JP2008127622A - 物体表面に密着し移動可能な装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サーマルスプレー装置等において、物体表面に密着しかつ物体表面に沿って移動することのできる装置を提供する。
【解決手段】少なくとも該外側のケーシングと該外側シール部材と該内側シール部材とが物体表面と協働して第1領域を規定し、また、少なくとも該内側のケーシングと該内側シール部材とが物体表面と協働して規定した第2領域を具備したことを特徴とする装置において、該第1領域に在る流体の圧力が装置を包囲する流体の圧力より高い圧力に維持されており、該第2領域に在る流体の圧力が該第1領域に在る流体の圧力より低い圧力に維持されており、また、該第2領域へ不活性ガスを流入せしめる手段を備えている。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体中に在る物体表面に密着しかつ物体表面に沿って移動することのできる、物体表面に密着し移動可能な装置に関する。
本発明は、上記の装置において、物体表面を気体のみに接触せしめる気体領域を具備し、該気体領域に物体表面に作用を施す装置を具備する、物体表面に密着し移動可能な装置に関する。
本発明は、上記の装置の気体領域において、不活性ガスで満たした気体領域を具備する、物体表面に密着し移動可能な装置に関する。
本発明は、また、気体中に在る物体表面に密着しかつ物体表面に沿って移動することのできる、物体表面に密着し移動可能な装置に関する。
本発明は、上記の装置において、物体表面を気体のみに接触せしめる気体領域を具備し、該気体領域に物体表面に作用を施す装置を具備する、物体表面に密着し移動可能な装置に関する。
本発明は、上記の装置の気体領域において、不活性ガスで満たした気体領域を具備する、物体表面に密着し移動可能な装置に関する。
本発明の装置に具備される物体表面に作用を施す装置として、先ずアーク溶射装置を考えることができる。ただし、アーク溶射装置に限定されることはない。アーク溶射装置は、種々あるサーマルスプレー装置の中のひとつの装置である。一般に、サーマルスプレー装置とは、金属のごとき溶融材料としてのワイヤまたは粒子を溶融して微細化しかつ噴霧して物体表面にコーティングを形成する装置である。サーマルスプレー装置においては、1または2本のワイヤまたは粉末が送給材料に使用されることができ、そして加熱はアークまたは燃焼炎によっている。
本発明の装置に搭載される物体表面に作用を施す装置としては、サーマルスプレー装置の他にも、溶接装置のように溶融した材料を付着させる装置、プラスチックシートの貼付け装置、塗料や接着剤の吹付け装置、あるいは物体表面に熱処理を施す装置など種々の装置を適用することができる。これらの装置においては、作用を施す対象の物体表面が気体と接することにより、液体と接する場合と比較して、優れた作用効果を発揮する。
また、これらの装置においては、作用を施す対象の物体表面が不活性ガスから成る気体と接することにより、さらに優れた作用効果を発揮する。
内部に負圧が生成されることによって物体表面に吸着し且つ物体表面に沿って移動する装置としては、以下に記載の装置を一例として挙げることができる。
船舶、ビルディング等の傾斜した又は実質上垂直な種々の物体表面に吸着して移動することができる装置として、例えば特公昭60−26752号公報(米国特許第4,095,378号明細書及び図面)に開示された装置を挙げることができる。
かかる装置は、メインケーシングと、該メインケーシングに装着された移動手段としての車輪と、該メインケーシングに連結されその自由端部が物体表面に接触せしめられるシール部材と、該メインケーシング、物体表面及び該シール部材によって規定された負圧領域の内部の流体を外部に排出するための負圧生成手段とを具備している。かかる装置においては、負圧生成手段が付勢されると負圧領域の内部の流体が外部に排出され、負圧領域内外の流体圧力差に起因してメインケーシングに作用する流体圧力は車輪を介して物体表面に伝達され、かかる流体圧力によって装置が物体表面に吸着される。また、かかる吸着状態において電動モ−タの如き駆動手段によって車輪を回転駆動せしめると、上記車輪の作用によって装置は物体表面に沿って移動する。また、かかる装置には、負圧領域の内部の物体表面に向け研掃材を噴射する研掃材噴射手段の如き作業装置が装着されており、物体表面上における種々の作業をリモートコントロールにて安全にかつ効率的に行うことができる。
次に、液体中に在る物体表面に密着しかつ物体表面に沿って移動しながら該物体表面に作用を施す装置としては、本発明者が、特許公開2003−285782号公報にて提案した下記の装置を挙げることができる。
かかる装置は、物体表面を気体のみに接触せしめる二つの気体領域を具備し、かつ該気体領域に物体表面に作用を施す装置を具備している。
かかる装置の構成について述べると、外側のケーシングと内側のケーシングとを少なくとも具備したメインケーシングと;該外側のケーシングの開口部に装着されその一部分が物体表面に接触せしめられる外側シール部材と;該内側のケーシングの開口部に装着されその一部分が物体表面に接触せしめられる内側シール部材と;該メインケーシングと物体表面との距離を任意の距離に維持しかつ物体表面に沿って移動可能な手段;とを具備する、液体中に在る物体表面に密着しながら物体表面に沿って移動可能な装置において、少なくとも該外側のケーシングと該外側シール部材と該内側シール部材とが物体表面と協働して第1領域を規定し、また、少なくとも該内側のケーシングと該内側シール部材とが物体表面と協働して規定した第2領域を具備している。
特公昭60−26752号公報 特許公開2003−285782号公報
上述した特公昭60−26752号公報に記載された装置を液面下で使用する場合には次の通りの解決すべき問題が存在する。
