JP2008111093A - 銅膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定で取扱性が良好な蟻酸銅を用い、エポキシ樹脂にも熱損傷を与えない比較的低温で加熱処理し、基板面に均斉な銅膜を形成できる銅膜の形成方法を提供する。
【解決手段】
所定面に蟻酸銅溶液を塗布して蟻酸銅を析出した樹脂製の基板を、アンモニア雰囲気中で且つ前記樹脂の熱分解温度以下の温度で加熱処理を施し、前記基板の所定面に触媒を用いることなく前記蟻酸銅を熱分解して銅膜を形成できるように、前記樹脂の熱分解温度以下の温度で加熱処理を施すことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は銅膜の形成方法に関し、更に詳細には樹脂製の基板の所定面に銅膜を形成する銅膜の形成方法に関する。
樹脂製の基板の一面側に所定パターンを形成する際には、通常、基板の一面側の全面に無電解銅めっきによって銅膜を形成することが行われている。
かかる無電解銅めっきには、ホルムアルデヒド等の有害物質を使用せざるを得ず、無電解銅めっき液の廃液処理には煩雑な処理を必要としている。
この様な無電解銅めっきを用いることなく、基板の一面側に銅膜を形成できる銅膜の形成方法として、蟻酸銅を熱分解して銅膜を形成する方法が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、減圧雰囲気内で蟻酸銅を熱分解し、ポリイミドフィルムの一面に銅を析出させること、下記特許文献2には、基板の一面側に蟻酸銅溶液を塗布・乾燥した後、レーザ光照射して銅を析出させて銅配線を形成することが提案されている。
また、下記特許文献3には、基材表面にパラジウムを共存させて蟻酸銅を熱分解して銅膜を形成することが提案され、下記特許文献4には、一般式[RCOO][NHCuX(m=1〜3,n=1〜3,p=0〜1)で表される銅化合物を基材表面に配置し、銅の非酸化雰囲気下で加熱処理することによって、基材表面に銅膜を形成できることが提案されている。
特開平11−193461号公報 特開2002−271000号公報 特開平6−93455号公報 特開2005−35984号公報
特許文献1〜4によれば、無電解銅めっきによらず基板の所定面に銅膜を形成でき、無電解銅めっき液の廃液処理を行う煩雑さを解消できる。
しかし、特許文献1では、基材も蟻酸銅の熱分解温度である210℃以上に加熱することを要する。このため、採用できる基材としては、蟻酸銅の熱分解温度以上となる高温の加熱温度に対して耐熱性を有するポリイミド樹脂に限定され、蟻酸銅の熱分解温度以下の耐熱性しか有さないエポキシ樹脂には到底採用できない。
特許文献2は、レーザ光照射によって局所的に高温として、蟻酸銅を熱分解して銅を析出させようとするものであり、基材全面を加熱することがないため、耐熱性の低い基材にも適用可能である。しかし、基材の一面側全面に均斉な銅膜を形成しようとする場合には、特許文献2の方法は不適当である。
かかる特許文献1,2に対して、特許文献3では、エポキシ樹脂等の耐熱性の低い基材でも、熱損傷を与えることのない180℃以下の加熱温度で銅膜を形成可能である。しかし、高価なパラジウムを使用するため、膜形成コストが高価となり、且つ基材面でのパラジウムの分散状態が、形成される銅膜の純度等の状態に影響を与えるため、均斉な銅膜を形成することは至難である。
また、特許文献4では、一般式[RCOO][NHCuX(m=1〜3,n=1〜3,p=0〜1)で表される銅化合物の熱分解温度は、図4に示す熱重量測定(TG)チャートから明らかな様に、180℃以下であるため、エポキシ樹脂等の耐熱性の低い基材でも、熱損傷を与えることのない180℃以下の加熱温度で触媒を存在させることなく基材面に銅膜を形成可能である。しかし、上記銅化合物は、市販されておらず、合成することを必要とし、銅膜の形成コストが高くなる。しかも、上記銅化合物は、触媒が存在しなくとも、比較的低温で熱分解するため、加熱雰囲気温度の均一性の影響を受け易く、基材面に均斉な銅膜を形成することは困難である。
