JP2008120718A - 薬物担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】遺伝物質、薬剤などの薬物を、安全にかつ効率良く病患部もしくは細胞内へ導入できる薬物担体を得る。
【解決手段】(A)特定構造のアミジン誘導体および/またはその塩と、(B)3−メチルグルタリル変性グリシドール単位を含むポリグリシドールと、で修飾された脂質膜の担体粒子に、薬物を担持した薬物担体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ドラッグデリバリーシステム(DDS)として有用な薬物担体に関する。
近年、薬物を目的病巣部位の細胞内に確実、安全にかつ効率よく送達するためのDDSとして、薬物をベクター(担体)に担持させた薬物担体が盛んに研究されている。特に、薬物がタンパク質、DNA(遺伝子)、アンチセンス分子などの細胞内で活性を発現する生理活性物質であるとき、これらを有効に働かせるためには細胞質中に導入する必要があるが、細胞膜は、多くの水溶性物質、高分子を透過させないため、薬物を細胞質まで送達するためのベクター(担体)を必要とする。この担体として、遺伝子DDSで危険性の報告されているウィルスベクターに代わり、安全で高機能の合成ベクターの開発が切望され、リポソーム、エマルジョン、リピッドマイクロスフェアなどの脂質膜小胞の利用が検討されている。
上記合成ベクターとして、特にリポソームの利用が具体的に検討されており、たとえば遺伝子DDSにおいては、遺伝子を捕捉し、かつ細胞内に高い導入率で取り込ませるために、リポソームの脂質膜をカチオン化する技術が知られている(特許文献1〜4参照)。カチオン化修飾されたリポソームとDNAとの複合体は、リポプレックスと通称される。ここで使用しうるカチオン性脂質として、たとえばDC-Chol:3-β-(N-(N',N'-ジメチルアミノエタン)カルバモイル) コレステロール、DOTAP:1,2-ビス(オレイルオキシ)-3-(トリメチルアンモニオ)プロパンなどがある。しかしながらこれらカチオン化技術による遺伝子発現効率は低く、実用的に応用しうるDDSには至っていない。
上記アミンまたはアンモニウム系カチオン性脂質以外のカチオン化剤として、後述する式1に示されるようなアミジン誘導体も提案されている(特許文献5など参照)。
また、生体膜と相互作用を示す物質でリポプレックスを修飾することにより、細胞内への導入を促進する試みも行われている。このような修飾物質としては、HVJの膜エンベロープ、インフルエンザウィルスのHAタンパク質など以外にも、弱酸性下で膜融合性となるポリグリシドールのスクシニル化誘導体(以下、SucPGとも記す)の提案がある(特許文献6参照)。さらには、該SucPGと、上記カチオン化修飾剤のアミジン誘導体とにより膜修飾した薬物担体も提案されており(特許文献7参照)、この組合わせによれば、SucPG修飾のみの場合に比べ、10%以上の遺伝子導入能力を向上でき、培養細胞における導入効率も70%に達している。
米国特許第4897355号 米国特許第5334761号 特開平2−292246号公報 特開平4−108391号公報 国際公開第97/42166号パンフレット 特開2004−352619号公報 特開2005−8623号公報
上記のように、血管内皮損傷部位、癌などの病巣部位を確実にターゲッティングし、薬物を効率良く目的部位に送達しうるDDSのための薬物担体が望まれている。特に薬物が細胞内で薬理作用を示す生理活性物質の場合には、薬物を効率良く細胞内で発現するために、細胞導入率がより一層の向上された薬物担体の開発が強く望まれている。
したがって本発明は、腎ガン、肺ガン、肝ガン、膵ガンなどの癌、リンパ腫、肺炎、肝炎、腎炎、血管内皮損傷部位などの病巣部位を確実にターゲッティングし、病患部もしくは標的細胞内に治療および/または診察するための薬物を安全にかつ効率良く送達することができ、特に、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体などの細胞内で薬理作用を示す生理活性物質の細胞へのトランスフェクションを、安全にかつ効率良く行うことができるDDSの達成に有効な薬物担体を提供することを目的としている。
上記のような課題を解決するものとして、以下のような本発明が提供される。
(1)(A)後述する一般式1で示されるアミジン誘導体および/またはその塩と、(B)後述する式2および3で示される3−メチルグルタリル変性グリシドール単位を含むポリグリシドールと、で修飾された脂質膜の担体粒子に、薬物を担持した薬物担体。
(2)上記ポリグリシドール(B)が、ポリグリシドール(B)の総量を100モル%とするとき、上記式2で示される単位を60〜95モル%、上記式3で示される単位を5〜40モル%、後述する式4で示される未変性グリシドール単位を残余として含む上記(1)に記載の薬物担体。
(3)上記薬物担体の粒子径が、0.02〜250μmである上記(1)または(2)に記載の薬物担体。
(4)上記担体粒子がリポソーム、ミセル、リピッドマイクロスフェアおよびエマルションからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の薬物担体。
(5)上記薬物担体が、安定化剤、酸化防止剤および上記(A)および(B)以外の表面修飾剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の他の成分をさらに含む上記(1)〜(4)のいずれかに記載の薬物担体。
(6)上記薬物が、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体;グリコサミノグリカンおよびその誘導体、オリゴ糖、多糖およびそれらの誘導体、タンパク質およびペプチド;抗炎症剤、ステロイド剤、抗癌剤、酵素剤、酵素阻害剤、抗生物質、抗酸化剤、脂質取り組み阻害剤、ホルモン剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗剤、平滑筋細胞の増殖・遊走阻害剤、血小板凝集阻害剤、ケミカルメディエーターの遊離抑制剤、血管内皮細胞の増殖または抑制剤、アルドース還元酵素阻害剤、メサンギウム細胞増殖阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、免疫賦活剤、抗ウィルス剤、抗凝固剤、血管拡張剤、メイラード反応抑制剤、アミロイドーシス阻害剤、NOS阻害剤、AGEs阻害剤およびラジカルスカベンジャー;および体内診断薬からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の薬物担体。
