JP2008112390A - 医療機関評価装置および医療機関情報提供システム - Google Patents

医療機関評価装置および医療機関情報提供システム Download PDF

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Abstract

【課題】患者を他の医療機関に紹介先する際に、患者の症例に応じて適切な処置を行う医療機関情報を提供する。
【解決手段】医療機関の間で送受信される紹介状データを紹介状データベースに蓄積し、蓄積されたデータを分析し、紹介件数に応じて医療機関に評価ポイントを与える。さらに特定の患者の紹介履歴を調べ、紹介された医療機関が同一の紹介事由でさらに別の医療機関に紹介している場合に当該再紹介を行った医療機関の評価ポイントを減算補正する。
評価ポイントの高い医療機関情報の優先度を高くして医師に提供することにより、医師は患者の紹介先を適切に選択可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、病院、診療所など複数の医療機関が、他の医療機関に患者を紹介するための医療機関情報提供システムに関し、特に蓄積した過去の紹介状データに基づき病名・症状等に応じた適切な医療機関の情報を提供することができる医療機関評価装置および医療機関情報提供システムに関する。
近年、医療現場では、医療技術の進歩に伴い、一つの病院があらゆる患者に最適な医療行為を提供することは困難となりつつある。すなわち、医療技術の進歩は、医師の専門化・医療設備の高度化を促進するので、一つの医療機関が総ての分野の専門医師を配置させ、高度な医療設備を設置しておくことが困難となってきている。他方、専門の医師がその専門に必要な医療設備を持った医療機関や、気軽に病気について相談できるが高度な医療行為の実施が困難な診療所など、それぞれ特徴を備えた医療機関が増える傾向にある。
このため、複数の専門病院・診療所・総合病院の医療機関等が、互いに連携して適切な医療機関を患者に紹介することが行われている。こうした複数の医療機関の連携においては、診療所などの担当医師が患者を他の医療機関に紹介する場合、例えば、患者の症例などに応じて必要な検査機器を保有している病院や専門医師のいる病院に診療所の担当医師が患者を紹介していた。
例えば、特許文献1には、病名、診療科目、症例などについて、予め専門性の高い医療機関の情報を蓄積しておき、患者の症状に応じた医療機関を検索して合致するものを一覧表示し、医師がいずれか一つの医療機関を選択することにより、選択された医療機関に対する電子紹介状を作成するシステムが開示されている。また、特許文献2には、患者の症状に応じた医師を選定するために、さらに詳細な情報として、医師の専門分野、経験年数、オペ回数などの詳細な情報をデータとして登録しておき、検索できるようにされたシステムが開示されている。
特開2002−73822号公報 特開2004−13268号公報
特許文献1のシステムでは、紹介先の医療機関を医師が検索する際に、予め登録した医療機関の情報から、患者の病名に合致する医療機関の情報を得ることができるが、検索される医療機関の候補が複数選出されるのが通例である。この場合、複数選出された医療機関から最適な医療機関を医師が決めることとなるため、医師の個人的な知識等の多寡によって必ずしも最適な医療機関を決めることができないという問題がある。
また、特許文献2のシステムのように医師の実績、経験年数、オペ回数という付加的な情報が入力されていれば、紹介先としての医療機関の優劣を判断する材料となるが、それら付加的な情報は、各医療機関の自己申告に基づく情報であり、常に最新の情報が反映されているとは限らない。更に、自己申告の情報である以上、紹介件数を増やすために内容を偽って入力することも可能であり、客観性に欠けるという問題がある。
さらに紹介先の医療機関では患者の治療ができず、実質的な処置を行わずに、他の医療機関に再紹介をすることが慣例化していたとしても、上記システムではその情報を反映させることができない。そのため紹介元の医療機関は、紹介された患者を他の医療機関に再紹介をするだけの当該医療機関を適切な紹介先として判断して選択するという状況が改善されないとう問題がある。
かかる課題を解決するために、第一の発明は、医療機関が他の医療機関に患者を紹介したときの紹介事由、紹介元と紹介先の医療機関、紹介状作成日および患者情報を一レコードとして蓄積記憶している記憶部と、前記紹介先の医療機関ごとに前記記憶部のレコード数を計数する計数部と、前記計数部が計数結果に基づき前記紹介先の医療機関ごとに前記紹介事由に適した紹介先であるかを示す評価ポイントを付与する評価部を備えた医療機関評価装置において、計数部は、紹介事由が一致するレコード数を紹介先医療機関の紹介件数として計数する紹介件数計数手段と、紹介件数として計数されたレコードの紹介先医療機関を紹介元医療機関にしているレコードであって、患者情報が一致、且つ紹介件数として計数されたレコードの紹介状作成日から第一の所定期間内の紹介状作成日となっているレコード数を再紹介補正値として計数する再紹介補正値計数手段を有し、評価部は、前記紹介件数を前記再紹介補正値にて減算補正して評価ポイントを付与する医療機関評価装置を提供する。
かかる構成により、本発明は、医療現場にて実際に行われた患者の紹介実績に基づいて医療機関の紹介先として適しているかを評価するので、医療機関の現実的な患者の紹介状況を反映させた評価が可能となる。特に、紹介された患者を、更に他の医療機関へ紹介した医療機関の評価ポイントを下げることが可能となる。
また、第一の発明の好ましい態様としては、再紹介補正値計数手段が前記紹介件数として計数されたレコードと同一の紹介事由であることを計数するレコードの条件を重畳させることにより、再紹介されたレコードの件数に絞り込んで計数することが可能となる。
なお、ここでは、医療機関は、医療機関名、診療科、医師など種々のカテゴリを含み、紹介先を特定することが可能なレベルの用語として使用している。