そこで、本発明は、触媒が存在しなくても、比較的低温で熱分解する銅化合物では、加熱雰囲気温度の均一性の影響を受け易く、基材面に均斉な銅膜を形成することが困難であるとの課題を解決し、安定で取扱性が良好な蟻酸銅を用い、エポキシ樹脂にも熱損傷を与えない比較的低温で加熱処理し、基板面に均斉な銅膜を形成できる銅膜の形成方法を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決すべく検討を重ねた結果、蟻酸銅をアンモニア雰囲気で加熱処理することによって、触媒を存在させることなく180℃以下の温度で分解し、銅を析出することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、所定面に蟻酸銅溶液を塗布して蟻酸銅を析出した樹脂製の基板を、アンモニア雰囲気中で且つ前記樹脂の熱分解温度以下の温度で加熱処理を施し、触媒を用いることなく前記蟻酸銅を熱分解して、前記基板の所定面に銅膜を形成することを特徴とする銅膜の形成方法にある。
かかる本発明において、基板として、蟻酸銅が溶媒に溶解された蟻酸銅溶液を樹脂製の基板の所定面に塗布した後、乾燥して前記所定面に蟻酸銅を析出した基板を用いることによって、基板の所定面の全面に亘って又は一部に均斉に蟻酸銅を分散でき、均斉な銅層を形成できる。
この蟻酸銅及び溶媒としては、蟻酸銅四水塩及び水又はアルコールを好適に用いることができる。
また、基板を挿入した空間内に、前記基板の加熱処理温度では不活性状態のガスをアンモニア水中に吹き込んで得たアンモニア含有ガスを導入し、前記空間内をアンモニア雰囲気とすることによって、アンモニアボンベを用いることなく基板を安全にアンモニア雰囲気下で加熱処理できる。
ここで、基板の加熱処理温度では不活性状態のガスとしては、窒素ガスを好適に用いることができる。
更に、加熱処理の温度を、140〜180℃とすることが好適である。
本発明に係る銅膜の形成方法では、所定面に蟻酸銅を析出した樹脂製の基板を、アンモニア雰囲気中で且つ樹脂の熱分解温度以下の温度で加熱処理を施す。かかる加熱処理の温度を、エポキシ樹脂が熱損傷を受けない180℃以下としても、触媒を用いることなく蟻酸銅を熱分解して基板の所定面に銅膜を形成できる。
更に、蟻酸銅溶液を基板の所定面に塗布することによって、基板の所定面に均斉に蟻酸銅が析出している。このため、加熱処理による蟻酸銅の熱分解によって、基板の所定面に均斉な銅膜が形成される。
その結果、半導体装置用の基板として汎用されているエポキシ樹脂から成る基板の所定面に、蟻酸銅の熱分解によって均斉な銅膜を形成できる。
本発明においては、先ず、樹脂製の基板の所定面に蟻酸銅溶液を塗布する。
この樹脂製の基板としては、半導体装置等に採用されている、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂製の基板を用いることができ、特に、エポキシ樹脂から成る基板を好適に用いることができる。
かかる基板の所定面に塗布する蟻酸銅溶液は、蟻酸銅を溶媒に溶解することによって容易に得ることができる。
この溶媒としては、蟻酸銅が溶解し易く且つ処理が容易な水又はアルコール(エチルアルコール)を好適に用いることができる。
かかる水又はアルコール(エチルアルコール)に溶解する蟻酸銅としては、入手し易く、室温で化学的に安定しており、且つ水又はアルコール(エチルアルコール)に溶解し易い等の観点から蟻酸銅四水塩を好適に用いることができる。
得られた蟻酸銅溶液を基板の所定面に塗布する際には、刷毛やガーゼ等の塗布具を用いた塗布方式でもよく、スプレイ方式でもよい。
本発明では、この様に基板の所定面に塗布した蟻酸銅溶液を乾燥し、基板の所定面に蟻酸銅を均斉に析出する。この乾燥は、自然乾燥でもよく、加熱乾燥でもよい。
