JP2008121010A - 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成形性、信頼性、レーザーマーク性、電気特性に優れ、薄型、多ピン、ロングワイヤー、狭パッドピッチの半導体装置においても、導電性物質であるカーボンブラック起因の電気特性不良を発生させないエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた電子部品装置を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)カーボンブラックを含み、(C)カーボンブラックの25μmふるい残分が3ppm以下であるエポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置に関する。
近年、電子部品のプリント配線板への高密度実装化が進んでいる。これに伴い、半導体装置は従来のピン挿入型のパッケージから、表面実装型のパッケージが主流になっている。実装密度を高くし実装高さを低くするために、表面実装型のIC、LSIなどは薄型、小型のパッケージになっており、素子のパッケージに対する占有体積が大きくなり、パッケージの肉厚は非常に薄くなっている。また素子の多機能化、大容量化によって、チップ面積の増大、多ピン化が進み、さらにはパッド(電極)数の増大によって、パッドピッチの縮小化とパッド寸法の縮小化、いわゆる狭パッドピッチ化も進んでいる。
また、小型軽量化に対応すべく、パッケージの形態もQFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)といったものから、より多ピン化に対応しやすく、かつより高密度実装が可能なCSP(Chip Size Package)やBGA(Ball Grid Array)へ移行しつつある。これらのパッケージは近年、高速化、多機能化を実現するために、フェースダウン型、積層(スタックド)型、フリップチップ型、ウェハーレベル型等、新しい構造のものが開発されている。この中で、積層型はSIP(System in Package)とも呼ばれ、パッケージ内部に複数のチップを積み重ねてワイヤボンディングで接続する構造であり、機能の異なる複数のチップを一つのパッケージに搭載可能であるため、多機能化が可能となる。
これらの半導体装置の内部では狭い領域に多数の金線が複雑に張り巡らされているため、封止材が一定以上の大きさの導電性異物を含有していた場合、高い確率で金線間に引っ掛かりショート不良が発生することになる。特に配線間隔の狭い有機基板、有機フィルム等の実装基板を使用した場合には、基板上の配線間を導電性物質が橋渡しすることによるリーク不良が発生し易い。この基板上の配線間の導電性物質による橋渡しは必ずしも一つの導電性異物が引き起こすだけではなく、導電性の微粒子が鎖状に繋がって配線間を橋渡しすることが知られている。このような導電性の微粒子の連鎖は、低粘度の樹脂中に微粒子が分散し且つその微粒子が樹脂中を容易に移動し得る場合に特に発生し易い。
IC、LSI等の半導体チップは、チップの集積度の向上と共に、チップサイズの大型化、半導体装置の小型化、薄型化、多ピン化が進んでいる。さらに、電子機器の小型化、薄型化に対応し、実装方法も高密度実装を可能とする表面実装方式がピン挿入型方式に代わり、急速に普及している。その結果、半導体装置を基板へ取り付ける時に、半導体装置自体が短時間の内に200℃以上の高温に晒される。この時、封止材中に含まれる水分が気化し、ここで発生する蒸気圧が封止材と素子、リードフレーム等のインサートとの界面において剥離応力として働き、封止材とインサートとの間で剥離が発生し、特に薄型の半導体装置においては、半導体装置のフクレやクラックに至ってしまう。
このような剥離起因によるフクレ、クラックの防止策として、素子表面又はリードフレームのアイランド裏面にコート材を用い、封止材との密着性を向上させる手法、リードフレームのアイランド裏面にディンプル加工やスリット加工等を行なう、あるいはLOC(Lead on Chip)構造にして封止材との密着性を向上させる手法が用いられているが、高コスト化、効果不十分等の問題がある。さらに、LOC構造の場合、パッケージ表面の色むらが生じ、外観を損ねている。
一方、封止材には、半導体装置をプリント基板へ表面実装する際の懸案事項である耐リフロー性や、実装後の信頼性として要求される温度サイクル性等を高いレベルでクリアすることが求められ、樹脂粘度の低減とこれによる充填剤の高充填化によって封止材に低吸湿化と低膨張化を付与し対応を図ってきた。また半導体素子を光から保護し、レーザーマーク性を付与する等の目的で封止材中には着色剤として一般的にカーボンブラックが使用されている。カーボンブラックは導電性であるためカーボンブラックの粗粒子が存在すると先に述べたような電気特性不良の原因となる。時として樹脂の低粘度化は封止材製造時にカーボンブラックに掛る剪断応力を低減しカーボンブラックの凝集物の解砕を妨げてしまう。この結果、薄型、多ピン化された半導体装置用の高充填剤の封止材ほどカーボンブラックの粗粒子が残り易く、パッケージの構造とあいまって電気特性不良が発生する可能性が高くなる。これに対し例えば、予め無機充填材の内少なくとも50重量%以上とカーボンブラックを混合し、カーボンブラックの凝集物の最大粒径が100μm以下になるように分散させ、次いで他の配合物を混合した後、溶融混練する半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法(例えば、特許文献1参照)、或いは平均粒子径10〜50nm、かつBrunauer−Emmett−Teller法による比表面積が80〜400m/gであるカーボンブラックを必須成分とすることで凝集物を少なくすること(例えば、特許文献2参照)、カーボンブラックの比表面積、DPB吸油量、pH等を特定することで凝集物を少なくすること(例えば、特許文献3、4参照)等が提案されている。また、使用するカーボンブラックの粒度を管理することで、成形物のカーボンブラックの粒径を50μm以下にする方法(例えば特許文献5参照)も提案されている。一方、着色剤としてカーボンブラックの代わりに有機染料、顔料等を用いた検討がなされている(例えば特許文献6、7参照)が、YAGレーザーマーク性の低下、信頼性の低下、高コスト化等の問題があった。
上述のように、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の着色剤としてはカーボンブラックが成形性、信頼性、コストのバランスに優れているが、上述の方法では封止材の製造段階でカーボンブラックの凝集物を小さく、少なくすることは出来ても、半導体装置を製造するときのトランスファーモールド工程でのカーボンブラックの再凝集を防止することは困難であった。また達成できるカーボンブラック凝集物の最大粒径も数十μm以下程度が限界である。最近では金線の最接近部分が40μm未満となるICも増えてきており、封止材に含まれるカーボンブラックおよび不純物としてのその他導電性異物(グリット)の粒径を25μm未満にすることも求められはじめている。これに対応するべく、さらなる凝集物の低減や製造条件の変更等による改良が試みられているが、未だ充分な結果を得てはいない。
