JP2008115763A - 車載エンジンのアイドル回転速度制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の走行路が未舗装路である場合にも好適なるアイドル回転速度制御を行い、ひいては車両停止後においてドライバの意に反する後退等を抑制する。
【解決手段】エンジン10において、吸気管12には電子制御式のスロットル弁14が設けられており、スロットル弁14はスロットルアクチュエータ15の駆動により開度調整される。エンジン本体11には燃料噴射弁16と点火プラグ17とが設けられている。自動変速機20はトルクコンバータ21と変速ギア装置22とを有する。ECU30は、所定のアイドル運転条件が成立した場合にエンジン回転速度を目標アイドル回転速度に制御する。また特に、ECU30は、車両の走行路が舗装路であるか舗装路でないかを判定し、走行路が舗装路でない旨判定された場合に、舗装路である場合に比べて目標アイドル回転速度を高くする。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジン10において、吸気管12には電子制御式のスロットル弁14が設けられており、スロットル弁14はスロットルアクチュエータ15の駆動により開度調整される。エンジン本体11には燃料噴射弁16と点火プラグ17とが設けられている。自動変速機20はトルクコンバータ21と変速ギア装置22とを有する。ECU30は、所定のアイドル運転条件が成立した場合にエンジン回転速度を目標アイドル回転速度に制御する。また特に、ECU30は、車両の走行路が舗装路であるか舗装路でないかを判定し、走行路が舗装路でない旨判定された場合に、舗装路である場合に比べて目標アイドル回転速度を高くする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車載エンジンのアイドル回転速度制御装置に関するものである。
車載エンジンでは、都度のエンジン状態等に基づいて目標アイドル回転速度が設定されるとともに、所定のアイドル運転条件下においてエンジン回転速度が目標アイドル回転速度になるようフィードバック制御(ISC制御)が行われる。また、登坂路で車両が停車した場合において目標アイドル回転速度を高めに設定し、それにより車両の後退を防ぐようにした技術も提案されている。例えば特許文献1のアイドル回転速度制御装置では、トルクコンバータ付き自動変速機を備える車両において、車両の非停止状態において目標アイドル回転速度を所定の高回転速度に初期設定する手段と、車両の停止状態において路面傾斜角に基づいて目標アイドル回転速度を設定し、路面傾斜角が小さい時に目標アイドル回転速度を初期設定値よりも低くする手段とを備える構成としている。
特開平11−294232号公報
上記特許文献1では、登坂路においてもブレーキ無しで車両停止を維持でき、また車両停止後、即ブレーキを離した場合も車両の後退を防止することができるとしている。しかしながら、車両が走行する走行路としては、日ごろ走行する舗装路以外に未舗装路があり、その未舗装路の車両走行時を想定すると、所望とするアイドル回転速度制御が実施できないという問題が生じる。つまり、車両が、未舗装路としてダート路、砂地、岩場など(いわゆるオフロード)を走行する場合、車両停止時には車両が前後等に傾いていなくても、路面の起伏等によって当該車両が僅かに動くとその姿勢が前後等に大きく傾くことがあり得る。かかる場合を想定すると、車両停止時の路面傾斜角に応じてアイドル回転速度制御を実施しても、ドライバの意に反して車両が後退したり、エンジンストールが生じたりすることがある。
本発明は、車両の走行路が未舗装路である場合にも好適なるアイドル回転速度制御を行い、ひいては車両停止後においてドライバの意に反する後退等を抑制することができる車載エンジンのアイドル回転速度制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
本発明における車載エンジンのアイドル回転速度制御装置は、トルクコンバータ付き自動変速機を備える車両に適用され、該車両に搭載されるエンジンにおいて所定のアイドル運転条件が成立した場合にエンジン回転速度を目標アイドル回転速度に制御するものである。そして、請求項1に記載の発明では、車両の走行路が舗装路であるか舗装路でないかを判定し、走行路が舗装路でない旨判定された場合に、舗装路である場合に比べて前記目標アイドル回転速度を高くする。なおここで、舗装路でない走行路(未舗装路)は、ダート路(林道等の悪路)、砂地、岩場、草地などを含み、以下の記載では「オフロード」とも称する。
