JP2008113369A - タイミング同期方法およびタイミング同期装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スライディング相互相関時の演算量を減らすこと。
【解決手段】本発明によれば、サンプルを単位としてK(Kは1より大の自然数)等分された分割レプリカを、サンプルの時系列に並べ、「引き込み過程」にあるタイミング同期において、先頭の分割レプリカを無線フレームに対してのみ1サンプルずつずらしながら相互相関演算するスライディング相関処理を行う。そして、先頭の分割レプリカでパイロットシンボルの一部分を検出すると、以降の部分では分割レプリカとパイロットシンボルとが一致すると推定されるので、スライディング相関処理を行わず、相互相関ピークを検出した無線フレームの直後から順次分割レプリカとの相互相関演算を行い、相互相関ピークを検出していく。そして、パイロットシンボルの最後まで相互相関ピークを検出したならば、タイミング同期が確立する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数のサンプルからなる無線周波による受信信号との間でタイミング同期を確立するタイミング同期方法およびタイミング同期装置に関し、特に、タイミング同期を確立する過程におけるスライディング相互相関時の演算量を減らすタイミング同期方法およびタイミング同期装置に関する。
移動通信など、一般的なワイヤレス通信方式において、送信機と受信機とが通信を行うためには、受信機が送信機に対してタイミング同期およびキャリア周波数同期を確立する必要がある。受信機が送信機に対してタイミング同期を取ることによって、受信機は送信機から送信されたシンボルのタイミング(シンボルタイミング)を把握することが出来、シンボルの情報を認識することが可能となる。
タイミング同期およびキャリア周波数同期の処理過程には、それぞれ「引き込み過程」および「追従過程」がある。「引き込み過程」とは、シンボルタイミングあるいはキャリア周波数オフセット量が受信機側で全く分かっていない状態から、シンボルタイミングあるいは周波数オフセット量を検出して、タイミング同期を確立する処理過程のことである。「追従過程」とは、「引き込み過程」で確立した同期を、更に同期精度を高め、通信の間にわたって維持する処理過程のことである。
例えば、ワイヤレス通信方式がOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式である場合には、タイミング同期方式は、「自己相関方式」または「相互相関方式」が用いられることが一般的である。
「自己相関方式」は、次のようにしてタイミング同期を取る。OFDMシンボルは伝送したいユーザデータを含む「有効シンボル」部分と、符合間干渉の影響を低減するために設けられたGI(Guard Interval)とよばれる部分から成る。GIは、「有効シンボル」の後方の一部をコピーしたものである。「自己相関方式」は、OFDMシンボルに含まれるGIの繰り返し波形を利用して、自己相関を取得してタイミング同期を確立・維持する方式である。
しかし、受信波が遅延成分(遅延波)を含む場合に、「自己相関方式」では、遅延成分による干渉によって、自己相関の取得が困難である。このために、受信波が遅延成分を含む場合であっても同期の確立および維持を可能とするために、「相互相関方式」がより広く用いられる。
「相互相関方式」は、次のようにしてタイミング同期を取る。「無線フレーム」は複数の「情報シンボル」と「パイロットシンボル」により構成される。「情報シンボル」は、受信機が未知な情報を伝送するためのOFDMシンボルである。これに対して「パイロットシンボル」は、受信機が既知な情報を伝送するOFDMシンボルである。受信機が既知である情報を伝送することにより、受信機では伝搬路の波形歪推定を行うことが可能になるほか、「相互相関方式」によってタイミング同期を行うことが可能となる。
「相互相関方式」によるタイミングは、同期具体的には、受信機では予めこの「パイロットシンボル」の「有効シンボル」区間の波形をメモリ等に内蔵(これを「レプリカ」とよぶ)し、受信信号と「レプリカ」との相互相関を演算して、相互相関値がピークになるタイミングをフレーム同期タイミングとする。
ところで、近年のOFDM変調方式では、サブキャリア数がどんどん多くなる傾向にある。これにより、「有効シンボル」のサンプル数が増大することとなる。さらに、タイミング同期が「引き込み過程」にあるときは、受信信号を1サンプルずつずらしながら相互相関演算を行っていく、スライディング相関処理を行う必要があり、この「引き込み過程」のタイミング同期処理の演算量が問題視されている。
そこで、例えば、非特許文献1には、既知情報の「有効シンボル」そのものを「レプリカ」として用いるのではなく、「有効シンボル」を硬判定したもの、つまり「有効シンボル」の符号のみを「レプリカ」として用いるタイミング同期方式が開示されている。これにより、相互相関演算時に、複素乗算の代わりに符号反転処理のみを行えばよくなるため、「引き込み過程」における演算量を大きく削減可能としている。
平 明徳、石津 文雄、三宅 真 著 「周波数選択性フェージング環境におけるOFDM通信システムのタイミング同期方式」 電子情報通信学会論文誌 B Vol.J84-B No.7 pp.1255-1264 2001年7月
しかしながら、上記非特許文献1に代表される従来技術は、「硬判定された参照信号のIch、Qchの時系列」が相関特性に優れたパターンであれば用いることの出来る方式である。このために、「硬判定された参照信号のIch、Qchの時系列」が相関特性に優れないパターンであるなどの、より一般的な「パイロットシンボル」を含むフレームの同期を確立することは困難であった。
本発明は、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、「硬判定された参照信号のIch、Qchの時系列」が相関特性に優れていない場合、すなわち、任意の「パイロットシンボル」を含むフレームであっても、「引き込み過程」におけるスライディング相互相関時の演算量を減らすことを可能とするタイミング同期方法およびタイミング同期装置を提供することを目的とする。
上述した問題を解決し、目的を達成するため、本発明は、複数のサンプルからなる無線周波による受信信号との間でタイミング同期を確立するタイミング同期方法であって、複数の順序付けられたサンプルからなるパイロットシンボルのレプリカを該サンプル単位でK(Kは1より大の自然数)個に分割した分割レプリカを記憶する分割レプリカ記憶工程と、前記分割レプリカ記憶工程によって記憶される分割レプリカから一つの分割レプリカを、前記サンプルの順序を保つ順序に従って選択する分割レプリカ選択工程と、前記分割レプリカ選択工程によって選択された分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関値を算出する相互相関値算出工程と、前記相互相関値算出工程によって算出された相互相関値と所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、当該分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関のピークを検出する相互相関ピーク検出工程とを含んだことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって第1に選択された第1分割レプリカと前記受信信号との間でのみスライディング相互相関演算を行い、前記分割レプリカ選択工程は、前記相互相関ピーク検出工程によって前記第1分割レプリカと前記受信信号の第1区間との間で相互相関のピークが検出されると、該第1分割レプリカに続く第2分割レプリカを選択し、前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって選択された前記第2分割レプリカと、前記受信信号の第1区間の直後の第2区間との間の相互相関値を算出し、前記相互相関ピーク検出工程は、前記相互相関値算出工程によって算出された前記第2分割レプリカと前記受信信号の第2区間との間の相互相関値と、前記所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、該第2分割レプリカと前記受信信号の第2区間との間の相互相関のピークを検出することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記分割レプリカ選択工程は、前記相互相関ピーク検出工程によって第i(2≦i≦K−1)分割レプリカと前記受信信号の第i区間との間の相互相関のピークが検出されると、該第i分割レプリカに続く第(i+1)分割レプリカを選択し、前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって選択された前記第(i+1)分割レプリカと、前記受信信号の第i区間の直後の第(i+1)区間との間の相互相関値を算出し、前記相互相関ピーク検出工程は、前記相互相関値算出工程によって算出された前記第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関値と、前記所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、該第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関のピークを検出することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記分割レプリカ選択工程は、前記相互相関ピーク検出工程によって前記第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関のピークを検出されなかった場合に、前記第1分割レプリカを再選択し、前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって再選択された前記第1分割レプリカと前記受信信号との間でスライディング相互相関演算を再び行うことを特徴とする。
また、本発明は、複数のサンプルからなる無線周波による受信信号との間でタイミング同期を確立するタイミング同期装置であって、複数の順序付けられたサンプルからなるパイロットシンボルのレプリカを該サンプル単位でK(Kは1より大の自然数)個に分割した分割レプリカを記憶する分割レプリカ記憶部と、前記分割レプリカ記憶部に記憶される分割レプリカから一つの分割レプリカを、前記サンプルの順序を保つ順序に従って選択する分割レプリカ選択部と、前記分割レプリカ選択部によって選択された分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関値を算出する相互相関値算出部と、前記相互相関値算出部によって算出された相互相関値と所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、当該分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関のピークを検出する相互相関ピーク検出部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、相互相関値を算出する際に、分割レプリカを使用するため、受信波に周波数オフセットがある場合であっても相互相関値が小さくなりにくいため、タイミング同期の確立をより容易に行い、またタイミング同期の誤同期を防止することが可能となるという効果を奏する。また、1つのパイロットシンボルを検知する間にK個の相互相関値を算出することとなり、K個の相互相関ベクトルを算出することとなることから、従来に比べてK倍のキャリア周波数オフセットを検出することが可能となるという効果を奏する。
また、本発明によれば、タイミング同期確立時のスライディング相関演算を分割されサンプル数が少ない第1分割レプリカのみ行い、第2分割レプリカは受信波の固定部分との間で相互相関値を計算するので、スライディング相互相関演算の計算量を抑制するという効果を奏する。
また、本発明によれば、第2分割レプリカから第K分割レプリカまで、受信波の第2区間から第K区間までのそれぞれと相互相関値を計算し、相互相関のピークを検出するので、相互相関値を複数回計算し、いずれの相互相関値も所定閾値以上となるか否かを確認することによって、タイミング同期の誤同期を防止するという効果を奏する。
また、本発明によれば、分割レプリカ2〜Kのうちで相関ピークを検出できなかったら、その時点でタイミング同期処理を分割レプリカ1からやり直すこととし、複数回の相互相関処理を行い得ることを保証することになるので、誤同期を防止する確率をより高めることが可能となる。
以下に添付図面を参照し、本発明のタイミング同期方法およびタイミング同期装置に係る実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、本発明を、受信フレームのパイロットシンボルが1つであるOFDM変調方式のタイミング同期に適用した場合を示すこととする。これは、OFDM変調方式が、サブキャリアが多いためで、本発明を適用することによって、タイミング同期を確立する際のスライディング相互相関演算の計算量を抑制することが可能であるからである。しかし、OFDM変調方式に限らず、受信フレームのパイロットシンボルが1つであって、相互相関方式でタイミング同期を確立する変調方式であれば、いずれであってもよい。本発明は、サブキャリアが多ければ多いほど効果的である。
なお、厳密には、タイミング同期だけでは情報を認識することは困難であり、受信機が送受信機間のキャリア周波数オフセットを補償(キャリア周波数同期)することにより、シンボルの情報および無線フレームの情報を認識することが可能となる。さらに、同期検波方式においてはキャリア位相同期を確立し、必要に応じて伝搬路上で発生するフェージングによる波形歪を補償することにより情報を認識することが可能になる。
先ず、実施例の説明に先立って、図1および2を参照して、従来のタイミング同期方法の問題点および本発明のタイミング同期方法の特徴を説明する。図1は、従来の引き込み過程におけるタイミング同期方法の問題点を説明するための説明図である。同図に示すように、従来は、「引き込み過程」にあるタイミング同期において、レプリカを無線フレームに対して1サンプルずつずらしながら相互相関演算するスライディング相関処理を行っていた。なお、この場合、無線フレームおよびレプリカは複数のサンプルからなり、レプリカを無線フレームに対して1サンプルずつずらしながら、各位置において相互相関値を算出し、相互相関値が所定閾値以上となった無線フレームの位置を、無線フレームを構成する有効シンボルの一種であるパイロットシンボルの位置とする。
しかし、この従来の方法によると、有効シンボルのサンプル数が多い場合に、相互相関演算の計算量が膨大になるという問題点があった。例えば、有効シンボルがA個のサンプル数からなるとすると、パイロットシンボルを検出するために行うスライディング相関処理の1回の相互相関値の算出において、A回の複素乗算を行い、かつ(A−1)回の複素加算を行わなければならない。Aの値が膨大であれば、これらの計算に要する計算量は、当然に大きくなる。さらに、タイミング同期が同期確立の過程、すなわち「引き込み過程」にある場合には、スライディング相関処理をおこなうことから、これらに要する相互相関処理の計算量は、さらに膨大なものとなっていく。
このように、従来の方法であっては、タイミング同期が「引き込み過程」にある場合には、相互相関処理の計算量が膨大になり、タイミング同期の処理装置の負担を招き、迅速なタイミング同期の確立を妨げていた。
そこで、本発明は、図2の本発明の引き込み過程におけるタイミング同期方法の特徴を説明するための説明図に示すように、サンプルを単位としてK(Kは1より大の自然数)等分された分割レプリカを、サンプルの時系列に並べる。「引き込み過程」にあるタイミング同期において、先頭の分割レプリカを無線フレームに対してのみ1サンプルずつずらしながら相互相関演算するスライディング相関処理を行う。そして、先頭の分割レプリカでパイロットシンボルの一部分を検出すると、以降の部分では分割レプリカとパイロットシンボルとが一致すると推定されるので、スライディング相関処理を行わず、相互相関ピークを検出した無線フレームの直後から順次分割レプリカとの相互相関演算を行い、相互相関ピークを検出していく。そして、パイロットシンボルの最後まで相互相関ピークを検出したならば、タイミング同期が確立する。
この方法によると、有効シンボルのサンプル数が多い場合であっても、相互相関演算の計算量を抑制することが可能となる。例えば、有効シンボルがA個のサンプル数からなるとすると、このA個のサンプルをK等分(ただし、AがKで割り切れるものとする)するので、分割レプリカのサンプル数はA/Kとなる。この場合、パイロットシンボルを検出するために行うスライディング相関処理の1回の相互相関値の算出において、A/K回の複素乗算を行い、かつ(A/K−1)回の複素加算を行うだけですむことになる。Aの値が膨大であっても、Kの値を適切に定め、A/Kの値が適切な値となるように調整することによって、これらの計算に要する計算量が抑制され、スライディング相関処理をおこなったとしても、これらに要する相互相関処理の計算量は、大きく抑制されることが期待できる。
このように、本発明の方法であれば、タイミング同期が「引き込み過程」にある場合にも、相互相関処理の計算量を抑制可能になり、タイミング同期の処理装置の負担を軽減し、迅速なタイミング同期の確立をはかることが可能となる。