更に、第一の発明の好ましい態様では、再紹介補正値を計数した各レコードのうち、紹介元の医療機関と紹介先の医療機関の規模がほぼ同等であるレコード数を規模補正値として計数する規模補正値計数手段を含み、評価ポイントを前記規模補正値でさらに減算補正する。
かかる構成により、評価ポイントの算出にあたり、医療機関が紹介された患者をさらに別に医療機関に再紹介するとき、同一規模の医療機関間の紹介であれば、当該再紹介をした医療機関が患者に対し適切な治療、診断を行っていない可能性が高いとして評価ポイントが低くなるため、より的確な評価が可能になる。
更に、第一の発明の好ましい態様では、紹介件数として計数されたレコードの受診日から再紹介補正値を計数したレコードの紹介状作成日が第一の所定期間より短い第二の所定期間以内であるレコード数を間隔補正値として計数し、評価ポイントを間隔補正値でさらに減算補正する。
かかる構成により、医療機関が紹介された患者が受診してから、第一の所定期間より短い第二の所定期間以内に他の医療機関に再紹介している場合、当該再紹介をした医療機関は患者に対し適切な治療、診断を行っていない可能性が高いとして評価ポイントが低くなるため、より的確な評価が可能になる。
かかる課題を解決するために第二の発明は、第一の発明の医療機関情報評価装置と医療機関に設置された複数の端末がネットワークを介して接続され紹介状データを医療機関情報評価装置にて集中管理する医療機関情報提供システムであって、医療機関情報評価装置は、端末からネットワークを介して前記紹介事由を受信し、当該紹介事由に関する前記評価部の評価結果を加味した医療機関情報を前記端末に対して送信するセンタ通信部を有し、 端末は、医療機関情報評価装置へネットワークを介して紹介事由を送信し当該紹介事由に関する医療機関情報を受信する端末通信部と、他の医療機関への紹介事由を入力するための入力部と、端末通信部から受信した医療機関情報を表示する表示部を有し、医療機関の医師が紹介先を決めるために前記紹介事由を入力すると、医療機関情報評価装置から当該紹介事由にかかる医療機関情報を前記表示部に表示させる医療機関情報提供システムを提供する。
かかる構成により、第二の発明は、センタ装置での紹介状データの集中管理により、多くのデータ数にて医療機関の紹介先として適しているかの評価を行うことが可能となるとともに、診療所などの医療機関に設置される端末にて迅速に適した医療機関に患者を紹介することが可能になる。
第二の発明の好適な態様では、端末から紹介状データを受信すると記憶部に少なくとも紹介状作成日、紹介事由、紹介元と紹介先の医療機関及び患者情報の各情報を前記記憶部に記憶させる。かかる構成によれば、紹介状データを医療機関が患者を紹介する都度に医療機関の評価に必要な情報を収集できるので、評価の信頼性を向上させることができる。
本発明によれば、医師が患者の紹介先医療機関を検索する際に、過去の紹介実績に基づいて患者の紹介事由に応じた適切な医療機関情報を提供できる。紹介された患者に適切な治療、診断を行わず他の医療機関に再紹介する医療機関の評価ポイントを低くすることにより、医療機関は最初から患者の紹介事由に応じた適切な医療機関を紹介先として選択可能となる。
以下、図を参照し、本発明を適用した医療機関情報提供システムを説明する。図1は、医療機関情報提供システムの機能ブロックを示す全体構成図である。医療機関情報提供システムは、医療機関を紹介先として評価する医療機関評価装置であるセンタ装置1と、診療所や専門病院などの医療機関(H1、H2・・・)に設置され、紹介状データの入力・紹介先の医療機関情報の表示などを行う多数の端末2がネットワーク3を介して接続されている。
センタ装置1は、CPU・ROM/RAMなどからなる情報処理部10、キーボード・マウス・タッチパネルなどからなる入力部11、ネットワーク3を介して端末2との通信を行う通信モジュールなどからなるセンタ通信部12、液晶ディスプレイからなり各種情報を表示する表示部13、ハードディスクなどからなり紹介状データなどを記憶する記憶部14から構成されている。
ここで、紹介状データについて説明する。まず紹介状とは、ある医療機関が診察した患者を他の医療機関へ紹介するための書面であって、患者を特定できる情報・診察の経緯・病名・紹介目的・紹介状の作成日・紹介先の医療機関名などを記載した診療情報提供書のことである。医療機関にて紹介状を受け取った患者は、この紹介状を紹介先の医療機関に持参して医療行為を受けることになる。この紹介状は、医療機関が患者を他の医療機関に紹介する際に通常使用されているものであるから詳細な説明は省略する。
紹介状データは、この紹介状の内容の全部または一部を電子データ化したものである。本実施の形態においては、紹介状データには、患者を特定できる情報、紹介元の医療機関を特定できる情報、紹介先の医療機関を特定できる情報、患者の病名や症例などの患者の症状に関する情報、紹介先の医療機関への依頼事項である紹介目的情報、紹介状データの作成日(時)情報を含めている。特に、本実施の形態では、書面である紹介状を用いずにネットワークを介して端末2、センタ装置1間での紹介状データをやり取りするシステムを構築している。
記憶部14は、紹介状データテーブル、評価ポイント格納テーブル、患者情報、医療機関情報、医師情報、各種プログラム等その他の情報が記憶されている。
先ず、紹介状データテーブルについて、図4を参照して具体的に説明する。図4は、紹介状データテーブルの内容を表形式にて示したものである。紹介状データテーブルは、紹介状データを1件1レコードとして格納したものである。
紹介状データテーブルは、1つの紹介状データを1単位(行)とし、紹介状ID401、患者ID402、紹介元医療機関ID403、紹介元診療科404、紹介元医師ID405、紹介先医療機関ID406、紹介先診療科407、紹介先医師ID408、病名409、紹介目的410、依頼内容411、紹介状作成日412および受診日413の各項目を列としている。本実施の形態では、紹介状データを1単位として1レコードを形成し、各項目であるフィールドに紹介状データの内容が格納されている。
ここで、各項目について説明する。紹介状ID401は、紹介状データごとの識別コードであって、端末2から受信する紹介状データそれぞれにセンタ装置1にてユニークに付与されたコードである。患者ID402は、患者を識別するための識別コードであって、センタ装置1にて患者ごとに付与されたコードである。