第1の問題として、液面下に在る物体表面に対し、例えば圧縮空気を利用して研掃材を噴射し、よって物体表面に粗面を形成したのち、使用済みの研掃材を陸上に設置された回収容器まで空気流を利用して吸引回収する場合においては、研掃材の噴射領域に液体の侵入は禁物である。また、研掃材の噴射作業と同じく、物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を嫌う種々の作業がある。例えば、サーマルスプレー装置、溶接装置のように溶融した材料を付着させる装置、プラスチックシートの貼付け装置、塗料や接着剤の吹付け装置、あるいは物体表面に熱処理を施す装置などの装置を使用した作業は、物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を嫌う。これらの装置においては、作用を施す対象の物体表面が気体と接することにより、液体と接する場合と比較して、優れた作用効果を発揮するものである。
以上のような、物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を嫌う作業を液面下で実施する装置においては、液体が侵入することが無く且つ気体で満たされた領域を具備する必要がある。
第2の問題として、以上のように、液面下に在る装置が気体で満たされた領域を具備する場合、深度が深くなるにつれ液圧が増大するので、該液圧が増大しても該気体で満たされた領域の圧力と該液圧との差圧が一定になるように該気体で満たされた領域の圧力を制御する必要がある。仮に、該液圧が該気体で満たされた領域の圧力より非常に大きいと、該気体で満たされた領域を該液圧が物体表面へ非常に強く押し付けるので、装置が物体表面に沿って移動するために非常に大きな力を必要とする。
また、研掃材の噴射など該気体で満たされた領域へ圧縮気体を噴出する場合においては、該気体で満たされた領域の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が一定になるように圧縮気体の圧力を制御する必要がある。仮に、該気体で満たされた領域の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が小さくなると圧縮気体の流量が減少するので、該圧縮気体を利用して物体表面に作用を施す場合においては該作用が不完全となる。
また、溶射材料の吹き付けなど該気体で満たされた領域へ通電したワイヤをフレキシブルコンディットの中を通して移送する場合においては、該フレキシブルコンディットの外部の液体の圧力と内部の気体の圧力との差圧が一定になるように該フレキシブルコンディットの内部の気体の圧力を制御する必要がある。仮に、該フレキシブルコンディットの外部の液体の圧力が内部の気体の圧力より大きいと該フレキシブルコンディットの内部へ液体が侵入し電気絶縁性が破壊される恐れがある。
次に、特許公開2003−285782号公報に開示された装置には次の通りの解決すべき問題が存在する。
上記の装置に、物体表面に作用を施す装置として、例えばサーマルスプレー装置や溶接装置のように溶融した材料を付着させる装置を具備した場合においては、備えているべき重要な機能がある。
溶融金属の中に酸化物が生成されると該金属の特性が劣化するが、溶融金属の靱性の改善には溶融金属の中の酸素量を低減させることが重要である。すなわち、物体表面に作用を施す領域は、酸素量を低減するために、不活性ガスで満たされていた方が良い。例えば、炭酸ガス溶接など高品質をもたらす溶接は、不活性ガスで覆われた空間にて実施されている。
従って、本発明の技術的解決課題は次のとうりである。
先ず、特公昭60−26752号公報に開示された装置に関わる上述の第1の問題について、その技術的解決課題は、気体で満たされた領域を具備する物体表面に密着し移動可能な装置を提供することである。
第2の問題について、その技術的解決課題は、装置を包囲する液体の液圧が増大しても気体で満たされた領域の圧力と該液圧との差圧が一定になるように該気体で満たされた領域の圧力を制御することである。また、気体で満たされた領域へ圧縮気体を噴出する場合においては、該気体で満たされた領域の圧力と該圧縮気体の圧力との差圧が一定になるように該圧縮気体の圧力を制御することである。また、気体で満たされた領域へ通電したワイヤをフレキシブルコンディットの中を通して移送する場合においては、該フレキシブルコンディットの外部の液体の圧力と内部の気体の圧力との差圧が一定になるように該フレキシブルコンディットの内部の気体の圧力を制御することである。
次に、特許公開2003−285782号公報に開示された装置に関わる問題について、その技術的解決課題は、
物体表面に作用を施す装置として、例えばサーマルスプレー装置や溶接装置のように溶融した材料を付着させる装置を具備した場合においては、物体表面に作用を施す領域は、酸素量を低減するために、不活性ガスで満たすことが重要である。
以上に、物体表面に密着し移動可能な装置において、従来技術の問題点を指摘し、本発明が解決しようとする課題を述べた。
先ず、特公昭60−26752号公報に開示された装置に関わる上記の技術的解決課題と、特許公開2003−285782号公報に開示された装置に関わる上記の技術的解決課題を達成するために、本発明の第1の発明によれば、特許請求の範囲の請求項1に記載されているように、
