JP2008122359A - 放射性廃棄物の貯蔵設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯蔵室内の高温になる場所に効率的に鋼製遮蔽壁や断熱材を配置することにより、少ない設備物量でコンクリートの制限温度を超過させないようにすることを目的とする。
【解決手段】廃棄体を収納した複数の収納管が配列された複数の貯蔵室と、前記貯蔵室に空気を取り込む給気ダクトと、前記給気ダクトを通して前記貯蔵室に取り込まれた空気を放出する排気ダクトと、前記貯蔵室間を仕切る間仕切り壁に鋼製遮蔽壁とを備えたことを特徴とするものである。
【選択図】 図１

Description

本発明は、放射性廃棄物を貯蔵する設備に関する。
原子力プラントで発生する低レベル放射性廃棄物の貯蔵室は、地下に構築されたコンクリート製ピット内に形成されており、冷却通風路を形成するとともに放射線を遮へいする構造となっている。放射性廃棄物の冷却方式は給気ダクトと排気ダクトのヘッド差による自然冷却であり、貯蔵室側面に設置された給気ダクトから冷却空気を取り込み、給気ダクトと反対側の貯蔵室側面に設置された排気ダクトから昇温した空気が排出される。
収納管からの発熱を除去する従来の方式としては貯蔵される廃棄物の収納管の外周部に通気管を設置する２重管構造として、収納管と通気管の間に冷却空気を通過させて冷却する方法がとられており、それによって側壁コンクリートへの輻射熱が抑制されていたが、２重管構造が故に貯蔵室が大きくなる問題があった。
そのため、収納管の外周部に設置した通気管を廃止し、単管構造として、貯蔵室の壁に鋼製遮蔽壁と排気ダクトに鋼製ダクトを設置することで、収納管からの輻射熱の抑制と収納管を除熱して高温になった空気が直接コンクリートに接触しないことでコンクリートの制限温度を超過しない方式がある（特許文献１参照）。
さらに、貯蔵室内の流量アンバランスによる各収納管の放熱ムラを低減するために、下部プレナム室を形成させて各収納管の下部から冷却空気が供給される様に下部プレナム板が設置されているものもある（特許文献２参照）。
特開２００１−２１６９１号公報 特開２００１−２７６９５号公報
しかしながら、上述した放射性廃棄物の貯蔵設備においては、鋼製遮蔽壁および鋼製排気ダクトをコンクリート壁全面に設置することから、設備物量が多いため施工に大幅な時間が掛かるとともに、設備費が嵩むという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、貯蔵室内の高温になる場所に効率的に鋼製遮蔽壁や断熱材を配置することにより、少ない設備物量でコンクリートの制限温度を超過させないようにすることを目的とする。
本発明に係る放射性廃棄物の貯蔵設備は、上述した課題を解決するために、廃棄体を収納した複数の収納管が配列された複数の貯蔵室と、前記貯蔵室に空気を取り込む給気ダクトと、前記給気ダクトを通して前記貯蔵室に取り込まれた空気を放出する排気ダクトと、前記貯蔵室間を仕切る間仕切り壁に鋼製遮蔽壁とを備えたことを特徴とするものである。
本発明に係る放射性廃棄物の貯蔵設備は、少ない設備物量でコンクリートの制限温度を超過させないようにすることができる。
（実施例１）
本発明の第１の実施形態の放射性廃棄物の貯蔵設備について、図１〜３を参照して説明する。
図１は、本発明の第１の実施形態の放射性廃棄物の貯蔵設備の平面図であり、図2は、図１のＡ−Ａにおける断面図であり、図３は、図１のＢ−Ｂにおける断面図である。廃棄体１の貯蔵区域として複数の廃棄体１を収納する複数の収納管２が貯蔵室天井３に固定されて複数の貯蔵室４内に配列している。廃棄体１が収納された収納管２からの発熱を除去するために、大気中より給気ダクト５を通して貯蔵室４に取り込まれた冷却空気６を自然対流により収納管２の周囲に流通させた後、給気ダクト５と反対側に配置した排気ダクト７を通して放出させるようにしている。鋼製遮蔽壁９は貯蔵区域間の間仕切り壁８にのみ設けている。
本発明の第1の実施形態によれば、高温となる貯蔵区域間の間仕切り壁８には鋼製遮蔽壁９があるため、貯蔵区域間の間仕切り壁８が廃棄体１からの輻射熱によって温度上昇することを抑制できる。また、鋼製遮蔽壁９により間仕切り壁８との間には冷却空気が流れるため、収納管２の周囲を通過した冷却空気と直接交わらないため、間仕切り壁８のコンクリート温度を低く保つことができる。また、鋼製遮蔽壁９を貯蔵区域間の間仕切り壁以外の貯蔵区域のコンクリート壁１１は、貯蔵区域間の間仕切り壁８と異なり、輻射熱を受ける面と反対側に放熱されることにより、コンクリート制限温度に至らないことから、鋼製遮蔽壁を設けないので、設備物量が低減され、設備の簡素化と設備費の低減を図ることができる。
