JP2008116209A - 超音波多重エコー計測装置 - Google Patents

超音波多重エコー計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被測定物の板厚や材料特性値の計測を非接触かつ非破壊で精度よく行なうことができる超音波多重エコー計測装置を提供する。
【解決手段】レーザ超音波法を利用した超音波多重エコー計測装置20において、被測定物24の材料に照射することで材料中に超音波を発生せしめるための送信レーザ光のスポット口径aと被測定物24の材料を伝播した超音波を検出する受信レーザ光のスポット口径bの少なくとも一方を、被測定物の板厚d、利用する超音波波長λ0との関係から調整する機能を備えることにより、超音波多重エコー信号の減衰を極小とする。
【選択図】 図1

Description

本発明はレーザ超音波法を利用した超音波計測技術に係り、特に被測定物の板厚や材料特性値を非破壊かつ非接触で正確に精度よく計測することができる超音波多重エコー計測装置に関する。
被測定物の超音波計測技術は、被測定物である構造物や部品の欠陥の非破壊検査、液位や流量等のプロセス計測あるいは医療診断等の幅広い技術分野に応用されるようになってきた。
なかでも、被測定物の対象材料の表面から材料内部に送信した超音波(縦波、横波等の体積波)が材料裏面で反射され、再び材料表面に到達して反射され、再送信されるという超音波多重反射現象により得られる繰り返し信号(多重エコー信号)は、その伝播時間や共振周波数に着目した被測定物の板厚・寸法計測、その減衰量に着目した材料特性計測等に応用され、超音波計測における基本かつ重要な計測対象の一つである。
多重エコー信号観察に基づく超音波計測を実現する一般的な超音波計測装置構成を図9に示す。
この超音波測定装置1では、超音波を送受信する圧電素子等の超音波送受信素子2を音響結合剤であるカプラント3を介して被測定物4の材料に接触させる。この超音波送受信素子2に対しパルサレシーバ5より送信電気信号Tを印加すると、超音波送受信素子2における電気信号−超音波の変換過程により超音波が発生し、カプラント3を経て被測定物4の材料内部に超音波信号USが送信される。この超音波信号USは材料裏面に到達すると反射され、カプラント3を経て再び超音波送受信素子2に到達するが、その際、その超音波エネルギの一部は電気信号−超音波の逆変換過程により電気信号Bとして検知され、パルサレシーバ5により計測される。
一方、大部分の超音波エネルギは被測定物の材料表面で反射されて裏面に向かって再び伝播する。この多重反射(エコー)現象が繰り返されることによって電気信号(多重エコー信号)B(n=1,2,…,n)が順次計測される。パルサレシーバ5にオシロスコープ等適当な時系列電気信号観察装置6を接続すれば、この現象は模式的に図10に示すように観察される。
ここで、超音波計測装置1はパルサレシーバ5または時系列電気信号観察装置6の付加機能として、2つの電気信号Bの時間間隔、例えばBとBの時間間隔t1を計測すれば、予め既知の超音波音速Vを用いて、被測定物材料4の板厚dは
Figure 2008116209
また、パルサレシーバ5または時系列電気信号観察装置6の別の付加機能として、電気信号B、B…Bの減衰率、例えばBとBの振幅減衰率α1を計測すれば、超音波信号の減衰率とその伝播経路の材料特性(例えば被測定物の対象4が結晶質の場合はその粒径、多孔質の場合は気孔率等)と密接な関係にあるため、それらの材料特性量を推定することもできる。
超音波送受信素子2を用いた超音波多重エコー計測装置1は幅広く用いられているが、液体接触媒質が必須であること、被測定物4の材料に超音波送受信素子2を接触させる必要があることから、例えば圧延工程等、対象とする被測定物4の材料が高温あるいは高速で移動する製造プロセス等の計測手法として適用するためには、冷却システム等、大掛かりな追加付帯設備が必要となる。
非接触の超音波送受信法として電磁超音波探触子を用いる方法も提案されているが、電磁超音波探触子は接触媒質が不要となるものの、その非接触距離は高々数mmであり、製造プロセスへの適用には課題がある。
そこで、超音波送受信素子を超音波送信用・受信用のレーザ技術で代替するレーザ超音波法、例えば非特許文献1を用いた超音波計測装置が提案されている。レーザ超音波法は原理的に非接触であり、被測定物が高温、高速移動体等接触が困難な状況下での計測手法としての応用が期待されている。
レーザ超音波法による超音波受信には、超音波受信用のレーザ光(以下、受信レーザ光)の直進性や干渉性を利用して、超音波によって誘起される受信点の表面変位または振動速度を検出する技術が用いられる。超音波信号検出用の光学系としては、マイケルソン干渉法、マッハツェンダ干渉法、共焦点ファブリペロー干渉計、位相共役光学素子を用いた干渉計、ナイフエッジ法等が提案されている(例えば、非特許文献2)。