この様にして基板の所定面に析出した蟻酸銅の厚さは、200nm以下、特に100〜200nm程度とすることが好ましい。蟻酸銅の厚さが200nmを超える場合には、形成された銅膜がスポンジ状になり易い傾向がある。一方、蟻酸銅の厚さが100nm未満の場合には、形成された銅膜が薄くなり、銅膜の耐久性が不足する傾向にある。
次いで、本発明では、所定面に蟻酸銅を塗布した基板を、アンモニア雰囲気中で加熱処理する。
かかる加熱処理は、基板を挿入した空間内に、加熱処理温度では不活性状態のガスをアンモニア水中に吹き込んで得たアンモニア含有ガスを導入することよって、基板を挿入した空間内をアンモニア雰囲気とすることができる。
ここで、「加熱処理温度では不活性状態のガス」とは、基板に施す加熱処理温度では、蟻酸銅、銅、基板を形成する樹脂と反応し難いガスを言い、窒素ガス或いはアルゴンガス等の周期律表O族の不活性ガスを挙げることができ、窒素ガスがコスト等の観点から好適に用いることができる。
この様に、加熱処理温度では不活性状態のガスをアンモニア水中に吹き込んで得たアンモニア含有ガスを用いることによって、アンモニアボンベを用いることなく基板に対して安全にアンモニア雰囲気下で加熱処理を施すことができる。
また、加熱処理温度は、基板を形成する樹脂の熱分解温度以下の温度であって、140〜180℃、特に150〜160℃の温度で加熱処理を施すことが好ましい。加熱処理温度が140℃未満の場合は、銅膜の形成速度が遅くなる傾向にあり、加熱処理温度が180℃を超える場合は、樹脂としてエポキシ樹脂を用いた基板に熱損傷を与えるおそれがある。
かかる加熱処理は、図1に示す加熱処理装置を用いて施すことができる。図1に示す加熱処理装置は、ガス入口12,14とガス出口16とが形成されているステンレス等の金属から成る容器10内に加熱ヒータ18が設置されている。この容器10のガス入口12には、アンモニア水20が貯留されたバブリング容器22からの配管26が繋ぎ込まれており、配管26にはバルブ24が設けられている。
バブリング容器22のアンモニア水20中には、流量コントローラ30が設けられた窒素配管28からの所定量の窒素ガスが吹き込まれ、アンモニア水20中のアンモニアを含有する窒素ガスが配管26及びバルブ24を経由して容器10内に導入される。
この窒素配管28からは、バブリング容器22をバイパスするバイパス配管32が分岐され、容器10のガス入口14に繋ぎ込まれている。バイパス配管32には、バルブ34が設けられている。
図1に示す加熱処理装置を用いて、所定面に蟻酸銅を析出した基板に加熱処理を施す際には、容器10内の加熱ヒータ18上に、所定面に蟻酸銅を析出した樹脂製の基板36を載置した後、容器10内をガス出口16から排気して減圧状態とする。更に、バルブ34を開いて、バイパス配管32から窒素ガスを容器10内に導入し、容器10内を大気圧とする。
次いで、流量コントローラ30によって所定量の窒素ガスをバブリング容器22のアンモニア水20に吹き込み、アンモニア含有窒素ガスをバブリング容器22から配管26及びバルブ24を経由して容器10内に導入しつつ、容器10内のガスをガス出口16から排気して、容器10内をアンモニア雰囲気とする。
容器10内をアンモニア雰囲気とした後、加熱ヒータ18によって基板36を所定温度に加熱して所定時間保持する。その間、バブリング容器22からアンモニア含有窒素ガスを容器10内に供給しつつ、ガス出口16から余分なガスを排気して、容器10内の圧力を大気圧に保持する。かかる加熱処理の間に、基板36の所定面に析出した蟻酸銅は、パラジウム等の触媒が存在しなくても熱分解され、基板36の所定面に銅膜を形成する。
基板36を所定温度に加熱し所定時間保持して基板36の所定面に銅膜を形成した後、加熱ヒータ18の加熱を停止し、バルブ24を閉じてアンモニア含有窒素ガスの供給を停止すると共に、バルブ34を開いてバイパス配管32から窒素ガスを容器10内に導入して、容器10内のアンモニアをガス出口16から排出しつつ基板36を冷却する。
尚、容器10のガス出口16から排出されたアンモニア含有窒素ガスは、冷却することによってアンモニアと窒素とを容易に分離でき、分離したアンモニアは再利用できる。
