JP2008122977A - レンズシート、それを用いたバックライト及び表示装置 - Google Patents

レンズシート、それを用いたバックライト及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】正面斜め方向に出射されるサイドローブ光を抑制できるレンズシートを提供する。
【解決手段】レンズシート17は、ベースフィルム21と、レンチキュラレンズ樹脂層22と、プリズム樹脂層23と、充填樹脂層24とを備える。レンチキュラレンズ樹脂層22は、ベースフィルム21の一方の表面211上に形成され、互いに並設された複数のシリンドリカルレンズを備える。プリズム樹脂層23は、ベースフィルム21の他方の表面212上に形成され、互いに並設された複数のプリズムを備え、ベースフィルム21の屈折率よりも低い屈折率を有する。充填樹脂層24は、プリズムシート樹脂層23のプリズムが並設された表面上に充填され、プリズム樹脂層23の屈折率よりも高い屈折率を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、レンズシート、それを用いたバックライト及び表示装置に関する。さらに詳しくは、正面輝度を向上する機能を有するレンズシート、それを用いたバックライト及び表示装置に関する。
液晶ディスプレイに代表される表示装置の分野では、正面輝度の向上が求められる。そのため、ディスプレイに利用されるバックライトには、面光源からの光線を正面に集光して正面輝度を向上するレンズシートが敷設される。このようなレンズシートとして、一般的には、特許第3262230号(特許文献1)に開示されているようなプリズムシートが使用される。
図18及び図19を参照して、従来のプリズムシート100は、互いに並設された複数のプリズム条(以下、単にプリズムという)PLを表面に備える。プリズムシート100の屈折率は、1.5〜1.6程度である。面光源からの拡散光R100はプリズムのPLの表面で屈折し、正面に偏向されて出射する。このように、プリズムシート100は、拡散光を正面に集光させることにより、ディスプレイの正面輝度を向上する。
しかしながら、プリズムシート100は正面輝度を向上するものの、正面斜め方向の輝度も高くしてしまう。図20中の実線は、プリズムPLが垂直方向(ディスプレイ画面の上下方向に相当)に並設されたプリズムシート100の上下視野角の輝度角度分布を示す。図20を参照して、相対輝度は、上下視野角の±30deg内で第1のピークを示すが、それとともに、正面斜め方向の視野角+50deg以上、及び視野角−50deg以下で第2のピーク(いわゆるサイドローブ)を示す。視野角0degをピークとして視野角の広がりとともに徐々に輝度が低下する自然な輝度角度分布と異なり、図20の実線に示す輝度角度分布は不自然である。このようなサイドローブは、ディスプレイを見るユーザに違和感を与える。そのため、サイドローブを形成する光(以下、サイドローブ光という)の出射を抑え、サイドローブの発生を抑制できる方が好ましい。
また、サイドローブ分の光を正面に集光させることができないため、1枚のプリズムシートでの正面輝度の向上に限界がある。正面輝度をさらに向上させるためには、2枚のプリズムシートを面光源上に重ねて敷設しなければならず、製造工程が煩雑となっていた。
さらに、プリズムの横断面は三角形であるため、製造時、搬送時、及びバックライトへの敷設時にプリズムに疵がつきやすく、特にその頂部が破損しやすい。このような疵は、ディスプレイ上で輝点や暗点となりやすい。このような疵の発生を防止するため、表示装置に組み込む前のプリズムシート100には、保護フィルムを敷設しなければならなかった。
特許第3262230号
本発明の目的は、1枚で正面輝度をより向上できるレンズシートを提供することである。
本発明の他の目的は、正面斜め方向に出射されるサイドローブ光を抑制できるレンズシートを提供することである。
本発明の他の目的は、保護フィルムを必要としないレンズシートを提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明によるレンズシートは、ベースフィルムと、レンチキュラレンズ樹脂層と、プリズム樹脂層と、充填樹脂層とを備える。レンチキュラレンズ樹脂層は、ベースフィルムの一方の表面上に形成され、互いに並設された複数のシリンドリカルレンズを備える。プリズム樹脂層は、ベースフィルムの他方の表面上に形成され、互いに並設された複数のプリズムを備え、ベースフィルムの屈折率よりも低い屈折率を有する。充填樹脂層は、プリズムシート樹脂層のプリズムが並設された表面上に充填され、プリズム樹脂層の屈折率よりも高い屈折率を有する。
本発明によるレンズシートでは、入射された光線を段階的に集光する。充填樹脂層の屈折率がプリズム樹脂層の屈折率よりも高いため、充填樹脂層に入射された拡散光は、プリズム表面で屈折し、正面に集光される。次に、ベースフィルムの屈折率がプリズム樹脂層の屈折率よりも高いため、プリズム樹脂層からベースフィルムに入射された光線は、ベースフィルムの表面で屈折し、より正面に集光される。さらに、ベースフィルムから出射された光線はレンチキュラレンズ樹脂層に入射され、シリンドリカルレンズの凸面上で屈折し、より正面に集光されて出射される。このように、本発明のレンズシートは、プリズムとシリンドリカルレンズとを備え、かつ、プリズム樹脂層の屈折率をベースフィルム及び充填樹脂層の屈折率よりも小さくすることにより、入射された光線をレンズシート内部で段階的に集光させることができる。そのため、1枚で正面輝度をより向上することができる。
さらに、本発明によるレンズシートは、サイドローブの発生を抑制できる。サイドローブの発生を抑制できる理由としては、以下の事項が考えられる。
