JP2008121553A - 圧縮機 - Google Patents

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Yasushi Hayashi
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Abstract

【課題】圧縮機に関し、起動停止時において機械部の振れ回りをバランス良く吸収することにより、振れ回り量を均等に小さくすることで高い信頼性を確保し、騒音を最小限にする圧縮機を提供する。
【解決手段】密閉容器103と圧縮要素107との間に、伸縮方向が回転子105の回転接線方向に略平行に、密閉容器103に対する機械部109の回転を規制する緩衝用コイルばね120を複数個配置し、起動停止時において、機械部109の振れ回りを振れ回り方向に対してバランス良く適切に規制することで、振れ回り量を全体的に小さくでき、緩衝用コイルばね120で振れ回りのエネルギーを吸収し騒音振動を最小限に抑えることができるので、高い信頼性を確保し、騒音振動を低減した圧縮機を提供することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、主に冷蔵庫等の冷凍装置に用いられる圧縮機の信頼性向上に関するものである。
近年、家庭用冷凍冷蔵庫や自動販売機、エアコン等の冷凍サイクル装置に使用される圧縮機は高効率、低騒音で且つ高い信頼性が求められている。
従来の圧縮機としては、密閉容器に備えたフランジ規制部によって起動、停止時の動きを規制するものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の圧縮機を説明する。
図4は従来の圧縮機のボア部を側面とした縦断面図である。図5は従来の圧縮機のボア部を正面とした縦断面図である。
図4、図5において上シェル1と下シェル2を嵌合し、溶接することで密閉容器3を形成する。密閉容器3の上方には固定子4、回転子5からなる電動要素6が配置され、下方には圧縮要素7が配置されている。支持装置8は下シェル2の内壁に取り付けられるとともに、電動要素6と圧縮要素7からなる機械部9に支持用コイルばね10によって弾性的に支持している。圧縮要素7は主軸12と偏心軸13を有するクランクシャフト11と、主軸12を回転軸支するとともにボア部15を有したシリンダブロック14と、ボア部15近傍に設けたフランジ部16と、ボア部15内を往復運動するピストン17とクランクシャフト11の偏心軸13に連結されるとともに回転運動をピストン17へ伝達する伝達手段18と、吸入リード(図示せず)と、吸入孔(図示せず)と吐出孔(図示せず)とを有したバルブプレート20と、吸入室(図示せず)と吐出室(図示せず)を形成したシリンダヘッド21とを備えている。
電動要素6の回転子5はクランクシャフト11の主軸12に圧入固定されている。
また、フランジ部16に対向する位置に規制部22を下シェル2の絞り成形によって設けており、この規制部22は圧縮機の起動停止時に電動要素6と圧縮要素7からなる機械部9が振れ回った時に一番初めにフランジ部16が規制部22に当たるように設定している。またこの規制部22の外部には防振材23を貼ってある。
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作を説明する。
圧縮機の起動とともに冷凍サイクル(図示せず)より戻ってきた低温低圧のガスが、吸入管(図示せず)、シリンダヘッド21の吸入室(図示せず)、バルブプレート20の吸入孔(図示せず)の順に流れ、吸入リード(図示せず)が開いて、シリンダブロック14のボア部15内に導かれ圧縮される。ボア部15内を往復運動するピストン17にて圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、ディスチャージライン24を通り、冷凍サイクル(図示せず)へと導かれる。
また、圧縮機が起動すると回転子5と固定子4との間には相互に反対方向の回転トルクが発生し、その力によって固定子4が固着されたシリンダブロック14とそれに連結する圧縮要素7及び電動要素6からなる機械部9は回転子5の反回転方向へと振れ、その後回転方向と反回転方向に交互に振れ回りながら次第に減衰し、機械部9の振れ回りは収束する。
一方、圧縮機の電源が切れると、瞬時に回転子5と固定子4間の相互回転トルクが消滅するが、慣性力によって回転子5は回転を続け、圧縮工程に入った際にボア部15内で内圧が発生しピストン17が押し戻され、このピストン17の反力によって、回転子5の回転は急激に停止する。
