JP2008127699A - ポリエステル系人工毛髪用繊維の製造方法 - Google Patents

ポリエステル系人工毛髪用繊維の製造方法 Download PDF

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豊彦 志賀
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【課題】 人毛に非常に良く似た自然な外観と触感を有し、色ムラすなわち不自然な濃淡差や色相差がなく、人工毛髪用商品としての実用上の優れた耐久性を備えた、非常に優れたバランスのとれた人工頭髪用繊維を得る。
【解決手段】 オーバーマイヤー型染色機を用い、ケーシングの外筒の内径をd1、及び内筒の外径をd2とするとき、0.30≦(d1−d2)/d2≦2.78を満たし、かつ繊維充填密度Dが0.70≦D≦0.94となるよう繊維を充填し、染色時の最高温度が110℃〜150℃としてパッケージ染色することにより、上記課題を解決したポリエステル系人工毛髪用繊維を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、人工頭髪用繊維に関するものであり、更に詳しくはウィッグ、ブレード、エクステンションヘアー等の頭髪装飾用等の人工頭髪用繊維として用いられる、人毛に似た艶、色相、風合、嵩高性を有する繊維、及びこの繊維を用いた人工毛髪用繊維の製造方法に関するものである。
一般に、人工毛髪用に使用される合成繊維としては、アクリロニトリル系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等がある。従来から、これらの繊維を用いて、ウィッグ、ブレード、エクステンションヘアー等の人工毛髪用商品に加工されてきた。人工毛髪用繊維の究極の目標が人毛であるのは周知の通りであるが、これらのいわゆる「合成繊維」は、カーニバルやパーティーなどで時折好んで使用される奇抜な色を除いて、当然ながら、装着する人の毛髪と外観が区別し難い程度に似ている事が必須要件であり、様々な人種、または個人の本来の毛髪の色相、またあるいは好みの多種多様な色相に対応するために、商品として非常に多くの色揃えをする必要がある。当業界においては一つの製品において少なくとも20〜40色、多い場合では80〜100色などが必要である。このため、繊維の着色方法として、あらかじめ繊維原料に顔料や染料などの発色素材を配合して紡糸する原着法、あるいは紡糸後の繊維に染料を吸尽させる染色法を一般に用いうるが、紡糸原料として必要な色数の在庫を持たねばならない原着法に比べて、染色法を用いることが生産効率や生産管理、在庫管理の面からも好ましい。そこで、多色の染色加工に適応しうる未着色糸を製糸した後、染色加工を行い、製品とするためには、色ムラすなわち不自然な濃淡差や色相差がなく、かつ生産効率が良好な染色加工方法が必要となる。
本発明における被染物である、人工毛髪用繊維などの比較的繊度の大きい繊維束などは、あらかじめかせの状態にしてかせ染め染色機により染色する場合が多いが、かせに輪状に巻いた糸を掛け、染液中に吊した状態で染色を行うため、かせに接触している部分に染めムラができやすく、なおかつ繊維が絡みやすい状態にあり、絡んだりもつれたりした場合には人工毛髪用繊維としての商品性を損なうことになる。上記のようなかせ糸の染色課題を解決するために、これまで種々の検討がなされ、例えばケーシング内筒の外周面にバーを設け、上下一対の状態で複数本所定間隔を保って放射状に突設し、バーとの間に所定の空隙ができるよう断面略三角状の空気室を形成するという構成をとることで、バーと空気室との空隙を流れる染液の流速を同一にし、染色ムラを抑制する方法(特許文献1)などが考案されている。しかし、トウの総繊度が比較的大きい場合には、かせ状にすることが困難であり、トウをテープ状に平たく広げてかせ状にするなど、非常に煩雑な作業になり、工程数も増えて生産性が悪くなる。また、パッケージ染色に比べて一度に染色処理可能な数量も少ない。
