JP2008124113A - 多層プリント配線板の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 積層シートに皺を生じさせずに、静電気による塵埃の付着もなく、十分なクッション性が得られる多層プリント配線板の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】積層シート2A(2B,2C)を加圧および加熱する加圧および加熱冶具の基台Prと、難着性および可撓性を有する帯状のクッション材Csと、クッション材Csを巻装する巻装ローラーR1と、クッション材を伸張する巻取りローラーR2と、クッション材Csを前記積層シート2A(2B,2C)に敷設するガイドローラーG1,G2,G3,G4,G5とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】積層シート2A(2B,2C)を加圧および加熱する加圧および加熱冶具の基台Prと、難着性および可撓性を有する帯状のクッション材Csと、クッション材Csを巻装する巻装ローラーR1と、クッション材を伸張する巻取りローラーR2と、クッション材Csを前記積層シート2A(2B,2C)に敷設するガイドローラーG1,G2,G3,G4,G5とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、導体箔により配線回路が形成された樹脂フィルムを複数重ね合わせて形成した積層シートを加圧および加熱することにより多層プリント配線板を形成する多層プリント配線板の製造方法及び製造装置に関する。
携帯情報端末やデジタルカメラなどの電子機器は、小型化、高性能化、薄型化が求められており、プリント配線板は、配線回路の高密度化、配線板の多層化等により、これら電子機器の小型化、高性能化、薄型化の要求に対応している。従来、多層プリント配線板の製造方法としては、銅等の導体箔により配線回路が形成された熱可塑性樹脂フィルムからなる基材を複数重ね合わせて形成した積層シートを加圧および加熱することにより上記基材同士を接着して多層プリント配線板を製造する方法が知られている。
多層プリント配線板は、例えば、銅箔等により配線パターンが形成された液晶ポリマーやポリイミド等の熱可塑性樹脂フィルムからなる基材にレーザー等により該基材の配線パターン層間を接続するためのバイアホール(ビアホール)を形成して、真空印刷等により導電ペースト等の導電材料を該バイアホールに充填した前記基材を複数重ね合わせて形成した積層シートを加圧および加熱して製造する。ここで、前記基材を複数重ね合わせる際には、前記基材それぞれに配された前記バイアホールが所定の位置で互いに一致するように重ね合わせる必要がある。一方、前記基材に配線パターンが形成された箇所は凸部となり、前記基材に配線パターンが形成されていない箇所は凹部となっているため、前記基材を重ね合わせて加圧する際には、前記基材同士の位置ずれが生じ易い。また、前述のように配線パターンは高密度化しており、かつ、基材は多層化しているため、この積層シートをいかにそれぞれの基材が位置ずれしないように加圧および加熱するかが、多層プリント配線板の歩留まり向上の最重要課題となっている。
このような観点から、従来、特許文献1のように、ポリアミド繊維布の片面または両面にテフロン(登録商標)のシートを貼り合わせたクッション材を前記積層シートに敷設した後、加圧および加熱冶具にて加圧および加熱する多層プリント配線板の製造方法が開示されている。また、特許文献2のように、加圧および加熱冶具と積層シートとの間に、該積層シートに向かって凸となるように湾曲した初期形状を有し弾性変形によって平板状となる金属製の薄板を介在させ、前記積層シートと前記金属製の薄板との間に、テフロン(登録商標)等からなる難着性および可撓性を有するクッション材のシートを設けて、前記加圧および加熱冶具にて加圧および加熱する多層プリント配線板の製造方法が開示されている。上記引用文献記載の多層プリント配線板の製造方法は、耐熱性があって硬くて平板状となる材質のシートに、耐熱性があって柔らかくて基材にくっつかない材質のクッション材を重ね合わせることで、前記クッション材が前記基材の加圧面の凸凹に合致した形状に変形することで前記積層シートを抱き込んだ状態となり、平板状のシートにて前記積層シートへの加圧力分布を均等にすることができるので、前記積層シートを加圧する際の位置ずれ防止に効果がある。
