JP2008111412A - 内燃機関のカムシャフト位置決め装置、およびこの装置を用いたバルブタイミングの調整方法 - Google Patents

内燃機関のカムシャフト位置決め装置、およびこの装置を用いたバルブタイミングの調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数種のエンジンが混在する製造ラインにおいても、カムシャフトの回転位相合わせを容易かつ高精度に行う。
【解決手段】カムシャフト位置決め装置11は、基部12と、基部12に対して相対移動可能に設けられる可動部13と、可動部13に設けられ、双方のカムシャフト2、3をそれぞれ連れ回り可能に保持する2つのシャフト保持部15、16とを備え、2つのシャフト保持部15、16でカムシャフト2、3をそれぞれ挟持した状態では、シャフト保持部15、16が共に可動部13と連動し、各々のカムシャフト2、3まわりに回転するよう構成されたカムシャフト位置決め装置11を用いて、エンジンのバルブ開閉タイミングを調整する。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の動弁機構に係るカムシャフトの位置決め装置、およびこの装置を用いたバルブタイミングの調整方法に関する。
自動車用エンジン等の内燃機関においては、吸気通路と燃焼室との間を連通、遮断すべく開閉動作する吸気バルブと、排気通路と燃焼室との間を連通、遮断すべく開閉動作する排気バルブとが設けられる。これら吸気バルブおよび排気バルブは、バルブスプリングによって常に閉弁方向に附勢されるとともに、内燃機関の動弁機構によってバルブスプリングの付勢力に抗して開弁するよう構成される。
内燃機関の動弁機構としては、種々のものが提案、実施されているが、その中でもカムシャフトをシリンダヘッドの上部に配置し、吸気バルブおよび排気バルブを個別のカムシャフトで駆動するダブルオーバーヘッドカムシャフト(DOHC)方式が主に採用される傾向にある。
かかる構成において、双方のカムシャフトは、一端に設けたプーリやスプロケットにベルトやチェーン等を張設することで内燃機関の出力軸であるクランクシャフトに連結される。そして、クランクシャフトの回転に伴い、吸気カムシャフト及び排気カムシャフトを回転させることで、各々のカムシャフトに設けたカムにより、所定のタイミングで吸気バルブと排気バルブとの開閉動作が行われるようになっている。
ところで、吸気カムシャフト及び排気カムシャフトのベルトやチェーン等によるクランクシャフトへの連結については、カムシャフトとクランクシャフトとの間の相対回転位相を適切に調整した上で行う必要がある。これは、その連結時に定まるクランクシャフトに対する吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトの相対回転位相が、吸気バルブおよび排気バルブの開閉タイミングを大きく左右するためである。
例えば、特開2004−132339号公報(特許文献1)には、吸気カムシャフト及び排気カムシャフトにそれぞれ孔を形成すると共に、シリンダヘッドの、各シャフトに設けた孔に対応する位置に位置決め穴を予め設けておき、ピンを各シャフトの孔、およびシリンダヘッドの位置決め穴に挿入することによって、吸気カムシャフト及び排気カムシャフトを所定の回転位相に固定する方法が開示されている。
また、同文献には、双方のカムシャフトの固定をより確実に行うための手段として、吸気および排気カムシャフトを挟持するための二つの挟持凹部を設けた治具を用いるものであって、シリンダヘッドに互いに平行に配置された吸気カムシャフト及び排気カムシャフトの径方向に隣り合う位置に、上記治具に設けられた二つの挟持凹部のうちの一方ずつが嵌め込まれる非円弧状の周方向外形を有する固定部を設け、これら固定部に上記治具の挟持凹部をそれぞれ嵌め込むことで、双方のカムシャフトの位置決め固定を行う手段が提案されている。
特開2004−132339号公報
ところで、通常、カムシャフトの位置決め工程は、エンジンの製造ライン上の一工程として行われるが、当該製造ラインには、NA(自然吸気)用と、TC(ターボ)用とが混在して供給される場合も少なくない。そのため、同一のラインであっても、車種によって、そのバルブ開閉タイミングを調整する必要が生じる。
具体的には、製造ライン上において、双方のカムシャフトは、一のエンジン用(例えばNA用)のバルブ開閉タイミングとなるよう、予めクランクシャフトとの相対回転位相を合わせた状態でシリンダヘッド上に載置される。そのため、車種に応じてバルブタイミングを調整するには、例えば双方のカムシャフト間で一の相対回転位相から他の相対回転位相へと変更する必要が生じる。
ここで、特許文献1に記載の位置決め手段は、何れも一種類のカムシャフトの位相合わせを対象としたものであり、車種に応じて双方のカムシャフト間で相対回転位相を調整することを前提としたものではない。作業者が直接カムシャフトを回転させることで、かかるカムシャフトの回転位相を変更することもできるが、これだと、吸気カムシャフトと排気カムシャフトとを1本ずつ手作業で回転させることになるため、作業に手間がかかり、生産効率の低下を招く。また、手作業の場合には、カムシャフトの回転量が作業者の感覚で決まるため、回転量のばらつきが大きくなり易く、位相合わせを精度良く行うことは難しい。
