JP2008117536A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】スタックの異常をより精度良く検出することの可能な燃料電池を提供する。
【解決手段】各スタック22に設けられた温度センサ65a、65bにより、温度を測定する。測定された温度の最大値Tmaxと最小値Tminとの温度を比較し、測定された温度の最大値Tmaxと最小値Tminとの差が、既定値よりも小さい時は、燃料電池1が正常に運転されていると判断され、運転が継続される。一方、測定された温度の最大値Tmaxと最小値Tminとの差が、既定値よりも大きい時は、燃料電池1が正常に運転されておらず、異常が生じていると判断する。各スタック22の最大温度と最小温度を測定し、測定された温度差が既定値以上となった時は、燃料電池1に異常があると判断して燃料電池1の運転を停止することで、燃料電池1の損傷を防止する。
【選択図】図3
【解決手段】各スタック22に設けられた温度センサ65a、65bにより、温度を測定する。測定された温度の最大値Tmaxと最小値Tminとの温度を比較し、測定された温度の最大値Tmaxと最小値Tminとの差が、既定値よりも小さい時は、燃料電池1が正常に運転されていると判断され、運転が継続される。一方、測定された温度の最大値Tmaxと最小値Tminとの差が、既定値よりも大きい時は、燃料電池1が正常に運転されておらず、異常が生じていると判断する。各スタック22の最大温度と最小温度を測定し、測定された温度差が既定値以上となった時は、燃料電池1に異常があると判断して燃料電池1の運転を停止することで、燃料電池1の損傷を防止する。
【選択図】図3
Description
本発明は、燃料電池に関し、特にスタックの温度に応じた運転制御方法に関する。
現在、携帯可能なノート型のパーソナルコンピュータ、モバイル機器等の電子機器の電源としては、主に、リチウムイオンバッテリなどの二次電池が用いられている。近年、これら電子機器の高機能化に伴う消費電力の増加や更なる長時間使用の要請から、高出力で充電の必要のない小型燃料電池が新たな電源として期待されている。燃料電池には種々の形態があるが、特に、燃料としてメタノール溶液を使用するダイレクトメタノール方式の燃料電池(以下、DMFCと称する)は、水素を燃料とする燃料電池に比べて燃料の取扱いが容易で、システムが簡易である。DMFCは発電の際に排出される未使用燃料を再度発電のために使用することができるため、小型で長時間運転が求められる電子機器の電源として適している。
燃料電池の発電効率を上げるためには、燃料電池の運転温度を適切な温度範囲に制御する必要がある。燃料電池の運転温度が高い場合は、熱により燃料電池が損傷する恐れがあり、また運転温度が低いと発電効率が低下する恐れがある。そのため、燃料電池には、運転中に適切な温度に保つために、燃料電池の冷却を行うための冷却装置や冷却機構が設けられている。
燃料電池に設けられた冷却機構の異常を検出する技術として、例えば特許文献1に記載されたものが挙げられる。燃料電池スタックに流入する冷媒温度と燃料電池スタックから排出される冷媒温度との温度差を測定し、その温度差が所定値よりも大きいか否かを判定することにより、燃料電池システムの異常を検出することができる。
特開2003−109637号公報
しかし、上記の方式の場合、冷媒温度を測定する温度センサが故障しているのか、燃料電池スタック自体が故障しているのか区別するのが困難であるという問題がある。
そこで本発明の目的は、スタックの異常をより精度良く検出することの可能な燃料電池を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る燃料電池は、発電により生じた電力を電子機器に供給する電力供給部を有する燃料電池において、液体燃料を収容する燃料タンクと、アノードとカソードを有し、前記液体燃料と酸素を化学反応させて発電を行う第1のスタックおよび第2のスタックと、前記燃料タンクから前記第1のスタックおよび第2のスタックに液体燃料を供給する燃料供給部と、前記第1のスタックに設けられる第1の温度センサと、前記第2のスタックに設けられる第2の温度センサと、前記第1の温度センサにより測定される温度と前記第2の温度センサにより測定される温度とを比較した結果に基づいて、前記第1のスタックおよび第2のスタックへの燃料供給を制御する制御部と、を備え、前記第1の温度センサにより測定される温度と前記第2の温度センサにより測定される温度との差が既定値以上となった時、前記燃料供給を停止することを特徴とする。
本発明によれば、スタックの異常をより精度良く検出することの可能な燃料電池を提供することができる。
以下本発明に係る実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明に係る燃料電池装置を示す外観斜視図である。図2は燃料電池装置をノート型コンピュータに接続した状態を示す外観斜視図である。