特開昭54−97776号公報
特開2003−304071号公報
ところで、従来、前記クッション材は、加圧および加熱による前記積層シートの過度の変形を避けるため、予め前記積層シートの寸法に合わせて加工した四角形の独立したフィルム状のシートを使用しており、薄くて変形し易いことから取り扱い難く、前記積層シートに前記クッション材を配置するだけでクッション材が変形して皺が寄り易い。前記クッション材に皺が寄ると、クッション性が欠如して前記基材の一部に応力が加わり、前記基材同士が位置ずれしたり、前記基材同士の密着性が不十分となり多層プリント配線板の歩留まりが低下する。また、前記フィルム状のシートは、通常、積み重ねて置いてあるため、前記フィルム状のシート同士が擦れて静電気を帯び易い。この静電気によって前記フィルム状のシートに付着した塵埃が前記積層シートに付着することで、前記積層シートに欠陥が発生し易くなり、多層プリント配線板の歩留まりが低下するという問題を有する。
そこで本発明は、積層シートに皺を生じさせずに、静電気による塵埃の付着もなく、十分なクッション性が得られる多層プリント配線板の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、導体箔により配線パターンが形成された樹脂フィルムからなる基材を複数重ね合わせた積層シートを加圧および加熱手段により加圧および加熱することにより多層プリント配線板を形成する多層プリント配線板の製造方法であって、巻装手段に巻き付けられた難着性および可撓性を有する帯状のクッション材を伸張手段にて伸張させ、ガイド手段にて引き出しながら前記積層シートに敷設することを特徴とする。また、本発明の多層プリント配線板の製造装置は、導体箔により配線パターンが形成された樹脂フィルムからなる基材を複数重ね合わせた積層シートを加圧および加熱することにより多層プリント配線板を形成する多層プリント配線板の製造装置であって、前記積層シートを加圧および加熱する加圧・加熱冶具と、難着性および可撓性を有する帯状のクッション材と、該クッション材を巻装する巻装ローラーと、該クッション材を伸張する巻取りローラーと、該クッション材を前記積層シートに敷設するガイドローラーとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、巻装手段である巻装ローラーに巻き付けられた難着性および可撓性を有する帯状のクッション材を伸張手段である巻取りローラーにて伸張させてガイドローラーにて引き出しながら前記積層シートに敷設することで、前記クッション材には皺がよらず、前記積層シートに皺を生じさせることがない。
本発明としては、前記ガイド手段にて前記クッション材を連続して引き出しながら、前記積層シートの両方の面に敷設することが好ましい。さらに、前記ガイド手段にて前記クッション材を連続して引き出しながら、前記クッション材と前記積層シートとを交互に敷設することが好ましい。
前記ガイド手段である前記ガイドローラーにて、前記クッション材を連続して引き出しながら、前記積層シートの両方の面に敷設したり、前記クッション材と前記積層シートとを交互に敷設することで、一括した敷設が可能になると共に、加圧および加熱後に前記クッション材を前記積層シートから剥がし易くもなる。
本発明として、前記巻装ローラーに前記クッション材を複数重ねるか、又は、一重巻きの前記巻装ローラーを複数用意して、前記クッション材を複数重ねて敷設することが好ましい。
本発明によれば、前記クッション材を複数重ねて敷設することで、例えば、硬さの異なるクッション材を前記積層シートに近接するに従って柔らかいクッション材となるように配置することで、加圧の際に前記積層シートに加わる衝撃を和らげることができ、前記積層シートの位置ずれを軽減することができる。
本発明としては、前記巻装ローラーの近傍に、前記クッション材の静電気を除去する除電バーが配置されていることが好ましい。
前記除電バーを前記巻装ローラーの近傍に配置することで、前記クッション材の帯電をなくすことができ、静電気により塵埃が前記積層シートに付着する等を防止する。