以上の事情に鑑み、本発明では、複数種のエンジンが混在する製造ラインにおいても、カムシャフトの回転位相合わせを容易かつ高精度に行い得る内燃機関のカムシャフトの位置決め装置、およびこの装置を用いたバルブタイミングの調整方法を提供することを技術的課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに保持される吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトの回転位相合わせを行うための内燃機関のカムシャフト位置決め装置であって、基部と、基部に相対移動可能に設けられる可動部と、可動部と連動して双方のカムシャフトと共に回転するよう、双方のカムシャフトをそれぞれ保持する2つのシャフト保持部と、基部に対する可動部又は2つのシャフト保持部の相対移動を拘束することで双方のカムシャフトの回転を規制する回転規制手段とを備えた内燃機関のカムシャフト位置決め装置を提供する。なお、ここでいうカムシャフトの回転位相は、双方のカムシャフト、およびこれらと連結されるクランクシャフトとの間での相対回転位相を意味する。
また、前記課題を解決するため、本発明は、上記カムシャフト位置決め装置を用いた、バルブ開閉タイミングの異なる複数種のエンジン用の製造ラインにおけるバルブタイミングの調整方法であって、一のエンジン用のバルブタイミングに対応する回転位相に設定された双方のカムシャフトを、2つのシャフト保持部でそれぞれ保持し、可動部を操作して、2つのシャフト保持部を双方のカムシャフトまわりにそれぞれ回転させることで、双方のカムシャフトを、他のエンジン用のバルブタイミングに対応する回転位相に切り替えるバルブタイミングの調整方法を提供する。
このように、本発明に係るカムシャフト位置決め装置は、可動部と連動して各々のカムシャフトと共に回転するよう、各々のカムシャフトを保持するシャフト保持部を設けた点を主たる技術的特徴とするものである。すなわち、上述の構成によれば、可動部と連動して各々のシャフト保持部が回転するため、これらに保持されるカムシャフトを、可動部の相対移動に伴い回転させることができる。また、この際、各シャフト保持部は、1つの可動部と連動し、かつ各々で保持するカムシャフトと共に回転するよう構成されている。そのため、例えば吸気期間の増加を狙って、双方のカムシャフト間で相対回転位相を変更する場合であっても、各々で必要とする向き(例えば互いに相反する向き)に双方のカムシャフトを回転させることができる。これにより、要求される相対回転位相に応じて、双方のカムシャフトの位相合わせを一度に行うことができ、作業効率の改善を図ることができる。
また、上述のように、可動部と連動してシャフト保持部を回転させる構成をとることで、シャフト保持部と共に回転するカムシャフトの回転量は、可動部の移動量に応じて自動的に定まる。従って、作業者の手観で行う場合と比べて位相合わせの精度を向上させることができる。
より具体的には、上記構成のカムシャフト位置決め装置を以下のように用いることで、複数種のエンジン用の製造ラインにおけるバルブタイミングの調整を容易かつ高精度に行うことができる。すなわち、通常、製造ライン上において、双方のカムシャフトは、一のエンジン用(例えばNA用)のバルブ開閉タイミングとなるよう、予めクランクシャフトとの相対回転位相を合わせた状態でシリンダヘッド上に載置される。従って、この場合には、そのまま双方のカムシャフトにスプロケットを取り付け、そしてチェーンを張設することで、クランクシャフトとの連結が完了すると共に、一のエンジンに対応するバルブタイミングの調整が完了する。
次に、一のエンジンとはバルブタイミングの異なる他のエンジン用のバルブタイミングとなるよう、双方のカムシャフトを対応する回転位相に変更する。まず、一のエンジン用のバルブタイミングに対応する回転位相に設定された双方のカムシャフトを、2つのシャフト保持部でそれぞれ保持する。次に、可動部を移動させて、これと連動する2つのシャフト保持部を双方のカムシャフトまわりにそれぞれ回転させることで、双方のカムシャフトを、他のエンジン用のバルブタイミングに対応する回転位相に切り替える。従って、この方法によれば、一のエンジン用のバルブタイミングを他のエンジン用のバルブタイミングへと容易に変更することができる。
なお、クランクシャフトとの連結作業時、例えばバルブスプリングの附勢力で、一旦は位相合わせを行ったカムシャフト間で相対回転位相がずれる恐れがある。この点に鑑み、例えば、双方のカムシャフトを適正な回転位相に設定した状態、あるいは適正な回転位相まで回転させた状態で、双方のカムシャフトの回転を回転規制手段により規制しておくことで、当該連結時に双方のカムシャフト間で相対回転位相がずれるのを防ぐことができる。これにより、さらに高精度なカムシャフトの位相合わせ、ひいてはバルブタイミングの調整を行うことが可能となる。
回転規制手段は、上述の如く、基部に対する可動部又は2つのシャフト保持部の相対移動を拘束することでカムシャフトの回転を規制するものであればよい。例えば、可動部と基部とにそれぞれ係止用の孔を設け、これら孔にピンなどを挿通させることで可動部を基部に対して係止する構成や、可動部とシャフト保持部との間の連動機構を拘束する構成を採ることによって、双方のカムシャフトの回転を規制するようにしてもよい。
