JP2008111566A - 換気装置 - Google Patents

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Shoichi Takeda
唱一 竹田
Yukito Ohigata
大日方幸人
Takeshi Arai
剛 荒井
Sukenori Nakamura
祐紀 中村
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Abstract

【課題】建物の壁面に取り付けて建物内外の換気を行う換気装置において、良好な換気性を確保しつつ、長い換気通路を必要とせずに外からの騒音の進入を防ぐ換気装置を提供する。
【解決手段】本体ケーシングに設けた室外通風口のケーシング内側部分に、楕円形の断面形状を備える反射板を設け、楕円の2つの焦点の位置と室外通風口の開口縁の位置とを一致させる。騒音源から到来して外気と共に室外通風口から換気装置本体内に進入する騒音音波は、いったん本体ケーシング内に入り込むものの、反射板の2つの焦点の間を通過することによって再び焦点の間を通過して本体ケーシングの外側へと反射し、室内への騒音進入を防ぎながら換気を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、建物の壁面に取り付けて建物内外の換気を行う換気装置に関するもので、特に、換気口を通じての建物外側から内側への騒音進入を防ぐようにした換気装置に関する。
従来、建物の換気を行いつつ外から不要な音が浸入するのを防ぐようにした先行技術として、特許文献1や特許文献2がある。特許文献1はドア枠に換気口を設けたものであり、換気口内に蛇行した換気通路を形成するように複数の遮蔽板を設けることで、換気口を通して室内の音が隣の部屋に漏れるのを防いでいる。また、特許文献2は壁に換気口を設けたものであり、一方の部屋に形成された換気口の孔の位置と、他方の部屋に形成された換気口の孔の位置を上下にずらして重ならないように配置することで隣の部屋への音漏れを防いでいる。
特開昭62−29691号 特開昭57−122234号
上記先行技術では、蛇行させた換気通路の内壁に吸音材を貼付し、騒音音波が換気通路の中を伝わる過程で吸音材に吸音させることによって騒音のエネルギーを低減させている。したがって、高い消音効果を得るためには長い換気通路が必要になり、消音機構部の寸法が大型化するという問題がある。換気通路の長さを確保するためにドアや壁の厚み方向に蛇行させればドア・壁からの飛び出し寸法が大きくなり、ドア・壁の高さ方向に蛇行させれば、ドア・壁の表面積に対して消音機構部が占める割合が増大してしまうのである。また、換気通路の長さを長くするほど或いは蛇行させるほど換気に伴う抵抗が増大し、換気の効率が低下するという問題も生じる。
本発明は上記先行技術が抱える問題点に対処してなされたものであり、建物の壁面に取り付けて建物内外の換気を行う換気装置において、良好な換気性を確保しつつ、長い換気通路を必要とせずに外からの騒音の進入を防ぐ換気装置を提供できないかという点を課題としている。
本発明は、上記課題を解決するために、室外と室内とを連通する通気路を備え、通気路を通じて換気を行うと共に室外から室内への騒音の進入を防ぐようにした換気装置において、内側に所定容積の空間を備える本体ケーシングと、該本体ケーシングの室外に臨む位置に形成する室外通風口と、本体ケーシングの室内に臨む位置に形成する室内通風口と、本体ケーシング内側空間の前記室外通風口付近に取り付ける断面形状略楕円の反射板と、前記室外通風口から前記反射板を経て前記室内通風口に至る通気路とを備え、前記室外通風口の開口縁の位置を前記反射板がなす楕円形状の第1の焦点および第2の焦点の位置に合わせ、室外の騒音源から到来する騒音音波を前記第1の焦点と第2の焦点との間から前記本体ケーシング内に導入することを特徴とする換気装置を提案する。
なお、上記提案の換気装置は、前記室外通風口の開口縁の位置を前記反射板の第1の焦点と第2の焦点との間に合わせるのが望ましい。
本発明では、騒音源から到来して室外通風口から本体ケーシング内部に入り込む騒音音波を、楕円型の断面形状を備える反射板で騒音源側に反射させる。反射板は、楕円を長軸方向に切断した半楕円形に形成しており、その凹面を室外通風口に向けて取り付けている。そして、半楕円の凹面側に現れる2つの焦点の位置と、室外通風口の開口の縁部分とが一致する位置関係にしている。それにより、室外通風口から本体ケーシング内に進入する騒音音波は楕円の2つの焦点の間を通って反射板の凹面に当たることになり、そこで反射した騒音音波は、再び楕円の2つの焦点の間を通って室外通風口から本体ケーシングの外側へと戻るのである。室外通風口から入り込む騒音音波は全て楕円の2つの焦点の間を通過するため、反射波は必ず2つの焦点の間を通ることになり、その結果、騒音音波はいったん本体ケーシング内に入り込むものの、本体ケーシング内部側へ反射させること無く全て本体ケーシングの外へ向けて反射させるのである。したがって、室内通風口から室内への騒音進入を防ぎ、騒音を含まない外気のみを室内へ取り入れて換気を行うことができる。
なお、室外通風口の開口縁の位置は、必ずしも反射板が持つ2つの焦点位置と完全に一致させる必要はなく、2つの焦点によって挟まれる間の位置にあれば上記同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明第1実施例に関わる換気装置を実際に設置した状態を示す説明図である。図に示すように、本発明の換気装置1は、壁2に備え付けられた開閉構造を持たない固定窓(いわゆるはめごろし窓)3の近傍に設けられ、シックハウス対策や結露対策などを目的として外気を室内に取り込んで自然換気を行う為に使用される。図は室内側から見た状態を示しており、固定窓の下縁に沿って横長形状の室内通風口が現れている。
次に図2を元にして換気装置1の内部構造について詳細に説明する。図2は、図1に示す換気装置の短手方向断面を右側より見た説明図である。5はアルミ等の押し出し材からなる中空構造の本体ケーシングであり、内側に所定容積の空間6を形成しながら、図1に示す長手方向に連続して換気装置の本体部分を形成する。7は室外通風口であり、図1に示す壁2の室外側に開口し、外気を室内へ導入する外気取り入れ口として機能する。この室外通風口7より本体ケーシング5の内部に入り込んだ外気は、図1に示す室内側へ開口する室内通風口8を通じて室内へと導入されるのである。9は反射板であり、その断面形状は楕円を長軸方向に切断した半楕円形状に形成され、楕円の凹面を室外通風口7に向けて固定している。このとき、楕円を長軸方向に切断していることから、楕円の凹面側には2つの焦点f1及びf2(図中の星印)が現れることになる。そして、室外通風口7の開口部分の縁に相当する開口縁(本第1実施例では本体ケーシングの端部)7−1が、焦点f1、f2の位置と一致する位置関係にしている。
したがって、図2に示す図中の室外通風口7の縦方向寸法は、反射板9の焦点f1とf2の間の距離と丁度一致している。このように本体ケーシング5の内側から室外通風口7を覆うように反射板9が固定されており、室外通風口7から入った外気が反射板9に当たって本体ケーシング5の内側空間を流れ、室内通風口8から室内へと流れる通気路10が構成される。
次に、本発明第1実施例の動作について図3を基に説明する。図3は本発明の原理を示したものであり、矢印線は外部の騒音源から到来する騒音音波を表している。図に示すように、室外通風口7には様々な方向から騒音音波が進入するが、室外通風口7の開口縁7−1と反射板9の焦点はその位置を同じくしている為、何れの方向から入り込む騒音音波も反射板9が持つ2つの焦点の間を通過する。楕円を長軸方向に切断した半楕円の2つの焦点の間を通過する入射波は、楕円の凹面で反射して再び2つの焦点の間を通過する為、室外通風口7から入り込んだ騒音音波は反射板9で反射を起こし、再び室外通風口7を通過して換気装置1の外部へと出て行くのである。すなわち、外気と共に室外通風口7から入った騒音音波は、装置内部で反射して騒音音波だけが室外通風口7から出て行くのである。なおその際に、反射波の一部が開口縁7−1の先端エッジに当たって回折現象を起こし、本体ケーシング5内の通気路10へ騒音がわずかに進入していくが、室内通風口8から室内へ漏れる騒音は室外の騒音に対して極わずかであり、騒音進入防止効果を十分に得ることができる。
次に本発明の第2実施例について図4を基に説明する。なお、実施例1と同じ機能を有する構成については同一符号を付している。この第2実施例では、開口縁7−1を反射板9の焦点f1、f2の間に位置させており、第1実施例に対して室外側に現れる室外通風口7の開口寸法を小さくしている。外観上の制約により室外通風口を目立たないようにしたい場合などに適しており、外部から進入する騒音音波は焦点f1、f2の間を通過するため、反射板9で装置の外部へ向けて反射させることができる。その場合、室外通風口に斜め方向から入り込む騒音音波の一部は、反射板9で反射した後に開口縁7−1の本体ケーシング内側に当たる場合もあるが、図示の通り開口縁7−1から焦点f1、f2に向かって折り曲げ部7−2を形成しているため、ケーシング内側に向かって反射した音波はその折り曲げ部7−2に当たって再度反射板9にはね返され、その後室外通風口7から装置外部へと反射される。そして、本体ケーシング5の内面にはグラスウールやロックウール等の多孔質材または繊維質材からなる吸音材11が貼付されており、本体ケーシング内側への反射を防ぎきれなかった騒音音波や、折り曲げ部7−2の先端エッジで回折現象を起こして通気路10に漏れていく騒音音波のエネルギーを吸音材11で低減させ、室内通風口8から室内への騒音の進入を防止する。
本発明実施例に関わる換気装置の設置状態を示す説明図である。 本発明第1実施例の断面を示す説明図である。 本発明第1実施例の動作を示す説明図である。 本発明第2実施例の断面を示す説明図である。
符号の説明
1 換気装置本体
5 本体ケーシング
6 本体ケーシング内側空間
7 室外通風口
7−1 開口縁
7−2 折り曲げ部
8 室内通風口
9 反射板
10 通気路
11 吸音材