プリズムシートにおけるサイドローブは、プリズムシートの法線に対して広角度で出射される光(以下、サイドローブ光という)により形成される。このようなサイドローブ光は、プリズムの表面(2つの側面)のうちの一方の側面で全反射された光線が、他方の側面で透過されて出射される。本発明のレンズシートでは、充填樹脂層が、プリズム樹脂層の複数のプリズム間に充填されている。つまり、充填樹脂層の表面上にも複数のプリズムが形成されている。プリズム樹脂層の屈折率は充填樹脂層よりも小さいものの、空気の屈折率よりも大きい。そのため、充填樹脂層上のプリズム表面では、従来のプリズムシートよりも臨界角が大きくなる。したがって、充填樹脂層上のプリズムの側面で光線が全反射される割合が減少し、サイドローブの発生が抑制される。
また、本発明のレンズシートの表面に形成されるシリンドリカルレンズでは、プリズムのように一方の側面で全反射された光が他方の側面で透過されるということが少なく、一度全反射された光が再びレンズ凸面に入射された場合、再び全反射される場合が多い。そのため、レンズシート法線に対して広角度で出射されるサイドローブ光を抑えることができる。
また、本発明のレンズシートの表面に形成されるレンズはシリンドリカルレンズのみである。シリンドリカルレンズの凸面は曲率を有するため傷つきにくい。そのため、保護フィルムが不要となる。
好ましくは、シリンドリカルレンズの並設方向はプリズムの並設方向と交差し、さらに好ましくは、シリンドリカルレンズの並設方向は、プリズムの並設方向と直交する。
この場合、レンチキュラレンズ樹脂層及び充填樹脂層の各々が異なる軸方向の光を集光する。そのため、正面輝度がより向上する。また、1枚で2軸方向の視野角を制御できる。具体的には、本発明のレンズシート1枚で、2軸方向の輝度角度分布の各々を、正面をピークとし、広角度になるにしたがい輝度が徐々に低下する自然な配向分布にすることができる。
好ましくは、レンチキュラレンズ樹脂層は、以下の方法により形成される。軸方向に配列されたシリンドリカルレンズ転写用溝を表面に有する第1のロール版の表面に電離放射線硬化樹脂を充填する。そして、充填された電離放射線硬化樹脂を、ベースフィルムの一方の表面に転写する。転写した後、電離放射線を照射して硬化させることによりレンチキュラレンズ樹脂層が形成される。
プリズム樹脂層は、以下の方法により形成される。周方向に配列され、プリズムと同じ横断面形状である複数のプリズム転写用溝を表面に有する第2のロール版の表面に電離放射線硬化樹脂を充填する。そして、充填された電離放射線硬化樹脂をベースフィルムの他方の表面に転写する。転写した後、電離放射線を照射して硬化させることによりプリズム樹脂層が形成される。
充填樹脂層は、形成されたプリズム樹脂層の表面に樹脂を塗布することにより形成される。
ここで、電離放射線とは、たとえば、紫外線や電子線である。また、電離放射線硬化樹脂とは、電離放射線を照射されたときに硬化する樹脂である。
プリズムの並設方向がシリンドリカルレンズの並設方向と直交するレンズシートを、ロール版を用いて製造する場合、軸方向にシリンドリカルレンズ転写用溝を配する第1ロール版と、周方向にプリズム転写用溝を配した第2のロール版を用いて製造すれば、製造歩留まりが最も高くなる。
また、仮に、第1のロール版のシリンドリカルレンズ転写用溝を周方向に配列した場合、各転写用溝の縁部(フランジ部)が鋭角であるため、製造中、転写された電離放射線樹脂がこれらの縁部により削り取られてしまう可能性が生じる。したがって、シリンドリカルレンズ転写用溝を軸方向に配列し、第2のロール版のプリズム転写用溝を周方向に配列することにより、転写された樹脂がロール版に削り取られるのを抑制する。
好ましくは、プリズムの頂角は90°以上である。
プリズムの頂角が90°未満である場合、第2ロール版のプリズム転写用溝底の頂角も90°未満となる。この場合、ベース樹脂層の表面に転写された第2の電離放射線硬化樹脂がプリズム転写用溝の縁部(フランジ部)により削り取られる可能性が生じる。したがって、プリズムの頂角は90°以上とするのが好ましい。
また、シリンドリカルレンズの並設方向は、プリズムの並設方向と同じとしてもよいが、この場合、シリンドリカルレンズ及びプリズムの少なくとも一方は、長手方向に波線状に延在するのが好ましい。
これにより、モアレ縞の発生を抑制できる。
本発明によるバックライトは、上記のバックライト用レンズシートを備える。また、本発明による表示装置は、上記バックライトを備える。本発明による液晶表示装置は、上記バックライトと、バックライト上に敷設される液晶パネルとを備える。
[全体構成]
図1及び図2を参照して、表示装置1は、バックライト10と、バックライト10の正面に敷設される液晶パネル20とを備える。バックライト10は、拡散光を出射する面光源16と、面光源16上に敷設されたレンズシート17とを備える。
[面光源]
面光源16は、ハウジング11と、複数の冷陰極管12と、光拡散板13とを備える。ハウジング11は、正面に開口部110を有する筐体であり、内部に冷陰極管12を収納する。ハウジング11の内面は、反射フィルム111で覆われている。反射フィルム111は、冷陰極管12から出射された光を乱反射させ、開口部110に導く。反射フィルム111は、たとえば東レ製ルミラー(登録商標)E60LやE60Vであり、拡散反射率が95%以上であるものが好ましい。
複数の冷陰極管12は、ハウジング11の背面手前に上下方向(図1中y方向)に並設される。冷陰極管12は左右方向(図1中x方向)に伸びたいわゆる線光源であり、たとえば蛍光管である。なお、冷陰極管12に代えてLED(Light Emitting Device)等の複数の点光源をハウジング11内に収納してもよい。また、冷陰極管12に代えて、熱陰極管や外部電極蛍光管等の線光源をハウジング11内に収納してもよい。
光拡散板13は、開口部110に嵌め込まれ、ハウジング11の背面と並行して配設される。光拡散板13を開口部110に嵌め込むことによりハウジング11の内部は密閉されるため、冷陰極管12からの光が光拡散板13以外の箇所からハウジング11外へ漏れるのを防止でき、光の利用効率を向上できる。
