JP2008112127A - 偏光板保護フィルム、偏光板、液晶表示装置 - Google Patents

偏光板保護フィルム、偏光板、液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ざらつき感、斜め方向のコントラスト比および斜め方向のカラーシフト量が改善された液晶セルを備えた液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】IPS型液晶セルの電極を有する側の基板と偏光子との間に配されるセルロースエステルからなる偏光板保護フィルムであって、Roが0≦Ro≦5nm、Rtが−5≦Rt≦5nm、膜厚が20〜50μmでありかつ偏光子と貼合する面の水の接触角が30〜45度であることを特徴とする偏光板保護フィルムによって達成された。
【選択図】なし

Description

本発明は、IPS型液晶表示装置、それに適した偏光板保護フィルムおよび偏光板に関する。
インプレーンスイッチング(IPS)方式の液晶セルを備えた液晶表示装置は、電界無印加時において、略水平な一方向に配向した液晶分子が、横方向の電界印加によって、約45度回転して光の透過(白表示)・遮蔽(黒表示)を制御するものである(特許文献1)。
IPS方式の液晶セルを備えた液晶表示装置は、偏光板の吸収軸に対して45度の角度(方位角45度、135度、225度、315度)において斜め方向から画面を見た場合に、コントラスト比が低下し、さらに、表示色が見る角度によって異なる現象(カラーシフトともいう)が大きくなるという問題がある。
また、IPS型液晶表示装置の一種である、改良型のFFS(フリンジフィールドスイッチング)方式ではVA(垂直配向)、TN(ツイステッドネマチック)方式ではみられない特有のざらつき感と呼ばれる画素のブラックマトリックスや細かい透明電極形状に由来する粒状感が見られることが問題となっていた。
カラーシフトに対しては、液晶セルの片側または両側に複数枚の位相差フィルムを配置して位相差を調整し、改善する方法が多数検討されてきた(例えば、特許文献2および3)。
また非特許文献1では、位相差フィルムを使用せず、実質的にRo、Rtをゼロとするセルロースエステルフィルムを、液晶セルを挟む両偏光子と液晶セルの間に存する両偏光板保護フィルムに使用することによって良化させる方法が知られている。しかし、このような技術だけでは、ざらつき感の改善は、十分ではなかった。
一方、一般的な偏光板の製造方法では、偏光板保護フィルムと偏光子を貼合する前に偏光板保護フィルムを鹸化処理という接着性を向上させるための工程を通すが(特許文献4および5)、電極側の偏光板保護フィルムと偏光子の関係では、単純に接着性を向上させるために接触角を小さくするよりも、ある一定の値にとどめることが、IPS型液晶表示装置に特有のざらつき感に好ましい影響を及ぼすことを見出した。
特許第2982869号 特開2006−178401号公報 特開2006−189781号公報 特開2006−176638号公報 特開2006−215535号公報 Hajime Nakayama et al. (FUJI PHOTO FILM Co.,Ltd)IDW/AD ’05 p1317−1320
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、IPS型液晶表示装置において、ざらつき感、カラーシフト量が改善された偏光板保護フィルム、偏光板および液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、以下に示す偏光板保護フィルム、偏光板及び液晶表示装置により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、
(1)IPS型液晶セルの電極を有する側の基板と偏光子との間に配されるセルロースエステルからなる偏光板保護フィルムであって、Roが0≦Ro≦5nm、Rtが−5≦Rt≦5nm、膜厚が20〜50μmでありかつ偏光子と貼合する面の水の接触角が30〜45度であることを特徴とする偏光板保護フィルム。
式(i)Ro=(nx−ny)×d
式(ii)Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
(ここで、フィルム面内遅相軸方向の屈折率をnx、遅相軸に直交する方向の屈折率をny、フィルム厚さ方向の屈折率をnz、dはフィルムの膜厚(nm)をそれぞれ表す。)
(2)前記セルロースエステルからなる偏光板保護フィルムが、負の配向複屈折性を有する化合物を含有するセルロースエステルフィルムであることを特徴とする(1)記載の偏光板保護フィルム。
(3)(1)または(2)記載の偏光板保護フィルムを偏光子の少なくとも片面に有することを特徴とする偏光板。
(4)(3)記載の偏光板をIPS型液晶セルの少なくとも片面に有することを特徴とするIPS型液晶表示装置。
によって達成された。
本発明では、IPS型液晶表示装置においては、液晶セルの両側に位相差フィルムを配置することだけでは改善されないざらつき感について、電極側の偏光板保護フィルムと偏光子との貼合状態がさらに重要な要素であることを見出したものである。
通常、セルロースエステルからなる偏光板保護フィルムの接触角は、偏光子との高湿度経時保存状態等での接着性のみを考慮して定められ、フィルム物性、生産性を考慮しながらも極力小さくすることが求められてきた。しかしながら、Ro、Rtの値が実質的にゼロに近づきさらに膜厚が薄い本発明の領域では、鹸化処理によるセルロースエステルフィルムの最表面の性状が、画質に影響を及ぼすことへの考慮も必要となることがわかった。
偏光板保護フィルムの接触角が、画質に影響を及ぼす理由として、偏光板保護フィルムのRo、Rtが実質的にゼロの領域であるということが挙げられる。つまり、実質的にゼロの領域では、偏光板保護フィルムと偏光子が接着した時点で発生する複屈折ですら、画質に影響を及ぼすようになったものではないかと推定している。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(鹸化処理による接触角の調整)
偏光板は、通常延伸したポリビニルアルコールフィルムからなる偏光子を2枚のセルロースエステルフィルムからなる偏光板保護フィルムで挟む構造をとっている。
偏光子と偏光板保護フィルムは、ポリビニルアルコール系の水系接着剤を使用して貼合されるが、その際、水系接着剤の塗れ性を向上させるため、偏光板保護フィルムの表面をアルカリ溶液で処理して水の接触角を下げる、いわゆる鹸化処理が施される。
<接触角>
本発明のセルロースエステルフィルムは、水の接触角が30〜45度であることを特徴とする。通常は、ポリビニルアルコールからなる非常に親水的な偏光子との貼合性の観点から、30度未満、とくに20〜25度であることが特に好ましいとされているが、本発明のようにRo、Rtが極めてゼロに近い偏光板保護フィルムでは、30〜45度と通常よりも大きくすることが好ましい。より好ましくは32〜40度である。
なお、水の接触角は、フィルムを25℃・相対湿度60%で3時間以上調湿した後、表面に直径3mmの純水の液滴を落とし、フィルム表面と水滴のなす角から求めることができる。自動接触角測定装置を使用して通常の方法で測定してもよい。
<接触角の調整方法>
本発明の偏光板保護フィルムは、セルロースエステルフィルムをアルカリ溶液によって鹸化処理することにより、接触角を調整することができる。
本発明の接触角の調整では、濃度が3mol/L以上のアルカリ溶液を鹸化液として用いて鹸化処理することが好ましい。鹸化液はアルカリ剤と水からなり、場合により界面活性剤および相溶化剤が含有されていても良い。
アルカリ溶液の濃度(アルカリ溶液中のアルカリ剤の含有量)は、セルロースエステルのアシル基置換度に応じて決定する必要がある。すなわち、セルロースエステルにおいては、アシル基の炭素数増大に伴って、鹸化効率が著しく低下するため、アシル基の炭素数が大きくなるほどアルカリ濃度は高くする必要があるが、アルカリ濃度が高すぎるとアルカリ溶液の安定性が損なわれ、長時間処理において析出する場合もあるため、セルロースエステルの一次構造に応じて適切にアルカリ溶液を選定することがポイントとなる。
そのため、本発明で用いられるアルカリ溶液は3mol/L以上であることが好ましく、3〜15mol/Lであることがより好ましく、4〜10mol/Lであることがさらに好ましく、5〜8mol/Lであることが最も好ましい。また、アルカリ溶液の濃度は、この範囲内で、使用するアルカリ剤の種類、反応温度および反応時間に応じて調整することもできる。
アルカリ剤としては、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウム、第3リン酸アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、第二リン酸カリウム、第二リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、ほう酸ナトリウム、ほう酸カリウム、ほう酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルブチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤も用いられる。
これらのアルカリ剤は単独または2種以上を組み合わせて併用することもでき、一部を例えばハロゲン化したような塩の形で添加してもよい。
これらのアルカリ剤の中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。その理由は、これらの量を調整することにより広いpH領域でのpH調整が可能となるためである。
アルカリ溶液の溶媒は、水の単独溶媒、または水と有機溶媒との混合溶媒である。好ましい有機溶媒は、アルコール類、アルカノール類、グリコール化合物のモノエーテル類、ケトン類、アミド類、スルホキシド類、エーテル類が挙げられ、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリンモノメチルエーテル、グリセリンモノエチルエーテル、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。水と併用される有機溶媒は、単独または2種類以上を混合して用いてもよい。