特開2000−169676号公報 特開2000−169675号公報 特開2001−302885号公報 特開2001−302886号公報 特開2005−298601号公報 特開昭63−179921号公報 特開平11−60904号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、成形性、信頼性、レーザーマーク性、電気特性に優れ、薄型、多ピン、ロングワイヤー、狭パッドピッチの半導体装置においても、導電性物質であるカーボンブラック起因の電気特性不良を発生させない封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた電子部品装置を提供することを目的とする。
本発明は、(1)(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)25μmふるい残分が3ppm以下であるカーボンブラックを含有する封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(2)前記(C)カーボンブラックの含有量が、封止用エポキシ樹脂組成物に対して0.1重量%〜10重量%である前記(1)記載の封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(3)前記封止用エポキシ樹脂組成物の成形品の表面をレーザー顕微鏡で観察した際の(C)カーボンブラックの粒径が、25μm未満であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(4)前記封止用エポキシ樹脂組成物の成形品の表面を電子顕微鏡で観察した際の導電性異物の粒径が、25μm未満であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(5)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物により封止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置に関する。
本発明によれば、成形性、信頼性、レーザーマーク性、電気特性に優れ、薄型、多ピン、ロングワイヤー、狭パッドピッチの半導体装置においても、導電性物質であるカーボンブラック起因の電気特性不良を発生させない封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた電子部品装置を提供することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)25μmふるい残分が3ppm以下であるカーボンブラックを含有することを特徴とする。
(A)エポキシ樹脂
発明において用いられる(A)エポキシ樹脂は、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されているものであれば特に限定されない。(A)エポキシ樹脂の具体例としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール類及び/又はナフトール類とアルデヒド類から合成されるノボラック樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換ビフェノールなどのジグリシジルエーテル;スチルベン型エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ナフタレン環を有するナフタレン型エポキシ樹脂;ナフトール・アラルキル樹脂のエポキシ化物;トリフェニルメタン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;テルペン変性エポキシ樹脂;硫黄原子含有エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸などの過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;脂環族エポキシ樹脂;などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる(A)エポキシ樹脂は、耐リフロー性の観点からはビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂を含有していることが好ましい。また、硬化性の観点からはノボラック型エポキシ樹脂を含有していることが好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含有していることが好ましく、耐熱性及び低反り性の観点からはナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂を含有していることが好ましく、難燃性の観点からはビフェニレン型エポキシ樹脂を含有していることが好ましい。
ビフェニル型エポキシ樹脂としては、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではないが、たとえば下記一般式(I)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2008121010
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(I)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂は、ビフェノール化合物にエピクロルヒドリンを公知の方法で反応させることによって得られる。前記一般式(I)中のR〜Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基であり、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等の炭素数1〜10のアルケニル基;などが挙げられる。これらのなかでも水素原子又はメチル基が好ましい。このようなビフェニル型エポキシ樹脂としては、たとえば、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル又は4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと4,4’−ビフェノール又は4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールとを反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂が好ましい。そのようなエポキシ樹脂は、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名YX‐4000H、YL−6121Hが市販品として入手可能である。上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上とすることがより好ましく、60質量%以上とすることが特に好ましい。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2008121010
