JP2014016425A - 偏光板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】λ/4位相差フィルム、偏光子、及び、面内に複屈折率を有する光透過性基材が、この順に積層された偏光板であって、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記λ/4位相差フィルムの湿度に対する寸法変化が、0.6%以下であることを特徴とする偏光板。
【選択図】なし
Description
このような有機EL表示装置は、一般に、観測者側から保護層、偏光子、λ/4位相差フィルム及び有機EL素子の順に積層された構成を有し、偏光子としては、従来、ポリビニルアルコール(PVA)又はその誘導体のフィルムにヨウ素や二色性染料を吸着させ、一軸延伸加工を施したものが一般的に用いられている。
また、円偏光板は、例えば、液晶表示装置のマルチドメイン方式を用いた垂直配向(VA)モードにおける配向乱れが表示に影響し、表示品位が低下することを防ぐ方法としても使用されている(例えば、特許文献1参照)。
このような偏光子の視認側に積層される保護層(光透過性基材)としては、従来、セルロース系フィルム、特にトリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられていた(例えば、特許文献2参照)。これは、セルロースエステルは、透明性、光学等方性に優れ、面内にほとんど位相差を持たない(面内にほとんど複屈折を有さない)ため、入射直線偏光の振動方向を変化させることが極めて少なく、表示装置の表示品質への影響が少ない等の利点に基づくものである。
しかしながら、このようなCOPフィルムを偏光子の保護層とした円偏光板を有機EL表示装置用いると、偏光特性を有するサングラスをかけた状態で視認しつつ、該表示装置を表示画面の外周方向に回転させた場合、表示画像に色差が生じるという問題があった。
本発明の偏光板は、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の面内における遅相軸と、λ/4位相差フィルムの面内における遅相軸とが直交していることが好ましい。
また、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材は、リタデーションが3000nm以上であることが好ましい。
また、上記λ/4位相差フィルムは、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート及びアクリルからなる群より選択されるいずれか1種を材料とすることが好ましい。
また、本発明は、上記本発明の偏光板を備え、バックライト光源が白色発光ダイオードであることを特徴とする液晶表示装置でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の偏光板において、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記λ/4位相差フィルムの湿度に対する寸法変化率が、0.6%以下である。0.6%を超えると、本発明の偏光板を有機EL表示装置やLCDに用いた場合、湿度変化による本発明の偏光板の寸法変化が大きくなり、カールが発生してしまう。上記寸法変化率の好ましい上限は0.3%であり、より好ましい上限は0.1%である。
なお、本明細書において、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記λ/4位相差フィルムの寸法変化率とは、それぞれ所定の大きさ(例えば、5mm×20mm)に切り出したフィルムサンプルに対して、所定の荷重条件(例えば、150mN/mm2)にて、30℃0%RHの状態から、30℃90%RHに変化させたときの寸法変化率のことであり、以下の式により算出される。
また、上記寸法変化率の測定時の上記フィルムサンプルへの荷重条件は、ある程度の荷重をかけて上記フィルムサンプルの寸法の測定を安定させるための条件である。ただし、上記荷重条件は、フィルムサンプルに荷重をかけることでの弾性変形、塑性変形がおきない程度で、フィルムサンプル雰囲気の条件が寸法変化に直接反映されるような緩やかな条件で荷重をかければよい。
上記光透過性基材及びλ/4位相差フィルムの遅相軸とは、通常、作製時に延伸された方向である。このように延伸処理が施されて製造された光透過性基材及びλ/4位相差フィルムは、内部応力が残存しているため、該内部応力に起因した反りが発生しやすい。しかしながら、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の遅相軸と、λ/4位相差フィルムの遅相軸とが直交していると、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の内部応力と、λ/4位相差フィルムの内部応力とによる反りの発生が打ち消し合わされて、反りの発生を好適に抑制することができる。更に、このように上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の遅相軸と、λ/4位相差フィルムの遅相軸とが直交していることで、本発明の偏光板を有機EL表示装置に配置する場合、その方向については特に限定されない。
すなわち、本発明の偏光板を平面視したときに上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の遅相軸とλ/4位相差フィルムの遅相軸とが成す鋭角同士を結んだ直線と、有機EL表示装置及びLCDの表示画面の長辺方向とが平行とならないように、本発明の偏光板を配置して有機EL表示装置及びLCDとすることが好ましい。このように本発明の偏光板を配置することで、上述した内部応力に起因して反りが発生しやすい方向の長さがより短くなり、上記内部応力に起因した反りをより少なくすることができる。