有機溶媒を単独或いは2種以上を混合する場合の少なくとも1種の有機溶媒は、水への溶解性が大きなものが好ましい。有機溶媒の水の溶解度は、50質量%以上が好ましく、水と自由に混合するものがより好ましい。アルカリ剤、鹸化処理で副生する脂肪酸の塩、空気中の二酸化炭素を吸収して生じた炭酸の塩等への溶解性が充分なアルカリ溶液を調製できる。
有機溶媒の溶媒中の使用割合は、溶媒の種類、水との混和性(溶解性)、反応温度および反応時間に応じて決定する。短い時間で鹸化反応を完了するためには、高い濃度に溶液を調製することが好ましい。
ただし、溶媒濃度が高すぎるとセルロースエスエルフィルム中の成分(可塑剤など)が抽出されたり、フィルムの過度の膨潤が起こる場合があり、適切に選択する必要がある。
水と有機溶媒の混合比は、3/97〜85/15質量比が好ましい。より好ましくは5/95〜60/40質量比であり、さらに好ましくは15/85〜40/60質量比である。この範囲において、セルロースエスエルフィルムの光学特性を損なうことなく容易にフィルム全面が均一に鹸化処理される。
本発明で好ましく用いられるアルカリ溶液の如く、高濃度のアルカリ溶液は環境雰囲気のCO2を吸収して溶液中で炭酸となりpHを下げるとともに、炭酸塩の沈殿物を発生させやすくなるため、環境雰囲気のCO2濃度は5000ppm以下が好ましい。環境雰囲気のCO2の吸収を抑制するために、アルカリ溶液の塗布コーターを半密閉構造としたり、乾燥空気、不活性ガスやアルカリ溶液の有機溶剤飽和蒸気で覆うようにすることがより好ましい。
<界面活性剤>
本発明で用いられるアルカリ溶液には、界面活性剤を含有させることもできる。界面活性剤を添加することによって、たとえ有機溶媒がフィルム含有物質を抽出したとしてもアルカリ溶液中に安定に存在させ、後の水洗工程においても抽出物質が析出、固体化しない。好ましく用いられる界面活性剤については、例えば、特開2003−313326号公報などに記載されている。
<消泡剤>
本発明で用いられるアルカリ溶液には、消泡剤を含有させることもでき、好ましく用いられる消泡剤については、例えば、特開2003−313326号公報などに記載されている。
<防黴剤/防菌剤>
本発明で用いられるアルカリ溶液には、防黴剤および/または防菌剤を含有させることもでき、好ましく用いられる防黴剤/防菌剤については、例えば、特開2003−313326号公報などに記載されている。
<水>
また、アルカリ溶液に用いる水としては、日本国水道法(昭和32年法律第177号)およびそれに基づく水質基準に関する省令(昭和53年8月31日厚生省令第56号)、同国温泉法(昭和23年7月10日法律第125号およびその別表)、および、WHO規定水道水基準によって規定される水中の混入の状態における各元素やミネラル等への影響、等に基づくものが好ましい。
本発明の効果の達成をより確実にするために、上述した水を用いることが好ましく、アルカリ溶液のカルシウム濃度は、0.001〜400mg/Lであるのが好ましく、0.001〜150mg/Lであるのがさらに好ましく、0.001〜10mg/Lであるのが特に好ましい。
マグネシウム濃度は、0.001〜400mg/Lであるのが好ましく、0.001〜150mg/Lであるのがさらに好ましく、0.001〜10mg/Lであるのが特に好ましい。カルシウムやマグネシウム以外の他の多価の金属イオンも含まれないことが好ましい。
多価金属イオンの濃度は0.002〜1000mg/Lであることが好ましい。一方、アルカリ溶液に塩化物イオンや炭酸イオンなどのアニオンも含まないことが好ましい。塩化物イオン濃度は0.001〜500mg/Lであることが好ましく、0.001〜300mg/Lであるのがさらに好ましく、0.001〜100mg/Lであるのが特に好ましい。また、炭酸イオンも含まれないことが好ましい。
炭酸イオン濃度は0.001〜3500mg/Lであることが好ましく、0.001〜1000mg/Lであるのがさらに好ましく、0.001〜200mg/Lであるのが特に好ましい。これらの濃度範囲において、溶液中の不溶解物の生成が抑えられる。
<アルカリ鹸化処理工程>
本発明のフィルムは、前記アルカリ溶液で鹸化処理する工程、アルカリ溶液をフィルムから洗い落とす工程によりアルカリ鹸化処理を実施することができる。その後、アルカリ溶液を中和する工程、および中和液をフィルムから洗い落とす工程を含んでもよい。これらの工程は、フィルムを搬送しながら実施することが好ましく、特開2001−188130号公報に記載されるようなアルカリ溶液に浸漬する方法を用いてもよく、特開2004−203965号公報に記載されるようなアルカリ溶液を塗布する方法を用いてもよい。
鹸化時間は1〜10分であることが好ましく、1.5〜8分であることが好ましく、2〜6分であることがさらに好ましい。鹸化時間が長すぎると、接着性は向上するもののざらつき感に悪影響を及ぼしてしまう。
アルカリ溶液に浸漬する鹸化工程の場合、アルカリ溶液は、アルカリ溶液槽の中で対流させることが好ましい。対流速度は、溶液に紐をつけた溶液と同等の比重を有するフロートを入れ、単位時間あたりに紐が繰り出された量から測定することができ、線速度が1m/分以上であることが好ましく、10〜1000m/分であることがより好ましく、30〜500m/分であることがさらに好ましく、50〜300m/分であることが最も好ましい。アルカリ溶液の対流は、アルカリ溶液槽中に撹拌羽により実施することができる。
セルロースエステルフィルムに対する鹸化開始時のアルカリ溶液の温度と鹸化終了時のアルカリ溶液の温度との差は0.1℃以上であることが好ましく、0.5〜20℃であることがより好ましく、3〜10℃であることがさらに好ましい。
このような温度差を実現するためには、アルカリ溶液槽中、フィルムが浸漬される入り口付近のアルカリ溶液温度と、フィルムがアルカリ溶液から取り出される出口付近のアルカリ溶液温度との差を好ましくは0.1℃以上、より好ましくは0.5〜20℃、さらに好ましくは3〜10℃に設定すればよい。
具体的には、アルカリ溶液槽中に仕切り板を設けて溶液の流れを妨げ、昇温用のヒーターを追加するなどの方法を用いて設定することができる。このとき、鹸化終了時の温度(出口付近の温度)のほうが高いほうが好ましい。このことにより、フィルム中の添加剤の析出を抑え、効率的にフィルムの接触角を安定化させることができる。
液中に溶け出したセルロースエステルフィルムの添加剤は、セルロースエステルフィルム上に付着して輝点故障(異物欠陥)の発生原因となることがある。このため、活性炭を用いて、溶出成分を吸着、除去する方法を好ましく利用することができる。活性炭は、鹸化溶液中の着色成分を除去する機能を有すれば良く、その形態、材質等に制限はない。
具体的には、活性炭を直接アルカリ溶液槽に入れる方法を採用してもよいし、アルカリ溶液槽と活性炭を充填した浄化装置間に鹸化溶液を循環させる方法を採用してもよい。
(Ro、Rt:電極側)
本発明の偏光板保護フィルムは、IPS型液晶表示装置の電極側液晶セル基板と電極側偏光板の偏光子との間に配置されることが好ましい。
本発明の偏光板保護フィルムは、Roが0〜5nm、Rtが−5〜5nmであり、好ましくはRoが0〜2nmである。Ro、Rtを所望の値にするための手段はフィルムが一枚であれば限定はないが、好ましくは、負の配向複屈折性を有する化合物を含有するセルロースエスエルであって、膜厚が20〜50μmのものである。
この位置における偏光板保護フィルムは、フィルムとして均一のものであることが好ましく、例えば、複数のフィルムを重ね合わせたり塗布層を設けて同じRo、Rtを有していたとしても、一枚のフィルムである場合の方が、性能改善効果は大きい。
<セルロースエステル>
本発明のフィルムを形成するセルロースエステルとしては、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、硝酸セルロース等のセルロースエステル類が挙げられる。
本発明に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。また、これらから得られたセルロースエステルは、それぞれを単独あるいは任意の割合で混合使用することができるが、綿花リンターを50質量%以上使用することが好ましい。
セルロースエステルフィルムの分子量が大きいと弾性率が大きくなるが、分子量を上げすぎるとセルロースエステルの溶解液の粘度が高くなりすぎるため生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で30000〜200000のものが好ましく、500000〜200000のものが更に好ましい。
本発明で用いられるセルロースエステルはMw/Mn比が1〜5であることが好ましく、更に好ましくは1〜3であり、特に好ましくは1.4〜2.3である。
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1,000,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
特に好ましいセルロースエステルは、炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXacとし、プロピオニル基またはブチリル基の置換度をYpbとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルである。
式(I) 2.2≦(Xac+Ypb)≦2.95
式(II) 0<Xac≦2.95
これらアシル基の置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法に準じて測定することができる。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらのセルロースエステルは公知の方法で合成することができる。
(負の配向複屈折性を有する化合物)
本発明の負の配向複屈折性を有する化合物とは、セルロースエステルフィルムの中で、フィルムの延伸方向に対して負の複屈折性を示す材料を意味し、アクリルポリマー、ポリエステル、フラノース構造もしくはピラノース構造を有する化合物、スルホン化合物等が挙げられる。
負の配向複屈折性を有しているか否かは、その化合物を添加した系としていない系でのフィルムの複屈折を複屈折計により測定し、その差を比較することにより知ることができる。
<アクリルポリマー、ポリエステル、フラノース構造もしくはピラノース構造を有する化合物>