外側のケーシングと内側のケーシングとを少なくとも具備したメインケーシングと;該外側のケーシングの開口部に装着されその一部分が物体表面に接触せしめられる外側シール部材と;該内側のケーシングの開口部に装着されその一部分が物体表面に接触せしめられる内側シール部材と;該メインケーシングと物体表面との距離を任意の距離に維持し且つ物体表面に沿って移動可能な手段;とを具備する、流体中に在る物体表面に密着しながら物体表面に沿って移動可能な装置において、少なくとも該外側のケーシングと該外側シール部材と該内側シール部材とが物体表面と協働して第1領域を規定し、また、少なくとも該内側のケーシングと該内側シール部材とが物体表面と協働して規定した第2領域を具備したことを特徴とする装置において、該第1領域に在る流体の圧力が装置を包囲する流体の圧力より高い圧力に維持されており、該第2領域に在る流体の圧力が該第1領域に在る流体の圧力より低い圧力に維持されており、また、該第2領域へ不活性ガスを流入せしめる手段を備えた、ことを特徴とする、物体表面に密着し移動可能な装置が提供される。
また、特許請求の範囲の請求項2に記載されているように、
該第1領域へ不活性ガスを流入せしめる手段を備えた、ことを特徴とする、請求項1に記載の物体表面に密着し移動可能な装置が提供される。
また、特許請求の範囲の請求項3に記載されているように、
該外側シール部材は、該第1領域に在る流体の圧力と装置を包囲する流体の圧力との差圧により物体表面に押し付けられる形状を具備しており、また、該内側シール部材は、該第1領域に在る流体の圧力と該第2領域に在る流体の圧力との差圧により物体表面に押し付けられる形状を具備している、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項2に記載の物体表面に密着し移動可能な装置が提供される。
更に、特許請求の範囲の請求項4乃至請求項9に記載されているような、物体表面に密着し移動可能な装置が提供されるが、その内容は特許請求の範囲の内容と同様であるので、以下説明を省略する。
本発明の装置において、第1領域の気体の圧力は装置を包囲している液体の液圧より高い圧力に維持されているので第2領域へ液体が侵入するのを阻止し、第2領域の気体の圧力は装置を包囲している液体の液圧より低い圧力に維持されているので負圧の作用により装置は物体表面へ密着する。また、メインケーシングと物体表面との距離を任意の距離に維持しかつ物体表面に沿って移動する手段により、装置は液体中に在る物体表面に密着しながら物体表面に沿って移動する。
また、深度が深くなるにつれ装置を包囲する液体の液圧が増大しても気体で満たされた領域の圧力と該液圧との差圧が一定になるように該気体で満たされた領域の圧力が制御される。
また、気体で満たされた領域へ圧縮気体を噴出する場合においては、該気体で満たされた領域の圧力と該圧縮気体の圧力との差圧が一定になるように該圧縮気体の圧力が制御される。
また、気体で満たされた領域へ通電したワイヤをフレキシブルコンディットの中を通して移送する場合においては、該フレキシブルコンディットの外部の液体の圧力と内部の気体の圧力との差圧が一定になるように該フレキシブルコンディットの内部の気体の圧力が制御される。
本発明は下記の効果をもたらすものである。
本発明の第1の発明の効果について述べると、
物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を嫌う種々の作業がある。例えば、サーマルスプレー装置、溶接装置のように溶融した材料を付着させる装置、プラスチックシートの貼付け装置、塗料や接着剤の吹付け装置、あるいは物体表面に熱処理を施す装置などの装置を使用した作業は、物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を嫌う。
以上のような、物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を嫌う作業を液面下で実施する装置においては、液体が侵入することが無く且つ気体で満たされた領域を具備する必要があるが、本発明の装置においては、物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を阻止する機構を具備した。
これらの装置においては、作用を施す対象の物体表面が気体と接することにより、液体と接する場合と比較して、優れた作用効果を発揮するものである。
また、これらの装置の一部においては、作用を施す対象の物体表面が酸素濃度の低い不活性ガスから成る気体と接することにより、さらに優れた作用効果を発揮する。
例えば、サーマルスプレー装置や溶接装置においては、不活性ガスから成る気体の中で溶融作業が実施されることにより溶融物質の酸化が抑制されるので、品質が向上するといった利点がある。
本発明の第1の発明のさらなる効果について述べると、液面下に在る装置本体が気体で満たされた領域を具備する場合、深度が深くなるにつれ液圧が増大するので、該液圧が増大しても該気体で満たされた領域の圧力と該液圧との差圧が一定になるように該気体で満たされた領域の圧力を制御する必要がある。仮に、該液圧が該気体で満たされた領域の圧力より非常に大きいと、該気体で満たされた領域を該液圧が物体表面へ非常に強く押し付けるので、装置が物体表面に沿って移動するために非常に大きな力を必要とする。
本発明の装置においては、深度が深くなるにつれ液圧が増大しても該気体で満たされた領域の圧力と該液圧との差圧が一定になるように該気体で満たされた領域の圧力を制御した。
本発明の第1の発明および第2の発明に共通する効果について述べると、研掃材の噴射など該気体で満たされた領域へ圧縮気体を噴出する場合においては、該気体で満たされた領域の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が一定になるように圧縮気体の圧力を制御する必要がある。仮に、該気体で満たされた領域の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が小さくなると圧縮気体の流量が減少するので、該圧縮気体を利用して物体表面に作用を施す場合においては該作用が不完全となる。
