JP2008116781A - 画像投射システム - Google Patents

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Toshitaka Fujii
敏孝 藤井
Atsuji Nakagawa
敦二 中川
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Abstract

【課題】直流方式の高圧放電灯において、アークジャンプの発生を抑えつつカラーバランスを任意にかつ事後的に調整する。
【解決手段】直流方式の高圧放電灯と色分離用回転式カラーフィルタと光学素子と、前記カラーフィルタの回転を検出して同期信を発生させる同期信号発生装置とを含む画像投射システムであって、前記同期信号発生装置は、前記カラーフィルタの回転と同期した複数のオンオフパターンからなる同期信号を発生し、カラーフィルタを構成する複数のカラーセグメントのうち、少なくとも一つの特定のカラーセグメントに同期して高圧放電灯の直流電流にブーストパルス電流を重畳して印加するとともに、前記ブーストパルス電流を印加するカラーセグメント及び後続するカラーセグメントを除く他のカラーセグメントに同期して、前記ブーストパルス電流よりも小さい電流値のカラーバランス調整用パルス電流を重畳して印加する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学素子とカラーフィルタを搭載した画像投射システムに関する。
画像投射システムは高速で回転するカラーフィルタに光を照射して例えば三原色(すなわちR(赤)・G(緑)・B(青))を時分割に取り出し、デジタル・マイクロミラー・デバイス「通称DMD」と呼ばれる反射型の光学素子を用いて画像パターンを作り、投影レンズ系を介してスクリーン上にカラー画像を投射するシステムであり、データプロジェクター、ホームシアター、RPTV(リヤプロジェクションテレビ)などに利用されている。
このようなシステムにおいて、W(白)セグメントを含むカラーフィルタを適用し、白セグメントと同期して正のパルス電流を重畳して印加することを特徴とする画像投射システムが知られている。
例えば、特許文献1には、「投影画像の輝度、カラー飽和、及びカラーバランスを改良する」ことを目的として、カラーフィルタのセグメントを従来の「R(赤)・G(緑)・B(青)」の他にW(白)を加え、カラーホイールの回転周期に合わせて「電力パルス変調」する方法が開示されている(特に、段落0038には、各セグメントとそれに対応するランプ電力及び各セグメントの好適な角度の一覧表(表1)が示されている。)。
また、特許文献1とはやや目的が異なるものの、「直流方式の高圧放電灯におけるフリッカの抑圧と階調乱れの最小化」を目的として、特定のカラーセグメントと同期して直流パルス電流を重畳して印加するようにした構成が、本件発明者らによって明らかにされている(特許文献2)。
特表2004−526992号公報 特開2004−212890号公報
ところで、直流方式の高圧放電灯(以下、本明細書では単に「ランプ」という場合がある。)を光源とする画像投射システムを長期間駆動させ続けると、例えば、ランプの色度が変化したり、カラーフィルタの透過率が劣化するなど、ランプやカラーフィルタ等の各所に経年劣化が生じてくる。その結果、初期設定では最適なカラーバランスに調整されていたシステムであっても、徐々にカラーバランスが変化してくることが経験的に知られている。
これに対し、例えば特許文献1の実施例は、カラーセグメントの角度を調整することW(白色)フィルターセグメントが主光線を横切る回転の間だけ電力パルスを印加すること(電力変調)によって、カラーバランス及びカラー飽和を改善する旨の記載がある。しかし、一度セグメントの角度で設定した場合、初期設定の状態からセグメントの角度を事後的に変更することは不可能であるし、ましてカラーフィルタの各カラーセグメント透過率のばらつきやランプの分光特性のばらつきなどによって、プロジェクター個々のカラーバランスに変動が生じた場合に調整することは極めて困難である。
輝度の高い色信号を電気的に減衰させることによってカラーバランスを変更すること(いわゆるガンマ補正と呼ばれる補正処理)はブラウン管テレビなどの分野では古くから採用されているが、この方式は照度低下をもたらすという問題がある。
