JP2008126277A - レーザ加工装置、及び、レーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的に、良好な加工品質で加工を行う。
【解決手段】音響光学偏向器または電気光学偏向器を用いた光偏向器を含み、第1の光軸に沿って進行するパルスレーザビームと第2の光軸に沿って進行するパルスレーザビームとを、1つの光偏向器から出射させる振り分け装置と、レーザ光源に、第1のパルス幅のパルスレーザビーム、第2のパルス幅のパルスレーザビーム、及び第3のパルス幅のパルスレーザビームを出射させ、振り分け装置に、第1のパルス幅のパルスレーザビームを第1の光軸に沿って出射させ、第2のパルス幅のパルスレーザビームを第2の光軸に沿って出射させ、第3のパルス幅のパルスレーザビームの時間軸に沿った一部を第1の光軸に沿って出射させるとともに、他の一部を第2の光軸に沿って出射させる制御装置とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加工対象物にレーザビームを照射して加工を行うレーザ加工装置、及び、レーザ加工方法に関する。
たとえば炭酸ガスレーザ発振器を用いてレーザ穴開け加工を行う場合、連続的に出射されるパルスレーザビームの安定性が、加工品質を維持するために重要となる。長パルス幅(高デューティ)により連続的にビーム照射を行う場合には、短パルス幅(低デューティ)での照射に比べて、ビームモードやパルスエネルギの安定性が悪化しやすい。
たとえば、時間軸方向にレーザパルスを分割して多軸分岐を行う光学系(タイムシェア光学系)においては、レーザパルス幅が長くなってしまうため、パルスビームの安定性も悪化する。
特に照射ビームに対する加工材料の吸収率が低く、加工性が悪い場合は、この安定性の悪化の影響により加工品質にばらつきが生じることがある。
パルスレーザにおけるパルスエネルギの安定性を維持する方法が幾つか知られている。
たとえばレーザ発振器の安定性を高めるために、加工開始前に暖機運転を行う。しかし、周波数に対するビームモードやパルスエネルギの安定特性は改善されない。
また、パルスエネルギ検出機構を用いる方法が知られている。たとえば、各レーザパルスのパルスエネルギを検出し、設定されたしきい値よりも低い場合には、追加パルスを照射し、加工品質の安定化を図る。
しかし、設定されるしきい値によってはエネルギの追加が不十分となる可能性がある。また、追加パルス照射の増加による過剰エネルギが加工品質を悪化させる場合もある。更に、加工性を向上させるために表面処理を施した材料に対しては、しきい値未満の加工パルスエネルギにより表面処理が剥がれてしまった場合、追加パルス照射では加工が継続できないことがある。
パルスレーザビーム照射の周波数を低く抑えて加工を行い、加工品質の安定化を図る方法も実施されている。しかし、低周波数による加工であるため、加工時間が増加するという問題がある。特に、加工性のよい材料と悪い材料とをともに加工対象としている場合は、加工性のよい材料も低周波数で加工してしまうことになり、非効率である。
本願出願人が先に行った「多軸加工ができ、安定した加工品質が得られるレーザ加工装置」の発明が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2005−34859号公報
本発明の目的は、効率的に、良好な加工品質で加工を行うことのできるレーザ加工装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、効率的に、良好な加工品質で加工を行うことのできるレーザ加工方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射したパルスレーザビームが入射し、入射したパルスレーザビームを第1の光軸、第2の光軸に沿って出射することのできる振り分け装置であって、音響光学偏向器または電気光学変調器を用いた光偏向器を含み、前記第1の光軸に沿って進行するパルスレーザビームと前記第2の光軸に沿って進行するパルスレーザビームとを、1つの該光偏向器から出射させる振り分け装置と、前記レーザ光源に、第1のパルス幅のパルスレーザビーム、第2のパルス幅のパルスレーザビーム、及び第3のパルス幅のパルスレーザビームを出射させ、前記振り分け装置に、前記第1のパルス幅のパルスレーザビームを前記第1の光軸に沿って出射させ、前記第2のパルス幅のパルスレーザビームを前記第2の光軸に沿って出射させ、前記第3のパルス幅のパルスレーザビームの時間軸に沿った一部を前記第