本発明の装置においては、気体で満たされた領域の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が一定になるように圧縮気体の圧力を制御した。
以下、本発明に従って構成された装置の好適実施例について、添付図を参照して詳細に説明する。
図示の装置は液面下の物体表面1に密着しており、図1において図の左方向もしくは右方向に移動する。
図示の装置はメインケーシングを具備しており、該メインケーシングは剛性材料を素材とし、
円板状の円板部材200と、円板部材200の中央にある円形の開口部の周縁部に溶着されたカップ状の円筒部材220により構成されている。
円板部材200には、例えばポリウレタンゴム、プラスチック等の比較的柔軟な材料を素材とする外側シール部材31がボルト、ナットにて装着されている。外側シール部材31は、全体の形状が略円環状を成し、その自由端部が物体表面1に沿って装置の外側へ延びた形状をしている。この形状により、外側シール部材31は外側シール部材31の外側に在る流体の圧力により物体表面1に押し付けられる。すなわち、外側シール部材31の形状はいわゆるセルフシールの形状を成している。
また円板部材200には、外側シール部材31の内側に、例えばポリウレタンゴム、プラスチック等の比較的柔軟な材料を素材とする内側シール部材32がボルト、ナットにて装着されている。内側シール部材32は、全体の形状が略円環状を成し、その自由端部が物体表面1に沿って装置の内側へ延びた形状をしている。この形状により、内側シール部材32は内側シール部材32の内側に在る流体の圧力により物体表面1に押し付けられる。すなわち、内側シール部材32の形状はいわゆるセルフシールの形状を成している。
円板部材200、外側シール部材31および内側シール部材32は物体表面1と協働して環状の第1領域11を規定している。
また、円筒部材220と内側シール部材32は物体表面1と協働して第2領域12を規定している。
円板部材200には、第1領域11と連通する接続管部材211が溶着されている。
円筒部材220には、第2領域12と連通する接続管部材221が溶着されている。
円筒部材220の背面部には、第2領域12の内部の物体表面1に溶射を施すためのアーク溶射ガン82が固定されている。
本発明の実施例の装置は、メインケーシングの内部に4個の車輪41(想像線で図示)を具備している。車輪41は、メインケーシングと物体表面1の間隙を一定の距離に維持し、且つメインケーシング対し物体表面1の方向に作用する包囲液体の押し付け圧力を受け止める機能を有する。車輪41をギヤードモータ(図示せず)などの駆動手段に連結すれば、本発明の実施例の装置は物体表面1に沿って自走することができる。ただし、本発明の実施例の装置を該装置の外部の力により物体表面1に沿って移動せしめる場合においては、車輪41をギヤードモータ(図示せず)などの駆動手段に連結する必要は無く、自由に従動回転する車輪として使用する。なお、車輪41をメインケーシングに保持する機構は本発明には重要ではなく、公知の機構が使用され得る。

本発明の実施例の装置は、上述のように、物体表面1に作用を施す装置の一例として、アーク溶射ガン82を含むアーク溶射装置を具備している。
以下に、アーク溶射装置の構成を述べる。
図4及び図6に見られるように、
亜鉛やアルミニウムなどの金属を素材とする2本の溶射用線材821(以下、ワイヤ821と呼称する)は、ワイヤリールを備えたワイヤ送給装置83により、フレキシブルコンディット828(フレキシブル導管)の中を通ってアーク溶射ガン82へ送給され、アーク溶射ガン82の内部においては、ワイヤ821はワイヤノズル822へ送給される。ワイヤノズル822の一部に交流または直流を通電する通電端子を設け(図示せず)、それぞれのワイヤ921はワイヤノズル822を介して通電される。ワイヤ821はワイヤノズル822を出た所で交差接触してアークを発生させる。このとき、ワイヤ821はアーク熱により瞬間的に加熱溶融して細粒となり、二つのワイヤノズル822の中間にあるガスノズル823から噴出する不活性ガスなどの圧縮気体の作用により微粒化し(霧状にされ)かつ冷却されながら飛散して物体表面1に衝突し、金属溶射被膜を形成する。
アーク溶射ガン82に連結された2本のフレキシブルコンディット828の上流側のそれぞれの端部に具備された圧縮気体入口829は、フレキシブルコンディット828の内部及びフレキシブルコンディット828に連通されたアーク溶射ガン82の内部を加圧するために、下流側から順に、流量調整弁832及び加圧された不活性ガスの発生源85cに連結されている。アーク溶射ガン82の内部の圧力は、第1領域11の圧力と同圧か、もしくはアーク溶射ガン82の内部の圧力が第1領域11の圧力より高めに維持されるように、リリーフ弁833が具備されている。
フレキシブルコンディット828の内部には通電されたワイヤ821が通っており、ワイヤ821はワイヤ送給装置83により繰り出される。もし、フレキシブルコンディット828の外部の液体の圧力が内部の気体の圧力より大きいとフレキシブルコンディット828の内部へ液体が侵入し電気絶縁性が破壊される恐れがある。
アーク電流は、一般に、数百アンペア程度である。
アーク溶射装置において、ワイヤ821及びワイヤノズル822と接触するガンケーシング826などの部材は硬いプラスチツクのごとき電気絶縁材料から形成される。 ワイヤ送給機構の方式またはワイヤ送給装置83の配置は本発明には重要ではなく、そして他の適切な通常のまたは他の所望の機構が使用され得る。また、ワイヤ送給機構は公知のようにアーク溶射ガン82の内部に配置することもできる。
本発明のための、アーク溶射装置の上述したような態様、構造上の詳細は重要でなくかつ本発明の実施例に限定される必要はない。他の形状が使用され得る。