その結果、回転子5の回転エネルギーはクランクシャフト11、伝達手段18、ピストン17を経て、ボア部15より電動要素6と圧縮要素7からなる機械部9へと伝達される。この振れ回りのエネルギーによって、機械部9は回転方向と半回転方向に交互に振れ回りながら支持用コイルばね10のばね力によって、動きを規制され次第に減衰しながら静止する。
そして、起動、停止時に機械部9の振れ回りが大きい場合には、ボア部15近傍に設けたフランジ部16が一番初めに規制部22に当たることで振れ回りを規制し、かつ規制部22の外部に防振材23を貼ることで、フランジ部16と規制部22が当たる時に発生する騒音を小さくしている。
特開2004−332648号公報
しかしながら、このような従来の構成においては、フランジ部16と規制部22が当たることで振れ回りの回転エネルギーを吸収しようとするため、ボア部近傍は振れ回ることを規制されるものの、ボア部15を支点としてボア部と反対側ほど機械部9は大きく振れ回るという課題を有していた。
特に電動要素6が誘導電動機として始動し、同期回転数近くで同期引込みを行って同期運転をする同期モータを構成する圧縮機においては、同期引き込み運転を行う際に、瞬間的に回転子5の加速度が増加する為、特に起動時における機械部の振れ回り量が大きくなるという課題を有していた。回転子5の鉄心に内蔵した永久磁石の磁力が強いものは特に上記した加速度が大きくなる。
その結果、こういった圧縮機において、機械部9と密閉容器3とを弾性的に接続する支持用コイルばね10やディスチャージライン24もともに大きく振れ回るため、これらの部品の疲労破壊を招く可能性があるという課題を有していた。
また、フランジ部16と規制部22が当たる際には、金属音が発生し騒音が大きくなり、それを防ぐため、防振材23を密閉容器3の内部に貼り付けた場合には、フランジ部16が繰り返し衝突することで防振材23が摩耗するという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、圧縮機の起動停止時に機械部の振れ回り量を抑え、信頼性が高く、騒音の低い圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機は、密閉容器と電動要素の密閉容器近傍との間に、伸縮方向が回転子の回転接線方向に略平行に、前記密閉容器に対する機械部の回転を規制する緩衝用コイルばねを複数個配置したもので、起動停止時において機械部の振れ回りを振れ回り方向に対してバランス良く適切に規制することで、振れ回り量を全体的に小さくするとともに、緩衝用コイルばねで振れ回りのエネルギーを吸収し騒音振動を最小限に抑えるという作用を有する。
本発明の圧縮機は、起動停止時において機械部の振れ回りをバランス良く吸収することで、振れ回り量を均等に小さくできるので高い信頼性を確保し、騒音を最小限にする圧縮機を提供できるという効果が得られる。
本発明の請求項1に記載の発明は、密閉容器内に、電動要素と圧縮要素とからなる機械部を支持用コイルばねによって弾性的に支持し、前記電動要素は、回転子と固定子とからなり、前記圧縮要素は、略鉛直方向に配設され前記回転子を固定したクランクシャフトと、前記クランクシャフトを軸支する軸受部と圧縮室を形成するシリンダを備えたブロックと、前記シリンダ内を往復動するピストンとを備え、前記密閉容器と前記電動要素の前記密閉容器近傍との間に、伸縮方向が前記回転子の回転接線方向に略平行に、前記密閉容器に対する前記機械部の回転を規制する緩衝用コイルばねを複数個配置したもので、起動停止時において、機械部の振れ回りを振れ回り方向に対してバランス良く適切に規制することで、振れ回り量を全体的に小さくでき、支持用コイルばねやディスチャージラインの変形を抑制し、さらに緩衝用コイルばねで振れ回りのエネルギーを吸収し騒音振動を最小限に抑えることができるので、高い信頼性を確保し、騒音振動を低減した圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1発明に記載の発明において、緩衝用コイルばねは、クランクシャフトの回転軸を中心とした点対称位置に略等角度ごとに配置されたものであり、起動停止時において、機械部の振れ回りを振れ回りの円周方向で均等にバランス良く規制することで、請求項1に記載の発明の効果に加えて、さらに振れ回り量を均等に小さくでき、高い信頼性を確保し、騒音振動を低減することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、緩衝用コイルばねを固定する保持部を樹脂で形成したものであり、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、圧縮要素から伝達される振動を抑えることで騒音を低減することができ、高い信頼性を確保し、騒音振動を低減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、緩衝用コイルばねを不等ピッチとしたものであり、振れ回り量が大きくなって緩衝用コイルばねの縮み量が大きくなるほど緩衝用コイルばねのばね定数が大きくなり、緩衝用コイルばねが全密着することを防止できるため、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、振れ回り量が大きくなっても機械部の振れ回り量を全体的に小さくでき、さらに確実に緩衝用コイルばねで振れ回りのエネルギーを吸収し騒音振動を低減することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項記載の発明において、緩衝用コイルばねは、一端が前記密閉容器と前記電動要素のいずれか一方の保持部に固定され、他端が密閉容器と電動要素内の他方の保持部には接触せずに近接配置されたものであり、通常運転時には、圧縮要素の振動が緩衝用コイルばねを介して密閉容器に伝達されることがなく、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、通常運転時の振動や騒音を増大させることを防止することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、緩衝用コイルばねと接触しない保持部の少なくとも一部が、緩衝用コイルばねの内部の伸縮方向に突出しているものであり、起動停止の振れ回り量が大きくても、緩衝用コイルばねが保持部から外れることを防止することができるので、請求項5に記載の発明の効果に加えて、緩衝用コイルばねが保持部から外れることなく振れ回りを規制することができるとともに、緩衝用コイルばねの脱落や折損を防止することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、電動要素は始動時に誘導電動機として始動し、同期回転数近くで同期引込みを行い同期運転する同期モータであり、特に同期引き込み運転を行う際に回転子の加速度が増加し機械部の振れ回りが大きくなっても、振れ回りのエネルギーを効果的に減衰させることができ、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、さらに高い信頼性を確保し、騒音振動を低減することができる。
以下、本発明による圧縮機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における圧縮機の縦断面図、図2は同実施の形態における圧縮機の平面断面図、図3は同実施の形態における振れ回り低減機機構拡大図である。
図1、図2、図3において上シェル101と下シェル102を嵌合し、溶接することで密閉容器103を形成する。密閉容器103内の上方には、固定子104と回転子105とからなる電動要素106が配置され、下方には圧縮要素107が配置されている。回転子105の回転方向は、図2において、時計回り方向である。
支持部108は、下シェル102の内壁に取り付けられるとともに、電動要素106と圧縮要素107からなる機械部109を支持用コイルばね110によって弾性的に支持している。
圧縮要素107は、主軸112と偏心軸113を有するクランクシャフト111と、主軸112を回転軸支する軸受部125と圧縮室126を形成するシリンダであるボア部115とを有したシリンダブロック114と、ボア部115内を往復運動するピストン116と、クランクシャフト111の偏心軸113に連結されるとともに回転運動をピストン116へ伝達する伝達手段117と、吸入リード(図示せず)と、吸入孔(図示せず)と吐出孔(図示せず)とを有したバルブプレート118と、吸入室(図示せず)と吐出室(図示せず)を形成したシリンダヘッド119とを備えている。
電動要素106の回転子105は、クランクシャフト111の主軸112に圧入固定されている。
また、振れ回り低減機構123は、保持部121,122が設けられており、一端が保持部121に固定され、他端が保持部122とは接触せずに近接配置されている緩衝用コイルばね120とから構成されている。
そして、この振れ回り低減機構123の緩衝用コイルばね120は、その伸縮方向が回転子105の回転接線方向に略平行で、クランクシャフト111の回転軸を中心とした点対称の位置に、概ね等しい角度に2個配設されている。そして、振れ回り低減機構123は回転子105の回転方向と同方向に機械部109が振れ回った際に、緩衝用コイルばね120が縮んで機能するように配置されている。
