JP2008117697A - 表示装置用配線電極、有機el表示装置およびその製造方法 - Google Patents

表示装置用配線電極、有機el表示装置およびその製造方法 Download PDF

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伸一 仲俣
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Abstract

【課題】ウェットエッチングにより形成が可能であり、絶縁膜のドライエッチング時に絶縁膜のエッチングレートとの差が大きくエッチングされ難い、有機EL表示装置用の配線電極を提供する。また、該配線電極を備えた有機EL表示装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】有機EL表示装置の支持基板上に配置された薄膜状の配線電極であって、モリブデン、クロムおよびボロンを含む非晶質合金膜からなることを特徴とする表示装置用配線電極、該配線電極を備えていることを特徴とする有機EL表示装置、および、前記配線電極をウェットエッチングにより、絶縁膜のエッチングをドライエッチングにより行うことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下「有機EL」と称す)表示装置に関し、さらに詳しくは、有機EL表示装置を構成する有機EL発光素子が具備する陽極および陰極とのコンタクト機能に優れた配線電極、該配線電極を備えた有機EL表示装置およびその製造方法に関する。
近年、情報の多様化が急進しており、その中で固体撮像素子をはじめ、情報分野における表示デバイスには、「美・軽・薄・優」が求められ、さらに低消費電力・高速応答への要求もあり、それらの要求を満たすべく活発な開発が進められ、特に、高精細なフルカラー表示デバイスが、多数提案されている。
現在広く普及している液晶表示装置等に対抗して、有機分子の積層構造を有し、印加電圧10Vにおいて1000cd/m以上の高輝度が得られる視野角依存性、高速応答性等に優れた有機EL発光素子が提案されて以来(非特許文献1参照)、有機EL発光素子は実用化に向けての研究が活発に行われ、商品化も行われている。また、有機分子に代えて有機高分子材料を用いた同様の素子も、実用化に向けての開発が活発に進められている。
有機EL発光素子は、低電圧で高い電流密度が実現でき、無機EL発光素子やLEDに比べて高い発光輝度および発光効率が期待できることにより、有機EL発光素子を用いた表示装置は、高輝度および高コントラスト、低電圧駆動による高い発光効率、高解像度、高視野角、高応答速度、微細化およびフルカラー化、軽さと薄さ、などの優れた特徴を有し、前記「美・軽・薄・優」の要求を満たすフラットパネルディスプレイへの応用が期待されている。
1997年7月にパイオニア社によって車載用の緑色モノクロ有機ELディスプレイが製品化されて以来、多様化するニーズに答えるべく、長期安定性、高速応答性、多色表示、高精細なフルカラー表示が可能な有機ELディスプレイの実用化が急がれている。
一般的なモノクロ有機ELディスプレイには、ガラス基板上に透明電極および有機EL発光層を積層し、さらに有機EL発光層上に電極機能と外部取り出し光量を大きくする反射機能を併せ持つアルミや銀などの金属層を形成し、有機EL発光層で発光させた光をガラス面から取り出すボトムエミッション方式が採用されている(特許文献1参照)。
ボトムエミッション方式において反射機能を有する金属層をパターニングして反射電極を形成する場合、有機EL発光層が水分や溶剤に弱いことから、有機EL発光層の形成前の工程で形成された絶縁隔壁を利用して形成している。この絶縁隔壁を利用した金属層のパターニングでは、フレキシブル端子を接続する接続部を凹凸なく高精度でパターニングすることが困難であることにより、引き出しや引き回しを目的とした配線電極が必要であり、この配線電極には、アルミや銀以外の後工程で使用される現像液による侵食や変質、熱プロセスによる表面酸化に耐性を有するモリブデンが用いられている(特許文献1)。