上記構成によれば、車両の未舗装路(オフロード)走行時において、目標アイドル回転速度が高めに設定されることで、車両停止時における十分なクリープ力を生じさせることができる。したがって、路面に起伏等(凹凸)が繰り返し生じる未舗装路を車両が走行する場合にも好適なるアイドル回転速度制御を行い、ひいては車両停止後においてドライバの意に反する後退等を抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、走行路が未舗装路である場合に路面起伏等による走行路の凹凸度合いを算出し、その走行路の凹凸度合いに基づいて目標アイドル回転速度を設定する。つまり、車両が未舗装路を走行する場合、路面起伏の大小や路面上に存在する岩石等の大きさは様々であり、その路面起伏の大小や路面上の岩石等の大きさによって、車両停止後においてドライバの意に反する後退等が生じる可能性が変わると考えられる。この点本発明では、走行路の凹凸度合いに基づいて目標アイドル回転速度が設定されるため、路面起伏の大小や路面上の岩石等の大きさが様々であるにしても、その都度最適な目標アイドル回転速度が設定できる。具体的には、路面起伏が大きいほど凹凸度合いが大きいとする場合において、その凹凸度合いが大きいほど目標アイドル回転速度を高回転側に設定すると良い。
走行路の凹凸度合いは以下のようにして算出されると良い。
(1)走行路の傾斜角度を逐次検出する手段を備えた車両において、前記検出した傾斜角度の変動量に基づいて走行路の凹凸度合いを算出する(請求項3)。なお、傾斜角度の検出手段としては、車両の姿勢から走行路の傾斜角度を検出する傾斜角センサが適用でき、同センサの検出結果について所定期間における最大傾斜と最小傾斜との差(上り傾斜と下り傾斜との差)により傾斜角度の変動量が求められると良い。
(2)ユーザの入力により複数の走行路の種別(ダート路、砂地、岩場、草地等)を設定可能な走行路設定装置を備え、該走行路設定装置により設定された走行路に応じて車両走行制御が実施される車両において、走行路設定装置により設定された走行路に基づいて走行路の凹凸度合いを算出する(請求項4)。この場合、走行路の種別ごとに、あらかじめ走行路の凹凸度合いが規定されていると良い。
請求項5に記載の発明では、前記走行路における平均傾斜角を求め、その平均傾斜角に基づいて前記目標アイドル回転速度を設定する。つまり、車両の走行路が坂道(上り坂、又は下り坂)である場合、意に反する車両の後退等が生じる可能性が変わる、又はアイドル回転速度の高回転化が不要となることがあり得る。この点本発明によれば、都度の路面斜度に応じて適正なるアイドル回転速度制御が可能となる。また、未舗装路走行時には、センサ等により逐次検出される路面傾斜角が路面起伏等によって頻繁に変動するが、平均傾斜角(例えば所定期間における平均傾斜角)をパラメータとして用いるため、路面傾斜角の頻繁な変動に起因する制御上の誤差を抑制することができる。
請求項6に記載の発明では、少なくとも走行路の舗装情報を含んでなる道路情報を外部より取得し、その道路情報により車両の走行路が舗装路であるか舗装路でないかを判定する。例えば、GPS受信機等の無線受信機を搭載する車両では、同受信機により道路情報が取得される。この場合、走行路の状態を随時(必要に応じていつでも)把握できる。また、今後の走行ルートが分かっている場合には、将来のオフロード走行が予知できる。したがって、未舗装路であっても好適なるアイドル回転速度制御を実現できる。
なお、仮に道路として登録されていない場所を車両が走行している場合には、そのことから車両が未舗装路(砂地、山中の岩場など)を走行していると判定することも可能である。4輪駆動のオフロード車においては河川などを走行する場合も想定されるが、その河川走行も、取得した道路情報から把握できる。