上記の色ムラの問題を解決する他の方法として、チーズ染色として被染物である人工毛髪用繊維を整条かつ均一な巻き密度としてボビン巻きの状態とし、オーバーマイヤー型染色機内に装填し、染色加工する方法(特許文献2)が挙げられる。しかし、取り扱う繊維束が太い場合には、染色工程に先立ちトウを分割して染色用ボビンに巻き変えるなどの作業が必要となり、さもなければ製糸時のフィラメント数量単位や梱包形態を変えなければならない。また、ボビン巻きを行った場合には、やはりトウの総繊度が比較的大きいために、均一なボビン巻きとすることが困難である。さらに、やはりパッケージ染色に比べて一度に染色処理可能な数量も少ない。
オーバーマイヤー型染色機は、従来より一般にバラ毛や綿状の被染物を比較的大量に効率よく染色加工する場合に好適に使用される。上記の問題を鑑み、被染物の形態やトウの太さに制約を受けず、かつ、数十キログラムから数百キログラムの被染物を一度に、均一に、効率良く染色加工できるオーバーマイヤー型染色機を用いるパッケージ染色法が好ましいが、通常一般に市販されている染色槽に用いられるケーシングを使用して染色加工を行った場合には、ケーシングに詰め込んだトウの位置によって色ムラすなわち不自然な濃淡差や色相差が生じ、人工毛髪用繊維としての商品性を得る事が困難であった。オーバーマイヤー型染色機を用いた染色で色ムラを改善する方法としては、たとえば、複数の通液性仕切板を介して多段に配置された被染色物の最上面から最下面、または最下面から最上面へ染液を強制的に循環させることにより、径方向の色差値のバラツキと染色ムラを無くし、均等な染色を可能とする装置(特許文献3)を利用する方法が挙げられる。しかしこの装置では1段あたりのケーシングの容量が少ないため染色作業効率が悪く、染色コストアップにつながる。また量産ではケーシングが多数必要となり、しかもケーシングの寸法精度が高度に要求されるため、比較的高価となる。また、上記の色ムラの問題を解決する他の方法としては、染色時の染液にキャリアを含有する方法が一般によく用いられる。しかし、キャリアを使用して染色した場合、特に人工毛髪用繊維として主要色である、黒、黒褐色、茶褐色などの濃色に染色する場合には、染色後の繊維の昇華堅牢度や摩擦堅牢度が低下し、実用上の品質を満足しないことが多く、同時に染色後の脱キャリア工程が必要となるため、作業者の安全上、また環境上好ましくない。このように、上記いずれの方法でも、色ムラがなく、人工毛髪用商品としての実用上の優れた耐久性を備えた、人毛に非常に良く似た自然な外観と触感を有する、優れたバランスのとれた製品を提供でき、同時に優れた操作性と省力化がもたらされる人工毛髪用繊維の製造方法はこれまでになかった。
特開昭63−165575号公報 特開平2−41481号公報 特開2005−290645号公報
本発明は、人毛に非常に良く似た自然な外観と触感を有し、色ムラすなわち不自然な濃淡差や色相差がなく、人工毛髪用商品としての実用上の優れた耐久性すなわち摩擦堅牢度や耐光性等を備えた人工毛髪用繊維の染色方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、オーバーマイヤー型染色機を使用する染色方法において、染色用ケーシングの形状を、特定の内外径比とし、かつ繊維の充填密度を特定の範囲とすることで本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1)オーバーマイヤー型染色機を用い、ケーシングの外筒の内径をd1、及び内筒の外径をd2とするとき、0.30≦(d1−d2)/d2≦2.78を満たし、かつ繊維充填密度Dが0.70≦D≦0.94となるよう繊維を充填した後、染色時の最高温度を110℃〜150℃として染色することを特徴とするポリエステル系人工毛髪用繊維の製造方法、であって2)染色に供する人工頭髪用繊維が、単糸繊度10〜100dtex、かつ総繊度20万〜150万dtexから構成されるトウである、1)記載の人工毛髪用繊維の製造方法、3)染色に供する染料が分散染料であることを特徴とする、1)及び2)記載の製造方法、4)染色時の染液に酸、塩、分散剤、媒染剤、耐電防止剤、マイグレーション防止剤のいずれかまたは2つ以上を組み合わせて含有していることを特徴とする、1)〜3)に記載の製造方法、5)染色時の染液にキャリアを含有しないことを特徴とする、1)〜4)に記載の製造方法、に関する。