このように、本発明に係るカムシャフト位置決め装置であれば、複数種のエンジンが混在する製造ラインにおいても、カムシャフトの回転位相合わせを容易かつ高精度に行うことができる。また、このカムシャフト位置決め装置を用いたバルブタイミングの調整方法であれば、一のエンジン用のバルブタイミングを他のエンジン用のバルブタイミングへと容易に変更することができる。
以下、本発明に係るカムシャフトの位置決め装置、およびこの装置を用いたバルブタイミングの調整方法の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るバルブタイミングの調整対象となるシリンダヘッド1の、シリンダヘッドカバーを取り外した状態の平面図を示す。このシリンダヘッド1は、同図に示すように、その上部に吸気用および排気用のカムシャフト2、3を互いに平行に載置した形態をなすもので、いわゆるダブルオーバーヘッドカムシャフト(DOHC)方式の動弁機構を有するものである。各カムシャフト2、3の外周には、それぞれ複数のカム4、5が設けられており、シリンダヘッド1等からなるエンジンが完成した状態では、それぞれ図示しない吸気バルブおよび排気バルブを所定のタイミングで開閉するようになっている。
シリンダヘッド1の中央部であって、各カムシャフト2、3間の領域には、その軸方向に沿って複数のスパークプラグ(図示は省略)を取り付けるためのプラグ取り付け孔6が設けられている。
各カムシャフト2、3の一端側には、スプロケット7、8がそれぞれ取り付けられ、これらスプロケット7、8に対応するチェーン9を張設することで、図示は省略するが、シリンダヘッド1の下部(シリンダブロック内)に配設されるクランクシャフトに双方のカムシャフト2,3が連結されるようになっている。
図2は、本発明の第1構成例に係るカムシャフト位置決め装置11の側面図を示すもので、この実施形態では、図1に示すカムシャフト2、3を位置決め(位相合わせ)した状態で固定し、また、双方のカムシャフト2、3間の相対回転位相を調整するのに使用される。
カムシャフト位置決め装置11は、基部12と、基部12に対して相対移動可能に設けられる可動部13と、可動部13に設けられ、双方のカムシャフト2、3をそれぞれ連れ回り可能に保持する2つのシャフト保持部15、16とを主に備える。この実施形態では、基部12および可動部13は共に長板形状をなし、可動部13がその軸方向中央で基部12に対して回転可能に連結されている。基部12の下端側には、シリンダヘッド1に基部12を取り付けるための複数の取り付けピン14が突出して設けられ、これら取り付けピン14を、対応するシリンダヘッド1のプラグ取り付け孔6に挿入することで、基部12がシリンダヘッド1に対してその回転を規制された状態で取り付けられる。
シャフト保持部15、16は、この実施形態では、全体としてスパナ形状をなし、その一端に、対応するカムシャフト2、3に設けられた断面六角状の挟持部2a、3aを挟持可能な凹部17、18を有する。従い、凹部17、18で挟持部2a、3aを挟持(保持)した状態では、カムシャフト2、3はそれぞれシャフト保持部15、16と連れ回るようになっている。また、シャフト保持部15、16の他端側には保持孔19、20が設けられている。これら保持孔19、20に固定用ボルト21、22を挿通して、シャフト保持部15、16を可動部13の長手方向両端に固定することで、シャフト保持部15、16が可動部13に保持される。
この場合、後述するように、シャフト保持部15、16は、共に固定用ボルト21、22を中心に回転(揺動)可能であり、かつ、シャフト保持部15、16自体の長手方向軸を中心に傾動可能なように構成されている。具体的には、各シャフト保持部15、16の保持孔19、20の内径寸法を、固定用ボルト21、22の外径寸法より大きくしておくことで、上述の動き(揺動および傾動)を可能としている。
また、この実施形態では、可動部13の上端に、可動部13を回転操作するための操作部23、24が設けられている。従い、操作部23、24を握持し、可動部13に回転力を付与することで、可動部13が基部12との連結軸を中心に回転し、可動部13と連動してシャフト保持部15、16が、凹部17、18(に挟持された挟持部2a、3a)を中心に回転するようになっている。
また、この実施形態では、回転規制手段は、可動部13を基部12の所定位置に固定するための第1係止孔25a、25b、および第2係止孔26a、26bと、これら係止孔25a〜26bに挿通可能な係止用のピン(図示は省略)とで構成される。これら係止孔25a〜26bのうち、第1係止孔25a、25bは、後述する一のエンジン用バルブタイミングに対応する回転位相に双方のカムシャフト2、3がある場合、互いに重なり合い、係止用のピンで係止可能な位置にそれぞれ形成される。第2係止孔26a、26bについても同様に、後述する他のエンジン用バルブタイミングに対応する回転位相に双方のカムシャフト2、3がある場合、ピンで係止可能な位置にそれぞれ形成される。
以下、双方のカムシャフト2、3を、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトに連結する作業工程の一例を通じ、カムシャフト位置決め装置11を用いたカムシャフト2、3の位相合わせ、およびバルブタイミングの調整方法の一実施形態(第1実施形態)を説明する。
まず、一のエンジンに対応する、カムシャフト2、3のシリンダヘッド1への組み付けは、例えば以下の手順[A]〜[D]に従って行われる。