本発明に係る銅膜の形成方法によれば、基板36の一面側の全面に蟻酸銅を析出することによって、基板36の一面側全面に銅膜を形成できる。
他方、基板36の一面側の一部、例えば形成する導体パターンに倣って蟻酸銅を析出した場合には、導体パターンに倣った銅膜を形成できる。
この様にして基板36の一面側に形成された銅膜の厚さは薄いため、所定厚さの導体パターンを形成するには、形成した銅膜を給電層とする電解銅めっきによって所定厚さまでめっき銅を析出させることが必要である。
また、基板36の所定面に形成される銅膜の特性は、容器10内に導入されるアンモニア含有窒素ガス中のアンモニア濃度によって異なる。すなわち、例えば、バブリング容器22に貯留されるアンモニア水20として、アンモニア濃度が25%のアンモニア水を用いた場合、基板36の所定面には純銅から成る銅膜が形成され、そのシート抵抗は低いものとなる。かかる銅膜は導電性膜として好適に用いることができる。
これに対し、バブリング容器22に貯留されるアンモニア水20として、アンモニア濃度が3%のアンモニア水を用いた場合、基板36の所定面には炭素量の多い銅膜が形成され、そのシート抵抗は高いものとなる。かかる銅膜は発熱体や電磁波吸収体として利用可能である。
(1)蟻酸銅を析出した基板の形成
蟻酸銅四水和物1gと純水2mlとの混合物を、超音波を照射しながら10分間撹拌し、青白色の蟻酸銅水溶液を得た。これを30mg/cmの塗布量でガラスエポキシ基板(5cm×5cm)の一面側の全面に塗布し、およそ1日間、室温乾燥させた。
(2)加熱処理
一面側に蟻酸銅が析出したガラスエポキシ基板に、図1に示す加熱処理装置を用いてアンモニア雰囲気中で加熱処理を施した。
図1に示す加熱処理装置では、容器10として、ステンレス製で容積が約20リットルの矩形状の容器を用い、バブリング容器22として、容積が300mlの容器を用いた。更に、加熱ヒータ18としては、電気加熱ヒータを用いた。
図1に示す加熱処理装置を用いて、一面側に蟻酸銅を析出したガラスエポキシ基板36(以下、単に基板36と称することがある)に加熱処理を施す際には、先ず、容器10内の加熱ヒータ18上に基板36を載置し、容器10内を非酸化性雰囲気にすべく、ガス出口16を介してロータリーポンプ(図示せず)によって容器10内の圧力が約10Pa程度になるまで排気した。
次に、バルブ34を開いて容器10内に窒素ガスを導入し、容器10の圧力を1気圧としてバルブ34を閉じ、バルブ24を開けてアンモニア含有窒素ガスを容器10内に導入し、容器10内をアンモニア雰囲気とした。このアンモニア含有窒素ガスは、バブリング容器22に貯留している100mlの25%アンモニア水中に、流量コントローラ30で流量100ml/minに調整した窒素ガスを吹き込んで得た。得られたアンモニア含有窒素ガス中のアンモニア濃度を検知管を用いて測定したところ、アンモニア濃度は約20%であった。
この様に、アンモニア含有窒素ガスを容器10内に導入しつつ、ガス出口16を大気圧開放とし、容器10内の圧力を1気圧に維持した。
次いで、加熱ヒータ18に通電して、約30℃/minの昇温速度で加熱し、160℃に達したところで20分間保持した(保持温度160℃)。
その後、加熱ヒータ18の電源を切断し、基板36を自然冷却する。その際に、バルブ24を閉じてアンモニア含有窒素ガスの容器10への供給を停止すると共に、バルブ34を開いて窒素ガスを容器10内に導入した。
約1時間後、基板36の温度が60℃以下に低下してから基板36を取り出した。
(3)加熱処理後の基板36
容器10から取り出した基板36の一面側の全面には、銅色の膜が形成されていた。この膜のX線回折スペクトルを図2に示す。図2に示すX線回折スペクトルは、典型的な銅の回折スペクトル(fcc構造、格子定数3.61Å)と同一パターンであった。このことから、基板36の一面側に形成された膜は、純銅から成る銅膜であることを確認した。
基板36の一面側の全面に形成された銅膜の厚さは100〜200nmであり、そのシート抵抗値は約0.1Ωであった。