次に本発明に係るアクリルポリマー、ポリエステルおよびフラノース構造もしくはピラノース構造を有する化合物ついて説明する。
〈アクリルポリマー〉
本発明のセルロースエステルフィルムは、延伸方向に対して負の配向複屈折性を示す重量平均分子量が500以上30000以下であるアクリルポリマーを含有することが好ましく、該アクリルポリマーは芳香環を側鎖に有するアクリルポリマーまたはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリルポリマーであることが好ましい。
該ポリマーの重量平均分子量が500以上30000以下のもので該ポリマーの組成を制御することで、セルロースエステルと該ポリマーとの相溶性を良好にすることができる。
特に、アクリルポリマー、芳香環を側鎖に有するアクリルポリマーまたはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリルポリマーについて、好ましくは重量平均分子量が500以上10000以下のものであれば、上記に加え、製膜後のセルロースエステルフィルムの透明性が優れ、透湿度も極めて低く、偏光板用保護フィルムとして優れた性能を示す。
該ポリマーは重量平均分子量が500以上30000以下であるから、オリゴマーから低分子量ポリマーの間にあると考えられるものである。このようなポリマーを合成するには、通常の重合では分子量のコントロールが難しく、分子量をあまり大きくしない方法でできるだけ分子量を揃えることの出来る方法を用いることが望ましい。
かかる重合方法としては、クメンペルオキシドやt−ブチルヒドロペルオキシドのような過酸化物重合開始剤を使用する方法、重合開始剤を通常の重合より多量に使用する方法、重合開始剤の他にメルカプト化合物や四塩化炭素等の連鎖移動剤を使用する方法、重合開始剤の他にベンゾキノンやジニトロベンゼンのような重合停止剤を使用する方法、更に特開2000−128911号または同2000−344823号公報にあるような一つのチオール基と2級の水酸基とを有する化合物、或いは、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法等を挙げることができ、何れも本発明において好ましく用いられるが、特に、該公報に記載の方法が好ましい。
本発明に有用なポリマーを構成するモノマー単位としてのモノマーを下記に挙げるがこれに限定されない。
エチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマーを構成するエチレン性不飽和モノマー単位としては:ビニルエステルとして、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等;アクリル酸エステルとして、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェネチル、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、アクリル酸−p−ヒドロキシメチルフェニル、アクリル酸−p−(2−ヒドロキシエチル)フェニル等;メタクリル酸エステルとして、上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたもの;不飽和酸として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等を挙げることができる。上記モノマーで構成されるポリマーはコポリマーでもホモポリマーでもよく、ビニルエステルのホモポリマー、ビニルエステルのコポリマー、ビニルエステルとアクリル酸またはメタクリル酸エステルとのコポリマーが好ましい。
本発明において、アクリルポリマーという(単にアクリルポリマーという)のは、芳香環或いはシクロヘキシル基を有するモノマー単位を有しないアクリル酸またはメタクリル酸アルキルエステルのホモポリマーまたはコポリマーを指す。芳香環を側鎖に有するアクリルポリマーというのは、必ず芳香環を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマー単位を含有するアクリルポリマーである。
また、シクロヘキシル基を側鎖に有するアクリルポリマーというのは、シクロヘキシル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマー単位を含有するアクリルポリマーである。
芳香環及びシクロヘキシル基を有さないアクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−メトキシエチル)、アクリル酸(2−エトキシエチル)等、または上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたものを挙げることができる。
アクリルポリマーは上記モノマーのホモポリマーまたはコポリマーであるが、アクリル酸メチルエステルモノマー単位が30質量%以上を有していることが好ましく、また、メタクリル酸メチルエステルモノマー単位が40質量%以上有することが好ましい。特にアクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルのホモポリマーが好ましい。
芳香環を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸(2または4−クロロフェニル)、メタクリル酸(2または4−クロロフェニル)、アクリル酸(2または3または4−エトキシカルボニルフェニル)、メタクリル酸(2または3または4−エトキシカルボニルフェニル)、アクリル酸(oまたはmまたはp−トリル)、メタクリル酸(oまたはmまたはp−トリル)、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェネチル、メタクリル酸フェネチル、アクリル酸(2−ナフチル)等を挙げることができるが、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニチル、メタクリル酸フェネチルを好ましく用いることができる。
芳香環を側鎖に有するアクリルポリマーの中で、芳香環を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマー単位が20〜40質量%を有し、且つアクリル酸またはメタクリル酸メチルエステルモノマー単位を50〜80質量%有することが好ましい。該ポリマー中、水酸基を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマー単位を2〜20質量%有することが好ましい。
シクロヘキシル基を有するアクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸(4−メチルシクロヘキシル)、メタクリル酸(4−メチルシクロヘキシル)、アクリル酸(4−エチルシクロヘキシル)、メタクリル酸(4−エチルシクロヘキシル)等を挙げることができるが、アクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸シクロヘキシルを好ましく用いることができる。
シクロヘキシル基を側鎖に有するアクリルポリマー中、シクロヘキシル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマー単位を20〜40質量%を有し且つ50〜80質量%有することが好ましい。また、該ポリマー中、水酸基を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマー単位を2〜20質量%有することが好ましい。
上述のエチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマー、アクリルポリマー、芳香環を側鎖に有するアクリルポリマー及びシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリルポリマーは何れもセルロース樹脂との相溶性に優れる。
これらの水酸基を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマーの場合はホモポリマーではなく、コポリマーの構成単位である。この場合、好ましくは、水酸基を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマー単位がアクリルポリマー中2〜20質量%含有することが好ましい。
本発明において、側鎖に水酸基を有するポリマーも好ましく用いることができる。水酸基を有するモノマー単位としては、前記したモノマーと同様であるが、アクリル酸またはメタクリル酸エステルが好ましく、例えば、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、アクリル酸−p−ヒドロキシメチルフェニル、アクリル酸−p−(2−ヒドロキシエチル)フェニル、またはこれらアクリル酸をメタクリル酸に置き換えたものを挙げることができ、好ましくは、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル及びメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルである。ポリマー中に水酸基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルモノマー単位はポリマー中2〜20質量%含有することが好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
前記のようなポリマーが上記の水酸基を有するモノマー単位を2〜20質量%含有したものは、勿論セルロースエステルとの相溶性、保留性、寸法安定性が優れ、透湿度が小さいばかりでなく、偏光板保護フィルムとしての偏光子との接着性に特に優れ、偏光板の耐久性が向上する効果を有している。
アクリルポリマーの主鎖の少なくとも一方の末端に水酸基を有するようにする方法は、特に主鎖の末端に水酸基を有するようにする方法であれば限定ないが、アゾビス(2−ヒドロキシエチルブチレート)のような水酸基を有するラジカル重合開始剤を使用する方法、2−メルカプトエタノールのような水酸基を有する連鎖移動剤を使用する方法、水酸基を有する重合停止剤を使用する方法、リビングイオン重合により水酸基を末端に有するようにする方法、特開2000−128911号または2000−344823号公報にあるような一つのチオール基と2級の水酸基とを有する化合物、或いは、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法等により得ることができ、特に該公報に記載の方法が好ましい。