なお、本発明の装置に搭載される物体表面1に作用を施す装置はアーク溶射装置に限定されない。アーク溶射装置は、種々あるサーマルスプレー装置(溶射装置)の中のひとつの装置である。一般に、サーマルスプレー装置とは、金属のごとき溶融材料としてのワイヤまたは粒子を溶融して微細化しかつ噴霧して物体表面にコーティングを形成する装置である。サーマルスプレー装置においては、1または2本のワイヤまたは粉末が送給材料に使用されることができ、そして加熱はアークまたは燃焼炎によっている。
さらに、本発明の装置に搭載されて物体表面に作用を施す装置としては、サーマルスプレー装置の他にも、溶接装置のように溶融した材料を付着させる装置、プラスチックシートの貼付け装置、塗料や接着剤の吹付け装置、研掃材の噴射装置、あるいは物体表面に熱処理を施す装置など種々の装置を適用することができる。これらの装置においては、作用を施す対象の物体表面が気体と接することにより、液体と接する場合と比較して、優れた作用効果を発揮する。
また、これらの装置の一部においては、作用を施す対象の物体表面が酸素濃度の低い不活性ガスから成る気体と接することにより、さらに優れた作用効果を発揮する。
例えば、サーマルスプレー装置や溶接装置においては、不活性ガスから成る気体の中で溶融作業が実施されることにより溶融物質の酸化が抑制されるので、品質が向上するといった利点がある。
主として図5を参照して、本発明の実施例の装置の全体システムを以下に説明する。液面下の物体表面1に密着しかつ物体表面1に沿って移動する装置は、以下、装置本体と呼称する。なお、配管を示す線及びワイヤを示す線の上の矢印は、流体が流れる方向及びワイヤが移送される方向を示している。
装置本体の第1領域11の接続管部材211は、ホース851を介して、下流側から順に、圧力制御弁V1、電磁開閉弁852、加圧された不活性ガスの発生源85bに連結されている。加圧された不活性ガスの発生源85aは十分な吐出量且つ十分な吐出圧力を具備している。
加圧された不活性ガスの発生源85bは、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスなどの酸素濃度の低い不活性の気体を発生させる装置(図示せず)に連結されている。
第1領域11は、内部の圧力を検知する圧力センサP1を具備している。
第2領域12の接続管部材221は、ホース861を介して、上流側から順に、ダストコレクタ862、圧力制御弁V2、ルーツ式真空ポンプ86に連結されている。ルーツ式真空ポンプ86は十分な吸引風量且つ十分な吸引圧力を具備しており、また、過大な真空の発生によりルーツ式真空ポンプ86が焼き付かないように、過大な真空が発生した場合には自動的に外気を吸入して真空度を低下させる機能を有するバキュームブレーカ863がルーツ式真空ポンプ86の入口に具備されている。
第2領域12は、内部の圧力を検知する圧力センサP2を具備している。
第2領域12の外側には、装置本体を包囲する液体の圧力を検知する圧力センサPwが具備されている。
第1領域11と第2領域12の間には、上流側から順に、流量調整弁854及び電磁開閉弁855が具備されている。
電磁開閉弁855は、圧力制御弁Vbから圧縮気体が噴出していない時には開いており、圧力制御弁Vbから圧縮気体が噴出している時には閉じている。流量調整弁854は、電磁開閉弁855が開いている時に電磁開閉弁855を通過する単位時間あたりの気体の流量が圧力制御弁Vbから噴出する単位時間あたりの圧縮気体の流量とほぼ同じになるように流量を調整する。流量調整弁854及び電磁開閉弁855が具備されている目的は、圧力制御弁Vbから圧縮気体が噴出する、しないの状態の変化に起因して、第2領域12からルーツ式真空ポンプ86へ流れる気体の流量が極端に変動するのを防止する目的である。
第2領域12は、ホース945を介して、下流側から順に、圧力計PB、圧力制御弁Vb、電磁開閉弁847及びエアコンプレッサ85に連結されている。
主として図6を参照して、アーク溶射ガン82のガスノズル823は、ホース831を介して、下流側から順に、圧力計PG、圧力制御弁Vg及び加圧された不活性ガスの発生源85cに連結されている。
以下に、主として図5を参照して、上述の各圧力制御弁の制御方法について述べる。
第1に、液面下に装置本体が在る場合、深度が深くなるにつれ装置本体を包囲する液圧が増大するので、該液圧が増大しても第1領域11の圧力と該液圧との差圧、あるいは第2領域12の圧力と該液圧との差圧が一定になるように第1領域11及び第2領域12の圧力が制御される。仮に、該液圧が第2領域12の圧力より非常に大きいと、装置本体を該液圧が物体表面1へ非常に強く押し付けるので、装置本体が物体表面1に沿って移動するために非常に大きな力を必要とする。
このため、液面下の物体表面に密着している装置本体を包囲する液体のゲージ圧力をPwとし、第1領域11の気体のゲージ圧力をP1とし、第2領域12の気体のゲージ圧力をP2とすれば、Pwの値が変動しても、P1=Pw+Pmとなるように圧力制御弁V1を制御し、また、P2=Pw−Pnとなるように圧力制御弁V2を制御する。この時、Pmの値は20mmHgから500mmHgまでの圧力範囲から選択した任意の値とし、Pnの値は20mmHgから500mmHgまでの圧力範囲から選択した任意の値とする。
第2に、アーク溶射ガン82のガスノズル823から第1領域11へ圧縮気体を噴出する場合においては、第1領域11の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が一定になるように圧縮気体の圧力が制御される。仮に、第1領域11の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が小さくなると圧縮気体の流量が減少するので、該圧縮気体を利用して物体表面1に作用を施す場合においては該作用が不完全となる。