本発明によると、人毛に非常に良く似た自然な外観と触感を有し、色ムラすなわち不自然な濃淡差や色相差がなく、人工毛髪用商品としての実用上の優れた耐久性すなわち摩擦堅牢度や耐光性等を備えた、非常に優れたバランスのとれた人工頭髪用繊維が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられるオーバーマイヤー型染色機は、染色槽の中にある多孔性の外筒と内筒と底面を合わせて一体化したケーシングに被染物を加圧しながら詰め込み、その内層から外層へ、およびまたはその逆方向に染色液を強制貫流させながら加熱、染色する方法による染色機である。
前記ケーシングの外筒の内径をd1及び内筒の外径をd2とするとき、0.30≦(d1−d2)/d2≦2.78を満たし、かつ繊維充填密度Dが0.70≦D≦0.94となるよう繊維を充填し、温度60〜150℃でパッケージ染色することにより、色ムラすなわち不自然な濃淡差や色相差がない染色糸を得ることができる。(d1−d2)/d2は繊維を充填可能な水平方向のケーシング厚みと内筒の外形との比を表し、2.78を超えるとケーシング厚みが大きくなりすぎ、染液が通過する際の圧損が大きくなり十分な流量が得られず、また繊維を均等にパッケージできないため、染めムラが発生しやすい傾向となる。一方、0.30未満ではケーシング厚みが小さくなりすぎ、充填作業が困難になるとともに、相対的にケーシングとの接触部分が増え、折れ曲がりなどの不具合が多くなるなど、やはり繊維を均等にパッケージできず、染めムラが発生しやすい傾向にある。また、ケーシングに充填しうる繊維量も少なくなり、生産性が悪くなる。(d1−d2)/d2は0.40以上2.60未満がより好ましく、0.45以上2.50未満がさらに好ましい。
前記ケーシングへの繊維の充填密度Dは、ケーシングに繊維を充填した際の、ケーシングの有効内容積(cm3)に対する繊維の重量(g)を表す。繊維の充填密度Dが0.70≦D≦0.94とすることで染めムラのない繊維を得ることができる。0.94を超えると充填密度が高すぎて染液が通過する際の圧損が大きくなり十分な流量が得られず、また不均一に流れやすくなるために染めムラが起こりやすい傾向にある。一方、0.70未満では充填密度が低すぎてケーシングに充填した繊維がケーシング内で移動して偏り、それにより充填密度が不均一になることで染液の流れも不均一となり、染めムラが顕著となる。また同時に繊維の充填量が少なくなるために、生産性が悪くなる。Dは0.80以上0.93未満がより好ましく、0.85以上0.91未満がより好ましい。
本発明において使用する人工毛髪用繊維は、その基本的物性、加工性において優れ、また着色後には人毛に非常に良く似た、優れた外観、触感を有するポリエステル系人工毛髪用繊維である。本発明において使用するポリエステルに含まれるポリアルキレンテレフタレートまたはポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレートおよび/またはこれらのポリアルキレンテレフタレートを主体とし、少量の共重合成分を含有する共重合ポリエステルがあげられる。ポリアルキレンテレフタレートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが、入手の容易性およびコストの点から、特に好ましい。前記主体とするとは、80モル%以上含有することをいう。前記ポリアルキレンテレフタレートおよび共重合ポリエステルは、1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般にポリエステル系繊維は、その化学的構造や、それに基づく強度、伸度、ガラス転移温度などの物性や、耐熱性、疎水性などといった特性を有し、緻密な構造の繊維であり、一般に直接染料、酸性染料、カチオン染料などのイオン性染料に対する親和力がないため、染色処理効率に優れたオーバーマイヤー型染色機と分散染料とを用いる、パッケージ染色法を用いて好適に染色しうる。