Claims (2)

  1. 室外と室内とを連通する通気路を備え、通気路を通じて換気を行うと共に室外から室内への騒音の進入を防ぐようにした換気装置において、
    内側に所定容積の空間を備える本体ケーシングと、
    該本体ケーシングの室外に臨む位置に形成する室外通風口と、
    本体ケーシングの室内に臨む位置に形成する室内通風口と、
    本体ケーシング内側空間の前記室外通風口付近に取り付ける断面形状略楕円の反射板と、
    前記室外通風口から前記反射板を経て前記室内通風口に至る通気路とを備え、
    前記室外通風口の開口縁の位置を前記反射板がなす楕円形状の第1の焦点および第2の焦点の位置に合わせ、室外の騒音源から到来する騒音音波を前記第1の焦点と第2の焦点との間から前記本体ケーシング内に導入することを特徴とする換気装置。
  2. 前記室外通風口の開口縁の位置を前記反射板の第1の焦点と第2の焦点との間に合わせることを特徴とする請求項1記載の換気装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013127443A (ja) * 2011-11-17 2013-06-27 Aichi Tokei Denki Co Ltd 消音器及び消音器付超音波流量計
JP2018131895A (ja) * 2017-02-13 2018-08-23 清水建設株式会社 ダブルスキン構造
JP2018155450A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 Ykk Ap株式会社 換気装置

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