(7)上記薬物担体が、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体から選ばれる少なくとも1種の薬物を担持するリポプレックスとリポソームとの複合体である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の薬物担体。
本発明に係る薬物担体は、公知の薬物担体よりも向上された細胞導入率を示す。このような本発明の薬物担体は、病巣部位を確実にターゲッティングし、集積し、かつ該部位で膜融合性を発現することができ、病患部もしくは細胞内への薬物導入を効率よくかつ安全に行うことができる。したがって、たとえば遺伝子を高効率に細胞内にトランスフェクションすることができ、高効率に遺伝子を発現することができる。
このため、薬学的に許容し得る薬理的活性物質、生理的活性物質または診断用物質を封入した本発明の薬物担体は、治療および診断目的のDDS、特に遺伝子DDSとして有効的である。
本発明の薬物担体は、脂質膜の担体粒子に薬物を担持したものである。以下、まず、脂質膜について具体的に説明する。
脂質は、膜形成能を有するものであれば、リン脂質であってもリン脂質以外の脂質であってもよく、それらの誘導体、さらにはそれらの組み合わせであってもよい。リン脂質としては、ホスファチジルコリン(=レシチン)、ホスファジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルジオリピン等の天然あるいは合成のリン脂質、またはこれらの部分または完全水素添加物など、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。他の脂質としては、脂肪酸などが挙げられる。
本発明において、上記脂質膜は、以下に示される特定構造のアミジン誘導体および/またはその塩(A)で修飾されている。
Figure 2008120718

式1中、Aは芳香環である。
およびRは互いに独立に炭素数10〜25、好ましくは1〜18のアルキル基またはアルケニル基である。
およびXは互いに独立にO、S、COO、OCO、CONHまたはNHCOである。
mは0または1、nは0または1〜6の自然数である。
アミジン誘導体の塩は、塩酸塩、スルホン酸塩などの形態が挙げられる。以下、アミジン誘導体の語は塩の形態も含めた意味で使用されることがある。
上記のうちでも、mは0、nは0、XおよびXが同一である化合物が好ましい。このような化合物として、下記一般式で示す態様例を挙げることができる。
Figure 2008120718

上記式中、RおよびRは、同一または異なっていてもよい炭素数10〜18のアルキル基であり、好ましくはRおよびRが同一である。
このようなアミジン誘導体としては、具体的に、3,5-ジペンタデシロキシベンズアミジン、3,5-ジヘキサデシロキシベンズアミジン、3,5-ジオクタデシロキシベンズアミジン、3,5-ジデシロキシベンズアミジン、3,4-ジデシロキシベンズアミジンなどを例示することができる。
上記のようなアミジン誘導体の製造方法および精製方法などは、これに限定されるものではないが、たとえば特開2005−8623号公報などに記載された合成方法および精製方法に準ずることができる。なお、この文献中の合成方法をおよび精製方法に関する記載を引用して本明細書に記載されているものとする。
本発明において、上記のようなアミジン誘導体(A)との組合わせで、脂質膜を修飾するポリグリシドール(B)は、下記式2および3で示される3−メチルグルタリル変性グリシドール(以下、3-MGluGとも表記する)単位を含む必須成分として含むポリグリシドール誘導体である。
Figure 2008120718

(式3中、Rは、炭素数6〜18のアルキル基である。)
上記3-MGluG単位は、pH感受性の膜融合能をもち、弱酸性下で生体膜と相互作用(膜融合能)する。これにより、たとえば細胞内への遺伝子導入を促進することができる。つまり3-MGluG単位をリポプレックスの膜成分として含ませることにより、3-MGluGの細胞膜あるいはライソゾーム膜との融合により、リポプレックスに捕捉されていた遺伝子は効率よく細胞質内に移行することができる。通常、生体のpHは7以上であるが、細胞内のライソゾーム内では酸性条件になるためである。その作用機序は次のように説明される。たとえば3-MGluG単位を有するポリグリシドール(B)を含むリポソームがエンドサイトーシスで細胞に取り込まれた場合、ライソゾーム内で細胞内消化が始まり、プロトンポンプの作用でpHが低下する。そのとき3-MGluGの膜融合性が発揮されてライソゾーム膜と融合し、その結果リポソームに担持された物質が細胞質内へ放出される。
上記3-MGluG単位のうちの式3で示される長鎖アルキル基Rを有する3-MGluG単位は、側鎖カルボン酸に結合させたアルキル基が脂質膜へのアンカーとして作用し、後述するようなリポプレックスとリポソームとの複合化作用に効果的である。
ポリグリシドール(B)が両方の作用効果を充分に発揮するには、各単位を1分子とみなす組成として、ポリグリシドール(B)の総量100モル%に対し、式2で示されるカルボン酸単位は60モル%以上、式3の単位は5モル%以上で存在することが望ましい。一方、複合化作用を発揮するには、式2の単位は95モル%以下であることが望ましく、また弱酸性下で生体膜との相互作用を発揮するには、式3で示される長鎖アルキル基含有単位は40モル%以下であることが望ましい。したがって本発明におけるポリグリシドール(B)は、ポリグリシドール(B)の総量を100モル%とするとき、上記式2で示されるカルボン酸単位を60〜95モル%、好ましくは80〜90モル%、上記式3で示される長鎖アルキル基含有単位を5〜40モル%、好ましくは5〜10モル%含有する。
ポリグリシドール(B)は、上記式2および3で示される3-MGluG単位のみからなっていてもよく、下記式4で示される未変性グリシドール単位を残余として含む100モル%であってもよい。ポリグリシドール(B)100モル%中の未変性PG単位の量は、最大でも20モル%であることが望ましい。
Figure 2008120718
本発明のポリグリシドール(B)において上記各単位は、上記式2で示されるカルボン酸単位のみからなるポリグリシドール誘導体と、上記式3で示される長鎖アルキル基含有単位のみからなるポリグリシドール誘導体と、場合によって未変性ポリグリシドールとの混合物として存在していてもよく、またポリグリシドール1分子中に上記式2および/または式3で示される3-MGluG単位を含む共重合体の形態で存在していてもよい。