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(II)で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂は、ビスフェノールF化合物にエピクロルヒドリンを公知の方法で反応させることによって得られる。一般式(II)中のR〜Rとしては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれる。このようなビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、R、R、R及びRがメチル基で、R、R、R及びRが水素原子であり、n=0を主成分とするYSLV−80XY(新日鉄化学株式会社製、商品名)が市販品として入手可能である。上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上とすることがより好ましく、60質量%以上とすることが特に好ましい。
スチルベン型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2008121010
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜5の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。nは0〜10の整数を示す。)
上記一般式(III)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂は、原料であるスチルベン系フェノール類とエピクロルヒドリンとを塩基性物質存在下で反応させて得ることができる。この原料であるスチルベン系フェノール類としては、たとえば3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン等が挙げられ、なかでも3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンが好ましい。上記スチルベン型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上とすることがより好ましく、60質量%以上とすることが特に好ましい。
硫黄原子含有エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2008121010
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。nは0〜10の整数を示す。)
上記一般式(IV)で示される硫黄原子含有エポキシ樹脂は、チオジフェノール化合物にエピクロルヒドリンを公知の方法で反応させることによって得られる。一般式(IV)中のR〜Rとしては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれる。このような硫黄原子含有エポキシ樹脂のなかでも、R、R、R及びRが水素原子で、R、R、R及びRがアルキル基であるエポキシ樹脂が好ましく、R、R、R及びRが水素原子で、R及びRがt−ブチル基で、R及びRがメチル基であるエポキシ樹脂がより好ましい。市販品としては、YSLV−120TE(新日鐵化学社製、商品名)等が入手可能である。上記硫黄原子含有エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上とすることがより好ましく、60質量%以上とすることが特に好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂であれば特に限定されないが、たとえば下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2008121010
(ここで、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、nは0〜10の整数を示す。)
上記一般式(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることによって容易に得られる。なかでも、一般式(V)中のRは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基であり、たとえば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基;などが好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。上記一般式(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂のなかでも、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。上記ノボラック型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上とすることがより好ましく、60質量%以上とすることが特に好ましい。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2008121010
(ここで、R及びRは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。)
上記式(VI)中のRは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基であり、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;ハロゲン化アルキル基;アミノ基置換アルキル基;メルカプト基置換アルキル基;などの炭素数1〜5の一価の炭化水素基が挙げられ、これらのなかでもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基であり、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;ハロゲン化アルキル基;アミノ基置換アルキル基;メルカプト基置換アルキル基;などの炭素数1〜5の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでも水素原子が好ましい。上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上とすることがより好ましく、60質量%以上とすることが特に好ましい。
