JP2006351553A - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機機能層を、水分、酸素、有機溶媒などから保護する。
【解決手段】有機EL表示装置は、基板1表面に、端子電極3と、第1の電極2と、その一部を覆う絶縁層4と、発光層を含む有機機能層5と、少なくとも1層の導電層からなる第2の電極6とをこの順で有する。第2の電極6を構成する導電層の少なくとも1層が、端子電極3の少なくとも一部と接触する配線層62であり、この配線層62の端部の勾配が、少なくとも端子電極3付近で0.1以下である。
【選択図】図2
【解決手段】有機EL表示装置は、基板1表面に、端子電極3と、第1の電極2と、その一部を覆う絶縁層4と、発光層を含む有機機能層5と、少なくとも1層の導電層からなる第2の電極6とをこの順で有する。第2の電極6を構成する導電層の少なくとも1層が、端子電極3の少なくとも一部と接触する配線層62であり、この配線層62の端部の勾配が、少なくとも端子電極3付近で0.1以下である。
【選択図】図2
Description
本発明は、ディスプレイや光源などに利用される有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に関する。
有機EL素子は、ガラス等からなる基板上に、第1の電極と、発光層を含む有機機能層と、第2の電極とを積層した基本構成を有する素子である。
有機EL素子を用いた表示デバイスは、現在主流のフラットパネルディスプレイである液晶ディスプレイに対し、以下のような優位性を持つ。
1)自発光であるために視野角が広いこと
2)2〜3ミリの薄さのディスプレイが容易に製造可能であること
3)偏光板を使わないことから発光色が自然であること
4)明暗のダイナミックレンジが広いため、表示が鮮明で生々しいこと
5)広い温度範囲で動作すること
6)応答速度が液晶より3桁以上速いため容易に動画表示が可能であること
7)10V前後の電圧で数100〜1000cd/cm2程度の極めて高い輝度が得られること
2)2〜3ミリの薄さのディスプレイが容易に製造可能であること
3)偏光板を使わないことから発光色が自然であること
4)明暗のダイナミックレンジが広いため、表示が鮮明で生々しいこと
5)広い温度範囲で動作すること
6)応答速度が液晶より3桁以上速いため容易に動画表示が可能であること
7)10V前後の電圧で数100〜1000cd/cm2程度の極めて高い輝度が得られること
しかし、EL素子には、有機機能層が水分や酸素などにより劣化しやすいこと、有機機能層が有機溶媒に溶けやすいこと、また、熱に弱いこと等の製造上の難題がある。このため、第1の電極、有機機能層および第2の電極からなる発光部積層体を、安定な材料からなる封止手段(樹脂膜、金属膜、無機膜、ガラス板等)で封止することが通常行われている。
有機EL素子を表示デバイスに適用する場合には、外部回路と接続するための端子電極を封止手段の外側に設け、第2の電極と端子電極とを接続する構成とするのが一般的である。
第2の電極を封止手段の外部に引き出すためには、通常、いわゆるマスク成膜と呼ばれる方法を用いる。マスク成膜とは、膜形成領域を制限するための遮蔽部を有するマスクを基板または装置に設置して成膜を行うことにより、基板上の所望の領域に膜を形成する方法である。
この方法を用いると、次のような手順で第2の電極と端子電極とを接続することができる。まず、有機機能層形成領域に対応する開口を有するマスクを用いて基板に有機機能層を形成する。このとき、端子電極の少なくとも一部がマスクの遮蔽部に覆われるようにする。この後、第2の電極を形成する前までに、第2の電極形成領域に対応する開口、すなわち有機機能層形成に用いたマスクよりも大きな開口を有するマスクへの交換を行い、第2の電極を形成する。これにより、有機機能層形成領域を越えて第2の電極が形成され、第2の電極と端子電極とを接続することができる。
しかし、有機機能層形成後にマスクを付け替える方法には、次のような問題がある。
マスクの付け替えは、通常は人手で行うため、大気中で行うことになる。例えば、第2の電極自体を配線層として用いる場合には、有機機能層を形成した後に、いったん大気中に戻してマスクの付け替えを行い、再び真空成膜装置に戻して第2の電極を形成する。この方法では、大気中に曝露された有機機能層表面に水分が吸着したり層中に取り込まれたりするために、第2の電極と有機機能層との界面の密着性が劣化したり、電気的な接続性が悪くなって発光させるときの駆動電圧が高くなったりするという問題がある上に、発光面の縁や発光面中に非発光領域が増加するという欠陥、いわゆるダークスポットが発生してしまう。また、塵埃が有機機能層上に乗りやすく、そこからやはりダークスポットが発生することも大きな欠点であった。
真空を破らなくてもすむようにロボット等を用いてマスクの付け替えをすることも不可能ではないが、真空中における位置あわせ機構が非常に大掛かりになり、成膜装置が高価なものになってしまう。また、こうした位置あわせ機構を用いない場合は、位置ずれが起こるために広いマージンを設ける必要がある。このため、表示装置使用者からみて発光しない部分であり、いわば不必要といえる領域が大きいものになってしまう。さらに、1枚の基板上に多数の表示装置を作り込む場合、広いマージンを設けることは取り数が減ることに直接繋がるため、1表示装置あたりの製造コストが高くなってしまう。