このようなポリグリシドール(B)の製造方法は、特に限定されず、たとえば予め製造された各単位のみからなるホモポリグリシドール同士を混合する方法、未変性のポリグリシドール(以下、PGとも記す)を順次変性する方法などが挙げることができる。
後者の方法は本発明の好ましい態様例であり、たとえばBiochim Biophys Acta 1994;1193:1-9に記載された方法に準拠して調製することができる。具体的には、PGと、3−メチルグルタル酸無水物とを反応させることにより、式2で示される単位を生成させる。この反応は、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で行うことができる。
次に、該当するアミンRNHと反応させ、式3で示される単位を生成させる。
各段階での変性量は、3−メチルグルタル酸無水物またはアミンの使用量によって調整することができる。式2で示される3-MGluG単位の導入量は、pHメーターを用いる電位差滴定により決定することができる。
基体となるPGの分子量は、好ましくは6000〜12000、より好ましくは8000〜10000である。ポリグリシドールの分子量は、高速液体クロマトグラフィーにより、ポリエチレングリコール換算分子量として測定することができる。
上記PG(未変性)は、たとえばコーエン, H.L.:J. Polym. Sci., Polym. Chem. Ed. 13,1993-2003(1975) の方法に準拠してポリエピクロロヒドリンの転化により合成することができる。反応スキーム例を以下に示す。
Figure 2008120718
上記で使用するポリエピクロロヒドリンおよびN,N-ジメチルホルムアミドは、使用前に、蒸留精製することが望ましい。
上記J. Polym. Sci.およびBiochim Biophys Actaの各記載は、これを引用することにより本明細書中にも記載されているものとするが、本発明におけるポリグリシドール(B)の製造方法は、これら方法に限定されるものではない。
本発明において、担体粒子の脂質膜は、上記のようなアミジン誘導体(A)およびポリグリシドール(B)で修飾されている。すなわち本発明の薬物担体は、それ単独で膜に埋め込まれたときに生理的pH付近から酸性条件下では膜に正電荷を与える塩基性化合物としての特定構造のアミジン誘導体(A)と、pH感受性の高分子化合物であって、それ単独で膜に埋め込まれたときに弱酸性下で膜融合性を発現する3-MGluG単位を含むポリグリシドール(B)とを含む。このような本発明の薬物担体は、pH5〜7の病巣部位に集積し、かつ該部位で膜融合性を発現することができる。ここで、生理的pH条件とは、生体内のpH、すなわち7.4前後、概ね7.2から7.6の範囲である。生理的pH付近より酸性側とは、pH7.4付近より酸性側、弱酸性とは概ねpH5〜7の範囲を指す。
本発明の薬物担体は、脂質膜の担体粒子に薬物を担持する構造体の形態を維持できるものであれば、上記アミジン誘導体(A)およびポリグリシドール(B)以外にも、安定化剤、酸化防止剤および他の表面修飾剤などの各種成分を必要に応じてさらに含むことができる。
安定化剤としては、膜流動性を低下させるコレステロールなどのステロール、あるいはグリセロール、シュクロースなどの糖類が挙げられる。
酸化防止剤としては、トコフェロール同族体すなわちビタミンEなどが挙げられる。コトフェロールには、α、β、γ、δの4個の異性体が存在するが本発明においてはいずれも使用できる。
表面修飾剤としては、グリシドール以外の親水性高分子、グルクロン酸、シアル酸、デキストランなどの水溶性多糖類の誘導体、トランスフェリン、RGD(Arg-Gly-Asp)ペプチドなどのレセプター指向性物質などが挙げられる。
本発明の薬物担体が、薬物として特に遺伝子を担持する場合には、膜構成成分にトランスフェリンを結合させ、薬物担体をトランスフェリンレセプターとの特異的な結合を介して細胞に取り込ませれば、優れた遺伝子導入活性を発現することができる。
上記他の親水性高分子としては、ポリエチレングリコール(PEG)、デキストラン、プルラン、フィコール、ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸交互共重合体、ジビニルエーテル−無水マレイン酸交互共重合体、合成ポリアミノ酸、アミロース、アミロペクチン、キトサン、マンナン、シクロデキストリン、ペクチン、カラギーナンなどが挙げられる。これらの中でも、PEGは血中滞留性を向上させる効果が顕著である。また上記親水性高分子は、長鎖脂肪族アルコール、ステロール、ポリオキシプロピレンアルキルまたはグリセリン脂肪酸エステル等の疎水性化合物を結合させた誘導体として用いることができ、これら疎水性化合物部位を、薬物担体(たとえばリポソシーム)の膜中へ安定に挿入することができる。そのことにより、薬物担体表面に親水性高分子を存在させることができる。親水性高分子誘導体としては、PEG−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンなどのPEG−PE類を好ましく使用することができる。
本発明の薬物担体に担持される薬物は、診断および/または治療のためのものであれば特開に制限されず、この目的に応じた薬学的に許容し得る薬理的活性物質、生理的活性物質および/または診断用物質などである。
治療のための薬剤の種類としては、薬物担体の形成および安定性を損ねない限り特に制限されないが、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体、グリコサミノグリカンおよびその誘導体、オリゴ糖、多糖およびそれらの誘導体、タンパク質およびペプチドなどの生理活性的物質;抗癌剤、抗生物質、酵素剤、抗酸化剤、脂質取り組み阻害剤、ホルモン剤、抗炎症剤、ステロイド剤、血管拡張剤、アンジオテンシン受容体拮抗剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、平滑筋細胞の増殖・遊走阻害剤、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤、ケミカルメディエーターの遊離抑制剤、血管内皮細胞の増殖または抑制剤、アルドース還元酵素阻害剤、メサンギウム細胞増殖阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、免疫賦活剤、抗ウィルス剤、メイラード反応抑制剤、アミロイドーシス阻害剤、NOS阻害剤、AGEs(Advanced glycation endproducts)阻害剤およびラジカルスカベンジャーの薬理的活性物質などが挙げられる。