染色時の温度は60〜150℃の範囲で、各色染料の吸尽速度や効率、繊維の耐熱性等を考慮して適宜調整しうる。一般的には効果的に吸尽される所定温度で一定時間ホールドするなど、段階的に昇温する方法が用いられるが、染色処理における最高温度が高い方がより吸尽されやすい。ポリエステル系繊維の場合、最高温度は110〜150℃などとすることが、繊維への染料の吸尽及び均染性、染色後の繊維の安定性すなわち色落ちや耐摩擦性などの面から好ましい。染料の選定と染色条件すなわち染液温度、染色容器温度、またこれらの昇温速度、温度保持時間のパターンや、染液流量、染液流れ方向(ケーシング内筒→外筒または外筒→内筒)は任意に設定可能であるが、最高温度110℃未満では染料の吸尽が不完全となり、所望の発色を得ることが困難である。また、150℃を超えると繊維が過熱により透明性が損なわれる、いわゆる失透現象が起こりやすい傾向にあり、鮮明な色相が得られない。115℃〜140℃がより好ましく、120℃〜135℃がさらに好ましい。
本発明において用いられる人工毛髪用繊維の繊度は、単繊維繊度が通常、10〜100dtexであり、さらには20〜90dtexであるのが、一般的に人工毛髪用途に適している。また、本発明の染色方法に供する繊維形態としては、総繊度20万〜150万dtexから構成されるトウであることが、製品の生産、出荷形態、生産時及び後加工時の取り扱い、生産効率などの面から優れている。20万dtex未満では生産効率が低下し、150万dtexを超えるとトウが太くなりすぎて、延伸、熱処理、染色などの工程処理において加工の均一性が損なわれる傾向にある。
本発明の染色方法に用いる染料は、特に限定されないが、繊維がポリエステル系であるため、これに適した公知の分散染料が好適に使用できる。例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ系染料、トリフェニルメタン系染料、ジフェニルメタン系染料、トリフェニルアミン系染料、反応染料、硫化染料等が使用でき、これら単独、または2種以上を組み合わせて使用することが可能である。また、青色、赤色、黄色の3色系組合せにより、人工毛髪用繊維として要求される任意の色に調整することが可能である。また、人工毛髪用繊維として要求される耐光性を確保するために、高耐光性染料を使用することが好ましい。染液を構成する前記染料濃度も任意に調整することが可能であるが、前記3色系組合せにおいて、一般に濃色系では合計6%omf程度までとすることが、繊維への染料の吸尽及び均染性、染色後の繊維の安定性すなわち色落ちや耐摩擦性などの面から好ましい。
前記染色時の染液には、染料の吸尽性、均染性、安定性を調整するため、また製品の耐久性を確保するために、酸、塩、分散剤、媒染剤、耐電防止剤、均染浸透剤、マイグレーション防止剤のいずれかまたは2つ以上を組み合わせて添加することも可能である。前記染色時の染液にはキャリアを含有しなくてもよい。本発明の染色方法によれば、特定のケーシング及び繊維充填密度とすることで、特にキャリア染色としなくても十分な吸尽性及び均染性が得られ、従来公知の例えばフェニルフェノール系、クロルベンゼン系、メチルナフタレン系、フタル酸イミド系などのキャリアを使用した場合に必要な、脱キャリアのための煩雑な工程が不要となり、人体や環境への悪影響も心配する必要がない。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 尚、本発明の単繊維並びに繊維束の特性値の測定法は、以下のとおりである。
(発色性)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを太陽光の下、目視により評価した。
◎:透明感があり、色の深み(鮮やかさ)がある。
○:若干不透明感(曇り)があるが、色の深みは低下していない。
△:若干不透明感があり、若干色の深みが低下している。
×:不透明感があり、色の深みがない。
(色ムラ)
長さ100cm、総繊度50万dtexのトウフィラメントを幅5cmの帯状に均一に広げ、太陽光の下、目視により評価した。