なお、レプリカを分割レプリカへ分割する際に、K等分するとしたが、これに限らず、分割単位は、等分でなくてもよい。例えば、先頭の分割レプリカのサンプル数をより少なくし、先頭以外の分割レプリカのサンプル数をより多くすることによって、スライディング相関処理の処理負担および計算量の削減、相互相関演算の計算量の削減を図ることが可能となる。
以下に、図3〜9を参照して、本発明に係る実施例を説明する。先ず、OFDM変調方式で使用される無線フレームを構成するOFDMシンボルの概要を説明する。図3は、OFDM変調方式で使用される無線フレームを構成するOFDMシンボルの概要を示す図である。同図に示すように、OFDMシンボルは、伝送したい情報を有する「有効シンボル」部分と、符合間干渉の影響を低減するために設けられたGI(Guard Interval)と呼ばれる部分とから成る。GIは,「有効シンボル」の後方の一部をコピーしたものである。なお、タイミング同期を取るための方法の一つである「自己相関方式」は、OFDMシンボルに必ず含まれるこの繰り返し波形を利用して、自己相関を取得し同期を確立、維持する方式である。
次に、実施例に係る無線フレームの構成例を説明する。図4は、実施例に係る無線フレームの構成例を示す図である。同図に示すように、無線フレームは、1つのパイロットシンボルと9つの情報シンボルとから構成される。パイロットシンボルおよび情報シンボルは、ともにOFDMシンボルである。さらに、パイロットシンボルは、N(Nは自然数)個のサンプルから構成される。さらにこのN個のサンプルは、K(Kは1より大の自然数)個のグループに等分割可能で、各サンプルのグループは、N/K個のサンプルを有する、分割された分割パイロットシンボルを構成可能である。なお、NはKで割り切れるものとする。
次に、実施例に係るレプリカの構成例を説明する。図5は、実施例に係るレプリカの構成例を示す図である。同図に示すように、レプリカは、パイロットシンボルと同様に、N(Nは自然数)個のサンプルから構成される。さらにこのN個のサンプルは、K(Kは1より大の自然数)個のグループに等分割可能で、各サンプルのグループは、N/K個のサンプルを有する、分割された分割レプリカを構成可能である。なお、NはKで割り切れるものとする。
次に、実施例に係る引き込み用タイミング同期装置の構成について説明する。図6は、実施例に係る引き込み用タイミング同期装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、引き込み用タイミング同期装置100は、制御部101と、レプリカ出力部102と、相互相関演算部103と、相関ピーク検出部104とを有する。
制御部101は、引き込み用タイミング同期装置100全体の制御をつかさどるとともに、相関ピーク検出部104から受け渡された相関ピーク検出情報に基づいて、レプリカ出力部102(より具体的には、後述のセレクタ部102c)に対して分割レプリカの再選択を指示する。また、全ての分割レプリカから相関ピークを検出したならば、タイミング同期が確立(「引き込み過程」の終了)したことを外部に対して出力する。
レプリカ出力部102は、分割レプリカ記憶部102aと、分割レプリカ1記憶部102b1と、分割レプリカ2記憶部102b2と、・・・、分割レプリカK記憶部102bKと、セレクタ部102cとを有する。分割レプリカ記憶部102aは、分割される以前のレプリカを記憶する記憶手段である。分割レプリカ1記憶部102b1、分割レプリカ2記憶部102b2、・・・、分割レプリカK記憶部102bKは、レプリカがK等分に分割された分割レプリカを記憶する記憶手段である。レプリカ記憶部102aに記憶されるレプリカがK等分されて、そのサンプルの時系列順に、分割レプリカ1記憶部102b1、分割レプリカ2記憶部102b2、・・・、分割レプリカK記憶部102bKへと格納されることとなる。
セレクタ部102cは、制御部101に指示に従って、分割レプリカ1記憶部102b1、分割レプリカ2記憶部102b2、・・・、分割レプリカK記憶部102bKから一つの分割レプリカを選択し、相互相関演算部103へ受け渡す。
相互相関演算部103は、無線周波による受信信号を、セレクタ部102cによって選択された分割レプリカとの相互相関ベクトルを求め、この求められた相互相関ベクトルを、相関ピーク検出部104へ受け渡す。
相関ピーク検出部104は、相互相関演算部103から受け渡された受信信号と分割レプリカとの相互相関ベクトルの絶対値を算出して相互相関値とし、この相互相関値と所定閾値とを比較し、相互相関値が所定閾値以上であるか否かを判定することによって、相互相関値のピークを検出する。すなわち、相互相関値が所定閾値以上である場合に、相互相関値がピークであることとする。そして、相関ピーク時の相互相関ベクトルを外部へ出力する。
なお、相互相関値の系列内において値が最大となるものを求めることによって相互相関値のピークを検出することとしてもよい。しかし、相互相関値のピークとなる受信信号の系列のうち、前述の所定閾値を超えるものが1つだけであり、これ以外は該所定閾値を超えないように閾値を設定することによって、上記のように、所定閾値との比較結果のみに基づいて相互相関値のピークを検出することが可能となる。
次に、図6に示した引き込み用タイミング同期装置において実行される引き込み時タイミング同期処理について説明する。図7は、引き込み時タイミング同期処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、セレクタ部102cは、分割レプリカ1を選択する(ステップS101)。続いて、相互相関演算部103は、分割レプリカ1を用いて、スライディング処理を行いつつ相互相関ベクトルを計算し、相関ピーク検出部104は、該相互相関ベクトルの絶対値を算出してスライディング相互相関値を計算する(ステップS102)。
続いて、相関ピーク検出部104は、ステップS102で計算したスライディング相互相関値と所定閾値とを比較し、スライディング相互相関値が所定閾値以上となったと判定されたことにより相互相関ピークを検出したか否かを判定する(ステップS103)。相互相関ピークを検出したと判定された場合(ステップS103肯定)、ステップS104へ移り、相互相関ピークを検出したと判定されなかった場合(ステップS103否定)、ステップS101へ移る。
続いて、ステップS104では、セレクタ部102cは、分割レプリカ2を選択する。続いて、相互相関演算部103は、分割レプリカ2を用いて、分割レプリカ1の相関ピークタイミングからN/Kサンプル後の相互相関ベクトルを計算し、相関ピーク検出部104は、該相互相関ベクトルの絶対値を算出して相互相関値を計算する(ステップS105)。
続いて、相関ピーク検出部104は、ステップS105で計算した相互相関値と所定閾値とを比較し、相互相関値が所定閾値以上となったと判定されたことにより相互相関ピークを検出したか否かを判定する(ステップS106)。相互相関ピークを検出したと判定された場合(ステップS106肯定)、ステップS107へ移り、相互相関ピークを検出したと判定されなかった場合(ステップS106否定)、ステップS101へ移る。以下、ステップS104〜ステップS106の処理と同様の処理を、分割レプリカ3、分割レプリカ4、・・・、分割レプリカK−1について実行する。
そして、ステップS107では、セレクタ部102cは、分割レプリカKを選択する。続いて、相互相関演算部103は、分割レプリカKを用いて、分割レプリカ1の相関ピークタイミングからNサンプル後の相互相関ベクトルを計算し、相関ピーク検出部104は、該相互相関ベクトルの絶対値を算出して相互相関値を計算する(ステップS108)。
続いて、相関ピーク検出部104は、ステップS108で計算した相互相関値と所定閾値とを比較し、相互相関値が所定閾値以上となったと判定されたことにより相互相関ピークを検出したか否かを判定する(ステップS109)。相互相関ピークを検出したと判定された場合(ステップS109肯定)、ステップS110へ移り、相互相関ピークを検出したと判定されなかった場合(ステップS109否定)、ステップS101へ移る。
ステップS110では、制御部101は、タイミング同期において「引き込み過程」が終了したことをタイミング同期情報として、例えば、有効シンボル位置情報を、後述の有効シンボル抽出装置204へ受け渡す。
次に、図6に示した引き込み用タイミング同期装置を含むOFDM受信装置の構成について説明する。図8は、実施例に係るOFDM受信装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、OFDM受信装置200は、受信データメモリ201と、タイミング同期装置202と、キャリア周波数オフセット同期装置203と、有効シンボル抽出装置204と、有効シンボルデータメモリ205と、サブキャリア復調装置206とを有する。