抗癌剤の例としては、シクロホスファミド、イホスファミド、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、チオテパ、ブルスファン、カルボコン、塩酸ニムスチン、ラニムスチン、メルファラン、トシル酸インプロスルファン、ダカルバジン、塩酸プロカルバジン、シタラビン、シタラビンオクスファート、エノシタビン、メルカプトプリン、チオイノシン、フルオロウラシル、ドキシフルリジン、テガフール、メトトレキサート、カルモフール、ヒドロキシカルバミド、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンデシン、エトポシド、クロモマイシンA3、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アラクルビシン、ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ダクチノマイシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、マイトマイシンC、ネオカルノスタチン、L−アスパラギナーゼ、アセグラトンミトプロニトール、デキストラン硫酸ナトリウム、酢酸オクトレオチド、シスプラチン、カルボプラチン、クエン酸タモキシフェン、酢酸メドロキシプロゲステロン、リン酸エストラムスチンナトリウム、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロレリンなどが挙げられる。
抗生物質の例としては、ベンジルペニシリンカリウム、ベンジルペニシ リンベンザチン、フェノキシメチルペニシリンカリウム、フェネチシリンカリウム、クロキサシリンナトリウム、フルクロキサシリンナトリウム、アンピシリン、トシル酸スルタミシリン、塩酸バカンピシリン、塩酸タランピシリン、レナンピシリン、ヘタシリンカリウム、シクラシリン、アモキシシリン、塩酸ピブメシリナム、アスポキシシリン、カルベニシリンナトリウム、カリンダシリンナトリウム、スルベニシリンナトリウム、チカルシリンナトリウム、ピペラシリンナトリウム、セファロリジン、セファロチンナトリウム、セファゾリンナトリウム、セファピリンナトリウム、セフラジン、セファレキシン、セファトリジンプロピレングリコール、セフロキサジン、セファクロル、セファドロキシル、塩酸セフォチアム、塩酸セフォチアムヘキセチル、セフロキシムナトリウム、セフロキシムアキセチル、セファマンドールナトリウム、セフジニル、塩酸セフェタメトピポキシル、セフチプテン、セフメタゾールナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セフォテタンナトリウム、セフミノクスナトリウム、セフプペラゾンナトリウム、セフピラミドナトリウム、セフスロジンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、塩酸セフメノキシム、セフトリアキソンナトリウム、セフタジジム、セフピミゾールナトリウム、セフィキシム、セフテラムピポキシル、セフゾナムナトリウム、セフポドキシプロキセチル、セフォジジム、硫酸セフピロム、ラタモキセフナトリウム、フロモキセフナトリウム、イミペネム、シラスタチンナトリウム、アズトレオナム、カルモナムナトリウム、硫酸ステレプトマイシン、硫酸カナマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸アミカシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸パロモマイシン、硫酸ペカナマイシン、硫酸リポスタマイシン、硫酸ジベカシン、トブラマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ミスロノマイシン、硫酸アストロマイシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸イセパマイシン、硫酸アルベカシン、エリスロマイシン、キタサマイシン、アセチルキタサマイシン、リン酸オレアンドマイシン、ジョサマイシン、アセチルスピラマイシン、ミデカマイシン、酢酸ミデカマイシン、ロキタマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、メタリン酸テトラサイクリン、塩酸デメチルクロルテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、塩酸ドキシサイクリン、塩酸ミノサイクリン、クロラムフェニコール、コハク酸クロラムフェニコールナトリウム、パルミチン酸クロラムフェニコール、チアンフェニコール、塩酸アミノ酢酸チアンフェニコール、硫酸コリスチン、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム、硫酸ポリミキシンB、バシトラシン、塩酸バンコマイシン、塩酸リンコマイシン、クリンダマイシン、塩酸スペクチノマイシン、フォスフォマイシンナトリウム、フォスフォマイシンカルシウムなどが挙げられる。
酵素剤の例としては、キモトリプシン、結晶トリプシン、ストレプトキ ナーゼ・ストレプトドルナーゼ、ヒアルロニダーゼ、ウロキナーゼ、ナサルプラーゼ、アルテプラーゼ、塩化リゾチーム、セミアルカリプロティナーゼ、セラペプターゼ、チソキナーゼ、デュテプラーゼ、バトロキソビン、プロナーゼ、プロメラインなどが挙げられる。
抗酸化剤の例としては、トコフェロール、アスコルビン酸、尿酸などが挙げられる。
抗炎症剤の例としては、サリチル酸コリン、サザピリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、ジフルニサル、フルフェナム酸、メフェナム酸、フロクタフェニン、トルフェナム酸、ジクロフェナクナトリム、トルメチンナトリウム、スリンダク、フェンブフェン、フェルビナクエチル、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、マレイン酸プログルメタシン、アンフェナクナトリウム、ナブメトン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、ケトプロフェン、ナプロキセン、プロチジン酸、プラノプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン酸、オキサプロジン、ロキソプロフェンナトリウム、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、フェニルブタゾン、クロフェゾン、ケトフェニルブタゾン、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、塩酸ベンジダミン、エピリゾール、エルモファゾンなどが挙げられる。