このようなボトムエミッション方式の有機ELディスプレイは、ガラス基板上に配線電極用のモリブデン層を蒸着し、パターニングしてモリブデン配線電極を形成する工程、ガラス基板上に透明導電膜を形成し、パターニングして透明電極を形成する工程、配線電極および透明電極を含むガラス基板上にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜などの絶縁膜を形成し、パターニングして、透明電極間に絶縁隔壁を形成すると共に、配線電極上の絶縁膜に配線電極と反射電極とを接合するための開口部を形成する工程、表示領域に有機EL発光層を形成する工程、表示領域および配線電極上にパターン化された反射電極を形成すると共に、反射電極と配線電極とを接続する工程、および有機EL発光層を封止する工程を含む逐次工程によって製造されている。
上記モリブデン配線電極の形成には、安価で大面積のパターニングが可能なウェットエッチングが採用されている。また、絶縁膜のパターニングにはドライエッチングが採用されている。
特開2005−100711号公報 Tang et al, Appl.Phys.Lett., 51,913 (1987)
上記従来技術において、モリブデン膜のウェットエッチングによるパターニングで配線電極を形成した場合、モリブデンが柱状晶を形成するため、配線電極200の断面は図4に示すようにガラス基板100に対してほぼ垂直な急峻な立上り面を有する。このようなガラス基板に対して急峻な立上り面を有する配線電極上に絶縁膜400を形成した場合、配線電極に密着した絶縁膜を形成することが極めて困難であり、絶縁不良の原因となっている。
また、配線電極上の絶縁膜に反射電極600接続用の開口部410をSFやCFなどのフッ素系ガスをエッチングに用いたドライエッチングにより形成する場合、モリブデンとシリコン酸化膜やシリコン窒化膜とのエッチングレートの差が小さく、広い面積で反射電極と配線電極との一様な接合を得ることのできる開口部を形成することが困難である。
本発明は、絶縁膜との密着性に優れ、かつ、絶縁膜の開口部形成を容易とする配線電極を提供することを目的とする。また、該配線電極を設けた有機EL表示装置およびその製造方法を提供することを別の目的とする。
本発明者等は、配線電極の立上り面が支持基板面に対して緩やかに傾斜した断面形状が台形状である配線電極とすることにより、その上に形成される絶縁膜との密着性が改善されることに着目して鋭意研究した結果、配線電極材料を非晶質合金とすることにより、ウェットエッチングにより断面形状が台形状の配線電極を形成できること、ならびに、前記非晶質合金としてモリブデン、クロムおよびボロンを含有する合金が、絶縁膜のドライエッチングによる開口部形成に際して、絶縁膜とのエッチングレート差が大きく好適であることを見出し、本発明を完成した。
本発明の有機EL表示装置用配線電極は、有機ELディスプレイ表示装置の支持基板上に配置された反射電極とのコンタクト機能および/またはその他の補助電極機能を有する薄膜状の配線電極であって、該配線電極は立上り面が支持基板面に対して緩やかに傾斜した台形状の断面形状を有する、モリブデン、クロムおよびボロンを含む非晶質合金膜からなることを特徴とする。
前記非晶質合金は、クロム3〜10原子%、ボロン10〜25原子%、ならびに残部モリブデンおよび不可避的不純物からなることが好ましい。
本発明の有機EL表示装置は、支持基板、支持基板上に配置された薄膜状の配線電極およびパターン化されて配置された透明電極、前記配線電極上および透明電極パターン間に配置された絶縁膜、前記透明電極上に積層された有機EL発光層、および有機EL発光層上にパターン化されて配置された反射電極を備えた有機EL表示装置であって、前記反射電極とのコンタクト機能および/またはその他の補助電極機能を有する配線電極が、モリブデン、クロムおよびボロンを含有する非晶質合金膜からなることを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置の製造方法は、支持基板上にモリブデン、クロムおよびボロンを含有する非晶質合金膜を形成し、エッチングして配線電極を形成する工程、支持基板上に透明導電膜を形成し、エッチングして透明電極のパターンを形成する工程、前記透明電極パターンを含む表示領域および配線電極上に絶縁膜を形成し、エッチングして透明電極パターン間の絶縁隔壁および配線電極上の絶縁膜に反射電極コンタクト用の開口部を形成する工程、絶縁隔壁間の透明電極パターン上に有機EL発光層を積層する工程、および表示領域上に前記透明電極に直交するパターンを有し、一端が配線電極上に設けた開口部に達する反射電極を形成し、反射電極パターンのそれぞれと配線電極のそれぞれとを反射電極コンタクト用の開口部を通して接続する工程、全体を封止する工程を含み、前記非晶質合金膜のエッチングとしてウェットエッチングが採用され、また、絶縁膜のエッチングとしてドライエッチングが採用されることを特徴とする。