紹介元医療機関ID403は、紹介状を出した医療機関を識別するための識別コードであって、本システムに属する医療機関として登録する際に医療機関情報として付与されたコードである。紹介元診療科404は、内科・外科・脳外科などの紹介元の医療機関での診療科である。紹介元医師ID405は紹介した医師を識別する識別コードであって、本システムに属する医療機関の医師として登録する際に医師情報として付与されたコードである。
同様に、紹介先医療機関ID406は紹介された医療機関を識別するための識別コード、紹介先診療科407は内科・外科・脳外科などの紹介先の医療機関での診療科、紹介先医師ID408は紹介された医師を識別する識別コードである。これらも、医療機関をシステムに登録する際に医療機関情報として付与されている。
病名409は、紹介元の医師が診断した紹介する患者の病名、紹介目的410は入院・外来・検査など紹介元の医師が患者を紹介した目的、依頼内容411は紹介元の医師から紹介先の医師への具体的な紹介にあたってのコメント、紹介状作成日412は紹介元医療機関にて紹介状データを入力した日、受診日413は紹介先医療機関にて実際に患者が受診した日がそれぞれ記憶されている。
次に、評価ポイント格納テーブルについて説明する。評価ポイント格納テーブルは、紹介状データテーブルに格納された紹介状データに基づき後述する計数部102・評価部103にて計数・評価し、医療機関(診療科)が紹介先として適していることを示す評価ポイントを病名・目的ごとに算出して格納したものである。
図5は、評価ポイント格納テーブルの例を示した表である。具体的には、評価ポイント格納テーブルは、紹介事由51、医療機関名/診療科52、紹介件数53、再紹介補正値54、規模補正値55、間隔補正値56および評価ポイント57を格納している。これらの項目の算出方法などは後述する。
患者情報は、患者の基礎的情報であって、患者ごとに付与された患者IDに患者氏名、生年月日、性別、年齢、住所情報などを関連づけて記憶されたものである、個々の患者情報は、ネットワーク接続された医療機関のいずれかを初めて受診したときに登録される。
医療機関情報は、医療機関の基礎的情報であって、医療機関ごとに付与された医療機関IDに医療機関名、診療科、住所、電話番号、規模(一般用、療養用など種別ごと病床数)などの情報を関連づけて記憶されたものである。医療機関情報の例を図8に示す。診療科は「内科」「外科」「脳外科」「小児科」・・・など複数存在する場合もあり、さらに各診療科に所属される医師の医師IDも登録されている。
医療機関情報は、システム管理者等により、ネットワーク接続される医療機関の情報が登録される。また、本システムに接続されていない医療機関へ紙の紹介状を用いて紹介する場合には、紹介元の医療機関に設置した端末2を用いて、当該紹介先の医療機関の情報の登録することも可能である。
医師情報は、各医師に対し医師IDが付与され、所属する医療機関IDおよびその他の情報(氏名、年齢、資格、診察可能な診療科など)を関連づけて登録されている。医師情報も医療機関情報同様、各医療機関に所属する医師情報をシステム管理者により登録される。また各医療機関から紹介先の医療機関に所属する医師の情報を直接登録することも可能である。
図1に戻って、情報処理部10について説明する。情報処理部10は、端末2からネットワーク3を介してセンタ通信部12が受信した紹介状データを記憶部14の紹介状データテーブルに記憶させる紹介状データ取得部101と、記憶部14の紹介状データテーブルから後述する所定条件を満たすレコードの数を計数する計数部102と、計数部102での計数結果に基づき紹介先の医療機関に評価ポイントを算出し評価ポイント格納テーブルに格納する評価部103を含んで構成されている。
計数部102は、紹介件数計数手段と再紹介補正値計数手段と規模補正値計数手段と間隔補正値計数手段を含んで構成される。紹介件数計数手段は、例えば24時間ごとの周期で、記憶部14に記憶されている紹介状データテーブルを参照して、紹介先の医療機関ごとに紹介事由が一致するレコードを検索し、そのレコード数を計数する処理を行う。すなわち、紹介状データテーブルには紹介状データ1件を1レコードとして記憶されているので、計数部102は、紹介先の医療機関ごとに紹介事由が一致するレコード数を計数する。再紹介補正値計数手段、規模補正値計数手段、間隔補正値計数手段は、紹介事由が一致するレコードに関し、紹介された患者を他の医療機関に再紹介した医療機関のレコード数を各々異なる条件で計数する。
ここで、紹介事由とは、患者の症状とその症状に対して紹介先に希望する対処を示し、本実施の形態では、患者の「病名」と「紹介目的」を紹介事由としている。「病名」とは、紹介元の医療機関の医師の診断の結果により確定した傷病名か、或いは疑わしき傷病名のことを意味するが、患者の訴える症状や、特定の臓器(例えば「循環器」)などで表現してもよい。「紹介目的」とは、紹介先の医師への依頼事項であり、「検査」「入院」等などを示す。
計数部102の処理を説明する。計数部102に含まれる紹介件数計数手段は、記憶部14の紹介状データテーブルに記録されているレコードのうち、紹介状作成日412が現在から例えば1年間などの所定期間内のレコードを対象に「病名409−紹介目的410」である紹介事由が一致するレコード同士をグルーピングする。具体的には、図4の「病名」409と「紹介目的」410の双方が一致するレコード同士をグルーピングする。例えば、「肺炎−入院」のものを1グループとすると図4の紹介状ID401=0001、0002が当該グループに分類される。
現在からどの程度以前のレコードを対象とするかは、季節変動による影響(例えば、夏季の猛暑時や冬季の厳寒時には患者が受診する医療機関は患者の自宅近辺に片寄るなど)を除くため、例えば過去1年分など年単位とする。なお、グルーピング対象は、受診日413が登録されていないレコードも含むものとする。紹介先の医療機関で受診登録がされて受診日413が記憶されているもののみを対象とするようにしてもよいが、その場合、本システムに接続されていない医療機関に紹介したデータは反映されないことに留意する。