本発明によれば、巻装ロールに巻き付けられたクッション材を引き出しながら敷設するので、上記基材にクッション材を配するときに、クッション材の皺を発生させずに敷設することができる。したがって、従来のようにクッション材に皺が生じることによるクッション性の欠如が防止されるとともに、従来、シート状のクッション材を上記積層シートから剥離するときに生じていた静電気の発生やそれによる塵埃の付着も防止することができる。また、巻装ローラーから引き出しながら敷設して、巻装ローラーに巻き取ることから、クッション材の敷設および除去作業が短時間で確実に行われることとなる。
以下、本発明の実施の形態を図面を引用しながら説明する。
(多層プリント配線板の構造)
図1は、本実施の形態の多層プリント配線板の加圧構成を示す断面模式図である。以下、本実施例では、便宜上、導体パターンフィルム2a,2b,2cの3層として説明するが、2層や4層以上の場合も同様である。積層シート2A(又は2B,2C)は、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂(絶縁性樹脂)の少なくとも片面に銅箔2eによる配線パターンが施された導体パターンフィルム2a,2b,2cを積層するとともに、最上層の導体パターンフィルム2c上に銅箔2eを配したものであり、この複数の導体層2a,2b,2cの層間をバイアホールB,B,Bにより接続する。バイアホールB,B,B内には、層間接続材料である導電ペーストが充填されている。ここで、前記フィルム2a,2b,2cを積層する際には、それぞれに配された前記バイアホールB,B,Bが所定の位置で互いに一致するように重ね合わせる。そして、所定の温度と圧力で加圧しながら加熱することにより、複数の樹脂フィルム2a,2b,2cを同時に接着(熱圧着)するとともに、複数の積層シート2A,2B,2Cを一括して接着する。積層シート2A(又は2B,2C)を加圧および加熱するためには、図1に示すように、積層シート2A(又は2B,2C)の上下の加圧面には、耐熱性があって難着性および可撓性を有するクッション材Cs,Csを敷設し、クッション材Cs,Csの外側の加圧面には、耐熱性があって平坦で硬いスペーサSt,Stを敷設し、スペーサSt,Stの外側の加圧面には、加圧および加熱冶具の基台Pr,Prを配置する。そして、基台Pr,Prを所定の圧力で加圧しながら加熱して多層プリント配線板を形成する。ここで、クッション材としては、テフロン(登録商標)やポリアミド、ポリイミドなどの樹脂からなるフィルムやシートが用いられ、特に多孔質のクッション材が好ましい。均等な加圧力分布となるからである。また、スペーサStとしては、ステンレス板やニッケル板、アルミニウム板、アルミナ板などが用いられる。平坦で変形し難く、薄くて頑丈であるからである。
図1は、本実施の形態の多層プリント配線板の加圧構成を示す断面模式図である。以下、本実施例では、便宜上、導体パターンフィルム2a,2b,2cの3層として説明するが、2層や4層以上の場合も同様である。積層シート2A(又は2B,2C)は、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂(絶縁性樹脂)の少なくとも片面に銅箔2eによる配線パターンが施された導体パターンフィルム2a,2b,2cを積層するとともに、最上層の導体パターンフィルム2c上に銅箔2eを配したものであり、この複数の導体層2a,2b,2cの層間をバイアホールB,B,Bにより接続する。バイアホールB,B,B内には、層間接続材料である導電ペーストが充填されている。ここで、前記フィルム2a,2b,2cを積層する際には、それぞれに配された前記バイアホールB,B,Bが所定の位置で互いに一致するように重ね合わせる。そして、所定の温度と圧力で加圧しながら加熱することにより、複数の樹脂フィルム2a,2b,2cを同時に接着(熱圧着)するとともに、複数の積層シート2A,2B,2Cを一括して接着する。積層シート2A(又は2B,2C)を加圧および加熱するためには、図1に示すように、積層シート2A(又は2B,2C)の上下の加圧面には、耐熱性があって難着性および可撓性を有するクッション材Cs,Csを敷設し、クッション材Cs,Csの外側の加圧面には、耐熱性があって平坦で硬いスペーサSt,Stを敷設し、スペーサSt,Stの外側の加圧面には、加圧および加熱冶具の基台Pr,Prを配置する。そして、基台Pr,Prを所定の圧力で加圧しながら加熱して多層プリント配線板を形成する。ここで、クッション材としては、テフロン(登録商標)やポリアミド、ポリイミドなどの樹脂からなるフィルムやシートが用いられ、特に多孔質のクッション材が好ましい。均等な加圧力分布となるからである。また、スペーサStとしては、ステンレス板やニッケル板、アルミニウム板、アルミナ板などが用いられる。平坦で変形し難く、薄くて頑丈であるからである。