1の光軸に沿って出射させるとともに、他の一部を前記第2の光軸に沿って出射させる制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、下地部材上に樹脂層が形成され、前記樹脂層上に銅層が形成された構造を有する加工対象物を準備する工程と、第1のパルス幅のレーザパルスの、時間軸上における少なくとも一部分を、前記加工対象物の第1の位置に、前記銅層表面から入射させ、前記銅層を貫通し、前記樹脂層を露出させる穴を形成する工程と、第2のパルス幅のレーザパルスの、時間軸上における少なくとも一部分を、前記加工対象物の第2の位置に、前記銅層表面から入射させ、前記銅層を貫通し、前記樹脂層を露出させる穴を形成する工程と、第3のパルス幅のレーザパルスを、時間軸に沿って分割し、分割されたレーザパルスの1つを前記加工対象物の前記第1の位置の樹脂層に入射させるとともに、分割されたレーザパルスの他の1つを前記加工対象物の前記第2の位置の樹脂層に入射させる工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
本発明によれば、効率的に、良好な加工品質で加工を行うことのできるレーザ加工装置を提供することができる。
また、効率的に、良好な加工品質で加工を行うことのできるレーザ加工方法を提供することができる。
図1(A)は、実施例によるレーザ加工装置(二軸レーザ加工機)の概略図である。
たとえば炭酸ガスレーザであるレーザ光源1が、パルスレーザビームLbを出射する。制御装置8が送出する制御信号sig1が、所望のタイミング、パルス幅でパルスレーザビームを出射するように、レーザ光源1を制御する。
レーザ光源1を出射したレーザビームLbは、振り分け装置2aに入射する。振り分け装置2aは、入射したレーザビームLbを複数の異なる光軸に振り分けるための光偏向器2と、光偏向器2に高周波の電気信号RFを印加するための高周波信号発生器9とを含む。
光偏向器2として、例えば、音響光学偏向器(Acoust−Optic Deflector,AOD)が用いられる。制御装置8が、制御信号sig2を送出し、所望のタイミングで所望の周波数の電気信号RFを光偏向器2に印加するように、高周波信号発生器9を制御する。
図1(B)を参照して、音響光学偏向器の原理について説明する。音響光学偏向器に電気信号RFが印加されると、音響光学偏向器の音響光学媒体21内に電気信号RFに同期した音波が発生する。図中の平行線22は、音波の等位相面を示す。この音波が回折格子として作用し、光軸Iに沿って伝搬するレーザビームLbの一部がブラッグ反射される(音響光学効果)。
レーザビームの回折角は音波の周波数に比例する。音波の周波数を連続的に変えることで、回折角を連続的に変化させることができる。音波の周波数は、電気信号RFの周波数を変えることで制御できる。なお、音響光学偏向器に電気信号RFが印加されない場合は、レーザビームの回折は起こらない。
図に示すように、音響光学偏向器を用いて、入射したレーザビームLbを、例えば3つの光軸に振り分けることができる。レーザビームLbは、音響光学偏向器に電気信号RFが印加されない場合は、そのまま光軸Iに沿って出射する。音響光学偏向器にある周波数(周波数faとする)の電気信号RFが印加された場合は、一部がある回折角で回折して光軸Iaに沿って伝搬するレーザビームLbaが出射される。音響光学偏向器に他の周波数(周波数fbとする)の電気信号RFが印加された場合は、一部が他の回折角で回折して光軸Ibに沿って伝搬するレーザビームLbbが出射される。
異なる回折角で音響光学偏向器から出射したレーザビームLbaとレーザビームLbbとは、等しい強度であるとは限らない。ここでは、レーザビームLbaの強度がレーザビームLbbの強度よりも高いとして以下の説明を進める。
なお光偏向器として、電気光学効果を用いた電気光学変調器と偏光ビームスプリッタを含む構成で用いることもできる。
図1(A)に戻って説明を続ける。ある回折角で回折されて光偏向器2から出射したレーザビームLbaは、パルスレーザビームの強度を可変の減衰率で減衰させることができるバリアブルアッテネータ10に入射する。バリアブルアッテネータ10によりレーザビームLbaの強度を減衰させて、レーザビームLbbの強度と揃える。バリアブルアッテネータ10を出射したレーザビームLbaは、折り返しミラー3aで反射され、ガルバノスキャナ4aへ入射する。
ガルバノスキャナ4aは、揺動可能な2枚の反射ミラーを含み、レーザビームの進行方向を2次元方向に振ることができる。ガルバノスキャナ4aを出射したレーザビームLbaは、fθレンズ5aにより収束され、XYステージ7上に保持された加工対象物6の表面に照射される。