ステロイド剤の例としては、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン(リン酸エステル、酢酸塩)、酪酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、プレドニゾロン(アセテート、サクシネート、第三級ブチル酢酸エステル、リン酸エステル)、メチルプレドニゾロン(アセテート)、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド(酢酸トリアムシノロン)、デキサメタゾン(リン酸エステル、酢酸塩、リン酸ナトリウム塩、硫酸エステル)、パルミチン酸デキサメタゾン、ベタメタゾン(リン酸塩、2ナトリウム塩)、酢酸パラメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸ハロプレドン、プロピオン酸クロベタゾール、ハルシノニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢酸ベタメタゾン、酢酸コルチゾンなどが挙げられる。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤の例としては、アラセプリル、塩酸イミダプリル、塩酸テモカプリル、塩酸デラプリル、塩酸ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、マレイン酸エナラプリル、リシノプリルなどが挙げられる。
血管拡張剤の例としては、テオフィリン、ジプロフィリン、プロキシフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、プロスタグランジン、プロスタグランジン誘導体、アルプロスタジルアルファデクス、アルプロスタジル、リマプロストアルファデクス、パパベリン、シクランデラート、シンナリジン、フマル酸ベンシクラン、マレイン酸シネパジド、塩酸ジラゼプ、トラピジル、塩酸ジフェニドール、ニコチン酸、イノシトールヘキサニコチネート、クエン酸ニカメタート、酒石酸ニコチニックアルコール、ニコチン酸トコフェロール、ヘプロニカート、塩酸イソクスプリン、硫酸バメタン、塩酸トラリゾン、メシル酸ジヒドロエルゴトキシン、酒石酸イフェンプロジル、塩酸モキシシリト、ニセルゴリン、塩酸ニカルジピン、ニルバジピン、ニフェジピン、塩酸ベニジピン、塩酸ジルチアゼム、ニソルジピン、ニトレンジピン、塩酸マニジピン、塩酸バルニジピン、塩酸エホニジピン、塩酸ベラパミル、塩酸トリメタジジン、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、アラセプリル、塩酸デラプリル、シラザプリル、リシノプリル、塩酸ベナゼプリル、塩酸ヒドララジン、塩酸トドララジン、ブドララジン、カドララジン、インダパミド、塩酸カルボクロメン、エフロキサート、塩酸エタフェノン塩酸オキシフェドリン、ニコランジル、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビドなどが挙げられる。
平滑筋細胞遊走・増殖抑制剤の例としては、ヘパリンナトリウム、ダルテパリンナトリウム(低分子ヘパリン)、ヘパリンカルシウム、デキストラン硫酸などが挙げられる。
血小板凝集阻害剤の例としては、塩酸チクロピジン、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム、塩酸サルプグレラート、バトロキソビン、ジピリダモールなどが挙げられる。
抗凝固剤の例としては、ヘパリンナトリウム、ダルテパリンナトリウム(低分子ヘパリン)、ヘパリンカルシウム、デキストラン硫酸、ワルファリンカリウム、アルガトロバンなどが挙げられる。
ケミカルメディエーター遊離抑制剤の例としては、トラニラスト、フマル酸ケトフェチン、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、アンレキサノクス、レピリナストなどが挙げられる。
免疫抑制剤の例としては、シクロスポリンなどが挙げられる。
抗ウイルス剤の例としては、アシクロビル、ガンシクロビル、ジダノシン、ジドブジン、ソリブジン、ビダラビンなどが挙げられる。
また診断の薬剤としては、薬物担体の形成を損ねないかぎり特に限定されないが、たとえばX線造影剤、放射性同位元素標識核医学診断薬、核磁気共鳴診断用診断薬などの体内診断薬挙げられる。X線造影剤の例としては、アミドトリゾ酸メグルミン、イオタラム酸ナトリウム、イオタラム酸メグルミン、ガストログラフィン、ヨーダミドメグルミン、リピオドールウルトラフルイド、アジピオドンメグルミン、イオキサグル酸、イオトロクス酸メグルミン、イオトロラン、イオパノ酸、イオパミドール、イオヘキソール、イオベルソール、イオポダートナトリウム、イオメプロール、イソペーク、ヨードキサム酸などが挙げられる。
基本的に上記のどの薬物でも問題ないが、担体の表面が陽電荷をもつことから、電気的に中性あるいはアニオン性の物質は、高担持率(封入率)が期待できる。
本発明において、薬物担体としては様々な形態が考えられ、したがって「担持」は、その形態により、内包、封入、相互作用などを広く意味する。薬物担体の形態は、膜で形成される担体粒子に薬物が担持された構造体であればその形態は特に制限されないが、たとえば、薬物を、膜で形成された閉鎖空間内に内包した形態、膜間に内包した形態、膜内に包含した形態などが挙げられ、これらの組合せによる形態であってもよい。巨大分子、微集合体、微粒子、微小球、ナノ小球と称されるものでもよい。これらのうち、膜で形成される閉鎖小胞の形態を含む場合には、その内部に薬物を高濃度封入することのできる潜在的機能を有するため好ましく、特に、リポソーム、ミセル、リピッドマイクロスフェアおよびエマルションからなる群より選ばれる少なくとも一種以上からなることが望ましい。