また、レーザ超音波法による超音波送信は、時間的にパルス状あるいは強度変調された光(以下、送信レーザ光)を被測定物の材料に照射することで行う。例えば、平均出力10W程度の中規模レーザ光源でも、そのレーザ発振を時間的に数百マイクロ秒からナノ秒オーダのパルス状に時間制御し、更にその照射スポットを空間的に絞り込めば、集光点に照射されるレーザパワーとしてGW/cmクラスを実現することができる。このようなレーザ光を被測定物の材料に照射すると、入射パワーは10W程度でしかないため被測定物の材料全体を加熱する効果はごく小さいが、被測定物の材料表面の極微小領域を加熱したり、被測定物の材料表面の数原子層をプラズマ化したりすることは十分可能である。
レーザ光のパワー密度が小さい場合には、被測定物の表面微小領域の急加熱−急冷却過程により熱応力が発生し、これが歪み元となって超音波信号が発生する(熱歪みモード)。一方、パワー密度が大きいと対象表面の数原子層がプラズマ化し、プラズマ膨張の反力として材料に圧力が加わって振動が発生する(アブレーションモード)。
レーザ技術による超音波の送信・受信方法を組み合わせることで、圧延工程等、被測定物の材料が高温かつ高速で移動する製造プロセスの計測手法として適用可能な遠隔・非接触の超音波送受信法であるレーザ超音波法を実現することができる。
レーザ超音波法を利用した超音波多重エコー計測装置の一例として、特許文献1および2に記載された多重エコー信号の減衰を利用した金属粒径の計測装置が提案されている。
特許文献1に記載された結晶粒径測定装置は、レーザ装置である送信レーザ光源7から発振した送信レーザ光LBを、集光レンズ8によって集光して被測定物4の材料の表面に照射して超音波USを発生させる。一方、受信用レーザ光源9から発振した受信レーザ光RLBは光ファイバ10によって伝送され、上記超音波USの発生位置と同一位置に照射する。この照射レーザ光により反射された散乱光は光学ヘッド11で捕集し、光ファイバ12によって共焦点ファブリペロー干渉計13に伝送する。共焦点ファブリペロー干渉計13は散乱光の強度変化を検出して超音波信号検出部14で超音波の強度を測定する。超音波信号検出部14の電気的出力信号から被測定物の材料4中の超音波信号減衰を求め、被測定物の材料4の結晶粒径を算出する信号処理部15で構成される装置である。
特開2006−84392号公報 特開2001−343366号公報 C. B. Scruby and L. E. Drain; "Laser Ultrasonics Technique and Applications" Adam Hilger, Bristol, Philadelphia and New York, (1990) 447p. 山脇:"レーザー超音波と非接触材料評価"、溶接学会誌、第64巻、No.2、P.104-108 (1995)
特許文献1に記載されたレーザ超音波計測装置は、送信レーザ光源7からの送信レーザ光LBを集光レンズ8によってスポット状に集光し、極力大振幅の超音波信号を発生させており、この送信レーザ光LBの照射によって被測定物4の材料の表面に発生するプラズマ発光の影響が共焦点ファブリペロー干渉計13に混入して光ノイズとなることを避けるため、共焦点ファブリペロー干渉計13に適切に時間管理される高速シャッターを具備したものである。
このレーザ超音波計測装置においては、多重エコー信号の初期において比較的大きな信号−ノイズ比(SN比)が得られるメリットがあるものの、極短時間に開閉動作する高速シャッターが必要となり、超音波計測装置が複雑かつ高価になる。
また、このレーザ超音波計測装置構成では、原理的に、被測定物材料4が薄板でない限り、レーザ光の光回折を補正する処理工程が必要となる。すなわち、図12に模式的に示すとおり、微小なスポットに集光されたレーザビームLBで形成された音源は“点音源P”として振る舞い、これによって発生する超音波は、概略、被測定物材料4の内部を点線で示すような波面を有する球面波状となって伝播する。これを一定距離伝播させた後検出すれば、超音波信号は原理的に避けられない被測定物材料4の特性による減衰だけでなく、超音波自体の拡散(回折)現象による減衰を受けることとなる。これは多重エコー信号を用いた被測定物の板厚や材料特性値の計測誤差を大きくする要因となり得る。
例えば被測定物材料4の板厚dを測定する場合、図9の例では第1エコー電気信号(B)と第2エコー電気信号(B)の時間差を用いたが、減衰が小さい。すなわち、nが大きい第nエコー電気信号(B)まで十分良好なSN比で観察が可能であれば、時間間隔を測定する2つの電気信号を例えばBn−1とBとし、その時間間隔tn−1を計測することにより、被測定物材料4の板厚dを
Figure 2008116209
また、減衰率測定の場合、光回折現象はある程度理論的に補正することも可能であるが、比較的大きな回折減衰の中から微小な散乱減衰を定量的に求めるのは誤差が大きくなる要因となり、ひいては減衰率に基づいて推定される材料特性値の計測誤差も大きくなる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、レーザ超音波法を利用して超音波多重エコー信号の回折減衰を極小とすることで被測定物の板厚や材料特性値の計測を正確に精度よく、非接触かつ非破壊で計測することができる超音波多重エコー計測装置を提供することを目的とする。