次に、グルーピングされた各レコードについて、紹介先の医療機関ごとに紹介された件数をカウントする。ここでは紹介先医療機関ID406と紹介先診療科407が一致するレコードの件数である紹介件数をカウントするものとする。具体的には、同じグループに分類された紹介状データに対し、図4の「紹介先医療機関ID」406のフィールドと「紹介先診療科」407のフィールドの双方が一致する組み合わせごとに件数をカウントし、図5に示す記憶部14の評価ポイント格納テーブルの紹介件数53のフィールドに記憶する。
また、計数部102は、図6に示す再紹介補正値54、規模補正値55、間隔補正値の算出処理を実行する。各々の補正値は、計数部102に含まれる再紹介補正値計数手段、規模補正値計数手段、間隔補正値計数手段にて実行する。ここで、再紹介補正値とは、ある紹介レコードについて、過去に同一患者、同一病名、同一紹介目的の他の紹介レコードがあり、さらに先に発生したレコードの紹介先医療機関と後に発生した医療機関の紹介元医療機関が一致するとき、この医療機関が設備が整っていない、対応できる医師がいない、入院設備が不足している等の理由で、紹介された患者に紹介目的に応じた適切な治療、診断等をせずに他の医療機関に再紹介した可能性があるとして、当該医療機関の評価ポイントを減算する際の補正値である。本実施の形態では、再紹介補正値を計数するための条件として、同一病名・同一紹介目的の紹介事由をいれているが、同じ患者を他の医療機関へ再紹介した事実をもって再紹介補正値としたい場合は、紹介事由を条件から外してもよい。
また、規模補正値は、上記再紹介をした医療機関がほぼ同等の規模の医療機関に患者を紹介している場合に、患者に適切な治療、診断をせずの他の医療機関に再紹介した可能性がより高いものとして、当該再紹介をした医療機関の評価ポイントを再紹介補正値に重畳して減算する際の補正値である。
また、間隔補正値は、上記再紹介をした医療機関が患者を受診した受診日と、他の医療機関への再紹介をした紹介状作成日の間隔を求め、所定期間以内である場合に、当該患者に適切な治療、診断をせずに他の医療機関に再紹介した可能性がより高いものとして、当該再紹介をした医療機関の評価ポイントを再紹介補正値に重畳して減算する際の補正値である。
図6のST20では補正値算出の対象とするレコードを抽出する。図6の補正値の算出処理を予め定められた間隔ごとに行う場合は前回処理を行なった時点より追加されたレコードが対象となる。例えば、1日ごとに行う場合は、前日に処理を行った後に追加された紹介レコードが対象となる。各レコードについて補正値算出の処理を実行済みかどうかの記録は記憶部14の紹介状データベースに記憶される。
ST21からST24では再紹介補正値の計数処理を行う。この処理は計数部102に含まれる再紹介補正値計数手段が実行する。まず、ST21では、ST20で抽出したレコードから最初のレコードを抽出して処理対象レコードとする。
ST22では、処理対象レコードにおいて紹介元である医療機関は、他の医療機関から紹介された患者をさらに別の医療機関に紹介しているか否かの判断基準である再紹介条件を満たしているかを判定する。条件を満たさない場合はST29へ進む。
上記再紹介条件について具体的に説明する。まず処理対象レコードから患者ID402、紹介元医療機関ID403、紹介先医療機関ID406、病名409、紹介目的410の各情報を抽出する。そして以下の3つの条件をいずれも満たす過去(例えば1ヶ月以内)のレコードが存在するか否かを判定する。
・患者ID402が同一である。
・病名409、紹介目的410が同一である。
・紹介先医療機関ID406(紹介先診療科407を含む)が処理対象レコードの紹介元医療機関ID403(紹介元診療科404を含む)と同一である。
ST23では、ST22で上記条件を満たすレコードが過去に複数存在する場合に、最も近い時期に発生したレコードを選択する。
ST22の再紹介条件を満たす場合は、患者は少なくとも3つの医療機関で受診していることになる。具体的な例を図4のレコードを用いて説明する。
今、処理対象レコードを紹介状ID401=0002とする。ID=0002では、紹介元医療機関ID403=H0164の医療機関から、紹介先医療機関ID406=H0008の医療機関へ患者ID402=U0001の患者を病名409=「肺炎」、紹介目的410=「入院」で紹介している。計数部102の再紹介補正値計数手段は、記憶部14に蓄積されている過去の所定期間内(例えば1ヶ月以内)のレコードから同一患者ID、同一病名、同一紹介目的で、紹介状ID=0002の紹介元医療機関ID403が紹介先医療機関となっているレコードがあるか否かを判定する。
図4の例では、紹介状ID=0001が該当し、紹介状ID0002と患者ID、病名、紹介目的が一致し、紹介状ID=0001の紹介先医療機関ID=H0164が紹介状ID=0002の紹介元医療機関となっている。即ち、医療機関ID=H0164の医療機関は紹介された患者を他の医療機関にさらに再紹介していることになる。従って患者ID402=U0001の患者は、医療機関ID406が、H0032、H0164、H0008の3つの医療機関で受診しているが、本来、医療機関ID406がH0032の医療機関からH0008の医療機関に紹介すべきであった可能性があることになる。
ST24では、該当するレコードが見つかった場合、当該処理対象レコード(紹介状ID=0002)の紹介元医療機関(上記例におけるID=H0164の医療機関)に対し、記憶部14の評価ポイント格納テーブルの再紹介補正値54に+1加算する。
次にST25からST26では規模補正値55の計数処理を行う。この処理は計数部102に含まれる規模補正値数手段が実行する。
ST25では、ST22で再紹介条件を満たす過去のレコードが存在した場合、現在の処理対象レコードについて、紹介元医療機関と紹介先医療機関の規模が同一クラスに分類されているか否かを判定する。