光拡散板13は、冷陰極管12からの光及び反射フィルム111で反射された光を拡散して正面に出射する。光拡散板13は、透明な基材と、基材内に分散された複数の粒子とで構成される。基材内に分散される粒子は、可視光領域の波長の光に対する屈折率が基材と異なるため、光拡散板13に入射した光は拡散透過される。光拡散板13の基材は、たとえば、ガラスや、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン酸系樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂等の樹脂である。光拡散板13はまた、レンズシート17の支持体として機能する。
[レンズシート]
図3〜図5を参照して、レンズシート17は、ベースフィルム21と、ベースフィルム21の一方の表面211上に形成されたレンチキュラレンズ樹脂層(以下、単にレンチキュラレンズ層という)22と、ベースフィルム21の他方の表面212上に形成されたコリメート層25とを備える。これらは一体的に形成されている。
ベースフィルム21は、可視光領域の波長に対して透明である。ベースフィルム21は、たとえば、ガラスや、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン酸系樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂等の樹脂で構成される。ベースフィルム21の表面211及び212はともに平坦である。
レンチキュラレンズ層22は、表面211上に形成される。レンチキュラレンズ層22は、互いに並設された複数のシリンドリカルレンズ220を備える。シリンドリカルレンズ220は、表示装置1の画面の上下方向(図1中のy方向)に並設される。
シリンドリカルレンズ220の凸面221は曲率を有するため、バックライトの製造時等にレンズの頂部が疵つきにくい。そのため、保護フィルムが不要となる。
図3〜5に示すシリンドリカルレンズ220の凸面221の横断面形状は円弧であるが、図6Aに示すように楕円弧であってもよいし、図6Bに示すようにエッジ近傍が直線である弓状であってもよい。
コリメート層25は、充填樹脂層24(以下、単に充填層24という)と、プリズム樹脂層23(以下、単にプリズム層23という)とで構成される。
プリズム層23は、ベースフィルム21の表面212上に形成され、互いに並設された複数のプリズム条(Liner Prism:以下、単にプリズムという)230を備える。
充填層24は、プリズム層23のプリズム230が並設された表面上に充填される。充填層24のうち、複数のプリズム230間に充填された部分は、プリズム240を構成する。プリズム230が互いに並設されているため、複数のプリズム240も互いに並設されている。プリズム240が並設された表面と反対側の表面243は平坦である。
プリズム230及び240は、表示装置1の画面の左右方向(図1中のx方向)に並設される。したがって、シリンドリカルレンズ220の並設方向はプリズム230及び240の並設方向と直交する。これにより、レンズシート17は、1枚で、2軸方向(本実施の形態では、上下方向及び左右方向)の輝度角度分布を調整できる。具体的には、コリメート層25が左右視野角を制御し、正面をピークとして広角度になるに従い輝度が低くなる自然な配光分布を形成する。また、レンチキュラレンズ層22が上下視野角を制御し、正面をピークとして広角度になるに従い輝度が低くなる自然な配光分布を形成する。
レンチキュラレンズ層22、プリズム層23、及び充填層24は、樹脂で構成される。より具体的には、レンチキュラレンズ層22及びプリズム層23は、電離放射線硬化樹脂で構成される。電離放射線硬化樹脂とは、紫外線や電子線等の電離放射線により硬化する樹脂であり、たとえば、ポリエステル系アクリレート樹脂、ウレタン系アクリレート樹脂、ポリエーテル系アクリレート樹脂、エポキシ系アクリレート樹脂、ポリエステル系メタクリレート樹脂、ウレタン系メタクリレート樹脂、ポリエーテル系メタクリレート樹脂、エポキシ系メタクリレート樹脂である。充填層24は、電離放射線硬化樹脂で構成されてもよいし、ポリカーボネ−ト、ポリスチレン等の他の樹脂で構成されてもよい。
[レンズシート内の各層の屈折率]
プリズム層23の屈折率n23は、充填層24の屈折率n24と以下の式(1)の関係を有し、ベースフィルム21の屈折率n21と以下の式(2)の関係を有する。
n23<n24 (1)
n23<n21 (2)
要するに、屈折率n23は屈折率n24及び屈折率n21よりも小さい。なお、プリズム層23は上述のとおり樹脂で構成されるため、その屈折率n23は空気の屈折率na=1.0よりも大きい。
充填層24の屈折率n24は、プリズム層23の屈折率n23よりも大きいため、コリメート層25は、充填層24に入射される光線を正面にコリメートしてベースフィルム21に出射する。屈折率n24を大きくすれば、充填層24の下面243での光線の屈折角が大きくなる。下面243でコリメートされた光線がプリズム240の表面に達してさらに正面にコリメートされる。そのため、屈折率n24が大きい方が、正面輝度がより向上する。充填層24の好ましい屈折率n24は、1.5<n24≦1.8である。ただし、屈折率n24が1.5以下であっても、屈折率n23よりも大きければ、本発明の効果をある程度奏することができる。
プリズム層23の屈折率は、充填層24の屈折率よりも小さいが、空気の屈折率na=1.0よりも大きい。そのため、コリメート層25内のプリズム240の表面に入射された光線の臨界角が大きくなる。臨界角が大きくなれば、充填層24に入射された光線が全反射する割合が減少するため、サイドローブ光の出射を抑制できる。この点については後述する。プリズム層23の好ましい屈折率n23は、1.3≦n23<1.5である。ただし、屈折率n23が上述の範囲外であっても、屈折率n23が式(1)及び(2)を満たせば、本発明の効果をある程度奏することができる。