燃料電池1は例えばノート型コンピュータ10の外部電源として用いられる。この燃料電池1はダイレクトメタノール方式の燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)である。メタノールと水を混合した予混合液を燃料とし、この予混合液を空気中の酸素と電解質膜で化学反応させることによって発電させる。このDMFCは、水素を燃料に用いる燃料電池よりも取り扱いが容易で、装置全体を小型にまとめることができる。
燃料電池1は、略直方体に形成された本体11と、本体11の底に沿って平坦に延出した載置部12とを有している。本体11の壁部には多数の通気孔11aが形成されている。本体11の内部には後述する発電部が納められている。本体11の一部は、カバー11bとして取り外せるように形成されている。本体11のカバー11bを取り外した部分には後述する燃料タンクが入れられている。
載置部12は、ノート型コンピュータ10の後部とドッキングできるように形成されている。載置部12の内部には、後述する制御部が設けられている。制御部は発電部の動作を制御する。載置部12の上面には、ノート型コンピュータ10を連結するロック機構13と、燃料電池1から電力をノート型コンピュータ10に供給するためのコネクタ14とが設けられている。ロック機構13は、載置部12上の3箇所に配置されており、それぞれ位置決め突起13aとフック13bとを備える。ノート型コンピュータ10の後部底面には、ロック機構13に連結される係合孔、およびコネクタ14に接続されるソケットが設けられている。
ノート型コンピュータ10が載置部12に押し当てられると、ロック機構13がノート型コンピュータ10の係合孔に挿入される。フック13bによって載置部12にノート型コンピュータ10が保持される。その結果、ノート型コンピュータ10のソケットがコネクタ14と電気的に接続される。この状態で、本体11に設けられたスイッチがオンにされると、燃料電池1は、発電を開始する。
載置部12は、さらにイジェクトボタン15を備える。このイジェクトボタン15を押すと、ロック機構13のフック132が解除され、ノート型コンピュータ10を燃料電池1から取り外すことができるようになる。
図3は本発明の実施形態に係る燃料電池の発電システムの系統図である。
燃料電池1は、発電部20と、燃料電池1の動作を制御する制御部21とを備えている。制御部21は発電部20の制御を行う他、ノート型コンピュータ10との通信を行う通信制御部としての機能を有する。発電部20は本体11内に設けられており、制御部21は載置部12内に設けられている。
発電部20は、発電を行うための中心となるスタック22を有する他、燃料となるメタノールを収納する燃料カートリッジ23を備えている。スタック22は、化学反応によって発電を行う発電部として機能する。燃料カートリッジ23には高濃度のメタノールが封入されている。燃料カートリッジ23は、燃料を消費した時には容易に交換できるよう、着脱可能となっている。
発電部20は燃料、その他の流体を流す液体流路と、空気、その他の気体を流す気体流路と、を備えている。液体流路には、燃料カートリッジ23の出力部に配管接続された燃料ポンプ24、燃料ポンプ24の出力部に配管を介して接続された混合タンク25、混合タンク25の出力部に接続された送液ポンプ26が設けられる。送液ポンプ26の出力部は配管91を介してスタック22のアノード(燃料極)27に接続される。配管91は、混合タンク25からスタック22にメタノール水溶液を送出するための流路を規定している。例えば必要とされる発電出力に応じてスタック22の数を選択することができる。本実施形態では、スタック22が3つの場合を例に説明する。3つのスタック22を区別して説明する必要がある時は、それぞれスタック22a、22b、22cと表記し、区別する必要のない時は単にスタック22と表記する。スタック22a、22b、22cにそれぞれ設けられるアノード27、カソード53、冷却ファン30、温度センサ65についても区別して説明する必要がある時は、アノード27a、27b、27c、カソード53a、53b、53c、冷却ファン30a、30b、30c、温度センサ65a、65b、65cと表記する。区別する必要がない時は、単にアノード27、カソード53、温度センサ65と表記して説明する。
混合タンク25には気液分離膜25aが設けられる。発電反応に伴って生成され、混合タンク25へ還流した二酸化炭素は、混合タンク25内で気化する。気化した二酸化炭素は気液分離膜25aを通過して、配管94aを介して湿った空気とともに最終的には排気口58から外部へ排気される。気液分離膜25aを通して空気中に飛沫したメタノール及び空気は、排気フィルタ60を通過することで回収除去される。