振れ回り低減機構123の構成要素である保持部121は、支持用コイルばね110で機械部109を弾性支持するとともに下シェル102の内壁に取り付けられている支持部108に、追加して設けられている。従って、保持部121は支持部108を介して下シェル102に間接的に固定され、しかも支持用コイルばね110が配設されている水平面とほぼ同じ水平面上に配設されている。
そして、保持部121は、保持ベース121aと保持スナブバー121bで構成されており、保持ベース121aは支持部108と一体となって下シェル102に取り付けられている。また、保持部122は、圧縮要素107のシリンダブロック114に一体もしくは別体に設けられた保持ベース122aと保持スナブバー122bで構成されている。
また、緩衝用コイルばね120は、一端が保持部121の保持スナブバー121bに圧入固定されており、他端は保持部122の保持スナブバー122bには接触せず近接配置されている。そして、保持部122の保持スナブバー122bの一部が緩衝用コイルばね120内にばねの伸縮方向に突出している。また、緩衝用コイルばね120は不等ピッチとなっている。
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
圧縮機の起動とともに冷凍サイクル(図示せず)より戻ってきた低温低圧のガスが、吸入管(図示せず)、シリンダヘッド119の吸入室(図示せず)、バルブプレート118の吸入孔(図示せず)の順に流れ、吸入リード(図示せず)が開いて、シリンダブロック114のボア部115内に導かれ圧縮される。ボア部115内を往復運動するピストン116にて圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、ディスチャージライン124を通り、冷凍サイクル(図示せず)へと導かれる。
まず、圧縮機の起動初期について説明する。
圧縮機が起動し、回転子105が回転し始めると、機械部109はクランクシャフト111を中心として初期に大きく振れ回る。その機械部109の振れ回りにより、ディスチャージライン124や支持用コイルばね110が変形しながら振れ回りを規制し、その変形が逆に機械部を反対方向に振れ回らせる反力の一部として作用するため、機械部109は回転方向と半回転方向に交互に振れ回りながら次第に減衰し、機械部109の振れ回りは収束する。
この起動初期に機械部が大きく振れ回るのは、回転子105と固定子104との間には相互に反対方向の回転トルクが発生することに起因すると推定する。
この起動初期の機械部109の振れ回り量が大きいと、振れ回り低減機構123に備えた2つの緩衝用コイルばね120はその伸縮方向が回転子の回転接線方向に略平行で、クランクシャフト111の回転軸を中心とした点対称の位置に、概ね等しい角度に2個配設されているため、各々の保持スナブバー122bと緩衝用コイルばね120は、ほぼ同時に接触し、緩衝用コイルばね120はほぼ同程度に圧縮される。
このとき機械部109の回転エネルギーは、緩衝用コイルばね120の圧縮に使われて蓄えられ、その反力を基に今度は反対方向に振れ、その交互の回転振れ回りを繰り返しながら、支持用コイルばね110やディスチャージライン124を変形させるエネルギーを消費しながら回転を抑制されて次第に減衰し、機械部109の回転振れ回りは収束する。
この時、支持用コイルばね110やディスチャージライン124を変形させて蓄えられた一部の回転エネルギーが、機械部109を反対方向に振れさせる力の一部になっていると考えられる。
2つの緩衝用コイルばね120が圧縮される際、2つの緩衝用コイルばね120それぞれが機械部109に対して作用する、機械部109の振れ回りを抑制する力は、緩衝用コイルばね120がほぼ同時にほぼ同程度圧縮されることからほぼ同等となり、さらに、クランクシャフト111からの距離がほぼ等しい位置で作用する。
その結果、2つの緩衝用コイルばね120それぞれが機械部109に対して作用する力は、クランクシャフト111を中心としたほぼ等しいモーメントとして作用するため、機械部109のいずれかの部位の振れ回りが大きいということはなく、機械部109はクランクシャフト111を中心としたほぼ均等に振れ回るバランスのよい回転振れ回りを繰り返しながら、減衰し収束する。
この、均等に振れ回るバランスのよい回転振れ回りとすることで、振れ回り量を最小にでき、振動に起因する騒音を低減することができる。
さらに、初期の機械部109の振れ回りが収束した通常運転時は、緩衝用コイルばね120は、一端が保持部121の保持スナブバー121bに圧入固定されているものの、他端は保持部122の保持スナブバー122bには接触せず近接配置されているだけである。