本発明の薬物担体は、粒子径が通常0.02〜250μmである。とりわけ0.05〜0.4μmが好ましく、特に0.05〜0.35μm(50〜350nm)の粒子径の薬物担体が好ましい。細胞への薬物担体の取り込みは、ファゴサイトーシス、またはエンドサイトーシスによるが、多くの細胞ではエンドサイトーシスと言われている。エンドサイトーシスで取り込むことができる大きさは、最大約300nm程度でそれ以上になると極端に取り込み量が減少することが知られている。薬物担体の平均粒子径が0.4μm以下であれば、薬物担体の実質的に0.2〜0.3μm(200〜300nm)の小粒子が多く存在するため、薬物担体はエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれやすいと考えられる。なお本明細書において、特にことわりのない限り、粒子径とは平均粒子径を意味する。平均粒子径は粒度分布測定装置で測定することができる。
次に、本発明の薬物担体の好ましい実施態様例を挙げて説明すれば、たとえばアミジン誘導体修飾によるカチオン性リポソームに、診断および/または治療ための薬物を内包したものと、上記ポリグリシドール(B)(以下、3-MGluPGとも表記する)で膜修飾された3-MGluPG修飾リポソームとの複合体が挙げられる。
上記カチオン性リポソームに遺伝子を内包した態様はリポプレックスと称される。この3-MGluPG修飾リポソーム・カチオン性リポプレックス複合体は、本発明の薬物担体の好ましい態様例として例示される。
このような複合形態の薬物担体の粒子径を、特に50〜350nmに制御すれば、細胞へのトランスフェクション効率を著しく高めることができ、従来の粒子径制御されてなく、かつ平均でも800nm以上の粒子径をもつ複合体に比較してトータル活性が高い。本発明において、上記複合形態の薬物担体が細胞内取込みに特に高い活性を示すのは、粒子径を微小化し、350nm以下にすることで、エンドサイトーシスで細胞内に取り込まれる複合体の量が増えるとともに、エンドソーム膜と3-MGluPGリポソームとの相互作用により、細胞質に放出されるリポプレックスの量が増加する相乗効果と考えられる。
また、上記において、複合前の3-MGluPG修飾リポソーム単独での大きさは、通常粒子径50nm程度であり、一般的なリポソームよりもかなり小さい。このため、上記のような複合体では、大径のリポプレックス粒子の外周表面に3-MGluPG修飾リポソームが担持されているような複合構造が考えられる。これを模式的に図1に示す。
この場合、3-MGluPGのカルボン酸単位に由来して負電荷(−)を帯びたリポソームと、正電荷(+)を帯びたリポプレックスとが双方の構造を保ったまま穏やかに電荷で結合するような比で複合体が形成され、かつ病巣部位を確実にターゲッティングし、細胞内への高い薬物導入率を発現することができるような電荷比で、アミジンカチオン性リポプレックスと3-MGluPG修飾リポソームとの複合体を構成することが望ましい。この際、アミジン誘導体と3-MGluPGとの複合比は、複合体成分のリポプレックスそのものの電荷比によっても異なり一概にはいえないが、DNAを基準にアミジンカチオン性リポプレックスおよび3-MGluPG修飾リポソームの電荷比を設定することができる。
複合体の一方の成分であるリポプレックスの電荷は、アミジン誘導体に由来するカチオン性リポソーム(+)と、DNA(−)との電荷比(+/−)で示される。複合体の他の成分であるリポソームの電荷は、ポリグリシドール誘導体のカルボン酸単位に由来し、具体的に3-MGluPG修飾リポソームの場合には式2で示されるカルボン酸単位の量で決定される。リポソームとリポプレックスとの複合比を、リポソームのポリグリシドール誘導体3-MGluPGと、リポプレックスのDNAとの比(unit/unit)で表記することもでき、この3-MGluPG(unit)はカルボン酸単位を意味する。
具体的に、粒子径を特に制御しない場合、たとえばリポプレックスのアミジンカチオン性リポソームとDNAとの電荷比(+/−)=2の場合には、これと3-MGluPG修飾リポソームとの最終的複合体における3-MGluPG/DNA(unit/unit)=1であるものがもっとも活性が強く好ましい。これから、複合体が電荷比(+/−)=2のリポプレックスを含む場合には、アミジン誘導体と3-MGluPGとの電荷比は2:1が好ましいといえる。また上記リポプレックスの電荷比(+/−)=6の場合には、これと3-MGluPG修飾リポソームとの最終的複合体の3-MGluPG/DNA(unit/unit)=4であるものがもっとも活性が強く好ましい。これから、複合体が電荷比(+/−)=6のリポプレックスを含む場合には、アミジン誘導体と3-MGluPGとの電荷比は、3:2が好ましいといえる。
次に、本発明の薬物担体の製造例として、上記のような複合体を例にして示す。
まず、フラスコ内に、リン脂質等の担体膜構成材料を、クロロホルム等の有機溶媒により混合し、有機溶媒を留去後真空乾燥することによりフラスコ内壁に薄膜を形成させる。次にポリグリシドール(B)のメタノール溶液を加え、有機溶媒を留去後、真空乾燥させることによりフラスコ内壁に脂質−ポリグリシドール(B)混合薄膜を形成させる。当該フラスコ内に、PBSを加え、激しく撹拌することにより、3-MGluPG修飾リポソームを形成する。
3-MGluPG修飾リポソームは、上記方法以外にも上記の各構成成分を混合し、高圧吐出型入乳化機により高圧吐出させる方法によっても得ることができる。
一方、別のフラスコ内に、アミジン誘導体(A)およびリン脂質等の他の担体膜構成成分を、クロロホルム等の有機溶媒により混合し、有機溶媒を留去後真空乾燥することによりフラスコ内壁に脂質の薄膜を形成させる。当該フラスコ内に、薬物溶液を加え、激しく撹拌することにより、リポソーム懸濁液を得る。得られたリポソーム懸濁液を遠心分離し、上清をデカンテーションし、封入されなかった薬物を除去することにより、薬物封入カチオン性リポソームを薬物担体の懸濁液として得ることができる。
薬物封入カチオン性リポソームは、上記方法以外にも、上記各構成成分を混合し、高圧吐出型入乳化機により高圧吐出させることにより得ることもできる。
このようにして得られた、3-MGluPG修飾リポソームと薬物封入カチオン性リポソームとを混合し、複合化することによりし、複合形態の薬物担体、すなわち3-MGluPG修飾リポソーム・薬物封入カチオン性リポソーム複合体を得ることができる。
上記において、カチオン性リポソームに遺伝子を担持させた場合にはリポプレックスが形成される。
上記において、3-MGluPG修飾リポソームおよびリポプレックスをそれぞれ複合化前にエクストルーダなどを使用して整粒処理することができる。この際、リポプレックスをエクストルーダで単に整粒しても、凝集して小粒子に制御された粒子を得ることは困難である。本発明では、特にこれに制限されるものではないが、たとえばアミジン誘導体を膜成分として使用してリポプレックスを調製する工程を、イオン濃度100osmol以下、好ましくは50osmol以下、より好ましくは5osmol以下の実質的に非電解質条件下で行うことにより、0.05〜0.4μm、好ましくは0.05〜0.35μmの粒径に制御したリポプレックスを得ることができる。このような非電解質条件に適合するものとしては、純水、グルコース等の糖類またはその誘導体の水溶液が挙げられ、後者の場合、濃度は制限されない。