さらにほかの方法として、マスクを装置側に設置する方法があるが、やはり広いマージンを必要とすることや、多数回の成膜にわたってマスクを使用するために塵埃の発生が非常に多く、歩留まりを落とす要因となっていた。歩留まり向上のためには常に清浄度の高いマスクを使用することが望ましいといえる。
本発明はこうした状況を鑑みてなされたものである。本発明の目的は、基板表面に端子電極と発光部積層体とを有し、発光部積層体が、第1の電極、発光層を含む有機機能層および第2の電極を有するものである有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、有機機能層を、水分、酸素、有機溶媒などから保護することである。
上記目的は、下記(1)の構成により達成される。
(1) 基板表面に、発光部積層体と端子電極とを有し、発光部積層体が、第1の電極と、第1の電極の一部を覆う絶縁層と、発光層を含む有機機能層と、少なくとも1層の導電層からなる第2の電極とをこの順で有するものであり、第2の電極を構成する導電層の少なくとも1層が、端子電極の少なくとも一部と接触する配線層であり、この配線層の端部の勾配が、少なくとも端子電極付近で0.1以下である有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
(1) 基板表面に、発光部積層体と端子電極とを有し、発光部積層体が、第1の電極と、第1の電極の一部を覆う絶縁層と、発光層を含む有機機能層と、少なくとも1層の導電層からなる第2の電極とをこの順で有するものであり、第2の電極を構成する導電層の少なくとも1層が、端子電極の少なくとも一部と接触する配線層であり、この配線層の端部の勾配が、少なくとも端子電極付近で0.1以下である有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
図1および図2により、本発明の製造方法を模式的に説明する。図1の(a)〜(f)は、製造工程において有機EL表示装置を基板1表面側から見た平面図であり、図2の(a)〜(f)は、それぞれ図1に示すA−A線〜F−F線における断面図である。ただし、この断面図には断面の端面だけを表示してある。なお、以降に説明する断面図についても同様である。
まず、各図の(a)に示すように、基板1上に第1の電極2および端子電極3を形成する。ここでは第1の電極2を形成する際のマスキングないし第1の電極2形成後のエッチングにより、第1の電極2と同時に端子電極3を形成したが、第1の電極2とは別の導電層を形成して端子電極3としてもよい。
次に、各図の(b)に示すように、第1の電極2上の非発光部となる領域に絶縁層4を形成する。絶縁層4は、後に成膜される第2の電極6に第1の電極2が接触してしまうことを防ぐために設けられる。両電極が接触するということは、本来分離されるべき有機EL素子のカソードとアノードとが電気的に短絡することを意味するので、絶縁層4を設ける必要がある。なお、第1の電極2において絶縁層4の右側に延びている領域は、第1の電極2と外部回路とを接続するための端子部21である。
次いで、各図の(c)に示すように、マスク8に基板1を装着する。図示するように、マスク8は、開口の大きさの異なる遮蔽部81と基部82とから構成される。小さな開口を有する遮蔽部81は、成膜される材料が飛来してくる側(図示例では下側)に存在し、成膜材料の遮蔽を担う。一方、小さな開口を有する基部82は、基板1側に存在し、遮蔽部81と基板1との距離を一定に保つ。成膜材料の回り込みの幅は、「遮蔽部81と基板1との距離」と「成膜方法」とで決まる。有機機能層5をほぼマスクの開口パターンどおりに成膜し、かつ配線層62の回り込みを十分に確保するためには、遮蔽部81裏面(基板1側の面)と基板1表面との距離を、0.1〜5mmとすることが好ましく、0.3〜1.5mmとすることがより好ましい。ただし、自動搬送装置が基板1を取り回し難くならないように、基板1の厚さとマスク8の厚さとの合計(基板1裏面からマスク8表面までの距離)を5mm以下とすることが好ましく、3mm以下とすることがより好ましい。なお、マスク8としては、通常、樹脂からなるプラスチックマスクや、SUS、Ti、Al等の金属からなるメタルマスクを用いる。
通常の真空蒸着法を用いた場合には、基板1に飛来する蒸着物質は遮蔽部81により遮蔽される。一般的な真空蒸着法では、概ね遮蔽部81の開口部分と同じサイズのパターンの蒸着膜が形成される。すなわち、一般的な真空蒸着法は段差被覆性が悪く、蒸着物質の回り込みはほとんどない。したがって、真空蒸着法により有機機能層を形成すれば、マスク8の遮蔽部81の開口に応じたパターンの有機機能層5が形成される。
有機機能層5形成後、マスク8を交換せず、かつ真空を破らずに、続いて第2の電極6を形成する。図2の(d)および(e)に示すように、図示例における第2の電極6は、有機機能層5の表面に形成される電極層61と、この表面に形成される配線層62とからなる。電極層61は、通常、仕事関数が小さい金属を含有するものである。したがって、電極層61は、その表面に形成される配線層62によって完全に被覆されるように、段差被覆性の悪い真空蒸着法により形成することが好ましい。このような方法により形成された電極層61は、図2の(d)に示されるように、有機機能層5とほぼ同じパターンとなる。電極層61形成後、真空蒸着法よりも回り込みのよい方法、具体的には段差被覆性のよい方法により、配線層62を形成する。このような方法により形成された配線層62は、図2の(e)に示すように、有機機能層5および電極層61の形成パターンを越えてマスク8の基部82側に回り込み、端子電極3と接続されることになる。配線層62構成材料には、電極層61構成材料よりも安定な金属を用いるので、第2の電極6の端子電極3との接続部は、安定な金属から構成されることになる。なお、電極層61および配線層62はいずれも、組成の異なる複数の層から構成されていてもよい。