本発明において、有機EL表示装置用の配線電極材料として、モリブデン、クロムおよびボロンを含有する非晶質合金を採用したことにより、従来の金属モリブデンを用いた電極よりも導電性は若干劣るものの、ウェットエッチングにより、その上に形成される絶縁膜との密着性を改善することが可能な支持基板面に対して緩やかな傾斜の立上り面を有する配線電極を形成することができる。
また、配線電極材料として上記モリブデンにクロム、ボロンを含有する非晶質合金を採用したことによりドライエッチングによる配線電極とその上に形成される絶縁膜のエッチングレートの選択比が拡大される結果、ドライエッチングにより、配線電極上の絶縁膜に反射電極コンタクト用の開口部を安定して形成することができる。
本発明の有機EL表示装置の構成を示す図1および図2、ならびに該装置が備える配線電極部分の縦断面を示す図3に基づいて説明する。図1は本発明の有機EL表示装置の部分平面図および図2はその断面図である。
本発明の有機EL表示装置は、図1および2に示したように、支持基板100、支持基板100上に配置された配線電極200、支持基板100上にパターン化されて配置されている透明電極300、透明電極300のパターン間に形成された絶縁隔壁および配線電極上の絶縁膜400、透明電極300上に積層された有機EL発光層500、および前記絶縁隔壁および絶縁膜400上にパターン化されて配置され、前記配線電極200上の絶縁膜400に設けられた反射電極コンタクト用の開口部410を通して配線電極200に接続している反射電極600を備える。
配線電極200
配線電極200は、モリブデン、クロムおよびボロンを含有する非晶質合金膜からなり、図3に示したように、立上り面が支持基板100面に対して緩やかに傾斜した台形状の断面形状を有し、有機EL表示装置の反射電極とのコンタクト機能および/またはその他の補助電極機能を有する。
上記非晶質合金膜は、クロム3〜10原子%、好ましくは5〜8原子%、およびボロン10〜25原子%、好ましくは13〜20原子%を含有し、残部がモリブデンおよび不可避的不純物からなる。
クロムは、SFやCFなどのフッ素系エッチングガスによるドライエッチングに対する配線電極膜と絶縁膜とのエッチングレートの選択比の向上のためにモリブデンに添加される成分であり、クロムの含有量が過少であると、配線電極膜と絶縁膜とのエッチングレートの選択比の向上が見込めず、一方、過大になると電気抵抗が大きくなるので、配線電極材料として好ましくない。
ボロンは、モリブデン/クロム合金を非晶質化すると共にその融点を低下させるために添加される成分であり、ボロンの含有量が前記範囲外では配線電極膜が結晶化し、ウェットエッチングにより形成した配線電極の立上り面がガラス基板に対して垂直に近い急峻な角度を有するようになり、その上に被覆される絶縁膜との密着性が損なわれるので好ましくない。
配線電極200の立上り面の支持基板100面に対する角度が大きい、すなわち立上り面が支持基板100面に対して急峻な角度を有する場合、配線電極との密着性に優れた絶縁膜の形成が困難となり、一方、小さ過ぎると配線電極間の間隔の拡張が要求されるので好ましくない。立上り面の支持基板面に対する角度は、好ましくは20〜60度、さらに好ましくは25〜45度である。
上記立上り面が支持基板面に緩やかに傾斜した台形状の配線電極200は、支持基板100上に、上記非晶質合金膜を蒸着した後、エッチング液として混酸を用いフォトエッチングするウェットエッチングにより形成される。
支持基板100
支持基板100として、ガラス、透明プラスチックなどの透明基板、およびフルカラーまたはマルチカラー表示用の透明基板上に積層された最上層にパッシベーション層を有する色変換フィルタ層を採用することができる。
透明電極300
支持基板100上にパターン化して配置された透明電極300は、ストライプ状のパターンを有し、支持基板100上に被覆された透明導電膜、たとえばITO膜(インジウム含有酸化スズ膜)、IZO膜(インジウム含有酸化亜鉛膜)など、をエッチングすることにより形成される。
絶縁膜400
絶縁膜400は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などからなる透明電極300のパターン間の絶縁隔壁、および配線電極200の被覆絶縁膜を構成する。配線電極200上の被覆絶縁膜には、反射電極600コンタクト用の開口部410が設けられる。このような絶縁膜400は、配線電極200および透明電極300を形成した支持基板100上のほぼ全面に前記絶縁膜を形成した後、SFやCFなどによるドライエッチングにより、透明電極300の上面を露出させ透明電極間に絶縁隔壁が、配線電極200上の絶縁膜に反射電極600コンタクト用の開口部410が形成される。