◎:色ムラが全くなく、全体に渡って同じ色の濃さ、及びまたは色相である。
○:色ムラがごく僅かに感じられ、周囲と色の濃さ、及びまたは色相が僅かに異なる部 分が認められるが、至近距離でないと判別できない程度である。
△:色ムラが少しあり、周囲と色の濃さ、及びまたは色相が異なる部分が認められる が、商品加工後としては許容できる程度である。
×:色ムラがあり、周囲と色の濃さ、及びまたは色相が明らかに異なる部分が認めら れ、商品として不良品である。
(光沢)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを、太陽光の下、目視により評価した。
◎:人毛に等しいレベルに光沢が調整されている。
○:適度に光沢が調整されている。
△:若干光沢が多すぎる、又は、若干光沢が少なすぎる。
×:光沢が多すぎる、又は、光沢が少なすぎる。
(くし通り)
長さ30cm、総繊度100万dtexのトウフィラメントに繊維表面処理剤として、PO/EOランダム供重合体(分子量20000)とカチオン系帯電防止剤を50/50の比率で含む3%水溶液に浸漬し、それぞれ0.1%が付着するようにし、80℃で5分間乾燥させる。処理されたトウフィラメントにくし(デルリン製樹脂)を通し、くしの通り易さを評価した。
○:ほとんど抵抗ない(軽い)。
△:若干抵抗がある(重い)。
×:かなり抵抗がある、または、途中で引っかかる。
(昇華堅牢度)
長さ10cm、重さ2.0gのトウフィラメントの端部を固定して、両面をポリエステル布帛で挟み、SCORCH TESTER(ATLAS製)を使用して、180℃、30分間プレスする。JIS L−0805に準じ、汚染度合いを汚染用グレースケールにより判定した。
〇:4.0級以上
△:3.0〜3.5級
×:2.5級以下
(摩擦堅牢度)
長さ10cm、重さ2.0gのトウフィラメントを台紙に貼り、摩擦試験機(スガ試験機械(株)製)を使用して、ポリエステル布帛と100回摩擦する。JIS L−0805に準じ、汚染度合いを汚染用グレースケールにより判定した。
〇:4.0級以上
△:3.0〜3.5級
×:2.5級以下
(耐光性)
トウフィラメントを長さ65mm、幅13mmとなるよう、かつ紙面が透けないように台紙に貼り、Xenon Weather Meter(スガ試験機械(株)製、X25)を使用して、放射照度48W/m2、43℃、50%RH環境下で、照射時間80時間、160時間、320時間処理する。JIS L−0804に準じ、各時間の繊維の褪色度合いを褪色用グレースケールにより判定した。
〇:6級以上
△:4.0〜5.5級
×:3.5級以下
(実施例1〜17、19〜24)
ポリエチレンテレフタレート(三菱化学(株)製、BK−2180)100重量部に対し、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業(株)製、SR−T20000)20重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−A、平均粒子径(一次粒子)2.4μm)2重量部、モンタン酸系ワックス/フッ素系ワックスブレンド品(クラリアントジャパン(株)製、Wax Composite G431L)0.2重量部、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部からなる樹脂を常法により溶融紡糸し、未延伸糸を得た。次に、未延伸糸を合糸して延伸、熱セットを行い、仕上げ油剤としてKWC−Q(丸菱油化工業(株)製)を0.20%omf(乾燥繊維重量に対する油剤純分重量百分率)、およびKWC−B(丸菱油化工業(株)製)を0.10%omfとなるように付着させ、乾燥させた後、表1〜表3に示す単繊維繊度及び総繊度のポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。この繊維を染色ケーシングに充填し、分散染料(ダイスタージャパン(株)製、Dianix HLA)、Yellow、Red、Blue各色を添加し、さらに分散剤((株)日成化成製、ビスパモール BNA)、均染浸透剤((株)日成化成製、ソルジンSPD−H)を各2.0g/Lとなるように添加し、酢酸でpH4.5に調整した後、オーバーマイヤー型染色機((株)日阪製作所製)を用いて、表1及び表2に示す各種条件にて低温から段階的に(所定の温度及び時間を維持し)昇温する温度プロファイルにて染色した。得られた繊維について、発色性と色ムラ、光沢、くし通り、昇華堅牢度、摩擦堅牢度、耐光性を評価した結果を、表1〜表3に示す。