ナフタレン型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2008121010
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。pは1又は0で、l、mはそれぞれ0〜11の整数であって、(l+m)が1〜11の整数でかつ(l+p)が1〜12の整数となるよう選ばれる。iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数を示す。)
上記一般式(VII)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記ナフタレン型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上とすることがより好ましく、60質量%以上とすることが特に好ましい。
トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2008121010
(ここで、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。)
上記トリフェニルメタン型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上とすることがより好ましく、60質量%以上とすることが特に好ましい。
ビフェニレン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2008121010
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい、炭素数1〜12の置換又は非置換の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。iは0又は1〜3の整数を示し、nは0又は1〜10の整数を示す。)
上記ビフェニレン型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上とすることがより好ましく、60質量%以上とすることが特に好ましい。
上記のビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニレン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合の配合量は、エポキシ樹脂全量中、組合せの合計量が合わせて50質量%以上とすることが好ましく、60質量%以上とすることがより好ましく、80質量%以上とすることが特さらに好ましい。
本発明において用いられる(A)エポキシ樹脂の150℃における溶融粘度は、流動性の観点から2.0ポイズ以下が好ましく、1.0ポイズ以下がより好ましく、0.5ポイズ以下がさらに好ましい。ここで、溶融粘度とはICIコーンプレート粘度計で測定した粘度を示す。
(B)硬化剤
本発明において用いられる(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているものであれば特に制限はないが、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂;ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類とシクロペンタジエンから共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂等のジシクロペンタジエン型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのなかでも、難燃性の観点からはビフェニル型フェノール樹脂が好ましく、耐リフロー性及び硬化性の観点からはアラルキル型フェノール樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジエン型フェノール樹脂が好ましく、耐熱性、低膨張率及び低そり性の観点からはトリフェニルメタン型フェノール樹脂が好ましく、硬化性の観点からはノボラック型フェノール樹脂が好ましい。また、本発明における(B)硬化剤は、これらのフェノール樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
ビフェニル型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(X)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
Figure 2008121010
上記式(X)中のR〜Rはそれぞれが同一でも異なっていてもよく、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜10のアラルキル基;等から選ばれ、これらのなかでも水素原子又はメチル基が好ましい。nは0〜10の整数を示す。
上記一般式(X)で示されるビフェニル型フェノール樹脂の好ましい具体例としては、たとえばR〜Rが全て水素原子である化合物が挙げられ、なかでも溶融粘度の観点から、nが1以上の縮合体を50重量%以上含む縮合体の混合物がより好ましい。このような化合物としては、MEH−7851(明和化成株式会社製、商品名)が市販品として入手可能である。
ビフェニル型フェノール樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
アラルキル型フェノール樹脂としては、たとえばフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等が挙げられ、下記一般式(XI)で示されるフェノール・アラルキル樹脂が好ましい。
Figure 2008121010
(ここで、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示す。nは0〜10の整数を示す。)
一般式(XI)中のRが水素原子で、nの平均値が0〜8であるフェノール・アラルキル樹脂がより好ましい。具体例としては、p−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂、m−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂等が挙げられる。アラルキル型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましい。
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(XII)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
Figure 2008121010