受信データメモリ201は、受信データを一時記憶する。複素信号で表されるOFDMシンボルを3シンボル長格納可能な長さのメモリである。1つのOFDMシンボルは、Nサンプルの有効シンボルとGサンプルのGIとを含むL(=N+G)サンプルからなる。また、受信データメモリ201は、アドレスが小さい方から受信データが書き込まれ、アドレスが大きくなるに従って、新しい受信データとなる。受信データメモリ201は、上位制御装置により制御され、受信データをメモリ内に格納する。
今ここで、受信データメモリに格納されている受信データを古い順に1シンボル長ごとに、領域A、領域B、領域Cと分けると、上位制御装置は、まず領域Bの受信データLサンプルを領域Aに転送し、その次に、領域Cの受信データLサンプルを領域Bに転送し、最後に外部からの受信データLサンプルを領域Cに転送する。タイミング同期装置202および有効シンボル抽出装置204は、この受信データメモリ201に一時記憶される受信データを読み出すこととなる。
タイミング同期装置202は、引き込み用タイミング同期装置100と、追従用タイミング同期装置120とを有する。追従用タイミング同期装置120は、タイミング同期が「追従過程」にあるときの同期処理を行う装置である。なお、これら2つのタイミング同期装置は、図示しない上位のタイミング同期装置により切り替えられて用いられるが、分離した構成でなくともよく、一体であってもよい。タイミング同期装置202は、「引き込み過程」、「追従過程」に関わらず、相関ピークを検出したタイミングの相互相関ベクトルをキャリア周波数オフセット同期装置203へ受け渡す。また、基準発信器へタイミング同期情報を受け渡す。
なお、図示しない上位のタイミング同期装置は、タイミング同期状態が「引き込み過程」か「追従過程」かのいずれであるかをOFDM受信装置全体に通知するとともに、「追従過程」において、有効シンボル抽出装置204に対して、受信データメモリ201の領域A〜Cのどの部分に有効シンボルが含まれるかを示すため、有効シンボルの先頭アドレスを通知する。
引き込み用タイミング同期装置100は、「引き込み過程」にあるときは、受信データメモリ201のアドレスG〜2L−1の受信データに対してスライディング相関処理を行い、L個の相互相関ベクトルを出力する。領域Aのアドレス0〜L−N/Kの受信データと領域Cの受信データは、「引き込み過程」における相互相関演算には用いない。「引き込み過程」において、領域Bに相互相関ピークがあるときに相関ピークを検出するためである。
ただし、「引き込み過程」で検出した同期タイミングは、一般的にはどんどんずれていく。これは、送信機の基準発信器と受信機の基準発信器に偏差があるためで、送受信機のシンボル周期が微妙に異なるためである。よって、「追従過程」においては、より高精度にタイミング同期を行うため、領域Aや領域Cの受信データも使用して相関ピーク検出を行う。但し、時間が立てば、領域Aあるいは領域Cの端まで相関ピークタイミングがずれていく。
これを防ぐため、追従用タイミング同期装置120は、「追従過程」において、受信機の基準発信器の発信周波数を微調整する。繰り返し領域Aで相関ピークを検出したら、送信機の基準発信器の発信周波数が受信機の発信周波数よりもわずかに速いと認識して、受信機の基準発信器の周波数をわずかに下げる。逆に、繰り返し領域Cで相関ピークを検出したら、送信機の基準発信器の発信周波数が受信機の基準発信器の発信周波数よりもわずかに遅いと認識して、受信機の基準発信器の発信周波数をわずかに上げる。このようにして、大体において領域Bにおいて相関ピークを検出するように制御する。
キャリア周波数オフセット同期装置203は、タイミング同期装置202から出力される相互相関ベクトルをもとにキャリア周波数オフセット量を検出し、「追従過程」時には、有効シンボルデータメモリ内のデータに対して位相回転処理を行い、有効シンボルデータのキャリア周波数オフセットを補償する。
有効シンボル抽出装置204は、タイミング同期装置202から通知された有効シンボルの先頭アドレスに基づいて受信データメモリ201から有効シンボルのNサンプル部分を抽出し、この抽出された有効シンボルデータの部分を有効シンボルデータメモリ205へ受け渡す。
有効シンボルデータメモリ205は、複素信号で表されるNサンプルの有効シンボルデータを格納するメモリである。さらに、この一時記憶するNサンプルの有効シンボルデータをキャリア周波数オフセット同期装置203へ受け渡す。
サブキャリア復調装置206は、キャリア周波数オフセットを補償された有効シンボルデータに対してサブキャリア復調処理を行う。なお、サブキャリア復調装置は、伝搬路歪を補償する波形等価装置206aと、キャリア位相を再生するキャリア位相同期装置206bとを含む。
次に、実施例に係るOFDM受信装置における引き込み時タイミング同期処理について説明する。図9は、実施例に係るOFDM受信装置における引き込み時タイミング同期処理を示すタイムチャートである。同図に示すように、先ず、OFDM受信装置200全体の制御装置である上位制御装置300は、引き込み用タイミング同期装置100の制御部101へ、受信データ更新通知を送信する(ステップS121)。
続いて、制御部101は、レプリカ出力部102に対して、分割レプリカ1を出力するように指示する(ステップS122)。この指示に従って、レプリカ出力部102は、相互相関演算部103に対して、分割レプリカ1を出力する(ステップS123)。続いて、OFDM受信装置200の受信データメモリ201は、サンプル数がL+N/Kの受信データを、相互相関演算部103へ出力する(ステップS124)。そして、相互相関演算部103は、サンプル数がLの相互相関ベクトルを相関ピーク検出部104へ出力する(ステップS125)。ここで、相関ピーク検出部104は、相互相関ピークを検出しなかったので、制御部101に対して、“相互相関ピーク無し”を通知する(ステップS126)。
続いて、OFDM受信装置200全体の制御装置である上位制御装置300は、引き込み用タイミング同期装置100の制御部101へ、さらに受信データ更新通知を送信する(ステップS127)。
続いて、制御部101は、レプリカ出力部102に対して、分割レプリカ1を出力するように指示する(ステップS128)。この指示に従って、レプリカ出力部102は、相互相関演算部103に対して、分割レプリカ1を出力する(ステップS129)。続いて、OFDM受信装置200の受信データメモリ201は、サンプル数がL+N/Kの受信データを、相互相関演算部103へ出力する(ステップS130)。そして、相互相関演算部103は、サンプル数がLの相互相関ベクトルを相関ピーク検出部104へ出力する(ステップS131)。
そして、相関ピーク検出部104は、相互相関ピークを検出したので、制御部101に対して、“相互相関ピーク有り”を通知する(ステップS132)。続いて、相関ピーク検出部104は、キャリア周波数オフセット同期装置203に対して、相互相関がピークであった相互相関ベクトルを送信する(ステップS133)。このとき送信されるベクトルは、当然サンプル数1である。
このように、ステップS121〜ステップS133を経ることによって、分割レプリカ1によるスライディング相関処理で、一度目の「受信データ更新処理」では相関ピークを検出できなかったが、二度目の「受信データ更新処理」で相関ピークを検出できたことになる。
続いて、OFDM受信装置200全体の制御装置である上位制御装置300は、引き込み用タイミング同期装置100の制御部101へ、さらに受信データ更新通知を送信する(ステップS134)。
続いて、制御部101は、レプリカ出力部102に対して、分割レプリカ2を出力するように指示する(ステップS135)。この指示に従って、レプリカ出力部102は、相互相関演算部103に対して、分割レプリカ2を出力する(ステップS136)。続いて、OFDM受信装置200の受信データメモリ201は、サンプル数がL=N/Kの受信データを、相互相関演算部103へ出力する(ステップS137)。
そして、相互相関演算部103は、サンプル数が1の相互相関ベクトルを相関ピーク検出部104へ出力する(ステップS138)。ここで、相関ピーク検出部104は、相互相関ピークを検出したので、制御部101に対して、相互相関ピーク有りを通知する(ステップS139)。続いて、相関ピーク検出部104は、キャリア周波数オフセット同期装置203に対して、相互相関がピークであった相互相関ベクトルを送信する(ステップS140)。このとき送信されるベクトルは、当然サンプル数1である。
引き続き、分割レプリカ3、分割レプリカ4、・・・、分割レプリカK−1について、ステップS134〜ステップS140の処理を繰り返す。そして、OFDM受信装置200全体の制御装置である上位制御装置300は、引き込み用タイミング同期装置100の制御部101へ、さらに受信データ更新通知を送信する(ステップS141)。