本発明で調製されるリポプレックスは、3-MGluPG修飾リポソームとの複合後も安定に小粒径を保持することができる。
次に実施例および試験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例および試験例に限定されるものではない。
以下の実施例において、粒子径および表面電位は、粒度分布・ゼータ電位測定装置(Particle Sizing Systems 社製 型式NICOMP 380ZSL)にて測定した。
ポリグリシドールの分子量は高速液体クロマトグラフィー(Asahipak GS-510 カラム)で測定した。
pHメーターは、堀場製作所社製M−8を用いた。
(調製例1)3−メチルグルタリル変性ポリグリシドール(3-MGluPG)の調製
ポリグリシドール(分子量8700)1.44gと、3−メチルグルタル酸無水物(ALDRICH社,Mw=128)7.6gとを、予め精製したN,N-ジメチルホルムアミド中、130℃で6時間反応させ、3−メチルグルタル酸基を導入した(収量2.6g)。
次に、上記3−メチルグルタル酸変性ポリグリシドール500mgを、約20mLの水に溶解した後、EDC(1-Ethyl-3-(3dimethylaminopropyl)carbodiimide)(Dojindo Mw=191.7)67.8mgを加え、氷冷下にて撹拌した後、n-デシルアミン(東京化成 Mw=157.3)39.8mgを加えた。HClを用いて反応溶液のpHをおよそ6に調整し、3日間氷冷中にて反応させ、式3で示される長鎖アルキル(n-デシル)基を導入し、510mgの3-MGluPGを得た。
得られた3-MGluPGについて、式2で示されるカルボン酸単位量はpHメーターを用いて分析し、式3で示される長鎖アルキル基含有単位量はH-NMRで分析した。残余を未変性ポリグリシドールとして結果を表1に示す。
(調製例2〜3)
分子量8200のポリグリシドールを用い、酸無水物を無水コハク酸または無水グルタル酸に代えた以外は、調製例1と同様の操作を行い、下記式5および6で示される単位を含むスクシニル変性ポリグリシドール(SucpG)、式7および8で示される単位を含むグルタリル変性ポリグリシドール(GluPG)を得た。これらの組成を表1に示す。
Figure 2008120718

表中、組成数値は、各単位を1分子とみなしたときのモル%である。
未変性単位は、式2で示されるグリシドール単位である。
3-MGluPGにおいて、カルボン酸単位は式2で示される単位、長鎖アルキル基含有単位は式3で示される単位である。
SucpGにおいて、カルボン酸単位は下記式5で示される単位、長鎖アルキル基含有単位は下記式6で示される単位である。
GluPGにおいて、カルボン酸単位は下記式7で示される単位、長鎖アルキル基含有単位は下記式8で示される単位である。
Figure 2008120718

式6および8中、Rはn-デシル基である。
(実施例1)
下記1)〜3)の工程により、薬物担体として、3-MGluPG修飾リポソーム・カチオン性リポプレックス複合体を調製した。
1)3-MGluPG修飾リポソームの調製
卵黄ホスファチジルコリン(EYPC)(10mg/mL)のクロロホルム溶液700μLをナス型フラスコに装入し、クロロホルムをロータリーエバポレーターで減圧留去してEYPCの薄膜を形成させた。
これに調製例1で得られた3-MGluPGのメタノール溶液(3mg/mL)を1mL加え、再び溶媒を減圧留去し、脂質−3-MGluPG混合薄膜を形成させた。これを約2時間真空乾燥した後、PBSを2mL加え、バス型超音波照射装置を用いて30秒間超音波照射して脂質−3-MGluPG混合膜を分散させた。この分散液のpHを7に調整した後、凍結−融解を3回行って、3-MGluPG修飾リポソーム(懸濁液)を形成した。さらに、エクストルーダーを用いて孔径50nmのポリカーボネート膜を通して、リポソームの粒子径を揃えた。
上記で得られた3-MGluPG修飾リポソームのpHを6.1に調整し、4℃において酸単位に対して0.3当量のEDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)を加えて2時間反応させた後、トランスフェリン水溶液(トランスフェリン3μgを水50μLに溶解させ、500mMクエン酸鉄(III)溶液5μLを加えたもの)を加え、4℃で一晩反応させた。
その後、3-MGluPG修飾リポソームのpHを7.4に調整し、セファデックスG75カラムを用いて遊離トランスフェリンを除去し、さらに、ろ過滅菌して、3-MGluPG修飾リポソームにトランスフェリンを結合させた。
2)リポプレックスの調製
<カチオン性リポソームの調製>
3,5-ジペンタデシロキシベンズアミジン塩酸塩(157μg)、DLPC(ジラウロイルホスファチジルコリン)(165μg)および中性脂質DOPE(ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)(384μg)をクロロホルム(0.25mL)に溶解し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去して混合脂質の薄膜を形成させた。これにPBS(2mL)を加え、バス型超音波照射装置で2分間分散させてカチオン性リポソームを得た。
<リポプレックスの調製>
プラスミドDNA(1μg)を20mM Tris−HCl溶液(50μL)に溶解した溶液と、該溶液のDNA(−)に対する3,5-ジペンタデシロキシベンズアミジン塩酸塩(+)の電荷比(+/−)が6になるように量を調整した上記で調製されたカオチン性リポソームとを混合し、氷冷下で10分間放置することによって各リポプレックスを調製した。
3)薬物担体(複合体)の調製
上記で得られたリポプレックス100μLに、3-MGluPG/リポプレックスの電荷比が、0.25、0.5、1、1.5、2となるように2.5〜20μLの3-MGluPG修飾リポソーム(EYPC濃度:0.2mM)を加え、氷冷下で10分間放置して、3-MGluPG修飾リポソーム・リポプレックス複合体を得た。
(比較例1〜2)
上記3-MGluPGに代えて、調製例2〜3で得られたSucpGまたはGluPGを用いた以外は、実施例1と同様にして複合体を得た。
(試験例1)
上記で得られた各薬物担体およびコントロールとして複合化前のリポプレックスを用いて遺伝子導入試験を行った。