また、前記道路情報に基づいて走行路の凹凸度合いを判定したり、同じく道路情報に基づいて走行路の平均傾斜角を求めたりすることも可能である。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、トルクコンバータ付き自動変速機を備える4輪自動車において、同自動車に搭載されたエンジンを制御対象とするエンジン制御システムとして本発明を具体化するものであり、図1には本システムの概要を示す。
図1において、エンジン10はガソリンを燃料とする火花点火式4サイクル内燃機関であり、そのエンジン本体11には吸気管12と排気管13とが接続されている。吸気管12には電子制御式のスロットル弁14が設けられており、スロットル弁14はステッピングモータ等からなるスロットルアクチュエータ15の駆動により開度調整されるようになっている。スロットルアクチュエータ15にはスロットル開度センサが内蔵されている。エンジン本体11には燃料噴射弁16と点火プラグ17とが設けられている。なお、燃料噴射形式として、図示するポート噴射式に代えて筒内噴射式を採用しても良い。
自動変速機20はトルクコンバータ21と変速ギア装置22とを有する。エンジン10の運転によりクランク軸(図示略)が回転すると、そのクランク軸の回転がトルクコンバータ21に伝達され、さらに変速ギア装置22を介して車軸側に伝達される。そしてその車軸の回転により車両が走行する。
ECU30は、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のマイクロコンピュータを主体とするエンジン用電子制御ユニットであり、同ECU30には、エンジンや車体等に設けられている各種センサ等から検出信号等が逐次取り込まれる。すなわち、ECU30には、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ31、エンジン負荷(吸気管圧力等)を検出する負荷センサ32、エンジン冷却水温度を検出する水温センサ33、アクセル操作量(アクセルペダルの踏み込み量)を検出するアクセルセンサ34、車速を検出する車速センサ35、車体の傾きに基づいて走行路面の傾斜角を検出する傾斜角センサ36から、各検出信号が適宜入力される。
そして、ECU30は、ROMにあらかじめ記憶されている各種の制御プログラムを実行することで、その都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御(燃料噴射量制御、点火時期制御、スロットル開度制御)を実施する。また、ECU30は、所定のアイドル運転条件が成立した場合に、エンジン回転速度が目標アイドル回転速度に収束するよう回転速度制御(ISCフィードバック制御)を実施する。このISCフィードバック制御に際し、スロットルアクチュエータ15の駆動によりスロットル開度が調整され、それによりエンジン本体11(燃焼室内)への吸入空気量が調整されてエンジン回転速度が所望の回転速度に制御される。
本実施形態では、適用車両として、舗装路走行以外に未舗装のダート路(林道等の悪路)、砂地、岩場、草地等のオフロード全般を好適に走行可能な4輪駆動車(4WD車両)を想定しており、ECU30には、ユーザの入力により複数の走行路の種別を設定可能な走行路設定装置37から走行路設定信号が入力されるようになっている。走行路設定装置37は、車両の運転席付近に設けられてユーザ(ドライバ)のダイヤル操作等により走行路の種別設定が可能となっており、例えば、走行路として、通常の舗装路以外に、「ダート路」、「砂地」、「岩場」、「草地」のいずれかが設定される。走行路設定装置37の設定信号がECU30に入力されることで、走行路に適したエンジン制御や車両制御が実行される。この場合、ECU30は、走行路設定信号に基づいてエンジントルク制御を実施するとともに、同じく走行路設定信号に基づいて自動変速制御やブレーキ制御、トラクション制御等を実施する。これら各制御により、車両のオフロード走破性が高められるようになっている。
ところで、オフロードでは、路面自体の起伏(ギャップ)や路面上に存在する岩石等により凹凸が繰り返し生じ、車両がオフロードを走行する場合、坂道でなくても車両の姿勢が頻繁に前後等に傾くと考えられる。この場合、車両停止時には車両の姿勢が定常(前後等に傾いていない水平状態)であっても、当該車両が僅かに動くとその姿勢が前後等に大きく傾くことがあり得る。そして、車両の姿勢が前後等に傾くと、ドライバの意に反して車両が後退したり、エンジンストールが生じたりすることがある。