続いて、制御部101は、レプリカ出力部102に対して、分割レプリカKを出力するように指示する(ステップS142)。この指示に従って、レプリカ出力部102は、相互相関演算部103に対して、分割レプリカKを出力する(ステップS143)。続いて、OFDM受信装置200の受信データメモリ201は、サンプル数がL=N/Kの受信データを、相互相関演算部103へ出力する(ステップS144)。
そして、相互相関演算部103は、サンプル数が1の相互相関ベクトルを相関ピーク検出部104へ出力する(ステップS145)。ここで、相関ピーク検出部104は、相互相関ピークを検出したので、制御部101に対して、相互相関ピーク有りを通知する(ステップS146)。続いて、相関ピーク検出部104は、キャリア周波数オフセット同期装置203に対して、相互相関がピークであった相互相関ベクトルを送信する(ステップS147)。このとき送信されるベクトルは、当然サンプル数1である。
引き続き、制御部101は、上位制御装置300に対して、引き込み終了通知を送信し(ステップS148)、キャリア周波数オフセット同期装置203に対して引き込み終了通知を送信する(ステップS149)。
このように、ステップS134〜ステップS149の処理において、分割レプリカ2〜Kについて、相互相関のピークの評価はそれぞれの分割レプリカで1点ずつしか行わない。分割レプリカ1のタイミングを基準にして、N/Kサンプル間隔で相互相関を評価する。分割レプリカ2〜Kのうちで相関ピークを検出できなかったら、その時点でタイミング同期を分割レプリカ1からやり直すこととなる。このように、1回の相互相関演算によって相互創刊ピークが検出され、「タイミング同期が確立した」と見なされても、さらに相互相関演算を行うことによって相互相関ピークが無検出、すなわち、「タイミング同期が確立していない」と判定しうる機会を設け、タイミング誤同期を防止することが図られている。これを「後方保護処理」と呼ぶこととする。この後方保護処理を行うことによって、複数回の相互相関処理を行うことを保証するので、誤同期を防止する可能性をより高めることが可能となる。
次に、分割されたレプリカ(分割レプリカ)を使用する場合に、1つのパイロットシンボルで後方保護が可能となる効果について説明する。図10は、分割されたレプリカを使用する場合に、1つのパイロットシンボルで後方保護が可能となる効果を説明するための説明図である。同図に示すように、受信信号の1つのパイロットシンボルは、N個のサンプルからなるが、このパイロットシンボルが、K個に分割されている。パイロットシンボルのサンプルは、予め順序付けられているが、分割によってもこのサンプルの順序が保たれるように、分割されたパイロットシンボルは順序付けられて並べられる。分割パイロットシンボルのサンプル数は、おのおのN/Kである。なお、ここで、NはKで割り切れると仮定する。
また、同様に、レプリカもN個のサンプルからなり、このレプリカが、K個に分割されている。レプリカのサンプルは、予め順序付けられているが、分割によってもこのサンプルの順序が保たれるように、分割されたレプリカ(分割レプリカ)は順序付けられて並べられる。分割レプリカのサンプル数も、おのおのN/Kである。ここで、分割パイロットシンボルを、順序に従って分割パイロットシンボル1、分割パイロットシンボル2、・・・、分割パイロットシンボルKとよび、分割レプリカを、順序に従って分割レプリカ1、分割レプリカ2、・・・、分割レプリカKとよぶ。なお、ここでも、NはKで割り切れると仮定する。
以下では、スライディング相関処理が、分割パイロットシンボル1から始められたと仮定する。この場合、先ず、(1)分割パイロットシンボル1と分割レプリカ1との相互相関値を計算することとなる。次に、(2)相互相関ピークを検出したため、(3)分割パイロットシンボル2と分割レプリカ2との相互相関値を計算する。そして、(4)相互相関ピークを検出する。この処理を分割パイロットシンボルK−1および分割レプリカK−1に至るまで続け、最後に、(2K−1)分割パイロットシンボルKと分割レプリカKとの相互相関値を計算し、(2K)相互相関ピークを検出し、タイミング同期が確立されることとなる。ただし、この(2)、(4)、・・・、(2K)のいずれかの段階で、相互相関ピークが検出されなかった場合には、受信信号のサンプルを1個後方へずらして、分割レプリカ1との相互相関値の計算から再度やり直すこととなる。
このように、分割パイロットシンボルと分割レプリカとの間で相互相関ピークを検出したとしても、さらにそれに続く分割パイロットシンボルと分割レプリカとの間で相互相関ピークを検出できなければ、タイミング同期の確立は失敗であるとし、タイミング同期を再度やり直すことによって、複数回の相互相関処理を行うことを保証することとなり、誤同期を防止する可能性をより高めることが可能となる。
次に、図11−1〜図14を参照して、受信信号の信号波の系列に対して、信号波のキャリア周波数オフセットが相互相関ピークに及ぼす影響について説明する。最初に、図11−1〜図12を参照して、受信信号の信号波の系列に対して、信号波のキャリア周波数オフセットがあった場合の相互相関ピークへ及ぼされる影響について説明する。
図11−1は、受信波系列にキャリア周波数オフセットがない場合の受信波ベクトルの系列を示す図である。受信波は、IchおよびQchの2成分を有するベクトルとして表現できる。なお、2次元のベクトルは、複素数と等価である。図11−1を参照すると、ここでは、受信波系列[R1,R2,R3,R4,R5]は、全てIchが“1”、Qchが“0”、すなわち(1,0)のベクトルであり、各受信波間ではキャリア周波数オフセットは発生していない。
このとき、レプリカがAi(1≦i≦5)=(1,0)とすると、これらのベクトルの複素共役Bi(1≦i≦5)は、Bi=(1,0)である。ここで、RiとAiとの相互相関ベクトルXcorは、次式で定義される。なお、Xcorの絶対値|Xcor|を、相互相関値という。
Figure 2008113369
ただし、Ri*Biは、RiとBiとの複素乗算を表す。RiとBiとの複素乗算は、Ri=(a,b)、Bi=(c,d)とすると、Ri*Bi=(ac-bd,ad+bc)で定義される。
上記を前提として、図11−2に示すように、受信波系列[R1,R2,R3,R4,R5]とレプリカ系列[A1,A2,A3,A4,A5]との相互相関ベクトルを求めると、Xcor=(1,0)、|Xcor|=1となる。図12に示すように、受信波系列にキャリア周波数オフセットがない場合には、相互相関値は比較大きくなるので、相互相関ピークを容易に検出することができる。
次に、図13−1〜図14を参照して、受信信号の信号波の系列に対して、信号波のキャリア周波数オフセットがあった場合の相互相関ピークへ及ぼされる影響について説明する。図13−1は、受信波系列にキャリア周波数オフセットがある場合の受信波ベクトルの系列を示す図である。図13−1を参照すると、ここでは、受信波系列[R1,R2,R3,R4,R5]は、全て45度ずつのキャリア周波数オフセットが発生しており、R1=(1,0)、R2=(1/√2,1/√2)、R3=(0,1)、R4=(-1/√2,1/√2)、R5=(-1,0)である。
このとき、図13−2に示すように、受信波系列[R1,R2,R3,R4,R5]とレプリカ系列[A1,A2,A3,A4,A5]との相互相関ベクトルを求めると、Xcor=(0,(1+√2)/5)となる。図14に示すように、受信波系列にキャリア周波数オフセットがある場合には、キャリア周波数オフセットがない場合に比べて相互相関値は小さくなるので、相互相関ピークを検出することがより困難になる。
以上から、受信波系列にキャリア周波数オフセットがある場合は、キャリア周波数オフセットがない場合に比べ相互相関値が小さくなり、また、受信波系列のキャリア周波数オフセットがより大きい場合に、相互相関値がより小さくなることが分かる。これは、受信波のサンプルのベクトルの向きにばらつきが大きいほど、互いにベクトルの成分を打ち消しあうため、相互相関ベクトルの大きさが小さくなる。これは、「相互相関方式」によるタイミング同期においては、送受信機間のキャリア周波数オフセット量が大きくなるにつれて、相関ピークのレベル(大きさ)が小さくなるという周知の事実に一致する。
次に、分割されたパイロットシンボルを使用する場合に比較的大きな相互相関値が得られる効果を説明する。図15は、分割されたパイロットシンボルを使用する場合に比較的大きな相互相関値が得られる効果を説明するための説明図である。同図に示すように、N個のサンプルからなるパイロットシンボルにおいて、直前のサンプルを基準として後続のサンプルにθ度ずつのキャリア周波数オフセットがあるとする。このとき、このパイロットシンボルを分割せずに1つのパイロットシンボルとして取り扱った場合には、先頭のサンプルに対して最大(N−1)θ度のキャリア周波数オフセットが発生することとなる。この状況の下で、パイロットシンボルとレプリカとの相互相関値を算出すると、キャリア周波数オフセットが影響して、相互相関ベクトルの大きさが小さくなり、相互相関値が小さくなる。よって、相互相関ピークの検出がより困難となる場合がある。