医療機関の規模を比較する理由について説明する。通常、患者の紹介を受けた医療機関が適切な診察、治療をした後、同じ病名と同じ紹介目的で、さらに他の医療機関に紹介する場合は小規模の診療所からさらに設備の整った大規模の医療機関へ紹介することや、大規模の医療機関からさらに専門的な小規模の医療機関へ紹介することはあるが、紹介を受けた患者を同一紹介目的で規模がほぼ同じ医療機関にさらに紹介する場合は少ない。
これは、紹介を受けた医療機関が病床数が足りないとか対応可能な医師がいない等の何らかの理由で紹介された患者に対し、適切な診察、治療をしないで、他の医療機関としてほぼ同じ規模の医療機関を再紹介先として選択する場合である。
医療機関の規模は、例えば病床数で表し、医療機関情報として記憶しておく。また病床数に応じて予め数段階にクラス分けし、医療機関情報として医療機関IDと関連づけて記憶部14に記憶しておいてもよい。例えばクラス1=病床数10未満以下、クラス2=病床数10〜100未満、クラス3=病床数100〜500未満・・などのように分類する。医療機関の規模のクラス分けは、単純に病床数に応じて分類してもよいし、医療機関の持つ機能に着目し、例えば一般用とリハビリ用など種別ごとの割合に応じて細かく分類してもよい。また医療機関の規模を表す指標としては、さらに、医師や看護師の数や建物の大きさなども考慮してもよい。
ST26では、ST25で医療機関の規模が同一クラスの再紹介であると判定された場合(ST25−Yes)、評価ポイント格納テーブルにおける当該紹介事由、医療機関/診療科の規模補正値55の値を+1加算して記憶する。
次にST27からST28では間隔補正値56の計数処理を行う。この処理は計数部102に含まれる間隔補正値数手段が実行する。
ST27では、ST22で再紹介条件を満たす過去のレコードが存在した場合、ST23で抽出した過去のレコードと現在の処理対象レコードの2つのレコードから当該再紹介が所定期間以内に行われたものであるかを判定する。
具体的には、患者が医療機関で受診したときの受診日と、当該医療機関が他の医療機関に紹介するための紹介状作成日の間隔を求め、その間隔が所定の期間ΔT以内かどうかを判定する。受診日413はST23で抽出した再紹介条件を満たす過去のレコードから抽出し、紹介状作成日412は現在の処理対象レコードから抽出する。
所定期間ΔTは、何らかの検査や処置をうけてから再び紹介されるケースなのか、自己では対応できずに他に再紹介するのかを判定する基準となるため比較的短い間隔で設定される必要がある。この間隔が短いほど、患者に適切な治療、診断をせずに他の医療機関に再紹介している可能性が高くなるものであり、例えばΔT=2日などとする。
ST28では、ST27で前記ΔTが所定間隔内であるとき(ST27−Yes)、評価ポイント格納テーブルにおける当該紹介事由、医療機関/診療科の間隔補正値56の値を+1加算して記憶する。
具体的な例を図4のレコードを用いて説明する。前述のように、処理対象レコードを紹介状ID401=0002とする。医療機関ID=H0164が患者ID402=U0001の患者を病名409=「肺炎」、紹介目的410=「入院」で医療機関ID=H0008である他の医療機関に再紹介しているとき、次に、紹介状ID401=0001のレコードにおける受診日413と紹介状ID401=0002における紹介状作成日412の間隔が所定期間以内かを判定する。図4の例では、紹介状ID401=0001の受診日と紹介状ID401=002の紹介状作成日の間隔は0日であり、医療機関ID=H0164の医療機関は、紹介された患者を受診後、すぐに他の医療機関へ紹介していることがわかる。
計数部102の間隔補正値計数手段は、上記間隔が所定間隔以内であるとき、当該処理対象レコード(紹介状ID=0002)の紹介元医療機関に対し、記憶部14の評価ポイント格納テーブルの間隔補正値56に+1加算する。
ST29では、ST20で抽出した補正処理対象レコードがすべて終了したか否かを判定する。まだ終了していなければ(ST29−No)、ST30で対象とするレコードIDをインクリメントしてST22へ戻る。
図1に戻って、評価部103について説明する。評価部103は、計数部102での計数処理が実行され評価ポイント格納テーブルの紹介件数53、再紹介補正値54、規模補正値55、間隔補正値56の値に基づき、評価ポイント57を算出する。すなわち、評価部103の処理は、紹介された件数の多さを紹介先の適切さの指標として評価する処理を基本としつつ、紹介された患者が他の医療機関に再紹介された件数(レコード数)を減算して評価ポイントを算出する処理である。
ここで、評価ポイントについて説明する。評価ポイントとは、医療機関を紹介するにあたって、医療機関が紹介事由に対して適しているか否かを点数化したものである。特定の病名・目的に対し特定の医療機関への紹介件数が多いということは、何らかの情報に基づいてその医療機関を紹介先として選択している医師が多いということであり、当該病名・目的に対し、その医療機関で適切な処置ができるであろう信頼度が高いことを示す。診療所等の医療機関が病名に応じて患者を紹介すべき適切な医療機関を知らなかったとしても、過去の紹介件数の多さに応じて高く評価された医療機関を、適切な紹介先と推定して患者を紹介することができる。したがって、現実に紹介先となった件数が多いほど、紹介先として適している可能性が高いと評価するものが、本実施の形態における評価ポイントの基本的な考え方である。
更に、特定の患者の紹介履歴に着目し、ある医療機関に紹介された患者が、同じ病名、紹介目的でさらに別の医療機関に再紹介されている場合に、当該中間の医療機関が適切な治療、診断をしていない可能性が高いとして再紹介補正値54に基づき評価ポイントを減算補正する。また、当該再紹介が医療機関の規模が同等の医療機関同士間での紹介である場合、適切な治療をしていない可能性がより高くなるため規模補正値55に基づき、さらに評価ポイントを減算補正する。また患者が紹介先の医療機関で受診した受診日と当該医療機関がさらに別の医療機関へ再紹介する際の紹介状作成日の間隔が極端に短い場合、当該医療機関が適切な治療をしていない可能性がより高くなるため間隔補正値56に基づき、さらに評価ポイントを減算補正する。