この公報記載に関連する方法で作られたポリマーは、綜研化学社製のアクトフロー・シリーズとして市販されており、好ましく用いることができる。上記の末端に水酸基を有するポリマー及び/または側鎖に水酸基を有するポリマーは、本発明において、ポリマーの相溶性、透明性を著しく向上する効果を有する。
更に、延伸方向に対して負の配向複屈折性を示すエチレン性不飽和モノマーとして、スチレン類を用いたポリマーであることが負の屈折性を発現させるために好ましい。スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビニル安息香酸メチルエステルなどが挙げられるが、これらに限定される物ではない。
前記不飽和エチレン性モノマーとして挙げた例示モノマーと共重合してもよく、また複屈折性を制御する目的で、2種以上の上記ポリマーをもちいてセルロースエステルに相溶させて用いても良い。
更に、本発明に係るセルロースエステルフィルムは、分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有せず、親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーXと、より好ましくは芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaを重合して得られた重量平均分子量500以上3000以下のポリマーYとを含有することが好ましい。
〈ポリマーX、ポリマーY〉
本発明のポリマーXは分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有せず、親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーである。好ましくは、Xaは分子内に芳香環と親水性基を有しないアクリルまたはメタクリルモノマー、Xbは分子内に芳香環を有せず親水性基を有するアクリルまたはメタクリルモノマーである。
本発明のポリマーXは、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
−(Xa)m−(Xb)n−(Xc)p
さらに好ましくは、下記一般式(1−1)で表されるポリマーである。
一般式(1−1)
−[CH2−C(−R1)(−CO22)]m−[CH2−C(−R3)(−CO24−OH)−]n−[Xc]p
(式中、R1、R3、R5は、HまたはCH3を表す。R2は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基を表す。R4、R6は−CH2−、−C24−または−C36−を表す。Xcは、Xa、Xbに重合可能なモノマー単位を表す。m、nおよびpは、モル組成比を表す。ただしm≠0、n≠0、k≠0、m+n+p=100である。)
本発明のポリマーXを構成するモノマー単位としてのモノマーを下記に挙げるがこれに限定されない。
Xにおいて、親水性基とは、水酸基、エチレンオキシド連鎖を有する基をいう。
分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaは、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−エトキシエチル)等、または上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたものを挙げることができる。中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル(i−、n−)であることが好ましい。
分子内に芳香環を有せず、親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbは、水酸基を有するモノマー単位として、アクリル酸またはメタクリル酸エステルが好ましく、例えば、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、またはこれらアクリル酸をメタクリル酸に置き換えたものを挙げることができ、好ましくは、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)及びメタクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)である。
Xcとしては、Xa、Xb以外のものでかつ共重合可能なエチレン性不飽和モノマーであれば、特に制限はないが、芳香環を有していないものが好ましい。
Xa、XbおよびXcのモル組成比m:nは99:1〜65:35の範囲が好ましく、更に好ましくは95:5〜75:25の範囲である。Xcのpは0〜10である。Xcは複数のモノマー単位であってもよい。
Xaのモル組成比が多いとセルロースエステルとの相溶性が良化するがフィルム厚み方向のリターデーション値Rtが大きくなる。Xbのモル組成比が多いと上記相溶性が悪くなるが、Rtを低減させる効果が高い。また、Xbのモル組成比が上記範囲を超えると製膜時にヘイズが出る傾向があり、これらの最適化を図りXa、Xbのモル組成比を決めることが好ましい。
ポリマーXの分子量は重量平均分子量が5000以上30000以下であり、更に好ましくは8000以上25000以下である。
重量平均分子量を5000以上とすることにより、セルロースエステルフィルムの、高温高湿下における寸法変化が少ない、偏光板保護フィルムとしてカールが少ない等の利点が得られ好ましい。重量平均分子量が30000を以内とした場合は、セルロースエステルとの相溶性がより向上し、高温高湿下においてのブリードアウト、さらには製膜直後でのヘイズの発生が抑制される。
本発明のポリマーXの重量平均分子量は、公知の分子量調節方法で調整することができる。そのような分子量調節方法としては、例えば四塩化炭素、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸オクチル等の連鎖移動剤を添加する方法等が挙げられる。また、重合温度は通常室温から130℃、好ましくは50℃から100℃で行われるが、この温度または重合反応時間を調整することで可能である。
重量平均分子量の測定方法は下記方法によることができる。
(重量平均分子量測定方法)
重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
本発明のポリマーYは芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaを重合して得られた重量平均分子量500以上3000以下のポリマーである。
重量平均分子量500以上ではポリマーの残存モノマーが減少し好ましい。また、3000以下とすることは、リターデーション値Rt低下性能を維持するために好ましい。
Yaは、好ましくは芳香環を有さないアクリルまたはメタクリルモノマーである。
本発明のポリマーYは、下記一般式(2)で表される。
一般式(2)
−(Ya)k−(Yb)q
さらに好ましくは、下記一般式(2−1)で表されるポリマーである。
一般式(2−1)
−[CH2−C(−R5)(−CO26)]k−[Yb]q
(式中、R5は、HまたはCH3を表す。R6は炭素数1〜12のアルキル基またはシクロアルキル基を表す。Ybは、Yaと共重合可能なモノマー単位を表す。kおよびqは、モル組成比を表す。ただしk≠0、k+q=100である。)
Ybは、Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーであれば特に制限はない。Ybは複数であってもよい。k+q=100、qは好ましくは0〜30である。
芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマーYを構成するエチレン性不飽和モノマーYaはアクリル酸エステルとして、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、メタクリル酸エステルとして、上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたもの;不飽和酸として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等を挙げることができる。
Ybは、Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーであれば特に制限はないが、ビニルエステルとして、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、桂皮酸ビニル等が好ましい。Ybは複数であってもよい。
ポリマーX、Yを合成するには、通常の重合では分子量のコントロールが難しく、分子量をあまり大きくしない方法でできるだけ分子量を揃えることの出来る方法を用いることが望ましい。かかる重合方法としては、クメンペルオキシドやt−ブチルヒドロペルオキシドのような過酸化物重合開始剤を使用する方法、重合開始剤を通常の重合より多量に使用する方法、重合開始剤の他にメルカプト化合物や四塩化炭素等の連鎖移動剤を使用する方法、重合開始剤の他にベンゾキノンやジニトロベンゼンのような重合停止剤を使用する方法、更に特開2000−128911号または同2000−344823号公報にあるような一つのチオール基と2級の水酸基とを有する化合物、あるいは、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法等を挙げることができ、何れも本発明において好ましく用いられるが、特に、分子中にチオール基と2級の水酸基とを有する化合物を連鎖移動剤として使用する重合方法が好ましい。
この場合、ポリマーXおよびポリマーYの末端には、重合触媒および連鎖移動剤に起因する水酸基、チオエーテルを有することとなる。この末端残基により、ポリマーX、Yとセルロースエステルとの相溶性を調整することができる。
ポリマーXおよびYの水酸基価は30〜150[mgKOH/g]であることが好ましい。
(水酸基価の測定方法)