また、別の方法として、各セグメントに合わせて異なる電力レベルのパルスを重畳して印加すればカラーバランスを改善できるとも考えられるが、電力設定の構成によってはパルス電流重畳比や重畳時間比が適切な範囲を逸脱し、その結果、ランプにアークジャンプが発生しこれに起因してフリッカ(ちらつき)が生じたり、階調乱れが生じたりする問題が生じてくる。このような問題は、本発明の属する技術分野における画像投射システムのように、点灯出力が極めて大きい超高圧放電灯を用い、かつ、投射された画像の画質が重視される画像投射システムにおいて、特に顕著な問題となる。
以上のように、直流方式の高圧放電灯において、周期的な正の電力パルスを重畳して印加することによってアークジャンプの発生(ひいてはこれに起因するフリッカの発生)を抑えることと、カラーバランスを任意にかつ事後的に(いつでも)調整することとは、実際には極めて両立することが困難な技術的課題であった。
本発明は、アークジャンプの発生を抑えるため「ブーストパルス電流」を一定間隔で印加しつつ、カラーフィルタの各カラーセグメントの透過率のばらつき、ランプの分光特性のばらつきなどを吸収してプロジェクター個々の色の個体差を各色別に独立して調整して照度を低下させることなく最適なカラーバランスに調整することを技術的課題とする。
本発明に係る画像投射システムは、直流方式の高圧放電灯(1)と前記高圧放電灯から照射された光束(Φ1)を複数の色に分離する回転式のカラーフィルタ(3)と、このカラーフィルタを通過した光束(Φ2)に階調付けと映像信号による変調とを行う光学素子(4)と、前記高圧放電灯を直流電流で駆動させる直流点灯手段(5)と、この光学素子によって反射された光束(Φ3)をスクリーン上に投影する投影レンズ系(6)と、前記カラーフィルタの回転を検出して同期信号(S)を発生させる同期信号発生装置(9)とを含む画像投射システムであって、
前記同期信号発生装置(9)は、前記カラーフィルタの回転と同期した複数のオンオフパターンからなる同期信号(S)を発生し、
カラーフィルタを構成する複数のカラーセグメントのうち、少なくとも一つの特定のカラーセグメントに同期して高圧放電灯の直流電流にブーストパルス電流を重畳して印加するとともに、
前記ブーストパルス電流を印加するカラーセグメント及び後続するカラーセグメントを除く他のカラーセグメントに同期して、前記ブーストパルス電流よりも小さい電流値のカラーバランス調整用パルス電流を重畳して印加する
ことを特徴とする。
本発明における「ブーストパルス電流」とは、ランプ電流に印加するパルス電流のうち、相対的に最も波高値の高いパルス電流を指し、「カラーバランス調整用パルス電流」とは、ブーストパルス電流より相対的に小さいパルス電流を指す。
また、前記ブーストパルス電流の電流波高値は、ブーストパルス電流を印加するカラーセグメントに後続するカラーセグメントを基準値として、120%以上であり、かつ、前記他のカラーセグメントに同期して印加するカラーバランス調整用パルス電流は前記基準値の±20%以内とすることが好ましい。この範囲に調整することによってフリッカを確実に止めることができるからである。
また、前記ブーストパルス電流用の同期信号Sは、一定のオン時間Ts0を検出することで識別し、その後同期信号開始から一定の遅延時間T0経過後にブーストパルス電流を重畳し、同期信号のオフと共にブーストパルス電流の重畳を停止することが好ましい。
また、前記カラーバランス調整用パルス電流は、それぞれのセグメントに対して一意に対応する同期信号のオン時間(例えばTs1〜Ts4)を検出することによってその電流波高値を識別し、前記同期信号の開始から一定時間T0経過後に高圧放電灯の直流電流に前記カラーバランス調整用パルス電流を重畳して印加することが好ましい。
さらに、前記直流点灯手段5は、同期信号Sのオンオフパターンを入力してパルスパターンによらず予め定められた定格電力になるよう一定に制御することが好ましい。
本発明によると、カラーフィルタの各カラーセグメント透過率のばらつきやランプの分光特性ばらつきなどを吸収してプロジェクター個々の色の個体差を、各色別に独立に、しかも照度を低下させることなく、最適に調整することができる。また、寿命途中に予想されるカラーバランス劣化、さらには、ユーザーが好みに応じて初期設定とは異なるカラーバランスに事後的に再調整することをも可能となる。
−システム構成について−