これにより、所定期間内における紹介件数のみによる評価だけでなく、紹介された患者を他の医療機関へ再紹介した件数を医療機関の評価ポイントから減算することにより、医療療機関に対し、紹介先選択の適切な医療機関情報を提供可能となる。即ち、医療機関は患者を紹介する際に、紹介された患者に適切な治療をせずに他の医療機関に再紹介する医療機関を紹介先として選択することなく、患者の病名に応じた適切な医療機関を選択可能となる。
具体的には、評価部103は、計数部102にて計数した評価ポイント格納テーブルに記憶された紹介件数53と再紹介補正値54、規模補正値55、間隔補正値56の各補正値にマイナスの値の重みを掛けて加算し、その結果を評価ポイントとして評価ポイント57に記憶する。
評価ポイントを計算する際に各補正値に掛ける重みについて説明する。
医療機関に患者が紹介された場合、その都度紹介件数が1件カウントされるが、当該医療機関が患者に対し適切な治療を行わずに他の医療機関へ再紹介した場合、本来紹介すべきではなかったのであるから、紹介件数を1件減算するべきである。
但し、紹介状データの履歴からでは、実際に患者に対し、どの程度の治療、診断を行っているかは確定できない。従って、本実施例では再紹介を行った場合に、紹介された医療機関が何もせずに単に再紹介を行った可能性が高い補正値に対し、大きな重みを掛ける。
具体的には、再紹介補正値54よりも規模補正値55、間隔補正値56の重みの値を大きくし、例えば再紹介補正値54にはレコード1件辺り−0.2とし、規模補正値55、間隔補正値56にはレコード1件辺り−0.4として、全ての補正値を適用する場合は−1.0となり当該紹介件数1件を相殺するように設定する。
このような評価ポイント格納テーブルが作成は、例えば1日1回程度行われて作成される。但し、1日1回に限られるものではなく、紹介事案の発生状況や医療機関のニーズなどに応じて適宜のタイミングで作成されればよい。
次に、端末2について説明する。端末2は、システムに登録されている各医療機関H1・H2・・・・に設置され、各医療機関の医師などが患者を他の医療機関に紹介する際に使用される。端末2は、CPU・ROM/RAM等からなり情報処理を担う端末情報処理部20、キーボード・マウス等からなり医療機関の医師が紹介状データの入力・紹介先の検索する際に操作する入力部21、所謂通信モジュールであってネットワーク3に接続されセンタ装置1と通信を行う端末通信部22、液晶モニタ等で構成され医療機関の医師が紹介状データの入力・紹介先医療機関の評価結果などを表示する表示部23から構成されている。
次に、医療機関情報システムの全体動作の概略を説明する。医療機関情報システムは、医療機関にて、患者を他の医療機関に紹介する必要が生じた場合に使用する。先ず、紹介元の医療機関に設置している端末2から入力部22を操作し、センタ装置1のセンタ通信部12へ紹介先医療機関の情報提供を要求する。この紹介先医療機関情報要求は、端末2の入力部21から入力される紹介元の医療機関を特定できる情報、紹介元の医療機関の医師が診断した紹介する患者の病名や紹介目的である紹介事由とともに、端末通信部22からネットワーク3を介してセンタ装置1に送信される。
センタ装置1では、医療機関情報要求をセンタ通信部12から受信すると、情報処理部10にて評価ポイント格納テーブルから紹介事由を検索キーとして検索し、評価ポイントが高い医療機関情報を特定する。特定した医療機関情報に評価ポイントを付して要求してきた端末2へ送信する。なお、実際に評価ポイントを付することなく、評価ポイントの高い順に医療機関情報を端末2に送信するようにしても良い。
端末2では、センタ装置1から受信した医療機関情報を表示部23に表示し、医師が評価ポイントを参考にしつつ紹介先の医療機関を選択する。なお、評価ポイントが直接送信されない場合は、評価ポイントの高い順に医療機関情報を受信することとなるので同様に適正な医療機関を選択することができる。
紹介元の医療機関の医師は、紹介状データを端末2の入力部21から表示部23を見ながら総ての項目を入力し、センタ装置1へ端末末通信部22からネットワーク3を介して送信する。
センタ装置1では、この紹介状データをセンタ通信部12から受信すると、情報処理部10の紹介状データ取得部が紹介状データを記憶部14の紹介状データテーブルに1レコードとして追加登録するとともに、紹介元医療機関には登録完了の旨・紹介先医療機関には紹介された旨を通知する。
医療機関情報提供システムの全体動作の詳細について、紹介元医療機関をH1、紹介先医療機関をH2として、医療機関H1から医療機関H2に患者を紹介する手順を例に説明する。
医療機関H1に設置された端末5において医師がWebブラウザ等を使ってセンタ装置1にアクセスし、紹介状作成のためのアプリケーションを起動する。センタ装置1にアクセスするときは、医療機関ごとに登録されたIDとパスワードなどを用いて認証を行う。
図2は、端末5のアプリケーションを起動すると表示部23の画面上に表示される紹介状作成画面の一例である。図2に示される画面は医師が紹介状作成のために必要事項を入力するためのものであり、画面左側はa1〜a4の領域に分割され、各々紹介患者、紹介元医療機関、紹介内容、紹介先医療機関の情報を医師が入力するための入力フォームと押下すると所定の動作を実行するようにプログラミングされている表示ボタンが用意されている。
先ず、医師は、紹介する患者に関する患者情報を入力する。すなわち、図2の領域a1において、紹介する患者情報である氏名・性別・生年月日・患者ID・電話番号・住所の一部または総てについて入力部21を操作して入力し、最後に患者検索ボタンb1を押下する。
患者検索ボタンb1を押下すると、端末通信部22からセンタ装置1へネットワーク3を介して入力した患者の情報とともに、患者情報がセンタ装置1の記憶部14に登録されているかの検索要求を送信する。
センタ装置1では、受信した患者情報に基づき記憶部14の患者情報を検索し、既に登録されていれば、当該患者の登録内容を端末2に返信する。他方、該当する患者情報が記憶部14に登録されていない場合は、登録が無い旨を端末2に返信する。