このため、ガスノズル823の出口が第1領域11の内部または第1領域11に連通した部分で開口した装置において、ガスノズル823へ供給される圧縮気体用の圧力制御弁Vgのゲージ圧力をPGとすれば、Pwの値が変動しても、PG=Pw+Pm+Pgとなるように圧力制御弁Vgを制御する。この時、Pgの値は2kgf/cm2 以上の圧力範囲から選択した任意の値とする。
第3に、圧力制御弁Vbから第2領域12へ圧縮気体を噴出する場合においては、第2領域12の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が一定になるように圧縮気体の圧力が制御される。仮に、第2領域12の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が小さくなると圧縮気体の流量が減少するので、該圧縮気体を利用して物体表面1に作用を施す場合においては該作用が不完全となる。
このため、圧力制御弁Vbの出口が第2領域12の内部または第2領域12に連通した部分で開口した装置において、圧力制御弁Vbのゲージ圧力をPBとすれば、Pwの値が変動しても、PB=Pw−Pn+Pbとなるように圧力制御弁Vbを制御する。この時、Pbの値は2kgf/cm2 以上の圧力範囲から選択した任意の値とする。
第4に、アーク溶射ガン82など第1領域11へ通電したワイヤ821をフレキシブルコンディット828の中を通して移送する場合においては、フレキシブルコンディット828の外部の液体の圧力と内部の気体の圧力との差圧が一定になるようにフレキシブルコンディット828の内部の気体の圧力を制御する。仮に、フレキシブルコンディット828の外部の液体の圧力が内部の気体の圧力より大きいとフレキシブルコンディット828の内部へ液体が侵入し電気絶縁性が破壊される恐れがある。
このため、フレキシブルコンディット828の下流側の出口が第1領域11の内部または第1領域11に連通した部分で開口した装置において、フレキシブルコンディット828の下流側の出口の直前の内部の気体のゲージ圧力をPCとすれば、Pwの値が変動しても、PC=Pw+PmもしくはPC>Pw+Pmとなるように、フレキシブルコンディット828の内部に圧縮気体を注入しかつ圧力を制御する。
なお、以上に述べた本発明の実施例の装置とは態様が若干異なるが、物体表面に作用を施す装置の一部を構成する、アーク溶射ガン用のワイヤなどの通電されたワイヤが通過するフレキシブルコンディットを具備し、該フレキシブルコンディットの下流側の出口が第2領域12の内部または第2領域12に連通した部分で開口した装置においては、該フレキシブルコンディットの下流側の出口の直前の内部の気体のゲージ圧力をPCとすれば、Pwの値が変動しても、PC>Pwとなるように、該フレキシブルコンディットの内部に圧縮気体を注入しかつ圧力を制御する。
次に、上述した装置の作用効果について、主として図5を参照して説明する。
浅い深度の液面下に在る装置本体において、外側シール部材31と内側シール部材32のそれぞれの端部を物体表面1へ接触せしめた後、ルーツ式真空ポンプ86を起動し、且つ電磁開閉弁852を開にして第1領域11へ圧縮気体を流入せしめれば、第1領域11の内部の圧力は装置本体を包囲する液体の圧力より高い圧力になり、第1領域11の内部の気体及び液体は開いている電磁開閉弁855を通って第2領域12へ流入し、また、内側シール部材32と物体表面1の隙間を通って第2領域12へ流入し、また、外側シール部材31と物体表面1の隙間を通って装置本体の外部へ流出し、また、流量調整弁853を通って装置本体の外部へ流出する。僅かな時間が経過した後、第1領域11のすべての液体が装置本体の外部へ流出する。第2領域12の液体及び第1領域11から第2領域12へ気体と共に流入した液体は、ルーツ式真空ポンプ86の吸引作用により吸引移送され(気液混合移送され)、第2領域12のすべての液体はダストコレクタ862により捕集、回収される。
なお、第2領域12の圧力が所望の圧力に維持されている時、第1領域11の圧力が内側シール部材32の自由端部を物体表面1の方向に押し付け、よって第1領域11の気体が第2領域12に流入するのを極力阻止する。また、第1領域11の圧力は外側シール部材31の自由端部を物体表面1の方向に押し付け、液体が第1領域11の内部に流入するのを阻止する。かくして、第1領域11及び第2領域12の内部に液体が流入するのが阻止される。
ルーツ式真空ポンプ86が起動すると、第2領域12の圧力は装置本体を包囲する液体の圧力より低くなり、よって装置本体は液体の圧力により物体表面1へ押し付けられて密着する。かくして装置本体は物体表面1に吸着するとともに、車輪41をギヤードモータ(図示せず)などの駆動手段により回転駆動せしめると装置は物体表面1に沿って移動する。
物体表面1に作用を施す装置の作用効果について以下に述べると、
第1領域11に具備されたアーク溶射ガン82において、溶射用線材のワイヤ821はアーク熱により瞬間的に加熱溶融して細粒となり、ガスノズル823から噴出する圧縮気体の作用により微粒化し(霧状にされ)かつ冷却されながら飛散して物体表面1に衝突し、金属溶射被膜を形成する。ガスノズル823から噴出する圧縮気体は、一部は外側シール部材31と物体表面1の隙間を通って装置本体の外部へ流出し、また一部は内側シール部材32と物体表面1の隙間を通って第2領域12へ流入した後、サクションホースを兼ねたエアホース861を通って吸引移送される。
上述した本発明の好適実施例の装置の効果について説明する。
本発明の装置において、第1領域11の気体の圧力は装置を包囲している液体の液圧より高い圧力に維持されているので第2領域12へ液体が侵入するのを阻止し、第2領域12の気体の圧力は装置を包囲している液体の液圧より低い圧力に維持されているので負圧の作用により装置は物体表面へ密着する。また、メインケーシング2と物体表面1との距離を任意の距離に維持しかつ物体表面1に沿って移動する手段により、装置本体は液体中に在る物体表面1に密着しながら物体表面1に沿って移動する。