(従来の例)
図7は、多層プリント配線板の従来の製造方法を示す断面模式図である。
従来の製造方法は、図7に示すように、加圧および加熱冶具の基台Prの上にスペーサStを置き、その上にクッション材Cshを敷き、その上に積層シート2Aを配置し、その上にクッション材Cshを敷き、その上にスペーサStを置く。この作業を順次繰り返して、積層シート2A,2B,2Cをクッション材Csh,CshとスペーサSt,Stで挟んだ状態で段重ねして、最上段に加圧および加熱冶具の基台Prを配置し、複数の積層シート2A,2B,2Cを一括して接着する。ここで、クッション材Cshは、ロール状に巻装された生地を、積層シート2A,2B,2Cの寸法に合わせて、予め、裁断加工した四角形の独立したフィルム状のシートを作業者がピンセットで掴んで敷いており、薄くて変形し易いことから取り扱い難く、皺が寄り易い。
図7は、多層プリント配線板の従来の製造方法を示す断面模式図である。
従来の製造方法は、図7に示すように、加圧および加熱冶具の基台Prの上にスペーサStを置き、その上にクッション材Cshを敷き、その上に積層シート2Aを配置し、その上にクッション材Cshを敷き、その上にスペーサStを置く。この作業を順次繰り返して、積層シート2A,2B,2Cをクッション材Csh,CshとスペーサSt,Stで挟んだ状態で段重ねして、最上段に加圧および加熱冶具の基台Prを配置し、複数の積層シート2A,2B,2Cを一括して接着する。ここで、クッション材Cshは、ロール状に巻装された生地を、積層シート2A,2B,2Cの寸法に合わせて、予め、裁断加工した四角形の独立したフィルム状のシートを作業者がピンセットで掴んで敷いており、薄くて変形し易いことから取り扱い難く、皺が寄り易い。
(本発明の第1の実施の形態)
図2は、本発明を適用した多層プリント配線板の製造装置を示す断面模式図である。以下、本実施例では、便宜上、積層シートを2A,2B,2Cの3段重ねとして説明するが、1段や2段重ね、或いは4段重ね以上の場合も同様である。多層プリント配線板の製造装置Z1a(又はZ1b)は、上記積層シート2A,2B,2Cを加圧および加熱する加圧および加熱冶具の基台Pr,Prと、上記帯状のクッション材Csが巻装された巻装ローラーR1と、巻装ローラーR1から引き出されたクッション材Csを伸張する巻取りローラーR2と巻装ローラーR1からクッション材Csを引き出して折り返すガイドローラG1〜G5とを備える。ガイドローラG1〜G5は、横移動及び昇降動作可能に構成されている。クッション材Csは、多孔質のテフロン(登録商標)シートを使用し、その厚みは20μm〜100μmとした。ただし、クッション材Csの材質とその厚みは設計条件に応じて適宜調整するものであり、例えばクッション材Csの材質はポリアミドやポリイミドでも良いし、その厚みも上記範囲に限定されるものではない。また、図2に示す製造装置Z1aでは、巻装ローラーR1と巻取りローラーR2は、基台Pr,Prの片側に配置されているが、図3に示す製造装置Z1bのように、基台Pr,Prを巻装ローラーR1と巻取りローラーR2とで挟むように配置しても良い。そして、巻装ローラーR1の近傍には、除電バー(除電器)Epが配置され、クッション材Csに帯電する静電気を中和除去している。また、引き出されたクッション材Csを所定の長さで切断するカッターCttが配置されている。