ベースフィルム21の屈折率n21は、屈折率n23よりも大きい。そのため、コリメート層25で正面に集光された光は、ベースフィルム21の表面212に入射されたとき、さらに正面にコリメートされる。そのため、ベースフィルム21は正面輝度の向上に寄与する。
以上の構成を有するレンズシート17は、サイドローブの発生を抑制し、かつ、1枚で正面輝度をより向上できる。以下、これらの効果について詳述する。
[サイドローブの抑制]
レンズシート17は、コリメート層25により左右視野角におけるサイドローブの発生を抑制し、かつ、レンチキュラレンズ層22により上下視野角におけるサイドローブの発生を抑制する。
[左右視野角でのサイドローブ抑制]
レンズシート17内のコリメート層25は、左右視野角におけるサイドローブの発生を抑制できる。コリメート層25がサイドローブを抑制する理由は必ずしも定かではないが、主として以下に示す事項が起因していると推測される。
まず、従来のプリズムシートにおけるサイドローブの発生機構について説明する。図7Aにおいて、従来のプリズムシート100上のプリズムPLに入射される光線の中には、プリズムPLの一方の側面BP1で全反射した後、他方の側面BP2で透過して外部に出射する光線R2があり、この光線R2がサイドローブを形成する。
面光源16の出射面の法線n0(バックライト正面)から角度θ0の方向に出射された光線R0がプリズムPLの側面BP1に達する。光線R0の入射角θi1が臨界角θc1よりも大きい場合、光線R0は全反射し、光線R1としてプリズムPL内を伝播する。光線R1が側面BP2に達したとき、その入射角θi2が臨界角θc1よりも小さければ、光線R1は、法線n0(正面)に対して広角度をなすサイドローブ光R2として外部に出射される。
これに対し、コリメート層25は、サイドローブ光の発生を抑制する。図7Bを参照して、コリメート層25内は式(1)の関係を満たすプリズム層23と充填層24とで構成され、複数のプリズム230の間には、プリズム240が充填されている。
ここで、充填層24の屈折率n24がプリズムシート100の屈折率n100と同じであると仮定する。この場合、充填層24からプリズム層23に光線が入射するときの相対屈折率は、プリズムシート100から空気に光線が入射するときの相対屈折率よりも大きくなる。なぜなら、樹脂で構成されるプリズム層23の屈折率n23は、空気の屈折率(=1.0)よりも大きいためである。
相対屈折率が大きくなるため、コリメート層25内でのプリズム240の表面241及び242における臨界角θc0は、プリズムシート100のプリズムPLの表面BP1及びBP2における臨界角θc1よりも大きくなる。その結果、プリズム240の表面では、全反射される光線R0の割合が減少し、サイドローブ光R2の出射を抑制できると考えられる。
[上下視野角でのサイドローブ抑制]
レンズシート17内のレンチキュラレンズ層22がサイドローブ光の出射を抑制できる理由は、必ずしも定かではないが、主として以下の理由によるものと推測される。図7Cを参照して、図7Aと同じ角度θ0で入射された光線R0は、シリンドリカルレンズ220の凸面221上の境界面BP3に達する。光線R0の入射角θi1が臨界角θc2よりも大きい場合、光線R0は全反射し、凸面上の境界面BP4に達する。このとき光線R0の入射角θi2は臨界角θc2よりも大きくなる場合が多い。そのため、光線R0は再び全反射して面光源16へと戻る。要するに、シリンドリカルレンズ220では、一度全反射した光線は、その後透過して外部へ出射するよりも、再び全反射して面光源へ戻る方が多くなる。そのため、サイドローブ光R2の出射を抑え、輝度角度分布でのサイドローブの発生を抑制できる。
[正面輝度の向上]
レンズシート17では、下面から入射された光を、コリメート層25、ベースフィルム21、及びレンチキュラレンズ層22の各々で正面に集光する。そのため、1枚で正面輝度をより向上できる。
コリメート層25内の充填層24の屈折率n24は、プリズム層23の屈折率n23よりも大きい。そのため、コリメート層25は、面光源からの拡散光を正面に集光してベースフィルム21に出射する。
ベースフィルム21の屈折率n21はプリズム層23の屈折率n23よりも大きい。そのため、コリメート層25からベースフィルム21に入射された光線は、ベースフィルム21の下面で屈折し、さらに正面に集光されてレンチキュラレンズ層22に出射される。
レンチキュラレンズ層22は、凸面221の形状により、入射された光線をさらに正面に集光し、外部に出射する。
以上のとおり、レンズシート17では、コリメート層25、ベースフィルム21及びレンチキュラレンズ層22の各々が、入射された光線を正面にコリメートする。そのため、レンズシート17は、1枚で正面輝度をより向上できる。
なお、コリメート層25に代えて、互いに並設された複数のシリンドリカルレンズを備えるレンチキュラレンズ層(充填層24に相当)と、レンチキュラレンズ層上に形成され、レンチキュラレンズ層よりも屈折率の低い層(プリズム層23に相当)とで構成されるコリメート層とした場合、コリメート層での集光効果が低下する。なぜなら、レンチキュラレンズシートはプリズムシートよりも集光効果が低いからである。同様の理由により、マイクロレンズやプリズムアレイもプリズムシートよりも集光効果が低い。要するに、一般的なレンズシートのうち、プリズムシートが最も集光効果が高い。したがって、レンズシート17のコリメート層25は、プリズム240が並設された充填層24で構成される。
[製造方法]
レンズシート17の製造方法の一例として、ロール版を用いたロールトゥロール方式による製造方法について説明する。