上記λ/4位相差フィルムを構成する材料としては、具体的には、例えば、PVA、ノルボルネン系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、セルロース系樹脂、ポリカーボネート及びアクリル等が挙げられる。なかでも、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート及びアクリルからなる群より選択されるいずれか1種を材料が好適である。
上記COPフィルムの市販品としては、具体的には、例えば、ノルボルネンフィルム(NB)、ZEONOR(商品名: 日本ゼオン社製)、ARTON(商品名:JSR社製)、エスシーナ(商品名:積水化学工業社製)等が挙げられる。
上記PVA系偏光子としては、例えば、PVA系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸したものが挙げられる。なかでも、PVA系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適に用いられる。
このような偏光子の厚さとしては特に制限されず、一般的に、1〜100μm程度である。
上記ポリエステル基材のリタデーションは、薄膜化の観点から、5000〜25000nmであることが好ましい。より好ましい範囲は、7000〜2万nmである。
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
また、上記リタデーションは、例えば、王子計測機器社製KOBRA−WRによって測定(測定角0°、測定波長589.3nm)することができる。
また、二枚の偏光板を用いて、ポリエステル基材の配向軸方向(主軸の方向)を求め、配向軸方向に対して直交する二つの軸の屈折率(nx、ny)を、アッベ屈折率計(アタゴ社製 NAR−4T)によって求める。ここで、より大きい屈折率を示す軸を遅相軸と定義する。ポリエステル基材の厚みd(nm)は、電気マイクロメータ(アンリツ社製)を用いて測定し、単位をnmに換算する。屈折率差(nx−ny)と、フィルムの厚みd(nm)との積より、リタデーションを計算することもできる。
なお、屈折率は、アッベ屈折率計や、エリプソメーターを用いて測定することもできるし、分光光度計(島津製作所社製のUV−3100PC)を用いて、上記ポリエステル基材上に光学機能層を設けて光学積層体とした場合、該光学機能層の波長380〜780nmの平均反射率(R)を測定し、得られた平均反射率(R)から、以下の式を用い、屈折率(n)の値を求めてもよい。
光学機能層の平均反射率(R)は、易接着処理のない50μm厚PET上にそれぞれの原料組成物を塗布し、1〜3μmの厚さの硬化膜にし、PETの塗布しなかった面(裏面)に、裏面反射を防止するために測定スポット面積よりも大きな幅の黒ビニールテープ(例えば、ヤマトビニールテープNo200−38−21 38mm幅)を貼ってから各硬化膜の平均反射率を測定した。ポリエステル基材の屈折率は、測定面とは反対面に同様に黒ビニールテープを貼ってから測定を行った。
R(%)=(1−n)2/(1+n)2
また、光学積層体となった後に光学機能層の屈折率を測定する方法としては、各層の硬化膜をカッターなどで削り取り、粉状態のサンプルを作製し、JIS K7142(2008)B法(粉体又は粒状の透明材料用)に従ったベッケ法(屈折率が既知のカーギル試薬を用い、上記粉状態のサンプルをスライドガラスなどに置き、そのサンプル上に試薬を滴下し、試薬でサンプルを浸漬する。その様子を顕微鏡観察によって観察し、サンプルと試薬の屈折率が異なることによってサンプル輪郭に生じる輝線;ベッケ線が目視で観察できなくなる試薬の屈折率を、サンプルの屈折率とする方法)を用いることができる。
ポリエステル基材の場合は、方向によって屈折率が異なるので、ベッケ法ではなく、光学機能層の処理面に上記黒ビニールテープを貼ることで、平均反射率を測定し求めることができる。
以上の観点から、上記Δnのより好ましい下限は0.07、より好ましい上限は0.15である。なお、上記Δnが0.15を超えると、耐湿熱性試験でのポリエステル基材の耐久性が劣ることがある。耐湿熱性試験での耐久性が優れることから、上記Δnの更に好ましい上限は0.12である。
なお、上記(nx)としては、1.66〜1.78であることが好ましく、より好ましい下限は1.68、より好ましい上限は1.73である。また、上記(ny)としては、1.55〜1.65であることが好ましく、より好ましい下限は1.57、より好ましい上限は1.62である。
上記nx及びnyが上記範囲にあり、かつ、上述したΔnの関係を満たすことで、好適な反射防止性能及び明所コントラストの向上を図ることができる。
また、ポリエステル基材に用いられるポリエステルは、これらのポリエステルの共重合体であってもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%以下)の他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。上記ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので特に好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは汎用性が高く、入手が容易であるからである。本発明においてはPETのような、汎用性が極めて高いフィルムであっても、表示品質の高い有機EL表示装置を作製することが可能な、偏光板を得ることができる。更に、PETは、透明性、熱又は機械的特性に優れ、延伸加工によりリタデーションの制御が可能であり、固有複屈折が大きく、膜厚が薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られる。
