JP2008126691A - 水抜きプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の増加を来たすことなくフラップの容易な開閉作動を確保できるようにして、製造コストの抑制と排水性能の向上を図ることのできる水抜きプラグを提供する。
【解決手段】ドアインナパネル3の水抜き孔5に嵌着固定されるプラグ本体12に連通孔11を形成し、プラグ本体12と一体に形成したフラップ13によって連通孔11を開閉する。プラグ本体12とフラップ13を連結する連結片18の厚みを、フラップ13の外周縁部の厚みよりも薄くする。ドアインナパネル3の裏側に雨水等が回り込んだ場合には、連結片18が容易に撓んでフラップ13が連通孔11を開口する。
【選択図】図3

Description

この発明は、車体パネルの水抜き孔に取り付けられる水抜きプラグに関するものである。
車両のドアパネルには、ドアウィンドウガラス等を伝ってドア内部に浸入した水を外部に排出するために水抜き孔が設けられている。しかし、この水抜き孔は、ドアパネル内に溜まった水を外部に排出できるものの、そのままでは外部からの騒音や埃等の浸入経路となってしまう。このため、水抜き孔には水抜きプラグが取り付けられ、ドアパネル内に溜まった水を外部に排出するときにだけ水抜きプラグの連通孔を開口するようになっている。
この種の水抜きプラグとして、水抜き孔に嵌着固定される樹脂製のプラグ本体に連通孔が形成され、連通孔の縁部に連通孔を開閉するフラップが設けられたものが案出されている。
具体的な水抜きプラグの構造としては、金属箔からなるフラップがプラグ本体の連通孔の縁部にピンによって開閉自在に取付けられたものや、フラップがプラグ本体とともに樹脂によって一体に形成されたものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
このような構造の水抜きプラグでは、通常時にはフラップが連通孔を閉じており、ドアパネル内に入り込んだ水の重みがフラップに作用すると、その重みによってフラップが連通孔を開き、連通孔を通して排水を行う。
特開平11−91633号公報
しかし、別体のフラップをピンによってプラグ本体に取付けた水抜きプラグの場合、部品点数が多くなり、製造コストが高騰することが懸念される。
また、フラップをプラグ本体と一体に形成した水抜きプラグの場合、プラグ本体やフラップの形状を安定維持できる肉厚で全体を形成すると、フラップの付根部の撓み剛性が高くなり、充分な排水性能を確保することが難しくなる。
そこでこの発明は、部品点数の増加を来たすことなくフラップの容易な開閉作動を確保できるようにして、製造コストの抑制と排水性能の向上を図ることのできる水抜きプラグを提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、車体パネル(例えば、後述の実施形態におけるドアインナパネル3)の水抜き孔(例えば、後述の実施形態における水抜き孔5)に嵌着固定されるプラグ本体(例えば、後述の実施形態におけるプラグ本体12)と、このプラグ本体に形成されて車体パネルの内外を連通する連通孔(例えば、後述の実施形態における連通孔11)と、プラグ本体のこの連通孔の開口縁に一体に形成されて前記連通孔を開閉するフラップ(例えば、後述の実施形態におけるフラップ13)と、を備え、前記フラップが連通孔を開いて車体パネルの内側から水を排水する水抜きプラグ(例えば、後述の実施形態における水抜きプラグ10)であって、前記プラグ本体とフラップの連結部(例えば、後述の実施形態における水抜き連結片18,18)の肉厚が、前記フラップの縁部の肉厚よりも薄く形成されていることを特徴とする。
これにより、車体パネルの内側のフラップ部分に水が流れ込むと、フラップはその縁部の肉厚よりも薄い連結部が撓んで連通孔を開口する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水抜きプラグにおいて、前記連結部の幅が前記フラップの幅よりも狭く形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の水抜きプラグにおいて、前記連結部は複数の連結片(例えば、後述の実施形態における連結片18,18)から成り、その複数の連結片が前記フラップの幅方向の中心に対して略対称に配置されていることを特徴とする。
これにより、連結部全体の幅をより狭め易くなるとともに、連結部を構成する複数の連結片に荷重が略均等に作用するようになって、フラップの回動時に捩れが生じ難くなる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水抜きプラグにおいて、前記フラップは、周縁部が中心部よりも肉厚に形成されていることを特徴とする。
これにより、フラップは周縁部の肉厚部によって形状を安定的に維持されるようになるとともに、中心部の肉薄部によってフラップ全体の重量増加が抑制される。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水抜きプラグにおいて、前記連結部は、前記フラップからその延在方向に沿って直線的に延出するストレート部(例えば、後述の実施形態におけるストレート部18a)と、このストレート部のプラグ本体側の端部に設けられた屈曲部(例えば、後述の実施形態における屈曲部18b)を有することを特徴とする。