はじめに、ベースフィルム21の表面212にコリメート層25を形成する。表面にフィルム状のベースフィルム21(以下、ベースフィルム21フィルムという)を巻いた円筒状の第1ロールと、図8に示すように、プリズム230の転写用溝52を表面に有するプリズム用ロール版50(以下、単にロール版50という)とを準備する。転写用溝52の横断面形状は、プリズム230の横断面形状と同じであり、転写用溝52の縁部(フランジ部)に相当する凸条53の横断面形状は、プリズム240の横断面形状と同じである。転写用溝52は周方向に配列される。
第1ロールの軸方向がロール版50の軸方向と平行になるように、第1ロール及びロール版50を配置する。配置後、ベースフィルム21の屈折率n21よりも低い屈折率n23を有する電離放射線硬化樹脂を、ロール版50の表面に充填する。第1ロール及びロール版50を回転させながら、充填された電離放射線硬化樹脂を、第1ロールから送り出されたベースフィルム21フィルム上に転写する。このとき、ベースフィルム21フィルムを挟んでロール版50と対向して配置されるバックアップロールと、ロール版50とで、ベースフィルム21フィルムを挟みながら転写する。転写された電離放射線硬化樹脂に電離放射線を照射して電離放射線硬化樹脂を硬化し、プリズム層23を形成する。
プリズム層23を形成後、プリズム層23上に充填層24を形成する。プリズム層23の屈折率n23よりも高い屈折率n24を有する樹脂を溶剤に溶解した塗料を準備する。グラビアコータ等を用いて、準備した塗料をプリズム層23上に均一に塗布する。塗布された塗料を乾燥し、充填層24を形成する。
以上の工程により、ベースフィルム21の表面212にコリメート層25が形成される。コリメート層25が形成されたベースフィルム21フィルムは、第2ロールに巻き取られる。このとき、プリズム230及び240は、第2ロールの周方向に並設されている。
次に、ベースフィルム21の表面211にレンチキュラレンズ層22を形成する。図9に示すレンチキュラレンズ用ロール版60(以下、単にロール版60という)を準備し、その軸方向が第2ロールの軸方向と平行となるように配置する。図9に示すように、ロール版60の表面には、軸方向に配列されたシリンドリカルレンズ220の転写用溝62が形成されている。
ロール版60の転写用溝62に電離放射線硬化樹脂を充填する。第2ロール及びロール版60を回転させながら、充填された電離放射線硬化樹脂を、第2ロールから送り出されたフィルムのベースフィルム21の表面211に転写する。このとき、バックアップロールによりフィルムを挟みながら転写する。転写された電離放射線硬化樹脂に電離放射線を照射して硬化させ、レンチキュラレンズ層22を形成する。以上の工程によりレンズシート17が形成される。
上述の製造方法では、はじめにコリメート層25を形成し、次にレンチキュラレンズ層22を形成したが、はじめにレンチキュラレンズ層22を形成し、次にコリメート層25を形成してもよい。ただし、はじめにコリメート層25を形成する方が好ましい。先にレンチキュラレンズ層22を形成すれば、コリメート層25内のプリズム層23を形成するときに、バックアップロールがレンチキュラレンズ層22のシリンドリカルレンズ220の凸面に押し当てられる。そのため、シリンドリカルレンズ220の形状が変形してしまう可能性があるからである。
上述の製造方法では、プリズム転写用溝52が周方向に配列されたロール版50と、シリンドリカルレンズ転写用溝62が軸方向に配列されたロール版60とを使用したが、プリズム転写用溝52の配列方向がシリンドリカルレンズ転写用溝62の配列方向と直交していれば、プリズム転写用溝52が周方向以外の方向に配列されてもよく、シリンドリカルレンズ転写用溝62が軸方向以外の方向に配列されていてもよい。しかしながら、プリズム転写用溝52が周方向に配列されたロール版50と、シリンドリカルレンズ転写用溝62が軸方向に配列されたロール版60とを用いれば、製造歩留まりが最も高くなる。
さらに、シリンドリカルレンズ転写用溝62は軸方向に配列されるのが好ましく、プリズム転写用溝52は周方向に配列されるのが好ましい。シリンドリカルレンズ転写用溝62を周方向に配列させれば、ロール版からベースフィルム21上に転写された樹脂がシリンドリカルレンズ転写用溝の縁部621により削り取られる可能性が生じるからである。
また、プリズム転写用溝52の横断面形状は、プリズム230の横断面形状と等しいが、プリズム転写用溝52の溝底の頂角(つまり、プリズム230の頂角)は90°以上であるのが好ましい。溝底の頂角が90°未満であれば、ベースフィルム21の表面212に転写された樹脂が凸条53により削り取られる可能性が生じるからである。
上述の製造方法では、塗料を乾燥させることにより充填層24を形成したが、屈折率n23よりも高い屈折率n24を有する電離放射線硬化樹脂を、電離放射線を照射して硬化させることにより、充填層24を形成してもよい。この場合、プリズム層23上にダイコータ等を用いて電離放射線硬化樹脂を均一に塗布し、塗布された電離放射線硬化樹脂に電離放射線を照射すればよい。
以上、製造方法の一例として、ロール版を用いたロールトゥロール方式による製造方法を説明したが、他の製造方法によってもレンズシート17を製造できる。ロールトゥロール方式ではなく、板状の版を用いてコリメート層25及びレンチキュラレンズ層22を形成してもよい。また、レンチキュラレンズ層22は、押し出し法や、熱プレス法、射出形成法により形成してもよい。
[他の実施の形態]
上述の実施の形態のレンズシート17では、プリズム230及び240の並設方向がシリンドリカルレンズ220の並設方向となす角度(交差角)を90°としたが、交差角は90°でなくてもよい。交差していれば、2軸方向の視野角を制御できるし、ある程度の集光効果を得ることができる。好まし交差角は45°〜135°であり、もっとも好ましい交差角は90°である。
また、図10に示すように、プリズム230及び240の並設方向がシリンドリカルレンズ220の並設方向と平行であってもよい。この場合、制御される視野角は1軸方向のみとなるが、正面輝度は従来のプリズムシートよりも向上でき、かつ、サイドローブ光の発生を抑制できる。