また、深度が深くなるにつれ装置本体を包囲する液体の液圧が増大しても、気体で満たされた領域の圧力と該液圧との差圧が一定になるように、該気体で満たされた領域の圧力が制御される。
また、気体で満たされた領域へ圧縮気体を噴出する場合においては、該気体で満たされた領域の圧力と該圧縮気体の圧力との差圧が一定になるように該圧縮気体の圧力が制御される。
また、気体で満たされた領域へ通電したワイヤ821をフレキシブルコンディット828の中を通して移送する場合においては、フレキシブルコンディット828の外部の液体の圧力と内部の気体の圧力との差圧が一定になるようにフレキシブルコンディット828の内部の気体の圧力が制御される。
以上に本発明の装置の好適実施例について説明したが、本発明の装置は該好適実施例の他にも特許請求の範囲に従って種々実施例を考えることができる。
なお、物体表面に対して溶射を施す場合においては、溶射の前処理として物体表面に研掃材を噴射して粗面化する必要があるが、本発明の実施例においては、研掃材の噴射作業と溶射材料の吹付け作業とは別工程において実施されるものとした。
本発明の第1の発明の効果について以下に述べる。
物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を嫌う種々の作業がある。例えば、サーマルスプレー装置、溶接装置のように溶融した材料を付着させる装置、プラスチックシートの貼付け装置、塗料や接着剤の吹付け装置、あるいは物体表面に熱処理を施す装置などの装置を使用した作業は、物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を嫌う。
以上のような、物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を嫌う作業を液面下で実施する装置においては、液体が侵入することが無く且つ気体で満たされた領域を具備する必要があるが、本発明の装置においては、物体表面に作用を施す領域への液体の侵入を阻止する機構を具備した。
これらの装置においては、作用を施す対象の物体表面が気体と接することにより、液体と接する場合と比較して、優れた作用効果を発揮するものである。
また、これらの装置の一部においては、作用を施す対象の物体表面が酸素濃度の低い不活性ガスから成る気体と接することにより、さらに優れた作用効果を発揮する。
例えば、サーマルスプレー装置や溶接装置においては、不活性ガスから成る気体の中で溶融作業が実施されることにより溶融物質の酸化が抑制されるので、品質が向上するといった利点がある。
第3の問題点とそれを克服した発明の効果を述べると、液面下に在る装置本体が気体で満たされた領域を具備する場合、深度が深くなるにつれ液圧が増大するので、該液圧が増大しても該気体で満たされた領域の圧力と該液圧との差圧が一定になるように該気体で満たされた領域の圧力を制御する必要がある。仮に、該液圧が該気体で満たされた領域の圧力より非常に大きいと、該気体で満たされた領域を該液圧が物体表面へ非常に強く押し付けるので、装置が物体表面に沿って移動するために非常に大きな力を必要とする。
本発明の装置においては、深度が深くなるにつれ液圧が増大しても該気体で満たされた領域の圧力と該液圧との差圧が一定になるように該気体で満たされた領域の圧力を制御した。
第4の問題点とそれを克服した発明の効果を述べると、該気体で満たされた領域へ圧縮気体を噴出する場合においては、該気体で満たされた領域の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が一定になるように圧縮気体の圧力を制御する必要がある。仮に、該気体で満たされた領域の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が小さくなると圧縮気体の流量が減少するので、該圧縮気体を利用して物体表面に作用を施す場合においては該作用が不完全となる。
本発明の装置においては、気体で満たされた領域の圧力と圧縮気体の圧力との差圧が一定になるように圧縮気体の圧力を制御した。
第5の問題点とそれを克服した発明の効果を述べると、溶射材料の吹き付けなど該気体で満たされた領域へ通電したワイヤをフレキシブルコンディットの中を通して移送する場合においては、該フレキシブルコンディットの外部の液体の圧力と内部の気体の圧力との差圧が一定になるように該フレキシブルコンディットの内部の気体の圧力を制御する必要がある。仮に、該フレキシブルコンディットの外部の液体の圧力が内部の気体の圧力より大きいと該フレキシブルコンディットの内部へ液体が侵入し電気絶縁性が破壊される恐れがある。
本発明の装置においては、フレキシブルコンディットの外部の液体の圧力と内部の気体の圧力との差圧が一定になるように該フレキシブルコンディットの内部の気体の圧力を制御した。
かくの通りの液面下の物体表面に密着し移動可能な装置は、液面下の物体表面において様々な作業を行う様々な装置を搭載し、且つ該装置を物体表面に沿って移動せしめる装置として好都合に用いることができる。例えば、海洋構造物の海面下にある物体表面に対し研掃材の噴射作業や溶射作業を実施する装置として好都合に用いることができる。本発明の装置に搭載される物体表面に作用を施す装置としては、サーマルスプレー装置、溶接装置のように溶融した材料を付着させる装置、プラスチックシートの貼付け装置、塗料や接着剤の吹付け装置、研掃材の噴射装置、あるいは物体表面に熱処理を施す装置など様々な装置を適用することができる。これらの装置においては、作用を施す対象の物体表面が気体と接することにより、液体と接する場合と比較して優れた作用効果を発揮するものである。
例えば、サーマルスプレー装置や溶接装置においては、不活性ガスから成る気体の中で溶融作業が実施されることにより溶融物質の酸化が抑制されるので、品質が向上するといった利点がある。
