JP2008122921A - 偏光子の表面改質方法、偏光子の製造方法、偏光子、偏光板、画像表示装置、液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学特性を損なうことなく、偏光子表面の親水性を、短時間で、且つシンプルな操作で均一に向上させることができ、作業安全性の確保も可能な偏光子の表面改質方法を提供する。
【解決手段】 偏光子の少なくとも一方の面に、真空紫外光を照射する。フォトンエネルギーの高い前記真空紫外光を偏光子表面に照射すると、偏光子の表面部分の高分子の主鎖や側鎖の化学結合が切断される。これと同時に、偏光子表面に親水性の官能基が形成されることで、偏光子表面の親水性が向上する。前記偏光子は、ポリビニルアルコールおよびヨウ素を含むものが好ましく、前記真空紫外光の波長は180nm以下が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 偏光子の少なくとも一方の面に、真空紫外光を照射する。フォトンエネルギーの高い前記真空紫外光を偏光子表面に照射すると、偏光子の表面部分の高分子の主鎖や側鎖の化学結合が切断される。これと同時に、偏光子表面に親水性の官能基が形成されることで、偏光子表面の親水性が向上する。前記偏光子は、ポリビニルアルコールおよびヨウ素を含むものが好ましく、前記真空紫外光の波長は180nm以下が好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、偏光子の表面改質方法、偏光子の製造方法、偏光子、偏光板、画像表示装置、液晶パネルおよび液晶表示装置に関する。
テレビ、パソコン、携帯電話等の各種液晶表示装置には、偏光子が用いられている。通常、前記偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムを染色・一軸延伸することで作製されている。偏光子は、その片面または両面に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等の保護フィルム(保護層)が積層された偏光板として用いられるのが、一般的である。前記偏光子は、その水分率(含水率)によって、光学特性、接着性、外観等に大きな影響を受ける。すなわち、偏光子の形成材料であるPVAは親水性であるが、偏光子の延伸処理において疎水化している。この疎水化と水分の蒸発によって偏光子の水分率が低下する。水分率の低い偏光子は、高い光学特性を示す。しかし、水分率の低い偏光子は、水系接着剤との親和性に乏しく、保護フィルム等との接着時において空気の混入等の外観不良を招く。一方、水分率の高い偏光子は、水系接着剤との親和性が高く、外観不良は起こしにくいが、初期光学特性が低い。
他方、樹脂製品の表面改質方法としては、大きく分けて化学的手法と物理的手法が挙げられる。まず、化学的手法としては、従来から、酸、アルカリ、界面活性剤等の溶液または各種溶剤に浸漬する方法が用いられてきた。また、物理的手法としては、コロナ放電を利用する方法、オゾン処理、プラズマ処理等のドライプロセス(例えば、特許文献1参照)が利用されてきた。
特開平10−249271号公報
しかしながら、前述のような従来の樹脂製品の表面改質方法を偏光子に適用した場合、次のような問題があった。
まず、偏光子を、酸、アルカリ、界面活性剤等の溶液または各種溶剤に浸漬する化学的手法では、偏光子に含まれるヨウ素が、前記溶液または各種溶剤に溶け出してしまう。これにより、偏光子の化学的性質が変化すると、その光学特性が著しく低下する。また、前記化学的手法は、前記溶液または各種溶剤中の揮発成分の補充等、煩雑な日常の液管理を必要とする。さらに、前記化学的手法は、液の取り扱いに関する作業安全性の確保も必要となる。そのため、前記化学的手法では、偏光子の製造効率が悪くなる。
また、物理的手法のうち、コロナ放電を利用する方法では、偏光子の表面改質度にムラが生じるという問題がある。さらに、高エネルギーのコロナを用いた場合、熱が発生し、偏光子の基材表面にダメージを与えるおそれがある。そして、オゾン処理では、その光源として用いられる低圧水銀灯が、オゾン生成に寄与する波長185nmの光のみならず、その他の波長の光を多く含んでいる。そのため、オゾン処理では、可視域から紫外域にかけての光を吸収する偏光子に前記光源から光を照射した場合、偏光子が、不必要な光吸収による望ましくない変質を起こす。このため、オゾン処理では、偏光子の光学特性が大幅に低下する。さらに、プラズマ処理では、真空度確保のための時間を必要とする。このため、プラズマ処理では、インライン化が難しく、生産性に問題が生じる。
このように、従来の樹脂製品の表面改質処理は、これを偏光子に適用すると、種々の問題が生じる。このため、従来では、偏光子に表面処理を行うことは一般的ではなかった。従来では、保護フィルム等の接着対象の部材に対し、表面改質処理を行い親水性付与することが行われている。しかし、保護フィルム等に表面改質処理を施しても、接着性の向上が不十分であった。
そこで、本発明は、偏光子自体に表面改質処理を施すことにより、光学特性を損なうことなく、偏光子の表面に、短時間かつシンプルな操作で、親水性を均一に付与することができ、作業安全性の確保も可能な偏光子の表面改質方法、それを利用した偏光子の製造方法、それにより得られた偏光子、偏光板、画像表示装置、液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の偏光子の表面改質方法は、偏光子の少なくとも一方の面に、真空紫外光を照射する工程を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法は、表面改質処理工程を含む偏光子の製造方法であって、前記表面改質処理工程が、前記本発明の表面改質方法により実施されることを特徴とする。