一方で、N/K個のサンプルからなる分割パイロットシンボルを考えると、直前のサンプルを基準として後続のサンプルにθ度ずつのキャリア周波数オフセットがあるが、先頭のサンプルに対して最大(N/K−1)θ度のキャリア周波数オフセットの発生に抑えられる。これは、明らかに(N−1)θ度よりも小さい。このように、分割パイロットシンボルと分割レプリカとの相互相関値を算出すると、キャリア周波数オフセットの影響をより抑制して、相互相関ベクトルの大きさが小さくなることを防ぎ、相互相関値が小さくなることを抑止する。よって、相互相関ピークの検出がより困難となることを防止することができる。すなわち、分割されたパイロットシンボル内では、キャリア周波数オフセットが小さくなり、比較的大きい相互相関ピークを得ることが可能となる。
次に、1フレーム内に複数のパイロットシンボルが配置されている場合のキャリア周波数オフセット検出に用いる相互相関値のピークについて説明する。図16−1は、1フレーム内に2つのパイロットシンボルが配置されている場合のキャリア周波数オフセット検出に用いる2つの相互相関値のピークを示す図である。
同図に示すように、1フレーム内に2つの連続するパイロットシンボルを配置した場合に、キャリア周波数オフセットが検出可能となる。各パイロットシンボルにおける相関ピーク時の相互相関ベクトルXcor1、Xcor2に対して、二つのベクトルの相対位相回転量から送受信機間のキャリア周波数オフセット量を算出する。すなわち、時間軸の異なる2つの複素信号のベクトルについて、その相対位相回転量を算出し、単位時間ごとの位相回転量を求めることによりキャリア周波数オフセット量が検出可能である。この例の場合、送受信機間のキャリア周波数オフセット量は、パイロットシンボルの波長の半分の大きさまでの周波数オフセット量を検出することが可能である。
逆に言えば、パイロットシンボルの波長の半分を超えるキャリア周波数オフセット量がある場合、この方法ではキャリア周波数オフセット量を検出することは不可能である。なお、IEEE802.11aのように特別なプリアンブルを持つ無線フレームの場合は、プリアンブルにおいてパイロットシンボルの波長の半分を超えるキャリア周波数オフセットがある場合でも、その検出が可能となっている。
ただし、無線フレームに特別なプリアンブルを付加することは、情報の伝送効率の観点から望ましいことではない。そこで、図16−2に示すように、分割されたパイロットシンボルを使用する場合に、相互相関ピークが複数得られることによって、より大きいキャリア周波数オフセットを検出可能となる。図16−2は、分割されたパイロットシンボルを使用する場合に、相互相関ピークが複数得られることによって、より大きいキャリア周波数オフセットを検出可能となる効果を説明するための説明図である。
同図に示すように、相互相関によるタイミング同期方式を備え、且つ無線フレームに特別なプリアンブルを持たないOFDM変調方式において、受信機でキャリア周波数オフセット量を検出する際、K個に分割されたパイロットシンボルにおける相関ピーク時の相互相関ベクトルを異なる時間軸でK個取得し、K個の相互相関ベクトルの相対位相回転量を算出することによりキャリア周波数オフセット量を検出する。
この場合に、1つのパイロットシンボル内に等間隔に並んだK個の相互相関ベクトルを検出し、かつ各相互相関ベクトル間の相対位相回転量は、パイロットシンボルを2つ連続して配置した場合における相互相関ベクトル間の相対位相回転量の1/Kである。すなわち、パイロットシンボルを2つ連続して配置した場合のK倍のキャリア周波数オフセット量を検出可能である。よって、サブキャリア数の多いOFDM変調方式において、特別なプリアンブルを用いることなく、パイロットシンボルの波長の半分を超えるキャリア周波数オフセット量を検出可能である。
また、上記実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記実施例で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Init)(またはMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)などのマイクロ・コンピュータ)および当該CPU(またはMPU、MCUなどのマイクロ・コンピュータ)にて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されてもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、更に種々の異なる実施例で実施されてもよいものである。また、実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
(付記1)複数のサンプルからなる無線周波による受信信号との間でタイミング同期を確立するタイミング同期方法であって、
複数の順序付けられたサンプルからなるパイロットシンボルのレプリカをK(Kは1より大の自然数)個に分割した分割レプリカを記憶する分割レプリカ記憶工程と、
前記分割レプリカ記憶工程によって記憶される分割レプリカから一つの分割レプリカを、前記サンプルの順序を保つ順序に従って選択する分割レプリカ選択工程と、
前記分割レプリカ選択工程によって選択された分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関値を算出する相互相関値算出工程と、
前記相互相関値算出工程によって算出された相互相関値と所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、当該分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関のピークを検出する相互相関ピーク検出工程と
を含んだことを特徴とするタイミング同期方法。
(付記2)前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって第1に選択された第1分割レプリカと前記受信信号との間でのみスライディング相互相関演算を行い、
前記分割レプリカ選択工程は、前記相互相関ピーク検出工程によって前記第1分割レプリカと前記受信信号の第1区間との間で相互相関のピークが検出されると、該第1分割レプリカに続く第2分割レプリカを選択し、
前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって選択された前記第2分割レプリカと、前記受信信号の第1区間の直後の第2区間との間の相互相関値を算出し、
前記相互相関ピーク検出工程は、前記相互相関値算出工程によって算出された前記第2分割レプリカと前記受信信号の第2区間との間の相互相関値と、前記所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、該第2分割レプリカと前記受信信号の第2区間との間の相互相関のピークを検出することを特徴とする付記1に記載のタイミング同期方法。
(付記3)前記分割レプリカ選択工程は、前記相互相関ピーク検出工程によって第i(2≦i≦K−1)分割レプリカと前記受信信号の第i区間との間の相互相関のピークが検出されると、該第i分割レプリカに続く第(i+1)分割レプリカを選択し、
前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって選択された前記第(i+1)分割レプリカと、前記受信信号の第i区間の直後の第(i+1)区間との間の相互相関値を算出し、
前記相互相関ピーク検出工程は、前記相互相関値算出工程によって算出された前記第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関値と、前記所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、該第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関のピークを検出することを特徴とする付記2に記載のタイミング同期方法。
(付記4)前記分割レプリカ選択工程は、前記相互相関ピーク検出工程によって前記第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関のピークを検出されなかった場合に、前記第1分割レプリカを再選択し、
前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって再選択された前記第1分割レプリカと前記受信信号との間でスライディング相互相関演算を再び行うことを特徴とする付記3に記載のタイミング同期方法。