本発明に係る超音波多重エコー計測装置は、上述した課題を解決するために、被測定物の材料に照射することで材料中に超音波を発生せしめる送信レーザ光源と、前記送信レーザ光源から発振した送信レーザ光を被測定物の材料に照射する照射光学系と、前記被測定物の材料を伝播した超音波を検出する受信レーザ光源と、前記受信レーザ光源から発振した受信レーザ光を前記送信レーザ光の照射位置と同位置もしくはその近傍に照射し、その反射光を捕集する照射・集光光学系と、前記照射・集光光学系で補集した前記受信レーザ光の反射成分から超音波信号成分を検出するための超音波受信用光学手段と、前記超音波受信用光学手段で光学的に検出された超音波信号を電気信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の出力信号を入力信号とし、前記被測定物の材料中を伝播した超音波信号の信号変換処理、信号処理、特徴量抽出処理、表示処理および記録処理の少なくとも一つの処理機能を有する信号処理手段とから構成され、前記照射光学系および照射集光光学系の少なくとも一方は、前記被測定物の材料表面に対して前記照射光学系によって照射される前記送信レーザ光のスポット口径a、前記被測定物の材料表面に対して前記照射・集光光学系によって照射される前記受信レーザ光のスポット口径b、前記被測定物の材料の板厚d、利用する超音波波長λとして、
Figure 2008116209
また、本発明に係る超音波多重エコー計測装置は、上述した課題を解決するために、被測定物の材料に照射することで材料中に超音波を発生せしめる送信レーザ光源と、前記送信レーザ光源から発振した送信レーザ光を前記被測定物の材料に照射する照射光学系と、前記材料を伝播した超音波を検出する受信レーザ光源と、前記受信レーザ光源から発振した受信レーザ光を前記送信レーザ光の照射位置における前記被測定物の材料表面垂線と前記送信レーザ光を照射した材料表面の裏面との交点位置もしくはその近傍に照射し、その反射光を捕集する照射・集光光学系と、前記照射・集光光学系で補集した前記受信レーザ光の反射成分から超音波信号成分を検出する超音波受信用光学手段と、前記超音波受信用光学手段で光学的に検出された超音波信号を電気信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の出力信号を入力信号とし、前記被測定物の材料中を伝播した超音波信号の信号変換処理、信号処理、特徴量抽出処理、表示処理および記録処理の少なくとも一つの処理機能を有する信号処理手段とから構成され、前記照射光学系および照射集光光学系の少なくとも一方は、前記被測定物の材料表面に対して前記照射光学系によって照射される前記送信レーザ光のスポット口径a、前記被測定物の材料裏面に対して前記照射・集光光学系によって照射される前記受信レーザ光のスポット口径b、前記被測定物の材料の板厚d、利用する超音波波長λとして、
Figure 2008116209
さらに、本発明に係る超音波多重エコー計測装置は、上述した課題を解決するために、前記送信レーザ光源から発振した前記送信レーザ光の空間的なエネルギ密度分布を平坦化するエネルギ密度分布平坦化光学系と、前記エネルギ密度分布平坦化光学系を通過した送信レーザ光を前記照射光学系まで伝送するための光ファイバケーブルとを具備するものである。
本発明に係る超音波多重エコー計測装置は、レーザ超音波法を利用して超音波多重エコー信号の回折減衰を極小とすることで多重エコー信号を用いた被測定物の板厚や材料特性値を正確に精度よく、しかも非接触かつ非破壊で計測することができる。
本発明に係る超音波多重エコー計測装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る超音波多重エコー計測装置の第1実施形態を示す構成図である。
第1実施形態に示す超音波多重エコー計測装置20は、レーザ超音波法を利用した超音波計測装置であり、この超音波多重エコー計測装置20は、レーザ装置として送信レーザ光源21と受信レーザ光源22とを有する。送信レーザ光源21は波長領域が例えば近紫外領域から近赤外領域で、パルス幅が1ナノ秒から10マイクロ秒、パルスエネルギが10マイクロジュールから1ジュールの範囲内のパルスレーザ光が多く用いられる。
送信レーザ光源21から発振されたパルス状または光強度変調された送信レーザ光LBが、照射光学系23を経由して被測定物24の材料表面に照射され、レーザビームLBで形成された音源によって超音波信号USを発生させる。照射光学系23は、被測定物24の材料表面へのレーザ光の集光条件を適切に定めるものである。
一方、超音波多重エコー計測装置20は、被測定物24の材料を伝播した超音波を検出する受信レーザ光源22と、この受信レーザ光源22から発振した受信レーザ光RLBを送信レーザ光LBの照射位置と同位置もしくはその近傍に照射し、その反射光を捕集する照射・集光光学系25と、この照射・集光光学系25で補集した受信レーザ光RLBの反射成分から超音波信号成分を検出するための超音波受信用光学手段37と、この超音波受信用光学手段27で光学的に検出された超音波信号を電気信号に変換するための光電変換手段30と、この光電変換手段30の出力信号を入力信号とし、材料中を伝播した超音波信号の信号変換処理、信号処理、特徴量抽出処理、表示処理、記録処理の少なくとも一つの処理機能を有する信号処理手段31とから構成される。