本発明の偏光子は、表面改質処理された偏光子であって、前記本発明の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明の偏光板は、偏光子および保護層を含む偏光板であって、前記偏光子が、前記本発明の偏光子であることを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、偏光板を含む画像表示装置であって、前記偏光板が、前記本発明の偏光板であることを特徴とする。
本発明の液晶パネルは、液晶セルと偏光板とを含み、前記液晶セルの片側または両側に前記偏光板を配置した液晶パネルであって、前記偏光板が前記本発明の偏光板であることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置は、偏光板または液晶パネルを含む液晶表示装置であって、前記偏光板または液晶パネルが、前記本発明の偏光板または前記本発明の液晶パネルであることを特徴とする。
本発明者等は、前記目的を達成するために、一連の研究を重ねた。その研究過程で、本発明者等は、偏光子に、真空紫外光を照射することで、その光学特性を損なうことなく、均質的な表面改質が短時間で簡単に行えることを見出した。すなわち、フォトンエネルギーの高い前記真空紫外光を偏光子表面に照射すると、偏光子の表面部分の高分子の主鎖や側鎖の化学結合が切断される。同時に、偏光子表面に親水性の官能基が形成される。この結果、偏光子表面の親水性が向上する。前記真空紫外光照射は、短時間であっても、偏光子表面の親水性を向上させることができ、処理時間を短時間にすることが可能である。また、本発明の方法では、処理による汚れの発生がなく、特別な洗浄工程も必要としない。そのため、本発明の方法は、操作が非常にシンプルである。そして、本発明の方法は、シンプルかつコンパクトな装置で実施可能であり、生産ラインに組み込みやすい。さらに、本発明の方法は、従来の表面改質方法に比べて、電力エネルギーの消費量が少なく、有機溶剤や水も必要としない。そのため、本発明の方法は、環境にやさしく、コストも安い。そして、本発明の方法により得られた偏光子は、親水性に優れるため、保護層と貼着しても空気の混入がない。したがって、本発明の偏光板は外観品質に優れる。
本発明において「真空紫外光」とは、紫外光の中でも比較的短波長の光をいう。このような短波長の光は、従来技術においては、大気中を透過できないとされたことから真空紫外光という名が付けられた。しかし、実際には、真空紫外光は、大気中を透過させて偏光子表面に照射することも可能である。本発明において、真空紫外光の波長は、特に制限されないが、例えば、0.2〜200nmの範囲であり、好ましくは、10〜200nmの範囲である。また、本発明の偏光子の表面改質方法において、前記偏光子が、ポリビニルアルコール(PVA)およびヨウ素を含む偏光子であり、かつ前記真空紫外光が、波長180nm以下の真空紫外光であることが好ましい。すなわち、偏光子がPVAおよびヨウ素を含む場合には、PVAが180nm以下の前記真空紫外光を吸収するため、光化学反応が誘起されやすい。また、偏光子がヨウ素を含む場合、ヨウ素(I−)由来の吸収が波長190nm付近にあるため、それに起因した光吸収がわずかに起こる。しかしながら、PVAを含む偏光子の表面部分の高分子が選択的に光を吸収するため、膜厚方向へ光は透過しにくい。このため、偏光子内部が、不必要な光吸収による望ましくない変質を起こさず、偏光子の最外表面のみを選択的に改質することが可能となる。
本発明の偏光子の表面改質方法において、前記真空紫外光の照射エネルギーは、照射効率の観点から、10〜2000mJ/cm2の範囲が好ましい。前記照射エネルギーは、より好ましくは、30〜600mJ/cm2の範囲である。
本発明の偏光子の表面改質方法において、前記真空紫外光を、アルゴン雰囲気下、窒素雰囲気下または大気中で照射することが好ましい。
本発明の偏光子の表面改質方法において、前記真空紫外光の光源は、エキシマレーザーおよびエキシマランプの少なくとも一方であることが好ましい。前記光源は、発光ピークが単一であり、その半値幅が狭く、フォトンエネルギーが高い。したがって、前記光源によれば、偏光子の化学結合を、より効率的に直接開裂させることができる。また、前記光源によれば、偏光子が不必要な光吸収による望ましくない変質を起こすことを、さらに効果的に防止できる。前記光源の具体例としては、Xe2エキシマレーザー、F2エキシマレーザー、Kr2エキシマレーザー、Ar2エキシマレーザー、非線形光学素子による高調波レーザー、Xe2エキシマランプ、Kr2エキシマランプおよびAr2エキシマランプが挙げられる。
本発明の偏光子の表面改質方法において、前記真空紫外光の照射対象となる偏光子の水分率は、25質量%以下が好ましい。
本発明の偏光子において、例えば、水接触角が30度以下であり、表面自由エネルギーが65mJ/cm2以上であり、偏光度が99.95%以上である。
本発明の偏光板において、さらに、位相差層を有していてもよい。このような偏光板は、楕円偏光板という。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の方法は、前述のように、偏光子の少なくとも一方の面に、真空紫外光を照射して親水性を付与する表面改質処理方法である。