送液ポンプ26とスタック22との間で、配管91にはイオンフィルタ28が設けられている。混合タンク25の出力部は、送液ポンプ26、イオンフィルタ28を介してアノード(燃料極)27に接続されている。イオンフィルタ28は例えば金属イオン吸着物質を用いて実現され、配管91を介して混合タンク25からスタック22に向けて送出されるメタノール水溶液中に含まれる金属イオンを吸着することにより、メタノール水溶液から金属イオンを除去する。
アノード27の出力部は配管92を介して混合タンク25の入力部に接続されている。配管92は、スタック22のアノード27から排出される排出流体、つまり化学反応で用いられなかった未反応メタノール水溶液および生成された二酸化炭素、を混合タンク25に戻す流路を規定している。スタック22の近傍には冷却ファン30が取り付けられ、発電反応等でスタック22の温度が上昇した際に、規定の温度範囲に冷却するために用いられる。上述した燃料カートリッジ23、燃料ポンプ24、混合タンク25、送液ポンプ26は、スタック22に燃料を供給する燃料供給部を構成している。
一方、気体流路には、吸気口50、送気ポンプ51が設けられる。送気バルブ52が配置された配管93を介して、送気ポンプ51がスタック22のカソード(空気極)53に接続される。配管94a、94bを介して、凝縮器54がカソード53の出力部に接続される。また、混合タンク25の出力部は、配管94aを介して凝縮器54に接続されている。凝縮器54は配管96を介して排気口58に接続される。凝縮器54と排気口58との間には排気フィルタ60が設けられる。
凝縮器54は、カソード53の出力部から排出される排出流体(水蒸気、水)を冷却するカソード冷却部として機能する。凝縮器54には図示しないフィンが備えられ、水蒸気を効果的に凝縮する。凝縮器54に対向して冷却ファン55が配設されている。凝縮器54による冷却により、水蒸気は凝固され、またカソード53の出力部から排出される水の温度も低下される。これにより、水回収タンク56から配管95を介して流れる水の温度は45℃〜50℃程度となる。
後に詳述するように、発電反応に伴って発電部20のアノード27側には二酸化炭素が生成され、カソード53側には水(水蒸気)が生成される。アノード27側で生じた二酸化炭素および化学反応に供されなかったメタノール溶液は配管92を通り、図示しないファンやフィンにより冷却された後、混合タンク25に還流する。
混合タンク25に還流した二酸化炭素は、混合タンク25内で気化する。気化した二酸化炭素は気液分離膜25aを通過して、混合タンク25から配管94aを通って、湿り空気とともに排気フィルタ60に通される。二酸化炭素と湿り空気は、最終的には排気口58から外部へ排気される。気液分離膜25aを通して空気中に飛沫したメタノール及び空気は、排気フィルタ60を通過することで回収除去される。
次に、燃料電池1における発電部20の発電メカニズムについて、燃料と空気(酸素)の流れに沿って説明する。燃料カートリッジ23内の高濃度メタノールは、燃料ポンプ24によって、混合タンク25に供給される。混合タンク25の内部で高濃度メタノールは、回収された水やアノード27からの低濃度メタノール(発電反応の残余分)等と混合されて希釈され、低濃度メタノール水溶液が生成される。低濃度メタノール水溶液の濃度は発電効率の高い濃度、例えば3〜6%、を保てるように制御される。この濃度制御は、例えば、濃度センサ62の検出結果を基に燃料電池1の制御部21が、燃料ポンプ24によって混合タンク25に供給される高濃度メタノールの量を制御することによって実現される。または、混合タンク25に環流する水の量を水回収ポンプ63等で制御することによって実現できる。
混合タンク25には、混合タンク25内のメタノール水溶液の液量を検出する液量センサ64や、温度を検出する温度センサ65が設けられ、これらセンサの検出結果は制御部21に送られて発電部20の制御などに使用される。
混合タンク25で希釈されたメタノール水溶液は送液ポンプ26によって、配管91を介して各スタック22へ圧送され、各スタック22内のアノード27に注入される。送液ポンプ26からのメタノール水溶液はイオンフィルタ28によって金属イオンが除去された後に、スタック22のアノード27に送られる。アノード27では、メタノールの酸化反応が行われることで電子が発生する。酸化反応で生成される水素イオン(H+)はスタック22内に設けられる図示しない固体高分子電解質膜を透過してカソード53に達する。
アノード27で行われる酸化反応によって生成される二酸化炭素は、反応に供されなかったメタノール水溶液とともに再び混合タンク25に環流する。この場合、アノード27から排出されるメタノール水溶液は冷却ファン30によって冷却され、混合タンク25に送られる。二酸化炭素は混合タンク25内で気化し、凝縮器54へ向かい、最終的には排気バルブ57を介して、排気口58から外部へ排気される。