図1は本発明に係る画像投射システムのシステム構成を説明するブロック図の一例を示している。本システムは直流方式の高圧放電灯1及びリフレクター2より構成される光源Eと、複数のカラーセグメント3a〜3dを備えたカラーフィルタ3と、光学素子4と、投影レンズ系6とから構成される。高圧放電灯1から照射された光束Φは、直接に又はリフレクター2に反射されて、カラーフィルタ3に光束Φ1が照射され、光学素子4によって光変調された後、所定の画像パターンが投影レンズ系6を介してスクリーン7に投影される。
カラーフィルタ3は可視光の波長を選択的に通過させる性質を持つダイクロイックフィルタよりなる複数のカラーセグメントを備えている。図1におけるカラーフィルタ3はR・G・W・B(赤・緑・白・青)の4色よりなる(3a〜3d)。なお、W色(白)セグメントは実際には透明である。
光学素子4はDMDのようなデジタル光変調素子よりなり、カラーセグメント3a〜3dを通過してそれぞれの色に分離された光束Φ2を反射し、光学素子駆動装置14より供給される映像信号(例えばビデオ信号など)により光変調を行うためのデバイスである。
なお、DMDとは、具体的にはカラーフィルタを通過した各セグメントの光に明度を与えて階調付けを行うと共に映像信号による変調を行うための光学素子(光変調素子)であり、例えば半導体メモリーセル上に多数のミラーエレメントが取り付けられたものである。その一つ一つのミラーエレメントの傾きは光学素子駆動装置14により制御され、各ミラーエレメントにおける光の通過と遮断をスイッチングすることにより所定のパターンを作り出すことができる。
直流点灯手段5は直流電源回路(図示を省略)とブーストパルス電流の重畳及びレベル調整を同期信号に応じて選択的に出力させる制御回路(図示を省略)を内蔵しており、高圧放電灯1を点灯させるためのランプ電流を供給する装置である。高圧放電灯の駆動電流パターン(ランプの電流波形)の詳細については後述する。
また、直流点灯手段5は同期信号Sのパターンを入力してパルスパターンによらず予め定められた定格電力になるよう一定に制御する。複数のパターンの同期信号と、ブーストパルス電流或いはカラーバランス調整用パルス電流が予め対応づけられている。
投影レンズ系6は光学素子4の表面で反射された光束Φ3をスクリーン7上に投射するための光学レンズである。
カラーフィルタ駆動装置8はカラーフィルタ3を回転させるための駆動装置であり、カラーフィルタ3を一定速度で回転させる働きをする。例えば1フレームの周波数60Hz(1画面が毎秒60回で変化すること)のビデオ信号の場合で、カラーフィルタは上記1フレームの周波数の整数倍(例えば2倍、すなわち周波数120Hz)の速度で回転する。
光源Eから照射された光束Φ1は定速回転しているカラーフィルタ3の各セグメント3a〜3dを透過したときに時分割で色分解される。それぞれの色に分解された光束Φ2はライトパイプ(図示を省略する)などを介して光学素子4に入射される。
カラーフィルタ3には、タイミングを検出するための位置指標3eが設けられている。例えば、フォトセンサーなど光学的に位置指標3eを通して光を受け取ることにより、カラーフィルタの1回転のタイミングを検出してタイミング基準信号S0を発生させる。この基準信号S0は同期信号発生装置9に入力され、基準信号S0を基準として、各カラーセグメント同期した複数の同期信号を直流点灯手段5に入力する。
(第1の実施形態)−ランプの電流波形について−
図2(a)は第1の実施形態に係る画像投射システムにおけるカラーフィルタのセグメントの状態(上段)とランプ電流波形A(2段目)と同期信号Sの波形(3段目)とを同一時間軸で例示したものである。ここでは、図1に示したようなR・G・W・B(赤・緑・白・青)の4つのセグメントを含むカラーフィルタを、1フレームの周波数の2倍速で回転した例(1フレーム60Hz、ビデオフィールド120Hz)を示している。なお、実際にはカラーセグメントの境界の影響を吸収するためスポークタイムが設定されているが厳密な過渡特性については本発明における本質的事項から離れるため、説明を省略する。
図2(a)のランプ電流波形A(2段目)において、電流値を以下のように定義する。
Ir・・・基準電流(100%)
Ip・・・ブーストパルス電流のピーク電流(Irの130%)
Io・・・平均電流
なお、平均電流と平均電圧の積で決定される平均電力は予め定められたランプの定格電力となるよう一定に制御される。
この電流波形より明らかなように、Ip/Ir=130%のブーストパルス電流は、「白セグメント」に配置されている。この最も波高値の高いパルス電流(これを「ブーストパルス電流(Ip)」と定義する。」を印加するタイミングは同期信号Ts0で識別する。