また、受信レーザ光源22から発振された受信レーザ光RLBは照射・集光光学系25の光ファイバケーブル26を通って伝送され、被測定物24の材料表面に照射される。この被測定物24の材料表面に対して照射光学系23を介して照射される前記送信レーザ光10のスポット口径a、照射・集光光学系25によって照射される受信レーザ光RLBのスポット口径b、被測定物24の材料の板厚d、利用する超音波波長λとして、
Figure 2008116209
受信レーザ光RLBの照射により、反射された散乱光DLは超音波受信用光学手段を構成する光学ヘッド27を経て、光ファイバケーブル28によって共焦点ファブリペロー干渉計29に伝送される。受信レーザ光源22からの受信レーザ光RLBには、波長領域が例えば近紫外領域から近赤外領域で連続発振あるいはパルス幅10マイクロ秒以上で発振するロングパルスレーザ光が多く用いられる。
この超音波多重エコー計測装置20では、超音波USを受信する干渉計として共焦点ファブリペロー干渉計を用いているが、マイケルソン干渉法、マッハツェンダ干渉法、位相共役光学素子を用いた干渉計、ナイフエッジ法等、超音波信号を光の干渉効果、偏向効果で検出するいずれの光学系で置き換えることも可能である。なお、共焦点ファブリペロー干渉計29は、共焦点ファブリペロー干渉計に通常含まれる高速シャッター機能は含まれていない。
共焦点ファブリペロー干渉計29では散乱光の強度変化を検出して光電変換手段としての超音波信号検出手段30で超音波の強度を測定する。超音波信号検出手段30の出力である電気信号は信号処理手段31に伝送される。信号処理手段31では、超音波多重エコー信号を含む電気信号の表示、記録、周波数フィルタリング等の信号処理と、多重エコー信号の伝播時間や減衰率の計測、それらに基づく被測定物24の板厚や材料物性値の推定処理が含まれる。信号処理手段31は信号処理と信号の時間等の計測測定処理とを行なうものである。
このレーザ超音波法を利用した超音波多重エコー計測装置20においては、送信レーザ光源21から被測定物24の材料表面にパルス状の送信レーザ光(レーザビーム)LBを空間的に照射する照射光路上に照射光学系23を備えた。照射光学系23は、被測定物24の材料表面に送信レーザ光LBを極小スポットに集光させるのではなく、そのスポット口径aが被測定物24の材料板厚dおよび利用する超音波波長λに対して、フレネルパラメータsが
Figure 2008116209
照射光学系23からの送信レーザ光のスポットaが、被測定物24の板厚d、波長λに対して(5)式を満足する状況を図2に模式的に示す。
この場合、照射光学系23で、スポット口径aの円形状に集光された送信レーザ光LBの光ビームは、被測定物24の板厚d、波長λにおいては面音源Fとして振る舞う。この面音源Fによって発生する超音波は、測定対象物である被測定物24の内部のある伝播距離(k・d)の範囲内を平面波状に伝播する。この平面状伝播は、波長λが短いほど、また伝播距離(k・d)が短いほど、さらに、スポット口径aが大きいほど、(5)式のパラメータsが小さくなり、超音波の伝播は平面波的になる。
ここで、(5)式より、パラメータsが1より小さい場合は超音波の伝播は平面波と見做して回折減衰は無視できる。一方、パラメータsが10より大きいとほぼ球面波と見做すことができ、大きな回折減衰が観察される。なお、
[数7]
1<パラメータs<10
の場合には、超音波の伝播は境界領域となり、超音波の伝播挙動は複雑となる。
照射光学系23は、固定方式であっても、移動方式に構成してもよいが、照射光学系23と被測定物24の材料との距離が変動する場合には、ビームエキスパンダ−コリメータ光学系等が適切である。距離変動が無視できる場合には単レンズをデフォーカスして用いることもできる(図2参照)。またスポット口径aは照射光学系23を手動で駆動することでも調整可能であるが、何らかの手法によって被測定物24の材料の厚さdを別途測定し、それをフィードバックして照射光学系23を自動駆動制御することも可能である。
スポット口径aの差異による多重エコー信号の減衰の違いの例を図3に示す。図3の上部は従来の超音波計測装置の例のようにスポット口径aが小さい(パラメータsが大きい場合)である。被測定物に入射された超音波USが材料表面側で反射するB、B等、初期エコー電気信号としては大振幅の信号が得られているが、多重エコー信号である繰り返し信号の減衰は、波長曲線Cで示すように、大きく、nの大きいエコー電気信号Bは十分なSN比が得られないことが分かる。
また、図3の下部は、図1および図2に示す超音波多重エコー計測装置20で示すように、照射光学系23を備えて、スポット口径aが大きい(パラメータsが小さい場合)である。B、B等、初期エコー電気信号の振幅は従来例と比較して小さいが、繰り返し信号の減衰は被測定物に入射された超音波USがその材料表面側で反射する小さく、nの大きいエコー電気信号B(n=1,2,…,17,…,n)でも十分なSN比が得られることが分かる。
このようにすれば、例えば伝播時間測定においては多重エコー数nの大きいエコー電気信号B(後半のエコー)を有効に活用することができ、測定精度を向上させることができる。