端末2では、センタ装置1から登録内容を受信すると、表示部23の画面における領域a1の入力フォームに登録内容が表示される。他方、登録が無い旨を端末2が受信すると、患者登録ボタンb2を押下して、新規の患者登録を行う。患者登録ボタンb2を押下すると図3の患者登録画面が別ウィンドウで表示さる。なお、センタ装置1から受信した登録内容に変更が生じている場合は、患者登録ボタンb2を押下して、患者上方の変更登録を行う。
新規の患者登録は、図3に示す氏名・性別・生年月日・電話番号・住所を入力フォームa7に入力し、最後に新規登録ボタンb6を押下する。新規登録ボタンb6を押下すると、端末通信部22からセンタ装置1へネットワーク3を介して入力した患者の情報とともに、患者情報がセンタ装置1の記憶部14に登録要求を送信する。
センタ装置1では、送信した患者の情報が記憶部14の患者情報を登録し、この際に患者ごとにユニークに患者IDを付与する。そして、登録した内容を端末2に返信する。
端末2では、センタ装置1から登録内容を受信すると、表示部23の画面における領域a1の入力フォームに患者IDを含めて登録内容が表示される。なお、患者情報の変更の際は、変更登録ボタンb7を押下する以外は同様な処理を行う。
次に、医師は、図2の領域a2の紹介元医療機関情報である医療機関名・診療科・医師について入力部21を操作して入力する。これらの項目は、センタ装置1の記憶部14に予め医療機関情報として登録されているので、端末2の識別コードや医療機関ID等を利用して自動的にセンタ装置1から取得してもよい。複数の診療科で端末5を共有している場合などは、診療科等の候補リストを表示して選択して入力できるようにしてある。例えば、診療科の入力フォームを選択すると、当該医療機関の診療科リストが診療科ドロップダウンリストに表示され、さらに医師の入力フォームを選択すると、当該診療科に所属する医師が、医師ドロップダウンリストに表示され選択可能となるにしてある。
次に、医師は、図2の領域a3の患者を紹介する際に必要な紹介内容について、入力部21を操作して入力する。領域a3では紹介先の医療機関を検索するために、患者の紹介事由として、病名および紹介目的を入力する。病名は、病名入力フォームを選択すると病名候補がドロップダウンリストに表示されるので該当する病名を選択し、紹介目的も同様にドロップダウンリストから該当する紹介目的を選択する。病名は、例えば、予め登録された「頭痛」、「腹痛」、「骨折」などのリストから選択し、紹介目的は「外来」、「入院」、「検査」、「リハビリ」などから選択する。依頼内容には、医師のコメント、特記事項などを入力する。
紹介内容を入力した後、医療機関検索ボタンb3を押下すると、端末通信部22からセンタ装置1へネットワーク3を介して入力した紹介内容とともに、センタ装置1の記憶部14に紹介先として適している医療機関情報の要求信号を送信する。
センタ装置1では、紹介先として適した医療機関情報の要求信号をセンタ通信部12にて受信すると、情報処理部10にて記憶部14に記憶された評価ポイント格納テーブルを検索する検索処理を実行する。すなわち、受信した病名および紹介目的である紹介事由が合致する医療機関情報(診療科まで含めて)を評価ポイント格納テーブルの紹介事由51から抽出する。また、医療機関名/診療科52から医療機関を特定し、記憶部14に記憶されている医療機関情報から所在地・電話番号・医師などの情報を取得する。そして、抽出された紹介先の医療機関情報をセンタ通信部12から端末2へ送信する。この際、抽出された医療機関が多数の場合には、評価ポイント55の上位10機関の紹介先の医療機関情報のみを送信するようにしてもよい。また、送信される紹介先の医療機関情報には、医療機関名・診療科・所在地・電話番号・医師・評価ポイントが含まれている。
端末2では、端末通信部22から受信した医療機関情報を端末情報処理部20にて評価ポイントが高い順に表示部23の図2に示す画面の右側の領域a5にリスト表示する。更に、評価ポイントが最も高い医療機関については、領域a4に自動的に入力される。
領域a5に表示される紹介先の医療機関リストの任意の行を選択すると、選択された医療機関・診療科・医師が領域a4の入力フォームに入力される。
紹介元の医師は、この表示部23の表示画面を見て、紹介事由に対応可能な医療機関について評価ポイントを含めて検討し、患者の紹介先の医療機関を選択できる。したがって、紹介元の医師が紹介先の医療機関を良く知らない場合であっても、適切な医療機関に患者を紹介することができる。
その他、紹介元の医師は、自身が知っている医療機関に患者を紹介する場合は、自ら領域a4のドロップダウンリストから該当する医療機関を選択するようにしても良い。これは、新しくシステムに入った医療機関や新規に施設を整えた医療機関などを紹介する場合に有効である。なお、ドロップダウンリストは、予めセンタ装置1から登録されている医療機関情報を総て取得しておいても良いし、必要性が生じた際にセンタ装置1から取得するようにしても良い。
このようにして、領域a1〜a4に紹介状データを入力した後に、紹介状作成完了ボタンb5を押す。端末情報処理部20は、端末通信部22から紹介状データをセンタ装置1に送信される。
センタ装置1では、この紹介状データをセンタ通信部12から受信すると、紹介状データ取得部101にて、記憶部14の紹介状データテーブルに紹介状作成日情報とともに登録する。すなわち、紹介状データ取得部101は、紹介状データテーブルに、受信した紹介状データに紹介状IDを付与し、患者ID、医療機関ID、診療科名、病名、紹介目的などの紹介状の各項目を1レコードとして記録する。そして、センタ装置1は、紹介状データテーブルに該紹介状データが登録されると、登録完了の旨を紹介元の端末2に送信する。
更に、センタ装置1は、紹介先医療機関で指定された医療機関の端末2に紹介状IDを含んだ電子メールにて紹介状データが発生したことを通知する。紹介先医療機関では、端末2からセンタ装置1に接続し、紹介状ID401に基づいて、センタ装置1の記憶部14に格納されている紹介状データテーブルから該当する紹介状データを抽出し、紹介先医療機関で紹介内容の詳細を閲覧することが可能となる。