有機EL発光層500
有機EL発光層500は、陽極(透明電極300)−陰極(反射電極600)間に電圧が印加されたとき、近紫外ないし可視領域の蛍光を発する有機蛍光物質を含む有機発光層を少なくとも含む層である。
具体的には、陽極−陰極間に下記の層構成を有するものが採用され、透明電極上に各層を順次積層することにより形成される。
陽極/有機発光層/陰極、
陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極、
陽極/有機発光層/電子注入層/陰極、
陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極、
陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極、
陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
有機発光層用の青色から青緑色の蛍光を発する有機蛍光物質として、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などの公知の化合物が使用される。
また、白色光を含む種々の波長域の蛍光を発する有機発光層として、ホスト化合物、たとえば、ジスチリルアレーン系化合物、N,N´−ジトリル−N,N´−ジフェニルビフェニルアミン(TPD)アルミニウムトリス(8−キノリノラート)(Alq)などに、ドーパント、たとえばベリレン(青紫色)、クマリン6(青色)、キナクドリン系化合物(青緑色〜緑色)、ルブレン(黄色)、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(DCM,赤色)、白金オクタエチルポルフィリン錯体(PtOEP、赤色)などを添加した有機発光層を使用してもよい。
反射電極600
反射電極600は、絶縁隔壁400および有機EL発光層500上にパターン化して配置されると共に、その一端は前記配線電極200上の絶縁膜400に設けられた開口部410に達し、開口部410を通して配線電極200に接続される、アルミニウム、銀など導電性に優れかつ高反射率を有する金属で構成される。
反射電極600は、有機EL発光層500および絶縁隔壁400上に透明電極300のパターンと直行し、かつ一端が配線電極200上の絶縁膜400に設けた開口部400に達するパターンを有するパターンマスクを用い、反射電極400用の金属膜をを蒸着することにより形成される。
本発明を、下記実施例および比較例によりさらに詳細に説明する。
実施例1(配線電極)
ガラス基板上に、モリブデン80原子%、クロム5原子%およびボロン15原子%を含む非晶質合金を300nmの厚さにスパッタ製膜し、硝酸2重量%、リン酸70重量%および酢酸10重量%からなる混酸をエッチング液としてウェットエッチングを行い線幅2mmの短冊状の配線電極、実施例試料を5mmピッチで形成した。
また、上記非晶質合金に代えて、モリブデンおよびモリブデン95原子%とクロム5原子%とを含む合金を用い、前記と同様に処理して比較用の配線電極、比較試料1および2を形成した。なお、実施例試料、比較試料1、2のそれぞれについて2枚筒配線電極形成基板を作製した。
上記で得られた配線電極の各試料のうち1枚を、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜のドライエッチングに用いるSFベースのエッチングガスを用い、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜の通常のエッチング時間の3倍の4分30秒間をかけて直接エッチングした。ドライエッチング前後の配線電極の膜厚を接触式段差計を用いて測定し、残膜率を算出した。各試料の残膜率を、配線電極の立上り面とガラス基板とのなす角度、および4端子法により測定した各試料の比抵抗と共に表1に示す。なお、配線電極の立上り面角度は、配線電極形成基板の各1枚づつを抜き取り、配線電極基板を切断した断面SEM像により測定した。比抵抗は配線電極パターニング前のベタ膜で測定した。
Figure 2008117697
表1に示したように、本発明の非晶質合金を用いた実施例試料は、ウェットエッチングにより立上り面がガラス基板表面に対して緩やかな傾斜を有する配線電極を形成できることを示す。また、通常の絶縁膜のエッチングガスによるエッチングにおいて、配線電極と絶縁膜のエッチングレートの選択比が大きいことを示す。一方、配線電極の比抵抗が大きいことを示すが、配線電極の膜厚を厚くすることでそれを補うことができる。