本発明の表面改質処理の対象となる偏光子は、任意の適切なものが選択され得る。前記偏光子としては、例えば、PVA系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、前述の理由により、PVA系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸させて製造された偏光子が好ましい。前記偏光子の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜80μmである。本発明の表面改質処理の対象となる前記偏光子(表面改質の処理前)の水分率(含水率)は、特に制限されないが、光学特性の観点から、低いことが好ましい。前記水分率(含水率)は、例えば、25質量%以下であり、好ましくは10〜20質量%の範囲であり、より好ましくは11〜15質量%の範囲である。本発明において、前記偏光子の水分率の測定は、例えば、後述の実施例に記載の方法により実施できる。
PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。前記ヨウ素水溶液は、必要に応じて、ホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよい。また、別途、ホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含む水溶液に、PVA系フィルムを浸漬してもよい。また、必要に応じて、染色の前に、PVA系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。PVA系フィルムを水洗することで、PVA系フィルムの表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができる。PVA系フィルムを水に浸漬して水洗することは、その他に、PVA系フィルムを膨潤させることで染色のムラ等の不均一を防止するという効果もある。延伸は、ヨウ素で染色した後に行ってもよいし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウム等の水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
真空紫外光照射処理の方式としては、特に制限されない。例えば、連続処理であればコンベア式が好ましく、バッチ処理であればチャンバー式が好ましい。これらの中でも、本発明の方法を、偏光子の製造ラインに組み込むのであれば、コンベア式が好ましい。また、照射面は、偏光子の片面でもよいし、両面でもよい。照射面は、好ましくは、接着剤層を介して保護層等を貼着する面である。
前述のように、前記真空紫外光の光源としては、例えば、Xe2エキシマレーザー、F2エキシマレーザー、Kr2エキシマレーザー、Ar2エキシマレーザー、非線形光学素子による高調波レーザー、Xe2エキシマランプ、Kr2エキシマランプ、Ar2エキシマランプ等が挙げられる。また、前記真空紫外光の波長は、180nm以下が好ましく、より好ましくは、12nm〜180nmの範囲である。前記真空紫外光の照射エネルギーは、前述のとおりである。前記真空紫外光の照射時間は、例えば、1秒〜5分の範囲、好ましくは、1〜60秒の範囲、より好ましくは、3〜30秒の範囲であり、さらに好ましくは、5〜10秒の範囲である。
前記偏光子の表面と前記光源との最短距離(照射距離)は、照射効率の観点から、10mm以下とすることが好ましく、より好ましくは5mm以下である。
前記真空紫外光の照射環境は、特に制限されず、例えば、アルゴン雰囲気下や窒素雰囲気下であってもよいし、大気中であってもよい。このように、本発明の方法では、前記真空紫外光の照射を、必ずしも真空下で行う必要がない。このため、本発明の方法は、真空排気装置を用いずとも実施可能である。
本発明の真空紫外光照射に使用する照射処理装置は、特に制限されず、市販品が使用できる。前記市販品としては、例えば、ウシオ電機社製の商品名UER−172Bや同社の商品名UER−126B等が挙げられる。
このようにして、本発明の偏光子を得ることができる。本発明の偏光子は、外観品質、光学特性、均質性を損なうことなく、表面の親水性が高いものである。本発明の偏光子において、水接触角は、例えば、30度(°)以下であり、好ましくは、25度以下であり、より好ましくは、15度以下である。表面自由エネルギーは、例えば、65mJ/cm2以上であり、好ましくは、70〜80mJ/cm2の範囲である。偏光度は、例えば、99.95%以上であり、好ましくは、99.97%以上である。本発明の偏光子の表面改質方法もしくは製造方法は、表面改質処理工程において、偏光子の光学特性を劣化させない点が特徴の一つである。本発明の偏光子の表面改質方法もしくは製造方法によれば、偏光子が、前記したような優れた光学特性を維持することが可能である。かつ、本発明の偏光子の表面改質方法もしくは製造方法によれば、前記したような高い親水性に偏光子の表面を改質することが可能である。本発明において、水接触角、表面自由エネルギーおよび偏光度は、例えば、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
前記本発明の偏光板は、前記本発明の偏光子の片面または両面に保護層を貼着されたものである。
