JP2008110921A - ピラジン誘導体を有効成分とする糖化最終産物形成阻害剤 - Google Patents

ピラジン誘導体を有効成分とする糖化最終産物形成阻害剤 Download PDF

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隆 中川
Ryohei Sekimoto
亮平 堰本
Tadaaki Ogiya
忠明 扇谷
Kazuhiro Onoki
和弘 小野木
Toshio Miyata
敏男 宮田
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Abstract

【課題】
新規なAGE形成阻害剤を提供すること。本発明の化合物は、優れたAGE産生阻害作用を有し、糸球体疾患の予防及び/又は治療剤、特に糖尿病性腎症の予防及び/又は治療用の医薬として有用である。
【解決手段】
一般式(I)
【化1】
Figure 2008110921

〔式中、R、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基又はC〜Cアルコキシ基を示し、Rは水素原子又はC〜Cアルキル基を示し、nは1〜4の整数を示す〕で表される化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
特に、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(2−カルボキシエチル)−2H−ピラジン−2−オンが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は糸球体病変における不可逆的蛋白修飾による糖尿病性腎症の発症又は進展に対する予防及び/又は治療に有用な薬剤に関する。
現在、本邦では糖尿病患者、糖尿病が疑われる患者及び糖尿病予備群が約2千万人存在するといわれている。糖尿病を起因とした合併症のうち、糖尿病性腎症の発症率は年々増加の推移をたどり、すでに慢性糸球体腎炎の発症率を上回り第一位となっている。
糖尿病性腎症が発症した場合における最大の問題点は、末期腎不全即ち透析への移行率が、非常に高いことにある。また、糖尿病性腎症による透析への移行は医療費高騰等の社会的に大きな問題となっている。そこで、糖尿病性腎症に関わる治療剤、又は予防を期待できる薬剤が強く望まれている。
糖尿病性腎症の成因には、(1)遺伝的素因をはじめとして、(2)糸球体血行動態変化、(3)グリケーションの亢進やカルボニル・酸化ストレスにより生じた糖化最終産物(Advanced Glycation End Products(以下、「AGE」と称する))の蓄積、(4)Protein Kinase Cの活性化や、(5)ポリオール代謝の亢進など、様々な因子の関与が考えられている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)。
現在、糖尿病性腎症の治療現場では、糸球体血行動態の改善を主目的としたアンジオテンシン変換酵素阻害剤(以下、「ACE阻害剤」と称する)やアンジオテンシンIIの1型受容体拮抗剤(以下、「ARB」と称する)が汎用されており、基礎のみならず臨床的なevidenceが報告されている(非特許文献6、非特許文献7)。しかしながら、これらの多くは血圧降下剤として認可されており、糖尿病性腎症の治療剤としての認可はほとんどなされていない。単に、糖尿病性腎症の患者の多くは高血圧であることから、これらが汎用されているに過ぎない。なお、ACE阻害剤のタナトリル錠(塩酸イミダプリル)はI型糖尿病性腎症の治療剤として初めて認可されたものの、糖尿病性腎症に対する治療又は予防的作用を有する薬剤はほとんどなく、新規な薬剤の登場が切望されている。