空気(酸素)は、空気供給部を構成する送気ポンプ51により、吸気口50から取り込まれ、加圧された後、送気バルブ52から配管93を介しスタック22のカソード(空気極)53に供給される。カソード53では、酸素(O2)の還元反応が進行し、外部の負荷からの電子(e-)と、アノード27からの水素イオン(H+)と酸素(O2)とから水(H2O)が水蒸気として生成される。この水蒸気はカソード53から排出され、凝縮器54に入る。凝縮器54では、冷却ファン55によって水蒸気が冷却されて水(液体)となり、水回収タンク56内に一時的に蓄積される。この回収された水は水回収ポンプ63によって混合タンク25へと環流し、高濃度メタノールを希釈する循環システムが構成される。
アノード27から配管92を介して混合タンク25に還流した二酸化炭素は、混合タンク25内で気化する。気化した二酸化炭素は気液分離膜25aを通過して、混合タンク25から配管94aを通る。混合タンク25からの配管94aはカソード53からの配管と合流される。カソード反応で生じた湿り空気は配管94aを通って凝縮器54に通される。配管94aを通る気体は、カソード反応で生じた湿り空気と、気液分離膜25aを通過した二酸化炭素と、を含むため高温多湿になっている。また、凝縮器54で凝縮されずに残る湿り空気は、配管96に導入される。スタック22から排出する気体に含まれるメタノール成分を清浄化し、無害化し、放出しなくてはならないため、排気フィルタ60をスタック22より下流側に設けている。排気フィルタ60で無害化された気体は排気口58から燃料電池1の外に放出される。
上述のように、送液ポンプ26および送気ポンプ51によりスタック22には、発電に必要なメタノール水溶液および空気が供給される。発電により生じた熱はスタック22に取り付けられた冷却ファン30により冷却される。各スタック22には温度センサ65が取り付けられており、これによりスタック22の温度を測定している。スタック22の発電状況や温度により各ポンプや冷却ファン30の駆動制御を行っている。
本実施形態では、スタック22a、22b、22cにそれぞれ設けられた温度センサ65a、65b、65cから各スタック22の温度を測定し、測定された温度の最大値と最小値を比較することにより燃料電池1が正常に運転されているかどうか判断する。
図3に示すように、同型のスタック22を並列に配置し、各スタック22への燃料・空気の供給状態を等しくした場合、各スタック22の発電による発熱量はほぼ等しくなり、その結果各スタック22の同一箇所の温度もほぼ等しくなる性質を利用している。したがって、各スタック22の形状はほぼ同一であることが望ましく、また温度センサ65を取り付ける温度測定箇所は各スタック22の対応するほぼ同一の箇所であることが望ましい。また、温度測定箇所は、温度測定値が外気の影響を受けないよう、スタック22の内部に設けることが望ましい。スタック22の表面に設ける場合は断熱材等により温度センサ65が外気から遮断されていることが望ましい。
図4は本発明の実施形態に係る燃料電池の運転を示すフローチャートである。各スタック22に設けられた温度センサ65により、各スタック22の温度を測定する(ステップ1)。測定された温度の中から最大値Tmaxと最小値Tminを選択する(ステップ2)。測定された温度の最大値Tmaxと最小値Tminとの温度を比較し、温度差が既定値以上であるかどうかを判定する(ステップ3)。測定された温度の最大値Tmaxと最小値Tminとの差が、既定値よりも小さい時は(ステップ3のNo)、燃料電池1が正常に運転されていると判断され(ステップ4)、運転が継続される。一方、測定された温度の最大値Tmaxと最小値Tminとの差が、既定値よりも大きい時は(ステップ3のYes)、燃料電池1が正常に運転されておらず、異常が生じていると判断する(ステップ5)。燃料電池1に異常があると判断されると燃料電池1の運転が停止される。燃料電池1に異常があると判断すると、発電部20内のポンプやファンの駆動を停止するとともに、配管上に設けられたバルブを閉じて燃料が循環しないようにする。また、燃料電池1とノート型コンピュータ10との電気的接続を切断し、ノート型コンピュータへの電力供給も停止する。
ここで、燃料電池1が正常かどうかを判断する際の既定値は、スタック22に許容される温度の上限値と下限値の差により決定される。例えば、スタック22が正常に機能する温度の上限値が70℃であり下限値が50℃であった場合、既定値は20℃以下に設定する。
各スタック22の最大温度と最小温度を測定し、測定された温度差が既定値以上となった時は、燃料電池1に異常があると判断して燃料電池1の運転を停止することで、燃料電池1の損傷を防止することができる。