[A]シリンダヘッド1(を備えたシリンダブロック)に対して、クランクシャフトを所定の回転位相に設定する。
[B]一のエンジンに対応するバルブタイミングを得られるよう、双方のカムシャフト2、3間、およびクランクシャフトとの相対回転位相を所定の位置に合わせた状態で、これらカムシャフト2、3をシリンダヘッド1に回転可能に取り付ける。
[C]カムシャフト位置決め装置11を、手順[B]で得られたカムシャフト2、3の回転位相関係を保持した状態でシリンダヘッド1およびカムシャフト2、3に取り付ける。
[D]カムシャフト2、3の一端にスプロケット7、8を取り付ける。さらに、これらスプロケット7、8にチェーン9を掛け、チェーンに所定のテンションを付与することで、カムシャフト2、3をクランクシャフトに連結する。
ここで、手順[C]を詳細に説明する。
図3は、シリンダヘッド1、および双方のカムシャフト2、3に取り付けた状態のカムシャフト位置決め装置11を上方から見た図を示している。シリンダヘッド1は省略している。基部12の取り付けピン14をシリンダヘッド1のプラグ取り付け孔6に挿入し、基部12をシリンダヘッド1に固定する。これと共に、可動部13に設けたシャフト保持部15、16の凹部17、18で、カムシャフト2、3の挟持部2a、3aを連れ回り可能(シャフト保持部15、16と共に回転可能)に挟持する。そして、この状態では互いに重なり合う可動部13および基部12の第1係止孔25a、25bに係止用のピン(図示は省略)を挿通することで、可動部13の基部12に対する相対回転を規制する。
この状態では、カムシャフト2、3は、手順[B]でクランクシャフトに対する相対回転位相を合わせた状態で、シリンダヘッド1に保持されている。従い、カムシャフト位置決め装置11を上述の如く取り付け、係止ピンで可動部13、基部12間の相対回転を規制することで、カムシャフト2、3が、一のエンジンに対応するバルブタイミングとなるよう、所定の回転位相に設定されると共に、当該位相に固定される。
これにより、手順[D]において、スプロケット7、8を固定する際、あるいはチェーン9を張設する際に、カムシャフト2、3が回転力を受けて、手順[B]にて設定した回転位相からずれるのを確実に防ぎ、一旦設定した位相を精度良く保つことができる。
次に、他のエンジンに対応する、カムシャフト2、3のシリンダヘッド1への組み付け作業の一例を説明する。ここで、上述の手順[A]〜[D]のうち、手順[A]、[B]、[D]については同様である。すなわち、上記一のエンジンとは同一の製造ラインで製造されるエンジンであって、上記一のエンジンとはバルブタイミングの異なる他のエンジンにおけるカムシャフト2、3の組付け作業を行う場合を説明する。
まず、手順[A]、[B]に従い、双方のカムシャフト2、3、およびクランクシャフトとの間の相対回転位相を所定の位相に設定した状態で、これらカムシャフト2、3をシリンダヘッド1に回転可能に取り付ける。この状態では、双方のカムシャフト2、3は、一のエンジン用のバルブタイミングに対応する相対回転位相に設定されている。
ここで、カムシャフト位置決め装置11を、手順[C]の如く、シリンダヘッド1、およびカムシャフト2、3に取り付ける。この状態では、可動部13は、図3に示すように、その長手方向を基部12の長手方向に対して所定の角度だけ回転させた状態にある。そして、この状態から、操作部23、24を握持操作して、可動部13を基部12に対して所定量回転させることで(この実施形態では、図4に示すように、その長手方向が一致する位置まで回転させることで)、可動部13と連動するシャフト保持部15、16を、凹部17、18で挟持した挟持部2a、3aを中心に回転させる。これにより、挟持部2a、3aが、例えば図5に示すように、シャフト保持部15、16と共に連れ回り、所要の角度θだけ回転する(図中1点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで回転する)。この実施形態では、双方のカムシャフト2、3を互いに相反する向きに逆回転させている。より正確には、クランクシャフトの配設位置を下側と見た場合、左側のカムシャフトを反時計回りに、かつ右側のカムシャフトを時計回りに回転させている。
そして、この状態から、互いに重なり合う可動部13および基部12の第2係止孔26a、26bに係止用のピン(図示は省略)を挿通することで、可動部13の基部12に対する相対回転を規制する。この状態では、双方のカムシャフト2、3は、他のエンジン用のバルブタイミングに対応する相対回転位相に設定された状態で、シリンダヘッド1に対する回転を規制された状態にある。然る後、手順[D]に従い、スプロケット7、8をカムシャフト2、3に取り付け、さらにチェーン9を張設することで、クランクシャフトとの連結が完了する。
このように、一の回転操作で可動部13と連動して各々のシャフト保持部15、16が回転するため、これらと連れ回り可能に保持されるカムシャフト2、3を共に回転させることができる。この際、各々のカムシャフト2、3を保持するシャフト保持部15、16は、鉛直軸を中心に水平面上を回転する可動部13の長手方向両端にそれぞれ保持され、かつ当該長手方向軸を中心に互いに相反する向きに回転するよう構成されている。そのため、クランクシャフトに対する回転位相のみならず、双方のカムシャフト2、3間での相対回転位相を変更する必要が生じた場合であっても、双方のカムシャフト2、3の回転位相合わせ(相対回転位相合わせ)を一度に行うことができ、これにより作業効率の改善を図ることができる。