他の回折角で回折されて光偏向器2から出射したレーザビームLbbは、折り返しミラー3bで反射され、ガルバノスキャナ4bで進行方向を2次元方向に振られ、fθレンズ5bにより収束され、XYステージ7上に保持された加工対象物6の表面に照射される。なお、レーザビームLbbの光路上にも、バリアブルアッテネータを設けても構わない。
加工対象物6は、後に詳述するように、たとえば、銅で形成された金属下地部材上に樹脂層が形成され、当該樹脂層上に銅層が形成されたプリント基板である。加工対象物6にレーザビームを照射して、銅層及び樹脂層を貫通し、金属下地部材に至る穴を形成する。
XYステージ7が、加工対象物6を、加工対象物6の表面に平行な面内で移動させる。レーザビームが照射される加工対象物表面の位置は、ガルバノスキャナ4a、4b、またはXYステージ7、あるいはその両方を適宜動作させて移動できる。
なお、レーザビームLba、Lbbが1つの加工対象物6に照射される例を説明するが、レーザビームLba、Lbbが各々別の加工対象物に照射されるようにしてもよい。XYステージは、各々の加工対象物を保持するように、2つ用いても構わない。
回折されずに光偏向器2から出射したレーザビームLb0は、部分反射鏡11に入射し、一部(例えば1%)が反射してレーザビームLb1となりモニタ12に入射し、残り(例えば99%)が透過してビームダンパ13に入射する。ビームダンパ13は、入射したレーザビームを吸収して熱に変換し、レーザビームLb0の光路の終端となる。
モニタ12として、たとえばパワーメータを用いる。パワーメータは、たとえば、レーザビームの光量を測定するフォトダイオードを含んで構成される。モニタ12は、レーザビームLb1の強度を測定する。モニタ12が測定した強度のデータは、制御装置8に送信される。
図2(A)〜(D)を参照して、実施例によるレーザ加工方法について説明する。
図2(A)は、レーザ光源に入力される制御信号sig1、高周波信号発生器に入力される制御信号sig2、光偏向器に印加される電気信号RFの周波数f、レーザビームLb、Lba、Lbbのタイミングチャートの一例を示す。レーザビームのタイミングチャートの縦軸は、レーザ光の強度を示す。
時刻t10に、制御信号sig1が立ち上がると、レーザビームLbの第1のパルスの出射が開始する。レーザビームLbの強度は、時刻t10から時刻t11までの間にゼロからピーク値Wまで増加し、時刻t11から制御信号sig1が立ち下がる時刻t13までの間はWで一定となり、時刻t13から時刻t14までの間にWからゼロまで減少する。
時刻t20に、再び制御信号sig1が立ち上がって、レーザビームLbの第2のパルスの出射が開始する。レーザビームLbの強度は、時刻t20から時刻までt21の間にゼロからピーク値Wまで増加し、時刻t21から制御信号sig1が立ち下がる時刻t23までの間はWで一定であり、時刻t23から時刻までt24の間にWからゼロまで減少する。
更に、時刻t30に、再び制御信号sig1が立ち上がって、レーザビームLbの第3のパルスの出射が開始する。レーザビームLbの強度は、時刻t30から時刻までt31の間にゼロからピーク値Wまで増加し、時刻t31から制御信号sig1が立ち下がる時刻t35までの間はWで一定であり、時刻t35から時刻までt36の間にWからゼロまで減少する。
レーザビームLbの第1及び第2のパルスのパルス幅(時刻t10から時刻t14までの長さ、時刻t20から時刻t24までの長さ)は、たとえば35μsであり、立ち上がり時間(時刻t10から時刻t11までの長さ、時刻t20から時刻t21までの長さ)と立ち下がり時間(時刻t13から時刻t14までの長さ、時刻t23から時刻t24までの長さ)とはともに、たとえば10μsである。
また、レーザビームLbの第3のパルスのパルス幅(時刻t30から時刻t36までの長さ)は、たとえば50μsであり、立ち上がり時間(時刻t30から時刻t31までの長さ)と立ち下がり時間(時刻t35から時刻t36までの長さ)とはともに、たとえば10μsである。
なお、制御信号sig1の入力周期はたとえば一定であり(すなわち、時刻t10から時刻t20までの長さと時刻t20から時刻t30までの長さは等しい。)、パルスレーザビームの出射は一定周期で開始される。