上記横延伸温度としては、80〜130℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。また、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.5倍である。上記横延伸倍率が6.0倍を超えると、得られるポリエステル基材の透明性が低下しやすくなり、延伸倍率が2.5倍未満であると、延伸張力も小さくなるため、得られるポリエステル基材の複屈折が小さくなり、リタデーションを3000nm以上とできないことがある。
また、本発明においては、二軸延伸試験装置を用いて、上記未延伸ポリエステルの横延伸を上記条件で行った後、該横延伸に対する流れ方向の延伸(以下、縦延伸ともいう)を行ってもよい。この場合、上記縦延伸は、延伸倍率が2倍以下であることが好ましい。上記縦延伸の延伸倍率が2倍を超えると、Δnの値を上述した好ましい範囲にできないことがある。
また、上記熱処理時の処理温度としては、100〜250℃が好ましく、より好ましくは180〜245℃である。
上記光学機能層は、ハードコート性能を有するハードコート層であることが好ましく、該ハードコート層は、硬度が、JIS K5600−5−4(1999)による鉛筆硬度試験(荷重4.9N)において、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましい。
上記ハードコート層は、上記光学積層体の表面のハードコート性を担保する層であり、例えば、紫外線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂と光重合開始剤とを含有するハードコート層用組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
本発明における好ましい化合物としては、3以上の不飽和結合を有する化合物が挙げられる。このような化合物を用いると形成するハードコート層の架橋密度を高めることができ、塗硬度を良好にできる。
具体的には、本発明においては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエステル多官能アクリレートオリゴマー(3〜15官能)、ウレタン多官能アクリレートオリゴマー(3〜15官能)等を適宜組み合わせて用いることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性の観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
本発明において用いる開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する電離放射線硬化型樹脂の場合は、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが、電離放射線硬化型樹脂との相溶性、及び、黄変も少ないという理由から好ましい。
上記光重合開始剤の含有量のより好ましい下限は2質量部であり、より好ましい上限は8質量部である。上記光重合開始剤の含有量がこの範囲にあることで、膜厚方向に硬度分布が発生せず、均一な硬度になりやすくなる。
上記溶剤としては、使用する樹脂成分の種類及び溶解性に応じて選択して使用することができ、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合溶媒であってもよい。
特に本発明においては、ケトン系の溶媒でメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのいずれか、又は、これらの混合物を少なくとも含むことが、樹脂との相溶性、塗工性に優れるという理由から好ましい。
上記帯電防止剤としては従来公知のものを用いることができ、例えば、第4級アンモニウム塩等のカチオン性帯電防止剤や、スズドープ酸化インジウム(ITO)等の微粒子や、導電性ポリマー等を用いることができる。
上記帯電防止剤を用いる場合、その含有量は、全固形分の合計質量に対して1〜30質量%であることが好ましい。
上記低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ又はフッ化マグネシウムの薄膜等のいずれかで構成される。フッ素系樹脂以外の樹脂については、上述したバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上述したシリカは、中空シリカ微粒子であることが好ましく、このような中空シリカ微粒子は、例えば、特開2005−099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。
これらの低屈折率層は、その屈折率が1.47以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の厚みは限定されないが、通常は10nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