図10のように、プリズム230及び240の並設方向が、シリンドリカルレンズ220の並設方向と平行である場合、モアレ縞が発生する場合がある。このようなモアレ縞の発生を防止するために、図11に示すように、プリズム230及び240の長手方向を直線状ではなく、不規則な波線状にするのが好ましい。プリズム230及び240を直線状とし、シリンドリカルレンズ220を長手方向に不規則な波線状にしてもよいし、シリンドリカルレンズ220と、プリズム230及び240とを共に不規則な波線状にしてもよい。モアレ縞は、規則的な模様を重ね合わせたときに発生する。そのため、プリズム230及び240とシリンドリカルレンズ220との少なくとも一方を不規則な波線状とすることにより、モアレ縞の発生を抑制できる。
これらのレンズシートも、レンズシート17と同様の製造方法により製造できる。
以上、本実施の形態によるレンズシート17は、プリズム層23の屈折率n23、充填層24の屈折率n24、及びベースフィルム21の屈折率n21を式(1)及び(2)を満たす関係とすることにより、1枚で正面輝度をより向上でき、かつ、輝度角度分布におけるサイドローブの発生を抑制できる。
また、コリメート層25内の複数のプリズム240は、プリズム層23の複数のプリズム230の間に充填されるため、その頂部(Peak)が表面に露出しない。また、レンチキュラレンズ層22を構成するシリンドリカルレンズ220の頂部表面は曲面である。そのため、従来のプリズムシートの頂部のように製造及び搬送時に傷が発生しにくく、頂部を保護するための保護シートは不要である。
また、プリズム230及び240の並設方向と、シリンドリカルレンズ220の並設方向とを直交させることにより、液晶表示装置内の画面上における上下方向及び左右方向の視野角を制御でき、かつ、各軸方向での輝度角度分布を、正面をピークとした自然な配向分布とすることができる。さらに、直交されることにより2軸方向の光を正面に集光できるため、正面輝度がさらに向上する。なお、ここでいう「直交」は厳密な90°である必要はなく、上下及び左右方向の視野角が制御でき、集光効果が得られる範囲であればよい。
本実施の形態ではバックライト10を直下型としたが、エッジライト型にしてもよい。
また、図3〜図5では、複数のシリンドリカルレンズ220の各々を互いに接触させて配設したが、隣り合うシリンドリカルレンズ220の間に隙間を設けてもよい。同様に、隣り合うプリズム240の間に隙間を設けてもよい。また、プリズム230及び240の横断面形状を三角形としたが、台形でもよい。
表1に示す形状及び屈折率n21〜n24を有する本発明例1〜6のレンズシートを製造した。また、比較例としてプリズムシートを製造した。本発明例1〜6のレンズシート及びプリズムシートの輝度角度分布を調査した。
Figure 2008122977
[本発明例1]
図3〜図5に示す形状の本発明例1のレンズシートと、比較例であるプリズムシートとを製造し、輝度角度分布を調査した。
[製造方法]
本発明例1のレンズシートを次に示す方法により製造した。プリズム転写用溝が周方向に配列された表面を有するプリズム用ロール版を準備した。プリズム転写用溝の横断面形状は二等辺三角形であった。
ベースフィルム21として、厚さ250μm、屈折率(n21)=1.6のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備した。ロール版に屈折率(n23)=1.4の紫外線硬化樹脂を充填し、ロール版をPETフィルムの表面に押し当てることにより、紫外線硬化樹脂を転写した。紫外線を照射することにより転写された紫外線硬化樹脂を硬化させ、プリズム層23を形成した。プリズム層23表面のプリズム230の横断面形状は二等辺三角形であり、その頂角は90°、底辺は50μm、互いに隣り合うプリズムの頂点間距離、すなわち、ピッチは50μmであった。
屈折率(n24)=1.7である樹脂を溶剤に溶解した塗料を準備した。準備した塗料をグラビアコートを用いてプリズム層23上に均一に塗布した。塗布された塗料を乾燥し、層の厚さが30μmの充填層24を形成した。
以上の工程によりベースフィルム21上にコリメート層25を形成した後、コリメート層25が形成された表面の反対側のベースフィルム21の表面211にレンチキュラレンズ層22を形成した。シリンドリカルレンズ転写用溝が軸方向に配列された表面を有するレンチキュラレンズ用ロール版を準備した。転写用溝の横断面形状は円弧であった。
屈折率=1.54の紫外線硬化樹脂をレンチキュラレンズ用ロール版の転写用溝に充填し、PETフィルム表面上に転写した。転写された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射し硬化させ、レンチキュラレンズ層22を形成した。レンチキュラレンズ層22上の各シリンドリカルレンズ220の横断面形状は曲率半径20μmの円弧であり、レンズエッジから凸面の頂上までの高さが20μm、凸面とレンズエッジを含む面とがなす角度(以下、接触角という)が75°、互いに隣り合うシリンドリカルレンズ220のピッチが50μmであった。
比較例のプリズムシートは次に示す方法により作成した。厚さ250μmのPETフィルム上に紫外線硬化樹脂をダイコータにより均一に塗布し、厚さ30μmの紫外線硬化樹脂層を形成した。続いて、プリズム用ロール版を紫外線硬化樹脂層に押し当てながら紫外線を照射して、図18及び図19に示す形状のプリズムシートを製造した。プリズムのピッチは50μmであり、頂角は90度であった。PETフィルムの屈折率は1.6であり、紫外線硬化樹脂の屈折率は1.54であった。
[輝度角度分布調査]
作製された本発明例1のレンズシートと、比較例のプリズムシートとを用いて輝度角度分布を調査した。冷陰極管を収納し、内面に反射フィルムが敷設され、開口部に光拡散板が嵌着されたハウジングにレンズシートを敷設した。このとき、シリンドリカルレンズが上下方向に並設され、プリズムが左右方向に並設されるようにレンズシートを敷設した。