また、図3から明らかなように、超音波多重エコー計測装置20は、被測定物24の材料表面に照射される照射光学系23からの送信レーザ光LBのスポット口径aを大きくすると、超音波信号B(n=1,2,…,n)の減衰は小さくなり、回折強度の影響は小さいため、精度の良い減衰率計測が可能となる。
従来の超音波多重エコー計測装置では、初期の超音波エコー信号B,B等の活用に着目しているため、超音波送信初期と時間的に重なる送信レーザ照射で誘起されるプラズマ発光の影響を低減する必要があり、そのための高速シャッターを具備しなければならなかった。
しかし、超音波多重エコー計測装置20に照射光学系23を備えて、照射光学系23から被測定物24の材料表面に所要値のスポット口径で送信レーザ光を照射させると、超音波エコー信号Bnの電気信号振幅減衰が、減衰曲線Cで示すように小さいので、プラズマ発光が終了した時刻より時間的に後でもエコー電気信号が観察できるため、高価な高速シャッター機能を備える必要がなくなる。
[第2の実施形態]
図4は、本発明に係る超音波多重エコー計測装置の第2実施形態を示す構成図である。
この実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20Aは、被測定物24の表裏面と送信レーザ光LBおよび受信レーザ光RLBを照射したものであり、他の構成および作用は第1実施形態に示された超音波多重エコー計測装置と異ならないので、同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
第1実施形態の超音波多重エコー計測装置20においては、送信レーザ光LBと受信レーザ光RLBとを被測定物24の材料表面の同一位置上に照射した例を示したが、図4の超音波多重エコー計測装置は、被測定物24の材料表裏面に送信レーザ光LBと受信レーザ光RLBとを個別に各々照射可能な場合を示している。
第2実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20Aは、被測定物24の材料に照射することで材料中に超音波を発生せしめる送信レーザ光源21と、この送信レーザ光源21から発振した送信レーザ光LBを被測定物24の材料に照射する照射光学系23と、被測定物24の材料を伝播した超音波を検出する受信レーザ光源22と、この受信レーザ光源22から発振した受信レーザ光RLBを送信レーザ光LBの照射位置における被測定物24の材料表面垂線と送信レーザ光LBを照射した被測定物24の材料裏面との交点位置もしくはその近傍に照射し、その反射光を捕集する照射・集光光学系25と、この照射・集光光学系25で補集した受信レーザ光RLBの反射成分から超音波信号成分を検出するための超音波受信用光学手段27,28,29と、この超音波受信用光学手段27,28,29で光学的に検出された超音波信号を電気信号に変換するための光電変換手段30と、この光電変換手段30の出力信号を入力信号とし、被測定物24の材料中を伝播した超音波信号の信号変換処理、信号処理、特徴量抽出処理、表示処理および記録処理の少なくとも一つの処理機能を有する信号処理手段31とから構成される。
送信レーザ光LBと受信レーザ光RLBとを被測定物24の材料表裏面に個別に照射する場合には、式(5)は次の式(6)を満足すればよい。
Figure 2008116209
この超音波多重エコー計測装置20Aにおいては、照射光学系23によって照射される送信レーザ光LBのスポット口径a、被測定物24の材料表面に照射・集光光学系25によって照射される受信レーザ光RLBのスポット口径b、被測定物24の材料板厚d、利用する超音波波長λとして、
Figure 2008116209
第1実施形態の超音波多重エコー計測装置20では、送信レーザ光源21から照射される送信レーザ光LBのスポット口径aに着目して述べたが、スポット口径aの議論を全て受信レーザ光RLBのスポット口径bに置き換えても全く同じ現象が計測可能である。
なお、(5)式、(6)式においては、送信レーザ光LBのスポット口径aと受信レーザ光RLBのスポット口径bとの関係は、a≦5bかつb≦5aであることを想定している。仮にa≒10bまたはb≒10aの場合には、(5)式、(6)式は各々、
Figure 2008116209
[第3の実施形態]
図5は、本発明に係る超音波多重エコー計測装置の第3実施形態を示す構成図である。
第3実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20Bは、送信レーザ光源21から発振され、被測定物24の材料表面に照射される送信照射光学系35を限定したものであり、他の構成および作用は第1実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20と異ならないので、同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
第3実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20Bは、送信照射光学系35を改良したもので、送信レーザ光源21のレーザ発振側に光ファイバ入射用光学系36を設け、この光ファイバ入射用光学系36と送信レーザ光LBを所要のスポット口径aに絞り込む照射光学系23との間に光ファイバケーブル37を設けたものである。
