重ね合わせて密着させた状態で、熱膨張性組成物2を乾燥・固化させて、不織布3,3と一体化させることによって製造する。
熱可塑性樹脂を樹脂バインダーに使用する場合には、熱膨張性黒鉛などと熱可塑性樹脂を混合した上で加熱溶融させた熱膨張性組成物2を、不織布3上にシート状に押し出してプレスし、不織布と一体化させて耐火断熱シートを作成すればよい。
本発明においては、製造時から施工時にかけては不織布を比較的密なものとして使用できる一方、火炎や熱にさらされた際には不織布を比較的疎なものに変化させることができる。従って、施工時には熱膨張性組成物2が不織布3の内部まで含浸されていなくとも、火炎や熱にさらされた際には不織布3の部分まで膨張した黒鉛が充填されるので、所望する耐火断熱効果を発揮することができ、高価な熱膨張性組成物2の使用量を節約することができる。また、製造時から施工時にかけては不織布3が比較的密であるので、熱膨張性組成物2の不織布3への吸収量が少なく、比較的少量の熱膨張性組成物2によって容易に不織布3,3と一体化できる。また、比較的高価な不燃性繊維の使用量を低減することもできる。
また、図1には、不織布3,3により熱膨張性組成物2をサンドイッチ状に挟持した実施形態を示したが、本発明の実施の形態は必ずしもこれに限定されるものではなく、不織布を多層設けて、その間を熱膨張性組成物によって一体化させるようにしても良い。多層の不織布を設ける際には、必ずしも全ての不織布を不燃性繊維と可燃性繊維を混紡した不織布とする必要はない。また、本発明の実施の形態は一枚の不織布の片面に熱膨張性組成物を塗布一体化させたものであっても良い。これらの実施形態においては、熱膨張性組成物よりも火炎や熱源に近い側に、不燃性繊維と可燃性繊維を混紡した不織布が配置されるように製造・施工することが望ましい。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<熱膨張性組成物の調製>
中和処理された熱膨張性黒鉛(50メッシュ、)を50部、
ポリリン酸アンモニウムを50部、
アクリルウレタン複合エマルジョンを100部混合し、液状の熱膨張性組成物を得た。
得られた熱膨張性組成物を、以下に示す実施例1〜3及び比較例1、2に使用した。
(実施例1)
<不燃性繊維と可燃性繊維を混紡した不織布>
不燃性繊維として鉱物繊維の一種であるバサルト繊維(繊維径13μm、繊維長50mm〜70mm、Technobasalt Invest ltd.製)を、可燃性繊維としてポリエステル繊維(繊維径25μm、繊維長38mm〜76mm)を、それぞれ、重量比で50%:50%となるように混合し、シート状に拡げた後にニードルパンチ加工を行って、厚さ5mm、目付け量400g/平方メートルの不織布Aを得た。
<耐火断熱シートの製造>
得られた熱膨張性組成物を、ロールコータによって800g/平方メートルの塗布量で不織布Aに塗布し、塗布後に同じく不織布Aを重ね合わせた。その後不織布Aと熱膨張性組成物が互いに密着するようにしながら、熱膨張性組成物を乾燥・固化させ、不織布と一体化させて実施例1の耐火断熱シートを得た。
(実施例2)
実施例2は実施例1に対し、不織布の構成のみが異なる実施例である。実施例2においては、不燃性繊維としてバサルト繊維(繊維径13μm、繊維長50mm〜70mm、Technobasalt Invest ltd.製)を、可燃性繊維としてポリエステル繊維(繊維径25μm、繊維長38mm〜76mm)を、それぞれ、重量比で30%:70%となるように混合し、シート状に拡げた後にニードルパンチ加工を行って、厚さ5mm、目付け量400g/平方メートルの不織布Bを得た。不織布Bを用いて熱膨張性組成物と一体化させ、実施例2の耐火断熱シートを得た。
(実施例3)
実施例3は実施例1に対し、不織布の構成のみが異なる実施例である。実施例3においては、不燃性繊維としてステンレス繊維(繊維径2μm〜50μm、繊維長30mm〜60mm)を、可燃性繊維としてポリエステル繊維(繊維径25μm、繊維長38mm〜76mm)を、それぞれ、重量比で10%:90%となるように混合し、シート状に拡げた後にニードルパンチ加工を行って、厚さ2.5mm、目付け量200g/平方メートルの不織布Cを得た。不織布Cを用いて熱膨張性組成物と一体化させ、実施例3の耐火断熱シートを得た。
(比較例1)
比較例1は実施例1に対し、不織布の構成のみが異なる比較例である。比較例1においては、可燃性繊維であるポリエステル繊維(繊維径25μm、繊維長38mm〜76mm)のみから、厚さ5mm、目付け量200g/平方メートルの不織布Dを得た。不織布Dを用いて熱膨張性組成物と一体化させ、比較例1の耐火断熱シートを得た。