すなわち、同期信号の一定のオン時間Ts0を検出すると、ブーストパルス電流用の同期信号であることを認識し、その後同期信号の開始から一定の遅延時間T0経過後にW色(Wセグメント3c)の期間中、波高値130%のブーストパルス電流を重畳して印加する。同期信号のオフとともに、ブーストパルス電流の重畳を停止して基準電流レベル(100%)にもどる。W色の後続するカラーセグメント(ここではBセグメント3d)の期間中は基準電流レベル(100%)を維持する。この理由は以下の通りである。
直流方式の高圧放電灯の場合、このように適切な一定間隔で重畳して印加するブーストパルス電流がアークジャンプの抑圧に大きな効果がある。本件発明者らの研究結果によると、アークジャンプを抑圧する適切なブーストパルス電流の大きさとは、パルス電流重畳比10%以上(波高値110%以上)望ましくは20%以上(波高値120%以上)、ブーストパルス電流の繰り返し周期に対する重畳時間比50%以下である(上掲特許文献2参照)。図2(a)の例はこの条件を満たしておりランプのアークジャンプ抑圧効果を維持できる。
このように、ブーストパルス電流(波高値130%)を印加するカラーセグメント(図2の例ではW(白))に後続するカラーセグメント(図2の例ではB(青))に対しては、ブーストパルス電流を印加せず電流基準値Ir(波高値100%)とすることで、確実にアークジャンプを抑圧する。
その上で、その他のセグメント(図2の例では、R(赤)とG(緑))に対しては、波高値が基準電流Irの±20%以下を限度としてカラーバランス調整用パルス電流を重畳して印加する。この例では、R(赤)に基準電流Irの+5%の直流パルス電流を、G(緑)にIrの−5%の直流パルス電流を、それぞれ印加することで、赤色のレベルを5%強くして緑色のレベルを5%弱くしたカラーバランスの一例を示している。一般に、Rは強調してGは減色する色調整が比較的多いため、図2の例ではこれに従って説明したが、本発明は後述する第2の実施形態で説明するとおり、任意のカラーバランスに調整できる。
このようなレベル調整を実現するためには、予めレベル調整用の同期信号Sとそれぞれの調整レベルとを対応付け、固有のオン時間(パルス幅)の同期信号を検出することでその後同期信号の開始から一定の遅延時間(T0)経過後に一定レベルのカラーバランス調整用パルス電流を印加することでそれぞれのカラーに対するレベル調整を行う。
図2(a)の例では、オン時間(パルス幅)Ts3の同期信号を受け取るとT0経過後に+5%のカラーバランス調整用パルス電流を印加するように対応付け、オン時間(パルス幅)Ts2の同期信号を受け取るとT0経過後に−5%のカラーバランス調整用パルス電流を印加するように対応付けている。なお、ブーストパルス電流については上述の通りオン時間(パルス幅)Ts0の同期信号を受け取るとT0秒経過後にブーストパルス電流を印加するように対応付けたことは上述した通りである。
このように、本実施形態に示すランプの電流波形によると、カラーバランス調整用パルス電流の大きさはブーストパルス電流の大きさよりも常に小さく設定される。
或いは、初期状態ではブーストパルス電流のみ印加して色のレベル調整をしないということも考えられる。
図3は、カラーバランス調整用パルス電流を印加しない場合のランプ電流波形Aを示している。この場合は、レベル調整用の同期信号はなく、ブーストパルス電流用の同期信号Ts0のみを配置すればよい。そこから経年変化或いはユーザーの好みにより、必要に応じてレベル調整用の同期信号を印加すればカラーバランスを事後的に調整することができるからである。
(レベル調整例)
上述したランプの電流波形によって直流方式のランプを光源とする画像投射システムを長期間駆動させ続けると、例えば、ランプの色度が変化したり、カラーフィルタの透過率が劣化するなど、ランプやカラーフィルタ等の各所に経年劣化が生じてくる。その結果、初期設定では最適なカラーバランスに調整されていたシステムであっても、徐々にカラーバランスが変化してくることが経験的に知られている。
そのような場合、ブーストパルス電流を印加するタイミングはWのまま変化させずにその他のカラーセグメントに印加するパルス電流(カラーバランス調整用パルス電流)の大きさを変化させることで、事後的にカラーバランスを調整することが可能となる。
図2(b)は、図2(a)の状態から、カラーバランス調整用パルス電流の大きさを変更することにより、カラーバランスを再調整した例を示している。