そのため、機械部109の振動が伝達する保持スナブバー122bから密閉容器103につながっている緩衝用コイルばね120へは振動が遮断されるため、機械部109の振動は振れ回り低減機構123を介して伝達されることはなく、圧縮機として通常の振動となる。
一方、圧縮機の電源が切れると、回転子105の回転は急激に停止する。この回転子105の急停止の理由は、回転子105と固定子104間の相互回転トルクが消滅するが、慣性力によって回転子105は回転を続け、圧縮行程に入った際にボア部115内で内圧が発生しピストン116が押し戻され、このピストン116の反力によって、回転子105の回転は急激に停止すると推定する。
その結果、回転子105の回転エネルギーは、クランクシャフト111、伝達手段117、ピストン116を経て、ボア部115より電動要素106と圧縮要素107からなる機械部109へと伝達されると推定する。
実験結果として、圧縮機の電源が切れると、機械部109は回転子105の回転方向と反対方向にクランクシャフト111を中心として初期に大きく振れる。
そのため、機械部109がクランクシャフト111を中心として初期に大きく振れた際に、機械部109に取り付けられた保持スナブバー122bが緩衝用コイルばね120と接触し、緩衝用コイルばね120が圧縮され、緩衝用コイルばね120の圧縮に使われて蓄えられた反力を基に今度は反対方向に振れ、支持用コイルばね110やディスチャージライン124を変形させるエネルギーを消費しながら回転を規制されて次第に減衰する。
この時、支持用コイルばね110やディスチャージライン124を変形させて蓄えられた一部の回転エネルギーが、機械部109を反対方向に振れさせる力の一部になっていると考えられる。
2つの緩衝用コイルばね120が圧縮される際、2つの緩衝用コイルばね120はその伸縮方向が回転子の回転接線方向に略平行で、クランクシャフト111の回転軸を中心とした点対称の位置に、概ね等しい角度に2個配設されているため、各々の保持スナブバー122bと緩衝用コイルばね120は、ほぼ同時に接触し、緩衝用コイルばね120はほぼ同程度に圧縮される。
そのため、2つの緩衝用コイルばね120それぞれが機械部109に対して作用する、機械部109の振れ回りを抑制する力は、緩衝用コイルばね120がほぼ同時にほぼ同程度圧縮されることからほぼ同等となり、さらに、クランクシャフト111からの距離がほぼ等しい位置で作用する。
その結果、2つの緩衝用コイルばね120それぞれが機械部109に対して作用する力は、クランクシャフト111を中心としたほぼ等しいモーメントとして作用するため、機械部109のいずれかの部位の振れ回りが大きいということはなく、機械部109はクランクシャフト111を中心としたほぼ均等に振れ回るバランスのよい回転振れ回りを繰り返しながら、減衰して最終停止する。
この、均等に振れ回るバランスのよい回転振れ回りとすることで、振れ回り量を最小にでき、振動に起因する騒音を低減することができる。
以上のように、圧縮機の起動や停止時に、均等に振れ回るバランスのよい機械部109の回転振れ回りとし、機械部109の振れ回り量を最小にできるため、支持用コイルばね110やディスチャージライン124の変形も低減することができ、これらの部品の疲労破壊を防止し信頼性が向上する。また、支持用コイルばね110やディスチャージライン124の変形に起因する騒音や振動も低減することができる。
特に、緩衝用コイルばね120を備えた振れ回り低減機構123を支持用コイルばね110が配設されている水平面とほぼ同じ水平面上に配設されて、機械部109の振れ回りを規制するため、機械部109の振れ回り量が各部によって多少ばらついても、支持用コイルばね110の近傍の振れ回り量は最も小さくなる。そのため、支持用コイルばね110の変形も最小限にとどめることができる。
同様に、緩衝用コイルばね120を備えた振れ回り低減機構123をディスチャージライン124の固定部とほぼ同じ水平面上に配設すれば、同様にそのため、ディスチャージライン124の変形を最小限にとどめることができる。
なお、本発明の実施例においては、機械部109が回転子105の回転方向と同方向に振れ回った際に、回転子105の回転方向と同方向に機械部109が振れ回った際に、緩衝用コイルばね120が縮んで振れ回り低減機構123が機能するように配置されている。
しかしながら、圧縮機の構造の違いなどによっては、機械部109が回転子105の回転方向と同方向よりも反対方向に大きく振れ回る場合もあり、その際には、回転子105の回転方向と反対方向に機械部109が振れ回った際に、緩衝用コイルばね120が縮んで振れ回り低減機構123が機能するように配置すれば同様の効果が得られる。