<細胞の調製とトランスフェクション>
HeLa細胞を24穴ディッシュに1穴当たり10万個撒き、10%ウシ胎児血清(FBS)含有ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)1mLを加えて、37℃で一晩培養した。その後PBSで2回洗浄した後、10%FBS含有DMEMを1.8mL加えた後、1穴当たり2μgのプラスミドDNAを含む各薬物担体またはリポプレックスを加え、4時間インキュベーションした。その後、再びPBSで2回洗浄し、取り込まれなかった複合体を除去し、10%FBS含有DMEM 2mLを加えて24 時間培養し、遺伝子発現割合を評価した。評価はフローサイトメトリーを用いて行い、約15000個の細胞をフローし、発現割合を求めた。結果を図2に示す。
(試験例2)ルシフェラーゼアッセイによる遺伝子導入の評価
<細胞の調整とトランスフェクション>
HeLa細胞を24穴ディッシュの1穴当たり5万個になるように撒き、10%FBS含有DMEMメディウム 1mLを加えて、37℃で一晩培養した。その後PBS(+)で洗浄した後10%FBS含有DMEMメディウム0.9mL を加えて、1穴当たり0.5μgのプラスミドDNA量を含むようにリポプレックスまたは3-MGluPG修飾リポソーム−リポプレックス複合体を細胞に加え、それぞれ4時間インキュベーションした。その際、3-MGluPG/リポプレックスの電荷比(すなわち、カルボン酸単位/DNAの比)は0.25、0.5、1、1.5、2の各5通りについて検討した。その後、再びPBS(+)で洗浄し、10%FBS含有DMEMメディウム1mLを加えて40時間培養した。
<遺伝子導入の評価>
遺伝子導入した細胞をPBS(+)で洗浄し、さらにPBS(−)で1回洗浄した後、細胞を1穴当たり50μLの溶解剤に溶かし室温で15分間放置した。そのライセートをエッペンドルフチューブに回収して、12000rpmで2分間遠心分離した。そして、その細胞溶解液のうち10μLを用いて、細胞内のタンパク質の定量を行った。タンパク質の定量は、coomanassie Protein Assay Reagent(Pierce)を用い、波長595nmの吸光度を測定することによって、タンパク質濃度を求めた。また、残りの細胞溶解液20μLを、ルシフェリンを含んだ発光基質溶液95μLと混合し、ルミノメーターを使って20秒間の発光量を測定した。そして、細胞のタンパク質1mg当たりのルシフェラーゼ活性を求めた。結果を図3に示す。
上述の試験例に示されように、担体の膜構成成分として、アミジン誘導体と特定のポリグリシドール誘導体とを含む本発明の薬物担体は、従来の薬物担体に比べ非常に強い遺伝子導入活性を示した。
このような特徴から、薬学的に許容し得る薬理的活性物質、生理的活性物質または診断用物質を封入させた本発明の薬物担体は、治療および診断という目的に対して非常に効果的であるといえる。
本発明の好ましい薬物担体の構造を示す模式図である。 各種薬物担体におけるポリグリシドール誘導体の違いによる遺伝子導入効果の差異をグラフで示す。 各種薬物担体におけるポリグリシドール誘導体の違いによる細胞導入活性効果の差異をグラフで示す。

Claims (7)

  1. (A)下記一般式1で示されるアミジン誘導体および/またはその塩と、
    (B)下記式2および3で示される3−メチルグルタリル変性グリシドール単位を含むポリグリシドールと、で修飾された脂質膜の担体粒子に、薬物を担持した薬物担体:
    Figure 2008120718

    (式1中、Aは芳香環であり、RおよびRは互いに独立に炭素数10〜25のアルキル基またはアルケニル基であり、XおよびXは互いに独立にO、S、COO、OCO、CONHまたはNHCOであり、mは0または1、nは0または1〜6の自然数である。)、
    Figure 2008120718

    (式3中、Rは、炭素数6〜18のアルキル基である。)
  2. 前記ポリグリシドール(B)が、ポリグリシドール(B)の総量を100モル%とするとき、前記式2で示される単位を60〜95モル%、前記式3で示される単位を5〜40モル%、残余として下記式4で示される未変性グリシドール単位を含む請求項1に記載の薬物担体:
    Figure 2008120718
  3. 前記薬物担体の粒子径が、0.02〜250μmである請求項1または2に記載の薬物担体。
  4. 前記担体粒子がリポソーム、ミセル、リピッドマイクロスフェアおよびエマルションからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の薬物担体。
  5. 前記薬物担体が、安定化剤、酸化防止剤および前記(A)および(B)以外の表面修飾剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の他の成分をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の薬物担体。
  6. 前記薬物が、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体;グリコサミノグリカンおよびその誘導体、オリゴ糖、多糖およびそれらの誘導体、タンパク質およびペプチド;抗炎症剤、ステロイド剤、抗癌剤、酵素剤、酵素阻害剤、抗生物質、抗酸化剤、脂質取り組み阻害剤、ホルモン剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗剤、平滑筋細胞の増殖・遊走阻害剤、血小板凝集阻害剤、ケミカルメディエーターの遊離抑制剤、血管内皮細胞の増殖または抑制剤、アルドース還元酵素阻害剤、メサンギウム細胞増殖阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、免疫賦活剤、抗ウィルス剤、抗凝固剤、血管拡張剤、メイラード反応抑制剤、アミロイドーシス阻害剤、NOS阻害剤、AGEs阻害剤およびラジカルスカベンジャー;および体内診断薬からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の薬物担体。
  7. 前記薬物担体が、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体から選ばれる少なくとも1種の薬物を担持するリポプレックスとリポソームとの複合体である請求項1〜5のいずれかに記載の薬物担体。
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