(ここで、R及びRは水素原子及び置換を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基からそれぞれ独立して選ばれ、nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。)
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましい。
トリフェニルメタン型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(XIII)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
Figure 2008121010
(ここで、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示す。nは1〜10の整数を示す。)
トリフェニルメタン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましい。
これらの硬化剤は単独又は2種類以上併用して用いることができる。
本発明において、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤の当量比、すなわち、硬化剤中の水酸基数に対するエポキシ樹脂中のエポキシ基数の比(エポキシ樹脂中のエポキシ基数/硬化剤中の水酸基数)は、特に限定はされないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.7〜1.3の範囲に設定することが好ましく、特に成形性、耐リフロー性に優れる成形材料を得るためには0.8〜1.2の範囲に設定することがより好ましい。前記当量比が0.7未満ではエポキシ樹脂の硬化が不十分となり、硬化物の耐熱性、耐湿性並びに電気特性が劣る傾向にある。また、前記当量比が1.3を超えると硬化剤成分が過剰になり樹脂硬化物中に多量のフェノール性水酸基が残るため、電気特性並びに耐湿性が悪くなる傾向にある。
(C)カーボンブラック
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、カーボンブラックとして25μmふるい残分が3ppm以下のカーボンブラックを含有することが重要であり、それによって、配線間のリーク電流の発生を抑制し良好な電気特性が得られるのである。前記25μmふるい残分は、好ましくは1ppm以下、より好ましくは0.8ppm以下とすることにより、更に良好な電気特性を得ることができる。
前記25μmふるい残分が3ppm以下のカーボンブラックを得る方法としては、例えば、造粒したカーボンブラックをジェットミルなどの粉砕機を用いて粉砕した後、分級フィルターあるいはサイクロンを用いて分級する方法が挙げられ、粉砕や分級の条件を適宜選択することにより、25μmふるい残分を所望の値に調製することができる。
ふるい残分の試験原理は、一定の条件下の水流でふるいを通して、既知量のカーボンブラックを洗浄し、ふるい残分を乾燥し、秤量する。ふるい残分の試験方法(JIS K 6218)は、次の通りである。
(1)試験前に配水管のフィルターを洗浄する。
(2)水圧を0.2±0.04MPaに調整する。JIS Z 8801に規定する目開き25μmの標準網ふるいを漏斗又は容器に取り付け、水を流し、3分間洗浄する。ふるいの上に異物がないことを確認する。
(3)試料約100gを0.1gまで正しく量りとる。
(4)水を流し始める。試料を漏斗又は容器に入れる。試料の供給はふるいが目詰まりしないように注意する。
(5)試料を漏斗又は容器から洗い流す。ふるいを通過した洗浄水が透明になるまで洗浄を続ける。
(6)ふるいを取り外しふるい上の残分を指で軽くすりつぶす。このときふるいの目がゆがめられるほどの圧力を加えてはならない。
(7)ふるいを元に戻し水洗をさらに2分間行う。
(8)ふるいを取り外し、乾燥機で105±2℃又は125±2℃で1時間乾燥する。
(9)秤量した秤量皿にふるい残分を移し、0.1mgまで正しく量り採る。(10)次の式によって、ふるい残分を算出する。
R=(m/m)×100
(Rはふるい残分(%)、mは加熱乾燥後のふるい残分の質量(g)、mは試料の質量(g)を示す。)
本発明で用いられるカーボンブラックは、各種の炭化水素を不完全燃焼して得られる微細な球状粒子の集合体であり、アセチレン法によるアセチレンブラック、ファーネス法によるファーネスブラック、シェル法のガス化炉による特殊カーボンブラック等が挙げられ、これらを適宜何種類でも併用することができる。
カーボンブラックの1次粒子径は、好ましくは10〜100nm、より好ましくは13〜80nmである。樹脂組成物中におけるカーボンの分散性向上の観点から前記1次粒子径が10nm以上であることが好ましく、充分な着色性を得るという観点から100nm以下であることが好ましい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、好ましくは10〜500m/g、より好ましくは30〜400m/gである。樹脂組成物中におけるカーボンブラックの分散性向上の観点から前記窒素吸着比表面積が10m/g以上であることが好ましく、充分な着色性を得るという観点から500m/g以下であることが好ましい。
カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレート)吸収量は、好ましくは30〜200cm/100g、より好ましくは50〜150cm/100gである。樹脂組成物中におけるカーボンの分散性向上の観点から前記DBP吸収量が30cm/100g以上であることが好ましく、充分な着色性を得るという観点から200cm/100g以下であることが好ましい。
本発明において前記カーボンブラックの含有量は、封止用エポキシ樹脂組成物に対して、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.1〜4重量%である。前記含有量が0.1重量%未満では、パッケージ表面の外観が損なわれる傾向にあり、さらには、遮光性、レーザーマーク性が不十分となる傾向にある。前記含有量が10重量%を超えると成形性が不十分となり易くなる。
(硬化促進剤)
本発明においては硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤としては、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているものであれば特に制限はない。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類及びこれらの誘導体;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類及びこれらのホスフィン類に無水マレイン酸、ベンゾキノン、ジアゾフェニルメタン等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモリホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体;等があげられる。これらは、1種を単独でも用いても2種以上併用して用いても良い。
硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成される量であれば特に限定されるものではないが、封止用エポキシ樹脂組成物総量に対して、0.005〜2質量%であることが好ましく、0.01〜0.5質量%であることがより好ましい。前記硬化促進剤の配合量が0.005質量%未満では短時間での硬化性に劣る傾向があり、2質量%を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。
(カップリング剤)
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、従来公知のカップリング剤を配合してもよい。カップリング剤については、特に制限はなく、シランカップリング剤以外に従来公知のカップリング剤を併用してもよい。たとえば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤;等が挙げられる。これらカップリング剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤の配合量は、成形性及び接着性の観点から封止用エポキシ樹脂組成物総量に対して、0.03〜5質量%であることが好ましく、0.05〜4.75質量%であることがより好ましく、0.1〜2.5質量%であることが特に好ましい。フレームとの充分な接着性を得るという観点から、前記カップリング剤の配合量が0.03質量%以上であることが好ましく、パッケージの成形性の観点から5質量%以下であることが好ましい。
(離型剤)
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて離型剤を用いてもよい。離型剤としては特に制限はないが、天然ワックス、合成ワックス、酸化または非酸化のポリオレフィン系ワックス等の離型剤が挙げられ、例えばカルナバワックス等とポリエチレン系ワックスを単独又は併用して用いることができる。
離型剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部用いることが好ましく、0.5〜3質量部用いることがより好ましい。充分な離型性を得るという観点から0.1質量部以上であることが好ましく、充分な接着性を維持するという観点からは10質量部以下であることが好ましい。
(無機充填剤)
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は無機充填剤を含有することができる。無機充填剤としては、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているものであれば特に制限されるものでなく、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ等の単結晶繊維、ガラス繊維等が挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛などが挙げられる。これら無機充填剤は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記無機充填剤の中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。また、無機充填剤の形状は、成形時の流動性及び金型摩耗性の点から球形もしくは球状に近い形が好ましく、無機充填剤の50重量%以上が球形であることがより好ましい。また、水分遮蔽性、金型磨耗性等の観点から、無機充填剤の平均粒径は15μm以下であること(すなわち無機充填剤の50重量%以上が粒径15μm以下であること)が好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
無機充填剤の配合量は、吸湿性の低減、線膨張係数の低減及び強度の向上等の観点から、封止用エポキシ樹脂組成物総量に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80〜95重量%、特に好ましくは80〜90重量%である。前記無機充填剤の配合量が70重量%未満では硬化物の強度が低下しやすく、95重量%を超える場合には流動性が不足しやすい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、アジン系染料、アニリンブラック、フタロシアニンなどの有機染料、酸化チタンなどの無機顔料、コールタールピッチなどの高抵抗カーボンといった非導電性の着色剤;ブロム化エポキシ樹脂や三酸化アンチモン、リン酸エステル、赤リン及びメラミン樹脂をはじめとする含窒素化合物等の難燃剤;シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤;ハイドロタルサイト、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤等を必要に応じて含有することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、その成形品の表面をレーザー顕微鏡で観察した際の(C)カーボンブラックの粒径が、25μm未満であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。充分な電気特性を得るためには前記粒径が25μm未満であることが好ましい。
前記カーボンブラックの粒径の測定は、封止用エポキシ樹脂組成物を通常のトランスファ成形などの公知の方法により直径50mm×厚さ3mmの円板を成形して成形品を作製し、成形品の表面が鏡面状になるまで研磨し、その鏡面をレーザー顕微鏡(例えば、オリンパス株式会社製、「LEXT OLS 3000」)で観察することにより行なわれる。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、その成形品の表面を電子顕微鏡で観察した際の導電性異物の粒径が、25μm未満であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。充分な電気特性を得るためには前記粒径が25μm未満であることが好ましい。ここで、導電性異物とは、カーボンブラックの製造時、製造設備の磨耗により混入する金属粒子、原材料中に含まれる金属粒子などの不純物などを意味し、例えば、鉄、SUS、真鍮などである。導電性異物の粒径は、カーボンブラックの粉砕、分級の条件を適宜選択することによりコントロールできる。