そこで次の糖尿病性腎症の治療剤として、AGE形成阻害剤が注目を浴びている。AGEで修飾されたタンパクは腎循環動態、腎糸球体基底膜の濾過機構等、多数の腎機能に悪影響を及ぼし、また、AGE自身がメサンギウム細胞等の腎構成細胞に多数存在するAGE関連受容体(例えば、Receptor for AGE:RAGE)に作用して、サイトカインや増殖因子等の障害因子を産生させることが報告されている(非特許文献8)。従って、AGEの形成を抑制することは、糖尿病性腎症の進展抑制に繋がると考えられる。
アミノグアニジンは、反応性カルボニル化合物(3−デオキシグルコソン、メチルグリオキサールなど)の捕捉作用、酸素ラジカル(特に、ヒドロキシラジカル)の捕捉作用及び金属キレート形成作用により、AGEの形成を阻害すると考えられており、AGE阻害に基づく糖尿病性腎症の治療剤として、最初に本格的な研究がなされた化合物である。しかし、これはすでに臨床治験も終了したが、いまだ実用化には至っていない。(非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11)。
また、その他のAGE形成阻害剤としてはアミノグアニジンの誘導体であるOPB−9195、LR−90、ALT−946、天然化合物及びその類縁体であるチアミン(ビタミンB)、チアミンピロリン酸、ベンフォチアミンなど幾つかの化合物が知られている(非特許文献12)が、いずれも実用化には至っていない。
Cooper,ME.et al.;Lancet,352,213−219,1998 槙野博史;糖尿病性腎症 発症・進展機序と治療:80−121,1999年;診断と治療社 Bohlender, J.et al.;Am. J. Physiol. Renal Physiol.,289,F645−F659,2005 D, Jay.et al.;Free Radical Biology & Medicine,40,183−192,2006 Vinik, A.;Expert Opin. Investig. Drugs,14(12),1547−1559,2005 Masakuni,N.et al.;Jpn. J. Pharmacol.,85:416−422,2001 Rossing, K.et al.;Diabetes Care.,28(9):2106−2112,2005 Locatelli, F.et al.;Nephrol.Dial.Transplant.,18(9):1716−25,2003 Price,DL.et al.;J. Biol. Chem.,276,48967−48972,2001 Abdel−Rahman, E.et al.;Expert Opin. Investig. Drugs.,11(4):565−574,2002 Mark E.et al.;Current Diabetes Reports.,4:441−446,2004 今泉勉 ほか;AGEs研究の最前線:209−217,2004年;メディカルレビュー社
本発明は、新規なAGE形成阻害剤を提供することにある。AGE形成阻害剤は糸球体病変における不可逆的蛋白修飾による糖尿病性腎症の発症及び進展に対する予防又は治療に有用である。また、原疾患が糖尿病性腎症と診断されていない患者であっても、慢性糸球体腎炎や高血圧性腎症などの糸球体疾患により透析移行している患者の多くは血漿中のAGEが著しく増加しているという周知の事実から、AGE形成阻害剤は糖尿病性腎症のみならず、慢性糸球体腎炎や高血圧性腎症なども含めた糸球体疾患に対する予防又は治療に有用である。
上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表される化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が、AGEの一種であるペントシジンを指標にしたin vitro系での阻害試験において、アミノグアニジンと比較して、強いAGE形成阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(I)
Figure 2008110921