図示例では、マスク8の遮蔽部81全域が基板1と離れているため、有機機能層5および電極層61が配線層62に完全に覆われることになる。ただし、配線層62を端子電極3に接続するためには、遮蔽部81の開口近傍全域において基板1との間に空間を設ける必要はなく、遮蔽部81と端子電極3の少なくとも一部との間に空間を設けるだけでよい。
各図の(f)は、配線層62形成後にマスク8をはずした状態を示すものである。
以上では、第2の電極6として2層構成のものを用い、そのうち1層を配線層62とする例を説明したが、2層共に回り込みのよい方法で形成した場合でも、上記例と同様にマスク8の交換が不要となる効果および有機機能層5を保護する効果が得られる。また、第2の電極を3層以上の層から構成し、そのうちの少なくとも1層を回り込みのよい成膜方法で形成して配線層とすることによっても、同様な効果が得られる。さらに、陰極または陽極と配線層とを兼ねる単層の導電層を第2の電極とし、これを回り込みのよい方法で成膜した場合でも同様な効果が得られる。ただし、前述したように、「仕事関数が小さい金属を含有する電極層」の表面に、より安定な材料からなる導電層を形成する場合には、安定な導電層に傷が付いて電極層が露出すると腐食しやすくなるため、「仕事関数が小さい金属を含有する電極層」よりも安定な導電層だけを配線層とすることが好ましい。
図1および図2では、開口サイズが異なる2枚の部材を貼り合わせたマスク8を例に挙げたが、この構成のマスクに限らず、開口が基板側よりも基板と反対側のほうが大きいマスクであれば、どのような構造のものであってもよい。このようなマスクとしては、開口を形成する遮蔽部の内周側面に段差ないし傾斜を設けたマスクが挙げられる。具体的には、図1、図2に示すマスク8のほか、例えば図3に示すようなマスク8を用いてもよい。図3(a)に示すマスク8は、外形形状は図2に示すマスク8と同様であるが、1枚の板状体を形状加工することにより遮蔽部81と基部82とを設けたものである。また、図3(b)は、1枚のマスク8の開口部内周側面を、基板1側の開口が大きくなるようにテーパー状に加工したものである。
上述した段差被覆性の良好な方法により形成された配線層は、その端部の勾配が、通常、0.1以下と極めて小さいものとなる。なお、図4(a)に示すように、配線層62端部の勾配は、水平方向位置の変化量hに対する垂直方向位置の変化量vの比v/hで表される。これに対し、配線層の形成に有機機能層形成に用いた方法と同様な段差被覆性の悪い方法、例えば通常の蒸着法を用いた場合には、v/hは、通常、0.5以上と大きくなる。したがって、配線層端部の勾配およびその勾配の始まる位置を調べることにより、有機機能層形成工程と配線層形成工程との間でのマスク交換の有無を判断することができる。
上記説明において段差被覆性の良好な方法として挙げたスパッタ法では、スパッタガスの圧力が高ければ、ターゲットから飛散した粒子がスパッタガスと衝突して散乱される頻度が高くなるため、段差被覆性が向上する。ターゲットから飛散した粒子が基板に到達するまでに少なくとも平均して1回はスパッタガス原子と衝突するように、言い換えると飛散粒子の平均自由行程がターゲットと基板との間の距離よりも短くなるようにスパッタガス圧力を選択することが好ましい。一方、スパッタガスの圧力が高すぎると、ターゲットから飛散した粒子が散乱されすぎ、また、ターゲットに印加される電圧が低下してしまうため、成膜速度が低くなってしまう。したがって、スパッタガスの圧力は、段差被覆性と成膜速度とを考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは2×10−4〜2×10−2Torrとし、より好ましくは1×10−3〜1×10−2Torrとする。なお、スパッタガスには、通常、Arが用いられる。したがって、成膜にスパッタ法を用いたことは、層中のAr量を測定することにより確認できる。スパッタ法により形成された層中のAr含有量は、通常、0.01〜15原子%程度である。一方、蒸着法を用いた場合には、層中にはArが実質的に含有されない。
段差被覆性の良好な方法としては、スパッタ法のほか、プラズマCVD法や光CVD法などが挙げられ、本発明ではこれらの方法を用いてもよい。また、真空蒸着法において、蒸着雰囲気中にAr等の不活性ガスを導入すれば、段差被覆性を向上させることができるので、配線層の形成に利用することができる。ただし、生産性および均一性が最も高くなることから、スパッタ法を用いることが最も好ましい。
また、このように、真空蒸着法でも蒸着時の雰囲気圧力が高いと段差被覆性が良好となってしまうので、段差被覆性を悪くする必要のある場合には、蒸着時の圧力を好ましくは1×10−5Torr以下、より好ましくは1×10−6Torr以下とする。