ハウジングにレンズシートを敷設した後、輝度角度分布を調査した。視野角は、レンズシートの法線方向(正面)を0度軸とし、0度軸から上下方向への傾き角を上下視野角、0度軸から左右方向への傾き角を左右視野角とした。各上下視野角及び左右視野角の輝度は輝度計により測定した。
同様に、比較例のプリズムシートをハウジングに敷設して輝度の角度分布を調査した。このとき、プリズムの並設方向は上下方向とした。
本発明例1のレンズシートの輝度角度分布を図12に、比較例であるプリズムシートによる輝度角度分布を図20に示す。図12及び図20の横軸は視野角(deg)、縦軸はハウジングの光拡散板の輝度を基準(1.0)とした相対輝度(a.u.)である。また、図中実線が上下視野角における輝度角度分布であり、図中点線が左右視野角における輝度角度分布である。
図12及び図20を参照して、比較例では視野角±50〜90degでサイドローブが発生したが、本発明例1では上下視野角及び左右視野角ともに、サイドローブはほとんど発生しなかった。
また、本発明例1のレンズシートでは、上下視野角、左右視野角ともに、視野角0degをピークに視野角が広くなるにつれて相対輝度が徐々に低下した分布となり、自然な配光分布となった。
さらに、視野角0degにおける相対輝度を正面輝度とした場合、本発明例1のレンズシートの正面輝度は、従来のプリズムシートの正面輝度の1.12倍であった。
[本発明例2]
本発明例2のレンズシートを製造し、本発明例1と同様に輝度角度依存性を調査した。表1に示すとおり、本発明例2のレンズシートは、本発明例1と比較して、レンチキュラレンズ層22のシリンドリカルレンズを異なる形状とした。具体的には、各シリンドリカルレンズの横断面形状は楕円弧であり、高さは23.7μm、頂部の曲率半径は17.3μm、接触角は70°、隣り合うシリンドリカルレンズ間のピッチは50μmとした。その他の構成は、本発明例1のレンズシートと同じとした。
面光源であるハウジング上に本発明例2のレンズシートを本発明例1のレンズシートと同様に敷設した。具体的には、シリンドリカルレンズが上下方向に並設され、プリズムが左右方向に並設されるように敷設した。敷設後、実施例1と同様に、輝度の角度分布を調査した。
調査結果を図13に示す。従来のプリズムシート(図20)と比較して、本発明例2では、サイドローブの発生を抑制できた。また、上下及び左右視野角ともに、視野角0degをピークとした輝度分布となり、自然な配光分布となった。
本発明例2のレンズシートの正面輝度は、従来のプリズムシートの正面輝度の1.15倍であり、従来のプリズムシート及び本発明例1よりも高かった。シリンドリカルレンズの横断面形状が楕円弧であるため、横断面形状が円弧である本発明例1のレンズシートと比較して、レンチキュラレンズ層22での集光効果が向上したためと考えられる。
[本発明例3]
本発明例3のレンズシートを製造し、本発明例1と同様に輝度角度依存性を調査した。表1に示すとおり、本発明例3のレンズシートは、本発明例1と比較して、屈折率n23及び屈折率n24を異なる値とした。具体的には、屈折率n23を本発明例1よりも小さくし(1.3)、屈折率n24を本発明例1よりも大きくした(1.8)。その他の構成は本発明例1と同じとした。
調査結果を図14に示す。本発明例3では、上下視野角及び左右視野角ともに、サイドローブの発生を抑制できた。また、上下及び左右視野角ともに、視野角0degをピークとした輝度分布となり、自然な配光分布となった。
本発明例3のレンズシートの正面輝度は、従来のプリズムシートの正面輝度の1.30倍であり、従来のプリズムシート及び本発明例1よりも高かった。充填層24からプリズム層23に光が入射される場合の相対屈折率が本発明例1より低く、かつ、プリズム層23からベースフィルム21に光が入射される場合の相対屈折率が高いため、本発明例1よりも正面輝度が向上したと考えられる。
[本発明例4]
本発明例4のレンズシートを製造し、本発明例1と同様の方法で輝度角度分布を調査した。本発明例4の充填層24は本発明例1と異なる方法により製造した。具体的には、形成されたプリズム層23上に上述の屈折率(n24=1.6)の紫外線硬化樹脂をダイコータを用いて均一に塗布した。塗布された紫外線硬化樹脂の表面に、表面が平坦なロールを押し当てながら、紫外線を照射して硬化させ、充填層24とした。その他の製造方法は、本発明例1と同じとした。
表1に示すとおり、本発明例4のレンズシートは、屈折率n24を本発明例1よりも低い値とした。その他の構成は本発明例1と同じとした。
調査結果を図15に示す。本発明例4では、上下視野角及び左右視野角ともに、サイドローブの発生を抑制できた。また、上下及び左右視野角ともに、視野角0degをピークとした自然な配光分布となった。
本発明例4のレンズシートの正面輝度は、従来のプリズムシートの正面輝度の1.07倍であり、従来のプリズムシートよりも高かった。ただし、本発明例1の正面輝度よりも低かった。充填層24の屈折率n24が本発明例1よりも低く、コリメート層25で集光効果が低下したためと考えられる。
[本発明例5]
本発明例5のレンズシートを本発明例4と同様の製造方法で製造した。表1に示すとおり、本発明例5のレンズシートは、本発明例1よりも屈折率n23を高くして1.5とした。その他の構成は本発明例1と同じとした。
調査結果を図16に示す。本発明例5では、上下視野角及び左右視野角ともに、サイドローブの発生を抑制できた。また、上下及び左右視野角ともに、視野角0degをピークとした輝度分布となり、自然な配光分布となった。
本発明例5のレンズシートの正面輝度は、従来のプリズムシートの正面輝度の1.05倍であり、従来のプリズムシートよりも高かった。ただし、本発明例1の正面輝度よりも低かった。屈折率n23が本発明例1よりも高く、コリメート層25で集光効果が低下したためと考えられる。
[本発明例6]
本発明例6のレンズシートを本発明例4と同様の製造方法で製造した。表1に示すとおり、本発明例6のレンズシートは、屈折率n23は1.5とし、本発明例1よりも高くし