紹介元の医療機関では、端末2にて紹介状データが登録されたことを確認すると、患者に紹介先の医療機関名・所在地・医師名・紹介状データIDなどを口頭または書面にて伝える。紹介を受けた患者は、紹介先の医療機関にて診察を受けることになる。
紹介先の医療機関にて患者が受診し、紹介先の紹介先医療機関H2の端末2から医師がセンタ装置1に受診した旨を登録すると、センタ装置1は、紹介状データテーブルの受診日413に登録する。
本実施の形態では、紹介先の医療機関の選択条件として、紹介事由である病名と紹介目的にて紹介先の医療機関を絞り込んでいるが、これに限られることなく、専門設備の有無、医療機関の規模、医療機関の地理的条件などにて紹介先医療機関を絞り込むようにしてもよい。
本実施の形態では、紹介状作成の際に使用する場合にて説明したが、これに限られることなく、患者の病名・目的を入力して、適した医療機関情報を検索して提供するシステムとしてもよい。
本実施の形態では、紹介件数と再紹介補正値54、規模補正値55、間隔補正値56を計数部にて同じタイミングで計数したが、これに限らず、紹介件数と各補正件値の計数するタイミングを異ならせてもよい。
本実施の形態では、センタ装置1から評価ポイントを付して端末2に医療機関情報を送信したが、これに限らず、評価ポイントを付することなく、予め評価ポイントの大きい順に並べ替えた医療機関情報を端末2へ送信し、端末2にて当該順番にしたがって表示部23に表示させてもよい。
センタ通信部、情報処理部、記憶部は単一のサーバコンピュータ上で実現することが可能であるが、複数のサーバ上で動作するようにしてもよいことは言うまでもない。
本実施の形態では、紹介件数と再紹介補正値54、規模補正値55、間隔補正値56を併用した例で説明したが、紹介件数のみを用いて評価ポイントとしても良いし、各補正値のみをもって評価ポイントとするようにしても良い。また、評価ポイントは各医療機関に対し付与してもよいし、各医療機関の診療科を特定して付与するようにしてもよい。
本発明を適用した医療機関情報提供システムの機能ブロック図を示したものである。 紹介状入力画面を示したものである。 患者情報の登録画面を示したものである。 紹介状データテーブルを示したものである。 評価ポイント格納テーブルを示したものである。 再紹介件数の算出処理のフローチャートである。 医療機関情報の例である。
符号の説明
1 センタ装置
11 入力部
12 センタ通信部
13 表示部
14 記憶部
10 情報処理部
101 紹介状データ取得部
102 計数部
103 評価部
2 端末
20 端末情報処理部
21 入力部
22 端末通信部
23 表示部
3 ネットワーク

Claims (6)

  1. 医療機関が他の医療機関に患者を紹介したときの紹介事由、紹介元と紹介先の医療機関、紹介状作成日および患者情報を一レコードとして蓄積記憶している記憶部と、前記紹介先の医療機関ごとに前記記憶部のレコード数を計数する計数部と、前記計数部が計数結果に基づき前記紹介先の医療機関ごとに前記紹介事由に適した紹介先であるかを示す評価ポイントを付与する評価部を備えた医療機関評価装置において、
    前記計数部は、前記紹介事由が一致するレコード数を紹介先医療機関の紹介件数として計数する紹介件数計数手段と、前記紹介件数として計数されたレコードの紹介先医療機関を紹介元医療機関にしているレコードであって、前記紹介件数として計数されたレコードの患者情報と一致、且つ前記紹介件数として計数されたレコードの紹介状作成日から第一の所定期間内の紹介状作成日となっているレコード数を再紹介補正値として計数する再紹介補正値計数手段を有し、
    前記評価部は、前記紹介件数を前記再紹介補正値にて減算補正して評価ポイントを付与することを特徴とした医療機関評価装置。
  2. 前記再紹介補正値計数手段は、更に前記紹介件数として計数されたレコードと同一の紹介事由であることを計数するレコードの条件とする請求項1に記載の医療機関評価装置。
  3. 更に、前記記憶部は医療機関の規模情報を記憶しており、
    前記計数部は、前記再紹介補正値を計数した各レコードのうち、紹介元の医療機関と紹介先の医療機関の規模がほぼ同等であるレコード数を規模補正値として計数する規模補正値計数手段を含み、
    前記評価部は、前記評価ポイントを前記規模補正値でさらに減算補正する請求項1又は請求項2に記載の医療機関情報評価装置。
  4. 前記記憶部のレコードは、患者が紹介先の医療機関で受診したときの受診日を記憶しており、
    前記計数部は、前記紹介件数として計数されたレコードの受診日から前記再紹介補正値を計数したレコードの紹介状作成日が前記第一の所定期間より短い第二の所定期間以内であるレコード数を間隔補正値として計数する間隔補正値計数手段を含み、
    前記評価部は、前記評価ポイントを前記間隔補正値でさらに減算補正する請求項1乃至3の医療機関情報評価装置。
  5. 請求項1記載の医療機関情報評価装置と医療機関に設置された複数の端末がネットワークを介して接続され紹介状データを医療機関情報評価装置にて集中管理する医療機関情報提供システムであって、
    前記医療機関情報評価装置は、前記端末からネットワークを介して前記紹介事由を受信し、当該紹介事由に関する前記評価部の評価結果を加味した医療機関情報を前記端末に対して送信するセンタ通信部を有し、
    前記端末は、前記医療機関情報評価装置へネットワークを介して紹介事由を送信し当該紹介事由に関する医療機関情報を受信する端末通信部と、他の医療機関への紹介事由を入力するための入力部と、前記端末通信部から受信した医療機関情報を表示する表示部を有し、
    医療機関の医師が紹介先を決めるために前記紹介事由を入力すると、前記医療機関情報評価装置から当該紹介事由にかかる医療機関情報を前記表示部に表示させることを特徴とした医療機関情報提供システム。
  6. 更に、前記センタ通信部は、前記端末から紹介状データを受信すると前記記憶部に少なくとも紹介事由、紹介元と紹介先の医療機関、紹介状作成日及び患者情報の各情報を前記記憶部に記憶させる請求項5に記載の医療機関情報提供システム。

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