前記導電性異物の粒径の測定は、封止用エポキシ樹脂組成物を通常のトランスファ成形などの公知の方法により直径50mm×厚さ3mmの円板を成形して成形品を作製し、成形品の表面が鏡面状になるまで研磨し、その鏡面を電子顕微鏡(例えば、日立サイエンスシステムズ株式会社製、「S−3000N」)で、観察することにより行なわれる。ここで、導電性異物であるか否かは、観察された異物を電子顕微鏡に附設したエネルギー分散型X線分析装置(例えば、堀場製作所製EMAX ENERGY)で分析することにより判別することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて成形材料を作製する方法としては、各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いてもよい。一般的な手法としては、所定の配合量の各成分をミキサー等によって充分混合した後、熱ロール、押出機等によって混練し、冷却、粉砕する方法が挙げられる。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、レーザーマーク性、電気特性に優れ、且つ成形性、信頼性、スケルトン防止に優れており、IC、LSI等の封止に好適に用いることができる。
(電子部品装置)
本発明の電子部品装置は、上記本発明の封止用エポキシ樹脂組成物により封止された素子を備えることを特徴とする。かかる電子部品装置としては、例えば、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、それら素子の必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂組成物により封止したものが挙げられる。より具体的には、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物を用いてトランスファ成形等により封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC;テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物で封止したTCP(Tape Carrier Package);配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール;裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package);などが挙げられる。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は有効に使用できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形、圧縮成形、注型等の方法によっても可能である。
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜6)
以下の成分を表1に示す質量部で配合し、予備混合(ドライブレンド)した後、二軸ロール(ロール表面温度約80℃)で10分間混練し、冷却粉砕して封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。なお表中の空欄は配合無しを表す。
表中の各成分は以下のものを使用した。
(エポキシ樹脂)
ビフェニル型エポキシ樹脂:YX−4000(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)
(硬化剤)
アラルキル型フェノール樹脂:XL−225−3L(三井化学株式会社製、商品名)
(カーボンブラック)
カーボンブラックは粒子径、表面積および粉砕の程度の異なる、以下に示す4つのカーボンブラックを用いた。それぞれについて前述のふるい残分の試験(JIS K 6218)を行った。
カーボンブラックA:1次粒子径18nm、窒素吸着比表面積120m/g、DBP吸収量105cm/100g、25μmふるい残分0.6ppm
カーボンブラックB:1次粒子径18nm、窒素吸着比表面積120m/g、DBP吸収量110cm/100g、25μmふるい残分6.4ppm
カーボンブラックC:1次粒子径18nm、窒素吸着比表面積130m/g、DBP吸収量130cm/100g、25μmふるい残分10.8ppm
カーボンブラックD:1次粒子径38nm、窒素吸着比表面積55m/g、DBP吸収量105cm/100g、25μmふるい残分9.6ppm
(硬化促進剤)
トリフェニルホスフィン
(カップリング剤)
エポキシシラン:A−187(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名)
(離型剤)
ポリエチレンワックス:PED−191(クラリアントジャパン株式会社製、商品名)
(着色剤)
アジン系染料:Spirit Black 920(住友化学工業株式会社製、商品名)
メソフェーズピッチ:MCMB(大阪ガス化学株式会社製、商品名)
(難燃剤)
三酸化アンチモン
臭素化エポキシ樹脂:ESB−400T(住友化学工業株式会社製、商品名)
(充填剤)
溶融シリカ:S−CO(マイクロン株式会社製、商品名)
Figure 2008121010
実施例1〜3、比較例1〜6の封止用エポキシ樹脂組成物を、次に示す(1)〜(10)の各特性試験により評価した。評価結果を下記表2に示す。なお、封止用エポキシ樹脂組成物の成形は、トランスファ成形機を用い、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行なった。また、後硬化(ポストキュア)は175℃で6時間行った。
(1)スパイラルフロー
EMM11−66に準じた金型をトランスファ成形機にセットし、上記条件で封止用エポキシ樹脂組成物を成形し、流動距離(cm)を求めた。
(2)熱時硬度
バリ測定金型(幅5mm、深さ50、30、20、10、5、2μmのスリットを設けた金型)をトランスファ成形機にセットし、上記条件で封止用エポキシ樹脂組成物を成形し、金型開放10秒後、樹脂溜り部分をショアD型硬度計(高分子計測器株式会社製、製品名:アスカー硬度計D型)を用いて測定した。
(3)体積抵抗率
円板金型をトランスファ成形機にセットし、封止用エポキシ樹脂組成物を上記条件で直径100mm、厚さ3mmの円板に成形し後硬化した後、体積抵抗計を用いて、電圧500V、150℃で体積抵抗率を測定し、絶縁性を確認した。
(4)耐湿性
耐湿性評価の試験パッケージとして用いた電子部品装置は、SOP−28ピンの樹脂封止型半導体装置(外形寸法18×8.4×2.6mm)であり、リードフレームは42アロイ材(加工ディンプル)で9.6×5.1mmのTEGチップ(Al配線10μm及び20μm幅、ギャップ10μm及び20μm、パッシベーションなし)を有するもので、上記条件で封止用エポキシ樹脂組成物を用いてトランスファ成形、後硬化を行って作製した。上記試験パッケージを85℃、85RH%の条件下で72時間放置し、215℃で90秒で前処理し、次いで121℃、0.2MPaでPCT処理して、チップ上の配線の断線の有無を確認し、断線パッケージが試験パッケージ中50%に達するまでのPCT処理時間で評価した。