これにより、フラップは開口縁部側にオフセットした屈曲部付近を支点として開閉作動することになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水抜きプラグにおいて、前記フラップは、前記連通孔を閉じた状態において、その前面と前記プラグ本体の前面が面一になるように形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、フラップがプラグ本体と一体に形成されるとともに、プラグ本体との連結部の肉厚がフラップの縁部の肉厚よりも薄く形成されているため、部品点数の増加を招くことなくフラップの容易な開閉作動を得ることができ、その結果、製造コストの抑制と排水性能の向上を図ることが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、連結部の幅がさらにフラップの幅よりも狭く形成されているため、連結部の撓み剛性がより低くなり、フラップの開閉作動がさらに容易になる。
請求項3に記載の発明によれば、連結部の撓み剛性をより低下させ易くなるうえ、フラップの幅方向に略対象に配置された複数の連結片によって開閉時におけるフラップの捩れを防止できることから、フラップの開閉作動をより容易に、かつ安定的なものとすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、フラップの周縁部の肉厚が厚くなるためにフラップの形状の安定化を図ることができ、しかも、フラップの中心部が周縁部よりも薄くなって全体が軽量化されることから、フラップの開閉作動をさらに容易化することができる。
請求項5に記載の発明によれば、フラップがプラグ本体側にオフセットした屈曲部付近を支点として開閉作動するようになるため、排水時における連通孔の開口をより大きくし、排水性をより高めることができる。
請求項6に記載の発明によれば、フラップが連通孔を閉じた状態でフラップの前面とプラグ本体の前面が面一になるため、外側からの見栄えが良好になり、車両の商品性をより高めることが可能となる。
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、この発明にかかる水抜きプラグを装着した車両の外観を示すものであり、図2は、図1のA−A断面に対応するドア1の下端とサイドシル2部分の断面図を示すものである。
図2に示すように、ドア1は、ドアインナパネル3(車体パネル)とドアアウタパネル4の周縁部がヘミング加工によって相互に結合され、サイドシル2の車外側の段差部2aに対峙するドアインナパネル3の下縁の湾曲部分には、ドアアウタパネル4とドアインナパネル3の間に入り込んだ水を排水するため水抜き孔5が形成されている。この水抜き孔5には、インナパネル3の外側からこの発明にかかる水抜きプラグ10が取り付けられる。なお、図2中、6は、サイドシル2に取り付けられて、ドア1の閉時にドアインナパネル3に密接するボディサイド・ウェザーストリップである。
図3は、水抜きプラグ10の取り付け状態を示す斜視図であり、図4は、水抜きプラグ10の平面図、図5,図6は、夫々図4のB−B断面とC−C断面に対応する断面図、図7は、図5のD部の拡大断面図である。
これらの図に示すように、水抜きプラグ10は、連通孔11を有し水抜き孔5に嵌着固定されるプラグ本体12と、プラグ本体12の連通孔11の縁部に一体に形成されて連通孔11を開閉するフラップ13と、を備えている。この水抜きプラグ10はプラグ本体12とフラップ13を含む全体が樹脂によって一体に形成されている。
プラグ本体12は、水抜き孔5よりも大きく形成され水抜きプラグ10の装着時にドアインナパネル3の外側に露出する平面視が略方形状のベース部14と、このベース部14の背面側から突出する脚部15を備え、ベース部14には略方形状の連通孔11が形成され、脚部15には側部に突出する断面三角形状の係止突起16が形成されている。連通孔11は、ドアインナパネル3の水抜き孔5よりも一回り小さく形成され、ドアインナパネル3内に侵入した水をこの連通孔11を通して外部に排出する。また、プラグ本体12は、脚部15が水抜き孔5内に嵌入されたときに、係止突起16が水抜き孔5の内周側縁部に係止される。
また、プラグ本体12のベース部14の外周には、先端側が脚部15方向に湾曲したシールリップ17が一体に延設され、プラグ本体12をドアインナパネル3の水抜き孔5に嵌着した状態において、シールリップ17の外周縁部が水抜き孔5の周縁に密接するようになっている。
フラップ13は、連通孔11の開口よりも若干小さい略方形状に形成され、その一辺に延設された一対の連結片18,18(連結部)を介してプラグ本体12のベース部14に結合されている。より詳細には、フラップ13は、外周縁部13aがベース部14や脚部15とほぼ同様の肉厚に形成され、外周縁部13aよりも内側領域13b(中心部)が外周縁部13aよりも肉薄になるように裏面側が凹状に形成されている。そして、連結片18は、フラップ13の外周縁部の肉厚よりも薄い帯板状に形成され、その外面がフラップ13の外面と面一に連続している。なお、フラップ13や連結片18は、フラップ13が連通孔11を閉じた状態において、ベース部14(プラグ本体12)の外面と面一になるように形成されている。
一方、プラグ本体12のベース部14の上面には窪み部19が形成され、フラップ13に延設された一対の連結片18,18がこの窪み部19の上面に一体に結合されている。各連結片18は、図7の拡大図に示すように、フラップ13の延在方向から直線状に延出するストレート部18aと、このストレート部18aの先端部で略L字状に屈曲して窪み部19の上面に結合される屈曲部18bとを備え、フラップ13に外力が加わったときに屈曲部18bが撓み変形し、この屈曲部18bを支点としてフラップ13が回動するようになっている。また、連結片18,18はフラップ13の一辺に左右対称(幅方向の中心に対して対称)に配置されるとともに、両連結片18,18を合わせた幅がフラップ13の幅よりも充分に狭くなるように設定されている。