第1のパルスの強度が一定となる時刻t11から時刻t13までの期間に、制御信号sig2が出力された状態になり、高周波信号発生器から光偏向器に周波数faの電気信号が印加される。周波数faの電気信号が印加されている間は、光偏向器からレーザビームLba(図2(B)においてパルスレーザビームPと表記する。)が出射する。レーザビームLba(パルスレーザビームP)のパルス幅(時刻t11から時刻t13までの長さ)は、たとえば15μsであるが、これに限定されず15μs以下でもよい。
第2のパルスの強度が一定となる時刻t21から時刻t23までの期間に、制御信号sig2が出力された状態になり、高周波信号発生器から光偏向器に周波数fbの電気信号が印加される。周波数fbの電気信号が印加されている間は、光偏向器からレーザビームLbb(図2(C)においてパルスレーザビームPと表記する。)が出射する。レーザビームLbb(パルスレーザビームP)のパルス幅(時刻t21から時刻までt23の長さ)は、たとえば15μsであるが、これに限定されず15μs以下でもよい。
第3のパルスの強度が一定となる時刻t31から時刻t35までの期間に、制御信号sig2が出力された状態になり、高周波信号発生器から光偏向器に電気信号が印加される。電気信号の周波数は、時刻t31から時刻t33まではfaであり、時刻t33から時刻t35まではfbである。
周波数faの電気信号が印加されている時刻t31から時刻t33までの間は、光偏向器からレーザビームLba(図2(D)においてパルスレーザビームPと表記する。)が出射する。周波数fbの電気信号が印加されている時刻t33から時刻t35までの間は、光偏向器からレーザビームLbb(図2(D)においてパルスレーザビームPと表記する。)が出射する。レーザビームLba(パルスレーザビームP)に続けてLbb(パルスレーザビームP)が出射される。
レーザビームLba(パルスレーザビームP)、及び、Lbb(パルスレーザビームP)のパルス幅(それぞれ時刻t31から時刻までt33の長さ、及び、時刻t33から時刻までt35の長さ)は、たとえばともに15μsであるが、これに限定されず15μs以下でもよい。
図2(B)を参照する。加工対象物6は、たとえば銅層30上に樹脂層31が形成され、更に、樹脂層31上に銅層32が形成された構造を有するプリント基板である。
実施例によるレーザ加工方法では、加工対象物6の銅層32上方からパルスレーザビームを入射させ、銅層32及び樹脂層31を貫通し、底面に銅層30を露出させる穴を形成する。銅層32には黒化処理が施されており、1ショットのパルスレーザビームの照射で、ある所定の位置に銅層32を貫通する穴が形成される。樹脂層31を貫通し銅層30に至る穴は、銅層32を貫通する穴を通して、樹脂層31にパルスレーザビームを1ショット入射させることで形成する。
時刻t11から時刻t13までの期間に第1のパルスから切り出されたパルスレーザビームPが、銅層32表面から加工対象物6に入射し、入射位置の銅層32を貫通し、樹脂銅31を露出させる穴を形成する。
図2(C)を参照する。
時刻t21から時刻t23までの期間に第2のパルスから切り出されたパルスレーザビームPが、パルスレーザビームPが穴を形成した位置とは異なる位置の銅層32表面に入射し、入射位置の銅層32を貫通し、樹脂銅31を露出させる穴を形成する。
図2(D)を参照する。
時刻t31から時刻t33までの期間、時刻t33から時刻t35までの期間に、それぞれ第3のパルスから切り出されたパルスレーザビームP、Pが、連続的に、ほぼ同時に加工対象物6に入射する。
パルスレーザビームP、Pは、それぞれパルスレーザビームP、Pによって銅層32に開けられた穴を通して樹脂層31に照射され、樹脂層31を貫通し、底面に銅層30を露出させる穴を形成する。
このように、実施例によるレーザ加工方法においては、短パルス幅のレーザビーム(第1のパルス及び第2のパルス)を各軸方向に振り分けて銅層32(加工性の悪い材料で形成された層)を貫通する穴を形成した後、長パルス幅のレーザビーム1ショット(第3のパルス)を、軸(本実施例の場合は2軸)の数の分だけ分割して、各軸方向に振り分け、樹脂層31(加工性の良い材料で形成された層)を貫通する穴を開ける。
なお、パルスレーザビームの発振周波数は、短パルス幅のレーザビーム、長パルス幅のレーザビームを通じて、たとえば1kHzである。
短パルス幅のレーザビームの各パルス(第1のパルス及び第2のパルス)は、パルスエネルギの安定性がよい。このため、加工性の悪い材料(たとえば銅)であっても、照射するパルスごとの加工品質のばらつきを抑止し、良好な加工品質で加工を行うことができる。
また、長パルス幅のレーザビーム1ショット(第3のパルス)を、軸の数だけ分割して樹脂層を加工するため、樹脂層の加工時間を短くすることができる。
