JP2008118728A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数個直列接続された半導体素子と、半導体素子と並列に接続された抵抗とでアームを構成した電力変換装置において、半導体素子と並列に接続される抵抗の電流を検出する電流検出手段を設け、抵抗に流れる電流に基づいて、負荷のインピーダンスまたは電力変換装置の故障を検出する。
【選択図】図1
Description
このような構成において、三相交流電源Vsの交流電圧は、整流器Recで直流に変換され、コンデンサCdで平滑された後、インバータに直流電力が供給される。インバータでは、この直流電力を交流に変換して、モータMに交流電力を供給する。
ここで、IGBTの耐圧に比べ直流電圧Vdが大きい時には、IGBTを複数個直列接続して用いることがある。図11(a)は、図10のQx部を直列接続した例を示している。IGBTを直列接続にした時には、同図(a)のように、各IGBTQx1〜Qxnの各々と並列に抵抗Rd1〜Rdnを接続する手段とスイッチングタイミングを調整する回路Tsetを設けるのが一般的である。
また、スイッチングタイミング調整回路Tsetは、各IGBTがオンオフする時に、タイミングにずれが生じて電圧分担がアンバランスし素子耐圧を超えないようにするタイミング調整手段である。これらの手段としては、図12(a)に示すように直列接続された各IGBTのゲート線に磁気結合を持たせる回路等を設けることにより、同図(b)のような電圧アンバランスを同図(c)のようにバランスさせることができる。これらの手法については特許文献1や特許文献2などが提案されている。
負荷の接続ミスや故障等で短絡していた場合、図13に示すように運転開始した直後に破線で示すような経路で大電流が流れてしまう。図13は、コンデンサCd→IGBTQu1→IGBTQu2→交流出力U→交流出力V→IGBTQy1→IGBTQy2→コンデンサCdの経路で短絡電流が流れる例であるが、インバータ起動時の信号のタイミングにより、他の短絡経路も考えられる。 この短絡電流は、直流電圧Vdが高く直列接続数が増加した場合、大きな事故につながる恐れがある。
これらの対策として図14に示す構成の保護方式が提案されている。図14(a)は特許文献3で提案されている構成である。整流器1の直流出力に接続されたコンデンサ3と直列に限流器4が接続された構成で、インバータ回路2内や負荷で短絡故障が発生した場合にはコンデンサ3からの放出電流を限流器4で制限する方式である。図14(b)は図14(a)の限流器の代わりにIGBT5を用いた例である。同様にインバータ回路2内や負荷で短絡故障が発生した場合にはコンデンサ3からの放出電流をIGBT5で制限した後に遮断させる方式である。
第2の発明においては、複数個直列接続された電圧駆動型半導体素子と、前記半導体素子と並列に接続された抵抗とでアームを構成した電力変換装置において、前記半導体素子と並列に接続される抵抗の電流を検出する電流検出手段を設け、いずれかのアームの半導体素子をオンさせ、前記抵抗に流れる電流の変化に基づいて、負荷のインピーダンスまたは電力変換装置の故障を検出する。
第4の発明においては、第2の発明における前記半導体素子をオンさせる方法として、アームを順次切り替えて、前記抵抗に流れる電流の変化に基づいて、負荷のインピーダンスまたは電力変換装置の故障を検出するようにする。
第5の発明においては、第2〜第4の発明における前記電流の変化に基づいて、負荷のインピーダンスまたは電力変換装置の故障を検出する手段は、オン信号の立上り時点から所定時間後の電流値に基づいて故障を判定するようにする。
この結果、電力変換装置の小型化と低価格化が可能となる。
図1について図2以降を用いて作用を説明する。図2(a)は、インバータの交流出力U、V、Wに誘導負荷Lが接続されている場合を示している。ここでIGBTQu1、Qu2をオンさせると、図2(a)中の交流出力端子Uの電位がコンデンサCdの電圧Vdとなることで、各抵抗に流れる電流が変化する。
この動作は、3相インバータで対称動作であるから、他相、例えばIGBTQv1、Qv2をオンした場合は、図2(c)に示すように電流検出器CTyの電流がステップ応答波形で変化し、電流検出器CTx、CTzの電流が一次遅れ応答波形となる。IGBTQw1、Qw2をオンした場合は、電流検出器CTzの電流がステップ応答波形、電流検出器CTxとCTyの電流が一次遅れ応答波形となる。また、上下対称に位置する、IGBTQx1とQx2、Qy1とQy2、Qz1とQz2で動作させてもそれぞれの動作が対称となるだけである。この場合、オンさせたアームと、対向に位置するアームがステップ応答波形となり、その他のアームは、一次遅れ応答波形となる。
また、三相が平衡している場合には、一次遅れ応答波形となる電流波形の時定数は等しい。以上のように電流検出器に流れる電流波形はステップ応答または一次遅れ応答の波形となるので、IGBTにオン信号を入力し、所定時間後の電流値のレベルを判定するなどにより、負荷の異常を判断することができる。
次に、図4(a)に示すように、負荷の2相が事故などで短絡(ここではU−V間が短絡)した場合を考える。図3と同様にIGBTQu1とQu2をオンさせると、図4(b)に示すように電流検出器CTxとCTyの電流がステップ応答波形に、電流検出器CTzの電流が一次遅れ応答波形になる。これはU−V間が短絡しているため、IGBTQu1とQu2のオンにより、交流出力端子UおよびV点が同時にコンデンサCdの電圧Vdとなるためである。
次に、図5(a)に示すように、3相が事故などで短絡した場合を考える。この場合は、IGBTQu1とQu2をオンしたと同時に交流出力端子U、V、W点がすべてコンデンサCdの電圧Vdとなるため、電流検出器CTx、CTy、CTzすべての電流波形がステップ応答波形となる。同様にIGBTQv1とQv2をオンさせると、図4(c)に示すように電流検出器CTxとCTyの電流がステップ応答波形に、電流検出器QTzの電流が一次遅れ応答波形になる。この組合せによりU−V間が短絡されていることを判定できる。