〔式中、R、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基又はC〜Cアルコキシ基を示し、Rは水素原子又はC〜Cアルキル基を示し、nは1〜4の整数を示す〕
で表される化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を提供するものである。
また、本発明は、下記一般式(II)
Figure 2008110921
〔式中、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基を示し、nは1〜4の整数を示す〕
で表される化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を提供するものである。
また、本発明は、一般式(I)又は(II)で表される化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とするAGE形成阻害剤を提供するものである。
また、本発明は、一般式(I)又は(II)で表される化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする糸球体疾患の予防及び/又は治療剤を提供するものである。
さらに、本発明は、一般式(I)又は(II)で表される化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする糖尿病性腎症の予防又は治療剤を提供するものである。
本発明の一般式(I)で表される化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、後記試験例に示すように、優れたAGE形成阻害作用を有し、糸球体疾患の予防及び/又は治療剤、特に糖尿病性腎症の予防及び/又は治療剤として有用である。
試験例に記載するとおり、血液透析患者の血漿を用い、アミノグアニジン又は被検薬物を添加した評価において、被検薬物は、アミノグアニジンと比べ、優れたAGE形成阻害活性を示した。即ち、血液透析患者の血漿を用い、37℃、7日間、アミノグアニジン又は被検薬物を添加した系において認められた主要なAGEの一種であるペントシジンの生成に対して、被検薬物の添加は、アミノグアニジン添加に比べ、強いペントシジン生成抑制作用を示した。
下記一般式(I)中、R、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基又はC〜Cアルコキシ基を示し、Rは水素原子又はC〜Cアルキル基を示し、nは1〜4の整数を示す。
Figure 2008110921
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
〜Cアルキル基としては、R〜Rのいずれの場合も、直鎖又は分岐鎖のC〜Cアルキル基もしくはC〜Cシクロアルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec―ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
〜Cアルコキシ基としては、直鎖または分岐鎖のC〜Cアルコキシ基もしくはC〜Cシクロアルコキシ基であり、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec―ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
〜R及びR〜Rは、各々、いずれか1つがメトキシ基で他が水素原子である場合が特に好ましい。
nは1〜4の整数を示し、nは2が特に好ましい。
本発明の化合物は塩を形成する場合がある。塩の種類は特に限定されないが、例えば、塩基付加塩が挙げられ、生理学的に許容される塩基付加塩が好ましい。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;メチルアミン塩、エチルアミン塩、トリエチルアミン塩などの有機アミン塩;グリシン塩などのアミノ酸塩などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
本発明の化合物は、溶媒和物として存在する場合がある。本発明の化合物又はその塩の任意の溶媒和物を本発明のAGE形成阻害剤として用いることができる。溶媒和物を形成する溶媒の種類は特に限定されないが、生理学的に許容される溶媒、例えば、水などが好ましい。
本発明の化合物(I)は、次に示す方法に従って製造することができる。
Figure 2008110921
〔式中、R、R、R、R、R、R、R及びnは前記と同じ意味を示す〕
すなわち、エタンジオン(a)(J.Org.Chem., 32, 3204-3205(1967)等に記載)とアミノ酸 α−アミド(b)(J.Amer.Chem.Soc., 82, 1641-1644 (1960), Bioorganic & Medicinal Chemistry, 13(10), 3587-3592 (2005),J.Prakt.Chem., 333(1), 181-182 (1991)等に記載)を塩基触媒の存在下、溶媒中で反応することにより、化合物(I)が得られる。この反応に用いる塩基は、特に制限は無いが、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム等のアルカリ金属単体、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等を使用することができる。
この反応に用いる溶媒としては特に制限はないが、水、アセトン、酢酸エチル、グリセリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エタノール、エチレングリーコールモノエチルエーテル、エチレングリーコールジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等が挙げられ、これらの溶媒を単独又は組み合わせて使用することができる。この反応は、室温〜溶媒の沸点の反応温度で1時間〜24時間反応させることによって終了する。反応液から化合物(I)の単離・精製は通常の方法を利用できるが、例えば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種のクロマトグラフィー等に付して単離・精製することができる。また必要に応じて、通常の方法で前記した所望の酸付加塩、塩基塩とすることができる。また、反応溶媒、再結晶溶媒などの溶媒和物、特に水和物としてもよい。
かくして得られる本発明の化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、後記試験例に示すように、優れたAGE形成阻害作用を有し、糸球体疾患の予防及び/又は治療剤、特に糖尿病性腎症の予防及び/又は治療剤として有用である。
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有するものであって、単独で用いてよいが、通常は薬学的に許容される担体、添加物等を配合して使用される。医薬組成物の投与形態は、特に限定されず、治療目的に応じて適宜選択できる。斯かる剤形としては、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤等を挙げることができる。