第1の電極2の側端面は、基板1に垂直ではなく勾配をもつことが好ましい。これは、第1の電極2の側端面において、後に蒸着法などにより形成される薄膜の被覆性が悪くなることを防ぎ、歩留まりと寿命とを向上させるためである。図4(b)において第1の電極2の側端面と基板1表面とのなす角度θ(以後、テーパ角という)は、60°以下であることが好ましい。テーパ角の小さな段差を造り込むこと自体は、ウェットエッチング、ドライエッチングのいずれの方法でも可能である。例えばウェットエッチングでは等方的にエッチングが進むため、オーバーエッチング時間を多く取りすぎなければテーパ角を自然に60°程度以下とでき、45°以下とすることも容易である。また、ドライエッチング法でも、レジストのドライエッチングによる後退を利用する方法、すなわちレジストのテーパ角を転写するようにドライエッチングガスやRF投入電力、ガス圧力などのエッチング条件を選べば、20〜30°のテーパー角は容易に得ることができる。このときのドライエッチングガスとしては、塩化水素、ヨウ化水素等のハロゲン化水素ガスや、臭素ガス、あるいはメタノールなどが使われる。
次に、有機EL表示装置の各部について詳細に説明する。
基板本発明の有機EL表示装置では、有機機能層による発光光を基板を通して取り出す構成とすることも可能であり、また、基板と反対側から取り出す構成とすることも可能であるが、発光光を基板側から取り出す構成の場合には、基板にはガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明な材料を用いる。基板には、安価なソーダガラスを用いることができるが、この場合、基板全面をシリカコートすることが好ましい。シリカコートは、酸やアルカリに弱いソーダガラスを保護する役割を持ち、さらに基板の平坦性をよくする効果も示す。
なお、基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御してもよい。
基板と反対側から発光光を取り出す構成の場合は、基板は不透明であってもよい。この場合、アルミナ等のセラミックス、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
第1の電極および第2の電極通常は、第1の電極を陽極とし、第2の電極を陰極とするが、逆であってもよい。
陽極発光光を陽極を通して取り出す場合、発光光の透過率が好ましくは80%以上となるように陽極の材質および厚さを選択する。具体的には、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、SnO2、ドーパントをドープしたポリピロールなどを陽極に用いることが好ましく、特にITOを用いることが好ましい。陽極の厚さは、10〜500nm程度とすることが好ましい。陽極の形成方法は特に限定されないが、大面積の膜を均一な厚さに形成することが容易であることから、スパッタ法を用いることが好ましい。
陽極発光光を陽極を通して取り出す場合、発光光の透過率が好ましくは80%以上となるように陽極の材質および厚さを選択する。具体的には、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、SnO2、ドーパントをドープしたポリピロールなどを陽極に用いることが好ましく、特にITOを用いることが好ましい。陽極の厚さは、10〜500nm程度とすることが好ましい。陽極の形成方法は特に限定されないが、大面積の膜を均一な厚さに形成することが容易であることから、スパッタ法を用いることが好ましい。
陰極陰極は、仕事関数が小さい金属、具体的には仕事関数が4eV以下の金属(合金および金属間化合物を含む)から構成されることが好ましい。仕事関数が大きすぎると、電子の注入効率が低下して、発光効率が低下する。
陰極形成に用いる材料としては、例えば、Li、Na、K等のアルカリ金属;Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属;La、Ce等の希土類金属;Al、In、Ag、Sn、Zn、Zr等が挙げられ、所望の仕事関数の陰極が得られるように、これらから少なくとも1種を選択すればよい。仕事関数が4eV以下の合金としては、例えばMg・Ag(Ag:1〜20原子%)、Al・Li(Li:0.5〜10原子%)、In・Mg(Mg:50〜80原子%)、Al・Ca(Ca:5〜20原子%)などが挙げられる。
陰極を第2の電極の少なくとも一部として用いる場合、要求される段差被覆性に応じて形成方法を適宜決定する。
陰極の厚さは、電子注入が十分に行えるように適宜決定すればよいが、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上である。陰極の厚さの上限は特にないが、通常、陰極は500nmを超える厚さとする必要はない。
配線層配線層を電極層(陰極または陽極)とは独立して設ける場合について説明する。
この場合、配線層構成材料は電極層構成材料よりも安定な導電性金属(合金および金属間化合物を含む)または導電性セラミックスから選択することが好ましい。具体的には、例えば、Ag、Al、Au、Cr、Mo、Pt、TiおよびWのいずれか、Cu、Mo、Sc、SiおよびWの少なくとも1種とAlとの合金、またはTiN、ZnO、SnO2もしくはIn2O3が好ましい。
配線層の厚さは、好ましくは30nm〜1μmであり、より好ましくは50nm〜0.5μmである。配線層が薄すぎると、配線層の段差被覆性が悪くなってしまい、配線層を端子電極に確実に接続することが難しくなる。一方、配線層が厚すぎると、配線層の応力が大きくなるため、ダークスポットの成長速度が高くなってしまう。
端子電極端子電極の構成材料は特に限定されず、例えばITO、TiN、Al等を用いればよい。ただし、第2の電極や保護層を形成した後、封止板等を接着剤により貼り合わせて封止する際に、接着剤として紫外線硬化型のものを用い、かつ基板側から紫外線を照射する場合には、端子電極を光透過率の高い材料から構成することが好ましい。この場合の電極材料としては、陽極の説明において挙げた各種材料が好ましい。通常は、第1の電極形成の際のパターニングにより、第1の電極と同時に端子電極を形成する。