この測定は、JIS K 0070(1992)に準ずる。この水酸基価は、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数と定義される。具体的には試料Xg(約1g)をフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬(無水酢酸20mlにピリジンを加えて400mlにしたもの)20mlを正確に加える。フラスコの口に空気冷却管を装着し、95〜100℃のグリセリン浴にて加熱する。
1時間30分後、冷却し、空気冷却管から精製水1mlを加え、無水酢酸を酢酸に分解する。次に電位差滴定装置を用いて0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行い、得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。更に空試験として、試料を入れないで滴定し、滴定曲線の変曲点を求める。
水酸基価は、次の式によって算出する。
水酸基価={(B−C)×f×28.05/X}+D
(式中、Bは空試験に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、Cは滴定に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、fは0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、Dは酸価、また、28.05は水酸化カリウムの1mol量56.11の1/2を表す)
上述のXポリマーポリマーYは何れもセルロースエステルとの相溶性に優れ、蒸発や揮発もなく生産性に優れ、偏光板用保護フィルムとしての保留性がよく、透湿度が小さく、寸法安定性に優れている。
ポリマーXとポリマーYのセルロースエステルフィルム中での含有量は、下記式(i)、式(ii)を満足する範囲であることが好ましい。ポリマーXの含有量をXg(質量%=ポリマーXの質量/セルロースエステルの質量×100)、ポリマーYの含有量をYg(質量%)とすると、
式(i) 5≦Xg+Yg≦35(質量%)
式(ii) 0.05≦Yg/(Xg+Yg)≦0.4
式(i)の好ましい範囲は、10〜25質量%である。
ポリマーXとポリマーYは総量として5質量%以上であれば、リターデーション値Rtの低減に十分な作用をする。また、総量として35質量%以下であれば、偏光子PVAとの接着性が良好である。
ポリマーXとポリマーYは後述するドープ液を構成する素材として直接添加、溶解するか、もしくはセルロースエステルを溶解する有機溶媒に予め溶解した後ドープ液に添加することができる。
〈ポリエステル〉
本発明のセルロースエステルフィルムは下記ポリエステルを含有することも好ましい。
(一般式(3)または(4)で表されるポリエステル)
本発明のセルロースエステルフィルムは下記一般式(3)または(4)で表されるポリエステルを含有することが好ましい。
一般式(3) B1−(G−A−)mG−B1
(式中、B1はモノカルボン酸を表し、Gは2価のアルコールを表し、Aは2塩基酸を表す。B1、G、Aはいずれも芳香環を含まない。mは繰り返し数を表す。)
一般式(4) B2−(A−G−)nA−B2
(式中、B2はモノアルコールを表し、Gは2価のアルコールを表し、Aは2塩基酸を表す。B2、G、Aはいずれも芳香環を含まない。nは繰り返し数を表す。)
一般式(3)、(4)において、B1はモノカルボン酸成分を表し、B2はモノアルコール成分を表し、Gは2価のアルコール成分を表し、Aは2塩基酸成分を表し、これらによって合成されたことを表す。B1、B2、G、Aはいずれも芳香環を含まないことが特徴である。m、nは繰り返し数を表す。
B1で表されるモノカルボン酸としては、特に制限はなく公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸等を用いることができる。
好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることがさらに好ましく、炭素数1〜12であることが特に好ましい。酢酸を含有させるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
B2で表されるモノアルコール成分としては、特に制限はなく公知のアルコール類を用いることができる。例えば炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪族飽和アルコールまたは脂肪族不飽和アルコールを好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることがさらに好ましく、炭素数1〜12であることが特に好ましい。
Gで表される2価のアルコール成分としては、以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等を挙げることができるが、これらのうちエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましく、さらに、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールを好ましく用いられる。
Aで表される2塩基酸(ジカルボン酸)成分としては、脂肪族2塩基酸、脂環式2塩基酸が好ましく、例えば、脂肪族2塩基酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等、特に、脂肪族ジカルボン酸としては炭素原子数4〜12もの、これらから選ばれる少なくとも一つのものを使用する。つまり、2種以上の2塩基酸を組み合わせて使用してよい。
m、nは繰り返し数を表し、1以上で170以下が好ましい。
(一般式(5)または(6)で表されるポリエステル)
本発明のセルロースエステルフィルムは下記一般式(5)または(6)で表されるポリエステルを含有することが好ましい。
一般式(5) B1−(G−A−)mG−B1
(式中、B1は炭素数1〜12のモノカルボン酸を表し、Gは炭素数2〜12の2価のアルコールを表し、Aは炭素数2〜12の2塩基酸を表す。B1、G、Aはいずれも芳香環を含まない。mは繰り返し数を表す。)
一般式(6) B2−(A−G−)nA−B2
(式中、B2は炭素数1〜12のモノアルコールを表し、Gは炭素数2〜12の2価のアルコールを表し、Aは炭素数2〜12の2塩基酸を表す。B2、G、Aはいずれも芳香環を含まない。nは繰り返し数を表す。)
一般式(5)、(6)において、B1はモノカルボン酸成分を表し、B2はモノアルコール成分を表し、Gは炭素数2〜12の2価のアルコール成分を表し、Aは炭素数2〜12の2塩基酸成分を表し、これらによって合成されたことを表す。B1、G、Aはいずれも芳香環を含まない。m、nは繰り返し数を表す。
B1、B2は、前述の一般式(3)または(4)におけるB1、B2と同義である。
G、Aは前述の一般式(3)または(4)におけるG、Aの中で炭素数2〜12のアルコール成分または2塩基酸成分である。
ポリエステルの重量平均分子量は20000以下が好ましく、10000以下であることがさらに好ましい。特に重量平均分子量が500〜10000のポリエステルは、セルロースエステルとの相溶性が良好であり、好ましく用いられる。
ポリエステルの重縮合は常法によって行われる。例えば、上記2塩基酸とグリコールの直接反応、上記の2塩基酸またはこれらのアルキルエステル類、例えば2塩基酸のメチルエステルとグリコール類とのポリエステル化反応またはエステル交換反応により熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコールとの脱ハロゲン化水素反応の何れかの方法により容易に合成し得るが、重量平均分子量がさほど大きくないポリエステルは直接反応によるのが好ましい。
低分子量側に分布が高くあるポリエステルはセルロースエステルとの相溶性が非常によく、フィルム形成後、透湿度も小さく、しかも透明性に富んだセルロースエステルフィルムを得ることができる。分子量の調節方法は、特に制限なく従来の方法を使用できる。例えば、重合条件にもよるが、1価の酸または1価のアルコールで分子末端を封鎖する方法により、これらの1価のものの添加する量によりコントロールできる。
この場合、1価の酸がポリマーの安定性から好ましい。例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸等を挙げることができるが、重縮合反応中には系外に溜去せず、停止して反応系外にこのような1価の酸を系外に除去するときに溜去し易いものが選ばれるが、これらを混合使用してもよい。また、直接反応の場合には、反応中に溜去してくる水の量により反応を停止するタイミングを計ることによっても重量平均分子量を調節できる。その他、仕込むグリコールまたは2塩基酸のモル数を偏らせることによってもできるし、反応温度をコントロールしても調節できる。
本発明に係るポリエステルは、セルロースエステルに対し1〜40質量%含有することが好ましく、一般式(5)または(6)で表されるポリエステルは2〜30質量%含有することが好ましい。特に5〜15質量%含有することが好ましい。
〈フラノース構造もしくはピラノース構造を有する化合物〉
本発明のセルロースエステルフィルムはフラノース構造もしくはピラノース構造を少なくとも1個有し、該フラノース構造もしくはピラノース構造が1〜12個結合した化合物中のOH基のすべてもしくは一部をエステル化した化合物とを含むことを特徴とする。
好ましい「フラノース構造もしくはピラノース構造を少なくとも1個有し、該フラノース構造もしくはピラノース構造が1〜12個結合した化合物」の例としては、例えば以下のようなものをあげることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、アラビノース、ラクトース、スクロース、セロビオース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノースなどが挙げられるが、特にフラノース構造とピラノース構造を両方有するものが好ましい。例としてはスクロースが挙げられる。