このように、実施例によるレーザ加工方法によれば、効率的に、良好な加工品質で加工を行うことができる。
なお、長パルス幅のレーザビーム1ショット(第3のパルス)を、軸の数だけ分割した各ショットは、パルスエネルギの安定性が悪くなる場合がある。しかし、加工性の良い材料(たとえば樹脂)の加工においては、パルスエネルギの不安定性の影響は小さい。
図3(A)〜(C)を参照して、変形例によるレーザ加工方法、及び、他の実施例によるレーザ加工方法を説明する。図3(A)及び(B)は、変形例によるレーザ加工方法を示し、図3(C)は、他の実施例によるレーザ加工方法を示す。
図3(A)を参照する。
実施例によるレーザ加工方法においては、1ショットのパルスレーザビームで樹脂層を貫通する穴を形成したが、複数ショット(図3(A)に示す例においては3ショット)のパルスレーザビームを照射して樹脂層に穴を形成してもよい。
この場合、たとえば、短パルスレーザビームP1a、P1bを銅層に入射させて、異なる2ヶ所に銅層を貫通する穴を開け、銅層に形成された穴を通して、長パルスレーザビームを分割したパルスレーザビームP2a、P2b、P3a、P3b、P4a、P4bを、樹脂層に入射させて樹脂層を貫通する穴を開ける。たとえば、パルスレーザビームP1a、P2a、P3a、P4aを同じ位置に照射し、パルスレーザビームP1b、P2b、P3b、P4bを同じ位置に照射する。
また、短パルスレーザビームを1ヶ所につき1ショット照射して、照射した位置の銅層に穴を開けた後、長パルスレーザビームを分割したビームを、それぞれの穴を通して樹脂層に入射させ、樹脂層に穴を開ける加工において、モニタで測定されたレーザビームの強度を基に、長パルスレーザビームのショット数、すなわち樹脂層に入射させるパルスレーザビームのショット数を決定する制御を行うこともできる。たとえば測定された強度が不足している場合には、長パルスレーザビームを追加出射する制御を行う。
図3(B)を参照する。
実施例においては、2軸加工を説明したが、加工は2軸に限られない。図3(B)には、N軸加工の一例を示した。
たとえば、短パルスレーザビームPx1、Px2、・・PxNをN軸に振り分けて銅層に入射させ、異なるNヶ所に銅層を貫通する穴を開け、銅層に形成されたそれぞれの穴に対応して、長パルスレーザビームを分割したパルスレーザビームPy1、Py2、・・、PyNを、樹脂層に入射させて樹脂層を貫通する穴を開ける。
図3(C)を参照する。
レーザ発振器の発振周波数を一定にしてレーザ発振を行い、発振されたパルスから時間軸上における少なくとも一部分を切り出して多軸に振り分けて加工を行うこともできる。
図3(C)には、一定周期Tで8パルスのレーザ発振を行い、各パルスから時間軸上における一部分を切り出して(本図においては、切り出した部分に斜線を付して示した。)、a〜dの4軸に振り分ける場合を図示した。
このような方法によっても良質のレーザ加工を実現することができる。
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
加工性の良い材料と加工性の悪い材料とが混在している加工対象物の加工に、特に好適に利用することができる。
(A)は、実施例によるレーザ加工装置(二軸レーザ加工機)の概略図であり、(B)は、音響光学偏向器の原理について説明するための図である。 (A)〜(D)は、実施例によるレーザ加工方法について説明するための図である。 (A)及び(B)は、変形例によるレーザ加工方法を示す図であり、(C)は、他の実施例によるレーザ加工方法を示す図である。
符号の説明
1 レーザ光源
2 光偏向器
2a 振り分け装置
3a、3b 折り返しミラー
4a、4b ガルバノスキャナ
5a、5b fθレンズ
6 加工対象物
7 XYステージ
8 制御装置
9 高周波信号発生器
10 バリアブルアッテネータ
11 部分反射鏡
12 モニタ
13 ビームダンパ
21 音響光学媒体
22 平行線
30 銅層
31 樹脂層
32 銅層

Claims (9)

  1. パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射したパルスレーザビームが入射し、入射したパルスレーザビームを第1の光軸、第2の光軸に沿って出射することのできる振り分け装置であって、音響光学偏向器または電気光学変調器を用いた光偏向器を含み、前記第1の光軸に沿って進行するパルスレーザビームと前記第2の光軸に沿って進行するパルスレーザビームとを、1つの該光偏向器から出射させる振り分け装置と、