(5)はんだ耐熱性
はんだ耐熱性の評価に用いた電子部品装置は、QFP−80ピンの樹脂封止型半導体装置(外形寸法20×14×2.0mm)であり、リードフレームは42アロイ材(加工なし)で8×10mmのチップサイズを有するもので、上記条件で封止用エポキシ樹脂組成物を用いてトランスファ成形、後硬化を行って作製した。上記電子部品装置を、125℃で24時間ベーキング後、85℃、85RH%の条件で所定の時間(48h、72h、96h、120h、144h)放置した後、260℃で10秒間加熱処理を行なった時の外観クラック発生を観察した。外観クラックが発生するまでの吸湿時間によりはんだ耐熱性を評価した。
(6)カーボンブラックの粒径
封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、トランスファ成形機で上記条件で直径50mm×厚さ3mmの円板を成形して成形品を作製した。成形品の表面が鏡面状になるまで研磨し、その鏡面をレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製、「LEXT OLS 3000」)で観察し、粒径が50μm以上のカーボンブラック粒子および粒径が25μm以上50μm未満のカーボンブラック粒子の個数を成形品10枚につき測定することで評価した。
(7)導電性異物の粒径
上記(6)で用いた表面を研磨した成形品の鏡面を、電子顕微鏡(日立サイエンスシステムズ株式会社製、「S−3000N」)で観察し、粒径が25μm以上の導電性異物の個数を成形品10枚につき測定することで評価した。なお、導電性異物であるか否かは、観察された異物を電子顕微鏡に附設したエネルギー分散型X線分析装置(例えば、堀場製作所製EMAX ENERGY)で分析することにより判別した。
(8)レーザーマーク性
レーザーマーク性評価に用いた電子部品装置は、QFP−54ピンの樹脂封止型半導体装置であり、パッケージ表面をYAGレーザーマーキング装置で、YAGレーザー波長1064nm、レーザーパワー5Jの条件で印字し、目視でマーク性を評価し、マークが鮮明なものを「良好」、不鮮明なものを「不鮮明」と判定した。なお、電子顕微鏡でマークを観察したところ、レーザーマーク性が「良好」と判定したものはカスレが認められず、「不鮮明」と判定したものはカスレが認められた。
(9)電気特性
電気特性:A
電気特性の評価に用いた電子部品装置は、LQFP(Low profile Quad Flat Package)144ピンの樹脂封止型半導体装置であり、リーク電流の有無で評価した。パッドピッチ80μmのTEGチップをリードフレームにAgペースト(日立化成株式会社製、「EN−4000」)を用いて接着し、田中金属製Φ30μmの金線を用いてワイヤボンディングを行った。これをトランスファ成形でLQFP2020(1.4mm厚)のパッケージに成形し、軟X線装置でワイヤ変形起因のショートが無いことを確認した上でリード間の導通の有無を測定し、1ヶ所でも導通したサンプルをNGと判定した。測定数は50個で実施した。表中の「無」は測定サンプル50個中、導通したサンプルがゼロであることを示し、「有」は導通したサンプルが1個以上あることを示す。
電気特性:B
実施例1〜3及び比較例1の封止用エポキシ樹脂組成物について、上記電気特性:Aの評価に用いたパッケージより、大型で金線間隔の細かいパッケージを用いて電気特性の評価を行なった。電気特性の評価に用いた電子部品装置は、LQFP(Low profile Quad Flat Package)256ピンの樹脂封止型半導体装置であり、リーク電流の有無で評価した。パッドピッチ55μmのTEGチップをリードフレームにAgペースト(日立化成株式会社製、「EN−4000」)を用いて接着し、田中金属製Φ25μmの金線を用いてワイヤボンディングを行った。これをトランスファ成形でLQFP2828(1.4mm厚)のパッケージに成形し、軟X線装置でワイヤ変形起因のショートが無いことを確認した上でリード間の導通の有無を測定し、1ヶ所でも導通したサンプルをNGと判定した。測定数は240個で実施した。表中の「無」は測定サンプル240個中、導通したサンプルがゼロであることを示し、「有」は導通したサンプルが1個以上あることを示す。
(10)黒色度
黒色度は、円板金型をトランスファ成形機にセットし、封止用エポキシ樹脂組成物を上記条件で表面が梨地である直径100mm、厚さ2mmの円板に成形し、後硬化した後、色差計(スガ試験機株式会社製、SMカラーコンピュータ、SM−5−1S−2B)にて測定した。黒色度は値が小さいほど黒色を示す。
(総合判定)
以上(1)〜(10)の評価項目の結果に基き総合判定をし、各特性試験で全て特性を満たしたものを「○」、それ以外のものを「×」とした。
Figure 2008121010
25μmのふるい残分が3ppm以下のカーボンブラックを用いていない比較例1〜6は、いずれも満足な特性が得られない。すなわち、25μmのふるい残分が3ppmより大きいカーボンブラックを用いた比較例1〜3は、成形品中に25μm以上のカーボンブラック粒子が存在する。また、25μmのふるい残分が9ppmを超えるカーボンブラックを用いた比較例2、3は、成形品中に25μm以上の導電性異物が存在し、電気特性に劣る。カーボンブラックに替えてアジン系染料を用いた比較例4は耐湿性、はんだ耐熱性及びレーザーマーク性に劣る。メソフェーズピッチを用いた比較例5はレーザーマーク性に劣り、メソフェーズピッチの添加量を増やした比較例6は耐湿性、はんだ耐熱性、成形性に劣る。これに対して、実施例1〜3は、耐湿性、はんだ耐熱性等の信頼性、レーザーマーク性、カーボンブラックの凝集性、分散性及び電気特性に優れ、黒色度も良好である。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)25μmふるい残分が3ppm以下であるカーボンブラックを含有する封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(C)カーボンブラックの含有量が、封止用エポキシ樹脂組成物に対して0.1重量%〜10重量%である請求項1記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記封止用エポキシ樹脂組成物の成形品の表面をレーザー顕微鏡で観察した際の(C)カーボンブラックの粒径が、25μm未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記封止用エポキシ樹脂組成物の成形品の表面を電子顕微鏡で観察した際の導電性異物の粒径が、25μm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物により封止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置。
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