なお、貯蔵区域間の間仕切り壁以外の貯蔵区域のコンクリート壁１１および排気ダクト７のコンクリート部分は、解析によりコンクリートの制限温度以下であることが確認されているため、鋼製遮蔽壁９を設けていない。
（実施例２）
本発明の第２の実施形態の放射性廃棄物の貯蔵設備について、図４〜６を参照して説明する。
図４は、本発明の第２の実施形態の放射性廃棄物の貯蔵設備の平面図であり、図５は、図４のＡ−Ａにおける断面図であり、図６は、図４のＢ−Ｂにおける断面図である。第１の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図１と同様な構成において、コンクリートの制限温度である65度以上となる貯蔵区域の間仕切り壁８、６５度以上となる貯蔵区域で貯蔵区域間の間仕切り壁以外の貯蔵区域のコンクリート壁１１および貯蔵室天井３に断熱材１２を設ける。
本実施の形態によれば、貯蔵区域でも６５度以上となる間仕切り壁８、貯蔵区域間の間仕切り壁８以外の貯蔵区域のコンクリート壁１１および貯蔵室天井３に断熱材１２を設けることにより、６５度以上となる領域のみを効果的に低い温度に保つことができる。また、断熱材１２を６５度以上となる領域以外には設けないので、設備物量が低減され、設備の簡素化と設備費の低減を図ることができる。
（実施例３）
本発明の第３の実施形態の放射性廃棄物の貯蔵設備について説明する。
本発明の第３の実施形態の放射性廃棄物の貯蔵設備は、第２の実施形態の放射性廃棄物の貯蔵施設の貯蔵区域の間仕切り壁８および貯蔵区域で貯蔵区域間の間仕切り壁以外の貯蔵区域のコンクリート壁１１において、貯蔵区域の上部３分の１の部分と貯蔵室天井３に断熱材１２を設ける。
コンクリートの制限温度である65度以上となる部分は、貯蔵区域の上部３分の１の部分の間仕切り壁８、貯蔵区域間の間仕切り壁８以外の貯蔵区域のコンクリート壁１１および排気ダクト７のコンクリート部分以外にはないことが解析により確認されている。
本実施の形態によれば、貯蔵区域の間仕切り壁８および貯蔵区域で貯蔵区域間の間仕切り壁以外の貯蔵区域のコンクリート壁１１において、貯蔵区域の上部３分の１の部分と貯蔵室天井３に断熱材１２を設けることにより、６５度以上となる領域を効果的に低い温度に保つことができる。また、断熱材１２を６５度以上とならない領域には設けないので、設備物量が低減され、設備の簡素化と設備費の低減を図ることができる。
尚、本発明は上記の実施の形態にのみ限定されるものではなく、流路となる給気ダクトまたは排気ダクト等の途中に下部プレナム板等の整流装置および別途設ける遮蔽装置等の設置を妨げるものではない。
本発明に係る放射性廃棄物の貯蔵設備の第１実施形態を示す平面図。 本発明に係る放射性廃棄物の貯蔵設備の第１実施形態を示すＡ−Ａ断面図。 本発明に係る放射性廃棄物の貯蔵設備の第１実施形態を示すＢ−Ｂ断面図。 本発明に係る放射性廃棄物の貯蔵設備の第２実施形態を示す平面図。 本発明に係る放射性廃棄物の貯蔵設備の第２実施形態を示すＡ−Ａ断面図。 本発明に係る放射性廃棄物の貯蔵設備の第２実施形態を示すＢ−Ｂ断面図。
符号の説明
１ 廃棄体
２ 廃棄体収納管
３ 貯蔵室天井
４ 貯蔵室
５ 給気ダクト
７ 排気ダクト
８ 貯蔵区域間の間仕切り壁
９ 鋼製遮蔽壁
１１ 貯蔵区域間の間仕切り壁以外のコンクリート壁
１２ 断熱材

Claims (4)

  1. 廃棄体を収納した複数の収納管が配列された複数の貯蔵室と、
    前記貯蔵室に空気を取り込む給気ダクトと、
    前記給気ダクトを通して前記貯蔵室に取り込まれた空気を放出する排気ダクトと、
    前記貯蔵室間を仕切る間仕切り壁に鋼製遮蔽壁と
    を備えたことを特徴とする放射性廃棄物の貯蔵設備。
  2. コンクリートの制限温度以上となる前記貯蔵室と前記鋼製遮蔽壁との間に断熱材を備えることを特徴とする請求項１記載の放射性廃棄物の貯蔵設備。
  3. コンクリートの制限温度以上となる前記貯蔵室のコンクリート部分に断熱材を備えることを特徴とする請求項１または請求項２のいずれかに記載の放射性廃棄物の貯蔵設備。
  4. 前記貯蔵室の天井に断熱材を備えたことを特徴とする請求項１または２のいずれかに記載の放射性廃棄物の貯蔵設備。
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