前記保護層としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、位相差値の安定性等に優れるものが好ましい。前記保護層の形成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂、スチレン・マレイミド共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。また、シクロ系オレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂;芳香族ポリイミド、ポリイミドアミド等のイミド系樹脂;スルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;ポリフェニレンスルフィド系樹脂;ビニルアルコール系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ビニルブチラール系樹脂;アリレート系樹脂;ポリオキシメチレン系樹脂;エポキシ系樹脂、または2種類以上の前記樹脂の混合物等からなる高分子フィルム等も前記保護層の形成材料の例として挙げられる。
前記高分子フィルムとしては、例えば、特開2001−343529号公報および国際特許WO01/37007号パンフレットに記載の高分子フィルムが挙げられる。具体的には、(A)側鎖に置換イミド基および非置換イミド基の少なくとも一方を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換フェニル基および非置換フェニル基の少なくとも一方とニトリル基とを有する熱可塑性樹脂とを含有する高分子フィルムが挙げられる。より具体的には、例えば、イソブチレンとN−メチルマレイミドからなる共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する高分子フィルムが挙げられる。
前記保護層には、偏光特性や耐久性等の観点から、好ましくは、TAC等のセルロース系樹脂フィルムまたはノルボルネン系樹脂フィルムが用いられる。具体的には、例えば、富士写真フイルム(株)製の商品名「フジタック」、日本ゼオン(株)製の商品名「ゼオノア」、JSR(株)製の商品名「アートン」等が挙げられる。
前記保護層の厚みは、適宜に決定しうるが、強度や取扱性等の作業性、薄型化等の観点から、例えば、1μm〜500μmの範囲であり、好ましくは、5μm〜200μmの範囲であり、より好ましくは、10μm〜150μmの範囲である。
前記本発明の偏光子と前記保護層との貼着は、例えば、接着剤を用いて両者を貼着することにより行うことができる。ここで、本発明の偏光子の表面は、前記表面改質処理によりぬれ性(親水性)が向上している。このため、前記本発明の偏光子と前記保護層との貼着における空気の混入による気泡の発生等が防止される。
前記接着剤としては、特に制限されないが、気泡等の発生防止の観点から、極性の高い接着剤が好ましい。極性の高い接着剤としては、例えば、アクリル系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤等が挙げられる。前記接着剤は、偏光子との接着力の観点から、ビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤であることが好ましい。また、前記接着剤は、例えば、ホウ酸、ホウ砂、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤を含んでもよい。
接着剤によっては、適当な接着用下塗り剤を用いることで接着力を向上させることができるものがある。そのような接着剤を用いる場合には、前記接着用下塗り剤を用いることが好ましい。
前記接着用下塗り剤としては、接着力を向上できるものであれば特に制限されない。前記接着用下塗り剤としては、例えば、同一分子内にアミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基等の反応性官能基と加水分解性のアルコキシシリル基とを有するシラン系カップリング剤、同一分子内にチタンを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するチタネート系カップリング剤、同一分子内にアルミニウムを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するアルミネート系カップリング剤等のカップリング剤;エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂、ウレタン系樹脂、エステルウレタン系樹脂等の有機反応性基を有する樹脂を用いることができる。なかでも、工業的に取扱いやすいという観点から、シラン系カップリング剤を用いることが好ましい。
前記本発明の偏光板は、さらに、位相差層を有してもよい。前記位相差層は、前記本発明の偏光子と前記保護層との積層体(偏光板)の少なくとも一方の面上に配置する。
前記位相差層は、例えば、位相差を持つ熱可塑性樹脂フィルムを、接着剤層を介して偏光板に貼着することにより形成することができる。前記熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で、または2種以上を組み合せて用いることができる。また、前記接着剤層を形成する接着剤としては、例えば、前記保護層について挙げた接着剤が使用できる。
本発明の偏光板は、液晶表示装置(LCD)やELディスプレイ(ELD)等の各種の画像表示装置に好ましく用いることができる。本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光板または本発明の液晶パネルを含むこと以外は、その構成は特に制限されず、例えば、従来の液晶表示装置と同様の構成である。本発明の液晶表示装置は、例えば、液晶セル、本発明の偏光板等の光学部材、および必要に応じて照明システム(バックライト等)等の各構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むこと等により製造できる。