図5に示された超音波多重エコー計測装置20Bは、レーザ超音波法を用いたものにおいて、特に送信レーザLBを光ファイバ入射用光学系36と光ファイバケーブル37を用いて伝送させるものである。送信レーザ光LBを受信レーザ光RLBを伝送する光ファイバケーブル26とともに用いることにより、曲線路や狭隘路であっても、送信レーザ光LBや受信レーザ光RLBを光伝送させることができる。
第1実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20においては、送信レーザ光源21から発振したパルス状あるいは強度変調された送信レーザ光LBは、照射光学系23を経由して被測定物24の材料表面に照射して超音波信号USを発生させている。この場合、送信レーザ光源21から被測定物24の材料まで送信レーザ光は空間伝送されるため、直線状の光路の確保、方向制御のためのミラー等の送信光学系の配置が必要であり、産業的な超音波計測装置への応用には不向きであった。
しかしながら、第3実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20Bは、送信レーザ光LBに数十MWクラスの大出力パルスレーザ光源21が用いられる。大出力パルスレーザ光源21を用いると、通常のレーザ光の光ファイバ伝送と同じように単レンズで集光して光ファイバケーブル35に入射することが難しい。送信レーザ光LBのエネルギ密度分布は図6(A)に示すように、一般にガウス分布(曲線C参照)であるため、中央のピーク近傍領域で光ファイバケーブル35材質の損傷しきい値Fを超えて最大入射エネルギが十分確保できない問題があるためである。
第3実施形態に示されたレーザ超音波法を利用した超音波多重エコー計測装置20Bでは、図6(B)に示すように光ファイバ入射光学系36においてエネルギ密度分布(曲線G参照)を平坦化し、中心部での局所的なパワー集中を防止するための光ファイバ入射光学系36を具備する。光ファイバ入射光学系36の出力光を光ファイバケーブル37に入射するものである。光ファイバケーブル37の出口側は照射光学系23と光学的に接続されており、光ファイバ伝送された送信レーザ光LBは照射光学系23により被測定物24の材料に照射される。ここで光ファイバケーブル37としては例えばファイバコア径φ3mm以下の石英マルチモードファイバ等が用いられる。
光ファイバ入射光学系36は、図6(B)に示すように、送信レーザ光源21から発振された送信レーザビームLBの口径を拡大するためのビームエキスパンダ38、拡大されたレーザビームを空間的に分割するためのレンズアレイ39、分割されたレーザビーム束を光ファイバ端面に集光するレンズ40から構成される。レンズアレイ39を構成する個々のレンズに入射されるレーザビームのエネルギ密度分布はほぼ一様とみなせるため、各入射レーザビームを光ファイバ入射端面で一つに重ね合わせた結果、得られる光ファイバ入射端面でのエネルギ密度分布も分散されて二次元平面で略均一となり、ガウス分布ビームよりも大きなエネルギを光ファイバに入射できるようになる。
この超音波多重エコー計測装置20Bにおいては、送信レーザ光源21からの送信レーザ光LBを空間伝送する必要がなくなり、送信レーザ光路のスペース確保や送信レーザ光の方向制御のための送信照射光学系35にミラーやミラーを組み合せた光学系が不要となる。
また、図5に示された超音波多重エコー計測装置20Bで、精度の高い多重エコー信号の観察のために、被測定物24の同面で送信レーザ光LBと受信レーザ光RLBを送受信する場合は送信レーザ光LBの照射スポットと受信レーザ光RLBの照射スポットの中心を精度良く同点とすることが必要であり、第2実施形態に示す被測定物24の両面にアクセス可能である場合には、送信レーザ光LBの照射スポットと受信レーザ光RLBの照射スポットの中心を精度良く表裏同点に合わせることが望ましい。そこで、光学ヘッド27と照射用光学系23に光学系駆動機構(図示せず)を設け、両者からの被測定物の材料への照射位置を調整する機構を具備することも有効である。
[第4の実施形態]
図7は、本発明に係る超音波多重エコー計測装置の第4実施形態を示す構成図である。
この超音波多重エコー計測装置20Cは、第1誌実施形態ないし第3実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20,20A,20Bと全体的な構成を同じくするので、図1,図4および図5を参照し、同じ構成には同一符号を付して重複説明および図示を省略する。第4実施形態の超音波多重エコー計測装置20Cは、レーザ超音波法を利用した超音波多重エコー計測装置において、信号処理手段31に高精度測定機能を具備させたものである。