そこでその対策として、本実施形態では、車両の走行路がオフロードであるか否かを判定し、オフロードである旨判定した場合に、目標アイドル回転速度を通常ロード走行時よりも高回転側に設定する。目標アイドル回転速度を高めに設定することで、車両停止時における十分なクリープ力が生じ、意に反する車両の後退やエンジンストールが抑制される。特にこの場合、オフロードにおける荒れ具合を示す指標として「路面凹凸度」を算出し、その路面凹凸度に応じて目標アイドル回転速度を可変設定する。路面凹凸度は、路面の起伏が大きい場合や路面上に大きな岩石等が存在する場合に大きい値として算出される。具体的には、傾斜角センサ36により逐次検出される路面傾斜角の変動量(所定期間における最大傾斜と最小傾斜との差)が算出され、その路面傾斜角の変動量に基づいて路面凹凸度が算出される。
また、車両の走行路が上り坂であると、路面傾斜のない水平路である場合に比べて、意に反する車両の後退やエンジンストールが生じる可能性が高まる。そこで、目標アイドル回転速度の算出パラメータとして走行路の傾斜角を加え、上り傾斜である場合に路面傾斜角に応じて目標アイドル回転速度を高回転側に補正することとしている。また、車両の走行路が下り坂である場合には、目標アイドル回転速度を高くしなくても良いため、下り傾斜である場合に路面傾斜角に応じて目標アイドル回転速度を低回転側に補正することとしている。本実施形態ではオフロード走行を想定しているため、傾斜角センサ36により逐次検出される路面傾斜角は路面起伏等により頻繁に変動し、路面傾斜角(上り傾斜角、下り傾斜角)を正確に求めることが困難となる。それ故、傾斜角センサ36により逐次検出される路面傾斜角の平均値(所定期間における平均傾斜角)を求め、その平均傾斜角をパラメータとして目標アイドル回転速度を補正する。
図2は、目標アイドル回転速度の設定処理を示すフローチャートであり、本処理は例えば所定の時間周期でECU30により実行される。
図2において、ステップS11では、目標アイドル回転速度のベース値を算出する。この目標アイドル回転速度のベース値の算出は周知の算出手法に基づき行われれば良く、例えば、エンジン冷却水の温度と、エアコンやオルタネータ等の補機類の負荷とをパラメータとして目標アイドル回転速度のベース値を算出する。
次いで、ステップS12では、車両走行路の状態を判定する。このとき、例えば、走行路設定装置37からの走行路設定信号に基づいて走行路判定を行い、通常ロード(通常の舗装路)であるか、ダート路、砂地、岩場、草地のいずれかのオフロード(未舗装路)であるかを識別する。
ステップS13では、上記ステップS12の判定結果に基づき、今現在の走行路がオフロードであるか否かを判定する。走行路が通常ロードである場合、ステップS14に進み、上記ステップS12で算出した目標アイドル回転速度のベース値をそのまま目標アイドル回転速度(最終値)とする。そしてその後、本処理を終了する。
また、走行路がオフロードである場合、ステップS15に進み、今現在走行中の走行路(オフロード)について路面凹凸度を算出する。このとき、傾斜角センサ36により逐次検出される路面傾斜角の変動量(所定期間における最大傾斜と最小傾斜との差)に基づいて路面凹凸度を算出する。例えば、路面凹凸の全く無い状態を路面凹凸度=0とし、路面の起伏が大きいほど大きい値になるようにして路面凹凸度を算出する。その後、ステップS16では、例えば図3の関係を用い、路面凹凸度に基づいて補正値K1を算出する。図3によれば、路面凹凸度=0の場合に補正値K1=1であり、路面凹凸度が大きくなるほど補正値K1として大きい値(ただし1以上)が算出される。
ステップS17では、今現在走行中の走行路(オフロード)について平均傾斜角を算出する。このとき、傾斜角センサ36により逐次検出される路面傾斜角を平均化して平均傾斜角を算出する。その後、ステップS18では、例えば図4の関係を用い、平均傾斜角に基づいて補正値K2を算出する。図4によれば、平均傾斜角=−β〜+βの範囲で不感帯が設けられており(K2=1)、平均傾斜角≦−βとなる場合に補正値K2として1未満の値が算出され、平均傾斜角≧+βとなる場合に補正値K2として1よりも大きい値が算出される。