本発明において、液晶表示装置の構成は、特に制限されない。本発明の液晶表示装置の構成としては、例えば、液晶セルの片側または両側に本発明の偏光板等の光学部材を配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いた液晶表示装置等が挙げられる。液晶セルの両側に本発明の偏光板等の光学部材を配置する場合、それらは同一でもよいし、異なっていてもよい。さらに、本発明の液晶表示装置には、例えば、拡散板、アンチグレア層、反射防止層、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート等の光学部材および光学部品を配置してもよい。
本発明の画像表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等が挙げられる。
本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例および比較例によってなんら限定ないし制限されない。また、各実施例および各比較例における各種特性および物性の測定および評価は、下記の方法により実施した。
(1)水接触角
水接触角は、接触角計(協和界面科学社製、商品名CA−X型、画像処理式、3成分表面エネルギー分析)を用いた。具体的な測定方法としては、偏光子に水を滴下し、前記接触角計により前記水滴を観察して接触角を求めた。
水接触角は、接触角計(協和界面科学社製、商品名CA−X型、画像処理式、3成分表面エネルギー分析)を用いた。具体的な測定方法としては、偏光子に水を滴下し、前記接触角計により前記水滴を観察して接触角を求めた。
(2)表面自由エネルギー
表面自由エネルギーは、接触角計(協和界面科学社製、商品名CA−X型、画像処理式、3成分表面エネルギー分析)を用いて算出した。具体的には、まず、偏光子に水、ジヨードメタンおよびブロモナフタレンを滴下し、前記接触角計により前記各液滴を観察して接触角を求めた。そして、求められた接触角から、前記接触角計に組み込まれたプログラムを用いて自動的に表面自由エネルギーを算出した。
表面自由エネルギーは、接触角計(協和界面科学社製、商品名CA−X型、画像処理式、3成分表面エネルギー分析)を用いて算出した。具体的には、まず、偏光子に水、ジヨードメタンおよびブロモナフタレンを滴下し、前記接触角計により前記各液滴を観察して接触角を求めた。そして、求められた接触角から、前記接触角計に組み込まれたプログラムを用いて自動的に表面自由エネルギーを算出した。
(3)偏光度(P)
偏光子の偏光度(P)は、分光光度計(日本分光社製、商品名V7100)を用いて、偏光子の第1主透過率(k1)および第2主透過率(k2)を測定し、下記の式より求めた。前記第1主透過率(k1)は、偏光子の吸収軸に対して垂直な直線偏光を入射したときにおける偏光子の透過率の値である。また、前記第2主透過率(k2)は、偏光子の吸収軸に対して平行な直線偏光を入射したときにおける偏光子の透過率の値である。
偏光度(%)={(k1−k2)/(k1+k2)}×100
偏光子の偏光度(P)は、分光光度計(日本分光社製、商品名V7100)を用いて、偏光子の第1主透過率(k1)および第2主透過率(k2)を測定し、下記の式より求めた。前記第1主透過率(k1)は、偏光子の吸収軸に対して垂直な直線偏光を入射したときにおける偏光子の透過率の値である。また、前記第2主透過率(k2)は、偏光子の吸収軸に対して平行な直線偏光を入射したときにおける偏光子の透過率の値である。
偏光度(%)={(k1−k2)/(k1+k2)}×100
(4)水分率
水分率は、偏光子の乾燥処理前後の質量(重量)を測定し、前記両質量(重量)値から下記の式により算出した。前記乾燥処理は、偏光子を120℃で2時間以上加熱乾燥して行った。
水分率(質量%)=[Wb/(Wb−Wa)]×100
Wb:偏光子の乾燥処理前の質量(g)
Wa:偏光子の乾燥処理後の質量(g)
水分率は、偏光子の乾燥処理前後の質量(重量)を測定し、前記両質量(重量)値から下記の式により算出した。前記乾燥処理は、偏光子を120℃で2時間以上加熱乾燥して行った。
水分率(質量%)=[Wb/(Wb−Wa)]×100
Wb:偏光子の乾燥処理前の質量(g)
Wa:偏光子の乾燥処理後の質量(g)
[実施例1]
ポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸させて製造された偏光子(厚み32μm、水分率:15質量%)を真空紫外光照射処理装置(ウシオ電機社製、商品名UER−172B)内にセットした。前記装置内に窒素ガスを2分間導入し、装置内の酸素を除去した。ついで、前記偏光子の両面に、それぞれXeエキシマランプが発する波長172nmの真空紫外光を照射エネルギー100mJ/cm2で(強度10mW/cm2で10秒間)照射し、本例の偏光子を得た。
ポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸させて製造された偏光子(厚み32μm、水分率:15質量%)を真空紫外光照射処理装置(ウシオ電機社製、商品名UER−172B)内にセットした。前記装置内に窒素ガスを2分間導入し、装置内の酸素を除去した。ついで、前記偏光子の両面に、それぞれXeエキシマランプが発する波長172nmの真空紫外光を照射エネルギー100mJ/cm2で(強度10mW/cm2で10秒間)照射し、本例の偏光子を得た。
本例の偏光子表面の水に対する接触角は、26度、表面自由エネルギーは、69mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.96%であった。
前記偏光子に、下記の条件で2枚の保護層を貼着し、偏光板を得た。