また、上述のように、可動部13と連動してシャフト保持部15、16が回転するような構成とした場合、その回転量は可動部13の移動量(回転量)に応じて自動的に定まる。従って、作業者の感覚で行う場合と比べて位相合わせの精度を向上させることができる。具体的には、挟持部2a、3a、およびカムシャフト2、3の回転角θは、カムシャフト2、3における挟持部2a、3aの軸方向位置や、可動部13の回転中心からのシャフト保持部15、16までの距離(腕の長さ)、シャフト保持部15、16の腕の長さ、あるいは可動部13の回転量でもって調整することが可能である。従って、これらの寸法および回転量を適正に定めておくことで、他のエンジンに対応するバルブタイミングに合わせて適性にカムシャフト2、3の回転位相を調整することができる。
特に、この実施形態では、カムシャフト位置決め装置11を用いてカムシャフト2、3間の相対回転位相を適正に変更した後、当該位置で互いに重なり合う第2係止孔26a、26bに係止用のピンを挿通して、可動部13の基部12に対する相対回転を規制するようにした。これにより、スプロケット7、8を固定する際、あるいはチェーン9を張設する際に、例えばバルブスプリング等からカムシャフト2、3が回転力を受けて、一旦設定した回転位相からずれるのを確実に防ぎ、結果的に回転位相合わせの精度を高めることができる。
以下、本発明に係るカムシャフト位置決め装置の第2構成例を説明する。
図6は、本発明の第2構成例に係るカムシャフト位置決め装置31の正面図を示し、図7は、カムシャフト位置決め装置31の平面図を示している。このカムシャフト位置決め装置31は、この構成例においても、図1に示すカムシャフト2、3を位相合わせした状態で固定し、また、双方のカムシャフト2、3間の相対回転位相を調整するのに使用される。なお、この構成例に係るカムシャフト位置決め装置31は、可動部33の回転軸を中心に対称的な構造をなすので、一方側(カムシャフト3の側)の構造について説明し、他方側(カムシャフト2の側)の構造についてはその説明を省略する。
第2構成例に係るカムシャフト位置決め装置31は、基部32と、基部32に対して相対移動可能に設けられる可動部33とを主に備え、基部32の下端に、シリンダヘッド1に基部32を取り付けるための取り付けピン34を設けている。
取り付けピン34には径方向に貫通する軸方向長穴35が形成され、この軸方向長穴35の長手方向にスライド可能なように、嵌め込み板36がねじ止めで取り付けられる。嵌め込み板36は、プラグ取り付け孔6の上部周縁に対応する外周形状を有している。従い、嵌め込み板36をシリンダヘッド1の対応する部分に嵌め込むと共に、取り付けピン34をプラグ取り付け孔6に挿入することで、取り付けピン34、および基部32と一体的に固定される部分がシリンダヘッド1に対してその回転を規制された状態で取り付けられる。また、嵌め込み板36と、その上方(基部32側)に位置する大径部との間にはスプリング37が介設されており、嵌め込み板36を常に下方に附勢するように構成されている。
可動部33は、略菱形平板状をなす第1回転板38と、第1回転板38の内径側に一体的に設けられる外側筒部39と、第1回転板38とは軸方向に間隔を置き、外側筒部39の一端に設けられる第2回転板40と、第1回転板38と連結される連結部材45、および連結部材45を介して第1回転板38と連結されるスライド部材46とを主に備える。
このうち、第1回転板38と外側筒部39、および第2回転板40は基部32に対して一体的に回転可能に保持されている。具体的には、図8に示すように、外側筒部39の内周に内側筒部41を配設し、この内側筒部41を、第1連結筒部42、第2連結筒部43を介して、基部32と取り付けピン34とに固定用ボルト44で一体的にねじ止め固定する。これにより、第1回転板38と外側筒部39、および第2回転板40が、固定用ボルト44を中心に、基部32や取り付けピン34、内側筒部41、第1連結筒部42、および第2連結筒部43に対して相対回転するように保持される。また、この実施形態では、外側筒部39を操作部として使用することができるようになっている。
第2回転板40は、第1回転板38とは所定の円周方向位相を異ならせた状態で一体的に固定されている。この第2回転板40は、カムシャフト位置決め装置31の使用時、後述するスライド部材46の平板部51の内側への過度な移動を規制する。言い換えると、可動部33の回転量に合わせてスライド部材46が中央側にスライドするよう、適正な円周方向位相、および足の長さに設定されている。
可動部33には、連結部材45、スライド部材46を介して、カムシャフト2、3を連れ回り可能に保持するシャフト保持部15、16が設けられる。なお、ここで使用されるシャフト保持部15、16は、先の実施形態(第1構成例)で説明したものと同一の構造をなすものであり、当該部材についての詳細な説明は省略する。