これらの製剤は、その剤形に応じて製剤学上使用される賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤等の医薬品添加物と適宜混合、希釈又は溶解し、常法に従い製造することができる。
例えば、散剤の場合は、必須成分のほかに、必要に応じて適当な賦形剤、滑沢剤等を加え、よく混和して調製すればよい。錠剤の場合は、必要に応じて適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等を加え、常法に従い打錠して調製すればよい。また錠剤は必要に応じてコーティングを施し、フィルムコート錠、糖衣錠等にすることができる。
また、注射剤の場合は、液剤(無菌水又は非水溶液)、乳剤及び懸濁剤の形態とすることができる。これらに用いられる非水担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルとしては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、オレイン酸エチル等の注射可能な有機酸エステルが挙げられる。また、該組成物には防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤等の補助剤を適宜配合することができる。
本発明の化合物の投与量は年齢、体重、症状、投与形態及び投与回数等によって異なるが、通常は成人に対して1日1〜1000mgを、1回又は数回に分けて経口投与又は非経口投与するのが好ましい。
以下、実施例、試験例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例、試験例に限定されるものではない。
実施例1 5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(2−カルボキシエチル)−2H−ピラジン−2−オン(1)の製造
Figure 2008110921
ビス−(4−メトキシフェニル)エタンジオン1.57g(5.81mmol)をエタノール60mLに懸濁し、L−グルタミン酸 α−アミド850mg(5.82mmol)及び水酸化ナトリウム1.25g(31.3mmol)の10mL水溶液を加え、80℃にて5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣を水に溶解し、クロロホルムで洗浄した後、塩酸を加えて酸性にし、クロロホルム/メタノール4:1の混合溶媒で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、減圧濃縮して得られた残渣をメタノール−クロロホルム−ジエチルエーテルで再結晶し、表題化合物(1)1.69g(76.5%)を得た。
淡黄色プリズム晶(メタノール−クロロホルム−ジエチルエーテル)
融点:247.5−248.5℃
H−NMR(CDCl)δ:2.86(2H,t,J=6.69Hz),3.21(2H,t,J=6.69Hz),3.74(3H,s),3.80(3H,s),6.71(2H,d,J=8.79Hz),6.81(2H,d,J=8.79Hz),7.16(2H,d,J=8.79HZ),7.17(2H,d,J=8.79HZ)
試験例1
血液透析患者の血漿を用いてのAGE形成阻害作用
血液透析患者の血漿中AGE(指標:ペントシジン)の測定はMiyataらの報告に従って実施した(Miyata,T.et al:J Am Soc Nephrol,13,2478−2487,2002)。血液透析患者の血漿0.9mLをアミノグアニジン又は被検薬物の存在下(添加量は0.1mL)で、37℃で7日間反応した。アミノグアニジン及び被検薬物の最終濃度は5.0mMとした。なお、アミノグアニジン又は各被検薬物はジメチルスルフォキシド(DMSO)に溶解して使用した。DMSOの最終濃度は反応溶液1mL中、反応時における酸化反応に影響しない10%とした。7日間の反応後に、アミノグアニジン又は各被検薬物を添加した血漿中のペントシジンの濃度を以下に示す方法で測定した。
反応溶液0.05mLに等量の10%トリクロロ酢酸(以下、「TCA」と称する)を加え、5000×g、5分間遠心した。上清を除去し、沈殿物を5%TCA0.3mLで洗い、その後凍結乾燥し乾燥させた。次いで、窒素条件下で110℃、16時間6N塩酸0.1mL添加し、乾燥物を加水分解した。引き続き、5N水酸化ナトリウム 0.1mLと0.5Mリン酸緩衝液(pH7.4) 0.2mLを添加し中和した。中和溶液は、口径0.5μmのフイルターをとおし、リン酸緩衝液で希釈し、ペントシジン測定用サンプルを調整した。ペントシジン濃度の測定はMiyataらの方法に従って実施した。
表1に、被検薬物によるペントシジン形成阻害強度を、アミノグアニジンによる形成阻害強度を1.0とした場合における相対値として表した(形成阻害強度はコントロール群を対照においた。コントロール群にはDMSOのみ添加した)。
相対値=(被検薬物の形成阻害率)÷(アミノグアニジンの形成阻害率)
アミノグアニジン及び被検薬物の反応中における最終濃度は5.0mMに固定した。
被検薬物の相対値は1.78と算出され、アミノグアニジンによるペントシジン形成阻害強度よりも大きかった。以上から、本発明の化合物は、アミノグアニジンよりも強力なAGE形成阻害作用を有し、さらに強力な治療剤としての可能性が本実験結果より明らかとなった。
Figure 2008110921

Claims (5)

  1. 一般式(I)
    Figure 2008110921

    〔式中、R、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基又はC〜Cアルコキシ基を示し、Rは水素原子又はC〜Cアルキル基を示し、nは1〜4の整数を示す〕
    で表される化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  2. 一般式(II)
    Figure 2008110921
    〔式中、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基又はC〜Cアルコキシ基を示し、nは1〜4の整数を示す〕
    で表される化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  3. 請求項1又は2記載の化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とするAGE形成阻害剤。
  4. 請求項1又は2記載の化合物、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする糸球体疾患の予防及び/又は治療剤。
  5. 請求項4記載の糸球体疾患が、糖尿病性腎症である予防及び/又は治療剤。
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