<条件>
(1)保護層:TACフィルム
(2)接着剤:ビニルアルコール系ポリマー水溶性接着剤
(3)接着方法:2枚の保護層の間に偏光子を挟み込み、各保護層と偏光子との間に前記接着剤を流し込んだ。その後、小型ラミネーターを用いて前記各保護層と前記偏光子とを貼着した。
(4)乾燥条件:60℃、5分間
<条件>
(1)保護層:TACフィルム
(2)接着剤:ビニルアルコール系ポリマー水溶性接着剤
(3)接着方法:2枚の保護層の間に偏光子を挟み込み、各保護層と偏光子との間に前記接着剤を流し込んだ。その後、小型ラミネーターを用いて前記各保護層と前記偏光子とを貼着した。
(4)乾燥条件:60℃、5分間
前記偏光板の外観を目視で評価したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入は確認されなかった。
[実施例2]
真空紫外光の照射エネルギーを600mJ/cm2としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の偏光子を得た。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、9.4度、表面自由エネルギーは、74mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.98%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入は確認されなかった。
真空紫外光の照射エネルギーを600mJ/cm2としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の偏光子を得た。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、9.4度、表面自由エネルギーは、74mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.98%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入は確認されなかった。
[実施例3]
真空紫外光照射処理装置(ウシオ電機社製、商品名UER−126B)を用い、前記偏光子の両面に、それぞれXeエキシマランプが発する波長126nmの真空紫外光を照射したこと以外は、実施例1と同様にして、本例の偏光子を得た。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、8.6度、表面自由エネルギーは、74mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.98%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入は確認されなかった。
真空紫外光照射処理装置(ウシオ電機社製、商品名UER−126B)を用い、前記偏光子の両面に、それぞれXeエキシマランプが発する波長126nmの真空紫外光を照射したこと以外は、実施例1と同様にして、本例の偏光子を得た。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、8.6度、表面自由エネルギーは、74mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.98%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入は確認されなかった。
[実施例4]
真空紫外光の照射エネルギーを2000mJ/cm2としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の偏光子を得た。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、25度、表面自由エネルギーは、69mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.98%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入は確認されなかった。
真空紫外光の照射エネルギーを2000mJ/cm2としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の偏光子を得た。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、25度、表面自由エネルギーは、69mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.98%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入は確認されなかった。
[実施例5]
窒素雰囲気下ではなく、大気中で真空紫外光の照射を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、本例の偏光子を得た。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、13度、表面自由エネルギーは、73mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.98%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入は確認されなかった。