また、機械部109が回転子105の回転方向とは関係なくいずれの方向へも大きく振れ回る場合もあり、その際には、緩衝用コイルばね120の両端部を両保持部121,122に固定した引張りコイルばねとすることで、機械部109がいずれの方向に振れ回っても緩衝用コイルばね120が圧縮もしくは引張りの力で振れ回りを規制でき、同様の効果が得られる。
また、支持部108に保持部121が設けられていることで、緩衝用コイルばね120と支持用コイルばね110を近接して配設することができる。緩衝用コイルばね120が機械部109の振れ回り回転を規制するため、緩衝用コイルばね120近傍に配設された支持用コイルばね110の変位を最も小さくできるので、支持用コイルばね110が過大に変形することを防止でき、高い信頼性を確保することができ、変形に伴う騒音も低減することができる。
また、緩衝用コイルばね120は保持スナブバー122bと接触せずに近接配置されているため、通常運転時には圧縮要素107の振動が、緩衝用コイルばね120を介して、密閉容器103に伝達されることがなく、起動や停止時以外の通常運転時の振動や騒音を増大させることを防止することができる。
また、緩衝用コイルばね120と接触していない保持スナブバー122bの一部は、緩衝用コイルばね120の内部の伸縮方向に突出しているため、起動や停止の機械部109振れ回り量が大きくても、緩衝用コイルばね120が保持スナブバー122bから外れることをなく、緩衝用コイルばね120が保持スナブバー122bと保持スナブバー121bに挟まれて傷、打痕、変形を受けたり、緩衝用コイルばねが保持スナブバー121bから脱落したりすることを防止できる。
さらに、緩衝用コイルばね120は不等ピッチとなっているので、振れ回り量が大きくなって緩衝用コイルばね120の縮み量が大きくなるほど、緩衝用コイルばね120のばね定数が大きくなり、緩衝用コイルばね120が全密着することを防止できるため、全密着時に緩衝用コイルばねの線同士が接触することによって発生する傷、打痕を防止し、振れ回り量が大きくなっても機械部109の振れ量を全体的に小さくでき、さらに確実に緩衝用コイルばね120で振れ回りエネルギーを吸収し騒音低減することができる。
冷蔵庫以外にも自販機や空調機器の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における圧縮機の縦断面図 同実施の形態における圧縮機の平面断面図 同実施の形態における振れ回り低減機構拡大図 従来の圧縮機のボア部を側面とした縦断面図 従来の圧縮機のボア部を正面とした縦断面図
符号の説明
103 密閉容器
104 固定子
105 回転子
106 電動要素
107 圧縮要素
109 機械部
110 支持用コイルばね
111 クランクシャフト
114 シリンダブロック
115 ボア部
116 ピストン
120 緩衝用コイルばね
121,122 保持部
125 軸受部
126 圧縮室

Claims (7)

  1. 密閉容器内に、電動要素と圧縮要素とからなる機械部を支持用コイルばねによって弾性的に支持し、前記電動要素は、回転子と固定子とからなり、前記圧縮要素は、略鉛直方向に配設され前記回転子を固定したクランクシャフトと、前記クランクシャフトを軸支する軸受部と圧縮室を形成するシリンダを備えたブロックと、前記シリンダ内を往復動するピストンとを備え、前記密閉容器と前記電動要素の密閉容器近傍との間に、伸縮方向が前記回転子の回転接線方向に略平行に、前記密閉容器に対する前記機械部の回転を規制する緩衝用コイルばねを複数個配置した圧縮機。
  2. 緩衝用コイルばねを、クランクシャフトの回転軸を中心とした点対称位置に略等角度ごとに配置した請求項1に記載の圧縮機。
  3. 緩衝用コイルばねを固定する保持部を樹脂で形成した請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 緩衝用コイルばねを不等ピッチとした請求項1から3のいずれか一項に記載の圧縮機。
  5. 緩衝用コイルばねは、一端が密閉容器と電動要素のいずれか一方の保持部に固定され、他端が密閉容器と電動要素内の他方の保持部には接触せずに近接配置された請求項1から4のいずれか一項に記載の圧縮機。
  6. 緩衝用コイルばねと接触しない保持部の少なくとも一部が、前記緩衝用コイルばねの内部の伸縮方向に突出している請求項5に記載の圧縮機。
  7. 電動要素は始動時に誘導電動機として始動し、同期回転数近くで同期引込みを行い同期運転する同期モータである請求項1から6のいずれか一項に記載の圧縮機。
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