最後に、ステップS19では、上記ステップS12で算出した目標アイドル回転速度のベース値に対して補正値K1,K2による補正を行い、目標アイドル回転速度(最終値)を算出する(目標アイドル回転速度=ベース値×K1×K2)。このステップS19によれば、最終の目標アイドル回転速度として、通常ロード走行時よりも高回転側に目標アイドル回転速度が設定されることとなる。そしてその後、本処理を終了する。
図5は、ISCフィードバック制御の処理手順を示すフローチャートであり、本処理は例えば所定の時間周期でECU30により実行される。
図5において、ステップS21では、ISC実行条件が成立しているか否かを判定する。ISC実行条件には、例えば、アクセル操作量が0であること、車速が所定の低速判定値以下(例えば5km/h以下)であること等が含まれ、これらがいずれも満たされる場合にISC実行条件が成立したと判定される。
ISC実行条件が成立しない場合、そのまま本処理を終了し、ISC実行条件が成立する場合、後続のステップS22に進む。ステップS22では、前記図2の処理にて算出した目標アイドル回転速度を読み込む。ステップS23では、目標アイドル回転速度とその時々の実際のエンジン回転速度との偏差に基づいてISCフィードバック制御を実行する。このとき、例えば周知のフィードバック手法(PID等)に基づきスロットル制御量が算出され、そのスロットル制御量によりスロットル開度が制御される。ステップS23においては、その時々の走行路に応じて、通常ロード用の目標アイドル回転速度に基づくISCフィードバック制御、又はオフロード用の目標アイドル回転速度に基づくISCフィードバック制御のいずれかが実施される。ただし、自動変速機20がドライブレンジでない場合(例えばパーキングレンジ、ニュートラルレンジの場合)には、オフロード走行時であっても、通常ロード用の目標アイドル回転速度に基づくISCフィードバック制御が実行されると良い。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
車両の走行路がオフロード(未舗装路)であることを判定した場合に、通常ロード(舗装路)である場合に比べて目標アイドル回転速度を高めに設定する構成としたため、車両停止時における十分なクリープ力を生じさせることができる。したがって、路面に起伏等(凹凸)が繰り返し生じるオフロード(未舗装路)を車両が走行する場合にも好適なるアイドル回転速度制御を行うことができ、車両停止後においてドライバの意に反する後退やエンジンストールを抑制することができる。オフロード走行時には、通常ロードの走行時とは走行環境が大きく異なるが、その走行環境においても車両走行時の安全性を高めることができる。
走行路設定装置37からの走行路設定信号に基づいて走行路判定を行う構成としたため、通常ロードかオフロードかを簡易に実施することができる。
車両のオフロード走行時に、路面凹凸度(凹凸度合い)を算出し、その路面凹凸度に基づいて目標アイドル回転速度を設定するようにしたため、路面起伏の大小や路面上の岩石等の大きさが変わっても、その都度最適な目標アイドル回転速度が設定できる。
また、走行路における平均傾斜角を算出し、その平均傾斜角に基づいて目標アイドル回転速度を設定するようにしたため、都度の路面斜度に応じて適正なるアイドル回転速度制御が可能となる。特にこの場合、走行路の傾斜角情報として平均傾斜角を用いるため、オフロード走行時において路面傾斜角の頻繁な変動に起因する制御上の誤差を抑制することができる。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されても良い。
目標アイドル回転速度の設定処理において、通常ロード走行時用の設定マップ(通常用マップ)とオフロード走行時用の設定マップ(オフロード用マップ)とをあらかじめ用意しておき、それら各設定マップを使い分けることで、通常ロード走行時/オフロード走行時のいずれにおいても適正なるアイドル回転速度制御を実施するようにしても良い。図6は、かかる実施形態における目標アイドル回転速度の設定処理を示すフローチャートであり、本処理は、前述した図2に置き換えてECU30により実行される。