図6(b)は、IGBTQu2のみ短絡破壊している場合を示す。IGBTQu1のオンオフにかかわらず電流検出器CTuの電流変化がないため、同様に装置の故障検出が可能である。
また、IGBTQu1のみ破壊している場合についても、抵抗に印加される電圧が異なるため、電流検出器CTuの電流値が他の電流検出器の電流値と異なり、故障検出が可能である。
以上のように、負荷のインピーダンスまたは電力変換装置の状態によって抵抗に流れる電流が変化する。これらの電流の変化を、例えば交流電源投入時の電流値の判定やIGBTにオン信号を入力し所定時間後の電流値のレベル判定などにより、負荷の異常または装置の異常を判別することができる。
ここで、検出電流はIGBTと並列に接続される抵抗を介して流れるため、その電流量は小さく、小型の検出器でよい。また、電流検出器として貫通型を用い、貫通電線に電流容量に小さな高圧用電線を用いることが可能となり、高耐圧構造の部品が不要となる。図7に示すようにIGBTに流れるコレクタ電流をIc、コレクタ・エミッタ間電圧をVCEとした時、コレクタ電流Icに対するコレクタ・エミッタ間電圧VCEのターンオフ時の波形を図8に示す。図8(b)に示すように大きな電流を遮断した場合にはターンオフ時の跳ね上り電圧が大きくIGBTを過電圧破壊させる可能性が高いが、図8(a)のようにコレクタ電流Icが小さい場合はターンオフ時にIGBTに印加される電圧も極小のため、電流を遮断しても本発明による素子破壊はない。
さらに、同一アームでタイミングを揃える必要はなく、例えば、図9に示すように1素子だけ動作させた場合についても同様の効果を得ることができる。複数個直列接続した場合などIGBT毎にオン信号を与えて、複数のオン信号パターンで電流を測定できるため、より正確な状態を検出することができることはいうまでもない。
以上、2レベルインバータを例に説明してきたが、3レベルインバータなどの多レベルインバータにおいて、各アームをIGBTの直列接続回路で構成した場合にも同様の効果が得られることはいうまでもない。
4・・・限流器
5、Qu1、Qu2、Qv1、Qv2、Qw1、Qw2・・・IGBT
Qx1、Qx2、Qy1、Qy2、Qz1、Qz2・・・IGBT
Rec、Rec1・・・整流器
Rdu1、Rdu2、Rdv1、Rdv2、Rdw1、Rdw2・・・抵抗
Rdx1、Rdx2、Rdy1、Rdy2、Rdz1、Rdz2・・・抵抗
CTu、CTv、CTw、CTx、CTy、CTz・・・電流検出器
Vs・・・交流電源 L・・・負荷 M・・・モータ
Rce1〜Rcen・・・IGBTオフ状態の抵抗成分
Cce1〜Ccen・・・IGBTオフ状態の容量成分
Rd1〜Rdn・・・抵抗
Claims (5)
- 複数個直列接続された電圧駆動型半導体素子と、前記半導体素子と並列に接続された抵抗とでアームを構成した電力変換装置において、前記半導体素子と並列に接続される抵抗の電流を検出する電流検出手段を設け、この電流検出値に基づいて負荷のインピーダンスまたは電力変換装置の故障を検出することを特徴とする電力変換装置。
- 複数個直列接続された電圧駆動型半導体素子と、前記半導体素子と並列に接続された抵抗とでアームを構成した電力変換装置において、前記半導体素子と並列に接続される抵抗の電流を検出する電流検出手段を設け、いずれかのアームの半導体素子をオンさせ、前記抵抗に流れる電流の変化に基づいて、負荷のインピーダンスまたは電力変換装置の故障を検出することを特徴とする電力変換装置。
- 前記いずれかのアームの半導体素子をオンさせ、前記抵抗に流れる電流の変化に基づいて、負荷のインピーダンスまたは電力変換装置の故障を検出する動作は電力変換装置の運転前または負荷に電流が流れていない時に行うことを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記半導体素子をオンさせるアームを順次切り替えて、前記抵抗に流れる電流の変化に基づいて、負荷のインピーダンスまたは電力変換装置の故障を検出することを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記電流の変化に基づいて、負荷のインピーダンスまたは電力変換装置の故障を検出する手段は、オン信号の立上り時点から所定時間後の電流値に基づいて故障を判定することを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
Priority Applications (1)
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JP2006296737A JP2008118728A (ja) | 2006-10-31 | 2006-10-31 | 電力変換装置 |
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JP2014064431A (ja) * | 2012-09-24 | 2014-04-10 | Meidensha Corp | マルチレベル電力変換装置 |
DE102013219975A1 (de) | 2012-10-09 | 2014-04-10 | Fuji Electric Co., Ltd | Gate-Ansteuerschaltung mit einer Fehlererkennungsschaltung für eine Halbleiter-Schalteinrichtung |
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2006
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