連結部材45は長板状をなし、その長手方向に延設された長穴47を介して第1連結ボルト48で第1回転板38と連結される。これと共に、連結部材45と、スライド部材46の水平方向突出部49とが第2連結ボルト50で連結される。また、スライド部材46を構成する平板部51と側壁部52のうち、平板部51の下端側に設けたスライド部53を、基部32にその長手方向にわたって延設されたガイドレール部54に嵌め合わせることで、スライド部材46が基部32に対してスライド可能に保持される。なお、基部32の一端には、スライド部材46の基部32からの抜け落ちを防ぐための外側ストッパ55が取り付けられている。
また、この状態で、カムシャフト3の挟持部3aを挟持するシャフト保持部16の保持孔20に固定用ボルト22を挿通し、この固定用ボルト22をスライド部材46の側壁部52にねじ止めすることで、シャフト保持部16が側壁部52に揺動可能に保持される。ここで、保持孔20の内径寸法と固定用ボルト22の外形寸法は略等しく設定されている。以上より、可動部33の回転が連結部材45を介してスライド部材46へと伝わり、スライド部材46が基部32に対してスライドする。これに連動して、シャフト保持部16が、カムシャフト3の挟持部3aを凹部18で挟持した状態では、挟持部3aを中心に回転する。
また、この構成例では、回転規制手段は、可動部33を構成する外側筒部39に形成される係止孔56と、基部32と一体的に固定される内側筒部41に形成される2つの係止孔(第1係止孔57、第2係止孔58)と、これらに挿通可能な係止用のピン(図示は省略)とで構成される。これら係止孔56〜58のうち、係止孔56と第1係止孔57については、外側筒部39が内側筒部41に対して一の円周方向位相にある場合、例えば係止用のピンを挿通することで係止可能なよう、それぞれ外側筒部39と内側筒部41の円周方向所定位置に形成される。また、係止孔56と第2係止孔58についても、外側筒部39が内側筒部41に対して他の円周方向位相にある場合、ピン等で係止可能なよう、それぞれ外側筒部39と内側筒部41の所定位置に形成される。
以下、双方のカムシャフト2、3を、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトに連結する作業工程の一例を通じ、カムシャフト位置決め装置31を用いたカムシャフト2、3の位相合わせ、およびバルブタイミングの調整方法の一実施形態(第2実施形態)を説明する。
まず、一のエンジンに対応する、カムシャフト2、3のシリンダヘッド1への組み付けは、第1実施形態と同様、上述の手順[A]〜[D]に従って行われる。異なる点は、図2に示すカムシャフト位置決め装置11に代えて、図6に示すカムシャフト位置決め装置31を使用する点である(かかる手順を、以下手順[C]と呼ぶことにする。)。
図9は、手順[C]において、シリンダヘッド1およびカムシャフト2、3に取り付けたカムシャフト位置決め装置31を上方から見た図を示している。シリンダヘッド1は省略している。嵌め込み板36をシリンダヘッド1の所定位置に嵌め込むと共に、取り付けピン34をプラグ取り付け孔6に挿入することで、基部32をシリンダヘッド1に固定する。これと合わせて、可動部33(のスライド部材46)に設けたシャフト保持部15、16の凹部17、18で、カムシャフト2、3の挟持部2a、3aを連れ回り可能に挟持する。そして、この状態から、図9に示すように、互いに重なり合う外側筒部39の係止孔56、および内側筒部41の第1係止孔57に係止用のピン(図示は省略)を挿通することで、外側筒部39の内側筒部41に対する相対回転を規制する。すなわち、可動部33の基部32に対する相対回転を規制する。
この状態では、カムシャフト2、3は、手順[B]においてクランクシャフトに対する相対回転位相を合わせた状態で、シリンダヘッド1に保持されている。従い、カムシャフト位置決め装置31を上述の如く取り付け、係止ピンで可動部33、基部32間の相対回転を規制することで、カムシャフト2、3が、一のエンジンに対応するバルブタイミングとなるよう、所定の回転位相に設定されると共に、当該位相に固定される。
これにより、手順[D]において、スプロケット7、8を固定する際、あるいはチェーン9を張設する際に、カムシャフト2、3が回転力を受けて、手順[B]にて設定した回転位相からずれるのを確実に防ぎ、一旦設定した位相を精度良く保つことができる。
次に、他のエンジンに対応する、カムシャフト2、3のシリンダヘッド1への組み付け作業の一例を説明する。ここで、上述の手順[A]〜[D]のうち、手順[A]、[B]、[D]については同様である。
まず、手順[A]、[B]に従い、双方のカムシャフト2、3間、およびクランクシャフトとの相対回転位相を所定の位置に合わせた状態で、これらカムシャフト2、3をシリンダヘッド1に回転可能に取り付ける。この状態では、双方のカムシャフト2、3は、一のエンジン用のバルブタイミングに対応する回転位相に設定されている。
ここで、カムシャフト位置決め装置31を、手順[C]の如く、シリンダヘッド1、およびカムシャフト2、3に取り付ける。この状態では、可動部33は、図9に示すように、第1回転板38と連結部材45との連結箇所(第1連結ボルト48)を長穴47の一端に位置させた状態にある。そして、操作部(外側筒部39)を回転操作して、可動部33を基部32に対して回転させることで、直線的に設けられた長穴47中を第1連結ボルト48が一端側から他端側へと移動する。これに伴い、連結部材45が第2連結ボルト50を中心に回転(揺動)しながら全体として他方のカムシャフト2側に移動する。従い、第2連結ボルト50を介して連結部材45と連結されたスライド部材46は、連結部材45と共に中央側(カムシャフト2の側)にスライドし、スライド部材46の側壁部52に保持するシャフト保持部16を、凹部18で挟持した挟持部3aを中心に回転させる。