図2は、本発明を適用した多層プリント配線板の製造装置を示す断面模式図である。以下、本実施例では、便宜上、積層シートを2A,2B,2Cの3段重ねとして説明するが、1段や2段重ね、或いは4段重ね以上の場合も同様である。多層プリント配線板の製造装置Z1a(又はZ1b)は、上記積層シート2A,2B,2Cを加圧および加熱する加圧および加熱冶具の基台Pr,Prと、上記帯状のクッション材Csが巻装された巻装ローラーR1と、巻装ローラーR1から引き出されたクッション材Csを伸張する巻取りローラーR2と巻装ローラーR1からクッション材Csを引き出して折り返すガイドローラG1〜G5とを備える。ガイドローラG1〜G5は、横移動及び昇降動作可能に構成されている。クッション材Csは、多孔質のテフロン(登録商標)シートを使用し、その厚みは20μm〜100μmとした。ただし、クッション材Csの材質とその厚みは設計条件に応じて適宜調整するものであり、例えばクッション材Csの材質はポリアミドやポリイミドでも良いし、その厚みも上記範囲に限定されるものではない。また、図2に示す製造装置Z1aでは、巻装ローラーR1と巻取りローラーR2は、基台Pr,Prの片側に配置されているが、図3に示す製造装置Z1bのように、基台Pr,Prを巻装ローラーR1と巻取りローラーR2とで挟むように配置しても良い。そして、巻装ローラーR1の近傍には、除電バー(除電器)Epが配置され、クッション材Csに帯電する静電気を中和除去している。また、引き出されたクッション材Csを所定の長さで切断するカッターCttが配置されている。
ここで、除電バー(除電器)Epとは、イオナイザーとも呼ばれて市販されており、プラスチック等の帯電しやすい物質に帯電する静電気と逆極性のイオンを放出することにより帯電する静電気を中和することで除去する装置である。
図3は、本発明を適用した多層プリント配線板の製造方法を示す断面模式図である。まず、基台Prの上にスペーサStを配置して、巻装ローラーR1に巻装されたクッション材Csを巻取りローラーR2にて引き出して、伸張する(図3(a))。ここで、巻装ローラーR1の近傍に配された除電バーEpが引き出されるクッション材Csの静電気を除去するので、引き出されたクッション材Csには静電気の発生が抑制されている。次に、第1のガイドローラーG1が引き出されたクッション材Csを押し下げて、引き出されたクッション材CsをスペーサStに敷設する(図3(b))。クッション材Csは、伸張された状態で敷設されるので、皺が発生しない。そして、積層シート2Aを敷設されたクッション材Csの上に配する。次に、第2のガイドローラーG2が巻取りローラーR2に向かって横移動して、クッション材CsをガイドローラーG1とG2にて折り返した状態で引き出す(図3(c))。そして、第2のガイドローラーG2が引き出されたクッション材Csを押し下げて、引き出されたクッション材Csを積層シート2Aに敷設する。そして、積層シート2Aの上にスペーサStを配置する(図3(d))。次に、ガイドローラーG3が引き出されたクッション材Csを押し下げて、スペーサStに敷設する(図3(e))。そして、積層シート2Bを敷設されたクッション材Csの上に配する。以下、同様にガイドローラーG4が横移動してクッション材Csを引き出し(図3(f))、ガイドローラーG4がクッション材Csを押し下げて敷設し(図3(g))、ガイドローラーG5がクッション材Csを押し下げて敷設し、積層シート2Bの上にスペーサStを配置する(図3(h))。ガイドローラG1,G3,G5は、昇降可能であり、引き出されたクッション材Csを敷設する。また、ガイドローラG2,G4は、横移動及び昇降可能であり、横移動してクッション材Csを引き出すとともに、引き出されたクッション材Csを敷設する際に隙間が生じないように押し下げる。このようにして、ガイドローラーG1,G2,G3,G4,G5により、巻装ローラーR1に巻き付けられたクッション材Csを連続的に折り返えしながら引き出して隙間なく敷設することで、クッション材には皺が発生することなく敷設することができる。なお、所定の長さに引き出されたクッション材Csは、カッターCttにより切断されるが、クッション材Csは、所定の張力を得て引き出されているので、カッターCttによる切断も容易である。ここで、ガイドローラーG1,G2,G3,G4,G5は、上述の動作に限定されるものではなく、横移動と昇降動作、或いは前後移動と昇降動作を組み合わせることで、同様の作業ができる。また、ガイドローラーが横移動と前後移動と昇降動作することで、2つのガイドローラーG1とG2のみでも、同様の作業ができる。また、積層シート2A(又は2B,2C)の積み重ね段数に応じて、ガイドローラーG1,G2,・・・の数を増減しても良い。