(比較例2)
比較例2は実施例1に対し、不織布の構成のみが異なる比較例である。比較例2においては、不燃性繊維であるバサルト繊維(繊維径13μm、繊維長50mm〜70mm、Technobasalt Invest ltd.製)のみから、厚さ5mm、目付け量500g/平方メートルの不織布Eを得た。不織布Eを用いて熱膨張性組成物と一体化させ、比較例2の耐火断熱シートを得た。
(耐火性能評価)
実施例1,2,3及び比較例1,2に対し、以下のような耐火性能評価を行った。
それぞれの耐火断熱シートを50cm四方の正方形状にカットし、略鉛直に設けられた第1のコンクリート壁に取り付けた。さらに略鉛直に設けられる第2のコンクリート壁を、耐火断熱シートに対向するように設置した。第2のコンクリート壁には幅10cm深さ2cmの略鉛直方向に延びる2本の溝部が形成されており、第2のコンクリート壁は第1のコンクリート壁から4cm離間して設置された。耐火断熱シートと第2のコンクリート壁の間の空隙部をガスバーナの火炎によって下側から加熱して、加熱中及び冷却後のシートの状況を観察して耐火性能の評価を行った。
実施例1,2,3の耐火断熱シートにおいては、加熱と共に、不織布中のポリエステル繊維が消失し、不燃性繊維であるバサルト繊維やステンレス繊維のみが残された。加熱によって膨張した熱膨張性黒鉛は、残された不燃性繊維の不織布の隙間を埋めるように膨張し、不織布表面にまで達した。さらに、熱膨張性黒鉛の膨張に伴って、耐火断熱シート全体が第1及び第2のコンクリート壁の間の隙間を埋めるように膨張した。膨張した黒鉛は不燃性繊維によって確実に保持されており、ガスバーナの火炎の勢いによる飛散・脱落は少なかった。加熱中には不織布と黒鉛の集合物は可撓性を有しており、第2のコンクリート壁に設けられた溝部にもうまくなじんで充填され、ガスバーナの火炎が下側から上側に貫通してしまうようなことはなかった。加熱を終了し冷却した後に第2のコンクリート壁を離間して確認したところ、耐火断熱部材は、第2のコンクリート壁の溝部にまで密着するように膨張して耐火断熱層を形成していた。
比較例1の耐火断熱シートにおいては、加熱と共に、ポリエステル繊維から成る不織布が消失してしまった。加熱により膨張した熱膨張性黒鉛は、ガスバーナの火炎の勢いによって比較的容易に耐火断熱シートから脱落した。最終的には第1と第2のコンクリート壁の間に膨張した黒鉛による耐火断熱層を形成することはできたものの、得られた耐火層は実施例1,2,3のものと比べて厚さが薄く、かつ飛散しやすかった。
比較例2の耐火断熱シートにおいては、加熱と共に熱膨張性黒鉛がバサルト繊維からなる不織布を持ち上げるように膨張した。膨張した黒鉛は不織布の表面に出てくることはなく、ガスバーナの火炎の勢いによる飛散・脱落も少なかった。しかしながら、加熱によってバサルト繊維の不織布が板状に硬くなったため、第2のコンクリート壁に設けられた溝部とのなじみが悪く、溝部分には耐火断熱部材を充填させることができなかった。そのため、ガスバーナの火炎が溝部を通じて一部上側に貫通した。加熱を終了し冷却した後に第2のコンクリート壁を離間して確認したところ、溝部以外の部分では良好な耐火断熱層が形成されていたが、溝部分では耐火断熱層が形成が不十分であり、火炎による影響がコンクリート壁の溝部に沿って見られた。
(取り扱い性評価)
実施例1,2,3及び比較例1,2に対し、以下のような取り扱い性評価を行った。
それぞれの耐火断熱シートを2cm幅の紐状にカットし、得られた紐状の耐火断熱シートを引っ張ったり曲げたりした際の変化を評価した。
実施例1,2,3及び比較例1の耐火断熱シートにおいては、不織布の脱落や耐火断熱シートの破断などはなかったが、比較例2の耐火断熱シートにおいては、不織布の末端部分が脱落したり、曲げた箇所で耐火断熱シートが破断したりした。
図1は本発明の耐火断熱シートの断面図である。
符号の説明
1 耐火断熱シート
2 熱膨張性組成物
3 不織布

Claims (4)

  1. 熱膨張性黒鉛と樹脂バインダーを含む熱膨張性組成物を、
    不燃性繊維と可燃性繊維を混紡した不織布に塗布一体化した耐火断熱シート。
  2. 不織布は可燃性繊維を重量比で50%〜99%含むことを特徴とする請求項1記載の耐火断熱シート。
  3. 樹脂バインダーが樹脂のエマルジョンまたはゴムのエマルジョンであることを特徴とする請求項1記載の耐火断熱シート。
  4. 熱膨張性組成物によって、複数の不織布を積層一体化したことを特徴とする請求項1記載の耐火断熱シート。
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