図6において、ステップS31では、走行路設定装置37からの走行路設定信号に基づいて走行路判定を行い、通常ロード(舗装路)かオフロード(未舗装路)かを識別する(前記図2のステップS12に同じ)。次に、ステップS32では、今現在の走行路がオフロードであるか否かを判定する。走行路が通常ロードである場合、ステップS33に進み、通常用マップを用いて目標アイドル回転速度を算出する。この通常用マップは、通常一般に用いられている設定マップであり、マップデータとしてエンジン冷却水温度等の演算パラメータに対応させて目標アイドル回転速度が規定されている。
また、走行路がオフロードである場合、ステップS34に進み、オフロード用マップを用いて目標アイドル回転速度を算出する。このオフロード用マップには、通常用マップと同様に、マップデータとしてエンジン冷却水温度等の演算パラメータに対応させて目標アイドル回転速度が規定されているが、違いとして、総じて通常用マップよりも高めの回転速度が規定されている。
その後、ステップS35では、今現在走行中の走行路(オフロード)について路面凹凸度を算出するとともに、その路面凹凸度に基づいて補正値を算出する(前記図2のステップS15,S16に同じ)。そして、その補正値により、目標アイドル回転速度を補正する。また、ステップS36では、今現在走行中の走行路(オフロード)について平均傾斜角を算出するとともに、その平均傾斜角に基づいて補正値を算出する。(前記図2のステップS17,S18に同じ)。そして、その補正値により、目標アイドル回転速度を補正する。ステップS35及びS36の補正により、最終の目標アイドル回転速度が算出される。以上の図6の処理手順により目標アイドル回転速度を設定した場合にも、前述のとおりオフロード走行時において好適なるアイドル回転速度制御を行うことができる。
上記実施形態では、傾斜角センサ36により逐次検出される路面傾斜角の変動量(所定期間における最大傾斜と最小傾斜との差)に基づいて路面凹凸度を算出したが、これを変更し、以下の(a1)〜(a3)の構成を採用することもできる。
(a1)走行路設定装置37からの走行路設定信号に基づいて路面凹凸度を算出する。この場合、走行路の種別(ダート路、砂地、岩場、草地等)ごとに、路面凹凸度を規定しておき、都度設定された走行路に基づいて路面凹凸度を算出する。
(a2)オフロード走行時には、路面から車輪(タイヤ)に伝わる振動成分が大きくなり、その振動によってエンジン回転速度が変動する。そしてこの場合、路面凹凸度(路面の起伏等)に応じてエンジン回転速度の変動量が変わると考えられる。したがって、エンジン回転速度の変動量を逐次算出し、その変動量に基づいて路面凹凸度を算出する。
(a3)カーナビゲーションシステムを搭載する車両において、同システムに設けられたGPS受信機等の無線受信機により、少なくとも走行路の舗装情報を含んでなる道路情報を取得し、その道路情報に基づいて路面凹凸度を算出する。GPS受信機等の受信情報によれば、走行路の状態を、必要に応じていつでも瞬時に把握できる。携帯型通信装置(携帯電話等)に設けられたGPS受信機等の無線受信機により道路情報を取得することも可能である。
上記実施形態では、傾斜角センサ36により逐次検出される路面傾斜角を平均化することで平均傾斜角を算出したが、これを変更し、以下の(b1),(b2)の構成を採用することもできる。
(b1)車両の前輪及び後輪の各サスペンションにかかる荷重を荷重センサ等により計測し、その前後荷重の変化により、走行路の平均傾斜角を算出する。
(b2)カーナビゲーションシステムを搭載する車両において、同システムに設けられたGPS受信機等の無線受信機により道路情報を取得し、その道路情報に基づいて走行路の平均傾斜角を算出する。
上記実施形態では、オフロード走行時において、目標アイドル回転速度に対して路面凹凸度による補正と平均傾斜角による補正とを実施したが、これを変更し、それら両補正のうちいずれかのみを実施する構成としても良い。
上記実施形態では、走行路設定装置37からの走行路設定信号に基づいて通常ロード(舗装路)かオフロード(未舗装路)かの走行路判定を行ったが、これを変更し、以下の(c1),(c2)の構成を採用することもできる。
(c1)その時々の車両運転状態に基づいて、走行路が通常ロード(舗装路)かオフロード(未舗装路)かを判定する。具体的には、車両に設けられた電子制御エアサスペンションによる車高制御が実行されており、かつトランスファボックスが低速ギアである場合(前後の各車輪による高トルク走行状態)である場合に、走行路がオフロードであると判定する。