そして、上記のようにスペーサStとクッション材Csと積層シート2A(又は2B,2C)とクッション材CsとスペーサStとを重ね合わせて、加圧および加熱冶具の基台Pr,Prで挟んで加圧しながら加熱する。例えば、加圧および加熱冶具として、熱プレス機を使用して、当該熱プレス機を、数十〜数百Pa程度の真空度まで減圧された真空室に配置し、加熱および加圧工程を真空中で実施する。すると、複数の積層シート2A,2B,2Cのそれぞれの樹脂フィルム(熱可塑性樹脂)2a,2b,2cが相互に熱融着して一体化するとともに、ビアホールB内の導電ペーストが相互に熱融着して一体化することで層間接続が行なわれ、多層プリント配線板が効率的かつ速やかに得られる。最終的には、上記のように製造された多層プリント配線板は、スペーサStとクッション材Csが除去され、多層プリント配線板2A,2B,2Cとして使用される。
(本発明の第2の実施の形態)
多層プリント配線板の製造装置Z2は、図4に示すように、2枚のクッション材Cs1,Cs2を巻き付けた複数の巻装ローラーR1a,R1bと、巻取りローラーR2a,R2bが備わっており、クッション材Cs1とCs2を2枚同時に敷設することができる。例えば、積層シート2Aに接する側(内側)のクッション材Cs1には、柔らかい多孔質のテフロン(登録商標)シートを使用して、スペーサStに接する側(外側)のクッション材Cs2には、内側のクッション材Cs1より硬くてステンレス製スペーサStより柔らかいポリイミドシートを使用することで、フィルム同士の段差の大きな積層シート2Aを加圧する際に加わる衝撃を和らげることができ、積層シート2Aのフィルム同士の位置ずれを軽減することができる。なお、クッション材Cs1,Cs2を、例えば多孔質のテフロン(登録商標)シートを2枚使用するなど、同じ材料を使用しても衝撃吸収効果がある。ここで、複数のクッション材Cs1,Cs2は、同じ材料でも良いし、異なる材料でも良く、積層シート2Aの構成に応じて、クッション材Cs1,Cs2の材料と厚みの組み合わせを適宜調整することができる。さらには、クッション材を内側から外側の順に、テフロン(登録商標)シート、ポリイミドシート、銅箔シートとしても良い。ここで、1つの巻装ローラーR1に複数のクッション材Cs1,Cs2を同時に引き出しながら敷設する装置Z1a(又はZ1b)でも良いが、装置Z2では、予め巻装ローラーR1a,R1bに巻装されたクッション材Cs1,Cs2を使用するため、巻装の手間が省ける。
多層プリント配線板の製造装置Z2は、図4に示すように、2枚のクッション材Cs1,Cs2を巻き付けた複数の巻装ローラーR1a,R1bと、巻取りローラーR2a,R2bが備わっており、クッション材Cs1とCs2を2枚同時に敷設することができる。例えば、積層シート2Aに接する側(内側)のクッション材Cs1には、柔らかい多孔質のテフロン(登録商標)シートを使用して、スペーサStに接する側(外側)のクッション材Cs2には、内側のクッション材Cs1より硬くてステンレス製スペーサStより柔らかいポリイミドシートを使用することで、フィルム同士の段差の大きな積層シート2Aを加圧する際に加わる衝撃を和らげることができ、積層シート2Aのフィルム同士の位置ずれを軽減することができる。なお、クッション材Cs1,Cs2を、例えば多孔質のテフロン(登録商標)シートを2枚使用するなど、同じ材料を使用しても衝撃吸収効果がある。ここで、複数のクッション材Cs1,Cs2は、同じ材料でも良いし、異なる材料でも良く、積層シート2Aの構成に応じて、クッション材Cs1,Cs2の材料と厚みの組み合わせを適宜調整することができる。さらには、クッション材を内側から外側の順に、テフロン(登録商標)シート、ポリイミドシート、銅箔シートとしても良い。ここで、1つの巻装ローラーR1に複数のクッション材Cs1,Cs2を同時に引き出しながら敷設する装置Z1a(又はZ1b)でも良いが、装置Z2では、予め巻装ローラーR1a,R1bに巻装されたクッション材Cs1,Cs2を使用するため、巻装の手間が省ける。
(本発明の第3の実施の形態)
多層プリント配線板の製造装置Z3は、図5に示すように、予めクッション材CsをガイドローラーG1,G2,・・・に引っ掛けておき、ガイドローラーG1,G2,・・・の順にクッション材Csを押し下げて敷設する。ガイドローラーG1,G2,・・・は、昇降動作のみ行うため、製造設備の構成が簡略化できる。