実施例2(有機EL表示装置)
配線電極200の形成
100mm平方のガラス基板100上に、実施例1で用いた非晶質合金(80Mo5Cr15B)を500nmの膜厚で製膜し、実施例1と同様の方法でウェットエッチングを行い、基板の端部に線幅220nm×長さ20mmの短冊状の配線電極200を、300μmピッチで160本形成した。形成された配線電極は、図3に示す断面構造を有していた。
透明電極300の形成
上記配線電極200を形成した基板100上に、透明導電膜としてITO膜を200nmの膜厚に製膜し、フォトエッチングにより線幅90μm×長さ80mmの透明電極300を、配線電極200と直行する方向に100μmピッチで480本形成した。
絶縁膜(絶縁隔壁および配線電極上絶縁被膜)400の形成
上記配線電極200および透明電極300を含む基板上に、シリコン酸化膜を300nmの膜厚にスパッタ製膜し、SFを用いて2分間ドライエッチングし、透明電極300のパターンに沿って80μm×200μmの窓を形成して透明電極300の上面を露出させ、透明電極300のパターン間に絶縁隔壁を形成した。また同時に、配線電極200上の絶縁被膜の透明電極300のパターンに近い方の端部に180μm×5mmの反射電極600コンタクト用の開口部を形成し配線電極200の上面を露出させた。さらに、基板外周部を5mm幅で前面露出させた。
有機EL発光層500の形成
上記配線電極200、透明電極300および絶縁膜400を形成した基板を、抵抗加熱蒸着装置内に装着し、真空槽内を1×10−4Paに減圧し、真空を破らずに正孔注入層を100nm、正孔輸送層を20nm、有機発光層を30nmおよび電子注入層を20nmをそれぞれ順次積層し有機EL発光層500を形成した。
正孔注入層として銅フタロシアニン(CuPc)を、正孔輸送層として4,4´−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を、有機発光層として4,4´−ビス(2,2´−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を、電子注入層としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体(Alq)を積層した。使用した各材料の化学構造を表2に示す。
Figure 2008117697
反射電極600の形成
引き続き、透明電極300のパターンと直行する幅250μm、ピッチ300μm(間隔50μm)のストライプパターンが得られるマスクを用い、真空を保持したままMg/Ag(質量比10/1)からなる膜厚200nmの反射電極600を、配線電極200コンタクト用の開口部410に重なるように形成した。
次いで、得られた有機EL発光素子をグローブボックス内に移設し、酸素および水分濃度が共に10ppm以下の乾燥窒素雰囲気下、封止ガラスとUV接着剤を用いて封止し、簡易有機EL表示装置を製造した。
比較例1(有機EL表示装置)
前記実施例2において、配線電極200として300nmの膜厚のモリブデンを形成し、絶縁膜400のエッチング時間を1分30秒とした以外は、前記実施例2と同様に処理し比較用の有機EL表示装置を製造した。形成された配線電極は、図4に示す断面構造を有していた。
実施例2および比較例1において製造された有機EL表示装置の配線電極200と反射電極600との接続状況を、配線電極部の消失による断線数および配線電極上の絶縁膜残りによる断線数として調査した。調査結果を表3に示す。
Figure 2008117697
表3は、従来のモリブデンを用いた配線電極の採用は、その上に被覆された絶縁膜のドライエッチングにおいて、配線電極上に絶縁膜残りがないようなエッチングを行うと、配線電極までがエッチングされ消失してしまうことを示す。この比較例に対しモリブデン、クロムおよびボロンを含有する非晶質合金を採用した本発明の表示装置においては、絶縁膜のエッチングに配線電極上の絶縁膜の残り解消できる十分なエッチング時間を掛けても、配線電極と絶縁膜とのエッチングレートの差が大きいため、配線電極の消失が防止される。
本発明は、モリブデン、クロムおよびボロンを含有する非晶質合金からなる配線電極を提供する。前記非晶質合金の採用により、絶縁膜による被覆性に優れた配線電極をウェットエッチングにより広い範囲に安定して形成することが可能となり、また、この配線電極はガスエッチングによる絶縁膜とのエッチングレートの差が大きくエッチングされ難いことから、配線電極上に被覆された絶縁膜への開口部の形成を容易とする。