絶縁層SiO2等の酸化ケイ素、 窒化ケイ素などの無機系材料をスパッタや真空蒸着で成膜したもの、SOG(スピン・オン・グラス)で形成した酸化ケイ素層、フォトレジスト、ポリイミド、アクリル樹脂などの樹脂系材料の塗膜など、絶縁性を有するものであればいずれであってもよい。ただし、絶縁層の下側にはITO等からなる第1の電極が存在するので、絶縁層形状にパターニングする際に第1の電極へダメージを与えないようなパターニングが可能な材料を用いることが好ましい。
絶縁層の厚さは特に限定されず、必要な絶縁性が得られるように材料に応じて適宜決定すればよいが、無機系材料を用いる場合には製造コストの面から薄いほうが望ましい。
発光層を含む有機機能層発光層は、正孔(ホール)および電子の注入機能、それらの輸送機能、正孔と電子との再結合により励起子を生成させる機能を有する。発光層には比較的電子的にニュートラルな化合物を用いることが好ましい。
有機機能層には、発光層のほかに正孔注入輸送層が含まれることが好ましい。正孔注入輸送層は、陽極からの正孔の注入を容易にする機能、正孔を輸送する機能および電子を妨げる機能を有する。このほか、必要に応じ、例えば発光層に用いる化合物の電子注入輸送機能がさほど高くないときなどには、発光層と陰極との間に電子注入輸送層を設ける構成とすることもできる。電子注入輸送層は、陰極からの電子の注入を容易にする機能、電子を輸送する機能および正孔を妨げる機能を有する。正孔注入輸送層および電子注入輸送層は、発光層へ注入される正孔や電子を増大させ、発光効率を改善する。
正孔注入輸送層は陽極と発光層との間に設けられ、電子注入輸送層は陰極と発光層との間に設けられる。
なお、正孔注入輸送層および電子注入輸送層はいずれも、注入機能を持つ層と輸送機能を持つ層とに分離して設けてもよい。
発光層の厚さ、正孔注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、特に限定されない。これらの厚さは、形成方法によっても異なるが、通常、5〜100nm程度とする。各層のキャリア移動度やキャリア密度(イオン化ポテンシャル・電子親和力により決まる)を考慮して各層の厚さを制御することにより、再結合領域・発光領域を自由に設計することができ、発光色の設計や、両電極の干渉効果による発光輝度・発光スペクトルの制御や、発光の空間分布の制御が可能である。
発光層には、発光機能を有する化合物である蛍光性物質を含有させる。蛍光性物質には、例えば、特開昭63−264692号公報等に開示されているようなトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の金属錯体色素を用いることができる。これに加え、あるいはこれに替え、キナクリドン、クマリン、ルブレン、スチリル系色素、その他テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体等を用いることもできる。発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。
電子注入輸送層には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の有機金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等を用いることができる。上述したように、電子注入輸送層は発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合にはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。
なお、電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層とに分けて設ける場合には、電子注入輸送層用の化合物のなかから好ましい組合せを選択して各層に用いることができる。このとき、陰極側から電子親和力の大きい化合物の層の順に積層することが好ましい。このような積層順については、電子注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。
正孔注入輸送層には、例えば、特開昭63−295695号公報、特開平2−191694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−234681号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−299174号公報、特開平7−126225号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−100172号公報、EP0650955A1等に記載されている各種有機化合物、例えば、テトラアリールベンジシン化合物(テトラアリールジアミンないしテトラフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン等を用いることができる。これらの化合物は2種以上を併用してもよい。併用するときには、別層にして積層したり、混合したりすればよい。