図2(b)はR(赤)に基準電流Irの+10%の直流パルス電流を、G(緑)にIrの−10%の直流パルス電流を、それぞれ印加することで、赤色のレベルを10%強くして緑色のレベルを10%弱くしたカラーバランスの再調整例を示している。オン時間(パルス幅)Ts4の同期信号を受け取るとT0経過後に+10%のカラーバランス調整用パルス電流を印加するように対応付け、オン時間(パルス幅)Ts1の同期信号を受け取るとT0経過後に−10%のカラーバランス調整用パルス電流を印加するように対応付けられている。
なお、以上の例では、B(青)色は特に電流値を変更せず基準電流(100%)を維持するようにしているが、ブーストパルス電流を印加するセグメントに後続するセグメントの色がB(青)色でなければならない理由はなく、他の色でも構わない。いずれにせよ、波高値が相対的に最も大きいブーストパルス電流によってアークジャンプの発生を抑えつつ、それ以下のパルス電流の範囲内でR(赤)とG(緑)を調整することでカラーバランスを調整できることが確認された。
なお、同期信号の時間について、例えば、Ts0=300μs、Ts1=100μs、Ts2=150μs、Ts3=200μs、Ts4=250μs、が実用的な設定時間例であり、これに対して遅延時間は例えばT0=500μsとすることができる。T0はカラーセグメントより短くなくてはならない。
図2(a)及び(b)の例では、カラーセグメント4色(厳密にはこのうち1色はWすなわち無色であるが)、2倍速の場合1セグメントあたり約2000μs(=1/60Hz/2倍/4セグメント)である。
他の例でカラーセグメント6色、4倍速の高速を考慮しても1セグメントあたり約690μs(=1/60Hz/4倍/6セグメント)である。T0(=500μs)の大きさは、この値よりも小さいので上記の設定値はいずれも妥当な設定値である。レベル調整はブーストパルス電流を超えないことが必要条件である。アークジャンプ抑圧のため基準電流の+20%以上の波高値が望ましいから、レベル調整のためのカラーバランス調整用パルス電流は波高値が最大でも±20%以内としている。
なお、カラーバランスを再調整する理由は経年変化に限らず、例えばユーザーの好みにより、カラーバランスを事後的に変化させる場合も含まれることは当然である。
(第2の実施形態)
カラーセグメントの角度誤差に対する微調整をするには、同期信号発生装置9内の制御回路で、このタイミングを微調整するだけでよく、直流点灯手段5は変更を要しない。また、各カラーセグメントの角度が変更になったり、フレーム周波数が例えば50Hzに変更になったり、カラーフィルタの回転数が変更になったとしても、この同期信号のタイミングを変更するだけでよい。
図2に示すランプの電流波形の例では、W色にブーストパルス電流を配置しているので、色合いはやや犠牲になるがスクリーン照度は高くなる。従って、プレゼンテーションなどを行うデータプロジェクターなどの用途に特に適するが、例えばブーストパルス電流をR色(赤)に配置してW色(白)を低減すればスクリーン照度はやや低めになるが色合いが改善されホームシアターなどに適した全体的にやや色温度の低い色合いの画像が得られる。具体的には、同期信号Sのパターンを入れ替えるだけで容易に実現できる。ブーストパルス電流をW(白)からB(青)に入れ替えれば、今度は全体的にはやや色温度の高い色合いの画像が得られることになる。
このように、ブーストパルス電流の位置は、W(白)以外でもよい。
(まとめ)
本発明は、ブーストパルスによって確実にフリッカの発生を抑える一方で、カラーバランスの調整は別途ブーストパルスとは異なるパルスをブーストパルス以下の電流値で印加ことにより、カラーバランスの調整をするという点にその本質があり、数値自体よりもむしろ、異なる2種類のパルス電流(ブーストパルス電流とカラーバランス調整用パルス電流)を用いた点(及び両者相対的な大小関係)にその本質がある。また、これを実現する同期信号の取り方も本発明独自のものである。
このように、本発明に係る画像投射システムによると、同期信号のパターンを変更するだけでユーザーの好みに応じて様々な色合いを表現することができる。また直流点灯のアークジャンプ抑圧に適したブーストパルス電流を維持しながら、カラーバランスのためのレベル調整が可能である。しかも、点灯手段の回路等を変更する必要がないため、極めてシステム設計の自由度が高い。