(付記5)前記相互相関ピーク検出工程によって、前記第K分割レプリカと前記受信信号の第K区間との間の相互相関のピークが検出されると、該受信信号との間でタイミング同期が確立されたことを外部へ通知するタイミング同期確立終了通知工程をさらに含んだことを特徴とする付記3または4に記載のタイミング同期方法。
(付記6)複数のサンプルからなる無線周波による受信信号との間でタイミング同期を確立するタイミング同期装置であって、
複数の順序付けられたサンプルからなるパイロットシンボルのレプリカを該サンプル単位でK(Kは1より大の自然数)個に分割した分割レプリカを記憶する分割レプリカ記憶部と、
前記分割レプリカ記憶部に記憶される分割レプリカから一つの分割レプリカを、前記サンプルの順序を保つ順序に従って選択する分割レプリカ選択部と、
前記分割レプリカ選択部によって選択された分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関値を算出する相互相関値算出部と、
前記相互相関値算出部によって算出された相互相関値と所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、当該分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関のピークを検出する相互相関ピーク検出部と
を備えたことを特徴とするタイミング同期装置。
(付記7)前記相互相関値算出部は、前記分割レプリカ選択部によって第1に選択された第1分割レプリカと前記受信信号との間でのみスライディング相互相関演算を行い、
前記分割レプリカ選択部は、前記相互相関ピーク検出部によって前記第1分割レプリカと前記受信信号の第1区間との間で相互相関のピークが検出されると、該第1分割レプリカに続く第2分割レプリカを選択し、
前記相互相関値算出部は、前記分割レプリカ選択部によって選択された前記第2分割レプリカと、前記受信信号の第1区間の直後の第2区間との間の相互相関値を算出し、
前記相互相関ピーク検出部は、前記相互相関値算出部によって算出された前記第2分割レプリカと前記受信信号の第2区間との間の相互相関値と、前記所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、該第2分割レプリカと前記受信信号の第2区間との間の相互相関のピークを検出することを特徴とする付記6に記載のタイミング同期装置。
(付記8)前記分割レプリカ選択部は、前記相互相関ピーク検出部によって第i(2≦i≦K−1)分割レプリカと前記受信信号の第i区間との間の相互相関のピークが検出されると、該第i分割レプリカに続く第(i+1)分割レプリカを選択し、
前記相互相関値算出部は、前記分割レプリカ選択部によって選択された前記第(i+1)分割レプリカと、前記受信信号の第i区間の直後の第(i+1)区間との間の相互相関値を算出し、
前記相互相関ピーク検出部は、前記相互相関値算出部によって算出された前記第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関値と、前記所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、該第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関のピークを検出することを特徴とする付記7に記載のタイミング同期装置。
(付記9)前記分割レプリカ選択部は、前記相互相関ピーク検出部によって前記第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関のピークを検出されなかった場合に、前記第1分割レプリカを再選択し、
前記相互相関値算出部は、前記分割レプリカ選択部によって再選択された前記第1分割レプリカと前記受信信号との間でスライディング相互相関演算を再び行うことを特徴とする付記8に記載のタイミング同期装置。
(付記10)前記相互相関ピーク検出部によって、前記第K分割レプリカと前記受信信号の第K区間との間の相互相関のピークが検出されると、該受信信号との間でタイミング同期が確立されたことを外部へ通知するタイミング同期確立終了通知部をさらに備えたことを特徴とする付記7または8に記載のタイミング同期装置。
(付記11)複数のサンプルからなる無線周波による受信信号との間でタイミング同期を確立するタイミング同期手順をタイミング同期装置の制御装置に実行させるタイミング同期プログラムであって、
複数の順序付けられたサンプルからなるパイロットシンボルのレプリカを該サンプル単位でK(Kは1より大の自然数)個に分割した分割レプリカを記憶する分割レプリカ記憶手順と、
前記分割レプリカ記憶手順によって記憶される分割レプリカから一つの分割レプリカを、前記サンプルの順序を保つ順序に従って選択する分割レプリカ選択手順と、
前記分割レプリカ選択手順によって選択された分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関値を算出する相互相関値算出手順と、
前記相互相関値算出手順によって算出された相互相関値と所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、当該分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関のピークを検出する相互相関ピーク検出手順と
を前記制御装置に実行させることを特徴とするタイミング同期プログラム。
(付記12)前記相互相関値算出手順は、前記分割レプリカ選択手順によって第1に選択された第1分割レプリカと前記受信信号との間でのみスライディング相互相関演算を行い、
前記分割レプリカ選択手順は、前記相互相関ピーク検出部によって前記第1分割レプリカと前記受信信号の第1区間との間で相互相関のピークが検出されると、該第1分割レプリカに続く第2分割レプリカを選択し、
前記相互相関値算出手順は、前記分割レプリカ選択手順によって選択された前記第2分割レプリカと、前記受信信号の第1区間の直後の第2区間との間の相互相関値を算出し、
前記相互相関ピーク検出手順は、前記相互相関値算出手順によって算出された前記第2分割レプリカと前記受信信号の第2区間との間の相互相関値と、前記所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、該第2分割レプリカと前記受信信号の第2区間との間の相互相関のピークを検出することを特徴とする付記11に記載のタイミング同期プログラム。
(付記13)前記分割レプリカ選択手順は、前記相互相関ピーク検出工程によって第i(2≦i≦K−1)分割レプリカと前記受信信号の第i区間との間の相互相関のピークが検出されると、該第i分割レプリカに続く第(i+1)分割レプリカを選択し、
前記相互相関値算出手順は、前記分割レプリカ選択手順によって選択された前記第(i+1)分割レプリカと、前記受信信号の第i区間の直後の第(i+1)区間との間の相互相関値を算出し、
前記相互相関ピーク検出手順は、前記相互相関値算出手順によって算出された前記第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関値と、前記所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、該第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関のピークを検出することを特徴とする付記11に記載のタイミング同期プログラム。
(付記14)前記分割レプリカ選択手順は、前記相互相関ピーク検出手順によって前記第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関のピークを検出されなかった場合に、前記第1分割レプリカを再選択し、
前記相互相関値算出手順は、前記分割レプリカ選択手順によって再選択された前記第1分割レプリカと前記受信信号との間でスライディング相互相関演算を再び行うことを特徴とする付記13に記載のタイミング同期プログラム。
(付記15)前記相互相関ピーク検出手順によって、前記第K分割レプリカと前記受信信号の第K区間との間の相互相関のピークが検出されると、該受信信号との間でタイミング同期が確立されたことを外部へ通知するタイミング同期確立終了通知手順をさらに前記制御装置に実行させることを特徴とする付記13または14に記載のタイミング同期プログラム。
本発明は、任意の「パイロットシンボル」を含むフレームであっても、「引き込み過程」におけるスライディング相互相関時の演算量を減らすことを可能としたい場合に有用であり、特に、サブキャリア数の多いOFDM変調方式においてタイミング同期の引き込み処理に係る計算量を減らしたい場合に有効である。