窒素雰囲気下ではなく、大気中で真空紫外光の照射を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、本例の偏光子を得た。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、13度、表面自由エネルギーは、73mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.98%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入は確認されなかった。
[比較例1]
実施例1の真空紫外光照射前の偏光子を、本例の偏光子とした。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、58度、表面自由エネルギーは、53mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.97%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に、空気の混入が確認された。
実施例1の真空紫外光照射前の偏光子を、本例の偏光子とした。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、58度、表面自由エネルギーは、53mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.97%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に、空気の混入が確認された。
[比較例2]
前記偏光子の両面に、それぞれXeエキシマランプの発する波長222nmの紫外光を照射したこと以外、実施例1と同様にして、本例の偏光子を得た。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、53度、表面自由エネルギーは、55mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.98%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入が確認された。
前記偏光子の両面に、それぞれXeエキシマランプの発する波長222nmの紫外光を照射したこと以外、実施例1と同様にして、本例の偏光子を得た。本例の偏光子表面の水に対する接触角は、53度、表面自由エネルギーは、55mJ/cm2であった。また、本例の偏光子の偏光度は、99.98%であった。この偏光子に、実施例1と同様にして保護層を貼着して偏光板を作製した。前記偏光板を目視により観察したところ、偏光子と保護層との間に空気の混入が確認された。
以上のように、本発明によれば、光学特性を損なうことなく、偏光子表面の親水性を、短時間で、且つシンプルな操作で均一に向上させることができる。本発明の偏光子、それを用いた偏光板、画像表示装置、液晶パネルおよび液晶表示装置の用途は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等が挙げられる。その用途は限定されず、広い分野に適用可能である。
Claims (15)
- 偏光子の少なくとも一方の面に、真空紫外光を照射する工程を含むことを特徴とする偏光子の表面改質方法。
- 前記真空紫外光が、波長200nm以下の真空紫外光である請求項1記載の偏光子の表面改質方法。
- 前記偏光子が、ポリビニルアルコールおよびヨウ素を含む偏光子であり、かつ前記真空紫外光が、波長180nm以下の真空紫外光である請求項1記載の偏光子の表面改質方法。
- 前記真空紫外光の照射エネルギーが、10〜2000mJ/cm2の範囲である請求項1から3のいずれか一項に記載の偏光子の表面改質方法。
- 前記真空紫外光を、アルゴン雰囲気下、窒素雰囲気下または大気中で照射する請求項1から4のいずれか一項に記載の偏光子の表面改質方法。
- 前記真空紫外光の光源が、Xe2エキシマレーザー、F2エキシマレーザー、Kr2エキシマレーザー、Ar2エキシマレーザー、非線形光学素子による高調波レーザー、Xe2エキシマランプ、Kr2エキシマランプおよびAr2エキシマランプからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1から5のいずれか一項に記載の偏光子の表面改質方法。
- 真空紫外光の照射対象である前記偏光子の水分率が、25質量%以下である請求項1から6のいずれか一項に記載の偏光子の表面改質方法。
- 表面改質処理工程を含む偏光子の製造方法であって、前記表面改質処理工程が、請求項1から7のいずれか一項に記載の表面改質方法により実施される製造方法。
- 表面改質処理された偏光子であって、請求項8に記載の製造方法により製造された偏光子。
- 水接触角が30度以下であり、表面自由エネルギーが65mJ/cm2以上であり、偏光度が99.95%以上である請求項9記載の偏光子。
- 偏光子および保護層を含む偏光板であって、前記偏光子が、請求項9または10記載の偏光子である偏光板。
- さらに、位相差層を含む請求項11記載の偏光板。
- 偏光板を含む画像表示装置であって、前記偏光板が、請求項11または12記載の偏光板である画像表示装置。
- 液晶セルと偏光板とを含み、前記液晶セルの片側または両側に前記偏光板を配置した液晶パネルであって、前記偏光板が請求項11または12記載の偏光板である液晶パネル。
- 偏光板または液晶パネルを含む液晶表示装置であって、前記偏光板が、請求項11または12記載の偏光板であり、前記液晶パネルが、請求項14記載の液晶パネルである液晶表示装置。
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