なお、本発明に係る画像投射システムは光源となる高圧放電灯が直流方式によるため、交流方式のように極性の切り替えを考慮する必要がなく、同期信号の種類に応じて同期信号を受け取った次のセグメントで上記のような電流波形を発生させることは容易である。ちなみに、交流方式の場合、正の電流と負の電流の対称性などを考慮しなければならないため制限が大きい。そして、本システムは高圧放電灯の駆動が直流方式によるため、アークの輝点が陰極側の一方向に固定されるので交流方式で極性切り替えの際に発生する可能性のある階調乱れは、発生しない。
本発明に係る画像投射システムは、アークジャンプに起因するフリッカが確実に抑圧されて安定なアークを維持することを可能にすると共に照度を低下させることなくカラーバランスを任意にかつ事後的に(いつでも)調整することとを可能にするものであり、プロジェクターやリアプロジェクションテレビといった技術分野における産業上の利用可能性は極めて大きいものである。
図1は本発明に係る画像投射システムのシステム構成を説明するブロック図の一例を示している。 図2(a)は第1の実施形態に係る画像投射システムにおけるカラーフィルタのセグメントの状態(上段)とランプ電流波形A(2段目)と同期信号Sの波形(3段目)とを同一時間軸で例示したものである。 図2(b)は、図2(a)の状態から、カラーバランス調整用パルス電流の大きさを変更することにより、カラーバランスを再調整した例を示している。 図3は、カラーバランス調整用パルス電流を印加しない場合のランプ電流波形Aを示している。
符号の説明
A ランプ電流波形
E 光源
S 同期信号
Φ 光(光束)
1 高圧放電灯
2 リフレクター
3 カラーフィルタ
3a〜3d カラーセグメント
3e 位置指標
4 光学素子
5 直流点灯手段
6 投影レンズ系
7 スクリーン
8 カラーフィルタ駆動装置
9 同期信号発生装置
13 ビデオ入力部
14 光学素子駆動素子
15 レベル調整入力

Claims (5)

  1. 直流方式の高圧放電灯と前記高圧放電灯から照射された光束を複数の色に分離する回転式のカラーフィルタと、このカラーフィルタを通過した光束に階調付けと映像信号による変調とを行う光学素子と、前記高圧放電灯を直流電流で駆動させる直流点灯手段と、この光学素子によって反射された光束をスクリーン上に投影する投影レンズ系と、前記カラーフィルタの回転を検出して同期信を発生させる同期信号発生装置とを含む画像投射システムであって、
    前記同期信号発生装置は、前記カラーフィルタの回転と同期した複数のオンオフパターンからなる同期信号を発生し、
    カラーフィルタを構成する複数のカラーセグメントのうち、少なくとも一つの特定のカラーセグメントに同期して高圧放電灯の直流電流にブーストパルス電流を重畳して印加するとともに、
    前記ブーストパルス電流を印加するカラーセグメント及び後続するカラーセグメントを除く他のカラーセグメントに同期して、前記ブーストパルス電流よりも小さい電流値のカラーバランス調整用パルス電流を重畳して印加する
    ことを特徴とする画像投射システム。
  2. 前記ブーストパルス電流の電流波高値は、ブーストパルス電流を印加するカラーセグメントに後続するカラーセグメントを基準値として、120%以上であり、かつ、前記他のカラーセグメントに同期して印加するカラーバランス調整用パルス電流は前記基準値の±20%以内とすることを特徴とする請求項1記載の画像投射システム。
  3. 前記ブーストパルス電流用の同期信号Sは、一定のオン時間Ts0を検出することで識別し、その後同期信号開始から一定の遅延時間T0経過後にブーストパルス電流を重畳し、同期信号のオフと共にブーストパルス電流の重畳を停止することを特徴とする請求項1又は2記載の画像投射システム。
  4. 前記カラーバランス調整用パルス電流は、それぞれのセグメントに対して一意に対応する同期信号のオン時間を検出することによってその電流波高値を識別し、前記同期信号の開始から一定時間T0経過後に高圧放電灯の直流電流に前記カラーバランス調整用パルス電流を重畳して印加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像投射システム。
  5. 前記直流点灯手段5は、同期信号Sのオンオフパターンを入力してパルスパターンによらず予め定められた定格電力になるよう一定に制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像投射システム。
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