正孔注入輸送層を正孔注入層と正孔輸送層とに分けて設ける場合には、正孔注入輸送層用の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いることができる。このとき、陽極からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の層の順に積層することが好ましい。また、陽極表面に設けられる層には、均質な薄膜が形成可能な化合物を用いることが好ましい。このような積層順については、正孔注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。このような積層順とすることによって、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポットの発生・成長を防ぐことができる。また、蒸着法により形成する場合には、厚さ1〜10nm程度の薄い膜であっても均質かつピンホールフリーにすることができる。このため、イオン化ポテンシャルが小さく、可視部に吸収をもつような化合物を正孔注入層に用いた場合でも、発光色の色調変化や再吸収による効率の低下を防ぐことができる。
有機機能層を構成する各層の形成には蒸着法やスパッタ法を用いればよいが、上述したように特に蒸着法により形成することが好ましい。
保護層保護層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機材料であってもよく、フッ素樹脂等の有機材料であってもよい。
無機材料からなる保護層の厚さは、好ましくは10nm〜0.5μmであり、有機材料からなる保護層の厚さは、好ましくは10nm〜100μmである。保護層が薄すぎると封止効果が不十分となり、厚すぎると応力が大きくなるため、ダークスポットの成長速度が高くなってしまう。
保護層は蒸着法やスパッタ法により形成すればよいが、第2の電極の保護を十分に行うためには段差被覆性の良好な方法により形成することが好ましい。
封止保護層形成後、封止板を接着して、端子電極3の少なくとも一部を除く領域を基板1と封止板との間に密封する構造とすることが好ましい。これにより、湿気の侵入を防ぐことができ、機械的強度も高くなる。封止板の接着には、例えば、光硬化性接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体接着剤シート等を用いればよい。封止板には、ガラス、セラミックス、金属、樹脂等を用いればよい。
本発明の有機EL表示装置は、以上で説明した孤立型のものに限らず、単純マトリクス型や薄膜トランジスタ(TFT)型などの多画素構造のものにも適用できる。
本発明の有機EL表示装置は、通常、直流駆動されるが、交流駆動またはパルス駆動する構成としてもよい。印加電圧は、通常、5〜20V程度とされる。
実施例1
図5(a)に示すような、画素サイズが0.4mm×0.6mmのドットで構成された5ドット×8ドットのキャラクター表示領域が2行×16列あるタイプのドットマトリクス・ディスプレイを製造した例を示す。図5(a)には、キャラクター表示領域の拡大図、第1の電極2の端子部21の拡大図および第2の電極6と接続される端子電極3の拡大図も示してある。図5の(b)および(c)は、製造工程におけるマスク8の開口の位置を示すものであり、(b)は平面図、(c)は、(b)のC−C線における一部省略断面図である。ただし、(c)は、有機機能層形成前の状態を示す。
図5(a)に示すような、画素サイズが0.4mm×0.6mmのドットで構成された5ドット×8ドットのキャラクター表示領域が2行×16列あるタイプのドットマトリクス・ディスプレイを製造した例を示す。図5(a)には、キャラクター表示領域の拡大図、第1の電極2の端子部21の拡大図および第2の電極6と接続される端子電極3の拡大図も示してある。図5の(b)および(c)は、製造工程におけるマスク8の開口の位置を示すものであり、(b)は平面図、(c)は、(b)のC−C線における一部省略断面図である。ただし、(c)は、有機機能層形成前の状態を示す。
図6および図7は製造工程の説明図であり、分かりやすくするために、図5の領域Aの一部を拡大して示している。基板1表面側から見た平面図を図6の(a−1)〜(d−1)および図7の(a−1)〜(a−2)に示し、図6のA−A線〜D−D線および図7のA−A線、B2−B2線、B3−B3線における断面図を、それぞれ図6の(a−2)〜(d−2)および図7の(a−2)、(b−2)、(b−3)に示す。
基板1は、安価なソーダガラスの全面にシリカコートしたものを用いた。これは酸やアルカリに弱いソーダガラスを保護するためと、ガラス表面の平坦性をよくするためである。
次に、第1の電極2および端子電極3を形成するために、ITOからなる厚さ1000Aの透明導電層をスパッタ法により形成した。この透明導電層上にフォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成した後、不要部分をエッチングして除去し、次いでレジストを剥離して、図6の(a−1)および(a−2)に示すように第1の電極2および端子電極3とした。第1の電極2および端子電極3の側端面のテーパ角(図4(b)に示す角度θ)は、45°とした。このテーパ角を有する側端面は、HCl、HNO3および水の混合液からなるエッチング液で2分間エッチングすることにより形成した。
次に、図6の(b−1)および(b−2)に示すように、第1の電極2および端子電極3を覆う絶縁層4を基板1全面に形成した。絶縁層4にはポリイミドを用いた。ポリイミドは非感光性の材料を選び、5%程度の濃度にNMP(N-methyl pyrrolidone)で希釈したものをスピンコート法で塗布し、150℃で30分間、さらに300℃で1時間ベークした。