    前記レーザ光源に、第1のパルス幅のパルスレーザビーム、第2のパルス幅のパルスレーザビーム、及び第3のパルス幅のパルスレーザビームを出射させ、前記振り分け装置に、前記第1のパルス幅のパルスレーザビームを前記第1の光軸に沿って出射させ、前記第2のパルス幅のパルスレーザビームを前記第2の光軸に沿って出射させ、前記第3のパルス幅のパルスレーザビームの時間軸に沿った一部を前記第1の光軸に沿って出射させるとともに、他の一部を前記第2の光軸に沿って出射させる制御装置と
    を有するレーザ加工装置。
  2. 前記第1のパルス幅と前記第2のパルス幅とが等しい請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記第3のパルス幅は、前記第1及び第2のパルス幅以上である請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
  4. 更に、前記レーザ光源から出射したパルスレーザビームの強度を測定するためのモニタを含み、
    前記制御装置は、前記モニタで測定されたパルスレーザビームの強度に基づいて、前記レーザ光源から出射される前記第3のパルス幅のパルスレーザビームのショット数を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  5. 下地部材上に樹脂層が形成され、前記樹脂層上に銅層が形成された構造を有する加工対象物を準備する工程と、
    第1のパルス幅のレーザパルスの、時間軸上における少なくとも一部分を、前記加工対象物の第1の位置に、前記銅層表面から入射させ、前記銅層を貫通し、前記樹脂層を露出させる穴を形成する工程と、
    第2のパルス幅のレーザパルスの、時間軸上における少なくとも一部分を、前記加工対象物の第2の位置に、前記銅層表面から入射させ、前記銅層を貫通し、前記樹脂層を露出させる穴を形成する工程と、
    第3のパルス幅のレーザパルスを、時間軸に沿って分割し、分割されたレーザパルスの1つを前記加工対象物の前記第1の位置の樹脂層に入射させるとともに、分割されたレーザパルスの他の1つを前記加工対象物の前記第2の位置の樹脂層に入射させる工程と
    を有するレーザ加工方法。
  6. 前記第1のパルス幅と前記第2のパルス幅とが等しい請求項5に記載のレーザ加工方法。
  7. 前記第3のパルス幅は、前記第1及び第2のパルス幅以上である請求項5または6に記載のレーザ加工方法。
  8. パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射したパルスレーザビームが入射し、入射したパルスレーザビームを第1の光軸、第2の光軸に沿って出射することのできる振り分け装置であって、音響光学偏向器または電気光学変調器を用いた光偏向器を含み、前記第1の光軸に沿って進行するパルスレーザビームと前記第2の光軸に沿って進行するパルスレーザビームとを、1つの該光偏向器から出射させる振り分け装置と、
    前記レーザ光源に、第1のパルスレーザビーム、第2のパルスレーザビーム、第3のパルスレーザビーム、及び、第4のパルスレーザビームを出射させ、前記振り分け装置に、前記第1のパルスレーザビームを前記第1の光軸に沿って出射させ、前記第2のパルスレーザビームを前記第2の光軸に沿って出射させ、前記第3のパルスレーザビームを前記第1の光軸に沿って出射させ、前記第4のパルスレーザビームを前記第2の光軸に沿って出射させる制御装置と
    を有するレーザ加工装置。
  9. 下地部材上に樹脂層が形成され、前記樹脂層上に銅層が形成された構造を有する加工対象物を準備する工程と、
    第1のレーザパルスの、時間軸上における少なくとも一部分を、前記加工対象物の第1の位置に、前記銅層表面から入射させ、前記銅層を貫通し、前記樹脂層を露出させる穴を形成する工程と、
    第2のレーザパルスの、時間軸上における少なくとも一部分を、前記加工対象物の第2の位置に、前記銅層表面から入射させ、前記銅層を貫通し、前記樹脂層を露出させる穴を形成する工程と、
    第3のレーザパルスの、時間軸上における少なくとも一部分を、前記加工対象物の前記第1の位置の樹脂層に入射させる工程と、
    第4のレーザパルスの、時間軸上における少なくとも一部分を、前記加工対象物の前記第2の位置の樹脂層に入射させる工程と
    を有するレーザ加工方法。
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