(実施例18)
実施例1と同様の方法により、ポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得て、表2に示す各条件にて染色ケーシングに充填し、分散染料、分散剤、均染浸透剤に加え、キャリア((株)日成化成製、Carrierzine50)を2.0%omfとなるように添加し、実施例1と同様の方法により染色した。得られた繊維について、発色性と色ムラ、光沢、くし通り、昇華堅牢度、摩擦堅牢度、耐光性を評価した結果を、表2に示す。
Figure 2008127699
Figure 2008127699
Figure 2008127699
(比較例1〜7)
実施例1と同様の方法により、ポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得て、表3に示す各条件にて染色ケーシングに充填し、分散染料、分散剤、均染浸透剤を用いて実施例1と同様の方法により染色した。得られた繊維について、発色性と色ムラ、光沢、くし通り、昇華堅牢度、摩擦堅牢度、耐光性を評価した結果を、表4に示す。
(比較例8)
実施例18と同様の方法により、ポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得て、表2に示す各条件にて染色ケーシングに充填し、分散染料、分散剤、均染浸透剤に加え、キャリア((株)日成化成製、Carrierzine50)を2.0%omfとなるように添加し、実施例13と同様の方法により染色した。得られた繊維について、発色性と色ムラ、光沢、くし通り、昇華堅牢度、摩擦堅牢度、耐光性を評価した結果を、表4に示す。
Figure 2008127699
表1〜表4に示したように、比較例に対し、実施例では、発色性と色ムラ、光沢、くし通り、昇華堅牢度、摩擦堅牢度、耐光性において優れることが確認された。
従って、本発明の染色方法により製造される人工毛髪用繊維では、これまでの染色方法では得られなかった、色ムラすなわち不自然な濃淡差や色相差がなく、人工毛髪用商品としての実用上の優れた耐久性すなわち摩擦堅牢度や耐光性等を備えた人工毛髪用繊維が得られることがわかった。
本発明の染色方法において用いられるケーシングの一例 本発明の染色方法において用いられるケーシングの一例 本発明の染色方法において用いられるケーシングの一例 一般的に用いられる染色用ケーシングの一例
符号の説明
1 内筒
2 外筒
3 上蓋
4 底板
5 開口部

Claims (5)

  1. オーバーマイヤー型染色機を用い、ケーシングの外筒の内径をd1、及び内筒の外径をd2とするとき、0.30≦(d1−d2)/d2≦2.78を満たし、かつ繊維充填密度Dが0.70≦D≦0.94となるよう繊維を充填した後、染色時の最高温度を110℃〜150℃として染色することを特徴とするポリエステル系人工毛髪用繊維の製造方法。
  2. 前記染色に供する人工頭髪用繊維が、単糸繊度10〜100dtex、かつ総繊度20万〜150万dtexから構成されるトウである、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記染色に供する染料が分散染料であることを特徴とする、請求項1及び2記載の製造方法。
  4. 前記染色時の染液に酸、塩、分散剤、媒染剤、耐電防止剤、均染浸透剤、マイグレーション防止剤のいずれかまたは2つ以上を組み合わせて含有していることを特徴とする、請求項1〜3に記載の製造方法。
  5. 前記染色時の染液にキャリアを含有しないことを特徴とする、請求項1〜4に記載の製造方法。
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