本発明の「フラノース構造もしくはピラノース構造を少なくとも1個有し、該フラノース構造もしくはピラノース構造が1〜12個結合した化合物中のOH基のすべてもしくは一部をエステル化した化合物」に用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、オクテン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、アルコキシ基を導入したもの、ケイ皮酸、ベンジル酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができるが、特に安息香酸が好ましい。
これらの化合物の製造方法の詳細は、特開昭62−42996号公報及び特開平10−237084号公報に記載されている。
以下に、具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2008112127
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<スルホン化合物>
下記一般式(7)において、R1はアルキル基またはアリール基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。また、R1、R2およびR3の炭素原子数の総和が10以上であることが特に好ましい。
また、一般式(8)中、R4およびR5は、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。また、R4およびR5の炭素原子数の総和は10以上であり、各々、アルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよい。置換基としてはフッ素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、スルホン基およびスルホンアミド基が好ましく、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、スルホン基およびスルホンアミド基が特に好ましい。
Figure 2008112127
また、アルキル基は直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよく、炭素原子数1乃至25のものが好ましく、6乃至25のものがより好ましく、6乃至20のもの(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ビシクロオクチル、ノニル、アダマンチル、デシル、t−オクチル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、ジデシル)が特に好ましい。アリール基としては炭素原子数が6乃至30のものが好ましく、6乃至24のもの(例えば、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、ビナフチル、トリフェニルフェニル)が特に好ましい。
一般式(7)または一般式(8)で表される化合物の好ましい例を下記に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2008112127
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(Ro、Rt:非電極側)
本発明の非電極側の液晶セルと偏光子との間に配置される偏光板保護フィルムには、特に制限はないが、Roが0〜5nm、Rtが30〜80nmであることが好ましい。そして、膜厚は30〜90μmである。
本発明の非電極側に配置される偏光板保護フィルムは、通常のセルロースエスエルからなる通常の偏光板保護フィルムを使用することができる。新たに位相差層の塗設、位相差フィルムを組み合わせることは必ずしも必要としない。通常使用されている30〜90μmの偏光板保護フィルムをそのまま用いればよい。また、電極側に使用する偏光板保護フィルムをそのまま使用することも可能である。
本発明の偏光板保護フィルムは、光弾性率がC(590nm(m2/N))が1.0×10-12〜2.0×10-11である。
(電極側および非電極側両偏光板保護フィルムのRo、Rtの関係)
電極側および非電極側両偏光板保護フィルムの合計のRoは、0〜10nmであり、好ましくは0〜5nmである。また、合計のRtは、5〜85nmであり、好ましくは10〜60nmである。電極側の偏光板保護フィルムの膜厚は20〜60μmであり、非電極側の偏光板保護フィルムの膜厚は30〜90μmである。そして、電極側と非電極側の両偏光板保護フィルムのリターデーションの合計を考慮すると膜厚の合計が、50〜120μm、好ましくは50〜100μmである。
<その他の添加剤>
本発明のセルロースエステルフィルムには、前記負の配向複屈折性を有する化合物以外に、通常のセルロースエステルフィルムに添加することのできる添加剤を含有させることができる。
これらの添加剤としては、可塑剤、紫外線吸収剤、微粒子等を挙げることができる。
本発明に使用することができる可塑剤としては特に限定されないが、好ましくは、多価カルボン酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤及び多価アルコールエステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、アクリル系可塑剤等から選択される。そのうち、可塑剤を2種以上用いる場合は、少なくとも1種は多価アルコールエステル系可塑剤であることが好ましい。
多価アルコールエステル系可塑剤は2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなる可塑剤であり、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールエステルである。
本発明に使用することができる紫外線吸収剤は、400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。高分子型の紫外線吸収剤としてもよい。
本発明に使用される微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子は珪素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50nmが好ましく、更に好ましいのは7〜20nmである。これらは主に粒径0.05〜0.3μmの2次凝集体として含有されることが好ましい。セルロースエステルフィルム中のこれらの微粒子の含有量は0.05〜1質量%であることが好ましく、特に0.1〜0.5質量%が好ましい。共流延法による多層構成のセルロースエステルフィルムの場合は、表面にこの添加量の微粒子を含有することが好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもでアエロジル200V、アエロジルR972Vがセルロースエステルフィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく用いられる。
(Rt、Ro)
本発明において、Rt、Roは、23℃55%RH下で波長590nmでの式(i)および式(ii)で表される。
式(i)Ro=(nx−ny)×d
式(ii)Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
(ここで、フィルム面内遅相軸方向の屈折率をnx、遅相軸に直交する方向の屈折率をny、フィルム厚さ方向の屈折率をnz、dはフィルムの膜厚(nm)をそれぞれ表す。)
尚、フィルムの複屈折、リターデーション値は自動複屈折率測定装置(王子計測機器(株)製の商品名KOBRA−21ADH)を用いて測定出来るが、これに限定されるものではない。
本発明の、Rt、Roは、前記負の配向複屈折性を有する化合物の種類、量を適宜選択することによって、随意調整することができる。
(偏光板保護フィルム製造方法)
次に、本発明の電極側および非電極側の偏光板保護フィルムを形成するセルロースエステルフィルムの製造方法について説明する。
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、溶液流延法もしくは溶融流延で製造されたセルロースエステルフィルムが好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造は、セルロースエステル及び負の配向複屈折性有する化合物並びに添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープを無限に移行する無端の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸または幅保持する工程、更に乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻取る工程により行われる。
ドープを調製する工程について述べる。ドープ中のセルロースエステルの濃度は、濃い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減出来て好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、更に好ましくは、15〜25質量%である。
ドープで用いられる溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよいが、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤が多い方がセルロースエステルの溶解性の点で好ましい。
良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が2〜30質量%である。良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。
そのため、セルロースエステルの平均酢化度(アセチル基置換度)によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセトンを溶剤として用いる時には、セルロースエステルの酢酸エステル(アセチル基置換度2.4)、セルロースアセテートプロピオネートでは良溶剤になり、セルロースの酢酸エステル(アセチル基置換度2.8)では貧溶剤となる。
本発明に用いられる良溶剤は特に限定されないが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、アセトン、酢酸メチル、アセト酢酸メチル等が挙げられる。特に好ましくはメチレンクロライドまたは酢酸メチルが挙げられる。