信号処理手段31は、アナログの超音波信号波形をデジタル信号に変換する信号変換機能のAD変換手段44と、変換されたデジタル信号を(5)式または(6)式を満たす超音波波長λ(周波数f=V/λ)を通過するよう適切に設定された周波数フィルタリングおよびアベレージング等の前処理する前処理機能を備えた前処理手段45と、前処理されたデジタル信号の任意の一部または全部の領域を切り出すゲート機能を備えたゲート手段46と、ゲート機能で切り出されたデジタル信号の自己相関を求める自己相関計算機能を有する自己相関計算手段47と、自己相関計算機能の出力信号である相関関数を構成する各データ点間を適切なデータ数と手法で補間するデータ補間手段48と、データ補間された自己相関関数から、各ピークの間隔を求める多重エコー信号の伝播時間計測手段49とから構成される。
第4実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20Cにおいて、信号処理手段31を図7に示すように構成することにより、図3に示すように、超音波多重エコー信号Bの波形のピークや立ち上がり検知して伝播時間間隔測定を行なうよりも高精度な伝播時間間隔測定が可能となる。なお、信号変換機能をもつAD変換手段44としては、(5)式または(6)式を満たす超音波周波数f=V/λよりも2倍以上高速な変換レートを有し、最低8ビットの分解能を有するものを用意した。また、データ補間機能を備えた補間手段48としては、スプライン補間、線形補間、多項式補間、指数補間、有理補間等の種々の手法が用いられる。
[第5の実施形態]
図8は、本発明に係る超音波多重エコー計測装置の第5実施形態を示す図である。
この超音波多重エコー計測装置20Dは、第1実施形態ないし第3実施形態に示された
超音波多重エコー計測装置20,20A,20Bと全体的な構成を同じくするので、図1,図4および図5を参照し、同じ構成には同一符号を付して重複説明および図示を省略する。第5実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20Dは、第1実施形態ないし第3実施形態で説明されたレーザ超音波法を利用した超音波多重エコー計測装置において、特に信号処理状態31が多重エコー信号の減衰率を測定する機能を具備していることが特徴である。
第5実施形態に示された超音波多重エコー計測装置20Dは、信号処理手段31が、超音波信号波形をデジタル信号に信号変換するAD変換手段44と、変換されたデジタル信号を(3)式または(4)式を満たす超音波波長λ(周波数f=V/λ)を通過するように適切に設定された周波数フィルタリングおよびアベレージング等の前処理する前処理機能を備えた前処理手段46と、前処理された多重エコー信号から電気信号B(伝播時間t)と電気信号Bn+m(伝播時刻tn+m)の2信号を適切なゲート幅で切り出すゲート機能を備えたゲート手段46と、切り出された各ゲートの信号をフーリエ変換する周波数分析機能を有する周波数分析手段41と、フーリエ変換された2つの周波数分布から、各周波数における減衰量α(f)を算出する積算減衰量算出機能を備えた積算減衰量算出手段52と、積算減衰量機能で求めた減衰量α(f)から、単位長さあたりの減衰量(減衰率)α(f)を
Figure 2008116209
ゲート手段46は、ゲート機能で切り出される2つの電気信号のうち、伝播時間の長いBn+m(伝播時刻tn+m)の伝播距離Lが
Figure 2008116209
超音波多重エコー計測装置20Dにおいて、信号処理手段31を図8に示すように構成し、多重エコー信号・減衰率を測定することにより、超音波多重エコー信号Bは回折減衰の影響を受けることなく、2つのエコー電気信号の振幅減衰だけでなく、各周波数ごとの減衰率評価等減衰現象の詳細な解析をすることが可能となる。
本発明に係る超音波多重エコー計測装置の第1実施形態を示す構成図。 比較的大きなスポット口径の送信レーザ光を照射した場合に発生する超音波の伝播を示す模式図。 送信レーザ光のスポット口径の違いによる多重エコー信号の減衰の差異の一例を示す図。 本発明に係る超音波多重エコー計測装置の第2実施形態を示す構成図。 本発明に係る超音波多重エコー計測装置の第3実施形態を示す構成図。 (A),(B)は、送信レーザ光の従来と本発明の光ファイバ伝送方式をそれぞれ示す模式図。 本発明に係る超音波多重エコー計測装置の第4実施形態を示すもので、信号処理手段の構成例を示す図。 本発明に係る超音波多重エコー計測装置の第5実施形態を示すもので、信号処理手段の他の例を示す図。 従来の超音波多重エコー計測装置の一例を示す構成図。 代表的な多重エコー信号とその特徴量を示す模式図。 従来のレーザ超音波法を利用した超音波多重エコー計測装置の構成図。 比較的大きなスポット口径の送信レーザ光を照射した場合に発生する超音波の伝播を示す模式図。
符号の説明
20,20A,20B 超音波多重エコー計測装置
21 送信レーザ光源
22 受信レーザ光源
23 照射光学系
24 被測定物(測定対象物)
25 照射・集光光学系
26 光ファイバケーブル
27 光学ヘッド(超音波受信用光学手段)
28 光ファイバケーブル
29 共焦点ファブリペロー干渉計
30 超音波信号検出手段(光電変換手段)
31 信号処理手段
35 送信照射光学系
36 光ファイバ入射用光学系
37 光ファイバケーブル
38 ビームエキスパンダ
39 レンズアレイ
40 レンズ
44 AD変換手段
45 前処理手段
46 ゲート手段