(c2)GPS受信機等の無線受信機により受信した道路情報(少なくとも走行路の舗装情報を含んでなる道路情報)に基づいて、走行路が通常ロード(舗装路)かオフロード(未舗装路)かを判定する。この場合、仮に道路として登録されていない場所を車両が走行している場合には、そのことから車両がオフロード(砂地、山中の岩場など)を走行していると判定することもできる。4輪駆動のオフロード車においては河川などを走行する場合も想定されるが、その河川走行も、取得した道路情報から把握できる。また、今後の走行ルートが分かっている場合には、将来のオフロード走行が予知できる。
上記実施形態では、ISCフィードバック制御に際し、スロットルアクチュエータ15の駆動に伴うスロットル開度調整によって吸入空気量を調整したが、これを変更する。例えば、吸気管にバイパス通路を設けるとともに、そのバイパス通路にISC弁を設け、ISC弁の開度調整によって吸入空気量を調整しても良い。
10…エンジン、14…スロットル弁、15…スロットルアクチュエータ、20…自動変速機、21…トルクコンバータ、22…変速ギア装置、30…ECU、36…傾斜角センサ、37…走行路設定装置。
Claims (6)
- トルクコンバータ付き自動変速機を備える車両に適用され、該車両に搭載されるエンジンにおいて所定のアイドル運転条件が成立した場合にエンジン回転速度を目標アイドル回転速度に制御する車載エンジンのアイドル回転速度制御装置であって、
前記車両の走行路が舗装路であるか舗装路でないかを判定する走行路判定手段と、
前記走行路が舗装路でない旨判定された場合に、舗装路である場合に比べて前記目標アイドル回転速度を高くする目標設定手段と、
を備えたことを特徴とする車載エンジンのアイドル回転速度制御装置。 - 前記走行路が未舗装路である場合に路面起伏等による走行路の凹凸度合いを算出する凹凸度合い算出手段を備え、
前記目標設定手段は、前記走行路の凹凸度合いに基づいて前記目標アイドル回転速度を設定する請求項1に記載の車載エンジンのアイドル回転速度制御装置。 - 前記走行路の傾斜角度を逐次検出する手段を備えた車両に適用され、
前記凹凸度合い算出手段は、前記検出した傾斜角度の変動量に基づいて前記走行路の凹凸度合いを算出する請求項2に記載の車載エンジンのアイドル回転速度制御装置。 - ユーザの入力により複数の走行路の種別を設定可能な走行路設定装置を備え、該走行路設定装置により設定された走行路に応じて車両走行制御が実施される車両に適用され、
前記凹凸度合い算出手段は、前記走行路設定装置により設定された走行路に基づいて前記走行路の凹凸度合いを算出する請求項2に記載の車載エンジンのアイドル回転速度制御装置。 - 前記走行路における平均傾斜角を求める手段を備え、
前記目標設定手段は、前記平均傾斜角に基づいて前記目標アイドル回転速度を設定する請求項1乃至4のいずれかに記載の車載エンジンのアイドル回転速度制御装置。 - 前記走行路判定手段は、少なくとも走行路の舗装情報を含んでなる道路情報を外部より取得し、その道路情報により前記走行路が舗装路であるか舗装路でないかを判定する請求項1乃至5のいずれかに記載の車載エンジンのアイドル回転速度制御装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2020012399A (ja) * | 2018-07-17 | 2020-01-23 | 株式会社豊田自動織機 | 過給システム |
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-
2006
- 2006-11-03 JP JP2006299711A patent/JP2008115763A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012117419A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-06-21 | Daihatsu Motor Co Ltd | アイドルストップ車の制御装置 |
JP2020012399A (ja) * | 2018-07-17 | 2020-01-23 | 株式会社豊田自動織機 | 過給システム |
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