次いで、画素間を分離するための構造を作製するために、図6の(c−1)および(c−2)に示すように、厚さ1μmのAl層91および厚さ0.2μmのCr層92を続けて形成した。
引き続き、ポジレジストを塗布し、所望のフォト・パターンを形成するために露光し、現像した。さらにCr層92を硝酸セリウムアンモニウム溶液でエッチングし、Al層91をリン酸、硝酸、酢酸の混合液でエッチングした。このとき、Al層91が十分にオーバーエッチングされるような時間だけエッチング液に浸漬したところ、最初のフォト・パターンに対し片側約2μmAlパターンが小さくなり、図6の(d−1)および(d−2)に示すような笠型の構造体(オーバーハング体)9が得られた。
さらに、フォトリソグラフィーによって、実際の発光部となる第1の電極2と端子電極3とを露出させるための開口を有するパターンを作り、酸素プラズマにより絶縁層4をエッチングした後、レジストを剥離し、図7の(a−1)および(a−2)に示す構造とした。
次に、図7の(b−1)、(b−2)および(b−3)に示すように、マスク8を基板1に設置した。このマスク8は、開口の異なるメタルマスク(SUS304製)を貼り合わせたものであり、基板1側に存在する基部82の厚さは1mm、遮蔽部81の厚さは0.1mmである。なお、マスク開口部における基部82に対する遮蔽部81のオーバーハング量は、2mmである。
次いで、図7の(c)に示すように、有機機能層5と、第2の電極6(電極層61および配線層62)と、保護層7とを連続して形成した。なお、保護層7の形成が終了するまで真空を破らず、マスク8の交換も行わなかった。
有機機能層5は、それぞれ厚さ500Aの正孔注入層兼正孔輸送層と発光層兼電子輸送層とから構成した。正孔注入層兼正孔輸送層は、N,N´−ビス(m−メチルフェニル)−N,N´−ジフェニル−1,1´−ビフェニル−4,4´−ジアミン(N,N´-bis(m-methyl phenyl)-N,N´-diphenyl-1,1´-biphenyl-4,4´-diamine以下TPDと略す)を蒸着することにより形成した。発光層兼電子輸送層は、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(tris (8-hydroxyquinoline)aluminium 以下Alq3と略す)を蒸着することにより形成した。両層の蒸着時の圧力は、1×10−6Torrとした。
電極層61は厚さ2000Aとし、Mg・Ag合金(重量比10:1)を蒸着することにより形成した。蒸着時の圧力は、1×10−6Torrとした。
配線層62は厚さ0.3μmとし、Alをターゲットとするスパッタ法により形成した。スパッタガス(Ar)の圧力は4×10−3Torrとした。図4(a)に示す配線層62端部の勾配v/hは、0.05であった。配線層62中のAr量は、約3原子%であった。なお、電極層61中のAr量は、検出限界以下であった。
保護層7は厚さ0.2μmとし、SiO2をターゲットとするスパッタ法により形成した。
最後に、成膜装置から取り出し後にマスク8を外し、全体を外気から遮断するための封止を行い、端子電極3と外部回路とを接続して、ドットマトリクス・ディスプレイを完成させた。
実施例2
1画素のサイズが330μm×110μmで、画素数が320×240×RGBドットのカラー・ディスプレイを製造した例を示す。カラーになったことと、より精細になったこととを除けば、基本的に実施例1と大きく異なる点はない。
1画素のサイズが330μm×110μmで、画素数が320×240×RGBドットのカラー・ディスプレイを製造した例を示す。カラーになったことと、より精細になったこととを除けば、基本的に実施例1と大きく異なる点はない。
まず、液晶ディスプレイのカラー化手法としても最も一般的な顔料分散型のカラーフィルターを形成した。1.5〜2.5μm程度のフィルター膜厚になるように各色のフィルター液を塗布し、パターニングした。カラーフィルターの形成工程は、赤を例にとると、次のように行った。赤色用カラーフィルター液を1000rpmで5秒スピンコートし、100℃で3分プリベークした。露光機でフォトマスクを位置合わせし、20mWの紫外光を30秒間照射した後、濃度約0.1%のTMAH水溶液で現像した。現像時間は約1分間であった。次いで、この後に塗布する他の色のカラーフィルター液に溶解しないように220℃で1時間キュアし、赤色カラーフィルターパターンを完成させた。他の色(緑、青)のカラーフィルターは、材料(顔料)が異なるために上記の赤色カラーフィルター形成条件とは若干異なるものの、ほぼ同様の工程を順次行うことにより形成した。ここでは、製造が比較的容易であるため、カラーフィルターだけを用いた例を挙げたが、蛍光変換フィルターを用いて緑、赤は色変換を行うことで出力させて、より高輝度発光にしてもよい。また、カラーフィルターと蛍光変換フィルターとを積層し、輝度低下の防止と色純度の向上とを両立させることも可能である。
次いで、図8(a)に示すように、カラーフィルターパターン(図中のR、G、B)の上から基板1全面にオーバーコート材を塗布し、露光後、 220℃で1時間キュアすることによりオーバーコート層11を形成し、透明導電層を形成する面の平坦性を向上させた。