上記電離放射線で硬化する官能基と熱硬化する極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も用いることができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
また、上記ハードコート層用塗膜の乾燥の方法としては特に限定されないが、一般的に30〜120℃で3〜120秒間乾燥を行うとよい。
上記紫外線を照射する場合は、紫外線照射量が80mJ/cm2以上であることが好ましく、100mJ/cm2以上であることがより好ましく、130mJ/cm2以上であることが更に好ましい。
このようなプライマー層を構成する材料としては特に限定されず、従来、光学積層体のプライマー層として用いられている公知の材料を用いることができる。
また、上記プライマー層の屈折率としては特に限定されず、1.47〜1.63程度であることが好ましく、また、上記プライマー層の膜厚としては、例えば、10〜160nm程度であることが好ましい。
上記混合分散は、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー等の公知の装置を使用して行うとよい。
上記有機溶媒としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル)等が挙げられる。
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステル基材とは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向又は横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、更には縦方向及び横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向又は横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルム又は一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記プライマー層用組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸及び/又は横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
上記プライマー層用組成物をポリエステル基材に塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてポリエステル基材表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいはプライマー層用組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
このような屈折率が特定の関係を有するプライマー層やハードコート層は、上述したハードコート層用組成物やプライマー層用組成物に、高屈折率微粒子や低屈折率微粒子を含有させて屈折率を調整した組成物を用いて形成することが好ましい。
また、上記低屈折率微粒子としては、例えば、屈折率が1.20〜1.45のものが好適に用いられる。このような低屈折率微粒子としては、従来公知の低屈折率層に用いられている微粒子を用いることができ、例えば、上述した中空シリカ微粒子や、LiF(屈折率1.39)、MgF2(フッ化マグネシウム、屈折率1.38)、AlF3(屈折率1.38)、Na3AlF6(氷晶石、屈折率1.33)及びNaMgF3(屈折率1.36)等の金属フッ化物微粒子が挙げられる。
上記全光線透過率は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7361に準拠した方法により測定することができる。
上記ヘイズは、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7136に準拠した方法により測定することができる。
上記ハードコート層用組成物及びハードコート層の形成方法、低屈折率層用組成物及び低屈折率層の形成方法については、上述したのと同様の材料、方法が挙げられる。
また、本発明の有機EL表示装置は、本発明の偏光板を備えるため、湿度変化に対する寸法変化を抑制してカールの発生を防止でき、偏光特性を有するサングラスをかけた状態で視認した場合であっても、色味変化が抑制されたものとなる。
上記有機EL素子としては特に限定されず、例えば、陽極/有機EL層/陰極の積層構造が挙げられ、上記有機EL層としては、発光層、電子とホール(正孔)の注入層及び輸送層からなる構成が挙げられる。
このような本発明の有機EL表示装置を構成する有機EL素子や有機EL層としては、従来公知のものが挙げられる。
上記白色LEDとは、蛍光体方式、すなわち化合物半導体を使用した青色光又は紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子のことである。なかでも、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードは、連続的で幅広い発光スペクトルを有していることから、偏光特性を有するサングラスをかけた状態で視認した場合の色味変化の改善に有効であるとともに、発光効率にも優れる。また、消費電力の小さい白色LEDを広汎に利用可能になるので、省エネルギー化の効果も奏することが可能となる。
このため、本発明の偏光板は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置及び液晶表示装置(LCD)に好適に使用することができる。