本発明においては、前記配線電極の採用により、有機EL表示装置の製造コストの大幅な引き下げ、および安価な大面積有機EL表示装置の提供が可能になり、その産業的、特に当該分野における意義はきわめて大きい。
本発明の有機EL表示装置の部分平面図である。 本発明の有機EL表示装置の層構成を示す断面図である。 本発明の有機EL表示装置の配線電極部の断面図である。 従来の有機EL表示装置の配線電極部の断面図である。
符号の説明
100 支持基板
200 配線電極
300 透明電極
400 絶縁膜
410 配線電極上の絶縁膜の開口部
500 有機EL発光層
600 反射電極

Claims (8)

  1. 有機EL表示装置の支持基板上に配置された、反射電極とのコンタクト機能および/またはその他の補助電極機能を有する薄膜状の配線電極であって、該配線電極は立上り面が支持基板面に対して傾斜した台形状の断面形状を有する、モリブデン、クロムおよびボロンを含む非晶質合金膜からなることを特徴とする表示装置用配線電極。
  2. 前記非晶質合金が、クロム3〜10原子%、ボロン10〜25原子%、ならびに残部モリブデンおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用配線電極。
  3. 支持基板、支持基板上に配置された薄膜状の配線電極およびパターン化されて配置された透明電極、前記配線電極上および透明電極パターン間に配置された絶縁膜、前記透明電極上に積層された有機EL発光層、および有機EL発光層上にパターン化されて配置された反射電極を備えた有機EL表示装置であって、前記反射電極とのコンタクト機能および/またはその他の補助電極機能を有する配線電極が、モリブデン、クロムおよびボロンを含有する非晶質合金膜からなることを特徴とする有機EL表示装置。
  4. 前記非晶質合金が、クロム3〜10原子%、ボロン10〜25原子%、ならびに残部モリブデンおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項3に記載の有機EL表示装置。
  5. 支持基板上にモリブデン、クロムおよびボロンを含有する非晶質合金膜を形成し、エッチングして配線電極を形成する工程、支持基板上に透明導電膜を形成し、エッチングして透明電極のパターンを形成する工程、前記透明電極パターンを含む表示領域および配線電極上に絶縁膜を形成し、エッチングして透明電極パターン間の絶縁隔壁および配線電極上の絶縁膜に反射電極コンタクト用の開口部を形成する工程、絶縁隔壁間の透明電極パターン上に有機EL発光層を積層する工程、および表示領域上に前記透明電極に直交するパターンを有し、一端が配線電極上に設けた開口部に達する反射電極を形成し、反射電極パターンのそれぞれと配線電極のそれぞれとを反射電極コンタクト用の開口部を通して接続する工程、を含み、前記非晶質合金膜のエッチングとしてウェットエッチングが採用され、また、絶縁膜のエッチングとしてドライエッチングが採用されることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  6. 前記非晶質合金が、クロム3〜10原子%、ボロン10〜25原子%、ならびに残部モリブデンおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項5に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  7. 前記非晶質合金膜のウェットエッチングに、エッチング液として混酸を用いることを特徴とする請求項5または6に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  8. 前記絶縁膜のドライエッチングに、エッチングガスとしてフッ素系エッチングガスを用いることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか一項に記載の有機EL表示装置の製造方法。
JP2006301539A 2006-11-07 2006-11-07 表示装置用配線電極、有機el表示装置およびその製造方法 Withdrawn JP2008117697A (ja)

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