次に、オーバーコート層11表面にITOからなる厚さ1000Aの透明導電膜をスパッタ法により形成し、フォトリソグラフィーでレジストパターンを形成した後にエッチングし、最後にレジストを剥離した。こうして、図8(b)に示すようにITOからなるカラムラインを形成し、第1の電極2とした。このとき同時に端子電極3のパターンも形成されている。第1の電極2および端子電極3の側端面のテーパ角(図4(b)に示す角度θ)は、45°とした。このテーパ角を有する側端面は、HCl、HNO3および水の混合液からなるエッチング液で2分間エッチングすることにより形成した。
次に、第1の電極2上に、SiO2をターゲットとするスパッタ法により厚さ0.2μmの絶縁層4を形成し、さらに、スパッタ法により厚さ1μmのAl層91および厚さ0.2μmのCr層92を形成し、図8(c)に示す構造とした。
次いで、実施例1と同様にCr層92とAl層91とをエッチングした。続いて、フォトリソグラフィーにより第1の電極2の表面を露出させるためのパターンを形成した後、絶縁層4をエッチングして発光領域と端子電極3とを露出させ、最後にレジストを除去した。なお、絶縁層4のエッチングには、フッ酸とフッ化アンモニウム水溶液とを1:20の比率で混合したエッチング液を用いた。
次に、図8(d)に示すように、実施例1で用いたマスク8と同様なマスク8を基板1に設置した後、成膜装置に導入し、有機機能層5と、第2の電極6(電極層61および配線層62)と、保護層7とを連続して形成し、図8(e)に示す構造とした。なお、保護層7の形成が終了するまで真空を破らず、マスク8の交換も行わなかった。
有機機能層5は、厚さ100Aの正孔注入層と、厚さ500Aの正孔輸送層兼黄色発光層と、厚さ500Aの青色発光層と、厚さ100Aの電子輸送層とから構成し、白色発光するように材料を選択した。正孔注入層は、ポリ(チオフェン−2,5ージイル)を蒸着することにより形成した。正孔輸送層兼黄色発光層は、TPDにルブレンを1重量%の割合でドープしたものを共蒸着することにより形成した。ルブレンの濃度は0.1〜10重量%程度が好ましく、この濃度で高効率で発光する。濃度は発光色の色バランスより決定すればよく、この後に成膜する青色発光層の光強度と波長スペクトルとにより左右される。青色発光層は、4,4´-ビス[(1,2,2-トリフェニル)エテニル]ビフェニルを蒸着することにより形成した。電子輸送層は、Alq3を蒸着することにより形成した。
電極層61は厚さ2000Aとし、Mg・Ag合金(重量比10:1)を蒸着することにより形成した。蒸着時の圧力は、1×10−6Torrとした。
配線層62は厚さ0.3μmとし、Alをターゲットとするスパッタ法により形成した。スパッタガスの圧力は4×10−3Torrとした。図4(a)に示す配線層62端部の勾配v/hは、0.05であった。配線層62中のAr量は、約3原子%であった。なお、電極層61中のAr量は、検出限界以下であった。
保護層7は厚さ0.2μmとし、SiO2をターゲットとするスパッタ法により形成した。
以上のようにして、単純マトリクス型有機ELカラーディスプレイを完成させた。
1 基板
11 オーバーコート層
2 第1の電極
21 端子部
3 端子電極
4 絶縁層
5 有機機能層
6 第2の電極
61 電極層
62 配線層
7 保護層
8 マスク
81 遮蔽部
82 基部
9 笠型の構造体
91 Al層
92 Cr層
11 オーバーコート層
2 第1の電極
21 端子部
3 端子電極
4 絶縁層
5 有機機能層
6 第2の電極
61 電極層
62 配線層
7 保護層
8 マスク
81 遮蔽部
82 基部
9 笠型の構造体
91 Al層
92 Cr層
Claims (1)
- 基板表面に、発光部積層体と端子電極とを有し、発光部積層体が、第1の電極と、第1の電極の一部を覆う絶縁層と、発光層を含む有機機能層と、少なくとも1層の導電層からなる第2の電極とをこの順で有するものであり、
第2の電極を構成する導電層の少なくとも1層が、端子電極の少なくとも一部と接触する配線層であり、この配線層の端部の勾配が、少なくとも端子電極付近で0.1以下である有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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JP2006239615A JP2006351553A (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | 有機エレクトロルミネッセンス表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013187089A1 (ja) * | 2012-06-11 | 2013-12-19 | 日東電工株式会社 | 有機elデバイスの製造方法、および、有機elデバイス |
US11522036B2 (en) | 2019-09-02 | 2022-12-06 | Samsung Display Co., Ltd. | Display apparatus |
WO2023016257A1 (zh) * | 2021-08-13 | 2023-02-16 | 京东方科技集团股份有限公司 | 触控结构及其制备方法、显示面板及显示装置 |
-
2006
- 2006-09-04 JP JP2006239615A patent/JP2006351553A/ja active Pending
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