図5は本発明の実施形態に係る燃料電池の運転の際の温度変化の一例を示す図である。スタック22を3つ搭載した燃料電池1のスタック22の温度が20℃の状態から起動し、60℃を目標に温度上昇させた場合を想定したスタック22の温度変化を表した図である。スタック22の温度が上昇するにしたがって、3つのスタック22a、22b、22cの間で温度差が生じ、特にスタック22cの温度が他の2つと比べて低い状態である場合を表している。このような場合、スタック22cの温度が低い原因は、スタック22cの性能低下による発熱不足、または温度を監視している温度センサ65cの故障等が考えられる。スタック22cの温度は、初期状態である20℃と目標値60℃の間の温度であるため、スタック22cの温度だけを参照してスタック22cが異常かどうかを判断することは難しい。
そこで、本実施形態では他のスタック22a、22bとの温度差を見ることで、スタック22cの異常を検知することが可能である。仮に、スタック22が異常であると判断する基準値を10℃とした場合、Tmax−Tmin≧10℃となる点で、燃料電池1の異常を検知し運転停止することが出来る。
本発明を実施した場合、各スタックの温度を個別に監視しているだけでは検知できない異常を検知することが可能である。スタックの異常をより精度良く検出することで燃料電池の安全性を向上させることができる。
本発明ではその主旨を逸脱しない範囲であれば、上記の実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。
1…燃料電池、10…ノート型コンピュータ、11…本体、11a…通気孔、11b…カバー、12…載置部、20…発電部、21…制御部、22…スタック、23…燃料カートリッジ、24…燃料ポンプ、25…混合タンク、25a…気液分離膜、27…アノード、28…イオンフィルタ、30…冷却ファン、50…吸気口、51…送気ポンプ、53…カソード、65…温度センサ
Claims (6)
- 発電により生じた電力を電子機器に供給する電力供給部を有する燃料電池において、
液体燃料を収容する燃料タンクと、
アノードとカソードを有し、前記液体燃料と酸素を化学反応させて発電を行う第1のスタックおよび第2のスタックと、
前記燃料タンクから前記第1のスタックおよび第2のスタックに液体燃料を供給する燃料供給部と、
前記第1のスタックに設けられる第1の温度センサと、
前記第2のスタックに設けられる第2の温度センサと、
前記第1の温度センサにより測定される温度と前記第2の温度センサにより測定される温度とを比較した結果に基づいて、前記第1のスタックおよび第2のスタックへの燃料供給を制御する制御部と、を備え、
前記第1の温度センサにより測定される温度と前記第2の温度センサにより測定される温度との差が既定値以上となった時、前記燃料供給を停止することを特徴とする燃料電池。 - 前記第1の温度センサにより測定される温度と前記第2の温度センサにより測定される温度との差が既定値以上となった時、前記電力供給部による電力供給を停止することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記既定値は、前記スタックに許容される温度の上限値と下限値との温度差よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池。
- 前記第1のスタックおよび第2のスタックを冷却するファンが設けられ、前記第1の温度センサにより測定される温度と前記第2の温度センサにより測定される温度とを比較した結果に基づいて前記冷却ファンの駆動を制御することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記第1のスタックと前記第2のスタックとはほぼ同一の形状を有し、前記第1の温度センサと前記第2の温度センサとは、それぞれのスタックのほぼ同一箇所に設置されることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記第1のスタックおよび前記第2のスタックには、前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサをそれぞれ覆う断熱材を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
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Cited By (2)
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JP2007299747A (ja) * | 2006-05-04 | 2007-11-15 | Syspotek Corp | 燃料電池に用いる電源切断手順 |
CN114882635A (zh) * | 2021-02-05 | 2022-08-09 | 株式会社镰仓食品有限公司 | 基于物联网的熟食品供应链监控系统和方法 |
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