多層プリント配線板の製造装置Z3は、図5に示すように、予めクッション材CsをガイドローラーG1,G2,・・・に引っ掛けておき、ガイドローラーG1,G2,・・・の順にクッション材Csを押し下げて敷設する。ガイドローラーG1,G2,・・・は、昇降動作のみ行うため、製造設備の構成が簡略化できる。
(本発明の第4の実施の形態)
多層プリント配線板の製造装置Z4は、図6に示すように、巻装ローラーR1とクッション材Csと巻取りローラーR2の組み合わせを積層シート2Aの上下にそれぞれ1組ずつ配置して、積層シート2Aの上下の加圧面にそれぞれクッション材Cs,Csを敷設する。製造装置Z4は、ガイドローラーG1,G2,・・・を有せず、巻取りローラーR2が巻装ローラーR1に巻装されたクッション材Csを引き出して伸張させており、巻取りローラーR2が伸張手段とガイド手段とを兼ねている。製造装置Z4は、ガイドローラーG1,G2,・・・を有さないため、製造設備をコンパクトにできる。また、製造装置Z4は、積層シート2Aの上下の加圧面に同時にクッション材Csを敷設することも可能である。なお、ここでは、巻装ローラーR1とクッション材Csと巻取りローラーR2の組み合わせを積層シート2Aの上下にそれぞれ1組ずつ配置したが、巻装ローラーR1とクッション材Csと巻取りローラーR2の組み合わせの1組のみで構成し、積層シート2Aの一方片面に、前記巻装ローラーR1に巻装されたクッション材Csを引き出しながら敷設した後、更に、前記積層シート2Aの他方片面にも上記クッション材Csを引き出しながら敷設することも可能である。
多層プリント配線板の製造装置Z4は、図6に示すように、巻装ローラーR1とクッション材Csと巻取りローラーR2の組み合わせを積層シート2Aの上下にそれぞれ1組ずつ配置して、積層シート2Aの上下の加圧面にそれぞれクッション材Cs,Csを敷設する。製造装置Z4は、ガイドローラーG1,G2,・・・を有せず、巻取りローラーR2が巻装ローラーR1に巻装されたクッション材Csを引き出して伸張させており、巻取りローラーR2が伸張手段とガイド手段とを兼ねている。製造装置Z4は、ガイドローラーG1,G2,・・・を有さないため、製造設備をコンパクトにできる。また、製造装置Z4は、積層シート2Aの上下の加圧面に同時にクッション材Csを敷設することも可能である。なお、ここでは、巻装ローラーR1とクッション材Csと巻取りローラーR2の組み合わせを積層シート2Aの上下にそれぞれ1組ずつ配置したが、巻装ローラーR1とクッション材Csと巻取りローラーR2の組み合わせの1組のみで構成し、積層シート2Aの一方片面に、前記巻装ローラーR1に巻装されたクッション材Csを引き出しながら敷設した後、更に、前記積層シート2Aの他方片面にも上記クッション材Csを引き出しながら敷設することも可能である。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、ここでは、積層シート2Aは、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂の少なくとも片面に銅箔2eによる配線パターンが施された導体パターンフィルム2a,2b,2cを積層するとともに、最上層の導体パターンフィルム2c上に銅箔2eを配したものであり、この複数の導体層2a,2b,2cの層間をバイアホールB,B,Bにより接続するとしたが、実装部品を埋め込むキャビティー形成用基板を備えた積層シートでも良いし、基板同士をエポキシ接着剤等で接着する積層基板へも本発明が応用可能である。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
Z1a,Z1b,Z2,Z3,Z4 多層プリント配線板の製造装置、
2A,2B,2C 積層シート(多層プリント配線板)、
2a,2b,2c 導体パターンフィルム、
2e 導体箔、
B バイアホール、
Cs,Cs1,Cs2,Csh クッション材、
St スペーサ、
Pr (加圧・加熱冶具の)基台、
R1,R1a,R1b 巻装ローラー(巻装手段)、
R2,R2a,R2b 巻取りローラー(伸張手段)、