た。また、屈折率n24を1.6とし、本発明例1よりも低くした。その他の構成は本発明例1と同じとした。また、レンチキュラレンズ層22上のシリンドリカルレンズの横断面形状を、本発明例2と同様の楕円弧形状とした。
調査結果を図17に示す。本発明例6では、上下視野角及び左右視野角ともに、サイドローブの発生を抑制できた。また、上下及び左右視野角ともに、視野角0degをピークとした輝度分布となり、自然な配光分布となった。
本発明例6のレンズシートの正面輝度は、従来のプリズムシートの正面輝度のよりも若干高かった。ただし、本発明例1の正面輝度よりも低かった。屈折率n23が本発明例1よりも高く、屈折率n24が本発明例1よりも低いため、コリメート層で集光効果が低下したと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
本発明の実施の形態によるレンズシートを備えた表示装置の斜視図である。 図1中の線分II−IIでの断面図である。 本発明の実施の形態によるレンズシートの斜視図である。 図3中の線分IV−IVでの断面図である。 図3中の線分V−Vでの断面図である。 図3中のレンチキュラレンズ層と異なる他のレンチキュラレンズ層の横断面図である。 図3及び図6Aのレンチキュラレンズ層と異なる他のレンチキュラレンズ層の横断面図である。 プリズムシートに入射された光線の軌跡を説明するための模式図である。 図5中のコリメート層に入射された光線の軌跡を説明するための模式図である。 図4中のレンチキュラレンズ層に入射された光の軌跡を説明するための模式図である。 図8(a)は図3〜図5に示すレンズシートを製造するためのプリズム用ロール版の斜視図であり、図8(b)は図8(a)中の領域51の拡大図である。 図9(a)は図3〜図5に示すレンズシートを製造するためのレンチキュラレンズ用ロール版の斜視図であり、図9(b)は図9(b)中の領域61の拡大図である。 図3のレンズシートと異なる構成を有する他のレンズシートの断面図である。 図3及び図8のレンズシートと異なる構成を有する他のレンズシートの上面図である。 本実施例における本発明例1のレンズシートの輝度角度分布図である。 本実施例における本発明例2のレンズシートの輝度角度分布図である。 本実施例における本発明例3のレンズシートの輝度角度分布図である。 本実施例における本発明例4のレンズシートの輝度角度分布図である。 本実施例における本発明例5のレンズシートの輝度角度分布図である。 本実施例における本発明例6のレンズシートの輝度角度分布図である。 従来のプリズムシートの斜視図である。 図18中の線分XIX−XIXでの断面図である。 図18に示したプリズムシートの輝度角度分布図である。
符号の説明
10 バックライト
16 面光源
17 レンズシート
20 液晶パネル
21 ベースフィルム
22 レンチキュラレンズ樹脂層
23 プリズム樹脂層
24 充填樹脂層
25 コリメート層
100 プリズムシート
220 シリンドリカルレンズ
230、240 プリズム

Claims (9)

  1. ベースフィルムと、
    前記ベースフィルムの一方の表面上に形成され、互いに並設された複数のシリンドリカルレンズを備えるレンチキュラレンズ樹脂層と、
    前記ベースフィルムの他方の表面上に形成され、互いに並設された複数のプリズムを備え、前記ベースフィルムの屈折率よりも低い屈折率を有するプリズム樹脂層と、
    前記プリズムシート樹脂層の前記プリズムが並設された表面上に充填され、前記プリズム樹脂層の屈折率よりも高い屈折率を有する充填樹脂層とを備えることを特徴とするレンズシート。
  2. 請求項1に記載のレンズシートであって、
    前記シリンドリカルレンズの並設方向は前記プリズムの並設方向と交差することを特徴とするレンズシート。
  3. 請求項2に記載のレンズシートであって、
    前記シリンドリカルレンズの並設方向は前記プリズムの並設方向と直交することを特徴とするレンズシート。
  4. 請求項3に記載のレンズシートであって、
    前記レンチキュラレンズ樹脂層は、軸方向に配列されたシリンドリカルレンズ転写用溝を表面に有する第1のロール版の表面に電離放射線硬化樹脂を充填し、前記充填された電離放射線硬化樹脂を前記ベースフィルムの一方の表面に転写した後電離放射線を照射して硬化させることにより形成され、
    前記プリズム樹脂層は、周方向に配列され前記プリズムと同じ横断面形状である複数のプリズム転写用溝を表面に有する第2のロール版の表面に電離放射線硬化樹脂を充填し、前記充填された電離放射線硬化樹脂を前記ベースフィルムの他方の表面に転写した後電離放射線を照射して硬化させることにより形成され、
    前記充填樹脂層は、形成されたプリズム樹脂層の表面に樹脂を塗布することにより形成されることを特徴とするレンズシート。
  5. 請求項4に記載のレンズシートであって、前記プリズムの頂角は90°以上であることを特徴とするレンズシート。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のレンズシートであって、
    前記シリンドリカルレンズの並設方向は、前記プリズムの並設方向と同じであり、
    前記シリンドリカルレンズ及びプリズムの少なくとも一方は、長手方向に波線状に延在することを特徴とするレンズシート。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のレンズシートを備えることを特徴とするバックライト。
  8. 請求項7に記載のバックライトを備えることを特徴とする表示装置。
  9. 請求項8に記載のバックライトと、
    前記バックライト上に敷設される液晶パネルとを備えることを特徴とする液晶表示装置。
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