なお、文中、「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
熱機械的分析装置(SII社製 TMA/SS6000)と、湿度発生用循環槽(THERMO社製 PHOENIX II C25P)とを用いて測定した。具体的には、光透過性基材及びλ/4位相差フィルムから5mm×20mmのフィルムサンプルを切り出し、該フィルムサンプルに対して、荷重条件150mN/mm2にて、30℃0%RH環境化に300min保持した時の寸法と、30℃90%RH環境下に300min保持した時の寸法とを測定し、それらの値から下記式にて寸法変化率を算出した。測定方向は、遅相軸方向と、遅相軸方向に直交する方向とし、平均値としている。
リタデーション値が1000nm未満の光透過性基材のリタデーションは、王子計測機器社製KOBRA−WRを用いて測定した。
リタデーション値が1000nmをこえる光透過性基材のリタデーションは、次のようにして測定した。
まず、延伸後の光透過性基材を、二枚の偏光板を用いて、光透過性基材の配向軸方向を求め、配向軸方向に対して直交する二つの軸の波長590nmに対する屈折率(nx、ny)を、アッベ屈折率計(アタゴ社製 NAR−4T)によって求めた。ここで、より大きい屈折率を示す軸を遅相軸と定義する。光透過性基材の厚みd(nm)は、電気マイクロメータ(アンリツ社製)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率差(nx−ny)と、フィルムの厚みd(nm)の積より、リタデーションを計算した。
シクロオレフィンポリマーを用いたλ/4位相差フィルムとして、日本ゼオン社製ゼオノアを用いたλ/4位相差フィルムAを用意した。λ/4位相差フィルムAのリタデーション=140nm、膜厚=50μm、寸法変化率=0.001%であった。
プレキシイミド8813(ダイセル・エポニック社製)60質量部、及び、スタイラックAS83(旭化成社製)40質量部を、二軸押出機を用いて混練し、ガラス転移温度130℃、重量平均分子量115,000の熱可塑性樹脂組成物を得た。この熱可塑性樹脂組成物を、単軸押出機を用いて280℃でコートハンガータイプのTダイから溶融押出を行い、温度110℃の冷却ロール上に吐出して、フィルム化した。このフィルムを延伸温度126℃で自由端一軸延伸して、λ/4位相差フィルムBを得た。λ/4位相差フィルムBのリタデーション=140nm、膜厚=100μm、寸法変化率=0.44%であった。
ビスフェノール成分としてビスフェノールAからなるポリカーボネイト(帝人化成社製 C−1400)を、塩化メチレンを溶剤として、固形分濃度が15%になるように溶解後、ガラス上に流延し、乾燥させた。得られたフィルムを160℃で1.15倍に延伸し、λ/4位相差フィルムCを得た。λ/4位相差フィルムCのリタデーション=140nm、膜厚=55μm、寸法変化率=0.06%であった。
セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル社製CAP504−0.2)を、塩化メチレンを溶剤として固形分濃度が15%になるように溶解後、ガラス上に流延し、乾燥させた。得られたフィルムを150℃で1.5倍に延伸し、λ/4位相差フィルムDを得た。λ/4位相差フィルムDのリタデーション=140nm、膜厚=110μm、Δn=0.0013、寸法変化率=0.78%であった。
セルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル社製CAB381−0.1)を、塩化メチレンを溶剤として固形分濃度が15%になるように溶解後、ガラス上に流延し、乾燥させた。得られたフィルムを150℃で1.2倍に延伸し、λ/4位相差フィルムEを得た。λ/4位相差フィルムEのリタデーション=140nm、膜厚=140μm、Δn=0.001、寸法変化率=0.64%であった。
プレキシイミド8813(ダイセル・エポニック社製)10質量部、及び、セルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル社製CAB381−0.1)90質量部を、塩化メチレンを溶剤として固形分濃度が15%になるように溶解後、ガラス上に流延し、乾燥させた。得られたフィルムを140℃で1.2倍に延伸し、λ/4位相差フィルムFを得た。λ/4位相差フィルムFのリタデーション=140nm、膜厚=150μm、Δn=0.00093、寸法変化率=0.56%であった。
λ/4位相差フィルムAと同じ材料からなるフィルムを使用し、光透過性基材Aとした。
ポリエチレンテレフタレート材料を290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置にて、120℃で1分間予熱した後、120℃にて、延伸倍率4.5倍に延伸した後、その延伸方向とは90度の方向に延伸倍率1.5倍にて延伸を行い、リタデーション=7500nm、膜厚=75μm、Δn=0.10の光透過性基材Bを得た。光透過性基材Bの寸法変化率は、0.07%であった。
光透過性基材Bの延伸倍率を変更し、リタデーション=2800nm、膜厚75μm、Δn=0.037、寸法変化=0.06%の光透過性基材Cを得た。
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/5/100の水溶液に56.5℃で浸漬した。引き続き8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光子を得た。延伸は、主に、ヨウ素染色およびホウ酸処理の工程で行い、トータル延伸倍率は5.3倍であった。