比較例1
実施例1において、基板36の加熱処理を、バルブ24を閉じた状態でバルブ34のみを開いた状態、つまりアンモニア含有窒素ガスを容器10内に導入することなく窒素ガスのみを容器10内に導入した状態とし、容器10内を窒素雰囲気として施した他は、実施例1と同様に行った。
加熱処理後の基板36の一面側には、銅色の膜の生成は認められず、結晶水を失って緑色に変色した無水蟻酸銅が回収された。図3はそのX線回折スペクトルであり、銅膜析出の兆候は全く認められなかった。
実施例1において、加熱ヒータ18の加熱温度を140℃とする他は実施例1と同様に基板36に加熱処理を施した。
加熱処理後の基板36の一面側の全面には、銅色の膜が形成されており、この膜のシート抵抗値は約0.5Ωであった。
実施例1において、バブリング容器22に貯留するアンモニア水のアンモニア濃度を3%としてアンモニア含有窒素ガスを得た他は実施例1と同様に基板36に加熱処理を施した(得られたアンモニア含有窒素ガス中のアンモニア濃度を検知管を用いて測定したところ、アンモニア濃度は約2%であった)。
加熱処理後の基板36の一面側の全面には、黒ずんだ銅色の膜が形成されていた。この膜シート抵抗値は約10kΩであった。この膜の組成分析を、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いておこなったところ、C/Cu原子数比が0.3であった。
この様に基板36の一面側に形成された銅膜に多量の炭素が検出され且つシート抵抗が高い値を呈したことは、銅膜中に炭素若しくは有機物が多量に残存していることを示している。
このことは、基板36の加熱処理中にアンモニアガスの供給量が不十分であって、基板36の一面側に塗布した蟻酸銅の熱分解が十分には進まなかったことと推定される。
この様に、アンモニア含有窒素ガス中のアンモニア濃度を制御することにより、純銅よりも遙かに抵抗値の大きな導電膜を作製できる。
本発明に係る銅膜の形成方法を実施する加熱処理装置の一例を説明する概略図である。 本発明に係る銅膜の形成方法についての実施例において得られた銅膜のX線回折スペクトルである。 本発明に係る銅膜の形成方法についての比較例において基板の一面側に形成された生成物のX線回折スペクトルである。 先行文献で用いられた原料についての熱重量測定(TG)チャートである。
符号の説明
10 容器
12,14 ガス入口
16 ガス出口
18 加熱ヒータ
20 アンモニア水
22 バブリング容器
24,34 バルブ
26 配管
28 窒素配管
30 流量コントローラ
32 バイパス配管
36 基板

Claims (7)

  1. 所定面に蟻酸銅溶液を塗布して蟻酸銅を析出した樹脂製の基板を、アンモニア雰囲気中で且つ前記樹脂の熱分解温度以下の温度で加熱処理を施し、触媒を用いることなく前記蟻酸銅を熱分解して、前記基板の所定面に銅膜を形成することを特徴とする銅膜の形成方法。
  2. 基板として、蟻酸銅が溶媒に溶解された蟻酸銅溶液を樹脂製の基板の所定面に塗布した後、乾燥して前記所定面に蟻酸銅を析出した基板を用いる請求項1記載の銅膜の形成方法。
  3. 蟻酸銅及び溶媒として、蟻酸銅四水塩及び水又はアルコールを用いる請求項2記載の銅膜の形成方法。
  4. 基板を挿入した空間内に、前記基板の加熱処理温度では不活性状態のガスをアンモニア水中に吹き込んで得たアンモニア含有ガスを導入し、前記空間内をアンモニア雰囲気とする請求項1〜3のいずれか一項記載の銅膜の形成方法。
  5. 基板の加熱処理温度では不活性状態のガスとして、窒素ガスを用いる請求項4記載の銅膜の形成方法。
  6. 加熱処理の温度を、140〜180℃とする請求項1〜5のいずれか一項記載の銅膜の形成方法。
  7. 樹脂製の基板として、エポキシ樹脂から成る基板を用いる請求項1〜6のいずれか一項記載の銅膜の形成方法。
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