47 自己相関計算手段
48 データ補間手段
49 伝播時間計測手段
51 周波数分析手段
52 積算減衰量算出手段
53 減衰量算出手段

Claims (6)

  1. 被測定物の材料に照射することで材料中に超音波を発生せしめる送信レーザ光源と、
    前記送信レーザ光源から発振した送信レーザ光を被測定物の材料に照射する照射光学系と、
    前記被測定物の材料を伝播した超音波を検出する受信レーザ光源と、
    前記受信レーザ光源から発振した受信レーザ光を前記送信レーザ光の照射位置と同位置もしくはその近傍に照射し、その反射光を捕集する照射・集光光学系と、
    前記照射・集光光学系で補集した前記受信レーザ光の反射成分から超音波信号成分を検出するための超音波受信用光学手段と、
    前記超音波受信用光学手段で光学的に検出された超音波信号を電気信号に変換する光電変換手段と、
    前記光電変換手段の出力信号を入力信号とし、前記被測定物の材料中を伝播した超音波信号の信号変換処理、信号処理、特徴量抽出処理、表示処理および記録処理の少なくとも一つの処理機能を有する信号処理手段とから構成され、
    前記照射光学系および照射集光光学系の少なくとも一方は、前記被測定物の材料表面に対して前記照射光学系によって照射される前記送信レーザ光のスポット口径a、前記被測定物の材料表面に対して前記照射・集光光学系によって照射される前記受信レーザ光のスポット口径b、前記被測定物の材料の板厚d、利用する超音波波長λとして、
    Figure 2008116209
    を満足するよう前記スポット口径aおよびbの少なくとも一方を調整する機能を備えることを特徴とするレーザ超音波法を利用した超音波多重エコー計測装置。
  2. 被測定物の材料に照射することで材料中に超音波を発生せしめる送信レーザ光源と、
    前記送信レーザ光源から発振した送信レーザ光を前記被測定物の材料に照射する照射光学系と、
    前記材料を伝播した超音波を検出する受信レーザ光源と、
    前記受信レーザ光源から発振した受信レーザ光を前記送信レーザ光の照射位置における前記被測定物の材料表面垂線と前記送信レーザ光を照射した材料表面の裏面との交点位置もしくはその近傍に照射し、その反射光を捕集する照射・集光光学系と、
    前記照射・集光光学系で補集した前記受信レーザ光の反射成分から超音波信号成分を検出する超音波受信用光学手段と、
    前記超音波受信用光学手段で光学的に検出された超音波信号を電気信号に変換する光電変換手段と、
    前記光電変換手段の出力信号を入力信号とし、前記被測定物の材料中を伝播した超音波信号の信号変換処理、信号処理、特徴量抽出処理、表示処理および記録処理の少なくとも一つの処理機能を有する信号処理手段とから構成され、
    前記照射光学系および照射集光光学系の少なくとも一方は、前記被測定物の材料表面に対して前記照射光学系によって照射される前記送信レーザ光のスポット口径a、前記被測定物の材料裏面に対して前記照射・集光光学系によって照射される前記受信レーザ光のスポット口径b、前記被測定物の材料の板厚d、利用する超音波波長λとして、
    Figure 2008116209
    を満足するよう前記スポット口径aおよびbの少なくとも一方を調整する機能を備えることを特徴とするレーザ超音波法を利用した超音波多重エコー計測装置。
  3. 前記送信レーザ光源から発振した前記送信レーザ光の空間的なエネルギ密度分布を平坦化するエネルギ密度分布平坦化光学系と、前記エネルギ密度分布平坦化光学系を通過した送信レーザ光を前記照射光学系まで伝送するための光ファイバケーブルとを具備する請求項1または2記載の超音波多重エコー計測装置。
  4. 前記照射光学系および前記照射・集光光学系の少なくとも一方に、照射位置を調整するための照射位置調整機構を具備する請求項1、2または3記載の超音波多重エコー計測装置。
  5. 前記信号処理手段は、超音波信号波形をデジタル信号に変換する信号変換手段と、変換されたデジタル信号を前処理する前処理手段と、前記前処理手段の出力信号の任意の一部または全部の領域を抽出するゲート手段と、前記ゲート手段で切り出されたデジタル信号の自己相関を求める自己相関計算手段と、前記自己相関計算手段の出力信号を補間するデータ補間手段と、前記データ補間手段の出力信号から多重エコー信号のピーク間時間を算出する伝播時間計測手段と、を具備する請求項1、2または3記載の超音波多重エコー計測装置。
  6. 前記信号処理手段は、超音波信号波形をデジタル信号に変換する信号変換手段と、変換されたデジタル信号を前処理する前処理手段と、前記前処理手段の出力信号の少なくとも2部分以上の任意幅領域を抽出するゲート手段と、前記ゲート手段で抽出された各領域の周波数分布を求める周波数分析手段と、前記周波数分析手段の出力信号を比較することで伝播距離全体にわたる積算減衰量の周波数分布を求める積算減衰量算出手段と、前記積算減衰量算出手段の出力信号から減衰率を求める減衰率算出手段と、を具備する請求項1、2または3記載の超音波多重エコー計測装置。
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