G1,G2,G3,G4,G5 ガイドローラー(ガイド手段)、
Ep 除電バー(除電器)、
Ctt カッター
2A,2B,2C 積層シート(多層プリント配線板)、
2a,2b,2c 導体パターンフィルム、
2e 導体箔、
B バイアホール、
Cs,Cs1,Cs2,Csh クッション材、
St スペーサ、
Pr (加圧・加熱冶具の)基台、
R1,R1a,R1b 巻装ローラー(巻装手段)、
R2,R2a,R2b 巻取りローラー(伸張手段)、
G1,G2,G3,G4,G5 ガイドローラー(ガイド手段)、
Ep 除電バー(除電器)、
Ctt カッター
Claims (9)
- 導体箔により配線パターンが形成された樹脂フィルムからなる基材を複数重ね合わせた積層シートを挟んで加圧および加熱手段により加圧および加熱することにより多層プリント配線板を形成する多層プリント配線板の製造方法であって、
巻装手段に巻き付けられた難着性および可撓性を有する帯状のクッション材を伸張手段にて伸張させ、ガイド手段にて引き出しながら前記積層シートに敷設することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 - 前記ガイド手段にて前記クッション材を連続して引き出しながら、前記積層シートの両方の面に敷設することを特徴とする請求項1記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記ガイド手段にて前記クッション材を連続して引き出しながら、前記クッション材と前記積層シートとを交互に敷設することを特徴とする請求項1又は2記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記巻装ローラーに前記クッション材を複数重ねるか、又は、一重巻きの前記巻装ローラーを複数用意して、前記クッション材を複数重ねて敷設することを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 導体箔により配線パターンが形成された樹脂フィルムからなる基材を複数重ね合わせた積層シートを加圧および加熱することにより多層プリント配線板を形成する多層プリント配線板の製造装置であって、
難着性および可撓性を有する帯状のクッション材と、該クッション材を巻装する巻装ローラーと、該クッション材を伸張する巻取りローラーと、該クッション材を前記積層シートに敷設するガイドローラーとを備えることを特徴とする多層プリント配線板の製造装置。 - 前記ガイドローラーにて、前記クッション材を連続して引き出しながら、前記積層シートの両方の面に敷設することを特徴とする請求項5記載の多層プリント配線板の製造装置。
- 前記ガイドローラーにて、前記クッション材を連続して引き出しながら、前記クッション材と前記積層シートとを交互に敷設することを特徴とする請求項5又は6記載の多層プリント配線板の製造装置。
- 前記巻装ローラーに前記クッション材を複数重ねるか、又は、一重巻きの前記巻装ローラーを複数用意して、前記クッション材を複数重ねて敷設することを特徴とする請求項5から7いずれか1項記載の多層プリント配線板の製造装置。
- 前記巻装ローラーの近傍に、前記クッション材の静電気を除去する除電バーが配置されていることを特徴とする請求項5から8いずれか1項記載の多層プリント配線板の製造装置。
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---|---|---|---|
JP2006303704A JP2008124113A (ja) | 2006-11-09 | 2006-11-09 | 多層プリント配線板の製造方法及び製造装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111278241A (zh) * | 2020-02-20 | 2020-06-12 | 盐城维信电子有限公司 | 一种电压机用复合膜及其使用方法 |
-
2006
- 2006-11-09 JP JP2006303704A patent/JP2008124113A/ja active Pending
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