従来の引き込み過程におけるタイミング同期方法の問題点を説明するための説明図である。 本発明の引き込み過程におけるタイミング同期方法の特徴を説明するための説明図である。 OFDM変調方式で使用される無線フレームを構成するOFDMシンボルの概要を示す図である。 実施例に係る無線フレームの構成例を示す図である。 実施例に係るレプリカの構成例を示す図である。 実施例に係る引き込み用タイミング同期装置の構成を示す機能ブロック図である。 引き込み時タイミング同期処理手順を示すフローチャートである。 実施例に係るOFDM受信装置の構成を示す機能ブロック図である。 実施例に係るOFDM受信装置における引き込み時タイミング同期処理を示すタイムチャートである。 分割されたレプリカを使用する場合に、1つのパイロットシンボルで後方保護が可能となる効果を説明するための説明図である。 受信波系列にキャリア周波数オフセットがない場合の受信波ベクトルの系列を示す図である。 受信波系列にキャリア周波数オフセットがない場合の受信波ベクトルとレプリカとの相互相関ベクトルを説明するための説明図である。 受信波系列にキャリア周波数オフセットがない場合の受信波ベクトルとレプリカとの相互相関値の状況を説明するための説明図である。 受信波系列にキャリア周波数オフセットがある場合の受信波ベクトルの系列を示す図である。 受信波系列にキャリア周波数オフセットがある場合の受信波ベクトルとレプリカとの相互相関ベクトルを説明するための説明図である。 受信波系列にキャリア周波数オフセットがある場合の受信波ベクトルとレプリカとの相互相関値の状況を説明するための説明図である。 分割されたパイロットシンボルを使用する場合に比較的大きな相互相関値が得られる効果を説明するための説明図である。 1フレーム内に2つのパイロットシンボルが配置されている場合のキャリア周波数オフセット検出に用いる2つの相互相関値のピークを示す図である。 分割されたパイロットシンボルを使用する場合に、相互相関ピークが複数得られることによって、より大きいキャリア周波数オフセットを検出可能となる効果を説明するための説明図である。
符号の説明
100 引き込み用タイミング同期装置
101 制御部
102 レプリカ出力部
102a レプリカ記憶部
102b1 分割レプリカ1記憶部
102b2 分割レプリカ2記憶部
102bK 分割レプリカK記憶部
102c セレクタ部
103 相互相関演算部
104 相関ピーク検出部
120 追従用タイミング同期装置
200 OFDM受信装置
201 受信データメモリ
202 タイミング同期装置
203 キャリア周波数オフセット同期装置
204 有効シンボル抽出装置
205 有効シンボルデータメモリ
206 サブキャリア復調装置
206a 波形等価装置
206b キャリア位相同期装置
300 上位制御装置

Claims (5)

  1. 複数のサンプルからなる無線周波による受信信号との間でタイミング同期を確立するタイミング同期方法であって、
    複数の順序付けられたサンプルからなるパイロットシンボルのレプリカを該サンプル単位でK(Kは1より大の自然数)個に分割した分割レプリカを記憶する分割レプリカ記憶工程と、
    前記分割レプリカ記憶工程によって記憶される分割レプリカから一つの分割レプリカを、前記サンプルの順序を保つ順序に従って選択する分割レプリカ選択工程と、
    前記分割レプリカ選択工程によって選択された分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関値を算出する相互相関値算出工程と、
    前記相互相関値算出工程によって算出された相互相関値と所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、当該分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関のピークを検出する相互相関ピーク検出工程と
    を含んだことを特徴とするタイミング同期方法。
  2. 前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって第1に選択された第1分割レプリカと前記受信信号との間でのみスライディング相互相関演算を行い、
    前記分割レプリカ選択工程は、前記相互相関ピーク検出工程によって前記第1分割レプリカと前記受信信号の第1区間との間で相互相関のピークが検出されると、該第1分割レプリカに続く第2分割レプリカを選択し、
    前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって選択された前記第2分割レプリカと、前記受信信号の第1区間の直後の第2区間との間の相互相関値を算出し、
    前記相互相関ピーク検出工程は、前記相互相関値算出工程によって算出された前記第2分割レプリカと前記受信信号の第2区間との間の相互相関値と、前記所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、該第2分割レプリカと前記受信信号の第2区間との間の相互相関のピークを検出することを特徴とする請求項1に記載のタイミング同期方法。
  3. 前記分割レプリカ選択工程は、前記相互相関ピーク検出工程によって第i(2≦i≦K−1)分割レプリカと前記受信信号の第i区間との間の相互相関のピークが検出されると、該第i分割レプリカに続く第(i+1)分割レプリカを選択し、
    前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって選択された前記第(i+1)分割レプリカと、前記受信信号の第i区間の直後の第(i+1)区間との間の相互相関値を算出し、
    前記相互相関ピーク検出工程は、前記相互相関値算出工程によって算出された前記第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関値と、前記所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、該第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関のピークを検出することを特徴とする請求項2に記載のタイミング同期方法。
  4. 前記分割レプリカ選択工程は、前記相互相関ピーク検出工程によって前記第(i+1)分割レプリカと前記受信信号の第(i+1)区間との間の相互相関のピークを検出されなかった場合に、前記第1分割レプリカを再選択し、
    前記相互相関値算出工程は、前記分割レプリカ選択工程によって再選択された前記第1分割レプリカと前記受信信号との間でスライディング相互相関演算を再び行うことを特徴とする請求項3に記載のタイミング同期方法。
  5. 複数のサンプルからなる無線周波による受信信号との間でタイミング同期を確立するタイミング同期装置であって、
    複数の順序付けられたサンプルからなるパイロットシンボルのレプリカを該サンプル単位でK(Kは1より大の自然数)個に分割した分割レプリカを記憶する分割レプリカ記憶部と、
    前記分割レプリカ記憶部に記憶される分割レプリカから一つの分割レプリカを、前記サンプルの順序を保つ順序に従って選択する分割レプリカ選択部と、
    前記分割レプリカ選択部によって選択された分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関値を算出する相互相関値算出部と、
    前記相互相関値算出部によって算出された相互相関値と所定閾値とを比較し、該相互相関値が該所定閾値以上であるか否かを判定することによって、当該分割レプリカと前記受信信号の所定区間部分との間の相互相関のピークを検出する相互相関ピーク検出部と
    を備えたことを特徴とするタイミング同期装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011160034A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Fujitsu Semiconductor Ltd 信号処理装置,信号処理方法とそれを有する受信装置
WO2014024407A1 (ja) * 2012-08-08 2014-02-13 ルネサスエレクトロニクス株式会社 検出装置
JP2015035664A (ja) * 2013-08-07 2015-02-19 富士通株式会社 信号解析装置、信号解析プログラム及び信号解析方法
CN109361411A (zh) * 2018-11-21 2019-02-19 北京中科汉天下电子技术有限公司 一种用于简化同步电路的方法及装置

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