このような機構で、可動部33に連動してシャフト保持部16(他方のシャフト保持部15についても同様である)がカムシャフト3まわりに回転する。従い、可動部33を基部32に対して所定角回転させた状態(図10中1点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで回転させた状態)では、その回転量に応じて、挟持部2a、3a(を有するカムシャフト2、3)が、図5に示すように、シャフト保持部15、16と共に連れ回る。この実施形態でも、クランクシャフトの配設位置を下側と見た場合、左側のカムシャフトを反時計回りに、かつ右側のカムシャフトを時計回りに回転させている。なお、この際、基部32の取り付けピン34に設けたスプリング37に抗して、シリンダヘッド1に直接固定されている嵌め込み板36を除く、カムシャフト位置決め装置31が下降可能に構成されているので、上述の如く、シャフト保持部15、16が挟持部2a、3aを中心に回転することができる。
そして、この状態から、互いに重なり合う外側筒部39の係止孔56と内側筒部41の第2係止孔58とに係止用のピン(図示は省略)を挿通することで、外側筒部39(可動部33)の内側筒部41(基部32)に対する相対回転を規制する。この状態では、双方のカムシャフト2、3は、他のエンジン用のバルブタイミングに対応する相対回転位相に設定された状態で、シリンダヘッド1に対する回転を規制された状態にある。然る後、手順[D]に従い、スプロケット7、8をカムシャフト2、3に取り付け、さらにチェーン9を張設することで、クランクシャフトとの連結が完了する。
この実施形態に使用するカムシャフト位置決め装置31においては、シャフト保持部15、16を、スライド部材46、および連結部材45を介して可動部33と連結した構成を採っている。そのため、図7に示すように、可動部33の腕の長さ(回転中心から他部材との連結箇所までの距離)を短くすることができる。また、この構成であれば、カムシャフト2、3の挟持部2a、3aを互いに軸方向に近接する位置に設けることができ、この点でも可動部33の腕の長さを短くすることができる。これらの点から、第2構成例に係るカムシャフト位置決め装置31であれば、可動部33に必要な回転モーメントを小さくして、一の操作部(外側筒部39)を作業者が片手で操作することができるようになる。これにより、更なる操作性の向上、および作業効率の改善化を図ることができる。
また、かかる構成を採ることで、シャフト保持部16の回転量をスライド部材46のスライド量で設定できることから、第1構成例に比べてその回転量を大きくとることができる。これにより、各種エンジン間でバルブタイミングが大きく異なる場合であっても、かかる装置でもって容易に対応することが可能となる。
もちろん、この実施形態においても、カムシャフト位置決め装置31を用いてカムシャフト2、3間の相対回転位相を適正に変更した後、係止用のピンで可動部33の基部32に対する相対回転を規制するようにした。これにより、スプロケット7、8を固定する際、あるいはチェーン9を張設する際に、カムシャフト2、3が回転力を受けて、一旦設定した回転位相からずれるのを確実に防ぎ、かかる回転位相合わせの精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明に係るカムシャフト位置決め装置、およびこの装置を用いたバルブタイミングの調整方法は、本発明の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、以上の説明では、固定手段(回転規制手段)として、可動部13と基部12にそれぞれ係止孔25a、25b、26a、26b(第2構成例では、外側筒部39に係止孔56、内側筒部41に第1、第2係止孔57、58)を設け、係止用のピンで係止状態を構成した場合を例示したが、これに限る必要はない。シャフト保持部15、16のカムシャフト2、3まわりでの回転を規制できる限りにおいて、任意の回転規制手段を用いることができる。また、第2構成例で示したように、可動部33とシャフト保持部16との間に、複数の部材で構成される連動機構が存在する場合には、かかる連動機構における運動を規制するような構成を採ってもよい。
また、以上の説明では、シャフト保持部15、16によるカムシャフト2、3の回転量を等しくした場合を例示したが、必ずしも同じである必要はない。要求されるバルブタイミングに応じた双方のカムシャフト2、3、およびクランクシャフト間の相対回転位相が得られるよう、適当に可動部13、33の足の長さを調整することも可能である。この場合、各々の回転量は可動部13(もしくは可動部33とシャフト保持部16との間の連動機構)の腕の長さの比率で調整することができる。あるいは、可動部13、33は必ずしも回転させる必要はない。可動部13、33と連動して、双方のシャフト保持部15、16が挟持部2a、3aを中心に回転可能な構成である限り、例えば可動部13、33に直線的な運動を付与するように構成しても構わない。
また、この際、操作手段は必ずしもカムシャフト位置決め装置11、31に設けられている必要はない。作業者が直接操作可能な部分(操作部23、24、39など)がなくても、例えば遠隔操作等で自動的に可動部13、33を移動させても問題ない。