偏光子の一方の面側に、λ/4位相差フィルムAを、その貼合面にコロナ処理を施した後、脂環式エポキシ化合物を含有する無溶剤の活性エネルギー線硬化型接着剤を介して、偏光子の吸収軸と、λ/4位相差フィルムAの遅相軸とのなす角度が45度となるように接着貼合した。次いで、偏光子のλ/4位相差フィルムAが積層された側とは反対側面に、光透過性基材Bを、その貼合面にコロナ処理を施した後、脂環式エポキシ化合物を含有する無溶剤の活性エネルギー線硬化型接着剤を介して、λ/4位相差フィルムAの遅相軸と、光透過性基材Bの遅相軸とのなす角度が90度となるように接着貼合し、円偏光板を作製した。
λ/4位相差フィルムとして、λ/4位相差フィルムBを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、円偏光板を作製した。
λ/4位相差フィルムとして、λ/4位相差フィルムCを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、円偏光板を作製した。
光透過性基材として、光透過性基材Aを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、円偏光板を作製した。
λ/4位相差フィルムAの遅相軸と、光透過性基材Bの遅相軸のなす角度が0度となるように設置した以外は、実施例1と同様の方法にて、円偏光板を作製した。
光透過性基材として、光透過性基材Cを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、円偏光板を作製した。
λ/4位相差フィルムとして、λ/4位相差フィルムFを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、円偏光板を作製した。
λ/4位相差フィルムとして、λ/4位相差フィルムDを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、円偏光板を作製した。
λ/4位相差フィルムとして、λ/4位相差フィルムEを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、円偏光板を作製した。
Samsung社製 GALAXY S IIの有機EL表示装置上に設置された円偏光板を剥がし、その代わりに、実施例又は比較例で得られた円偏光板を、λ/4位相差フィルム側に、感圧式接着剤(P−3132、リンテック社製)を介して設置し、評価を実施した。すなわち、暗所にて、有機EL表示装置を白表示とし、偏光サングラス吸収軸と偏光板の吸収軸とのなす角度が0°(パラレルニコル)となる時と、90°(クロスニコル)となる時の正面色味を、輝度計BM−5(トプコン社製)にて測定し、色差Δu’v’を算出した。同時に、10人で観察を行い、下記の基準に従い、評価した。最多数の評価を観察結果としている。
◎:パラレルニコル時とクロスニコル時の色差がない。
色差Δu’v ’<0.03
○:パラレルニコル時とクロスニコル時の色差が少しあるが、実使用上問題ない。
0.03≦色差Δu’v ’<0.08
×:パラレルニコル時とクロスニコル時の色差がある。
色差Δu’v ’≧0.08
Samsung社製 GALAXY S IIの有機EL表示装置上に設置された円偏光板を剥がし、その代わりに、実施例又は比較例で得られた円偏光板を、λ/4位相差フィルム側に、感圧式接着剤(P−3132、リンテック社製)を介して設置し、評価を実施した。すなわち、円偏光板付き有機EL表示装置を、30℃60%RHの条件化で、1週間放置した後にカール量を測定した。測定は、カールの凸面を水平台の上に置き、台からもっともカールの大きい端面までの高さを測定してカール値とした。カールは、カール値を有機ELインチサイズで割った値C/Sで示した。同時に、10人で点灯させた画像観察を行い、下記の基準に従い、評価した。最多数の評価を観察結果としている。
◎:表示品位の低下が見られない。
C/S<0.002
○:表示品位の低下が見られるが、実使用上問題ないレベル。
0.002≦C/S<0.005
×:表示品位が低下している。
C/S≧0.005
一方、比較例に係る円偏光板は、λ/4位相差フィルムの湿度に対する寸法変化率が大きく、カールの評価に劣っていた。
Claims (6)
- λ/4位相差フィルム、偏光子、及び、面内に複屈折率を有する光透過性基材が、この順に積層された偏光板であって、
前記面内に複屈折率を有する光透過性基材と前記λ/4位相差フィルムの湿度に対する寸法変化率が、0.6%以下である
ことを特徴とする偏光板。 - 面内に複屈折率を有する光透過性基材の面内における遅相軸と、λ/4位相差フィルムの面内における遅相軸とが直交している請求項1記載の偏光板。
- 面内に複屈折率を有する光透過性基材は、リタデーションが3000nm以上である請求項1又は2記載の偏光板。
- λ/4位相差フィルムは、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート及びアクリルからなる群より選択されるいずれか1種を材料とする請求項1、2又は3記載の偏光板。
- 請求項1、2、3又は4記載の偏光板を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
- 請求項1、2、3又は4記載の偏光板を備え、バックライト光源が白色発光ダイオードであることを特徴とする液晶表示装置。
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