以上のように構成された水抜きプラグ10は、プラグ本体12の脚部15をドアインナパネル3の水抜き孔5に嵌入し、係止突起16を水抜き孔5の内周縁部に係止させることによってドアインナパネル3に取り付けられる。
こうして取り付けられた水抜きプラグ10は、通常時には、フラップ13が連通孔11を閉じ、連通孔11を通した騒音や埃等の浸入を阻止するように機能する。
また、ドアウィンドウガラス等を伝って雨水等がドアインナパネル3とドアアウタパネル4の間に浸入すると、その水は水抜きプラグ10のフラップ13の背面に回り込み、その水の重みや流速によってフラップ13を内側から外側に押し開く。こうしてフラップ13が連通孔11を開口すると、連通孔11を通して排水が行われ、その水がサイドシル2を通して車外に排出される。
ここで用いられる水抜きプラグ10は、樹脂材料によって全体が一体に形成されているため、部品点数が少なく、低コストで製造することができる。そして、この水抜きプラグ10のフラップ13は、その外周縁部よりも肉厚の薄い連結片18,18を介して回動可能とされているため、フラップ13に作用する外力(水による力)が小さい場合であっても、連結片18,18が容易に撓み変形して連通孔11を確実に開口することができる。したがって、この水抜きプラグ10を用いた場合には、製造コストの抑制と排水性能の向上を図ることができる。
特に、この実施形態においては、連結片18の肉厚が薄いだけでなく、両連結片18,18の幅を合わせた幅がフラップ13の幅よりも狭くなるように設定されているため、より容易にフラップ13を撓み変形させることができる。
さらに、プラグ本体12とフラップ13を連結する連結部は必ずしも一対の連結片18,18である必要はなく一つの連結片であっても良いが、この実施形態のように一対の連結片18,18をフラップ13の辺の中心に対して対象になるように設けるようにした場合には、フラップ13の開閉時等に連結片18,18に捩れが生じにくく、フラップ13の作動姿勢を安定させることができる。
また、この実施形態の水抜きプラグ10の場合、フラップ13の外周縁部13aの肉厚が内側領域13bの肉厚よりも薄くなっているため、外周縁部13aの肉厚部分によってフラップ13の形状を安定的に維持することができるとともに、内側領域13bを肉薄にすることによってフラップ13全体の軽量化を図ることができる。したがって、フラップ13の形状の安定化と軽量化を図ることができるため、フラップ13の開閉をさらに容易にすることができる。
さらに、この水抜きプラグ10においては、連結片18のストレート部18aのプラグ本体12側の端部に屈曲部18bが設けられ、フラップ13が開閉作動時にこの屈曲部18bを支点として撓み変形するようになっているため、フラップ13による連通孔11の開口面積を充分に大きく確保し、さらに排水性を良好にすることができるという利点がある。
また、この水抜きプラグ10では、フラップ13が連通孔11を閉じた状態において、フラップ13の前面とベース部14(プラグ本体12)の前面が面一になるように形成されているため、外側からの見栄えを良好にし、商品性を高めることができるという利点もある。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
この発明の一実施形態を説明するための車両の斜視図。 同実施形態を示す図1のA−A断面に対応する断面図。 同実施形態の水抜きプラグの取り付け状態を示す斜視図。 同実施形態の水抜きプラグの平面図。 同実施形態を示す図4のB−B断面に対応する断面図。 同実施形態を示す図4のC−C断面に対応する断面図。 同実施形態を示す図5のD部の拡大断面図。
符号の説明
3…ドアインナパネル
5…水抜き孔
10…水抜きプラグ
11…連通孔
12…プラグ本体
13…フラップ
13a…外周縁部(周縁部)
13b…内側領域(中心部)
18…連結片(連結部)
18a…ストレート部
18b…屈曲部

Claims (6)

  1. 車体パネルの水抜き孔に嵌着固定されるプラグ本体と、このプラグ本体に形成されて車体パネルの内外を連通する連通孔と、プラグ本体のこの連通孔の開口縁に一体に形成されて前記連通孔を開閉するフラップと、を備え、
    前記フラップが連通孔を開いて車体パネルの内側から水を排水する水抜きプラグであって、
    前記プラグ本体とフラップの連結部の肉厚が、前記フラップの縁部の肉厚よりも薄く形成されていることを特徴とする水抜きプラグ。
  2. 前記連結部の幅が前記フラップの幅よりも狭く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水抜きプラグ。
  3. 前記連結部は複数の連結片から成り、その複数の連結片が前記フラップの幅方向の中心に対して略対称に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の水抜きプラグ。
  4. 前記フラップは、周縁部が中心部よりも肉厚に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水抜きプラグ。
  5. 前記連結部は、前記フラップからその延在方向に沿って直線的に延出するストレート部と、このストレート部のプラグ本体側の端部に設けられた屈曲部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水抜きプラグ。
  6. 前記フラップは、前記連通孔を閉じた状態において、その前面と前記プラグ本体の前面が面一になるように形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水抜きプラグ。
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