また、本発明に用いられる貧溶剤は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。また、ドープ中には水が0.01〜2質量%含有していることが好ましい。また、セルロースエステルの溶解に用いられる溶媒は、フィルム製膜工程で乾燥によりフィルムから除去された溶媒を回収し、これを再利用して用いられる。
上記記載のドープを調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせると常圧における沸点以上に加熱出来る。溶剤の常圧での沸点以上でかつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため好ましい。また、セルロースエステルを貧溶剤と混合して湿潤或いは膨潤させた後、更に良溶剤を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
加圧は窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱によって溶剤の蒸気圧を上昇させる方法によって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、高い方がセルロースエステルの溶解性の観点から好ましいが、加熱温度が高過ぎると必要とされる圧力が大きくなり生産性が悪くなる。好ましい加熱温度は45〜120℃であり、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃が更に好ましい。また、圧力は設定温度で溶剤が沸騰しないように調整される。
若しくは冷却溶解法も好ましく用いられ、これによって酢酸メチルなどの溶媒にセルロースエステルを溶解させることができる。
次に、このセルロースエステル溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、不溶物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さ過ぎると濾過材の目詰まりが発生し易いという問題がある。このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材が更に好ましい。
濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレススティール等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。濾過により、原料のセルロースエステルに含まれていた不純物、特に輝点異物を除去、低減することが好ましい。
輝点異物とは、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして配置し、その間にロール状セルロースエステルを置き、一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察した時に反対側からの光が漏れて見える点(異物)のことであり、径が0.01mm以上である輝点数が200個/cm2以下であることが好ましい。より好ましくは100個/cm2以下であり、更に好ましくは50個/m以下であり、更に好ましくは0〜10個/cm2以下である。また、0.01mm以下の輝点も少ない方が好ましい。
ドープの濾過は通常の方法で行うことができるが、溶剤の常圧での沸点以上で、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい。好ましい温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃であることが更に好ましい。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることが更に好ましい。
ここで、ドープの流延について説明する。
流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルト若しくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。キャストの幅は1〜4mとすることができる。流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤の沸点未満の温度で、温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高過ぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化する場合がある。好ましい支持体温度は0〜40℃であり、5〜30℃が更に好ましい。
或いは、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶媒を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。
金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。温風を用いる場合は目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
ロール状セルロースエステルが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%が好ましく、更に好ましくは20〜40質量%または60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%または70〜120質量%である。
本発明においては、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
尚、Mはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、ロール状セルロースエステルの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、更に乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールをウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
本発明のセルロースエステルフィルムを作製するためには、金属支持体より剥離した直後のウェブの残留溶剤量の多いところで搬送方向(=長尺方向)に延伸し、更にウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で幅方向に延伸を行うことが特に好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムを製造後、鹸化処理することにより、本発明の偏光板保護フィルムを作成することができる。
(IPS型液晶セルとの関係)
IPS型液晶表示装置における液晶パネルの液晶層は、初期状態で基板面と平行なホモジニアス配向で、かつ基板と平行な平面で液晶層のダイレクターは電圧無印加時で電極配線方向と平行または幾分角度を有し、電圧印加時で液晶層のダイレクターの向きが電圧の印加に伴い電極配線方向と垂直な方向に移行し、液晶層のダイレクター方向が電圧無印加時のダイレクター方向に比べて45°電極配線方向に傾斜したとき、当該電圧印加時の液晶層は、まるで1/2波長板のように偏光の方位角を90°回転させ、出射側偏向板の透過軸と偏光の方位角が一致して白表示となる。
一般に、液晶層の厚みは一定であるが、横電界駆動であるため、液晶層の厚みに若干凹凸を設ける方がスイッチングに対する応答速度を上げることができるとも考えられるが、本発明においては、液晶層の厚みが一定でない場合であっても、その効果を最大限生かすことができるものである。
本発明においては、液晶層の厚みの変化に対し影響が少ない。本発明における効果を大きく発揮できる液晶層の厚みは、2〜6μmであって、好ましくは3〜5.5μmである。
本発明の液晶表示装置は、大型の液晶テレビに用いられる。画面サイズとしては、17型以上に用いることができ、好ましくは26型以上100型程度まで用いることができる。
なお、IPS型液晶表示装置としては、いわゆるIPSモード以外に、FFS(フリンジフィールドスイッチング)モード、FLC(強誘電性液晶)モードも含まれる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<処方1:電極側偏光板保護フィルムの試料1、8、9および10の製造>
(ドープ組成物A処方)
・トリアセチルセルロース(酢化度61.0%) 85質量部
・2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベゾトリアゾール
1.5質量部
・メチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体
(80/20(質量比)) Mw;8000 8質量部
・メチルアクリレート重合体(*) Mw;1000 5質量部
・メチレンクロライド 475質量部
・エタノール 50質量部
(*)特開2000−128911号公報の実施例3記載の重合方法でメチルアクリレートモノマーを重合し、Mw1000、Mn700のポリマーを得た。この反応物の水酸基価(OHV:mg/g KOH)は、50であった。
(マット剤溶液組成)
・平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 11.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 76.1質量部
・エタノール(第2溶媒) 3.5質量部
・アセチルプロピオニルセルロース(アセチル置換度2.06、プロピオニル置換度0.79) 1.9質量部
(マット剤溶液の調製)
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
上記処方のドープ組成物Aを密封容器に投入し、70℃まで加熱し、撹拌しながら、セルローストリアセテート(TAC)を完全に溶解しドープを得た。溶解に要した時間は4時間であった。ドープ組成物Aを濾過した後、マット剤溶液6.5質量部を混合し、その混合液をベルト流延装置を用い、ドープ温度35℃で22℃のステンレスバンド支持体上に均一に流延した。ステンレスバンド支持体の温度は20℃であった。