本発明に従って構成された装置の好適実施例を示す平面図。 図1に示す装置における右側面図。 図1に示す装置におけるA−Aの断面図。 図1に示す装置における溶射ガン82の拡大断面図。 本発明に従って構成された装置の全体システムを示す図。 本発明に従って構成されたアーク溶射装置の全体システムを示す図。

Claims (9)

  1. 外側のケーシングと内側のケーシングとを少なくとも具備したメインケーシングと;該外側のケーシングの開口部に装着されその一部分が物体表面に接触せしめられる外側シール部材と;該内側のケーシングの開口部に装着されその一部分が物体表面に接触せしめられる内側シール部材と;該メインケーシングと物体表面との距離を任意の距離に維持し且つ物体表面に沿って移動可能な手段;とを具備する、流体中に在る物体表面に密着しながら物体表面に沿って移動可能な装置において、少なくとも該外側のケーシングと該外側シール部材と該内側シール部材とが物体表面と協働して第1領域を規定し、また、少なくとも該内側のケーシングと該内側シール部材とが物体表面と協働して規定した第2領域を具備したことを特徴とする装置において、該第1領域に在る流体の圧力が装置を包囲する流体の圧力より高い圧力に維持されており、該第2領域に在る流体の圧力が該第1領域に在る流体の圧力より低い圧力に維持されており、また、該第2領域へ不活性ガスを流入せしめる手段を備えた、ことを特徴とする、物体表面に密着し移動可能な装置。
  2. 該第1領域へ不活性ガスを流入せしめる手段を備えた、ことを特徴とする、請求項1に記載の物体表面に密着し移動可能な装置。
  3. 該外側シール部材は、該第1領域に在る流体の圧力と装置を包囲する流体の圧力との差圧により物体表面に押し付けられる形状を具備しており、また、該内側シール部材は、該第1領域に在る流体の圧力と該第2領域に在る流体の圧力との差圧により物体表面に押し付けられる形状を具備している、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項2に記載の物体表面に密着し移動可能な装置。
  4. 該第1領域は流体吐出源とホースを介して連結されるとともに該第1領域と流体吐出源との間には圧力制御弁V1が配置され、また、該第2領域は真空源とホースを介して連結されるとともに該第2領域と該真空源との間には圧力制御弁V2が配置されている、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3に記載の物体表面に密着し移動可能な装置。
  5. 物体表面に密着している装置を包囲する流体のゲージ圧力をPwとし、該第1領域の流体のゲージ圧力をP1とし、該第2領域の流体のゲージ圧力をP2とすれば、Pwの値が変動しても、P1=Pw+Pmとなるように圧力制御弁V1を制御し、また、P2=Pw−Pnとなるように圧力制御弁V2を制御し、この時、Pmの値は20mmHgから500mmHgまでの圧力範囲から選択した任意の値とし、Pnの値は20mmHgから500mmHgまでの圧力範囲から選択した任意の値とする、ことを特徴とする、請求項4に記載の物体表面に密着し移動可能な装置。
  6. 流体が噴出するノズルを具備し、該ノズルの出口が該第1領域の内部または該第1領域に連通した部分で開口した装置において、該ノズルへ供給される流体用の圧力制御弁Vgのゲージ圧力をPGとすれば、Pwの値が変動しても、PG=Pw+Pm+Pgとなるように圧力制御弁Vgを制御し、この時、Pgの値は2kgf/cm2 以上の圧力範囲から選択した任意の値とする、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5に記載の物体表面に密着し移動可能な装置。
  7. 流体が噴出するノズルを具備し、該ノズルの出口が該第2領域の内部または該第2領域に連通した部分で開口した装置において、該ノズルへ供給される流体用の圧力制御弁Vbのゲージ圧力をPBとすれば、Pwの値が変動しても、PB=Pw−Pn+Pbとなるように圧力制御弁Vbを制御し、この時、Pbの値は2kgf/cm2 以上の圧力範囲から選択した任意の値とする、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5に記載の物体表面に密着し移動可能な装置。
  8. 溶射ガン用のワイヤなどの通電されたワイヤが通過するフレキシブルコンディットを具備し、該フレキシブルコンディットの下流側の出口が該第1領域の内部または該第1領域に連通した部分で開口した装置において、該フレキシブルコンディットの下流側の出口の直前の内部の気体のゲージ圧力をPCとすれば、Pwの値が変動しても、PC=Pw+PmもしくはPC>Pw+Pmとなるように、該フレキシブルコンディットの内部に圧縮気体を注入しかつ圧力を制御する、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5に記載の物体表面に密着し移動可能な装置。
  9. 物体表面に作用を施す装置の一部を構成する、溶射ガン用のワイヤなどの通電されたワイヤが通過するフレキシブルコンディットを具備し、該フレキシブルコンディットの下流側の出口が該第2領域の内部または該第2領域に連通した部分で開口した装置において、該フレキシブルコンディットの下流側の出口の直前の内部の気体のゲージ圧力をPCとすれば、Pwの値が変動しても、PC>Pwとなるように、該フレキシブルコンディットの内部に圧縮気体を注入しかつ圧力を制御する、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5に記載の物体表面に密着し移動可能な装置。
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