また、以上の説明では、シリンダヘッド1に設けられたプラグ取り付け孔6を利用することで、基部12、32をシリンダヘッド1に取り付けた場合を説明したが、もちろん、この構成に限ることはない。例えば、シリンダヘッド1が必然的に有する取り付けに適した箇所を基部12、32の取り付け部として利用しても構わない。あるいは、基部12、13は必ずしもシリンダヘッド1に取り付ける必要はなく、製造ライン上またはその周辺に配設される設備の一部として当該設備に固定されるものであってもよい。
また、以上の説明では、同一の製造ラインに混在し、バルブタイミングの異なる2種類のエンジンを対象とした場合を例示したが、もちろん、3種類以上のエンジンが同一の製造ラインに混在している場合であっても、本発明を適用することができる。例えば、上述の回転規制手段(係止孔25a〜26b、56〜58)を、混在するエンジンの種類に合わせて、より正確には、各エンジン用のバルブタイミングに応じた回転位相に合わせて設けることで、容易に対応することが可能である。あるいは、所定位置に到った場合、自動的に可動部13、33の基部12、32に対する移動を規制する手段を設けると共に、当該移動の規制を解除する規制解除手段を設けた構成を採ることも可能である。この場合、当該規制解除手段を操作して係止状態を解除した上で可動部13、33を移動操作し、所定の回転位相に到ると回転規制手段が自動的に機能し、当該回転位相で可動部13、33の移動(シャフト保持部15、16の回転)が規制されるよう構成することで、高精度な回転位相合わせが自動的に可能となる。
また、以上の説明では、クランクシャフトとの連結を、スプロケット7、8およびチェーン9を用いて行う場合を例示したが、もちろんこれらに代えて、プーリやタイミングベルト等、汎用の軸間動力伝達機構を用いることが可能である。
本発明の一実施形態に係るバルブタイミングの調整対象となるシリンダヘッド1の平面図である。 本発明の第1構成例に係るカムシャフト位置決め装置の側面図である。 シリンダヘッド、および双方のカムシャフトに取り付けた状態のカムシャフト位置決め装置をを上方から見た図である。 可動部を基部に対して所定量回転させた状態のカムシャフト位置決め装置を上方から見た図である。 カムシャフト位置決め装置の可動操作に伴うカムシャフトの挟持部の回転動作を概念的に示す図である。 本発明の第2構成例に係るカムシャフト位置決め装置の正面図である。 第2構成例に係るカムシャフト位置決め装置の平面図である。 カムシャフト位置決め装置の一部断面図である。 シリンダヘッド、および双方のカムシャフトに取り付けた状態のカムシャフト位置決め装置をを上方から見た図である。 可動部を基部に対して所定量回転させた状態のカムシャフト位置決め装置を上方から見た図である。
符号の説明
1 シリンダヘッド
2、3 カムシャフト
2a、3a 挟持部
4、5 カム
6 プラグ取り付け孔
7、8 スプロケット
9 チェーン
11、31 カムシャフト位置決め装置
12、32 基部
13、33 可動部
14、34 取り付けピン
15、16 シャフト保持部
17、18 凹部
45 連結部材
46 スライド部材

Claims (2)

  1. 内燃機関のシリンダヘッドに保持される吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトの回転位相合わせを行うための内燃機関のカムシャフト位置決め装置であって、
    基部と、該基部に相対移動可能に設けられる可動部と、該可動部と連動して前記双方のカムシャフトと共に回転するよう、前記双方のカムシャフトをそれぞれ保持する2つのシャフト保持部と、前記基部に対する前記可動部又は前記2つのシャフト保持部の相対移動を拘束することで前記双方のカムシャフトの回転を規制する回転規制手段とを備えた内燃機関のカムシャフト位置決め装置。
  2. 請求項1記載のカムシャフト位置決め装置を用いた、バルブ開閉タイミングの異なる複数種のエンジン用の製造ラインにおけるバルブタイミングの調整方法であって、
    一のエンジン用のバルブタイミングに対応する回転位相に設定された前記双方のカムシャフトを、前記2つのシャフト保持部でそれぞれ保持し、
    前記可動部を移動させ、これと連動する前記2つのシャフト保持部を前記双方のカムシャフトまわりにそれぞれ回転させることで、該双方のカムシャフトを、他のエンジン用のバルブタイミングに対応する回転位相に切り替えるバルブタイミングの調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5783617A (en) * 1980-11-12 1982-05-25 Toyota Motor Corp Method of setting angular position of mounting of cam shaft of internal combustion engine
JP2004132339A (ja) * 2002-10-15 2004-04-30 Toyota Motor Corp 内燃機関の動弁機構及び同機構におけるカムシャフトの組付方法

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