その後、剥離可能な範囲まで乾燥させた後、ステンレスバンド支持体上からドープを剥離した。このときのドープの残留溶媒量は25質量%であった。ドープ流延から剥離までに要した時間は3分であった。ステンレスバンド支持体から10kg/mの張力で剥離させ、140℃下にてテンターで幅方向に2%延伸させた後、多数のロールで搬送させながら120℃、135℃の乾燥ゾーンで乾燥を終了させ、フィルム両端に幅10mm、高さ5μmのナーリング加工を施して、膜厚40μmのセルローストリアセテートフィルム試料1を製造した。
フィルム幅は1500mm、巻き取り長は300mとした。ヘイズ((株)村上色彩技術研究所製ヘイズメーターHM150により測定)は3%で、単体透過率((株)日立製作所製積分球付き分光光度計U−4100により測定)は97%であった。巻き取り張力は、初期張力10kg/m、最終巻張力8kg/mとした。
また同様にして、膜厚60μm、80μmの試料8、9を製造した。試料10は、試料1において、メチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体およびメチルアクリレート重合体の量を試料1の30質量%とし、その代わりにトリアセチルセルロースを添加した。
<処方2:電極側偏光板保護フィルム試料2〜6の製造>
(添加剤溶液組成)
・p−トルエンスルホンアニリド 44.3質量部
・2−ヒドロキシ−4−オクタノキシベンゾフェノン 7.9質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 58.8質量部
・メタノール(第2溶媒) 8.4質量部
・トリアセチルセルロース(酢化度61.0%) 2.2質量部
上記ドープ組成物Aを95.6質量部、マット剤溶液を1.8質量部、添加剤溶液6.7質量部をそれぞれ濾過後に混合し、試料1と同様にして試料2を製造した。
また、試料2と同様にして、膜厚50μm、30μm、20μm、60μmの試料3〜6を製造した。
<処方3:電極側偏光板保護フィルム試料7の製造>
上記ドープ組成物Aのメチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体およびメチルアクリレート重合体の代わりに、オクタアセチルスクロースを13質量部用いて、試料1と同様にして試料7を製造した。
その他の非電極側偏光板保護フィルムとして、市販のコニカミノルタオプト(株)製コニカミノルタタックKC4UX、KC8UX、KC4UY、富士写真フイルム(株)製フジタックUZ−TAC40μm、80μmを使用した。
リターデーションは、それぞれ製品間のロットばらつきがあり、実施に使用したロット毎の測定値を使用した。測定値は表1に示す。
<鹸化条件>
以上の試料1〜10を、1.5規定の水酸化ナトリウムの水溶液を55℃に調整したアルカリ溶液槽に2分間浸漬処理した。アルカリ溶液の対流速度は50m/分とし、アルカリ溶液槽の出口近傍を仕切り板を設けその部分は58℃に調整した。
ついでアルカリ浸漬処理したフィルムを水洗し、その後0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、さらに水洗した。そして、エアーナイフによる水切りを3回繰り返し、70℃の乾燥室にて30秒間乾燥させ、鹸化処理をした偏光板保護フィルムを作成した。
(偏光子の作成)
厚み80μm、幅3100mmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製,平均重合度2400,鹸化度99.9モル%,長さ800m)を、30℃の純水中に60秒間浸漬して膨潤させるとともに、長さ方向(流れ方向)に延伸倍率2.5倍まで一軸延伸した。次いで、30℃のヨウ素/ヨウ化カリウム(質量比=1/10)の濃度0.05%の水溶液に60秒間浸漬するとともに総延伸倍率が2.8倍となるように延伸した後、40℃のホウ酸濃度3質量%、ヨウ化カリウム濃度2質量%の水溶液中で総延伸倍率が3倍となるまで延伸した。
さらに60℃のホウ酸濃度4質量%、ヨウ化カリウム濃度3質量%の水溶液中で総延伸倍率が6倍となるまで延伸した。その後、25℃のヨウ化カリウム濃度5質量%の水溶液中に30秒間無延伸で浸漬した。次いで、張力を保持したままた40℃で1分間乾燥を行い、厚さ20μm、幅1550mmの偏光子を得た。偏光子は連続的に製造した。
(偏光板の作成)
上記偏光子および試料フィルムを長尺方向に走行させながら、ポリビニルアルコール系接着剤にて、偏光子のセル側面に貼合し、セル側とは反対面にはコニカミノルタタックKC4UYをロールトゥロールで連続して貼り合わせて偏光板を作成した。なお、一部大きさが不足していたものは、シート状にして偏光板を作成した。
<膜厚・厚みの測定方法>:
厚みが10μm未満の場合、薄膜用分光光度計大塚電子(株)製「瞬間マルチ測光システム MCPD−2000」を用いて測定した。厚みが10μm以上の場合、アンリツ製デジタルマイクロメーター「KC−351C型」を使用して測定した。
<膜付きの評価>
作成した偏光板を1m×1mのサンプルに切り出し、60℃95%RH1500時間経過後の、偏光板保護フィルムと偏光子の剥離の有無を目視で観察した。
◎ :全く剥離の兆候がない。
○ :サンプルの4辺のうち、1カ所に剥離の兆候が見られる。
△ :サンプルの4辺のうち、2カ所に剥離の兆候が見られる。
× :サンプルの4辺のうち、3カ所以上に剥離の兆候が見られる。
××:剥離箇所がある。
<液晶表示装置のコントラスト比の測定方法>:
以下の方法、液晶セル、測定装置を用いて23℃の暗室で測定した。
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置[松下電器産業(株)製パナソニック液晶テレビVIERA TH−26LX60]から液晶パネルを取り出し、液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、該液晶セルのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、本発明の偏光板を、偏光子の遅相軸が液晶セルの長辺と平行(0±0.2度)となるように液晶セルの電極側にアクリル粘着剤(厚み20μm)を用いて貼着した。
非電極側セルには、コニカミノルタタックKC4UYを偏光子の両面に貼合した偏光板を貼着した。
なお、実験23では、液晶セルの両側に本発明の実験1で使用した偏光板を貼着した。た。
この液晶表示装置に、白画像および黒画像を表示させ、ELDIM社製 製品名「EZ Contrast160D」により、表示画面の方位角45°方向、極角60°方向におけるXYZ表示系のY値を測定した。そして、白画像におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)とから、斜め方向のコントラスト比「YW/YB」を算出した。なお、方位角45°とは、パネルの長辺を0°としたときに反時計周りに45°回転させた方位を表し、極角60°とは表示画面の正面方向を0°としたときに、角度60°に傾斜した方向を表す。
・液晶セル:松下電器産業(株)製パナソニック液晶テレビVIERA TH−26LX60に搭載されているもの
<液晶表示装置のカラーシフト量の測定方法>:
液晶表示装置に、黒画像を表示させ、ELDIM社製 製品名「EZ Contrast160D」を用いて、極角60°方向における全方位(360°)の色相、x値およびy値を測定した。
また、極角60°方位角45°におけるEZ Contrastで計算されたx値、y値において、全方位のx、y値の最大値と最小値の差Δxyを式:{(x(最大)−x(最少))2+(y(最大)−y(最少))21/2から算出した。
なお、方位角45°とは、パネルの長辺を0°としたときに反時計回りに45°回転させた方位を表す。また、極角60°とは、パネルに対し鉛直方向を0°としたときに60°斜めから見た方位を表す。
<ざらつき感の評価>
液晶表示装置に、白、黒、赤、緑、青、カラーバーの画像を表示させ、画素に対するざらつき感が存在するかどうかを目視官能評価した。
◎:ざらつき感が全くわからない。
○:ざらつき感が気にならない。
△:ざらつき感があると感じる。
×:明らかにざらつきがわかる。
Figure 2008112127
表1に示すとおり、比較例では達成されなかったざらつき感の改善が、本発明によれば改善することができた。
なお、ざらつき感の評価には、よりざらつき感の評価が容易な日立製作所製液晶テレビW32L−H9000を用いて評価した。
本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略図。
符号の説明
1 偏光板保護フィルム
2 偏光子
3 非電極側偏光板保護フィルム
4 非電極側セルガラス基板
5 IPS型液晶層
6 電極側セルガラス基板(基板上に電極が形成されている)
7 電極側偏光板保護フィルム
8 偏光子
9 偏光板保護フィルム
10 非電極側偏光板
11 IPS型液晶セル
12 電極側偏光板
13 プリズムシート
14 導光板
15 バックライト

Claims (4)

  1. IPS型液晶セルの電極を有する側の基板と偏光子との間に配されるセルロースエステルからなる偏光板保護フィルムであって、Roが0≦Ro≦5nm、Rtが−5≦Rt≦5nm、膜厚が20〜50μmでありかつ偏光子と貼合する面の水の接触角が30〜45度であることを特徴とする偏光板保護フィルム。
    式(i)Ro=(nx−ny)×d
    式(ii)Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
    (ここで、フィルム面内遅相軸方向の屈折率をnx、遅相軸に直交する方向の屈折率をny、フィルム厚さ方向の屈折率をnz、dはフィルムの膜厚(nm)をそれぞれ表す。)
  2. 前記セルロースエステルからなる偏光板保護フィルムが、負の配向複屈折性を有する化合物を含有するセルロースエステルフィルムであることを特徴とする請求項1記載の偏光板保護フィルム。
  3. 請求項1または2記載の偏光板保護フィルムを偏光子の少なくとも片面に有することを特徴とする偏光板。
  4. 請求項3記載の偏光板をIPS型液晶セルの少なくとも片面に有することを特徴とするIPS型液晶表示装置。
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